JPH06223450A - トラッキング制御方法およびその装置 - Google Patents

トラッキング制御方法およびその装置

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JPH06223450A
JPH06223450A JP5323875A JP32387593A JPH06223450A JP H06223450 A JPH06223450 A JP H06223450A JP 5323875 A JP5323875 A JP 5323875A JP 32387593 A JP32387593 A JP 32387593A JP H06223450 A JPH06223450 A JP H06223450A
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capstan
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tracking
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    • G11B15/18Driving; Starting; Stopping; Arrangements for control or regulation thereof
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    • G11B15/4676Controlling, regulating, or indicating speed in arrangements for recording or reproducing wherein both record carriers and heads are driven by controlling the speed of the tape while the head is rotating with provision for information tracking using signals recorded in tracks disposed in parallel with the scanning direction
    • G11B15/4677Controlling, regulating, or indicating speed in arrangements for recording or reproducing wherein both record carriers and heads are driven by controlling the speed of the tape while the head is rotating with provision for information tracking using signals recorded in tracks disposed in parallel with the scanning direction using auxiliary signals, i.e. pilot signals
    • G11B15/4678Controlling, regulating, or indicating speed in arrangements for recording or reproducing wherein both record carriers and heads are driven by controlling the speed of the tape while the head is rotating with provision for information tracking using signals recorded in tracks disposed in parallel with the scanning direction using auxiliary signals, i.e. pilot signals superimposed on the main signal track

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  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)
  • Control Of Electric Motors In General (AREA)
  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 トラッキングエラー制御量が反映された可変
