JPH0677362B2 - 磁気記録再生装置のトラツキング制御装置 - Google Patents

磁気記録再生装置のトラツキング制御装置

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JPH0677362B2
JPH0677362B2 JP62258616A JP25861687A JPH0677362B2 JP H0677362 B2 JPH0677362 B2 JP H0677362B2 JP 62258616 A JP62258616 A JP 62258616A JP 25861687 A JP25861687 A JP 25861687A JP H0677362 B2 JPH0677362 B2 JP H0677362B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は深層記録と表層記録とを併用した磁気記録再
生装置(以下、「VTR」という)の自動トラツキング制
御装置に関するものである。
[従来の技術] 第5図は例えば特公昭55−51256,55−51257号公報に示
された従来のVTRの自動トラツキング制御装置の構成を
示すブロツク回路図、第6図および第7はその動作を説
明するための図である。図に於いて磁気テープ(1)に
はビデオ信号(2)及び再生時のトラツキングサーボ用
に使用されるコントロール信号(3)が記録されてお
り、回転ビデオヘツド(4a),(4b)及び固定のコント
ロールヘツド(5)によりそれぞれ再生される。回転ビ
デオヘツド(4a),(4b)は回転ドラム(6)に装着さ
れており、ドラムモータ駆動回路(7)により制御され
るドラムモータ(8)により所定の一定回転数で回転駆
動される。
他方、磁気テープ(1)は、回転数に比例した周波数信
号(以下、「FG信号」という)を発生する周波数発電機
(10)を有し、このFG信号が加えられるキヤツプスタン
モータ駆動制御回路(11)により駆動制御されるところ
のキヤツプスタンモータ(以下、「CPモータ」という)
(9)によりプーリ(12),ベルト(13)およびキヤツ
プスタン(14)を介して矢印(15)の方向に駆動され
る。
コントロールヘツド(5)により再生され、コントロー
ルアンプ(16)により増巾されたコントロール信号は位
相比較回路(17)に加えられる。位相比較回路(17)の
他方の入力としては、回転ドラム(6)に取りつけられ
たマグネツト片(18)を固定の検知ヘツド(19)で検出
した回転位相(回転ビデオヘツド(4a),(4b)の回転
角)信号を位相調整回路(20)により調整した信号が加
えられる。
位相比較回路(17)から出力された誤差信号はCPモータ
駆動制御回路(11)に加えられ、該駆動制御回路(11)
によりほぼ所定の速度の近傍で駆動されているCPモータ
(9)を微細に制御してテープ走行を制御し、回転ビデ
オヘツド(4a),(4b)の回転位相とコントロール信号
(3)の再生位相とを位相調整回路(20)により定めら
れた位相関係となるよう制御される。
この結果回転ビデオヘツド(4a),(4b)は位相調整回
路(20)で定められるビデオ信号(2)のトラツクの一
定相対位置上を走査することになる。
他方、回転ビデオヘツド(4a),(4b)により再生され
た再生ビデオFM信号を回転トランス(21)により取り出
し、ヘツドアンプ(22)により増幅し、エンベロープ検
波回路(23)によりエンベロープ検波した信号をコンパ
レータ(25)及び積分回路(28)に印加する。ヘツドア
ンプ(22)の出力はエンベロープ信号の最大値をホール
ドするピークホールド回路(24)にも加えられる。さら
にピークホールド回路(24)の出力と、エンベロープ検
波回路(23)の出力とはコンパレータ(25)に加えら
れ、コンパレータ(25)はピークホールド回路(24)の
出力電圧のVpと、エンベロープ検波回路(23)の出力電
圧Veとを比較し、その電圧差Vp−Veが適当に設定された
しきい値e0より小さいか大きいかを判断する。コンパレ
ータ(25)の出力は微分回路(26)に加えられ、コンパ
