JP4341419B2 - プリフォームの製造方法および複合材料の製造方法 - Google Patents

プリフォームの製造方法および複合材料の製造方法 Download PDF

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本発明は、形態安定性、積層する際のタック性等の取扱性に優れるとともに、マトリックス樹脂の含浸が良好で、かつ力学特性(特に圧縮強度)と寸法精度に優れた複合材料が生産性良く製造できる強化繊維基材を積層したプリフォームならびにそれらにマトリックス樹脂を含浸した複合材料の製造方法に関するものである。
従来より、強化繊維にマトリックス樹脂を含浸させた複合材料は、優れた力学特性、軽量化の要求特性を満たすことから主に航空・宇宙、スポーツ用途に用いられてきた。これら複合材料の生産性に優れる成形法として、例えばレジン・トランスファー・モールディング(RTM)成形法や真空注入成形法等が挙げられる。かかる成形法では、マトリックス樹脂が含浸されていない、ドライな基材を複数枚、成形型の中に配置し、低粘度の液状マトリックス樹脂を注入することにより強化繊維にマトリックス樹脂を含浸させて複合材料を成形する。
ところが、これらの成形法は、一般的には複合材料の生産性には優れるが、用いる基材がドライであるため、得られる複合材料中での基材の層が真直になり難い、すなわち基材層がうねり易い問題があった。この基材層のうねりは、基材層の積層構成が斜交の場合など特に顕著で、得られる複合材料の力学特性、特に圧縮強度を著しく低下させる原因となっていた。また、かかる問題は、雄型と雌型とで構成される合わせ型の成形型を用いる場合よりも、雄型または雌型の一方のみの成形型を用い、もう一方に柔軟なバッグ材を用いる場合に顕著に発現する。
また、かかる基材において、その嵩(厚み)、平滑性は、基材の取扱性、得られる複合材料の寸法安定性に大きな影響を及ぼす。複合材料の生産性を更に高める場合にはドライな基材の積層を自動化するが、その場合は特に基材の取扱性、すなわち単に目曲がり、目ずれしないことだけでなく、嵩が低くかつ平滑になっていることが重要となる。基材が嵩高く、凸凹していると、積層の自動化が困難となるだけでなく、得られる複合材料を所望の寸法で成形できないのである。
従来、かかる問題に対し、例えば特許文献1には、基材表面に熱可塑性樹脂を付着させ、これをロールで挟み込み加熱・加圧する方法が示されており、これによれば、基材表面の凸凹を減らし平滑化し、かつ基材厚さを均一に薄くしてその形状を保持することが可能である。しかし、特許文献1には上記の基材層のうねりの問題を解決するために必要な基材厚みに関する記載がなく、実際にこの基材層のうねりをなくすには、強化繊維体積率がかなり高くなるまで潰し込む必要があり、これをロール加圧方式で実現しようとすると、強化繊維糸条は拡幅作用を受け、この結果、強化繊維糸条間にあった隙間を強化繊維が埋めてしまい、特に厚み方向のマトリックス樹脂の含浸性が悪くなり、成形時間が長くかかる、もしくはマトリックス樹脂の特性によっては薄い板厚の成形品にしか適用できない基材となってしまうなどの欠点があった。
また、強化繊維基材に加圧する手段にロールを用いない技術として、特許文献2には、織物の目止めのために樹脂エマルジョン等を付与し、これを平板にて加熱プレスする旨の記載がある。しかしながら、かかる特許文献2の技術は、単純に織物の目曲がりや目ずれによる力学特性の低下を防止するものであり、目曲がりがない基材においても発生する上記基材層のうねりの問題を解決するものではないだけでなく、上記問題を解決するために必要な基材厚に関する記載が見られない。
すなわち、以上の従来技術では、適度な含浸性を備え、かつ、力学特性(特に圧縮強度)と寸法精度を兼ね備えた複合材が得られる強化繊維基材は得られておらず、これら要求を満たす技術が渇望されていた。
特開2003−136550号公報 特開2002−249984号公報
本発明は、取扱性(形態安定性、積層する際のタック性等)に優れ、マトリックス樹脂の含浸が良好で、かつ力学特性(特に圧縮強度)および寸法精度に優れた複合材料が生産性良く製造できる強化繊維基材を積層したプリフォームならびにそれらにマトリックス樹脂を含浸した複合材料の製造方法を提供するものである。
具体的には、高い強化繊維体積率を有しながらも、適度に強化繊維糸条間の隙間が残った強化繊維基材を積層したプリフォームの製造方法を提供するものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の第1の発明は、少なくとも、連続した強化繊維糸条と、熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂材料とから構成されるプリフォームの製造方法であって、次の(A)〜(C)の工程を含む製造工程にて製造された強化繊維基材を少なくとも2層以上積層し、かつ、積層した基材同士を少なくとも部分的に接着することを特徴とするプリフォームの製造方法である。
(A)強化繊維糸条を、少なくとも一方向に互いに並行するように引き揃え、布帛を形成する製布工程。
(B)前記布帛の少なくとも片表面に、樹脂材料を強化繊維基材の2〜15重量%の範囲で接着する接着工程。
(C)樹脂材料が接着された基材を、表面温度が25℃以上の平板上に載置し、JIS R7602−1989によって測定される基材の厚みから算出される基材の強化繊維体積率VPfが、40〜60%の範囲内となる厚みに加圧する加圧工程。
また、本発明の第2の発明は、少なくとも、連続した強化繊維糸条と、熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂材料とから構成されるプリフォームの製造方法であって、少なくとも、次の(A)および(D)の工程を含む製造工程にて製造された強化繊維基材を少なくとも2層以上積層し、かつ、積層した基材同士を少なくとも部分的に接着することを特徴とするプリフォームの製造方法である。
(A)強化繊維糸条を、少なくとも一方向に互いに並行するように引き揃え、布帛を形成する製布工程。
(D)前記布帛の少なくとも片表面に、樹脂材料を強化繊維基材の2〜15重量%の範囲で配置し、室温以上の温度で平板を介して熱と圧力を加え、樹脂材料を接着しながら、JIS R7602−1989に沿って測定される基材の厚みから算出される基材の強化繊維体積率VPfが、40〜60%の範囲内となる厚みに加圧する加圧・接着工程。
本発明に係るプリフォームの製造方法によると、その構成要素である樹脂材料を少なくとも布帛の表面に強化繊維基材の2〜15重量%の範囲内で接着させ、また強化繊維基材のVPfを40〜60%の範囲内にすることができるため、形態安定性、タック性等の取扱性に優れ、高い力学特性(特に圧縮強度)を有する複合材料を得ることができる。また、加圧を平板を介して行うため、強化繊維糸条同士の隙間を厳密に制御できる結果、基材の通気量、開口率を適正に制御することができ、マトリックス樹脂の優れた含浸性を達成することができる。