的なキャプスタン速度命令を利用してキャプスタンモー
タの速度制御を行うトラッキング制御方法およびその装
置を提供する。 【構成】 トラッキング制御部30は、入力されたトラ
ッキングエラーに所定の利得制御を施してトラッキング
制御量とし、そのトラッキング制御量に応じた可変的な
キャプスタン速度命令を出力する。キャプスタンモータ
速度制御部32は、キャプスタン速度命令とキャプスタ
ンモータ36の実際の回転速度とを比較して、キャプス
タンモータの速度エラー量を出力する。キャプスタンモ
ータ駆動部34は、速度エラーに所定の利得制御を施し
たトラッキングエラーが反映された速度制御量で、キャ
プスタンモータ36を駆動する。 【効果】 制御を迅速化し、異なる機器間でのトラッキ
ング互換性を向上し、システムの利得調整および設計を
容易にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はトラッキング制御方法お
よびその装置に関し、とくに、映像の記録および再生機
器におけるトラックエラー量が反映された可変的なキャ
プスタン速度命令を利用して、キャプスタンの速度制御
を行うことにより、正確なトラッキングを実現するトラ
ッキング制御方法およびその装置。
【0002】
【従来の技術】VCR(ビデオカセットレコーダ)やビデ
オカメラなどの映像の記録および再生装置は、トラッキ
ングが合わなければ画面にビットが発生するなど画面状
態が劣化するので、良好な画面を得るためにはトラッキ
ング制御が必須である。トラッキング制御とは、再生の
際、ヘッドが規定されたトラックを正確に走査して、最
大のエンベロープ出力を得るようにする制御のことをい
う。
【0003】トラッキング制御には、画像信号とは別の
制御用信号を利用する。VHSシステムは、固定ヘッドに
より再生される磁気テープのコントロールトラックに記
録されたコントロール信号を利用して、トラッキング制
御を実行する。また、8mmシステムは、磁気テープ上の
各トラックに自動トラック探索(以下「ATF(Automatic
Track Finding)」という)信号と呼ばれる相異なる四種
類の周波数を有するパイロット信号を記録し、再生の際
にこの信号を利用して、現在、ヘッドが走査すべきトラ
ックからの逸脱量、すなわちトラッキングエラーを把握
して、そのエラーを減らす方向へ制御する。
【0004】この際、検出されたトラッキングエラーの
最小化は、キャプスタンモータの回転速度を制御するこ
とによって実現される。すなわち、トラッキング制御の
対象はキャプスタンモータの回転速度である。次に、従
来のトラッキング制御方式を詳細に説明する。図1およ
び図2は従来のVCRにおけるヘッドの走査軌跡とトラッ
キングエラーとの関係を示す図で、便宜上、ヘッドの位
置が走査すべきトラック位置より先行した場合は(+)エ
ラーが、遅れた場合には(-)エラーが発生したとして示
してある。
【0005】トラッキング制御の基本原理は次のとおり
である。図1において、ヘッドが規定されたレベルP0の
トラックより先行した場合、すなわちヘッドがP1レベル
のトラックに位置した場合は、キャプスタンモータの速
度を遅くして磁気テープの進行を遅らせ、また、ヘッド
が規定されたレベルP0のトラックより遅れた場合、すな
わちヘッドがP2レベルのトラックに位置した場合は、キ
ャプスタンモータの速度を速くして磁気テープの進行を
速めて、ヘッドが規定されたレベルP0のトラックを正確
に走査するように制御する。このようなトラッキング制
御の基本原理は、従来の方式は勿論、本発明においても
依然として有効である。
【0006】図3は従来のトラッキング制御するための
キャプスタンサーボシステムの基本構成を示すブロック
図である。同図において、キャプスタンモータ駆動部1
8に入力されるキャプスタンモータ20の速度制御信号
は、トラッキング制御部12が検出したトラッキングエ
ラーから求めたトラッキング制御量と、キャプスタン速
度制御部14が入力されたキャプスタン速度命令および
検出したキャプスタンの実際の速度から求めたキャプス
タン速度制御量とを、加算器16で加算した結果として
得られる。
【0007】図4は図3に示したキャプスタンサーボシ
ステムをVHS用のVCRに適用した例を示すブロック図であ
る。ここで、キャプスタン速度制御量は、規定された正
常トラックを仮定して、正常トラックをヘッドが正確に
走行するのに要求されるキャプスタンモータの一定の回
転速度に相応するキャプスタン速度命令fを基準値と
し、この基準値とキャプスタンモータ27の回転の際に
周波数発振器(以下「FG(Frequency Generator)」とい
