JPH06222026A - 酸化物半導体ガスセンサ - Google Patents
酸化物半導体ガスセンサInfo
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- JPH06222026A JPH06222026A JP3093691A JP3093691A JPH06222026A JP H06222026 A JPH06222026 A JP H06222026A JP 3093691 A JP3093691 A JP 3093691A JP 3093691 A JP3093691 A JP 3093691A JP H06222026 A JPH06222026 A JP H06222026A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 酸化物半導体ガスセンサに関し、ヒータを使
用しなくても済み、雰囲気ガス温度の高低や雰囲気のリ
ッチ・リーンにかかわらず広い温度範囲で安定にセンサ
を作動させることができ、しかもサーミスタ素子を一体
焼成できる耐久性にすぐれた酸化物半導体ガスセンサを
提供することを目的とする。 【構成】 雰囲気ガスの酸素分圧に応じて抵抗値が変化
する金属酸化物半導体からなる感ガス層5を基板1上に
有してなり、かつセンサ素子に直列に温度補償用サーミ
スタ素子6を接続する形式の酸化物半導体ガスセンサで
あって、前記温度補償用サーミスタ素子がn型酸化物半
導体とp型酸化物半導体の混合物から形成されているよ
うに構成する。
用しなくても済み、雰囲気ガス温度の高低や雰囲気のリ
ッチ・リーンにかかわらず広い温度範囲で安定にセンサ
を作動させることができ、しかもサーミスタ素子を一体
焼成できる耐久性にすぐれた酸化物半導体ガスセンサを
提供することを目的とする。 【構成】 雰囲気ガスの酸素分圧に応じて抵抗値が変化
する金属酸化物半導体からなる感ガス層5を基板1上に
有してなり、かつセンサ素子に直列に温度補償用サーミ
スタ素子6を接続する形式の酸化物半導体ガスセンサで
あって、前記温度補償用サーミスタ素子がn型酸化物半
導体とp型酸化物半導体の混合物から形成されているよ
うに構成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は酸化物半導体ガスセンサ
に関し、さらに詳しく述べると、雰囲気ガスの酸素分圧
に応じて抵抗値が変化する金属酸化物半導体、例えばチ
タニアなどからなる感ガス層を基板上に有してなる酸化
物半導体ガスセンサに関する。本発明のガスセンサは、
センサ素子に直列に温度補償用サーミスタ素子を接続す
る形式を採用している。本発明のガスセンサは、特に自
動車の排ガス中の酸素濃度を測定するための自動車用酸
素濃度センサとして有利に用いることができる。
に関し、さらに詳しく述べると、雰囲気ガスの酸素分圧
に応じて抵抗値が変化する金属酸化物半導体、例えばチ
タニアなどからなる感ガス層を基板上に有してなる酸化
物半導体ガスセンサに関する。本発明のガスセンサは、
センサ素子に直列に温度補償用サーミスタ素子を接続す
る形式を採用している。本発明のガスセンサは、特に自
動車の排ガス中の酸素濃度を測定するための自動車用酸
素濃度センサとして有利に用いることができる。
【0002】
【従来の技術】周知の通り、自動車用の排ガスセンサあ
るいは特に酸素センサとしてはいろいろな構造のものが
提案されている。U字管型(バルク型)、板状型及び膜
状型の3タイプが典型的な構造であり、特に最近では、
ヒータを内蔵して低温活性を向上させ、かつ構造を簡単
にした板状、膜状のセンサが開発される傾向にある。
るいは特に酸素センサとしてはいろいろな構造のものが
提案されている。U字管型(バルク型)、板状型及び膜
状型の3タイプが典型的な構造であり、特に最近では、
ヒータを内蔵して低温活性を向上させ、かつ構造を簡単
にした板状、膜状のセンサが開発される傾向にある。
【0003】従来の厚膜積層型チタニア酸素センサは、
例えば、図8(A)及び(B)に示すような構造を有す
ることができ、また、ここで、図8(B)は、図8
(A)の線分A−Aにそった断面図である。このセンサ
素子20は、センサ素子の温度をコントロールするための