また、本発明に係るプリフォームの製造方法は、前記強化繊維基材同士が前記樹脂材料により少なくとも部分的に接着されて一体化しているため、取扱性に優れ、複合材料の優れた生産性を達成することができる。
さらに、本発明に係る複合材料の製造方法は、前記強化繊維基材または前記プリフォームを用いているため、高い力学特性を達成することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態をその一実施例の図面を参照しながら工程順に説明する。
図1は、本発明で用いられる強化繊維基材の製造方法の一態様を説明する工程図である。図2は本発明で用いられる強化繊維基材の製造方法の別の一態様を説明する工程図である。
(A)の製布工程(図1、2中1の工程)
ここでは、強化繊維糸条を少なくとも一方向に引き揃え、布帛を形成する。

図1および図2において、11は、たて糸であり、ボビンに巻き付けられ、全体がスタンドに備えられた回転軸(図示せず)に支持され、糸条の解舒に合わせボビンが回転し、周方向に解除できるようになっている。一方、12はよこ糸であり、ボビンに巻き取られた状態でたて糸と同様にスタンドに支持されている。製布する布帛が二方向性織物の場合は、実質的に一方向に連続した強化繊維糸条のたて糸11とよこ糸12とを用いて製織する。また、一方向性織物の場合は、実質的に一方向に連続した強化繊維束のたて糸11と、例えばガラス繊維、有機繊維等のヤーンや加工糸等の補助よこ糸(図示せず)とを用い、いずれの織物も製織治具として綜絖13、筬14、レピア15を主要機材とする織機を用いて製織し、布帛17を形成し、その後巻き取られる。ここで、実質的に連続した強化繊維糸条とは、強化繊維糸条が連続したものであることを指し、強化繊維糸条内に含まれる10重量%未満の単糸が切れているものも含まれる。また、強化繊維基材を製造する際、その一連の製造中は強化繊維が連続的に供給できるように繊維の先端同士を結束したものや交絡したものを含むことができる。
用いる強化繊維糸条としては、特にその種類に制限はないが、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、有機繊維(例えば、アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、フェノール繊維、ポリエチレン繊維、ポリビニルアルコール繊維等)、金属繊維またはセラミック繊維、これらの組み合わせ等が挙げられる。中でも、炭素繊維は、比強度および比弾性率に優れ、耐吸水性に優れるので、航空機や自動車の構造部材向けの強化繊維糸条として好ましく用いられる。
製織する布帛の形態としては、連続した強化繊維糸条を、少なくとも一方向に並行するように引き揃えたものであれば特に限定されないが、例えば二次元の一方向性、二方向性、あるいはそれ以上の方向性を有する織物、三次元の多方向性織物、編物、多軸挿入布帛、一方向に引きそろえられた強化繊維シートをバインダーや融着性不織布、ステッチ糸等で形態安定化したもの(一方向性シート)、一方向性シートを二方向以上積層した多軸シート等が挙げられ、それらはステッチ糸や結節糸等により接合され複数の布帛が一体化しているものでもよい。特に輸送機器(特に航空機)の構造部材として用いる場合には、高い力学特性(特に圧縮強度)が要求されるが、二方向性織物では強化繊維を二方向に織組織すること、たて糸束とよこ糸束との交錯点での強化繊維のクリンプが大きくなることにより、要求に耐え得る力学特性が発現しにくい場合がある。つまり、かかる問題が確実に解消できる点で、本発明に使用する布帛としては、一方向性の布帛、すなわち一方向性織物、一方向性シートまたはそれらの複数が一体化されたものが好ましい。更に、マトリックス樹脂の含浸の面を考慮すると、ストランド間に補助よこ糸束の交絡による極めて小さいクリンプが形成されている一方向性織物がとりわけ好ましい。かかる小さいクリンプはマトリックス樹脂の含浸流路となり、格段に含浸性を向上させる効果を奏し、本発明における最適な布帛といえる。
かかる一方向性織物をより詳しく説明する。図11は、本発明で好ましく用いられる一方向性織物の一態様を説明する斜視図である。一方向性織物11Aは、一方向に互いに平行に配列された強化繊維のたて糸11と、それと直交する補助よこ糸12’とが、互いに交錯して平織組織をなしたものである。
かかる一方向性織物11Aにおいて、たて糸11は5千本〜50千本(より好ましくは10千本〜25千本)の範囲内のフィラメントを有するものが好ましい。別の視点からは、たて糸11は300〜5000texの範囲内であるものが好ましい。かかる範囲より小さいと、織物での交錯点が多すぎ、クリンプが大きくなるだけでなくその数も多くなり、力学特性に劣る場合がある。一方、かかる範囲より大きいと、織物での交錯点が少なすぎ、形態安定性に劣る場合がある。
また、補助よこ糸12’を構成する補助繊維は、たて糸11と補助よこ糸12’との交錯点でのたて糸11の屈曲(クリンプ)を小さくして本発明の強化繊維の特性を最大限に発現させるために、たて糸11に用いる強化繊維の繊度の1/5以下、より好ましくは1/10以下であるのが好ましい。その具体的な繊度は、用いる強化繊維および補助繊維の種類、織物目付により異なるが、例えば強化繊維として800texのものを用いて200g/m2の織物とする場合、補助繊維の好ましい繊度は0.5〜50tex、より好ましくは1〜30texの範囲内である。かかる補助よこ糸12’の織密度は、布帛の形態安定、クリンプの影響の最小限化のため、0.3〜6本/cmの範囲内であるのが好ましく、より好ましくは1〜4本/cmの範囲内である。
また、補助繊維の種類は任意のものが使用できるが、布帛密度の安定性の面から成形時の加熱等により収縮しにくいものが好ましく、例えば炭素繊維やガラス繊維や、アラミド、ポリアミド(特にPOY:高速紡糸による半延伸糸)、PBO、PVA、PE等の有機繊維等を単独または組み合わせて使用することができ、これらは合糸加工、撚加工、ウーリ加工、倦縮加工等の二次加工がされたものでもよい。更に、たて糸11や補助よこ糸12’は、織組織を固定するために、接着機能を有する成分と組み合わせて用いることもできる。
かかる接着機能を有する成分としては、例えば、ナイロンやポリエステル等の熱可塑性樹脂、エポキシや不飽和ポリエステルやフェノール等の熱硬化性樹脂等を用いることができる。また、その形態としては繊維状、粒子状、エマルジョン状、ディスパージョン状等の任意の形態でたて糸11や補助よこ糸12’と組み合わせることができる。中でも繊維状のものを補助繊維と撚加工やカバーリング加工をして、補助よこ糸12’として用いると、織組織の固定効果が高いため好ましい。