レータ(25)の出力が反転することに正負のパルス信号
を発生する。フリツプフロツプ(27)は微分回路(26)
の負のパルス信号によつてのみトリガされ、正負の出力
電圧レベル間を反転する。フリツプフロツプ(27)の出
力は積分回路(28)に加えられ、積分されてフリツプフ
ロツプ(27)の出力電圧極性に応じた増減信号に変えら
れ、位相調整回路(20)の位相を制御する。今、位相調
整回路(20)の位相が第6図中のaの状態でフリツプフ
ロツプ(27)の出力電圧が正電圧レベルにあり、積分回
路(28)の出力が増加方向にあると、位相調整回路(2
0)の位相は増加方向となり第6図のb,cの方向に変化す
る。これに従つてエンベロープ検波回路(23)の出力が
順次増加し、エンベロープ電圧Vpの最大値Vpmaxを経て
再び減少方向となり、位相調整回路(20)の位相がdの
状態となつた時にエンベロープ検波回路(23)のエンベ
ロープ電圧Veと、ピークホールド回路(24)のホールド
電圧Vpの最大値Vpmaxの差がコンパレータ(25)の所定
しきい値e0となるため、コンパレータ(25)が正レベル
から負レベルに反転し、従つて微分回路(26)は負パル
スを発生してフリツプフロツプ(27)を負電圧レベルに
反転させる。これにより積分回路(28)の出力は減少し
はじめ、位相調整回路(20)の位相は再び減少し、cの
方向に変化する。位相調整回路(20)の位相はb→d間
を移動し、エンベロープ検波回路(23)の出力電圧Veが
Vpmaxとe0の間を矢印方向に変動するように制御され、
しきい値e0を適当に設定することにより従来手動でおこ
なわれていたトラツキングを自動的におこなうことが出
来る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
従来のVTRの自動トラツキング制御システムは以上のよ
うに構成されているので、第7図に示すようにトラツキ
ング位相を変化させて得られるエンベロープ電圧lは、
例えば第7図中の特性AのSPモードの場合には、l0,l1
と変化して行き、その電圧変化が増加の時はそのまま進
め、t2よりt3に変化した時はl3<l2のレベルを検出して
l2が最大値と決定し、トラツキング位相をt2に設定して
いた。このようにエンベロープ電圧が下降すれば直ちに
最大値に設定する為、ピークが2ケ所あるような双峰性
カーブを示す場合、右方向に更に高いピークがあつても
必ず左側の低いピーク位置に設定し、得られるトラツキ
ング位相は必ずしも最適でなかつた。
また、第7図中の特性BのEPモードの場合には、エンベ
ロープ電圧の最大値をみつけるまでトラツキング位相を
変化しつづけるので最大値に収束するまで時間がかか
り、更に特性の頂上の平坦部が変動している時は最大値
が定まらず最適値よりずれてしまう等の問題点があつ
た。
このため、他機で記録された磁気テープを再生する場
合、再生機のビデオヘツドのトラツク幅と、記録された
磁気テープのトラツク幅が異なる為、その最良トラツク
位置に追い込むことができないという問題があつた。特
にVHS式HIFIビデオのようにビデオ信号を磁気テープ磁
性面の表相部に、HIFIオーデイオ信号を深層部に、それ
ぞれ別のヘツドで記録し、再生する方式のVTRでは、ビ
デオ信号のみで前述の制御システムを採用するとHIFIオ
ーデイオ信号のトラツキングが不充分となつてオーデイ
オのS/Nが悪く使用に耐えられないものとなる。以下、
詳細に説明する。
先ず第8図(a),(b)により深層・表層記録を行な
うHIFIVTRの原理を説明する。第8図(a)に示すよう
に、ビデオヘツド(4a),(4b)及びHIFIオーデイオヘ
ツド(40a),(40b)は回転ドラム(6)にそれぞれ正
確に180゜に割り出されて取りつけられている。しかも
ビデオヘツド(4a),(4b)とHIFIオーデイオヘツド
(40a),(40b)のドラム側面の段差は第9図(a)に
示すように一定値(例えば16μ)を保ち固着されてい
る。第8図(b)に示すようにテープ進行方向(15)に
対して先ずギヤツプg0(ギヤツプ幅約0.8μと大きい)