ヒータ22を内蔵したアルミナ基板21からなり、また、そ
の先端に位置する感応部は、チタニアの抵抗を測定する
ための白金電極23及び24、そしてチタニア粉末と有機バ
インダを混合して得たペーストを塗布焼成したものから
なる感ガス層25を支承している。また、白金電極23及び
24は白金リード線28に接続されている。ここで、アルミ
ナ基板21にヒータ22が内蔵されているのは、チタニアの
抵抗値は酸素分圧だけでなく温度に対しても強い依存性
を示すので、ヒータによって正確な温度制御をする必要
があるからである。
例えば、図8(A)及び(B)に示すような構造を有す
ることができ、また、ここで、図8(B)は、図8
(A)の線分A−Aにそった断面図である。このセンサ
素子20は、センサ素子の温度をコントロールするための
ヒータ22を内蔵したアルミナ基板21からなり、また、そ
の先端に位置する感応部は、チタニアの抵抗を測定する
ための白金電極23及び24、そしてチタニア粉末と有機バ
インダを混合して得たペーストを塗布焼成したものから
なる感ガス層25を支承している。また、白金電極23及び
24は白金リード線28に接続されている。ここで、アルミ
ナ基板21にヒータ22が内蔵されているのは、チタニアの
抵抗値は酸素分圧だけでなく温度に対しても強い依存性
を示すので、ヒータによって正確な温度制御をする必要
があるからである。
【0004】図8に示したチタニア酸素センサを使用し
て酸素濃度を測定する場合には、通常、図9に示すよう
な動作回路が用いられる。すなわち、チタニア抵抗とセ
ンサの外部にある基準抵抗(固定抵抗)とを直列に接続
し、基準抵抗の両端に加わる電圧変化によりリッチ−リ
ーンの判断を行う。図示の動作回路で、電圧の印加はD
C電源29を用いて行われる。しかし、このような形で酸
素濃度の測定を行うと、チタニア抵抗の温度依存性が図
10に示されるように大(すなわち、温度による抵抗の変
化が大)であるために、作動温度範囲が約 350〜400 ℃
しかなく自動車の排ガス温度範囲(約 400〜900 ℃)の
全範囲でセンサを作動させることが困難である。また、
たとえセンサが作動すると仮定しても、センサ作動温度
の両端では図11に示すようにデューティー比(リッチと
リーンの出力時間比;%)が大きくずれる結果となる。
そのために、排ガス温度が低温である場合には内蔵ヒー
タで素子温度を上昇させる必要があるが、高温側は制御
が不可能であり、なりゆきとなる。
て酸素濃度を測定する場合には、通常、図9に示すよう
な動作回路が用いられる。すなわち、チタニア抵抗とセ
ンサの外部にある基準抵抗(固定抵抗)とを直列に接続
し、基準抵抗の両端に加わる電圧変化によりリッチ−リ
ーンの判断を行う。図示の動作回路で、電圧の印加はD
C電源29を用いて行われる。しかし、このような形で酸
素濃度の測定を行うと、チタニア抵抗の温度依存性が図
10に示されるように大(すなわち、温度による抵抗の変
化が大)であるために、作動温度範囲が約 350〜400 ℃
しかなく自動車の排ガス温度範囲(約 400〜900 ℃)の
全範囲でセンサを作動させることが困難である。また、
たとえセンサが作動すると仮定しても、センサ作動温度
の両端では図11に示すようにデューティー比(リッチと
リーンの出力時間比;%)が大きくずれる結果となる。
そのために、排ガス温度が低温である場合には内蔵ヒー
タで素子温度を上昇させる必要があるが、高温側は制御
が不可能であり、なりゆきとなる。
【0005】加えて、もしも内蔵ヒータを使用した場
合、センサの製造が繁雑となる、製造コストの増大を避
けることができない、などの追加の問題もでてくる。こ
こで、Esperらは、1979年のSAE大会で、ヒータ不要
の方式を発表した(M.J.Esper et al. : SAE Meeting, D
etroit, Michigan, Feb.〜Mar. 1979, Paper No.79014
0) 。この方式は、成書「自動車セラミックス」の 124
〜125 頁に記載の説明によると、チタニアの酸素センサ
素子に直列に温度補償用のサーミスタ素子を接続するも
のである。さらに詳しく述べると、この方式は、チタニ
ア酸素センサの温度特性を補償するために、排ガス雰囲
