JP2588815Y2 - 車両用ミラーのミラーホルダー支持構造 - Google Patents

車両用ミラーのミラーホルダー支持構造

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JP2588815Y2
JP2588815Y2 JP1992091203U JP9120392U JP2588815Y2 JP 2588815 Y2 JP2588815 Y2 JP 2588815Y2 JP 1992091203 U JP1992091203 U JP 1992091203U JP 9120392 U JP9120392 U JP 9120392U JP 2588815 Y2 JP2588815 Y2 JP 2588815Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は車両用ミラーのミラーホ
ルダー支持構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車両に設けられる車両用ミラ
ーは、一般的にミラーハウジング内にブラケットを固設
し、該ブラケットに設けたピポット部でミラーホルダー
を揺動自在に支持している。そしてこのような車両用ミ
ラーの中には前記ミラーホルダーの背面に前記ピポット
から偏位させて受部を設け、前記ミラーホルダーの背面
側に位置する作動アームの一端側と前記受部とを連結部
材を介して連結するとともに前記作動アームの他端側と
一部が車室内に突出する操作レバーとを連結し、この操
作レバーの操作動で前記作動アームを回動させ、この回
動でミラーホルダーを上下、左右方向に傾動させるよう
にしたものがある。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】ところで、このような
車両用ミラーでは、ミラーホルダーの背面に設ける受部
がピポットから偏位しているので、ミラーホルダーがピ
ポットを中心に傾動する際に前記受部はピポットを中心
に円弧運動を描き、従って該受部は垂直方向、もしくは
左右方向に偏位することになる。これを図21で説明す
ると、図中、100はミラーホルダー、101はミラ
ー、102はピポット、103は受部、104は連結部
材、105は作動アームで、例えば、今、作動アーム1
05がA方向に移動してミラーホルダー100がピポッ
ト102を中心に下方(a方向)に傾動することを想定
すると、受部103もa方向に傾動し、受部103は側
面視でピポット102を中心とする円弧運動を描き、従
って傾動後に受部103はLで示す分だけ下方に偏位す
ることになる。このような場合、作動アーム105の上
下位置は変らないので、受部103に先端が連結されて
いる連結部材104は、斜めに傾き、そしてこの連結部
材104の傾きは作動アーム105のA方向の動きに伴
って増していく。このように連結部材104が傾いてい
くと、作動アーム105がミラーホルダー100を傾か
せる力が減少し、ミラーホルダー100の傾きも減少す
るという不具合があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
本考案は、ミラーハウジング内にブラケットを固設し、
該ブラケットに設けたピポットを介してミラーホルダー
を揺動自在に支持し、前記ミラーホルダーに前記ピポッ
トから偏位させて受部を設け、前記ミラーホルダーの背
面側に位置する作動アームの一端側と前記受部とを連結
部材を介して連結するとともに、前記作動アームの他端
側と一部が車室内に突出する操作レバーとを連結し、前
記操作レバーの操作動で前記作動アームを回動させ、こ
の回動でミラーホルダーを上下、左右方向に傾動させる
車両用ミラーにおいて、前記連結部材は、前記作動アー
ムの一端側に対して回転自在かつ軸方向移動自在な第1
軸部と、該第1軸部の先端部から屈曲した第2軸部とか
らなる軸部材と、該第2軸部の先端に設けられ、前記ミ
ラーホルダーの受部に係合する球部とで構成し、前記ミ
ラーホルダーの傾動時に、前記連結部材の軸部材が作動
アームに対して回転かつ軸方向移動することで、該連結
部材の傾きを防止するようにしたことを特徴とする。
【0005】
【作用】ミラーハウジングの受部と作動アームを連結す
る連結部材を、作動アームの一端側に対して回転自在か
つ軸方向移動自在な第1軸部と、該第1軸部の先端部か
ら直角に屈曲した第2軸部とからなる軸部材と、該第2
軸部の先端に設けられ、ミラーホルダーの受部に係合す