を有するHIFIオーデイオヘツド(40)に大電流の記録電
流を流し、約16μのフイルムベース(1a)の上に約4μ
の厚さに形成された磁性体(1b)の深層部まで記録す
る。次にギヤツプg1(ギヤツプ巾0.3μと小さい)を有
するビデオヘツド(4)に記録電流を流し、深層まで記
録されたHIFIオーデイオ信号の上の表層部にビデオ信号
を記録する。この様子をテープ磁性面からみると第9図
(a)のようになる。第9図は第9図(b)に示す配置
のヘツド(4),(40)を有するVTRで記録したテープ
を同じVTRで再生する場合(以下、「自己録再」とい
う)で、第9図(C)にそのトラツキングの様子を示
す。即ちビデオ信号のエンベロープlVが最大となるトラ
ツキング位置と、HIFIオーデイオ信号のエンベロープlA
が最大となるトラツキング位置は共にt0となり一致する
ため、最良のトラツキング位置に制御するにはビデオ信
号又はHIFIオーデイオ信号のいずれか一方のエンベロー
プの最大値を求めれば良い。したがつて、自己録再の場
合は、第6図に示した従来例でも原理的に適用可能であ
る。しかし第10図に示すように、他のVTRで記録したテ
ープを再生する場合(以下、「他己録再」という)に
は、第10図(C)に示すように、ビデオ信号のエンベロ
ープlVが最大となるトラツキング位置t1と、HIFIオーデ
イオ信号のエンベロープlAが最大となるトラツキング位
置t2にはずれが生じる。一般にビデオラツク幅はVHS方
式では58μに定められているが、実際に記録されるビデ
オトラツク幅は、58μ以下の種々の幅のものがあり、ま
たビデオヘツド(4)とHIFIオーデイオヘツド(40)の
配設段差も種々のものがあるため、トラツキング位置
t1,t2は各種色々な場合が生じる。
この発明は上記のような問題点を解消するためになされ
たもので、従来の非HIFIVTRの自動トラツキング動作が
よく出来ると共に、深層記録方式の別ヘツドを有するHI
FIVTRでも自動トラツキング動作が精度よく出来、ま
た、ステイル・スロー等の特殊再生機能を重視した幅広
のビデオヘツドを採用した再生専用VTRでも全く同様に
トラツキング動作を行なうことが出来る追随精度の良い
パーフエクトな自動トラツキング制御装置を得ることを
目的とする。
[問題点を解決するための手段] この発明に係るVTRのトラツキング制御装置は、回転ビ
デオヘツドおよび回転HIFIオーデイオヘツドのトラツキ
ング位相を制御するサボ制御系と、このサーボ制御系の
トラツキング位相を所定量ずつ変化させてサーチ領域内
を往復するようにサーチさせるサーチ手段と、上記回転
ビテオヘツドの再生信号のエンベロープ検波電圧値をデ
ジタル変換した値と回転HIFIオーデイオヘツドの再生信
号のエンベロープ検波電圧値をデジタル変換した値とを
加算し各サーチ点における合成エンベロープ値を検出す
る手段と、各サーチ点における合成エンベロープ値の最
大値が更新されたときその最大値を保持する手段と、こ
の保持されている最大値から所定値だけ小さい値に設定
された所定値と後続するサーチ点の合成エンベロープ値
とを比較してゆき上記合成エンベロープ値の方が小また
は同じとなるサーチ点を検出する手段と、最大値検出サ
ーチ点の前後のサーチ領域で判別値より合成エンベロー
プ値が小となるサーチ点が検出された場合には当該両サ
ーチ点のトラツキング位置の平均値を基準トラツキング
位相に設定し、いずれか一方のサーチ領域でのみ検出さ
れかつ当該合成エンベロープ値の特性曲線が単峰特性で
あつた場合には最大値検出サーチ点のトラツキング位相
を基準トラツキング位相に設定し、いずれか一方のサー
チ領域でのみ検出されかつ当該合成エンベロープ値の特
性曲線が単峰特性でなかつた場合には最初の最大値検出
サーチ点のトラツキング位相を基準トラツキング位相に
設定するかまたは上記判別値を大きい値に更新してサー
チを行なわせ、合成エンベロープ値が当該更新された判
別値より小となるサーチ点から最大値検出方向に所定量
戻したサーチ点のトラツキング位相を基準トラツキング
位相に設定する基準トラツキング位相設定手段とを備
え、この設定された基準トラツキング位相を上記サーボ
