JP2007216432A - 一方向強化繊維シート及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、開繊シートの皺の発生を防止し取り扱いが容易な一方向強化繊維シート及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【解決手段】複数の繊維束Bをニップローラ11で並列に搬送して開繊工程に送出する。開繊工程では、繊維束Bに押圧機構13により上下方向に反復して押圧しながら、風洞管路16による下降気流を加えて開繊し、フィードローラ17により搬送して開繊シートSに整形する。整形された開繊シートSの上面に散布器22により粉末状の熱融着材を散布して止着シートRを重ね合わせてヒートローラ24により熱融着する。止着シートに開繊シートの長繊維が融着することで、開繊シートSに皺が発生することが防止される。
【選択図】図1

Description

本発明は、取り扱いが容易で繊維強化複合材料に好適な一方向強化繊維シート及びその製造方法に関する。
繊維強化複合材料は、マトリックス材料と繊維材料を組み合せたもので、軽量で剛性が高く多様な機能設計が可能な材料であり、航空宇宙分野、輸送分野、土木建築分野、運動器具分野等の幅広い分野で用いられている。その中で、炭素繊維又はガラス繊維といった繊維材料と熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂といったマトリックス材料を組み合せた繊維強化プラスチック(FRP)が開発されている。FRPでは、一方向に引き揃えられた長繊維からなる一方向強化繊維シートを積層しその方向を多方向に設定することで、多方向の強度が強化されたFRPを設計することができる。また、一方向に引き揃えられた帯状の長繊維糸を用いて織成した織物シートを使用してFRPを製造することも行われている。
こうした一方向強化繊維シートや織物シートは、長繊維が一方向に引き揃えられた状態を維持して取り扱う必要があることから、様々な工夫がなされている。例えば、特許文献1では、一方向引き揃え繊維シートの両面に繊維の軸方向と交差する方向にテープを接着した点が記載されている。また、特許文献2では、強化繊維束を経糸とし、ホットメルト接着剤で処理した繊維を緯糸とした強化繊維層と支持体シートからなり、支持体シートが緯糸と線接着している構造物補強用強化繊維シートが記載されている。また、特許文献3では、補強繊維布帛において補強繊維を形成しているフィラメントの少なくとも一部が熱可塑性樹脂の融着によって互いに部分的に接合した点が記載されている。
一方向強化繊維シートや織物シートを製造する方法の1つとして、長繊維が集束した長繊維束を幅広で厚さの薄いシート状に整形する開繊技術が用いられているが、FRPに用いる場合に積層することからできるだけ厚さを薄く整形することが求められている。また、長繊維が集束された長繊維束は、集束する長繊維の本数が多いものほど低コストで製造できることから、太い長繊維束をできるだけ薄くするための開繊技術の開発が進められている。本発明者は、例えば、特許文献4に示すように、7μmの炭素繊維を12000本集束した長繊維束(幅5mm、厚さ0.15mm)を幅20mmで厚さ40μmの開繊シートに整形する開繊技術を開発している。また、特許文献5では、予め開繊された複数の開繊繊維束を近接して並列配置し幅広の開繊シートに整形する方法についても提案している。
実公平3−22309号公報 特開平9−57882号公報 特開2001−226850号公報 国際公開第2005/002819号パンフレット 特開2005−29912号公報
特許文献4に示す開繊技術を用いることで、太い長繊維束を幅広で薄い開繊シートに整形することが可能となったが、厚さ40μmの開繊シートでは、7μmの炭素繊維が厚さ方向に数本配列されている程度となっている。そのため、開繊シートに張力を与え走行させるとき開繊シートに皺が発生しやすくなっており、皺が発生した状態で開繊シートを積層してFRPを製造すると、皺の部分に空気が残留したり、強度にムラが出るといった問題がある。
本発明者らは、厚さの薄い開繊シートの皺の発生原因を検討したところ、開繊シートを搬送ロール等で搬送する際、開繊シートの幅方向全体に張力を加えて引っ張ることになるが、このとき、シート厚み方向に並ぶ繊維本数が少ないため幅方向に均一な張力が加わり難く、皺が発生し易くなっているものと考えられる。ある程度厚さのあるシート、つまり厚み方向に並ぶ繊維本数の多い繊維シートの場合には、シート幅方向全体に加えられた張力が厚み方向に並ぶいずれかの繊維に作用し易くなるため、シート幅方向に加わる張力が均一な状態になり易く皺の発生を抑えることができるが、厚さが薄くなるにつれてそうした作用が小さくなって均一な張力を持たせたシート搬送が難しくなってくる。特に、シート幅が広くなってくると、搬送ロールの長さが長くなってシートの幅方向の挟持力にムラが発生しやすくなることも皺の発生要因となる。