る球部とで構成し、ミラーホルダーの傾動時に、前記連
結部材の軸部材が作動アームに対して回転かつ軸方向移
することで、該連結部材の傾きを防止するように
た。ミラーの傾動時に、ミラーホルダーの円弧運動と作
動アームの動きとの間にギャップが生じるが、連結部材
の上記軸部材の第1軸部作動アームに対して回転かつ
軸方向移動することで、連結部材の傾きを防止すること
ができる。
【0006】
【実施例】以下に本考案の好適一実施例を添付図面に基
づいて説明する。図1は可倒式ドアミラーの一部破断縦
正面図、図2は同平断面図を示す。図中1は車体側に固
定支持されるベース部材で、該ベース部材1の中央段部
1aには円筒状の固定軸2を一体的に設け、この固定軸
2にはブラケット3の基部3aを回転自在に係合し、こ
のブラケット3にはビスB1…を介してミラーハウジン
グHを固定する。図1、図3に示すようにブラケット3
の基部3aの下面には固定軸2の中心線を中心として放
射状に複数の穴3b…を形成し、この穴3b…に夫々球
4を固定する。又、前記ベース部材1の中央段部1aに
は前記球4に対応させて係合穴1b…を形成する。前記
球4の下側は穴3bから突出し、この球4の突出した部
分が前記孔1bに係合し、これら球4と孔1bとの凹凸
の係合でブラケット3の位置決め、即ちミラーハウジン
グHの位置決めが行われる。前記ブラケット3の基部3
aに形成した周状孔3cにはワッシャーWを配置し、こ
のワッシャーWと、固定軸2の外周に上下動不能に取付
けた止めリング5との間にはスプリング6を配置し、こ
のスプリング6の弾力で通常時にはブラケット3をベー
ス部材1に押圧し、前記球4と孔3bとの係合を保持す
るようにする。前記ブラケット3は正面側にピポットP
を有し、図1、図2、図6に示すようにこのピポットP
でミラーホルダー7を傾動自在に枢支し、ミラーホルダ
ー7はミラーMを保持する。
【0007】前記ベース部材1の車体側には支持部8を
一体的に形成し、この支持部8は、図1、図7、図14
に示すようにブロック部8aと、ブロック部8a外縁に
起立して形成した壁部8bと、ブロック部8aに複数形
成され、互いに平行なリブ8c…と、リブ8c…の間に
形成される溝部8d…と、壁部8bに形成したボス部8
eとから成り、前記溝部8dは左右方向(図7のa、b
方向、図14のc、d方向)に所定の幅を持ち、その左
右端でストッパー8d1、8d2を構成する。前記壁部
8bには図14に示すように円弧状の係合部8fを形成
する。
【0008】前記支持部8の前面には押さえ板9を設
け、この押さえ板9は図8、図9に示すように略円形の
中央部9aと、この中央部9aの左右から直角に屈曲
し、更に外方にのびる取付フランジ9b、9bとから成
り、前記中央部9aには左右方向に延出する長孔9cを
形成し、前記取付フランジ9b、9bには円形孔9d、
9dを形成する。この押さえ板9は前記円形孔9dを挿
通するビスB2を前記ボス部8eに螺合することで前記
支持部8に固定される。前記支持部8と押さえ板9との
間には回転体12を設け、この回転体12は前記係合部
8fに係合し、支持部8、押さえ板9に対して回転自在
となっている。前記回転体12は図10乃至図14に示
すように円柱形を成し、この回転体12にはアーム13
の上端を埋設し、このアーム13は下方に延出するとと
もに屈曲して水平に延出し、その先端には切欠き13a
を形成する。
【0009】回転体12側面の支持部8側には上下に複
数の凸部12a…を回転体12と一体に形成し、この凸
部12a…は前記支持部8の溝部8d…に夫々係合す
る。図7、図14に示すようにこの凸部12aの左右幅
は溝部8dの左右幅よりも小さく、従って回転体12は
溝部8dの左右幅分だけ回転可能で、凸部12aが溝部
8d端のストッパー8d1、8d2に当接することで回
転体12の回転は阻止される。前記回転体12の直径方
向には図11乃至図14に示すように嵌合孔12bを形
成し、又、回転体12の軸方向には図13に示すように
前記嵌合孔12bに上端が連通する孔部12cを形成
し、この孔部12cは下方が上方に比べて漸次幅の広が
るテーパ部12dを有している。
【0010】前記嵌合孔12bには図1に示すように操
作レバー14の一端側を嵌合し、この操作レバー14は
前記押さえ板9の長孔9cを挿通し、他端側は車室内に
突出する。この操作レバー14の回転体12内の部分に
は嵌合孔14aには揺動杆16を圧入してこの揺動杆1
6を操作レバー14に固定し、この揺動杆16は前記孔
部12cを挿通し、該揺動杆16は孔部12cのテーパ