制御系に基準値として入力するように構成したものであ
る。
[作用] この発明における合成エンベロープ信号検出手段は、サ
ーチ点ごとに回転ビデオヘツドが再生した信号のエンベ
ロープ検波電圧と、回転HIFIオーデイオヘツドが再生し
た信号のエンベロープ検波電圧とをデジタル変換したの
ち加算した合成エンベロープ値を検出する。最大値保持
手段は、トラツキング位相を所定量ずつ変化させてサー
チしたときの前後のサーチ点における合成エンベロープ
値を比較し、大きい方の合成エンベロープ値を保持して
ゆく。各サーチ点の合成エンベロープ値と判別値とを比
較する手段は、判別値を保持手段の保持されている最大
値から所定量減算した値に更新しながら各サーチ点ごと
に合成エンベロープ値と比較してゆき、合成エンベロー
プ値の方が小となるサーチ点を検出する。基準トラツキ
ング位相設定手段は、合成エンベロープ信号の特性に応
じて最適トラツキング位相を選定して基準トラツキング
位相として設定し、この基準トラツキング位相がトラツ
キングサーボ制御系に基準値として与えられ、トラツキ
ングの自動制御が行なわれる。
[発明の実施例] 以下、この発明の一実施例を図について説明する。第1
図において(1)〜(11)、(14)〜(16)、(18)、
(19)、(21)は第5図に示した従来例と同一符号の構
成部分と同じ機能をもつものである。(30)はドラム
(6)、キヤツプスタン(14)双方のサーボ制御回路を
動作させるための基準信号を提供する基準信号発生器
で、NTSC方式の場合3.58MHz発振回路(30a)と、この発
振信号をカウントダウンするダウンカウンタ(30c)、
(30d)と、ダウンカウンタおよび位相補正回路(30b)
とで構成されている。(31)は回転ドラム(6)を正し
く1800rpmで回転させ、相対向して取りつけられた回転
ビデオヘツド(4a)、(4b)および回転HIFIオーデイオ
ヘツド(40a)、(40b)の回転位相をも制御するドラム
サーボ制御回路で、ドラム位相比較回路(31a)、ドラ
ム周波数比較回路(31b)ドラムフリツプフロツプ信号
作成回路(31c)及び両比較回路(31a)、(31b)の出
力を混合し平滑する混合フイルタ回路(31b)より構成
されている。
(32)はキヤツプスタン(14)を所定速度で回転させ、
磁気テープ(1)を所定のスピードおよびトラツキング
位置で走行させるキヤツプスタンサーボ制御回路で、CP
位相比較回路(32a)、CP周波数比較回路(32b)、及び
両比較回路(32a)、(32b)の出力を混合し平滑する混
合フイルタ回路(31c)より構成されている。(33)は
ドラム位相比較回路(31a)の基準信号を遅延させる遅
延回路、(34)はこの遅延信号を基準にして1/2分周垂
直基準信号を作成する1/2分周垂直信号発生回路で、マ
イクロコンピユータ(49)より作成されるトラツキング
制御信号の基準としてつかわれる。(35)はドラムフリ
ツプフロツプ信号を遅延させたHiFi用ヘツドスイツチ信
号を作成するための遅延回路である。
(41)はビデオ信号を増幅するビデオヘツドアンプ回
路、(42)はHiFiオーデイオ信号を増幅するHiFiオーデ
イオヘツドアンプ回路、(43)はFM信号化されたビデオ
信号の振幅を検波するビデオ信号エンベロープ検波回
路、(44)はFM信号化されたHiFiオーデイオ信号の振幅
を検波するHiFi信号エンベロープ検波回路、(45)はア
ナログ信号であるビデオエンベロープ検波信号をデジタ
ル信号に変換するA/D変換回路、(46)はアナログ信号
であるHiFiオーデイオビデオエンベロープ検波信号をデ
ジタル信号に変換するA/D変換回路、(47)はデジタル
化されたビデオ・エンベロープ信号を記憶するメモリ回
路、(48)はデジタル化されたHiFiオーデイオエンーベ
ロープ信号を記憶するメモリ回路、(49)は両デジタル
信号を加算した合成エンベロープ値と、適当値に設定し
た判別値との比較等を行なう演算器及びトラツキング制
御信号を作成するマイクロコンピユータである。
第2図(A)〜(G)は第1図の各部の信号波形図、第
3図はマイクロコンピユータ(49)による制御動作を示