気から遮断したチタニアサーミスタ素子をセンサ素子と
は別に設けることを特徴とする。しかし、このヒータ不
要の方式にもいくつかの問題がある。例えば、チタニア
サーミスタ素子を排ガス雰囲気から遮断するには、サー
ミスタとなるチタニア素子をその焼成後にガラス等でシ
ールする必要があるけれども、このシールが完全になさ
れていないと、サーミスタ素子自体が排ガス雰囲気(リ
ッチ−リーン)で抵抗変化をおこし、センサ出力におい
てノイズとなって現われてくる。また、たとえ良好にガ
ラスシールができたとしても、センサの使用中に熱衝撃
により割れたり、あるいはガラスの抵抗がノイズとなっ
たりする問題がある。
合、センサの製造が繁雑となる、製造コストの増大を避
けることができない、などの追加の問題もでてくる。こ
こで、Esperらは、1979年のSAE大会で、ヒータ不要
の方式を発表した(M.J.Esper et al. : SAE Meeting, D
etroit, Michigan, Feb.〜Mar. 1979, Paper No.79014
0) 。この方式は、成書「自動車セラミックス」の 124
〜125 頁に記載の説明によると、チタニアの酸素センサ
素子に直列に温度補償用のサーミスタ素子を接続するも
のである。さらに詳しく述べると、この方式は、チタニ
ア酸素センサの温度特性を補償するために、排ガス雰囲
気から遮断したチタニアサーミスタ素子をセンサ素子と
は別に設けることを特徴とする。しかし、このヒータ不
要の方式にもいくつかの問題がある。例えば、チタニア
サーミスタ素子を排ガス雰囲気から遮断するには、サー
ミスタとなるチタニア素子をその焼成後にガラス等でシ
ールする必要があるけれども、このシールが完全になさ
れていないと、サーミスタ素子自体が排ガス雰囲気(リ
ッチ−リーン)で抵抗変化をおこし、センサ出力におい
てノイズとなって現われてくる。また、たとえ良好にガ
ラスシールができたとしても、センサの使用中に熱衝撃
により割れたり、あるいはガラスの抵抗がノイズとなっ
たりする問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、した
がって、従来の技術の問題点を有しない酸化物半導体ガ
スセンサ、さらに詳しく述べると、ヒータを使用しなく
ても済み、雰囲気ガス温度の高低や雰囲気のリッチ・リ
ーンにかかわらず広い温度範囲で安定にセンサを作動さ
せることができ、しかもサーミスタ素子を一体焼成でき
る耐久性にすぐれた酸化物半導体ガスセンサを提供する
ことにある。
がって、従来の技術の問題点を有しない酸化物半導体ガ
スセンサ、さらに詳しく述べると、ヒータを使用しなく
ても済み、雰囲気ガス温度の高低や雰囲気のリッチ・リ
ーンにかかわらず広い温度範囲で安定にセンサを作動さ
せることができ、しかもサーミスタ素子を一体焼成でき
る耐久性にすぐれた酸化物半導体ガスセンサを提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した目的は、本発明
によれば、雰囲気ガスの酸素分圧に応じて抵抗値が変化
する金属酸化物半導体からなる感ガス層を基板上に有し
てなり、かつセンサ素子に直列に温度補償用サーミスタ
素子を接続する形式の酸化物半導体ガスセンサであっ
て、前記温度補償用サーミスタ素子がn型酸化物半導体
とp型酸化物半導体の混合物から形成されていることを
特徴とする酸化物半導体ガスセンサによって達成するこ
とができる。
によれば、雰囲気ガスの酸素分圧に応じて抵抗値が変化
する金属酸化物半導体からなる感ガス層を基板上に有し
てなり、かつセンサ素子に直列に温度補償用サーミスタ
素子を接続する形式の酸化物半導体ガスセンサであっ
て、前記温度補償用サーミスタ素子がn型酸化物半導体
とp型酸化物半導体の混合物から形成されていることを
特徴とする酸化物半導体ガスセンサによって達成するこ
とができる。
【0008】本発明においてサーミスタ素子の材料とし
て用いられるn型酸化物半導体とp型酸化物半導体の混
合物は、雰囲気ガスに対し相反する特性を備えるもので
あり、また、センサ素子の焼成後にこのサーミスタ素子
をセンサ素子に後付けすることが好ましい。本発明の実
施において有用なn型酸化物半導体及びp型酸化物半導