本発明に好ましく用いられる一方向性織物としては、図11に示した平織組織以外にも綾織組織や朱子織組織も含まれるが、図12に示すノンクリンプ構造も含まれる。図12は、本発明で好ましく用いられる一方向性織物の別の一態様を説明する斜視図である。一方向性織物12Aは、炭素繊維のたて糸11と平行に配列された補助たて糸11’と、それと直交する補助よこ糸12’群とが、互いに交錯してたて糸11が一体に保持された構造(ノンクリンプ構造)の織物である。かかるノンクリンプ構造によると、平織組織よりも更にクリンプを小さくできるため、本発明の炭素繊維の特性を更に高く発現させることができる。また、樹脂含浸の面からも、補助繊維(特に補助たて糸)の存在により含浸流路が確保されており、非常に優れた含浸性を発現する。
なお、本発明で用いられる布帛は、後述のマトリックス樹脂の含浸の点から、その目付を50〜600g/m2の範囲に製布するのが好ましい。より好ましくは100〜350g/m2、更に好ましくは150〜300g/m2の範囲である。
(B)の接着工程(図1中2の工程)
ここでは、樹脂材料を強化繊維基材の2〜15%重量の範囲で少なくとも布帛の片表面に接着する。
図1を基に説明すると、製布工程1で製布された布帛17を引き出し、一定速度で搬送し、回転するロール2bとドクターブレード2cにより計量した粒子状の樹脂材料2aを布帛上に落下、付着させ、次に遠赤外線ヒーター21で加熱して布帛に接着し、基材18を形成し、巻き取る。
樹脂材料2aとして、粒子状のものを用いる場合は、簡単な装置で供給量の制御が容易にできるので好ましい。特に、上記のようにロール2bとドクターブレード2cとの間隙を設定し、ロールの回転速度を調整することで計量を行うと、安定した計量が可能となるだけでなく、安価に設備化が可能であるため好ましい。また、ロールとしては、メッシュやドット等のパターンが施してある(彫刻されている)ものを用いると、計量精度を上げることができ好ましい。また、粒子状の樹脂材料を自然落下させて布帛に塗布する場合、図1のように振動ネット2dを通過させると、布帛上で樹脂のより均一な分散が可能となるため好ましい。
その他、樹脂粒子を空気と共に搬送し、先端に高電圧をかけたノズルから噴射することでコロナ放電により粒子を強制的に帯電させ、布帛に粒子を付着させる方法も、より均一な塗布が可能となり好ましい。また、帯電させる手段は、摩擦による摩擦帯電であってもよい。この場合、樹脂材料を摩擦させる相手材をテフロン(登録商標)にすると、効率的に摩擦帯電できる場合が多く、好ましい態様といえる。
また、樹脂粒子を水に分散させて塗布した後乾燥する方法も、粒子のまま扱う場合に生じる凝集やブリッジ等、粉体特有の問題を回避できるため定量性を確保しやすく好ましい。
このように、樹脂材料を粒子状の状態で用いる場合は、布帛に付着させた粒子が容易に脱落して分量が低下する可能性があり、すぐに樹脂材料の融点以上または流動開始温度以上の温度に加熱して、布帛と確実に接着するのが好ましく、樹脂を加熱する装置は特に限定されないが、上記のように遠赤外線ヒーター21であると樹脂材料に接触や気流の外乱を与えずに加熱・制御できるため好ましい。
また、樹脂材料を溶融した状態でドット状に付着してゆく方法や、溶媒に溶解したものを塗布した後乾燥する方法も、布帛加工や塗装の分野で実績ある方法であり好ましい。
本発明において、樹脂材料は布帛の片面に塗布されていてもよいし、両面に塗布されていてもよい。片面に塗布する場合は塗布工程を簡略にできる点が好ましい。また、両面に塗布する場合は塗布工程が大掛かりになるものの、布帛の表裏の使い分けが必要ない点において好ましい。
本発明で使用する樹脂材料は、強化繊維基材の2〜15重量%の範囲で布帛の表面に塗布して接着させる。より好ましくは6〜14重量%、更に好ましくは8〜13重量%である。樹脂材料を上記範囲で有していることにより、基材の一層高い形態安定性がもたらされる。更に、基材を積層する際に、基材同士のタック性(接着性)、基材の適度なコシがもたらされる。その結果、形態安定性に優れ、積層が容易かつ自動化が可能な強化繊維基材を得ることができる。かかる特性は、2重量%未満では発現し難い。
また、上記範囲の樹脂材料が、基材の少なくとも片表面に接着していると、強化繊維基材を積層して得られる複合材料において、クラックストッパーの役目を果たす。特に、複合材料が衝撃を受けた時に、損傷抑制の役目を果たし、複合材料に優れた力学特性(特に衝撃付与後の圧縮強度)をもたらし、いわゆる層間強化効果がある。なお、表面以外に接着している場合も、複合材料中の残留応力緩和の役目を果たし、上記力学特性向上に寄与する。
樹脂材料が15重量%を越えると、後述の強化繊維体積率VPfが30〜60%の範囲内にすることが困難となるだけでなく、複合材料にした場合の強化繊維体積率Vfも低くなり過ぎる。また、樹脂材料が樹脂流路を潰し、含浸を妨げる場合がある。
樹脂材料の主成分、すなわち樹脂材料中で50重量%を越える成分(好ましくは60〜100重量%)は、上記の層間強化効果を高く発現する熱可塑性樹脂である。必要に応じて、樹脂材料に少量の粘着付与剤、可塑剤等を副成分として配合し、0〜150℃(より好ましくは30〜100℃)のガラス転移温度にするとよい。かかる副成分としては、マトリックス樹脂と同様または類似のものであると、マトリックス樹脂との接着性、相溶性に優れる利点がある
かかる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリケトン、ポリエーテルエーテルケトン、フェノール、ポリスルフォン、ポリフェニレンエーテル、ポリイミド、ポリアミドイミドおよびフェノキシから選ばれる少なくとも1種のであるのが好ましい。中でもポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンエーテルおよびポリエーテルスルフォンから選ばれる少なくとも1種のであるのがとりわけ好ましい。
(C)の加圧工程(図1中3の工程)
ここでは、前工程において布帛17に樹脂材料2aが接着された基材18に、25℃以上の表面温度の平板19を介して熱と圧力を加え、基材の強化繊維体積率VPfが40〜60%の範囲内となる厚みにする。