すフローチヤート、第4図はその説明のための波形図で
ある。
以下、この実施例の動作について詳しく説明する。
先ずドラムモータ(8)にとりつけられたドラム周波数
発電機(以下、「ドラムFG」という)(10a)のFG信号
(例えば720Hz)と、3.58MHz基準発振信号をカウントダ
ウンしたダウンカウンタ(30c)の出力信号とをドラム
周波数比較回路(31b)で比較する。回転ドラム(6)
にとりつけられたマグネツト片(18)とドラム位相検知
ヘツド(19)によつて磁気的にヘツドの回転位相を検知
するドラムPGパルス信号(30Hz)をドラムフリツプロツ
プ回路(31c)に入力し、その出力信号(第2図(A)
図示)と、3.58MHz基準発振信号をカウントダウンし位
相を補正したダウンカウンタ位相補正回路(30b)の出
力信号とをドラム位相比較回路(31a)で比較する(第
2図(B)図示)。このドラム周波数比較回路(31b)
とドラム位相比較回路(31a)の両出力信号を混合フイ
ルタ回路(31d)で平滑、混合した信号ドラムモータ駆
動回路(7)に加え、速度及び位相を制御した安定な18
00rpmの回転動作を行なう。
他方、キヤツプスタンモータ(9)にとりつけられたキ
ヤツプスタン周波数発電機(以下「CP−FG」という)
(10)のFG信号(例えば720Hz)と、3.58MHz基準発振信
号をダウンカウンタ(30d)でカウントダウンした出力
信号をCP周波数比較回路(32b)で比較する。他方、コ
ントロールヘツド(5)でコントロール信号を検出し、
コントロール信号増巾回路(16)で増巾されたコントロ
ール信号(第2図(G)図示)と、マイクロコンピユー
タ(49)で作成されるトラツキング制御信号(第2図
(E)図示)とをCP位相比較回路(32a)で比較する。
このCP周波数比較回路(32b)、CP位相比較回路(32a)
の両出力信号を混合フイルタ回路(31c)で平滑混合し
てキヤツプスタンモータ駆動回路(11)に加え、速度及
び位相を制御した安定なテープスピードで駆動する。
他方、ドラムフリツプフロツプ回路(31c)の出力信号
(第2図(A)図示)は、回転ビデオヘツド用ヘツドス
イツチ信号としてビデオヘツドアンプ回路(41)に加え
られ、ビデオヘツド(4a)、(4b)からの入力が切替え
られる。又、遅延回路(35)で第8図(a)に示すよう
にビデオヘツド(4a),(4b)に対して、90゜のとりつ
け角でとりつけられているHiFiオーデイオヘツド(40
a)、(40b)に相当する遅延をおこなわせたフリツプロ
ツプ信号(第2図(C)図示)はHiFiオーデイオヘツド
アンプ(42)に加えられ、HiFiオーデイオヘツド(40
a),(40b)からの入力が切換えられる。このようにし
て両ヘツドアンプ(41)、(42)で増巾されるビデオ信
号及びHiFiオーデイオ信号がそれぞれのヘツドの位相に
応じて切換えられ連続したエンベロープ信号がとり出さ
れる。
つぎにビデオヘツドアンプ(41)で増巾されたFMビデオ
信号はエンベロープ検波回路(43)で検波され、この検
波されたアナログエンベロープ検波信号はA/D変換回路
(45)でデジタル信号に変換されメモリー回路(47)に
記憶される。同様にまた、HiFiオーデイオヘツドアンプ
(42)で増巾されたFMオーデイオ信号は、HiFiオーデイ
オ信号エンベロープ検波回路(44)で検波され、この検
波されたアナログエンベロープ検波信号はA/D変換回路
(46)でデジタル信号に変換されメモリー回路(48)に
記憶される。このA/D変換回路(45)、(46)は、8bit
(256段)、サンプリング周波数10KHzで処理する程度の
もので良く、比較的安価に構成出来る。
メモリー回路(47)、(48)の2つの電圧値はマイクロ
コンピユータ(49)に印加され加算される。さらにマイ
クロコンピユータ(49)は1/2分周垂直信号発生回路(3
4)で作成された1/2分周垂直基準信号(30Hz)(第2図
(D)図示)を基準にしてトラツキング制御信号(第2
図(E)図示)を作成し、この信号をCP位相比較回路
(32a)に加え、コントロールパルス信号(第2図