体は、それぞれ、以下に列挙するようなものである。 n型酸化物半導体:MgFe2O4, TiO2, ZnFe2O4, NiFe2O4
など。 p型酸化物半導体:MgCr2O4, ZnCr2O4, NiCr2O4など。
て用いられるn型酸化物半導体とp型酸化物半導体の混
合物は、雰囲気ガスに対し相反する特性を備えるもので
あり、また、センサ素子の焼成後にこのサーミスタ素子
をセンサ素子に後付けすることが好ましい。本発明の実
施において有用なn型酸化物半導体及びp型酸化物半導
体は、それぞれ、以下に列挙するようなものである。 n型酸化物半導体:MgFe2O4, TiO2, ZnFe2O4, NiFe2O4
など。 p型酸化物半導体:MgCr2O4, ZnCr2O4, NiCr2O4など。
【0009】本発明のガスセンサにおいて、その感応部
は、前記した通り、基板とその上方に施された感ガス層
とからなる。感応部は、この技術分野において一般的に
用いられているいろいろな形状を有することができ、但
し、感応部の基板は、好ましくは、アルミナなどの材料
から構成し、また、感ガス層は、好ましくは高温還元雰
囲気に強いチタニアから構成する。しかし、必要に応じ
て、例えば、前記したn型酸化物半導体又はp型酸化物
半導体から感ガス層を構成してもよい。感ガス層の上方
には、排ガス中の付着物(鉛化合物等)を捕捉してセン
サの耐久性を向上させたり、感ガス層を保護したりする
等の目的のため、従来一般的に行なわれているように、
さらにトラップ層を設けることが推奨される。トラップ
層の材料としては、感ガス層と同じチタニア、又はアル
ミナ等をあげることができる。
は、前記した通り、基板とその上方に施された感ガス層
とからなる。感応部は、この技術分野において一般的に
用いられているいろいろな形状を有することができ、但
し、感応部の基板は、好ましくは、アルミナなどの材料
から構成し、また、感ガス層は、好ましくは高温還元雰
囲気に強いチタニアから構成する。しかし、必要に応じ
て、例えば、前記したn型酸化物半導体又はp型酸化物
半導体から感ガス層を構成してもよい。感ガス層の上方
には、排ガス中の付着物(鉛化合物等)を捕捉してセン
サの耐久性を向上させたり、感ガス層を保護したりする
等の目的のため、従来一般的に行なわれているように、
さらにトラップ層を設けることが推奨される。トラップ
層の材料としては、感ガス層と同じチタニア、又はアル
ミナ等をあげることができる。
【0010】さらに、必要に応じて、感ガス層とトラッ
プ層の中間に、排ガス中の未燃焼の可燃性ガス (HC,
H2, COなど) を燃焼させるための反応層を介在させても
よい。なぜなら、排ガス中に未燃焼の可燃性ガスがあっ
た場合、それらのガスが感ガス層内で燃焼し、層内の部
分的高温化とそれによるチタニア抵抗の変化を惹起する
のを防止するのに有効である。この反応層は、非常に焼
結性の悪い材料から構成することが好ましく、適当な材
料として、以下のものに限定されるわけではないけれど
も、アルミナ、マグネシア、ジルコニア、スピネルなど
をあげることができる。
プ層の中間に、排ガス中の未燃焼の可燃性ガス (HC,
H2, COなど) を燃焼させるための反応層を介在させても
よい。なぜなら、排ガス中に未燃焼の可燃性ガスがあっ
た場合、それらのガスが感ガス層内で燃焼し、層内の部
分的高温化とそれによるチタニア抵抗の変化を惹起する
のを防止するのに有効である。この反応層は、非常に焼
結性の悪い材料から構成することが好ましく、適当な材
料として、以下のものに限定されるわけではないけれど
も、アルミナ、マグネシア、ジルコニア、スピネルなど
をあげることができる。
【0011】本発明のガスセンサは、前記したように、
排ガス中の酸素濃度を測定するために有利に用いること
ができるけれども、必要に応じてその他のガス中の酸素
濃度あるいはその他の成分の濃度を測定するために利用
することができる。
排ガス中の酸素濃度を測定するために有利に用いること
ができるけれども、必要に応じてその他のガス中の酸素
濃度あるいはその他の成分の濃度を測定するために利用
することができる。
【0012】
【作用】本発明のチタニア酸素センサを使用して酸素濃
