JPH0622085U - 車両用ミラーのミラー角度調整装置 - Google Patents
車両用ミラーのミラー角度調整装置Info
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- JPH0622085U JPH0622085U JP6473992U JP6473992U JPH0622085U JP H0622085 U JPH0622085 U JP H0622085U JP 6473992 U JP6473992 U JP 6473992U JP 6473992 U JP6473992 U JP 6473992U JP H0622085 U JPH0622085 U JP H0622085U
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 車両用のミラー角度調整装置において、一定
以上の外力が加わった際にホルダーと操作レバーとの断
接機構の部品点数の削減化、構造の簡略化を図る。 【構成】 操作レバー10の操作動を前記連結部材3
5、36を介してミラーホルダー7に伝え、角度を調整
するようにした装置において、前記連結部材35、36
を、前記操作レバー10の操作動により回転するシャフ
ト15、18と、ミラーホルダー7の角度を変えるアー
ム26、27とで構成し、力の伝達を断接する断接機構
C1、C2を、カム面21c、23cと、他方に形成さ
れる係合部26g、27gとで構成し、通常時には前記
カム面21cと係合部26g、27gの係合により操作
レバー10とアーム26、27間で力の伝達を行い、過
大な力が加わった場合には前記係合部26g、27gが
前記カム面21c、23cを乗り越えることで力の伝達
を遮断するようにする。
以上の外力が加わった際にホルダーと操作レバーとの断
接機構の部品点数の削減化、構造の簡略化を図る。 【構成】 操作レバー10の操作動を前記連結部材3
5、36を介してミラーホルダー7に伝え、角度を調整
するようにした装置において、前記連結部材35、36
を、前記操作レバー10の操作動により回転するシャフ
ト15、18と、ミラーホルダー7の角度を変えるアー
ム26、27とで構成し、力の伝達を断接する断接機構
C1、C2を、カム面21c、23cと、他方に形成さ
れる係合部26g、27gとで構成し、通常時には前記
カム面21cと係合部26g、27gの係合により操作
レバー10とアーム26、27間で力の伝達を行い、過
大な力が加わった場合には前記係合部26g、27gが
前記カム面21c、23cを乗り越えることで力の伝達
を遮断するようにする。
Description
【0001】
本考案は車両用ミラーのミラー角度調整装置に関するものである。
【0002】
自動車等の車両に設けられる車両用ミラーのなかには、車室内に突出する操作 レバーの操作でミラーの角度を調整できるようにしたものがある。 このような車両用ミラーではミラーハウジング内に固設したブラケットでミラ ーホルダーを枢支し、このミラーホルダーと前記操作レバーとを連結部材で連結 し、操作レバーの操作動(揺動、回転)を連結部材を介してミラーホルダーに伝 え、ミラーホルダーを揺動させてミラーの角度を調整するようにしている。 このような車両用ミラーでは、外部から力が加わってミラーハウジングが強制 的に傾倒すると(例えば車体後方へ)、ブラケット、及び連結部材を介して力が 操作レバーに加わり(即ち通常とは逆に力が入力され)、操作レバーがミラーハ ウジングの傾倒に伴って動き始める。ところが操作レバーはその操作範囲が予め 決められているのでその範囲の限界点までしか動けず、更にミラーハウジングが 傾倒すると止っている操作レバーには過剰な力が加わり、その後、ミラーハウジ ングの回動が妨げられ、該ミラーハウジングの十分な回動が得られなくなるとい う不具合があった。 そこで前記連結部材中に力の断接機構としてのクラッチを設け、一定以上の力 が加わった際にはクラッチを切って操作レバーとミラーホルダー間の力の伝達を 遮断するようにした構造が提案され、例えば特開平2ー53652公報にその開 示がある。 この公報のドアミラーでは、操作レバーとミラーホルダーを連結する連結部材 を、操作レバーの操作により回転するシャフトと、該シャフトに連結されるアー ムとで構成し、このシャフトとアームとの間にクラッチを設けている。そしてこ のクラッチは、シャフト側の円柱に溝を切って形成した半円状凹部と、アーム側 に形成した板状の凸部で構成し、通常時にはこれら凹部、凸部を係合させるとと もにこの係合をコイルスプリングの弾力で保持し、一定以上の力が加わった場合 にはコイルスプリングの弾力に抗して前記凹部、凸部が外れて力の伝達を遮断す るようにしている。