(G)図示)と位相比較する。第2図(F)はCP位相比
較回路(32a)内の信号波形を示す。
次にマイクロコンピユータ(49)の動作を第3図のフロ
ーチヤートと合成エンベロープ値の変化を示す第4図に
よつて詳しく説明する。
マイクロコンピユータ(49)には、メモリ回路(47)、
(48)からビデオ信号、HiFiオーデイオ信号の両エンベ
ロープデジタル値が入力され、これに加算し、この加算
値(以下、「合成エンベロープ値」という)lについ
て、以下の演算処理を行う。
つぎに第4図(a)の標準モード時のトラツキング量の
ずれた合成エンベロープ値の出力特性の場合の動作を説
明する。
まず、サーチ点のスタートポイントをt0とし、そのサー
チ点t0における合成エンベロープ値をl0とする。このl0
値より適宜定めた引き算値pを減算し、最初に設定した
判断値J00と比較する。ここでJ00は(J00《l0)と選ん
であるためJ00<l0−pとなる。
次に判別値jをj0=l0−pとし、トラツキング量を負方
向に△t変化させて合成エンベロープ値l-1を求め、l-1
−pと判別値j0を比較する。結果がl-1−p<J0=l0
pであると、順次トラツキング量を△tづつ負方向に変
化させたときの合成エンベロープ値l-2、l-3について同
様の比較を行う。この結果が l-2−p<j0 l-3−p<j0 のように数ステツプ共判別値j0より小さい場合はその判
別値j0を一時マイクロコンピユータ(49)内のRAMに記
憶する。
次に合成エンベロープ値lが記憶した判別値j0となる点
l3(この例ではをl-3)を求める。即ちこの負方向にト
ラツキング量をサーチしても合成エンベロープ値lの最
大値はないと判断し、la=j0となるポイントを求め、こ
のA点のトラツキング位相t-3をマイクロコンピユータ
(49)内のRAMに記憶する。
次にA点よりトラツキング位相を正方向に△t変化させ
たサーチ点の合成エンベロープ値l-2を求めl-3−pを判
断値j2として比較する。結果がj-2≧l-2−pであるとト
ラツキング位相をさらに正方向に△t変化させて合成エ
ンベロープ値l-1を求め、判断値j2と比較する動作を順
次繰返してゆくl-1−p>j2=l2−p l-0−p>j1=l1−p l1−p>j0=l0−p l2−p>j1=l1−p : : : このようにして合成エンベロープ値lが減少しはじめる
l3に達すると比較結果は l3−P≦J2=l2−p となる。
このようにトラツキング量を正方向に順次サーチし、各
チエツク点の合成エンベロープ値liより所定引き算pを
減算したli−pの値をまえの合成エンベロープ値li-1
pとして設定される判別値jiと比較し、大きいか、同等
のときはサーチ比較動作を繰返し、小さくなつた時には
その判別値ji(この例ではj2)を一時マイクロコンピユ
ータ(49)内のRAMに記憶する。次にさらに正方向にト
ラツキング位相を△tずつサーチしてゆき、合成エンベ
ロープ値lが再び増加し始めてli−p<jiになると、前
と同様に判定値jを更新しながら比較動作を順次繰返し
てゆき、最大値l10を記憶する。次に合成エンベロープ
値lが減少しはじめるl11になつてl11−p<j10になる
とその判別値j10を一時マイクロコンピユータ(49)内
のRAMに記憶する。次にさらに正方向にトラツキング位
相を△tずつサーチしてゆき、合成エンベロープ値liが
li=j10となる点lb(この例ではl12)を求める。このB
点のトラツキング位相t12をマイクロコンピユータ(4
9)内のRAMに記憶する。
つぎにサーチ方向を反転させてトラツキング位相を△t
づつ減少さてゆき、エンベロープ値li≦j10となる点lC
(この例ではl6)を求め、このC点のトラツキング位相
t6をマイクロコンピユータ(49)内のRAMに記憶する。
以上の演算動作でトラツキングB点とC点とを検出して
RAMに一時記憶したことになる。次にこのB点と、C点
の中間点のトラツキング位相を基準トラツキング位相tS
と設定し、トラツキング制御信号E(第2図(E)図
示)をCP位相比較回路(32a)に加えてt10のトラツキン