そこで、本発明は、開繊シートの皺の発生を防止し取り扱いが容易な一方向強化繊維シート及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明に係る一方向強化繊維シートの製造方法は、開繊された少なくとも1本の長繊維束を一方向に引き揃えて所定幅の開繊シートに整形する整形工程と、開繊シートの少なくとも一方の面を被覆するように止着シートを密着させて開繊シートの長繊維を止着する止着工程と、止着シートが密着した開繊シートを巻き取る巻取工程とを備えることを特徴とする。さらに、集束された長繊維束を開繊する開繊工程を備えることを特徴とする。さらに、前記止着工程では、止着シートとして微粘着性を有するフィルムを用いることを特徴とする。さらに、前記止着工程では、止着シートを開繊シートの表面に散在する熱融着材を介して密着させることを特徴とする。さらに、前記開繊工程では、開繊シートを80μm以下の厚さとなるように開繊することを特徴とする。さらに、前記開繊工程では、複数の長繊維束を同時に開繊することを特徴とする。
本発明に係る一方向強化繊維シートは、少なくとも1本の長繊維束を開繊して長繊維を一方向に引き揃えて整形された開繊シートと、開繊シートの少なくとも一方の面を被覆するように密着されているとともに開繊シートの長繊維を止着する止着シートとを備えていることを特徴とする。さらに、前記止着シートは、微粘着性を有するフィルムからなることを特徴とする。さらに、前記止着シートは、開繊シートとの間に散在する熱融着材により開繊シートの長繊維を止着していることを特徴とする。さらに、前記開繊シートは、80μm以下の厚さに開繊されていることを特徴とする。
本発明は、上記のような構成を備えることで、開繊された長繊維束を一方向に引き揃えて整形された所定幅の開繊シートの少なくとも一方の面に止着シートを密着させて長繊維を止着するようにしたので、開繊シートに皺が発生することなく取り扱うことができる。すなわち、長繊維が止着シートに止着されることで繊維の弛みが防止されるとともに、開繊シート及び止着シートを一体として搬送、切断及び積層といった処理を行うため、こうした処理に伴ってシートに加わる力は止着シートに加わるようになって開繊シートに対して皺の発生が防止される。例えば、シートの搬送の際にはシートに張力が付与されるが、止着シートに張力が加わって開繊シートに皺が寄ることがなくなる。したがって、様々な処理を行う場合にその取り扱いが容易に行えるようになる。
そして、止着シートを微粘着性を有するフィルムを用いることで、フィルムの微粘着性によって長繊維が止着シートに確実に止着され、シートの搬送、切断及び積層といった処理に対しても開繊シートに皺が発生することがない。また、止着シートと開繊シートとの間に熱融着材を散在させて止着シートに開繊シートの長繊維を熱融着により止着するようにすれば、長繊維が止着シートに確実に止着されるとともに、止着シートに様々な材料を用いることができる。
特に、厚さが80μm以下に薄く整形された開繊シートの場合に皺の影響が大きくなるが、止着シートを密着させることで皺の影響を回避することが可能となる。そして、開繊シートの厚さを80μm以下に設定することで、積層成形して繊維強化複合材料を製造する場合にマイクロクラック(層内樹脂割れ)やデラミネーション(層間剥離)の発生を抑止することが本発明者らにより報告されている(「多方向強化複合材料積層板の初期破損に関する層厚さの影響」、日本複合材料学会誌、30、4(2004)、p.142-148参照)。
なお、特許請求の範囲及び本明細書において、「開繊シート」とは、集束された長繊維束を開繊して長繊維を薄くシート状に引き揃えたもので、一般に、シートを構成する長繊維の繊維材料、使用本数及び目付(g/m2)で特定される。
また、開繊シートの厚さについては、JIS R3420−1989「ガラス繊維一般試験方法」を参考に、最小目盛1μmの数字表示式マイクロメータを使用し、測定面が試料面に平行に軽く接触した状態でラチェットが3回音を立てた時の目盛値を厚さとした。
以下、本発明に係る実施形態について詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に本発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
図1は、本発明に係る実施形態に関する製造工程の説明図であり、図2は、図1を上面から見た説明図である。集束された繊維束Bは、図示せぬ給糸体(ボビン、チーズ、コーン等)から送出されるが、この例では、3つの繊維束Bが並行して送出されるように配列されている。そして、一部の繊維束Bは、ガイドローラ10により案内されてニップローラ11と支持ローラ12との間に搬送される。