【0003】
ところがこのような構造では、シャフト側、アーム側に夫々凹部、凸部を設け る他、コイルスプリングを設ける等、構造が複雑で、部品点数も増加するという 不具合があった。又、コイルスプリングは弾力の大きいものを使用するため、凹 部、凸部の強度、摩耗等を考慮しなければならないという不具合があった。
【0004】
前記課題を解決するため本考案は、車体側に固定されるベース部材にブラケッ トを回動自在に取付け、該ブラケットでミラーホルダーを支持するとともに該ブ ラケットに固定したミラーハウジングで前記ブラケット、ミラーホルダー等を囲 繞し、前記ミラーホルダーと車室内に突出する操作レバーとを連結部材で連結し 、前記操作レバーの操作動を前記連結部材を介してミラーホルダーに伝えて該ミ ラーホルダーの角度を調整するようにした車両用ミラーのミラー角度調整装置に おいて、前記連結部材を、前記操作レバーの操作動により回転するシャフトと、 該シャフトに連結され、シャフトの回転動により揺動してミラーホルダーの角度 を変えるアームとで構成し、前記アームとシャフトの間に力の伝達を断接する断 接機構を設け、該断接機構を、前記シャフト側もしくはアーム側のいずれか一方 に形成されるカム面と、他方に形成される係合部とで構成し、通常時には前記カ ム面と係合部の係合により操作レバーとアーム間で力の伝達を行い、前記アーム に過大な力が加わった場合には前記係合部が前記カム面を乗り越えることで力の 伝達を遮断するようにしたことを特徴とする。
【0005】
アームとシャフトの間に設ける断接機構を、前記シャフト側もしくはアーム側 のいずれか一方に形成されるカム面と、他方に形成される係合部とで構成し、通 常時には前記カム面と係合部の係合で操作レバーとアーム間の力の伝達を行い、 前記アームに過大な力が加わった場合には前記係合部が前記カム面を乗り越える ことで力の伝達を遮断するようにしたので、従来必要だったコイルスプリング等 の部材が不用になり、部品点数を削減することができるとともに構造を簡略化す ることができる。又、カム面と係合部にコイルスプリングの弾力が作用しないの で断接機構の耐久性を向上させることができる。
【0006】
以下に本考案の好適一実施例を添付図面に基づいて説明する。 図1は可倒式ドアミラーの一部破断縦正面図、図2は図1の2ー2線断面図を 示す。 図中1は車体側に固定支持されるベース部材で、該ベース部材1の中央段部1 aには円筒状の固定軸2を一体的に設け、この固定軸2の外周にはブラケット3 の基部3aを回転自在に係合し、このブラケット3にはビスB1…を介してミラ ーハウジングHを固定する。 前記中央段部1aの上面には球4…を放射状に埋設し、この球4は上部が中央 段部1aよりも上方に突出し、この突出部分がブラケット3下面に形成した孔3 bに係合してブラケット3の位置決めが行われる。 前記ブラケット3の基部3aに形成した周状孔3cと止めリング5との間には スプリング6を配置し、このスプリング6の弾力で通常時にはブラケット3をベ ース部材1に押圧し、前記球4と孔3bとの係合を保持するようにする。 前記ブラケット3は正面側にピポットPを有し、このピポットPでミラーホル ダー7を傾動自在に枢支し、ミラーホルダー7はミラーMを保持する。
【0007】 前記ベース部材1の車体側には支持部8を設け、この支持部8は、ベース部材 1から延出するステー8aと一体に形成される半体8bと、この半体8bにビス 等で固定される外側の半体8cとから成る。この支持部8内には球状の凹部8d を形成し、この凹部8d内に操作レバー10の枢動中心を成す球部11を回転自 在に嵌合する。 前記球部11は、二つの半体11a、11bから成り、半体11bの接合面の 中央には凸部11dを形成し、半体11aの接合面の中央には凹部11fを形成 し、この凸部11dと凹部11fを係合させ、半体11a、11bを互いに回転 自在(操作レバー10の軸周り方向)に構成する。 