度を測定する場合には、図2に示すような動作回路が用
いられる。すなわち、チタニア抵抗とセンサの内部にあ
る基準抵抗(上記サーミスタ)とを直列に接続し、基準
抵抗の両端に加わる電圧変化によりリッチ−リーンの判
断を行う。図示の動作回路で、電圧の印加はDC電源9
を用いて行われる。理解されるように、この動作回路の
場合、前記した図9の従来の動作回路とは異なって、基
準抵抗をサーミスタ素子として可変するものである。
度を測定する場合には、図2に示すような動作回路が用
いられる。すなわち、チタニア抵抗とセンサの内部にあ
る基準抵抗(上記サーミスタ)とを直列に接続し、基準
抵抗の両端に加わる電圧変化によりリッチ−リーンの判
断を行う。図示の動作回路で、電圧の印加はDC電源9
を用いて行われる。理解されるように、この動作回路の
場合、前記した図9の従来の動作回路とは異なって、基
準抵抗をサーミスタ素子として可変するものである。
【0013】本発明は、前記した通り、そのサーミスタ
素子のサーミスタ材料としてn型酸化物半導体とp型酸
化物半導体の混合物を用いることを特徴とするものであ
る。n型酸化物半導体はリーン時(酸素過剰時)には高
抵抗を示し、反対にリッチ時(酸素不足時)には低抵抗
を示す。p型酸化物半導体は逆にリーン時に低抵抗を示
し、リッチ時に高抵抗を示す。これらの2種類の酸化物
半導体を混合すれば、リッチ雰囲気でもリーン雰囲気で
も雰囲気の影響を受けないで安定した抵抗のサーミスタ
材料を得ることができる。したがって、この材料をサー
ミスタとして使用すれば、前記のような不都合をひきお
こすガラスシールなどを使用する必要がなく、耐久性の
良好な基準抵抗用サーミスタを簡単にセンサ素子に組み
込むことができる。
素子のサーミスタ材料としてn型酸化物半導体とp型酸
化物半導体の混合物を用いることを特徴とするものであ
る。n型酸化物半導体はリーン時(酸素過剰時)には高
抵抗を示し、反対にリッチ時(酸素不足時)には低抵抗
を示す。p型酸化物半導体は逆にリーン時に低抵抗を示
し、リッチ時に高抵抗を示す。これらの2種類の酸化物
半導体を混合すれば、リッチ雰囲気でもリーン雰囲気で
も雰囲気の影響を受けないで安定した抵抗のサーミスタ
材料を得ることができる。したがって、この材料をサー
ミスタとして使用すれば、前記のような不都合をひきお
こすガラスシールなどを使用する必要がなく、耐久性の
良好な基準抵抗用サーミスタを簡単にセンサ素子に組み
込むことができる。
【0014】
【実施例】図1は、本発明による酸化物半導体ガスセン
サの好ましい一例をチタニア酸素センサを例にとって断
面で示したものである。センサ素子10は内蔵ヒータを有
しないアルミナ基板1からなり、その感応部には、図示
される通り、感ガス層として作用し得るチタニア厚膜5
及びサーミスタ素子として作用し得るサーミスタ用厚膜
6が埋封されており、かつトラップ層7で包み込まれて
いる。なお、このチタニア酸素センサの動作回路は図2
を参照して前記した。
サの好ましい一例をチタニア酸素センサを例にとって断
面で示したものである。センサ素子10は内蔵ヒータを有
しないアルミナ基板1からなり、その感応部には、図示
される通り、感ガス層として作用し得るチタニア厚膜5
及びサーミスタ素子として作用し得るサーミスタ用厚膜
6が埋封されており、かつトラップ層7で包み込まれて
いる。なお、このチタニア酸素センサの動作回路は図2
を参照して前記した。
【0015】図1のチタニア酸素センサは、例えば、次
のようにして製造することができる。先ず、図3に示す
ように、ドクタブレード法で成形した厚さ 300μmのア
ルミナグリーンシート11上にスクリーン印刷法を用いて
白金電極3及び4を図示の電極パターンで形成する。次
いで、図4に示すように、白金電極形成後のアルミナグ
リーンシート11上に、センシング素子用キャビティ15及
び基準抵抗サーミスタ用キャビティ16をそれぞれ窓枠状
に打ち抜いた窓枠シート13とカバーシート14を順に積層
圧着する。その際、白金リード線8の先端を白金電極3
及び4に接続しておく。次いで、得られた積層体を 500
℃まで加熱してグリーンシート中のバインダを脱脂し、
さらに1500℃で焼成を行う。図5に先端部の構成を示す
アルミナ基板が得られる。