集束された繊維束を構成する長繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、ポリオキシメチレン繊維、アロマティック・ポリアミド繊維等のFRPに用いられる高強度、高弾性の無機繊維や有機繊維が挙げられ、これらの繊維を複数組み合せてもよく、また繊度については特に限定されない。
3つの繊維束Bは、ニップローラ11と支持ローラ12との間にほぼ等間隔に並行して挟持されて送出される。ニップローラ11には、ワンウェイクラッチ11が連結されており、繊維束Bを送出する方向にのみ回転するように設定されている。
ニップローラ11と支持ローラ12との間から送出される繊維束Bの搬送方向下流側には、押圧機構13が設置されている。押圧機構13は、全繊維束Bの搬送領域の全幅にわたって配設された押圧ローラ13a、押圧ローラ13aの上部に連結された昇降ロッド13b、昇降ロッド13bの上端部に回動可能に下端部が取り付けられたクランクアーム13c、クランクアーム13cの上端部に連結してクランクアーム13cを上下動させるクランクモータ13dを備えている。そして、クランクモータ13dの回転駆動により押圧ローラ13aが反復して昇降動作を行い、押圧ローラ13aが下降動作の際に、図1に示すように、通常の搬送面(点線で表示)よりも下方に全繊維束Bを押動する。
開繊機構は、押圧機構13の下流側に設置されており、繊維束Bの搬送方向に向かって所定の間隔を空けて配置されたガイドローラ14a〜14e、ガイドローラ14a〜14eの各ローラ間の中間位置にそれぞれ配置された規制ブリッジ15a〜15d、ガイドローラ14a〜14eの各ローラ間の下方にそれぞれ配置された風洞管路16a〜16dを備えている。各ガイドローラ及び各規制ブリッジは、全繊維束Bの搬送領域の全幅にわたって配設されており、各規制ブリッジは、各ガイドローラよりも下方に配設されている。そして、各繊維束Bの搬送路は、各ガイドローラの上を通り各規制ブリッジの下を通るように設定されているため。繊維束Bは、図1に示すように、開繊機構において上下に蛇行しながら搬送されるようになる。風洞管路16a〜16dは、各ガイドローラの間の全域に開口する開口部が形成されており、開口部から吸気することで各ガイドローラ間に常時下降気流を発生させている。
開繊機構の下流側には、フィードローラ17及びプレスローラ18が配置されており、駆動モータ19がフィードローラ17を駆動回転してフィードローラ17とプレスローラ18との間に挟持された開繊シートSが搬送されるようになる。フィードローラ17及びプレスローラ18の下流側にはテンションローラ20及びガイドローラ21が配置されており、搬送される開繊シートSに所定の張力が付与される。
テンションローラ20及びガイドローラ21の下流側には、粉末状の熱融着材を収容した散布器22が開繊シートSの上方に配置されている。そして、シート供給ローラ23から繰出される止着シートRが開繊シートSの上面に重ね合わされてヒートローラ24及びプレスローラ25に挟持されて送出され、巻取りローラ26に巻き取られるようになっている。
次に、上述した製造工程の動作について説明する。給糸体から送出された3つの繊維束Bは、ニップローラ11及び支持ローラ12に挟持されて開繊機構に供給されるが、フィードローラ17により搬送されることで一定の張力が付与されるようになる。開繊機構では、一定の張力が付与された繊維束Bが押圧ローラ13aにより押動されると、ニップローラ11から繊維束Bが供給されて繊維束Bが撓んだ状態となる。
そして、押圧ローラ13aが上昇すると、繊維束Bは元の状態に戻ろうとするが、ニップローラ11は送出方向のみ回転し逆方向には回転しないため繊維束Bが逆方向に搬送されることはなく弛緩した状態となる。そのため、ガイドローラ14a〜14eの間で繊維束Bが弛緩し風洞管路16a〜16dの下降気流の作用によって繊維束Bが徐々に開繊されて幅が拡大していくようになる(図2参照)。繊維束Bの弛緩状態は、フィードローラ17に引っ張られることで再度張力が付与された状態となる。このように、繊維束Bに対して緊張状態及び弛緩状態を交互に与えながら下降気流を作用させることで繊維束Bを連続して開繊していくことができるようになる。こうした開繊技術は、例えば特許文献4に示すように公知のものである。
各繊維束Bは徐々に開繊されて幅広となり、互いの間隔が狭くなっていきフィードローラ17により挟持される際にはほぼ間隔がなくなり、フィードローラ17から送出されるとほぼ均一な厚さで長繊維を一方向引き揃えた開繊シートSに整形されて送出されるようになる。