半体11aの車体側には前記操作レバー10の端部を固定するとともに半体1 1aの下側には揺動アーム12の端部を固定し、操作レバー10は半体8aの車 体側に形成した車体前後方向に長い長孔8eに摺動自在に係合し、該操作レバー 10の端部は車室内に突出する。又、前記揺動アーム12は支持部8下面に車体 前後方向に長く形成した長孔8gに摺動自在に係合する。 前記半体11bには揺動アーム13の端部を固定し、この揺動アーム13は半 体8bの外側面に車体前後方向に長く形成した長孔8fに摺動自在に係合する。 操作レバー10をその軸回り方向、即ち図2のA,B方向に回転操作すれば、 操作レバー10とともに半体11aが凹部8d内を操作レバー10の軸周り方向 に回転し(半体11bは回転しない)、揺動アーム12が半体11aを中心に車 体前後方向(図2のC、D方向)に揺動する。又、操作レバー10を長孔8eに 沿って車体の前後方向(図2のC、D方向)に揺動させれば、球部11を中心に 揺動アーム13が長孔8fに沿って車体前後方向(C、D方向)に揺動する。
【0008】 前記固定軸2内には図1に示すように筒状のシャフト15を回転自在に配置し 、このシャフト15の下端にはアーム17の端部を固定する。又、前記シャフト 15内には小径のシャフト18を回転自在に設け、このシャフト18の下端には アーム19を一体的に形成する。 前記アーム17の先端には図4、図5に示すように上下の係止部17a、17 bを形成し、上側の係止部17aの左右には円弧状の切欠き部17c、17cを 形成する。この係止部17a、17b間には前記揺動アーム13の先端が係合し 、具体的には図3に示すように操作レバー13の先端に平板部13aを形成する とともにこの平板部13aに端部側を開放した凹部13bを形成し、凹部13b を係止部17a、17bの間に挿入する。揺動アーム13が球部11を中心に車 体前後方向に揺動すると該揺動アーム13に係合しているアーム17もシャフト 15を中心に揺動し、この揺動時には図3に示す凹部13bの両内端部13d、 13dが切欠き部17c、17c内に入り込むことで前記揺動が確保される。 一方、前記アーム19の端部には図1に示すように係合孔19aを形成し、こ の係合孔19aは車体幅方向に延出する長孔状とし、この係合孔19aに前記揺 動アーム12を挿入係合する。そして揺動アーム12が球11を中心に車体前後 方向に揺動すれば、これに伴ってアーム19がシャフト18を中心に揺動し、こ の際アーム19は平面視でシャフト15を中心とする円弧運動を行い、従って揺 動アーム12と係合孔19aとの車幅方向(図1の紙面左右方向)における係合 位置がずれることになるが、このずれは前記係合孔19aが長孔状なのでこれに より吸収される。
【0009】 シャフト18の上部にはビス24を介してカム部23を固設し、このカム部2 3は図2に示すように小径部23aと、大径部23bと、これら小径部23aと 大径部23bを繋ぐカム面23cとから成り、このカム部23上端外周には図1 に示すように平面視円形の支持部23dを一体的に形成する。 同様に前記シャフト15の上部にはカム部21を固設し、このカム部21は図 6に示すように小径部21aと、大径部21bと、これら小径部21aと大径部 21bを繋ぐカム面21cとから成り、このカム部21の下端外周には図1に示 すように平面視円形の支持部21dを一体的に形成する。 前記カム部21、23の外周には夫々アーム26、27を回転自在に設け、図 1に示すようにこれらのアーム26、27は、カム部21、23の外周に位置す る中央部26a、27aと、この中央部26a、27aの車体側から下方に延出 する垂下部26b、27bと、この垂下部26b、27bから後方に屈曲する屈 曲部26c、27cと、中央部26a、27aの外側から上方へ延出する起立部 26d、27dと、この起立部26d、27dの上端から外方へ延出する水平部 26e,27eから成り、前記中央部26a、27aは支持部21d、23dの 間に支持される。 前記中央部26a、26bには円形の孔26f、27fが形成され、この孔2 6f、27fの中に前記カム部21、23が位置する。又、図2に示すように孔 27f内周には中心方向に向けて二つの係合部27g、27gを形成し、同様に 図6に示すように孔26内周には二つの係合部26g、26gを形成する。 これらの係合部26g、26g、27g、27gは先端が略円弧状を成し、こ の先端が前記カム部21、23のカム面21c、23cに係合する。