う)29で実測されたキャプスタンモータ27の速度と
を、キャプスタン速度エラー検出器21で比較して、得
られたエラー量をキャプスタン速度制御器22でキャプ
スタンモータ27の速度制御量に換算した値であり、ト
ラッキングエラーを補償するためのトラッキング制御量
とは、全然関係なく求められる値である。
【0008】また、コントロールトラック上に、トラッ
クに同期して記録パルス(コントロールパルスともい
う)を記録し、再生の際、固定ヘッド(コントロールヘ
ッドともいう)28により再生されるコントロールパル
スと、所定の周波数を有するヘッドスイッチングパルス
とを、キャプスタン位相比較器23で位相比較してキャ
プスタントラッキングエラー量を得る。キャプスタン位
相制御器24は、キャプスタントラッキングエラー量
に、所定の利得係数を乗じたり、微分または積分などの
演算を施して、所定の物理量であるキャプスタントラッ
キング制御量を出力することにより、キャプスタンモー
タ27の位相を制御して、トラッキング制御を実現す
る。加算器25は、キャプスタン速度制御器22から出
力されたキャプスタン速度制御量と、キャプスタン位相
制御器24から出力されたキャプスタントラッキング制
御量とを加算する。この加算結果に応じて、キャプスタ
ンモータ駆動部26はキャプスタンモータ27を駆動す
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来例に
おいては、次のような問題点があった。すなわち、前述
した従来の方法は、キャプスタンモータの速度を制御し
ようとする方向と、トラッキングを制御しようとする方
向が相異なる場合に、様々な問題点が発生する。これに
関して図3および図5を参照して説明する。
【0010】図5は正常なトラックに比べて大きく変形
したトラックをヘッドが走行する場合のトラッキングを
示す図である。同図に示すように、キャプスタン速度制
御部14が制御しようとするヘッドの軌跡は、規定され
た正常なトラック(同図のA方向)であり、トラッキン
グ制御部12が制御しようとするヘッドの軌跡は、変形
されたトラック(同図のB方向)である。
【0011】従って、もしキャプスタンモータ20の速
度を制御しようとする方向と、トラッキングを制御しよ
うとする方向とが相異なる場合、トラッキング制御部1
2がトラッキングエラーを減らす方向へキャプスタンモ
ータ20を制御しようとしても、キャプスタン速度制御
部14がこれを防ぐので、正確なトラッキングは困難で
ある。
【0012】このような問題点を解決するためには、前
記二つの制御量に対する精密な利得調整が必要になる。
これは結局、トラッキング制御部12とキャプスタン速
度制御部14の利得を精密に調節することになるが、こ
のような利得調整は、その自体が相当困難であるだけで
なく利得調整のために付加される機器設計上の難しさも
存在する。さらに、例え利得調整機能を有する機器にし
たとしても、画像を記録する機器と該画像を再生する機
器が異なる場合は、両機器間の互換性が取れないなどの
問題点が依然として残る。
【0013】このようなトラッキングの性能低下は、VH
S用のVCRまたは8mm用のVCRの場合には、トラック幅がま
だ大きい(VHSの場合は58μm,8mmの場合は21μm)の
で、比較的問題にならないが、高密度記録を要求するデ
ィジタルVCRのような場合には、トラック幅が10μm以下
となり、非常に高性能のトラッキングが必要になるので
影響が大きい。
【0014】本発明の目的は、従来のトラッキングエラ
ーが反映されないキャプスタン速度命令に代わって、ト
ラッキングエラーから得られたトラッキング制御量が反
映された可変的なキャプスタン速度命令を、キャプスタ
ンモータ速度制御量を求める基準値として利用して、ト
ラッキング制御を行うトラッキング制御方法およびその
装置を提供することである。
【0015】
【課題を達成するための手段】本発明は、前記の課題を
解決することを目的としたもので、前記の課題を解決す
る一手段として、以下の構成を備える。すなわち、入力
されたトラッキングエラーをキャプスタンモータの速度
制御量に変換して、該キャプスタンモータの駆動信号生
成に反映するトラッキング制御方法であって、所定の利
得制御を施した前記トラッキングエラーをトラッキング
制御量に変換するトラッキング制御量算出過程と、前記
トラッキング制御量が反映された可変的なキャプスタン
速度命令を生成する速度命令生成過程と、前記キャプス
タン速度命令と前記キャプスタンモータの実際の回転速
度とを比較して、該キャプスタンモータの速度エラー量
を決定する速度エラー決定過程と、前記速度エラー量に