図1を基に、その工程の構成と作用を説明すると、平板プレス機31が開いた状態で基材18を引き出し、離型紙32を両面に挟み込みながら平板プレス機31内に規定の距離だけ送った時点で基材の送りを停止する。次に平板プレス機31を閉じ、基材18および離型紙32を2枚の加熱された平板19で挟み、圧力をかけた状態で一定時間保持する。この時、熱と圧力の作用により基材18は嵩高さが低くなる。次に、平板プレス機31を開き、基材18および離型紙32を再び規定の距離だけ送り、停止し、再び平板プレス機31を閉じる。このように規定距離の送りと加圧処理とを間欠的に繰り返し行うことで基材18は連続的に加圧処理されてゆく。加圧処理を終えた基材18および離型紙32は互いに接触した状態のまま冷板33で冷却され、この後に引き剥がされ別々に巻き取られる。
上記構成において、加圧処理を行うのは、温度制御機能付きの一般的な平板プレス機を用いるのが良い。離型紙32を用いるのは、基材に接着した樹脂材料2aが平板19に接着するのを避けるためであり、樹脂材料が片面にのみ付着している場合はその面にだけ配置してもよく、樹脂材質、温度条件、圧力条件、平板の表面材質等の要因により離型紙を使わなくても樹脂材料2aが平板19に付着しない場合は離型紙は不要である。
冷板33で冷却するのは、基材18が高温の状態で離型紙32を引き剥がそうとすると、樹脂材料2aが離型紙32に付着しているため、基材18が離型紙32に引っ張られた状態となり、この結果、基材18が狙った厚さにならないことや、基材18にうねりが生じる等の問題が発生するからであり、冷却の作用のあるものであれば、冷ロールや冷風を用いてもよい。
また、離型紙を用いない方法としては、図3の示すように離型性のあるベルト38でプレス平板の周りにループを形成し、これを基材18の送りに合わせて送る方法があげられ、離型紙交換の手間が要らず、更に離型紙を使い棄てにするのに比べ、製造コストを抑えることができる。なお、図3の場合は樹脂材料を基材の片面のみに接着して、この面をベルト側に向けた場合を想定している。
平板プレス機の加圧動作は基材の同一領域に対し、複数回加圧しても良いが、回数が多いと、強化繊維糸条の幅を拡幅する作用が働くため、少なくするのが好ましく、1回のみとするのが最も好ましい。
このように樹脂材料が接着された基材を加圧処理することで、布帛17に接着した樹脂材料2aの凹凸と樹脂材料2aそのものの厚さを低減するだけでなく、強化繊維自体の厚さを低減し、基材の平滑性、基材の強化繊維体積率律VPfを高め、基材の取扱い性、寸法精度、ひいてはこの基材にマトリックス樹脂を含浸して成型した複合材料の寸法精度を高め、強化繊維体積率Vfを高く安定させることができる。
特に平板によって加圧することにより、強化繊維には糸条長手方向に直行する一方向に圧力が均等に面圧として加わるため、強化繊維糸条中の単糸同士が摩擦力により拘束され、糸条幅が広がるのを抑制できる。これにより、高い強化繊維体積率でありながら、適度に強化繊維糸条間の隙間が残った、マトリックス樹脂の含浸性が良好な強化繊維基材を得ることができる。一方、ロールで挟み込んで加圧する場合には、圧力が線圧として負荷されることにより、強化繊維糸条中の単糸同士の摩擦力が小さく、拡幅に対する抗力が小さいため、強化繊維体積率を高めようと基材厚さを薄くすると、強化繊維糸条幅は急速に広くなり、糸条間に残された隙間を減少させ、マトリックス樹脂の含浸性が大きく低下してしまう。
(D)の加圧・接着工程(図2中4の工程)
ここでは、樹脂材料を、強化繊維基材18の2〜15重量%の範囲で、少なくても布帛17の片表面に配置し、室温以上の温度で平板を介して熱と圧力を加え、樹脂材料を接着しながら、基材の強化繊維体積率Vpfが40〜60%の範囲内となる厚みにする。
加圧工程3と比較し異なるのは、あらかじめ樹脂材料を布帛17に接着させていない点で、図2では熱可塑性樹脂材料からなる不織布シート34を布帛17と共に引き出し、重ねて加熱・加圧することで布帛17と不織布シート34を張り合わせている。この工程で張り合わせる樹脂材料は図2の例のように不織布の形態でも良いし、織物、編物等、適正な目付のシート状物であれば特に制限しない。これによれば、実質的に接着工程を省くことができ、設備が安価となる上、あらかじめ目付をコントロールしたシートを使用するため、樹脂材料の付着量の精度を高めることが容易となる。
加圧工程3または加圧・接着工程4での加圧の程度としては、JIS R7602−1989に沿って測定される厚みから算出される強化繊維体積率VPfが40〜60%とするのが好ましく、より好ましくは43〜58%である。強化繊維体積率VPfが40%未満であると、特に真空圧によりマトリックス樹脂を含浸させるような真空注入成形では、成形の際に大気圧以上の圧力がかからないので、強化繊維基材の嵩、すなわち強化繊維体積率VPfが所望の範囲に制御できず、得られる複合材料における強化繊維体積率Vfも力学特性に最適な50〜65%範囲内に制御することができないだけでなく、所望の寸法の複合材料が得られない。また、得られる複合材料中での基材層がうねり、得られる複合材料の力学特性、特に圧縮強度を著しく低下させる。かかる問題は、積層構成に関しては、基材層の積層構成が斜交の場合に、成形に関しては、雄型または雌型の一方のみ成形型を用い、もう一方に柔軟なバッグ材を用いる場合に、特に顕在化する。すなわち、力学特性に優れ軽量化効果を高く発現する複合材料が得られない。更には、基材の嵩が高く、平滑性に劣るため、基材の積層を自動化する際、厚み、平面方向ともに正確に位置決めできず、安定した自動積層が困難となる。
一方、60%を超えると、加圧の方式に関わらず強化繊維糸条間の隙間がなくなるだけでなく、密に充填され過ぎた強化繊維がマトリックス樹脂の流れを阻害する結果、含浸性が悪くなり、未含浸部分(ボイド)を有する力学特性に劣る複合材料しか得られない。
かかる強化繊維体積率VPfを40〜60%の範囲内に制御することにより、得られる複合材料における強化繊維体積率Vfおよび寸法を、所望の範囲に厳密に制御し、高い力学特性を発現することが可能となるのである。
更に、強化繊維体積率VPfが狙い通りの40〜60%の範囲内であっても、基材の糸条間隙間が狭くては含浸性が悪く、良好な強化繊維基材とはいえない。また、含浸性を良くしようと、糸条間の隙間を大きく取った場合は、複合材料にしたときに樹脂リッチ部分を多く形成することを意味し、力学特性(特に圧縮強度、疲労強度)の低下だけでなく、サーマルクラックの原因ともなる。つまり、強化繊維基材には適度な糸条間隙間が重要であり、これにより適度な含浸性が得られる。平板加圧は、その糸条拡幅の抑制効果から、強化繊維基材に適度な糸条間隙間を与えるのに良好な方法であり、これにより、高い強化繊維体積率VPfでありながら、適度な含浸性を維持した基材を得ることができる。すなわち、加圧処理を行う前の工程で、布帛もしくは基材の隙間を適度な状態にコントロールし、これを平板により加圧処理を行うことで、前の工程でコントロールした隙間を大きく損なわずに基材の嵩を低減させ、繊維体積率を高くすることができるのである。かかる工程を経ることにより、基材の強化繊維糸条間隙間を厳密に制御できる。一方、ロールによる加圧処理では、前の工程でいくら隙間をコントロールしても、ロール加圧の段階で糸条を広く拡幅させ過ぎて、隙間を閉塞させてしまう。