前記係合部 26gとカム面21cとで断接機構C1を構成し、係合部27gとカム面23c とで断接機構C2を構成する。カム面21cは一定の長さを有しており、係合部 26gがこのカム面21cに係合している限りは断接機構C1は接状態であり、 係合部26gがカム面21cを乗り越えて大径部21bに達すると断接機構C1 は断状態になる。同様に係合部27gがこのカム面23cに係合して限りは断接 機構C2は接状態であり、係合部27gがカム面23cを乗り越えて大径部23 bに達するとクラッチC2は断状態になる。 前記屈曲部26c、27cはブラケット3に先端を螺着した枢支部材28に枢 支し、従ってアーム26、27はこの枢支部材28を中心に水平面内で回動自在 (図2のG、H方向)である。
【0010】 前記アーム27の水平部27eの外端には図2に示すように枢支部27hを設 け、この枢支部27hを連結アーム30の一端側に枢着し、この連結アーム30 の他端をミラーホルダー7裏面に枢着する。同様に前記アーム26の水平部26 eの外端には枢支部26hを設け、この枢支部26hを連結アーム31の一端側 に枢着し、この連結アーム31の他端をミラーホルダー7裏面に枢着する。 図1に示すように枢支部27h、26hはミラーホルダー7のピポットPを挟 んで直角に位置し、従ってアーム27が揺動すればミラーホルダー7はピポット Pを支点として上下方向に揺動し、ミラーMの上下の傾動角度の調整が行われる 。又、アーム26が揺動すればミラーホルダー7はピポットPを支点として左右 方向に揺動し、ミラーMの左右の傾動角度の調整が行われる。 前記連結アーム31、アーム26、シャフト15、アーム17、揺動アーム1 3等で連結部材35を構成し、連結アーム30、アーム27、シャフト18、ア ーム19、揺動アーム12等で連結部材36を構成する。 尚、本実施例では、アーム26、27の中央部26a,27aに円弧状の長孔 26i,27iを形成し、この長孔26i,27iにブラケット3に先端を螺着 したビス部33を係合している。このビス部33はその頭部33aがアーム27 の中央部27aに当接し、アーム26、27が上下動するのを防止するとともに アーム26、27の必要以上(ミラーの調整角以上)の回動を防止している。
【0011】 次に上述した車両用ミラーの角度調整装置の操作手順について述べる。 先ず、操作レバー10を車体の前後方向(図2のC、D方向)に揺動操作する と、前述のように球部11、揺動アーム13を介してアーム17がシャフト15 を中心に車体前後方向に揺動し、このアーム17の揺動でシャフト15及びカム 部21がその軸周り方向(図6のE,F方向)に回転する。そして図6に示すよ うにカム部21のカム面21cとアーム26の係合部26gが係合していること から、即ち断接機構C1が接状態になっていることからカム部21の回転がアー ム26側に伝わり、アーム26は枢支部材28を中心に車体前後方向(G、H方 向)に揺動する。そしてこのアーム26の揺動は連結アーム31を介してミラー ホルダー7に伝わり、ミラーホルダー7の左右方向の傾動角度の調整が行われる 。 図6はミラーホルダー7の中立位置を示し、この中立位置から操作レバー10 を車体後方(C方向)へ揺動操作すれば、カム部21はE方向に回転し、これに 伴ってアーム26がG方向に揺動し、図7のようにミラーホルダー7は左側に傾 く。逆に図6の状態から操作レバー10を車体前方(D方向)へ揺動操作すれば 、カム部21はF方向に回転し、これに伴ってアーム26がH方向に揺動し、図 8のようにミラーホルダー7は右側に傾く。 一方、操作レバー10を軸回り方向、即ち、図2のA、B方向に回動操作する と、前述のように揺動アーム12が球部11の半体11aを中心に車体前後方向 に揺動し、この揺動に伴ってアーム19が車体前後方向に揺動し、シャフト18 及びカム部23がその軸回り方向(図2のE,F方向)に回転する。図2に示す ようにカム部23のカム面23cとアーム27の係合部27gが係合しているこ とから、即ち断接機構C2が接状態になっていることからカム部23の回転がア ーム27側に伝わり、アーム27は枢支部材28を中心に車体前後方向(G、H 方向)に揺動する。そしてこのアーム27の揺動は連結アーム30を介してミラ ーホルダー7に伝わり、ミラーホルダー7の上下方向の傾動角度の調整が行われ る。