部12dの範囲内で揺動可能である(図13、図14の
A,B方向)。
【0011】前記固定軸2内には図1、図5に示すよう
に筒状のシャフト19を回転自在に配置し、このシャフ
ト19の下端にはアーム20を固設する。又、前記シャ
フト19内には小径のシャフト22を回転自在に設け、
このシャフト22の下端には図5に示すように抜け止め
リング21を嵌合し、シャフト22に形成した貫通孔2
2aと、抜け止めリング21に形成した貫通孔21a、
21aにはアーム23の一端側を挿通し、このアーム2
3の貫通した先をプッシュナット24で固定する。尚、
図5中、18は固定軸2とシャフト19との間に設けた
カラーである。前記アーム20の上面先端側には係合ピ
ン25を立設し、この係合ピン25を前記アーム13の
先端に形成した切欠き孔13aに係合する。又、前記ア
ーム23の他端側と前記揺動杆16とを連結部26を介
して連結し、この連結部26は、図15に示すように前
記アーム23の嵌合する横孔26aと、前記揺動杆16
が挿通する縦孔26bとから成り、縦孔26bは上部と
下部に夫々テーパ部26c、26dを備えている。尚、
図16に示すように前記縦孔26bはテーパ部を設けな
いものであってもよい。
【0012】前記シャフト22の上部には図1、図4、
図17に示すように円柱形の大径部22bを形成し、こ
の大径部の外周には、夫々対称位置に2対の、即ち、4
つの係合面22cを…形成し、大径部22bの上端には
押さえフランジ22dを形成する。前記係合面22cは
左右に大きな幅を有し、従って図17に示すように大径
部22bは、二つの係合面22c、22cの間を頂部2
2eとする断面ほぼ正方形に近い形状をなす。
【0013】前記シャフト22の外周には金属製のアー
ム33を回転自在に設け、このアーム33の基部33a
は、図4に示すように上面部33bと、外周部33cか
ら成り、外周部33cの端部側には開口部33dを形成
する。前記上面部33bには孔33eを、外周部には孔
33f…を形成し、前記孔33eは前記シャフト22が
回転自在に嵌合するものである。前記基部33a内には
支持部材35を配置し、この支持部材35は、図4、図
17に示すように板状をなし、中央部に前記シャフト2
2が回転自在に挿入する孔35aを形成する。又、支持
部材35の上面には壁部35b、35b、円柱部35
c、35cを形成し、壁部35b、35b、円柱部35
c、35cはその上面が基部33aの上面部33bの下
面に当接する。
【0014】前記支持部材35内にはスプリング36、
36を配置し、このスプリング36は図4、17に示す
ように、中央部分が屈曲部36aとなっており、この屈
曲部36aで二つの辺部36b、36bがほぼ直交して
いる。又、両端は円弧部36c、36cとなっており、
更に端部は側方に突出して係止部36d、36dを構成
している。図17に示すように前記辺部36bは前記シ
ャフト22の係合面22cに平行に当接して係合し、
又、前記円弧部36cは前記円柱部35cの周囲に位置
し、更に係止部36dはアーム基部33aの孔33fに
係合する。前記係合面22c及びスプリング36でクラ
ッチ38を構成し、通常時にはスプリング36の辺部3
6bが一定の弾力を持って係合面22cに係合するの
で、即ち、クラッチ38が接状態を保つので、シャフト
22とスプリング36とは係合状態を保ち、シャフト2
2の回転はスプリング36を介してアーム33に伝わ
る。尚、本実施例では二つのスプリング36、36のう
ち一方のスプリング36(図17のイで示す方)を全体
的に他方のスプリング36(図17のロで示す方)の上
に位置させるようにしたが、図18に示すように一方の
スプリング36(図18のイで示す方)の片側の辺部3
6b(aで示す方の辺部)を他方のスプリング36(ロ
で示す方)の辺部36b(bで示す方の辺部)の上に位
置させるとともに前記一方のスプリング36(イの方)
のもう一つの辺部36b(cで示す方)を他方のスプリ
ング36(ロの方)の辺部36b(dで示す方)の下側
に位置させ、即ち、スプリング36、36の辺部36
b、36bを左右で上下に互い違いに交わらせて配置し
てもよい。
【0015】前記アーム33は図1に示すように車体外
方が斜めに起立し、その先端は更に水平部39となって
いる。この水平部39は図2、図19、図20に示すよ
うに上面部39a、側面部39b、39bにて断面コ字
状をなし、前記上面部39aはアーム33の外端よりの
部分は上方に起立してストッパー39cを構成し、この