本発明は、以上の強化繊維糸条の拡幅抑制効果の他に、平板加圧には次に説明する予想外の効果が存在することを見出したものである。一般的に、強化繊維基材を構成する、その長手方向に延在する複数の強化繊維糸条(織物においては経糸)は、その平均の糸条長さに対して、個々の強化繊維糸条が、ごく僅かではあるが糸長の差を有している。ロール加圧では、強化繊維糸条を順に線圧にて加圧していくため、その糸長の差が順に送られる。長い距離を加圧処理していくと、その糸長の差が蓄積して、ついにはシワが発生する問題が発生する。これに対し、平板加圧では、1回の加圧サイクルにて強化繊維糸条への加圧による拘束が解放されるため、糸長の差が順に送られず、糸長の差の蓄積がない。すなわち、糸長の差に起因するシワの発生が回避できる予想外の効果を奏することができるのである。かかる点も、本発明の大きな特徴の一つということができる。
平板による加圧処理を用いた隙間のコントロールで、コントロールすべき糸条間隙間を客観的に定義できるパラメータとしては、通気量、開孔率が上げられる、それらの値は各工程を経る間に以下の通りの範囲内とするのが、基材の適正な繊維体積率VPf(40〜60%)を達成しつつ、適度な含浸性が得られるため好ましい。
通気量の場合、加圧工程3または加圧・接着工程4に供給する、布帛もしくは樹脂材料の付着した基材の通気性を、JIS L1096−1999 A法に沿って測定して、10〜100cm3/cm2・secとし、加圧工程3または加圧・接着工程4の処理により通気性を8〜50cm3/cm2・secとする。
開孔率の場合、加圧工程3または加圧・接着工程4に供給する、布帛もしくは樹脂材料の付着した基材の開口率を2〜10%とし、加圧工程3または加圧・接着工程4の処理により開口率を1〜8%とする。
なお、開口率は、平面状にした布帛もしくは基材をその垂直方向から見て100mm×100mmの単位面積における強化繊維(場合によっては補助糸やステッチ糸や結節糸等)が存在しない開口部分の面積の百分率を指し、CCDカメラやスキャナー等により光学的に取り込まれた画像を元に、画像処理を行い、開口部分の面積を算出する。
ここで、加圧工程3または加圧・接着工程4に供給する、布帛もしくは基材の通気量または開孔率を前記の範囲でコントロールするには、製布工程1で、強化繊維の糸条間ピッチを調整したり、強化繊維または布帛を片掛けロール16に通して、糸条の幅を調整したりするのが好ましい。片掛けロール16は強い拡幅機能が必要であればプレスロール(図示せず)を使用しても良い。
更に、一方向織物を用いる場合は、下記の方法で糸条間隙間を精度良くコントロールすることができる。図10にはその構成を示しているが、まず、織りあがった布帛17を一旦片掛けロール16に通し、糸条同士がぶつかり合ってそれ以上拡幅できない程度まで糸条幅を拡幅し、この後に、シート状物の幅を拡幅する機能のあるエキスパンダーロール39(フラット型、湾曲型等)を用いて、布帛17の幅を均等に拡幅し、糸条間ピッチを広げる。かかる方法によれば、最初の糸条幅の拡幅で強化繊維の幅が糸条間ピッチによって決まる限界値近くで安定させ、次の布帛幅の拡幅で糸条間ピッチを狙った幅に拡幅させられることから、強化繊維糸条幅のバラツキが極めて少なく、かつ糸条間の隙間を適正にコントロールした布帛を得ることができる。この方法は、強化繊維糸条幅のバラツキが大きく出やすい構成である、強化繊維の目付が100〜350g/m2、強化繊維糸条の繊度が800texを越え、補助糸であるよこ糸の繊度が強化繊維糸条の繊度の1/10以下である一方向織物に用いる場合に、特に有効である。なお、この方法を用いた場合は、布帛17の幅を拡幅した後に、すぐに接着工程2あるいは加圧・接着工程4にて樹脂材料を表面に接着し、形態を安定させるのが、コントロールした糸条間の隙間を確実に維持できるので好ましい。
なお、本発明でいう強化繊維基材における強化繊維体積率VPfとは、次式で求めた値をいう(単位は%)。なお、ここで用いた記号は下記に準ずる。ここで、測定に供する強化繊維基材は、製造した後、少なくとも24時間以上経過し、スプリングバック量が実質的に飽和したものとする。
VPf=(W1)/(ρ×T1×10) (%)
W1:強化繊維基材1m2当たりの強化繊維の重量(g/m2
ρ :強化繊維の密度(g/cm3
T1:JIS R7602−1989に沿って測定した強化繊維基材の厚さ(mm)
なお、図1では製布工程1と接着工程2の間、および接着工程2と加圧工程3の間に布帛を一旦巻き取り、再度次工程で引き出す場合を示しているが、図4のように、製布工程1と接着工程2が連続的に(オンラインで)処理する構成にしてもよい。これにより、布帛として形態安定性に劣るものであっても、樹脂材料を用いることにより形態安定化させることが可能となり、高い力学特性を発現しながら、取り扱い性に優れた強化繊維基材を得ることができる。以下、具体例を挙げてより詳しく説明する。
炭素繊維を強化繊維とする一方向性織物を例に挙げると、たて糸と補助よこ糸との交錯により生じる炭素繊維の屈曲(クリンプ)は力学特性に悪影響を及ぼす。このクリンプを最小限にするために、例えば、補助よこ糸間隔を10mm以上に拡げ、30tex以下の細いガラス繊維ヤーンの補助よこ糸を使用すると、形態安定性に劣りそれ単独では取り扱いができない。しかしながら、製布工程1から連続的に接着工程2を経て、樹脂材料を接着することにより形態安定性が飛躍的に向上し、取り扱いが可能な炭素繊維基材を得ることができる利点があるのである。
しかしながら、一方向性織物を例に挙げると、製布工程1での加工速度は一般的に0.3〜0.4m/分程度と遅く、塗布工程2と加圧工程3ではそれよりも早い速度で処理することが可能であり、設備能力が無駄になる。このミスマッチを考慮すると、製布工程1を複数系列確保し、これらで製布した布帛巻き物を接着工程2に供給するのが、各工程の処理能力を十分に引き出せるという点で有効である。
図5には接着工程2と加圧工程3を連続的に(オンラインで)処理する構成を示している。接着工程2と加圧工程3の間では、基材18に十分なたるみ35を設けるようにしており、接着工程2からは基材18が時間的に連続に供給され、供給が進むにつれてたるみ量が増加し、たるみ35が下限に達した時点で加圧工程3が基材18を引き込み、たるみを減少させ加圧処理を実施する。この繰り返しにより、基材18を連続して処理できるようになっている。この場合、図1、図4等の場合にある、接着工程2と加圧工程3との間での基材18の巻き取り、入替え、再引き出し等に関わるロス(作業工数、原料)をなくすことができ好ましい。