【0012】 ところで、ミラーハウジングHに車体前方から大きな力が加わり、ミラーハウ ジングHが強制的に車体後方に傾動した場合を想定すると、ブラケット3はハウ ジングHに固定されているのでブラケット3にもこの力が加わり、ブラケット3 も回転する。即ち、ブラケット3の孔3bが球4から離脱し、ブラケット3は固 定軸2を中心にハウジングHと一体的に車体後方に回転する。ブラケット3が車 体後方に回転すると、このブラケット3に枢支されているミラーホルダー7もブ ラケット3と一緒に車体後方に移動する。そして更にはこのミラーホルダー7に 連結アーム30、31を介してアーム26、27が連結されていることから該ア ーム26、27がシャフト15、18を中心に車体後方(G方向)に回転する。 ここでアーム26がこの方向に回転すれば、図6に示すように断接機構C1が 接状態なのでカム部材21が図6のE方向に回転し、即ち、通常とは逆に力が入 力され、この回転でシャフト15が軸周り方向に回転し、更にはアーム17、揺 動アーム13が揺動し、球部11を介して操作レバー10が図2のC方向に揺動 する。同様にアーム27が車体後方(G方向)に回転すれば、断接機構C2が接 状態なのでカム部材23が図2のE方向に回転し、シャフト18がその軸周り方 向に回転し、これによりアーム19、揺動アーム12が揺動し、球部11を介し て操作レバー10がその軸周り方向に回転する。
【0013】 ここで操作レバー10の回転、揺動の範囲は予め限られており、即ち、操作レ バー10のC方向の揺動は、該操作レバー10が長孔8e内を動けるだけの範囲 だけであり、操作レバー10の軸周り方向の回転は、揺動アーム12が長孔8g 内を動けるだけの範囲だけである。従って前述のようにしてアーム26、27が 車体後方に回転していくと、その途中で操作レバー10はその操作範囲の限界点 に達し、該操作レバー10の動きが止る。しかし、それでもアーム26、27は 車体後方(G方向)に回転を続け、このような状態になると、断接機構C1、C 2が切れ(断状態)、アーム26、27と操作レバー10間で力の伝達が遮断さ れ、操作レバー10に過大な力が伝わるのを防止する。 これをアーム26側を例に挙げて説明する。先ず、図9の実線イは通常の位置 を表しており、この状態でミラーハウジングHに前方から大きな力が加わると前 述のようにアーム26が車体後方(G方向)に回転し始め、係合部26gはカム 面21c上を相対的に摺動していき、アーム26は想像線ロで示したところまで 回転する。ここまでの状態では係合部26gとカム面21cとは係合しており、 即ち断接機構C1が接状態なので、アーム26の回転に伴ってカム部21もE方 向に回転していく。そして前述のように操作レバー10がその揺動範囲の限界点 に達した時、即ち、揺動アーム12が長孔8gの端部に達した時、操作レバー1 0の揺動は止るが、アーム26は更にG方向に回転を続け、このような状態にな ると、係合部26gはカム面21cを乗り越えていき、大径部21bに達し、こ の大径部21b上を摺動していく。このように係合部26gとカム面21cとの 係合が解除されることで断接機構C1は断状態となり、アーム26と操作レバー 10との間で力の伝達が遮断され、操作レバー10に過大な力が伝わるのを防止 する。 アーム27側についても同様であり、操作レバー10がその回転の限界点に達 すると係合部27gはカム面23cを乗り越えて大径部23bに達し、係合部2 7aとカム面23cとの係合が解除され、即ち断接機構C2が断状態となり、ア ーム27と操作レバー10との間で力の伝達が遮断され、操作レバー10側に過 大な力が伝わるのを防止する。
【0014】 以上において本実施例では、アーム26、27と操作レバー10間で力の断接 を行う断接機構C1、C2を、係合部26g、27gとカム面21c、23cと で構成し、通常時には前記係合部26g、27gとカム面21c、23cとの係 合でアーム26、27と操作レバー10間の力の伝達を行い、前記アーム26、 27に過大な力が加わった場合には前記係合部26g、27gが前記カム面21 C、23cを乗り越えることでアーム26、27と操作レバー10間の力の伝達 を遮断するようにしたので、断接機構C1、C2を係合部26g、27gとカム 面21c、23Cだけで構成でき、従来クラッチの接状態を保つのに必要だった コイルスプリング等の部材が不用になり、部品点数の削減化、構造の簡略化を図 ることができる。しかも係合部26g、27gはアーム26、27と一体に成形 でき、カム面21c、23cもカム部21、23と一体に成形でき、この点でも 部品点数の削減化、構造の簡略化を図ることができる。