ストッパー39cよりも外端よりには上下方向に開放さ
れた係合部39dを形成する。前記係合部39dには樹
脂製の支持部材40を嵌合し、この支持部材40は図1
9、図20に示すようにビスB3でアーム33に固定さ
れる基部40aと、この基部40aの上面外端よりに一
体に形成した支持部40bとから成り、前記支持部40
bには断面円形で上下方向に貫通する貫通孔40cを形
成し、又支持部40bの外端部には上下方向のスリット
40dを形成する。図19に示すように、前記基部40
aの前後方向の幅はアーム33の水平部39の前後方向
の幅よりも大きく、従って基部40aの端部は水平部3
9の端部よりも長さL1だけ突出する。これはアーム3
3がブラケット3側に揺動した際に、金属製のアーム3
3がブラケット3に当接することなく、樹脂製の支持部
材40がブラケット3に当接するようにして、当接時の
音を小さくしようというものである。
【0016】前記支持部材40には連結部材42を取付
け、この連結部材42は、軸部材42aと、該軸部材4
2aと一体の球部42bから成り、更に前記軸部材42
aは、貫通孔40cに回転自在かつ軸方向移動自在に嵌
合する第1軸部42dと、この第1軸部42dの上端か
ら直角に屈曲し、先端に前記球部42bが設けられる第
2軸部42eとから成る。そして前記球部42bは図6
に示すように前記ミラーホルダー7背面側の前記ピポッ
トPよりも上方に設けた受部7aに揺動自在に嵌合す
る。尚、図1、図2、図6中、43はブラケット3のア
ーム33側の面に形成した上下方向に延出するリブ状の
ストッパーである。車両用ミラーの製造時にはミラーホ
ルダー7は連結部材42に対して正面側から組み付ける
ようにしており、即ち、ミラーホルダー7を図6の右側
から左側に向けて移動させて受部7aに球部42bを嵌
合させるようにしており、この際、アーム33はミラー
ホルダー7に押されてブラケット3側へ揺動するが、本
実施例では、ブラケット3に前述のようにストッパー4
3を設けているので、アーム33の支持部材40がこの
ストッパー43に当接し、アーム33の一定以上の揺動
を阻止するとともにアーム33が固定されるので、受部
7aと球部42bとの嵌合作業を容易にすることができ
る。又、本実施例では図1、図2、図20に示すように
アーム33のストッパー39cが連結部材42の側方に
位置するので、受部7aに球部42bを嵌合する際に連
結部材42が側方に回動するのも防止でき、これによっ
ても前記嵌合作業を容易にすることができる。
【0017】一方、前記シャフト19の上部外周には、
図5に示すように夫々対称位置に2対の、即ち、4つの
係合面19a…を形成し、この係合面19aは前記シャ
フト22の大径部22bに形成した係合面22cと同様
の構造であり、従ってシャフト19上部は前記大径部2
2b同様平面視でほぼ正方形をなす。前記シャフト19
上部外周にはアーム44を回転自在に配置し、このアー
ム44は長さ以外は前記アーム33と同様であり、図4
に示すようにアーム44の基部44a内には支持部材4
5を配置し、この支持部材45内にはシャフト19の係
合面19a…と係合するスプリング46、46を設け
る。基部44a、支持部材45、スプリング46は前記
基部33a、支持部材35、スプリング36と全く同じ
構造なので詳述はしないが、基部44aには開口部44
d、孔44e、孔44f…等を形成し、支持部材45に
は孔45a、壁部45b、45b、円柱部45c、45
c等を形成し、スプリング46には屈曲部46a、辺部
46b、46b、円弧部46c、46c、係止部46
d、46d等を形成し、これらを前記基部33a、支持
部材35、スプリング46と同様に組立て、前記シャフ
ト19の係合面19aとスプリング46でクラッチ47
を構成する。
【0018】又、アーム44の端部には水平部48を形
成し、この水平部48はアーム33の水平部39と同様
の構造であり、ストッパー48c等が形成され、又、支
持部材50が嵌合されている。この支持部材50の構造
も前記支持部材40と全く同様の構造であり、該支持部
材50には連結部材52を取付け、この連結部材52の
構造も前記連結部材42と全く同様の構造であり、軸部
材52a、球部52b等を備え、支持部材50に対し上
下に摺動自在である。前記球部52bは、図1に示すよ
うにピポットPを挟んで球部42bと直交する場所に位
置し、この場所で図2に示すようにミラーホルダー7背
面の受部7bに揺動自在に係合する。このようにアーム