図6は図5の構成で示した基材18のたるみ35をダンサーロール36で構成したもので、基材18をたるませておく図5の構成の場合に比べ、布帛が加圧工程3で処理される際に一定の張力を付与することができるため、強化繊維基材の品質をより安定させる効果があり更に好ましい。
このように、図5、図6のような加圧工程3の前にたるみ、もしくはダンサーロールを設ける方法は、図7のように加圧・接着工程4の前に同様に設けても良く、これにより製布工程1と加圧・接着工程4が連続的(オンライン)に処理され、やはり、布帛17の巻き取り、入替え、再引き出し等に関わるロス(作業工数、原料)をなくすことができ好ましい。ただし、先に述べた製布工程1との加圧・接着工程4との処理速度のミスマッチの問題は考慮する必要がある。
また、接着工程2での樹脂材料の供給が、加圧工程3の時間的に不連続な動作に合わせることができる場合は、図8のように接着工程2から加圧工程3までを単純に連結させて、全体が時間的に不連続な処理を行うようにしても良い。
更に、図9のように、加圧工程3もしくは加圧・接着工程4にて圧力を加える際に、少なくても片面側に離型紙32を配し、加熱、加圧により基材18に離型紙を貼り付け、この後に基材18と離型紙32が貼り合わされた状態のままスリッター37により幅方向にスリットし、基材と離型紙が接着した状態の基材18’巻き取る方法がある。この方法で製造した基材18’を使用する際は、基材を離型紙と共に巻きだして、使用の直前に離型紙を剥がすことになるが、これによると、離型紙のコシの効果により取扱い性が格段に向上する上、基材が離型紙により守られるため、擦過、引っかかり等の外乱を低減できる。特に、強化繊維基材を後の工程で裁断機や金型等の上に自動的に配置してゆく際に、直前まで離型紙により支えることで、本来ドライな状態のため形状安定性に劣り位置精度の出しにくい基材を、正確に位置決めできる。また、スリットを行ったことにより、本来形態の布安定な布帛の幅寸法精度に影響を受けず、幅精度の高い強化繊維基材が得られ、位置決め精度を更に高い物とすることができる。
本発明のプリフォームの製造方法は、上記方法で製造した強化繊維基材を少なくとも2層以上積層し、積層した基材同士を少なくとも部分的に接着することから成る。
積層にあたっては、目的とする形状に合った形に裁断した基材を積み重ねても良いし、概略の形状に積み重ねた後に裁断しても良い。また、積層の作業は人手で行っても良いが、自動機により実施するのが、人件費を抑制でき効果的であり、自動機を使用する場合は、上記の、基材を離型紙と貼り合わせたままスリットして巻き取った強化繊維基材を使用するのが、位置決め精度を高めることができ好ましい。
基材同士を部分的に接着する方法としては、基材成分とは別の接着成分を用いる方法もあるが、複合材料としたとき力学特性を低下させる危険があり、より好ましくは、基材を加熱して表面に接着した樹脂材料のタック性を発現させ、これにより基材同士を接着するのが、力学特性を損なわず好ましい。
これらによりできたプリフォームは、嵩高さが抑えられて、強化繊維体積率が高い、締まりのあるプリフォームとなり、ハンドリング性にも優れたものとなる。
本発明の複合材料の製造方法は、上記方法で製造した強化繊維基材、またはプリフォームを、例えば、RTM(Resin Transfer Molding)、RFI(Resin Film Infusion)、RIM(Resin Injection Molding)、真空アシストRTM等、プレス成形等の各種成形方法およびそれらを組み合わせた成形方法にて、厚みから算出される強化繊維体積率Vfが50〜65%であるように成形する。
より好ましい成形方法としては、生産性の高い注入成形法が挙げられる。かかる注入成形法として、好ましくはRTMが挙げられる。RTMは、例えば、雄型および雌型により形成したキャビティ中にマトリックス樹脂を加圧して注入する成形方法がある。より好ましい成形方法として、真空アシストRTMが挙げられる。真空アシストRTMは、上述の通りであるが、例えば、雄型または雌型のいずれかとバッグ材(例えば、ナイロンフィルム、シリコンラバー等の柔軟性を有するもの)により形成したキャビティを減圧し、大気圧との差圧にてマトリックス樹脂を注入する。この場合、キャビティ内の強化繊維基材に樹脂拡散媒体(メディア)を配置し、かかるメディアによりマトリックス樹脂の拡散・含浸を促進する。成形後には、複合材料からメディアを分離することが好ましい。これらの注入成形方法は、成形コストの面から好ましく適用される。
以下、本発明の実施例を説明する。
まず、実施例および比較例に用いる原材料および成形方法は、次の通りとした。
1.強化繊維糸条:
PAN系炭素繊維、24,000フィラメント、繊度1,030tex、引張強度5,900MPa、引張弾性率295GPa、破断伸度2.0%、破壊歪エネルギー59MJ/m3
2.連続した補助繊維糸条A:
ガラス繊維、ECE225 1/0 1.0Z、繊度22.5tex、伸度3%以上、バインダータイプ”DP”(日東紡製)。
3.連続した補助繊維糸条B:
ポリアミド66繊維、7フィラメント、繊度1.7tex。
4.樹脂材料:
ポリエーテルスルフォン樹脂(住友化学工業(株)製スミカエクセル5003P)60重量%(主成分)と次のエポキシ樹脂組成物40重量%(副成分)とを2軸押出機にて溶融混練したものを冷凍粉砕したもの。平均粒子径D50((株)セイシン企業製LMS-24で測定)115μm、ガラス転移点68℃。
エポキシ樹脂組成物−ジャパンエポキシレジン(株)製”エピコート”806を21重量部、日本化薬(株)製NC-3000を12.5重量部、および、日産化学工業(株)製TEPIC-Pを4重量部を、100℃で均一になるまで攪拌したもの。
5.マトリックス樹脂:
次の主液100重量部に、次の硬化液を39重量部加え、80℃にて均一になるように撹拌したエポキシ樹脂組成物。80℃におけるE型粘度計による粘度:55mPa・s、1時間後の粘度:180mPa・s、180℃で2時間硬化後のガラス転移点:197℃、曲げ弾性率:3.3GPa。
主液−エポキシとして、Vantico(株)製”アラルダイト”MY-721を40重量部、ジャパンエポキシレジン(株)製”エピコート”825を35重量部、日本化薬(株)製GANを15重量部、および、ジャパンエポキシレジン(株)製”エピコート”630を10重量部を70℃で1時間攪拌して均一溶解させたもの。
硬化液−ポリアミンとして、ジャパンエポキシレジン(株)製”エピキュア”Wを70重量部、三井化学ファイン(株)製3,3’−ジアミノジフェニルスルホンを20重量部、および、住友化学工業(株)製”スミキュア”Sを10重量部を100℃で1時間攪拌して均一にした後に70℃に降温し、硬化促進剤として、宇部興産(株)製t−ブチルカテコールを2重量部を更に70℃で30分間攪拌して均一溶解させたもの。
(実施例1)