【0015】
以上述べたように本考案によれば、アームとシャフトの間に設ける断接機構を 、前記シャフト側もしくはアーム側のいずれか一方に形成されるカム面と、他方 に形成される係合部とで構成したので、従来断接機構の接状態を保つのに必要だ ったコイルスプリング等の部材が不用になり、部品点数を削減することができる とともに構造を簡略化することができる。又、カム面と係合部にコイルスプリン グの弾力が作用しないので断接機構の耐久性を向上させることができる。
【提出日】平成5年7月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【0009】 シャフト18の上部にはビス24を介してカム部23を固設し、このカム部2 3は図2に示すように小径部23aと、大径部23bと、これら小径部23aと 大径部23bを繋ぐカム面23cとから成り、このカム部23上端外周には図1 に示すように平面視円形の支持部23dを一体的に形成する。 同様に前記シャフト15の上部にはカム部21を固設し、このカム部21は図 6に示すように小径部21aと、大径部21bと、これら小径部21aと大径部 21bを繋ぐカム面21cとから成り、このカム部21の下端外周には図1に示 すように平面視円形の支持部21dを一体的に形成する。 前記カム部21、23の外周には夫々アーム26、27を回転自在に設け、図 1に示すようにこれらのアーム26、27は、カム部21、23の外周に位置す る中央部26a、27aと、この中央部26a、27aの車体側から下方に延出 する垂下部26b、27bと、この垂下部26b、27bから後方へ屈曲する屈 曲部26c、27cと、中央部26a、27aの外側から上方へ延出する起立部 26d、27dと、この起立部26d、27dの上端から外方へ延出する水平部 26e、27eから成り、前記中央部26a、27aは支持部21d、23dの 間に支持される。 前記中央部26a、26bには円形の孔26f、27gが形成され、この孔2 6f、27fの中に前記カム部21、23が位置する。又、図2に示すように孔 27f内周には中心方向に向けて二つの係合部27g、27gを形成し、同様に 図6に示すように孔26内周には二つの係合部26g、26gを形成する。 これらの係合部26g、26g、27g、27gは先端が略円弧上を成し、こ の先端が前記カム部21、23のカム面21c、23cに係合する。前記係合部 26gとカム面21cとで断接機構C1を構成し、係合部27gとカム面23c とで断接機構C2を構成する。カム面21cは一定の長さを有しており、係合部 26gがこのカム面21cに係合している限りは断接機構C1は接状態であり、 係合部26gがカム面21Cを乗り越えて大径部21bに達すると断接機構C1 は断状態になる。同様に係合部27gがこのカム面23cに係合して限りは断接 機構C2は断状態であり、係合部27gがカム面23cを乗り越えて大径部23 bに達すると断接機構C2は断状態になる。 前記屈曲部26c、27cはブラケット3に先端を螺着した枢支部材28に枢 支し、従ってアーム26、27はこの枢支部材28を中心に水平面内で回動自在 (図2のG、H方向)である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】 ところで、ミラーハウジングHに車体前方から大きな力が加わり、ミラーハウ ジングHが強制的に車体後方に傾動した場合を想定すると、ブラケット3はハウ ジングHに固定されているのでブラケット3にもこの力が加わり、ブラケット3 も回転する。即ち、ブラケット3の孔3bが球4から離脱し、ブラケット3は固 定軸2を中心にハウジングHと一体的に車体後方に回転する。ブラケット3が車 体後方に回転すると、このブラケット3に枢支されているミラーホルダー7もブ ラケット3と一緒に車体後方に移動する。そして更にはこのミラーホルダー7に 連結アーム30、31を介してアーム26、27が連結されていることから該ア ーム26、27が枢支部材28を中心に車体後方(G方向)に回転する。 ここでアーム26がこの方向に回転すれば、図6に示すように断接機構C1が 接状態なのでカム部材21が図6のE方向に回転し、即ち、通常とは逆に力が入 力され、この回転でシャフト15が軸回り方向に回転し、更にはアーム17、揺 動アーム13が揺動し、球部11を介して操作レバー10が図2のC方向に揺動 する。同様にアーム27が車体後方(G方向)に回転すれば、断接機構C2が接 状態なのでカム部材23が図2のE方向に回転し、シャフト18がその軸周り方 向に回転し、これによりアーム19、揺動アーム12が揺動し、球部11を介し て操作レバー10がその軸まわり方向に回転する。