グ位相を維持するようにトラツキング制御を行う。
このように、第4図(a)のような標準モード時のトラ
ツキング位相ずれした合成エンベロープ値特性の場合、
サーチ中の合成エンベロープ値l2は1つの最大点になる
が、その後のサーチでl3、l4>j2である故l2は最大値と
なり得ず、次の最大点l10をみつけに行くように動作す
る。
次に第4(b)に示す特性のように、単峰特性の最大値
l4、およびl9≦j4であるB点は検出できるが第4図
(a)のC点に相当するサーチ点が検出できない場合に
は、l4点のトラツキング位相t4を基準トラツキング位相
に設定する。
次に第4図(C)に示す特性のように、単峰特性の最大
値l13は検出できたが、l≦j13となるB点が検出でき
ず、Cのみが検出できる場合には、基準トラツキング位
相をt13に設定する。
次に第4図(d)に示す特性のような別のモード(3倍
モード)の場合の基準トラツキング設定動作を説明す
る。
一般に3倍モードの時では、トラツク幅19μに対してビ
デオヘツド幅は31〜33μm、HIFIヘツド幅は26〜27μm
程度のものを使用しているために、合成エンベロープ値
の特性曲線は、複数のピークをもつ平坦な特性曲線にな
つており、li≦jmaxとなるサーチ点を検出する為に全サ
ーチ領域についてサーチさせる必要がある。しかしなが
ら全サーチ域をサーチさせても、li≦jmaxとなるサーチ
点が見出させない場合が多く、又、見出したとしても、
第4図(C)の特性の場合のように、lmaxのサーチ点の
トラツキング位相を基準トラツキング位相tsに設定した
のでは、総合的に最良の結果が得られるトラツキング位
相よりも右方向にずれてしまい、隣接トラツクからのク
ロストークが増加してしまう場合がある。そこで、この
場合の一つの方法としては、反転サーチしてli≦jmaxと
なるサーチ点を検出し、このサーチ点に最も近い最初の
最大値検出サーチ点のトラツキング位相を基準トラツキ
ング位相tsに設定する方法である。
また、第2の方法としては、サーチ方向を反転させたと
き、判別値j=lmax-pをjq=lmax−q(q<p)すなわ
ちjq>jmaxなる判別値に更新して逆方向にサーチしてゆ
き、li≦jqとなるD点を検出したとき、このD点から数
mmsec戻したサーチ点(この例ではt6)のトラツキング
位相t6を基準トラツキング位相tsに設定する方法であ
る。
いずれの方法でもクロストーク等の生じない最適トラツ
キング制御が行える。
このようにこの実施例のトラツキング制御装置は、ビデ
オ,HIFIオーデイオ双方のFM信号のエンベロープを加算
した合成エンベロープ信号を基準にして3つのモードに
対応して最適のトラツキング位置に設定することができ
る。
上述の動作は再生動作も初める時は必ず行なう動作であ
るが再生中も合成エンベロープ値がある判別値以下にな
つた時、くり返すものである。
なお、上記実施例では、ドラムサーボ系、キヤツプスタ
ンサーボ系については一般にデジタルサーボ回路と呼ば
れる具体的な構成例を示したが、これに限定されるもの
でなく広くアナログ系のサーボ回路にも利用できる。
またマイクロコンピユータ(49)内の加算器に加わるビ
デオ・HIFIエンベロープ信号は1:1の加算を原則とする
がこの比率を変えることによつてさらに最良トラツキン
グ点に追い込むことが出来る。
また、非HIFIビデオテープを装架した際は、HIFIオーデ
イオ再生信号が零となるので、ビデオ再生信号のエンベ
ロープ値を2倍に切替えることにより本装置をそのまま
利用できる。
またA−D変換器(45)、(46)及びマイクロコンピユ
ータ(49)のビツト数、サンプリング周波数は任意に選
べるが、実際によれば8bit4MHzで充分な性能が得られ
た。
なお、上記実施例では最大値よりの引算値pと時間制限
用の引算値qを分けて考えたがこれらは同じ値にするこ
とも可能である。
[発明の効果] 以上のように、この発明によれば、ビデオ再生信号のエ
ンベロープ検波電圧値をA/D変換したデジタル信号と、H
IFIオーデイオ再生信号のエンベロープ検波電圧値をA/D
変換したデジタル信号とを加算した合成エンベロープ値