のようにして製造することができる。先ず、図3に示す
ように、ドクタブレード法で成形した厚さ 300μmのア
ルミナグリーンシート11上にスクリーン印刷法を用いて
白金電極3及び4を図示の電極パターンで形成する。次
いで、図4に示すように、白金電極形成後のアルミナグ
リーンシート11上に、センシング素子用キャビティ15及
び基準抵抗サーミスタ用キャビティ16をそれぞれ窓枠状
に打ち抜いた窓枠シート13とカバーシート14を順に積層
圧着する。その際、白金リード線8の先端を白金電極3
及び4に接続しておく。次いで、得られた積層体を 500
℃まで加熱してグリーンシート中のバインダを脱脂し、
さらに1500℃で焼成を行う。図5に先端部の構成を示す
アルミナ基板が得られる。
【0016】アルミナ基板の形成後、センシング素子の
形成を行う(図示せず)。純度99.9%のチタニア粉末に
白金−ロジウム触媒を担持し、有機溶媒と混合してペー
スト状にする。このペースト状物を前記アルミナ基板の
センシング素子用キャビティの中に厚さ 200μmで塗布
する。引き続いてサーミスタ素子を作り込む。n型酸化
物半導体である MgFe2O4粉末とp型酸化物半導体である
MgCr2O4粉末を等モル量で混合し、この混合粉末に有機
溶媒を混合してペースト状とする。このペースト状物を
前記アルミナ基板の基準抵抗サーミスタ用キャビティに
厚さ 200μmで塗布する。次いで、この基板を1200℃で
2時間にわたって焼成した後、排ガス中の付着物を捕捉
するためのトラップ層を形成するため、白金−ロジウム
触媒を担持したアルミナペーストを厚さ 100μmで塗布
した後に1100℃で2時間にわたって焼成する。このよう
にして形成されるセンサ素子の断面は図1に示す通りで
ある。
形成を行う(図示せず)。純度99.9%のチタニア粉末に
白金−ロジウム触媒を担持し、有機溶媒と混合してペー
スト状にする。このペースト状物を前記アルミナ基板の
センシング素子用キャビティの中に厚さ 200μmで塗布
する。引き続いてサーミスタ素子を作り込む。n型酸化
物半導体である MgFe2O4粉末とp型酸化物半導体である
MgCr2O4粉末を等モル量で混合し、この混合粉末に有機
溶媒を混合してペースト状とする。このペースト状物を
前記アルミナ基板の基準抵抗サーミスタ用キャビティに
厚さ 200μmで塗布する。次いで、この基板を1200℃で
2時間にわたって焼成した後、排ガス中の付着物を捕捉
するためのトラップ層を形成するため、白金−ロジウム
触媒を担持したアルミナペーストを厚さ 100μmで塗布
した後に1100℃で2時間にわたって焼成する。このよう
にして形成されるセンサ素子の断面は図1に示す通りで
ある。
【0017】上記のようにして製造したチタニア酸素セ
ンサでは、従来のそれのように基準抵抗の値を一定値と
するのではなくて、基準抵抗の値が図6のようにチタニ
アのリーン抵抗とリッチ抵抗の中間の値になるように、
図5に示すL1 とL2 の長さを調整すればよい。このセ
ンサのデューティー比特性を図7に示す。図7のグラフ
から理解されるように、本発明によれば、従来のセンサ
の特性(図11)に比べて広い温度範囲で非常に安定な特
性が得られる。
ンサでは、従来のそれのように基準抵抗の値を一定値と
するのではなくて、基準抵抗の値が図6のようにチタニ
アのリーン抵抗とリッチ抵抗の中間の値になるように、
図5に示すL1 とL2 の長さを調整すればよい。このセ
ンサのデューティー比特性を図7に示す。図7のグラフ
から理解されるように、本発明によれば、従来のセンサ
の特性(図11)に比べて広い温度範囲で非常に安定な特
性が得られる。
【0018】
【発明の効果】チタニア抵抗の温度依存性は極めて顕著
であるために従来のガスセンサではヒータを併用してい
たが、本発明のガスセンサでは、チタニア抵抗の温度依
存性が無視し得る程度に小さいので、ヒータを併用する
必要がない。したがって、本発明では、ヒータをコント
ロールする回路が不要になるばかりか、センサ素子も小
型化でき、製造コストは大幅に低減できる。さらに、本
発明では、サーミスタが雰囲気ガスに曝露されても、互
いの特性が相殺されるため、センサ素子に雰囲気ガスに
原因する影響を与えなくて済み、また、精度の高い計測