所定の利得制御を施し、前記トラッキングエラーが反映
された前記速度制御量を得る速度制御量算出過程とを有
することを特徴とする。
【0016】また、入力されたトラッキングエラーをキ
ャプスタンの速度制御量に変換して、キャプスタンモー
タの駆動信号生成に反映するトラッキング制御装置であ
って、前記トラッキングエラーに所定の利得制御を施し
て得られたトラッキング制御量から可変的なキャプスタ
ン速度命令を出力するトラッキング制御部と、実際のキ
ャプスタン速度と、前記キャプスタン速度命令とを比較
して得られた前記キャプスタンモータの速度エラー量
に、所定の利得制御を施してキャプスタン速度制御量と
して出力するキャプスタン速度制御部とを有することを
特徴とする。
【0017】なお、上記のような構成要素を備えた本発
明は、従来の方式と同様、前述したトラッキング制御の
基本原理に基づいている。ただし、キャプスタン速度制
御量をトラッキング制御量とは別に求める従来の方式に
比べ、本発明のキャプスタン速度制御量には、トラッキ
ングエラー量(またはトラッキング制御量)が反映され
るので、キャプスタン速度制御量はトラッキングエラー
量に依存する関係にあるという事実に根本的な差があ
る。
【0018】
【作用】以上の構成によって、トラックエラー量が反映
された可変的なキャプスタン速度命令を利用して、キャ
プスタンの速度制御を行うことにより、正確なトラッキ
ングを実現することができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明にかかる一実施例のトラッキン
グ制御装置を図面を参照して詳細に説明する。まず、ト
ラッキング制御量の算出過程について説明する。この過
程は、トラッキングエラーに所定の利得を乗じたり、微
分または積分などの演算を施して、トラッキング制御量
を決定する過程である。すなわち、比例積分微分制御
(以下「PID制御」という)を行うものである。
【0020】ここで、トラッキングエラー量を表現する
物理的次元は様々であり得る。すなわち、トラッキング
エラー量からトラッキング制御量を求める具体的な処理
手段の特性により異なり得る値である。例えば、所定の
周波数を有するヘッドスイッチングパルスを基準信号と
して、この基準信号と、ヘッドによって読取ったテープ
上のコントロールパルスとの間の位相を比較して、トラ
ッキングエラー量を求める場合は、トラッキングエラー
量は位相差として表現される。また、四個の相異なる周
波数を有するパイロット信号を利用する場合は、周波数
差がトラッキングエラーの次元になる。
【0021】次に、速度命令の生成過程について説明す
る。この過程は、キャプスタンモータの速度エラーを求
めるのに必要な基準値であるキャプスタン速度命令を求
める過程であり、とくに、トラッキング制御量が反映さ
れたキャプスタン速度命令を求める過程である。トラッ
キング制御量が反映されたキャプスタン速度命令を求め
る方法は様々なものがあり得る。トラッキングエラー量
を利得制御して得られたトラッキング制御量と、トラッ
キングエラーを考慮しない場合に要求されるキャプスタ
ン速度命令とを加えて、キャプスタン速度命令を得る方
法も、この過程として可能な一つの方法である。ここ
で、トラッキングエラー量は一定しない値であり、キャ
プスタン速度命令も可変的な値になる。
【0022】そして、処理順序の側面からみるとき、ト
ラッキング制御量の算出過程は、キャプスタン速度命令
を生成する速度命令の生成過程に先行されるべきであ
る。図6は本発明にかかる一実施例のトラッキング制御
装置におけるキャプスタンサーボシステムの基本構成例
を示すブロック図である。同図において、30はトラッ
キング制御部、32はキャプスタンモータ速度制御部、
34はキャプスタンモータ駆動部、36はキャプスタン
モータをそれぞれ示す。
【0023】ここで、トラッキング制御部30は、トラ
ッキング制御量の算出過程と、速度命令の生成過程とを
実行する手段である。トラッキング制御部30から得ら
れるキャプスタン速度命令は、キャプスタンモータ36
の速度エラーを求める比較基準値として用いられること
は、図3に示した従来のトラッキング制御部12から得
られるキャプスタン速度命令と同一であるが、キャプス
タン速度命令を求める過程が、トラッキングエラー量と
緊密な関連を有する点が従来とは異なる。すなわち、ト
ラッキング制御部30から得られるキャプスタン速度命
令は、トラッキング制御量の算出を前提として求められ
る値である。
【0024】一方、トラッキング制御部30から得られ
るキャプスタン速度命令は、トラッキングエラー量に応
じたトラッキング制御量を含む可変的な値であり、その