にもとづいてトラツキングを追い込む構成としたもので
あるから、深層、表層記録を行うVTRにおいて他己録再
を行う場合であつても、両再生信号について最適トラツ
キング制御が行えるトラツキング装置が得られる効果が
ある。
また、トラツキング位相の初期値化と合成エンベロープ
値lの最大値lmaxと比較する判別値jを適当な値に設定
することにより種々のテープに対応してトラツキング収
束値を最適化でき、また、時間制限をも設けたので短時
間に精度の良いトラツキング制御が行なえる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例のブロツク回路図、第2図
はその各部の信号波形図、第3図はこの実施例のマイク
ロコンピユータにおける信号処理フローチヤート、第4
図はその動作説明のための波形図、第5図は従来の自動
トラツキング制御装置を示すブロツク回路図、第6図お
よび第7図はその動作を説明するための図、第8図は深
層、表層記録方式を説明するための図、第9図および第
10図は深層表層記録を行つた磁気テープの記録パターン
とその再生信号のエンベロープ信号との関係を説明する
ための図である。 (4a)、(4b)……回転ビデオヘツド、(5)……コン
トロールヘツド、(10)、(10a)……周波数発電機、
(30)……基準信号発振器、(31)……ドラムサーボ回
路、(32)……キヤプスタンサーボ制御回路、(40
a)、(40b)……回転HIFIオーデイオヘツド、(43)…
…ビデオ信号エンベロープ検波回路、(44)……HIFIオ
ーデイオ信号エンベロープ検波回路、(45)、(46)…
…A/D変換回路、(47)、(48)……メモリ回路、(4
9)……マイクロコンピユータ。 なお、各図中、同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転ビデオヘツドおよび回転HIFIオーデイ
    オヘツドのトラツキング位相を制御するサーボ制御系
    と、このサーボ制御系のトラツキング位相を所定量ずつ
    変化させてサーチ領域内を往復するようにサーチさせる
    サーチ手段と、各サーチ点ごとに上記回転ビデオヘツド
    の再生信号のエンベロープ検波電圧値をデジタル化した
    値と上記回転HIFIオーデイオヘツドの再生信号電圧値を
    デジタル化した値とを加算した合成エンベロープ値を検
    出する手段と、順次検出される合成エンベロープ値の最
    大値が更新されたときその最大値を保持する手段と、こ
    の保持されている最大値から所定値だけ小さい値に設定
    された判別値と検出される合成エンベロープ値とを比較
    してゆき合成エンベロープ値の方が小もしくは同じとな
    るサーチ点を検出する手段と、上記判別値より小となる
    サーチ点が上記最大値検出サーチ点の前後のサーチ領域
    で検出された場合には当該両サーチ点のトラツキング位
    相の平均値を基準トラツキング位相に設定し、いずれか
    一方のサーチ領域でのみ検出されかつ当該合成エンベロ
    ープ値の特性曲線が単峰特性であつた場合には上記最大
    値検出サーチ点のトラツキング位相を基準トラツキング
    位相に設定し、いずれか一方のサーチ領域でのみ検出さ
    れかつ当該当該合成エンベロープ値の特性曲線が単峰特
    性でなかつた場合には最初の最大値検出サーチ点のトラ
    ツキング位相を基準トラツキング位相に設定するかまた
    は上記サーチ方向反転時に判別値を所定量大きく設定し
    当該判別値より合成エンベロープ値が小となるサーチ点
    から最大値検出方向に所定量戻したサーチ点のトラツキ
    ング位相を基準トラツキング位相に設定する基準トラツ
    キング位相設定手段とを備え、この設定された基準トラ
    ツキング位相を上記サーボ制御手段に基準値として入力
    するように構成してなる磁気記録再生装置のトラツキン
    グ制御装置。
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