をシール性を考慮しないで(ガラスシール等を使用しな
いで)達成することができる。
であるために従来のガスセンサではヒータを併用してい
たが、本発明のガスセンサでは、チタニア抵抗の温度依
存性が無視し得る程度に小さいので、ヒータを併用する
必要がない。したがって、本発明では、ヒータをコント
ロールする回路が不要になるばかりか、センサ素子も小
型化でき、製造コストは大幅に低減できる。さらに、本
発明では、サーミスタが雰囲気ガスに曝露されても、互
いの特性が相殺されるため、センサ素子に雰囲気ガスに
原因する影響を与えなくて済み、また、精度の高い計測
をシール性を考慮しないで(ガラスシール等を使用しな
いで)達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のチタニア酸素センサの構造を示す断面
図である。
図である。
【図2】本発明のチタニア酸素センサの動作を示す回路
図である。
図である。
【図3】センサ用の白金電極の形成を示す平面図であ
る。
る。
【図4】センサ用のアルミナ基板の形成を示す斜視図で
ある。
ある。
【図5】図4のアルミナ基板の先端部を示す平面図であ
る。
る。
【図6】本発明のセンサにおけるチタニア抵抗の温度依
存性を示すグラフである。
存性を示すグラフである。
【図7】本発明のセンサにおけるデューティー比の温度
依存性を示すグラフである。
依存性を示すグラフである。
【図8】従来のチタニア酸素センサの構造を示す平面図
(A)及び断面図(B)である。
(A)及び断面図(B)である。
【図9】従来のチタニア酸素センサの動作を示す回路図
である。
である。
【図10】従来のセンサにおけるチタニア抵抗の温度依存
性を示すグラフである。
性を示すグラフである。
【図11】従来のセンサにおけるデューティー比の温度依
存性を示すグラフである。
存性を示すグラフである。
1…アルミナ基板 5…チタニア厚膜 6…サーミスタ用厚膜 7…トラップ層 9…DC電源 10…センサ素子
Claims (1)
- 【請求項1】 雰囲気ガスの酸素分圧に応じて抵抗値が
変化する金属酸化物半導体からなる感ガス層を基板上に
有してなり、かつセンサ素子に直列に温度補償用サーミ
スタ素子を接続する形式の酸化物半導体ガスセンサであ
って、前記温度補償用サーミスタ素子がn型酸化物半導
体とp型酸化物半導体の混合物から形成されていること
を特徴とする酸化物半導体ガスセンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3093691A JP2811976B2 (ja) | 1991-02-26 | 1991-02-26 | 酸化物半導体ガスセンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3093691A JP2811976B2 (ja) | 1991-02-26 | 1991-02-26 | 酸化物半導体ガスセンサ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06222026A true JPH06222026A (ja) | 1994-08-12 |
JP2811976B2 JP2811976B2 (ja) | 1998-10-15 |
Family
ID=12317566
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3093691A Expired - Lifetime JP2811976B2 (ja) | 1991-02-26 | 1991-02-26 | 酸化物半導体ガスセンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2811976B2 (ja) |
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- 1991-02-26 JP JP3093691A patent/JP2811976B2/ja not_active Expired - Lifetime
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