値の変換は次のようになる。すなわち、ヘッドが走査す
べきトラックより先行する場合(図1に示したP1レベル
のトラックにヘッドが位置する場合)、すなわち磁気テ
ープの速度を遅くしなければならない場合は、速度命令
の生成過程から得られるキャプスタン速度命令の値は、
キャプスタンモータ36の速度が遅くなるように変化す
る。反対にヘッドが走査すべきトラックより遅れた場合
(図1に示したP2レベルのトラックにヘッドが位置する
場合)、すなわち磁気テープの進行を速くしなければな
らない場合は、キャプスタン速度命令の値は、キャプス
タンモータ36の速度が速くなるように変化する。
【0025】ここで、トラッキング制御量およびキャプ
スタン速度命令を表現する物理的次元は様々であり得
る。すなわち、二種類の物理的次元は、その処理する具
体的な手段により様々な形に表現され得る。例えば、キ
ャプスタンモータ36の回転速度は、FGから出力される
パルス周波数で表現されるのが一般的なので、キャプス
タン速度命令もパルス周波数に対応させることが便利で
ある。
【0026】次に、速度エラーの決定過程について説明
する。この過程で求めるキャプスタンモータ36の速度
エラー量は、キャプスタン速度命令とキャプスタンモー
タ36の実際の回転速度とを比較して求める値であり、
キャプスタン速度命令を基準値として、この基準値と実
際の回転速度との差がキャプスタンモータ36の速度エ
ラー量になる。 従って、速度エラーの決定過程で求め
た速度エラー量は、トラッキングエラー以外の原因によ
り発生するエラー量であり、従来のように、速度エラー
量にトラッキング制御量を加える過程は不必要になる。
【0027】次に、速度制御量の算出過程について説明
する。この過程は、前記の処理過程、すなわち速度エラ
ーの決定過程で得られたエラー量を、最も安定に迅速か
つ正確に、キャプスタンモータ36の回転速度に反映さ
せるのに必要なキャプスタンモータ36の速度制御量を
求める過程である。この速度制御量は、キャプスタンモ
ータ駆動部34から出力されるキャプスタンモータ36
の駆動信号として活用される。
【0028】前述した速度エラーの決定過程と速度制御
量の算出過程を実行する手段は、図6に示すキャプスタ
ンモータ速度制御部32である。図7は本発明にかかる
一実施例のトラッキング制御装置の構成例を示すブロッ
ク図であり、前述した制御方法をVHS用のVCRに適用した
例である。図7において、41はキャプスタン位相比較
器、42はキャプスタン位相制御器、43はキャプスタ
ン速度命令生成器、44はキャプスタン速度エラー検出
器、45はキャプスタン速度制御器、46はキャプスタ
ンモータ駆動部、47はキャプスタンモータ、48は固
定ヘッド、49はFGである。
【0029】次に、図7に示す装置の動作を説明する。
キャプスタン位相比較器41は、所定の周波数のヘッド
スイッチングパルスと、固定ヘッド48により再生され
るコントロールパルスとの位相を比較して、トラッキン
グエラー量を求める。キャプスタン位相制御器42は、
キャプスタン位相比較器41から出力されたトラッキン
グエラー量に、所定の利得係数を乗じたり、微分または
積分などの演算を施して、トラッキング制御量に相当す
る値を、パルス周波数として出力する。
【0030】キャプスタン速度命令生成器43は、キャ
プスタン位相制御器42から出力されたトラッキング制
御量に対応する可変的なキャプスタン速度命令を出力す
る。なお、キャプスタン位相制御器42およびキャプス
タン速度命令生成器43は、図6に示したトラッキング
制御部30に相当する。また、キャプスタン位相制御器
42から出力されるトラッキング制御量が、トラッキン
グエラーに相当する大きさの電圧信号ならば、キャプス
タン速度命令生成器43は、この電圧信号に応じた周波
数信号を出力する、例えば電圧制御発振器(以下「VC
O」という)によって構成することができる。
【0031】キャプスタン速度エラー検出器44は、FG
49によって実測されたキャプスタン速度と、基準値で
あるキャプスタン速度命令生成器43から供給されるキ
ャプスタン速度命令とを比較して、キャプスタンモータ
47の速度エラーを算出する。キャプスタン速度制御器
45は、キャプスタン速度エラー検出器44で算出され
た速度エラーに、一定の利得係数で乗じたり、微分また
は積分などの演算を施して所定の利得制御を行い、キャ
プスタン制御信号を出力する。
【0032】なお、キャプスタン速度エラー検出器44
およびキャプスタン速度制御器45は、図6のキャプス
タンモータ速度制御部32に相当する。トラッキング制
御部30とキャプスタンモータ速度制御部32とは、ハ