184本の上記強化繊維糸条をお互いに並行に引き揃え、1.8本/cmの密度で一方向に配列し、1m幅のシート状の強化繊維糸条群を形成した。また、補助繊維糸条Aを、お互いが並行に引き揃え、1.8本/cmの密度で、強化繊維糸条群と同じ方向で、かつ、強化繊維糸条と交互に一方向に配列し、経方向補助繊維糸条群を形成した。両者を用いてシート状の経方向糸条群を形成した。次に、補助繊維糸条Bを、お互いに並行に引き揃え、3本/cmの密度で、経方向糸条群と直交する方向に配列し、上記補助繊維糸条Aと補助繊維糸条Bとを織機を用いて平織組織に交錯させ、一方向性ノンクリンプ織物を形成した(製布工程)。かかる一方向性ノンクリンプ織物に、粒子状の樹脂材料を、ノードソン(株)製トリボIIガンにて均一分散させながら、表面に強化繊維基材の14重量%となる量を塗布し、185℃、0.3m/minの条件にて遠赤外線ヒーターを通過させ、樹脂材料を基材片表面に接着した(接着工程)。この時点で、基材の通気性は52cm3/cm2・sec、開口率は5%であった。次いで、離型紙で挟み、110℃で1分間の平板プレス(クリアランス調整用シム厚0.22mm、圧力1MPa)を、同一領域につき1回のみ実施し、ロールに巻き取った(加圧工程)。
得られた強化繊維基材は、樹脂材料によって交錯点が固定されているため、基材の取扱性に優れるだけでなく、強化繊維糸条の真直性を保つことができた。また、基材の嵩は低く、平滑で、非常に取扱性に優れたものであった。強化繊維糸条目付は190g/m2、基材の厚みは0.22mm、VPfは48%、基材の通気性は11cm3/cm2・sec、開口率は2.5%であった。
(比較例1)
加圧工程でのプレスを160℃のプレスロールにて実施したことを除いては、実施例1と同様にして強化繊維機材を得た。
得られた強化繊維基材は、実施例1と同様、基材の嵩は低く、平滑で、非常に取扱性に優れたものであり、強化繊維糸条目付は190g/m2、基材の厚みは0.22mm、VPfは48%、と同一の値であったが、基材の通気性は3cm3/cm2・sec、開口率は0.5%と、実施例1に比べ低い値となった。
(実施例2、比較例2)
実施例1、比較例1の強化繊維基材を用いて、次の成形方法によって複合材料を成形し、含浸性を評価した。なお、含浸性は、本比較例2でかかった時間を100とした指数で相対評価した。
以下において、本発明の製造方法を、図面を参照しながら説明する。
図13は、本発明の複合材料の製造装置の一態様の概略断面図である。図10に示すように、平面状のガラス製成形型62の表面に、150mm×150mmに裁断した基材61を32枚、擬似等方性となるように[―45°/0°/+45°/90°]を8回繰り返して積層する。積層体の最表面にピールプライ63であるポリエステル繊維の離型処理された織物を配置し、その上に樹脂拡散媒体(メディア)64であるポリプロピレン製メッシュ状シートを配置し、更にその上に、押さえ板となるアルミ製カウルプレート70を配置する。積層体が成形型と接した周囲には、エッジ・ブリーザー66であるポリエステル繊維の不織布を複数枚積層して張り巡らす。真空吸引口68やエッジ・ブリーザーから最も近いメディアまでの距離が10mm以上離れるようにメディアの平面視の最大外形がメディア面の積層体の平面視の最大外形よりも10〜50mm程度小さくなるように配置する(図示せず)。全体をバッグ材65であるナイロンフィルムで覆い、バッグ材と成形型の周囲を、シール材67で密閉する。樹脂注入口69は、メディアに接するように取り付け、シール材で密閉する。真空吸引口は、樹脂注入口から遠いエッジ・ブリーザー上に取り付け、同様にシールする。真空吸引口から吸引し、バッグ材の内側が10Torr以下になるように真空吸引する。3℃/minの速度で、装置全体を80℃に昇温する。真空吸引を継続しながら、積層体が80℃に達してから1時間保持する。その後、樹脂注入口のバルブを解放し、この時点から、メディアを伝ってマトリックス樹脂が進入、基材中に樹脂が含浸し、ガラス製成形型の下面側からのぞいて樹脂が全面に到達するまでの時間(含浸時間)を計測する。樹脂含浸が完了したら、樹脂注入口のバルブを閉め、マトリックス樹脂の注入を中止する。なお、真空吸引は、注入開始から4時間継続する。1.5℃/minの速度で、装置全体を130℃まで昇温する。130℃に達した時点で、真空吸引口をシールして吸引を中止する。この時、バッグ材の中を真空状態に保つようにシールする。130℃に達してから2時間保持してマトリックス樹脂を硬化させる。その後、3℃/minの速度で常温まで降温する。バッグ材、ピールプライおよびメディアを除去して、一旦、複合材料を取り出す。次いで複合材料を、成形型上に置き、1.5℃/minの速度で180℃まで昇温する。180℃に達してから2時間保持してマトリックス樹脂を二次硬化させる。その後、3℃/minの速度で常温まで降温して、複合材料を得る。
(実施例3、比較例3)
実施例1、比較例1の強化繊維基材を用いて、基材の裁断寸法と積層構成を替える以外は実施例2と同様にして複合材料を成形し、力学特性である次の無孔圧縮強度(NHC)を評価した。NHCとは、SACMA-SRM-3R-94 「SACMA Recommended Test Method for OPEN-HOLE COMPRESSION PROPERTIES OF ORIENTED FIBER-RESIN COMPOSITES」に記載されている有孔圧縮強度(OHC)を測定する方法と同様の積層構成の積層板を用いて、以下の方法で測定されたものを指す。具体的には、基材をカットし、積層構成が[−45°/0°/+45°/90°]を2回繰り返したものを2組用意し、それを90°層を向かい合わせて対称積層になるように貼り合わせた3mm厚の平板を成形した。この積層平板を、幅25.4mm、長さ105.4mmの寸法の試験片に切り出し、試験片の上下それぞれ40mmをジグで固定した状態で圧縮試験した。試験片の0°方向の圧縮強度を専用ジグを用いて測定したものを指す。試験片の数は最低でn=4とし、その平均値を用いた。
以上のようにして得られた材料の各種物性をまとめたのが次の表1である。
Figure 0004341419
この表から分かるように、複合材料の力学特性に関し、本実施例のものは、比較例に比べ同等の高い値を示しながら、かつ、含浸にかかる時間を大幅に改善できていることがわかった。これは基材を平板で加熱・加圧することで基材の繊維体積率を高くしつつ、かつ、マトリックス樹脂含浸に必要な糸条間の隙間を適量だけ確保した効果が現れたと考えられる。また、複合材料の断面を観察した結果、実施例、比較例共の強化繊維基材の層のうねりは小さいものとなっていた。
本発明は、主として航空機および自動車用構造部材の製造方法に好適に適用できるが、これに限定されるものではなく、例えば船舶分野などの構造部材の製造方法にも適用できる。