フィードローラ17から送出された開繊シートSは、テンションローラ20により一定の張力が付与されて巻取りローラ26に巻き取られていくが、巻き取られる前に開繊シートSに止着シートRを密着させる。止着工程では、開繊シートSの上方に、粉末状又は短繊維状の熱融着材が収容された散布器22が配置されており、散布器22の散布口から開繊シートSの全幅にわたって熱融着材がほぼ均等に散布される。止着シートRは、供給ローラ23に巻き付けられており、開繊シートSとほぼ同じ幅かわずかに幅広に設定されている。止着シートRは、開繊シートSとともにヒートローラ24及びプレスローラ25の間に導入されて開繊シートSの上面に密着した状態に重ね合わされる。その際に、ヒートローラ24の加熱により開繊シートSの上面に散在する熱融着材が溶融して止着シートRと長繊維との間を融着させるようになる。そして、開繊シートSを止着シートRとともに巻取りローラ26に巻き取っていく。
止着工程で用いられる止着シートとしては、伸縮性が小さく可撓性がある薄いシートが好ましく、例えば表面がコーティング処理された工程紙や、ポリエステル系樹脂フィルム等が挙げられる。また、熱融着材としては、融点の低い合成樹脂材料が好ましく、例えば、ポリアミド系樹脂(例;吸水性の低いポリアミド12等)が挙げられる。熱融着材の大きさは、長繊維を確実に止着するだけの大きさが必要で、粉末状の場合には粒径が80μm以下、好ましくは5〜40μm程度に設定するとよい。短繊維状の場合には長さが10〜30mm程度に設定するとよい。また、開繊シートSに散在させる熱融着材の量は、開繊シートS全体の長繊維の止着を行うとともにFRP製造の際に容易に剥離できマトリックス材料の含浸の妨げとならない量に設定することが必要で、開繊シートSとの単位面積当りの重量比で10%以内がよく、好ましくは2〜5%である。
以上説明した例では、開繊する繊維束を3つとして説明したが、繊維束の本数については、特に限定されず、開繊シートの幅に応じて本数を適宜設定することができる。また、開繊シートの厚さについても開繊工程において開繊する幅をどの程度に設定するかで、容易に設計変更することが可能である。
図3は、上述した例の変形例に関する止着工程の説明図である。この例では、止着シートRを開繊シートSの下面に密着させるようにしており、そのため、止着シートRを巻き付けた供給ローラ23を開繊シートSの下方に設置している。そして、供給ローラ23から繰出された止着シートRの上面に散布器22より熱融着材を散布して、開繊シートSとともにヒートローラ24及びプレスローラ25の間に導入し、開繊シートSの下面に密着した状態に重ね合わせ、ヒートローラ24の加熱により止着シートRの上面に散在する熱融着材が溶融して止着シートRと長繊維との間を融着させる。
また、図1及び図3に示す止着工程を合わせて開繊シートSの両面に止着シートRを密着した状態に融着するようにしてもよい。
図4は、別の変形例に関する止着工程の説明図である。この例では、止着シートR’として微粘着性を有するフィルムを用いて開繊シートSの長繊維を止着するようにしている。止着シートR’は、供給ローラ30から繰出されて開繊シートSとともにフィードローラ31及びプレスローラ32の間に導入されて開繊シートSの下面に密着した状態で重ね合わされて巻取りローラ26に巻き取られる。止着シートR’は、微粘着性を有しているので、フィードローラ31及びプレスローラ32に挟持されて開繊シートSの下面に圧接されることで長繊維を止着するようになる。
止着シートR’としては、微粘着性を有するとともに伸縮性が小さく可撓性がある薄いシートが好ましく、例えば、表面がコーティング処理された工程紙や、ポリエステル系樹脂フィルム等が挙げられる。
以上のように製造された一方向強化繊維シートは、開繊して開繊シートに整形した直後に止着シートにより長繊維を止着するようにしているので、形態安定性がよく、FRP等の製造の際に巻取りローラから繰出しても皺が寄ることがなく、搬送時の曲げや捻りといった変形に対しても開繊時の形態を維持することが可能であった。また、シートの切断時においても止着シートとともに切断されるので、開繊シートに皺が発生することがなく、そのためシートを積層する際にも皺等による空隙が発生することなく密着した状態で積層することができた。
また、図5に示すように、止着シートRに予め切断の目安となるラインLを表示しておけば、一方向強化繊維シートを切断する際の作業を効率化することができる。
以上説明した例では、集束された長繊維束を開繊しながら開繊シートに整形しているが、特許文献5に記載されているように、予め開繊された開繊シートを複数並列配置して幅広の開繊シートに整形するようにしてもよい。その場合には、風洞管路等の開繊に必要な装置を省略することができる。
繊維束として、単糸直径7μmのカーボン・モノフィラメントを15000本集束した炭素繊維束15K(三菱レイヨン株式会社製;パイロフィルTR 50S)を用いて、図1で説明した製造工程により3本の繊維束から一方向強化繊維シートを製造した。