ードウェア構成によってその機能を実現することもでき
るが、ソフトウェアを内蔵したマイクロコンピュータな
どで構成しても同一の機能を実現できる。
【0033】図8は本発明にかかる他の実施例のトラッ
キング制御装置の構成例を示すブロック図であり、前述
した制御方法を8mmVCRに適用した例である。図8におい
て、51は再生ヘッド、52は再生増幅器、53は信号
処理部、54はATF制御部、55はA/D変換部、56はマ
イクロコンピュータ(以下「マイコン」という)、57
はD/A変換部、58はキャプスタンモータ駆動部、59
はキャプスタンモータ、60はFGである。
【0034】次に、図7に示す装置の動作を説明する。
再生ヘッド51によって、磁気テープからピックアップ
された信号は、再生増幅器52によって増幅される。な
お、8mmビデオテープ上に記録される信号の周波数帯域
は次のとおりである。 100KHz〜160KHz帯域の四種類のパイロット信号f1〜f4 1.4MHz〜1.6MHz帯域のAFM(FM Audio)信号 中心周波数734KHzにAM変調されて記録される色信号 4.2MHz〜5.4MHzの輝度信号 信号処理部53は、前述した特定の帯域を有するように
記録された映像信号、オーディオ信号およびトラックを
区別するためのパイロット信号を検出して信号処理す
る。
【0035】ATF制御部54は、信号処理部53から出
力される信号中のパイロット信号を利用して、検出した
ATFエラー量を出力する。このエラー量はA/D変換部55
でディジタル信号に変換されて、マイコン56へ入力さ
れる。ここで、四種類のパイロット信号の特定周波数は
次のとおりである。 f1: 102.544KHz f2: 118.951KHz f3: 165.21KHz f4: 148.689KHz このパイロット信号の出力レベルの差をチェックして、
トラッキングエラー信号として利用する。すなわち、パ
イロット信号は、トラッキングエラー信号を得るために
次のような関係を有し、この関係を利用して、どの周波
数成分が多く検出されるかにより、トラックからヘッド
がどのくらい逸脱しているかを判断する。
【0036】 |f1-f2|≒|f3-f4|≒ΔfA≒fH |f1-f4|≒|f2-f3|≒ΔfB≒3fH マイコン56は、ATFエラー量(トラッキングエラー
量)に所定の利得制御を施して、トラッキング制御量Δ
fを求め、この制御量をトラッキングを考慮しないキャ
プスタン速度命令、すなわち固定されたキャプスタン速
度命令の値fに加減算することにより、キャプスタンモ
ータ59の速度命令f±Δfに変換する。
【0037】その結果、可変的なキャプスタン速度命令
f±Δfが生成され、この速度命令をD/A変換部57でア
ナログ信号に変換し、このアナログ信号に従って、キャ
プスタンモータ駆動部58はキャプスタンモータ59の
実際の速度を速度命令に一致するように制御する。8mmV
CRの場合も、キャプスタンモータ59は一定速度で回転
するようにその速度が制御されるので、トラッキング制
御量は速度制御量に加えられて、全体的にキャプスタン
モータ59を駆動している。
【0038】図9は前述した本発明にかかるトラッキン
グ制御方法の実行順序の一例を示すフローチャートであ
り、マイコンを利用してトラッキング制御する場合に、
要求されるキャプスタンモータの速度制御量を算出する
ための処理順序である。同図において、ステップS10
0でマイコンはトラッキングエラー量を入力し、ステッ
プS102で、入力されたトラッキングエラーにPID制
御アルゴリズムを実行してトラッキング制御量を決定
し、決定したトラッキング制御量と、トラッキングエラ
ーがないと仮定するときに要求される回転速度でキャプ
スタンモータを回転させるのに必要なキャプスタン速度
命令とを加えて、新しいキャプスタン速度命令を生成す
る。
【0039】その後、ステップS104でマイコンはキ
ャプスタンモータの実際の回転速度が入力し、ステップ
S106で、入力された実際の回転速度と、生成したキ
ャプスタン速度命令との差(例えばパルス周波数の差)
を計算して、速度エラー量を求める。続いて、ステップ
S108で、計算した速度エラー量にPID制御アルゴリ
ズムを実行して、キャプスタン速度制御信号を求め、ス
テップS110で求めたキャプスタン制御信号をキャプ
スタンモータ駆動部に出力する。
【0040】そして、ステップS100からS110の
処理を一実行周期として、これを反復実行する。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
記録の際と再生の際の機器が異なってもトラッキングの
互換性がよく、トラックが大きく曲がった場合、すなわ