本発明の強化繊維基材の製造方法の一態様を説明する工程図である。 本発明の強化繊維基材の製造方法の一態様を説明する工程図である。 本発明の強化繊維基材の製造方法の一態様を説明する工程図である。 本発明の強化繊維基材の製造方法の一態様を説明する工程図である。 本発明の強化繊維基材の製造方法の一態様を説明する工程図である。 本発明の強化繊維基材の製造方法の一態様を説明する工程図である。 本発明の強化繊維基材の製造方法の一態様を説明する工程図である。 本発明の強化繊維基材の製造方法の一態様を説明する工程図である。 本発明の強化繊維基材の製造方法の一態様を説明する工程図である。 本発明の強化繊維基材の製造方法の一態様を説明する工程図である。 本発明で好ましく用いられる一方向性織物の一態様説明する斜視図である。 本発明で好ましく用いられる一方向性織物の別の一態様説明する斜視図である。 本発明の複合材料の製造装置の一態様の概略断面図である。
符号の説明
1:製布工程
2:接着工程
3:加圧工程
4:加圧・接着工程
2a:樹脂材料
2b:ロール
2c:ドクターブレード
2d:振動ネット
6:エッジ・ブリーザー
11:たて糸
11’:補助たて糸
12:よこ糸
12’:補助よこ糸
13:綜絖
14:筬
15:レピア
16:片掛けロール
17:布帛
18:基材
18’:基材
19:平板
21:赤外線ヒーター
31:平板プレス機
32:離型紙
33:冷板
34:不織布シート
35:たるみ部
36:ダンサーロール
37:スリッター
38:ベルト
39:エキスパンダーロール
61:強化繊維基材
62:成形型
63:ピールプライ
64:樹脂拡散媒体
65:バッグ材
66:エッジ・ブリーザー
67:シール材
68:真空吸引口
69:樹脂注入口
70:カウルプレート

Claims (10)

  1. 少なくとも、連続した強化繊維糸条と、熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂材料とから構成されるプリフォームの製造方法であって、次の(A)〜(C)の工程を含む製造工程にて製造された強化繊維基材を少なくとも2層以上積層し、かつ、積層した基材同士を少なくとも部分的に接着することを特徴とするプリフォームの製造方法。
    (A)強化繊維糸条を、少なくとも一方向に互いに並行するように引き揃え、布帛を形成する製布工程。
    (B)前記布帛の少なくとも片表面に、樹脂材料を強化繊維基材の2〜15重量%の範囲で接着する接着工程。
    (C)樹脂材料が接着された基材を、表面温度が25℃以上の平板上に載置し、JIS R7602−1989によって測定される基材の厚みから算出される基材の強化繊維体積率VPfが、40〜60%の範囲内となる厚みに加圧する加圧工程。
  2. 少なくとも、連続した強化繊維糸条と、熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂材料とから構成されるプリフォームの製造方法であって、少なくとも、次の(A)および(D)の工程を含む製造工程にて製造された強化繊維基材を少なくとも2層以上積層し、かつ、積層した基材同士を少なくとも部分的に接着することを特徴とするプリフォームの製造方法。
    (A)強化繊維糸条を、少なくとも一方向に互いに並行するように引き揃え、布帛を形成する製布工程。
    (D)前記布帛の少なくとも片表面に、樹脂材料を強化繊維基材の2〜15重量%の範囲で配置し、室温以上の温度で平板を介して熱と圧力を加え、樹脂材料を接着しながら、JIS R7602−1989に沿って測定される基材の厚みから算出される基材の強化繊維体積率VPfが、40〜60%の範囲内となる厚みに加圧する加圧・接着工程。
  3. (C)の加圧工程または(D)の加圧・接着工程に供給する、布帛もしくは樹脂材料の付着した基材の通気性を、JIS L1096−1999 A法によって測定して、10〜100cm/cm・secとし、(C)の加圧工程または(D)の加圧・接着工程の処理により基材の通気性を8〜50cm/cm・secの範囲内とすることを特徴とする請求項1または2記載のプリフォームの製造方法。
  4. (C)の加圧工程または(D)の加圧・接着工程に供給する、布帛もしくは樹脂材料の付着した基材の開口率を2〜10%とし、(C)の加圧工程または(D)の加圧・接着工程の処理により基材の開口率を1〜8%の範囲内とすることを特徴とする請求項1または2記載のプリフォームの製造方法。
  5. (B)の接着工程と(C)の加圧工程との間、または(A)の製布工程と(D)の加圧・接着工程との間に、布帛または樹脂材料が接着された基材にたるみを設けることで、布帛または樹脂材料が接着された基材を連続して処理することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプリフォームの製造方法。
  6. (B)の接着工程と(C)の加圧工程との間、または()の製布工程と()の加圧・接着工程との間に、ダンサーロールを設けることで、布帛または樹脂材料が接着された基材を連続して送ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプリフォームの製造方法。
  7. (C)加圧工程または(D)の加圧・接着行程にて圧力を加える際に、少なくとも片面側に離型紙を配置し、加熱、加圧により布帛に離型紙を貼り付け、この後に布帛と離型紙が貼り合わされた状態のまま幅方向にスリットし、巻き取ることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のプリフォームの製造方法。
  8. 製布する布帛が、一方向性織物または一方向性シートであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のプリフォームの製造方法。
  9. (A)製布工程と(C)接着工程との間、または(A)製布工程と(D)加圧・接着工程の間で、布帛を幅方向に拡幅することで、強化繊維糸条間の隙間を拡大することを特徴とする請求項8記載のプリフォームの製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の方法で製造したプリフォームを、少なくとも雄型および雌型からなる成形型、または少なくとも雄型もしくは雌型のいずれかと、バッグ材とからなる成形型内に配置し、液状のマトリックス樹脂を含浸させて、複合材料の厚みから算出される複合材料の強化繊維体積率Vfを50〜65%の範囲内の複合材料を形成することを特徴とする複合材料の製造方法。
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