止着シートとして、厚さ120μmの工程紙(リンテック社製;WBE90R-DT)を用い、熱融着材として、平均粒径5μmのポリアミド樹脂粉末(融点165℃、東レ社製;SP-500)を用いた。
繊維束は、10m/分の搬送速度で搬送し、開繊工程では、押圧機構のクランクモータの回転数を350rpmに設定して押圧ローラにより繊維束を反復して押圧した。また、風洞管路では、風速20m/秒で吸気を行った。
開繊工程により開繊し整形された開繊シートは、幅約320mm、目付40g/m2)であった。開繊シートの上面に、散布器から開繊シートの単位面積当りの重量比で5%の量のポリアミド樹脂粉末を全幅にわたって散布し、ヒートローラの加熱温度を230℃に設定して止着シートと重ね合わせて密着させて巻取りローラにより巻き取った。
巻き取られた一方向強化繊維シートを繰出して曲げや捻りといった変形を加えたところ開繊シートに皺が発生することはなかった。また、シートを切断しても開繊シートに影響は与えることがなく、形態安定性に優れたものであることが確認された。
本発明に係る一方向強化繊維シートは、厚さの薄い開繊シートであっても取り扱いが容易であることから、繊維強化複合体の製造に幅広く用いることができる。特に、FRPの製造に用いられるRTM法(Resin Transfer Molding)やVaRTM法では、開繊シートを切断して繊維方向が多方向なるように積層して予備成形が行われるが、開繊シートを切断する際に張力が付与されて変形したり、積層の際に変形するため開繊シートに皺が発生する可能性が高い。その場合でも止着シートを密着させた状態で開繊シートの切断、引張といった取り扱いを自由に行うことが可能で、皺を発生させることなく複雑な形状に積層させることができ、積層した後止着シートのみを剥離していけば多層構造を効率よく成形することが可能となる。そのため、FRPの品質が向上するとともに作業効率が大幅に改善される。
本発明に係る実施形態に関する製造工程の説明図である。 図1を上面から見た説明図である 止着工程の変形例に関する説明図である 止着工程の別の変形例に関する説明図である。 止着シートに切断ラインを表示した説明図である。
符号の説明
B 繊維束
R 止着シート
S 開繊シート
10 ガイドローラ
11 ニップローら
12 支持ローラ
13 押圧機構
14 ガイドローラ
15 規制ブリッジ
16 風洞管路
17 フィードローラ
18 プレスローラ

Claims (10)

  1. 開繊された少なくとも1本の長繊維束を一方向に引き揃えて所定幅の開繊シートに整形する整形工程と、開繊シートの少なくとも一方の面を被覆するように止着シートを密着させて開繊シートの長繊維を止着する止着工程と、止着シートが密着した開繊シートを巻き取る巻取工程とを備えることを特徴とする一方向強化繊維シートの製造方法。
  2. 集束された長繊維束を開繊する開繊工程を備えることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記止着工程では、止着シートとして微粘着性を有するフィルムを用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記止着工程では、止着シートを開繊シートの表面に散在する熱融着材を介して密着させることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
  5. 前記開繊工程では、開繊シートを80μm以下の厚さとなるように開繊することを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記開繊工程では、複数の長繊維束を同時に開繊することを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 少なくとも1本の長繊維束を開繊して長繊維を一方向に引き揃えて整形された開繊シートと、開繊シートの少なくとも一方の面を被覆するように密着されているとともに開繊シートの長繊維を止着する止着シートとを備えていることを特徴とする一方向強化繊維シート。
  8. 前記止着シートは、微粘着性を有するフィルムからなることを特徴とする請求項7に記載の一方向強化繊維シート。
  9. 前記止着シートは、開繊シートとの間に散在する熱融着材により開繊シートの長繊維を止着していることを特徴とする請求項7に記載の一方向強化繊維シート。
  10. 前記開繊シートは、80μm以下の厚さに開繊されていることを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の一方向強化繊維シート。
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