ちトラックの線形性が不良な場合でも、正確なトラッキ
ングが得られる効果がある。さらに、制御信号が一方向
へ流れるので、システムの利得調整および設計を容易に
する効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のVCRにおけるヘッドの走査軌跡とトラッ
キングエラーとの関係を示す図である。
【図2】従来のVCRにおけるヘッドの走査軌跡とトラッ
キングエラーとの関係を示す図である。
【図3】従来のトラッキング制御するためのキャプスタ
ンサーボシステムの基本構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示したキャプスタンサーボシステムをVH
S用のVCRに適用した例を示すブロック図である。
【図5】正常なトラックに比べて大きく変形したトラッ
クをヘッドが走行する場合のトラッキングを示す図であ
る。
【図6】図6は本発明にかかる一実施例のトラッキング
制御装置におけるキャプスタンサーボシステムの基本構
成例を示すブロック図である。
【図7】図7は本発明にかかる一実施例のトラッキング
制御装置の構成例を示すブロック図であり、本発明にか
かるトラッキング制御方法をVHS用のVCRに適用した例で
ある。
【図8】図8は本発明にかかる他の実施例のトラッキン
グ制御装置の構成例を示すブロック図であり、本発明に
かかるトラッキング制御方法を8mmVCRに適用した例であ
る。
【図9】本発明にかかるトラッキング制御方法の実行順
序の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
30 トラッキング制御部 32 キャプスタンモータ速度制御部 34 キャプスタンモータ駆動部 36 キャプスタンモータ

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力されたトラッキングエラーをキャプ
    スタンモータの速度制御量に変換して、該キャプスタン
    モータの駆動信号生成に反映するトラッキング制御方法
    であって、 所定の利得制御を施した前記トラッキングエラーをトラ
    ッキング制御量に変換するトラッキング制御量算出過程
    と、 前記トラッキング制御量が反映された可変的なキャプス
    タン速度命令を生成する速度命令生成過程と、 前記キャプスタン速度命令と前記キャプスタンモータの
    実際の回転速度とを比較して、該キャプスタンモータの
    速度エラー量を決定する速度エラー決定過程と、 前記速度エラー量に所定の利得制御を施して前記トラッ
    キングエラーが反映された前記速度制御量を得る速度制
    御量算出過程とを有することを特徴とするトラッキング
    制御方法。
  2. 【請求項2】 前記速度命令生成過程で生成される前記
    キャプスタン速度命令は、前記トラッキング制御量と、
    トラッキングエラーを考慮しない場合に要求されるキャ
    プスタン速度命令とを加えて得ることを特徴とする請求
    項1に記載のトラッキング制御方法。
  3. 【請求項3】 前記トラッキングエラーは、所定の周波
    数を有するヘッドスイッチングパルスを基準信号とし
    て、該基準信号と記録媒体上のコントロールパルスとの
    位相を比較した結果である位相差で表されることを特徴
    とする請求項1に記載のトラッキング制御方法。
  4. 【請求項4】 前記トラッキングエラーは異なる周波数
    を有する四つのパイロット信号の周波数差で表されるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のトラッキング制御装
    置。
  5. 【請求項5】 入力されたトラッキングエラーをキャプ
    スタンの速度制御量に変換して、キャプスタンモータの
    駆動信号生成に反映するトラッキング制御装置であっ
    て、 前記トラッキングエラーに所定の利得制御を施して得ら
    れたトラッキング制御量から可変的なキャプスタン速度
    命令を出力するトラッキング制御部と、 実際のキャプスタン速度と前記キャプスタン速度命令と
    を比較して得られた前記キャプスタンモータの速度エラ
    ー量に、所定の利得制御を施してキャプスタン速度制御
    量として出力するキャプスタン速度制御部とを有するこ
    とを特徴とするトラッキング制御装置。
  6. 【請求項6】 前記トラッキング制御部と前記キャプス
    タン速度制御部とは、映像の記録および再生機能を制御
    するマイクロコンピュータ内に含まれることを特徴とす