【図1】車両用ミラーの一部破断正面図
【図2】図1の2ー2線断面図
【図3】揺動アーム先端の斜視図
【図4】アーム先端の斜視図
【図5】揺動アームとアームの係合状態を示す縦断面図
【図6】通常位置でのアームの平面図
【図7】後方へ回転した状態でのアームの平面図
【図8】前方へ回転した状態でのアームの平面図
【図9】アームの回転状態を示す平面図
1…ベース部材 3…ブラケット 7…ミラーホルダー 10…操作レバー 15、18…シャフト 26、27…アーム 26g、27g…係合部 35、36…連結部材 C1、C2…断接機構 H…ミラーホルダー
Claims (1)
- 【請求項1】 車体側に固定されるベース部材にブラケ
ットを回動自在に取付け、該ブラケットでミラーホルダ
ーを支持するとともに該ブラケットに固定したミラーハ
ウジングで前記ブラケット、ミラーホルダー等を囲繞
し、前記ミラーホルダーと車室内に突出する操作レバー
とを連結部材で連結し、前記操作レバーの操作動を前記
連結部材を介してミラーホルダーに伝えて該ミラーホル
ダーの角度を調整するようにした車両用ミラーのミラー
角度調整装置において、前記連結部材を、前記操作レバ
ーの操作動により回転するシャフトと、該シャフトに連
結され、シャフトの回転動により揺動してミラーホルダ
ーの角度を変えるアームとで構成し、前記アームとシャ
フトの間に力の伝達を断接する断接機構を設け、該断接
機構を、前記シャフト側もしくはアーム側のいずれか一
方に形成されるカム面と、他方に形成される係合部とで
構成し、通常時には前記カム面と係合部の係合により操
作レバーとアーム間で力の伝達を行い、前記アームに過
大な力が加わった場合には前記係合部が前記カム面を乗
り越えることで力の伝達を遮断するようにしたことを特
徴とする車両用ミラーのミラー角度調整装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6473992U JPH0622085U (ja) | 1992-08-24 | 1992-08-24 | 車両用ミラーのミラー角度調整装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6473992U JPH0622085U (ja) | 1992-08-24 | 1992-08-24 | 車両用ミラーのミラー角度調整装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0622085U true JPH0622085U (ja) | 1994-03-22 |
Family
ID=13266827
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6473992U Pending JPH0622085U (ja) | 1992-08-24 | 1992-08-24 | 車両用ミラーのミラー角度調整装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0622085U (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0272222A (ja) * | 1988-09-07 | 1990-03-12 | Fuji Electric Co Ltd | 操作軸の空転構造 |
-
1992
- 1992-08-24 JP JP6473992U patent/JPH0622085U/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0272222A (ja) * | 1988-09-07 | 1990-03-12 | Fuji Electric Co Ltd | 操作軸の空転構造 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 19980729 |