    る請求項5に記載のトラッキング制御装置。
  7. 【請求項7】 前記トラッキング制御部は、 前記トラッキングエラーに利得制御動作のための所定の
    演算処理を施してトラッキング制御量として出力するト
    ラッキング制御器と、 前記トラッキング制御量に応じた可変的なキャプスタン
    速度命令を出力するキャプスタン速度命令供給器とを備
    えることを特徴とする請求項5に記載のトラッキング制
    御装置。
  8. 【請求項8】 前記トラッキング制御器の前記演算処理
    は比例積分微分制御のための演算処理であることを特徴
    とする請求項7に記載のトラッキング制御装置。
  9. 【請求項9】 前記キャプスタン速度命令供給器は前記
    トラッキング制御量に応じた可変周波数信号を出力する
    電圧制御発振器であることを特徴とする請求項7に記載
    のトラッキング制御装置。
  10. 【請求項10】 前記キャプスタン速度制御部は、 前記キャプスタン速度命令と前記キャプスタンモータの
    実際の速度とを比べて前記速度エラー量を検出するキャ
    プスタン速度エラー検出器と、 前記速度エラー量に利得制御動作のための所定の演算処
    理を施してキャプスタン速度制御量として出力するキャ
    プスタン速度制御器とを備えることを特徴とする請求項
    5に記載のトラッキング制御装置。
  11. 【請求項11】 前記キャプスタン速度制御器の前記演
    算処理は比例積分微分制御のための演算処理であること
    を特徴とする請求項10に記載のトラッキング制御装
    置。
  12. 【請求項12】 記録媒体の走行を制御するキャプスタ
    ンモータと、 予め定められた所定周波数のヘッドスイッチングパルス
    とコントロールパルスの位相とを比較して位相差で表現
    されるトラッキングエラー量を出力するキャプスタン位
    相比較手段と、 前記トラッキングエラー量に利得制御動作のための所定
    の演算処理を施してトラッキング制御量を出力するキャ
    プスタン位相制御手段と、 前記トラッキング制御量の大きさに応じた可変的なキャ
    プスタン速度命令を生成するキャプスタン速度命令生成
    手段と、 前記キャプスタン速度命令とキャプスタンの実際の速度
    とを比べて前記キャプスタンモータの速度エラーを生成
    するキャプスタン速度エラー検出手段と、 前記速度エラーに利得制御動作のための所定の演算処理
    を施してキャプスタン速度制御信号を出力するキャプス
    タン速度制御手段と、 前記キャプスタン速度制御信号により前記キャプスタン
    モータを駆動するキャプスタンモータ駆動手段とを含む
    ことを特徴とするトラッキング制御装置。
  13. 【請求項13】 前記キャプスタン位相制御手段の前記
    演算処理は比例積分微分制御のための演算処理であるこ
    とを特徴とする請求項12に記載のトラッキング制御装
    置。
  14. 【請求項14】 前記キャプスタン速度命令生成手段は
    前記トラッキング制御量に応じた可変周波数信号を出力
    する電圧制御発振器であることを特徴とする請求項12
    に記載のトラッキング制御装置。
  15. 【請求項15】 前記キャプスタン速度制御手段の前記
    演算処理は比例積分微分制御のための演算処理であるこ
    とを特徴とする請求項12に記載のトラッキング制御装
    置。
  16. 【請求項16】 記録媒体の走行を制御するキャプスタ
    ンモータと、それを駆動するキャプスタンモータ駆動手
    段とを備えた8mm映像処理機器のトラッキング制御装置
    であって、 トラックを区別するためのパイロット信号を検出する検
    出手段と、 前記検出手段によって検出されたパイロット信号の周波
    数差による自動トラック探索エラー信号をトラッキング
    エラー量として出力する自動トラック探索制御手段と、 前記トラッキングエラー量に所定の利得制御を施して得
    られたトラッキング制御量から可変的なキャプスタン速
    度命令を生成し、実際のキャプスタン速度と該キャプス
    タン速度命令とを比較して得られた前記キャプスタンモ
    ータの速度エラー量を生成し、該速度エラー量に所定の
    利得制御を施したキャプスタン速度制御量を前記キャプ
    スタンモータ駆動手段に出力するマイクロコンピュータ
    とを有することを特徴とするトラッキング制御装置。
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