33の外端側部分とアーム44の外端側部分の構造は、
球部42b、52bの位置を除けば同一と考えてよい。
尚、図2中、53はブラケット3のアーム44側に形成
したリブ状のストッパーで、前記ストッパー53はアー
ム44のストッパーとして機能し、形状、作用効果等は
前記ストッパー43と同様である。又、図1中、54は
アーム44を支持する受部、55、56はブラケット3
に形成したミラーホルダー7の傾動ストッパー、57は
防振装置で、この防振装置57は、ブラケット3に設け
た軸部59の先端をミラーホルダー7の背面に揺動自在
に取付けるとともに前記軸部59をブラケット3に設け
たスプリング60で支持し、ミラーホルダー7の振動を
防止するものである。
【0019】次に上述した車両用ミラー装置の角度調整
装置の操作手順について述べる。先ず、操作レバー14
を軸回り方向、即ち、図1、図2のC、D方向に回動操
作すると、揺動杆16が操作レバー14を中心に車体前
後方向、即ち、図1の紙面垂直方向に揺動し、この揺動
は連結部26を介してアーム23に伝わり、アーム23
がシャフト22を中心に車体前後方向に揺動する。ここ
で図17に示すように通常の状態では、係合面22c…
にスプリング36の辺部36bが一定弾力で係合してい
るので、即ちクラッチ38が接状態なので、シャフト2
2が軸回り方向(図2、図17のE,F方向)に回転す
ると、この回転はクラッチ38を介してアーム33に伝
わり、該アーム33がシャフト22を中心に同方向、即
ち図2、図17のE、F方向に回転する。このアーム3
3の回転で球部42bがミラーホルダー7を車体前後方
向に押し引きし、ミラーホルダー7がピポットPを支点
として上下に傾動し(図6のG、H方向)、ミラーホル
ダー7は図6の想像線ハ、ニに示すように傾動位置を変
える。例えば、図2において、シャフト22を中心とし
て、アーム33がE方向に回転すると、アーム33の先
端の第1軸部42dは、シャフト22を中心とした円弧
の軌跡でE方向に移動する。第1軸部42dが移動する
と、これと一体の球部42bもE方向に移動して、受部
7aをE方向に引く。受部7aを引かれたミラーホルダ
ー7は、図6に示すように、ピボットPを中心としてG
方向に傾く。(ミラーホルダー7は図6において、実線
の位置から想像線のハの位置に傾く。)
【0020】このミラーホルダー7の傾動時には、前述
のようにミラーホルダー7はピポットPを中心に揺動す
るので、受部7aの位置はミラーホルダーの上下方向
(図6のG、H方向)の傾動に伴って上下に移動する。
例えば図6の実線の位置からミラーホルダー7がG方向
に傾動してハの位置まで傾くと、受部7aは後方に移動
するとともにL2だけ下方にも移動する。これはミラー
ホルダー7の傾動時に受部7aはピポットPを中心とす
る円弧運動を描くためである。そしてこのように受部7
aが下方に移動すると、これに伴い連結部材42の球部
42bも受部7aとともに下方に移動する。ところが、
本考案の構造では、球部42bを支持する軸部材42a
が支持部材40の貫通孔40cに回転自在かつ軸方向移
動自在となっているので、球部42bの下動に伴い、連
結部材42全体が下方に移動する。従って従来の構造で
は、軸部材42aが上下に移動できないので、球部42
bが下動すると、軸部材42aが傾いてしまい、このよ
うに軸部材42aが傾くと、作動アーム33がミラーホ
ルダー7を傾かせる力が減少し、ミラーホルダー7の傾
きも減少するという不具合があったが、本考案では前述
のように球部42bの下動に伴い、連結部材42全体が
下方に移動するので、連結部材42が傾くことがなく、
作動アーム33の移動がスムースにミラーホルダー7側
に伝わり、ミラーホルダー7を傾かせる力の減少、ミラ
ーホルダー7の傾きの減少を防止することができる。一
方、操作レバー14を長孔9aに沿って車体前後方向
(図2のI,J方向)に移動操作すれば、回転体12が
その軸回り方向に回転し、アーム13が回転体12を中
心に車体前後方向に揺動する。このアーム13の揺動に
よりアーム20がシャフト19を中心に車体前後方向に
揺動し、シャフト19がその軸回り方向に回転する。こ
こでシャフト19の係合面19a、19aには前述のよ
うにスプリング46、46が一定弾力で係合しているの
で、即ちクラッチ47が接状態なので、アーム33の場
合と同様にアーム44がシャフト19を中心に車体前後
方向(E,F方向)に回転し、アーム44の回転で球部
52bがミラーホルダー7を車体前後方向に押し引き
し、ミラーホルダー7がピポットPを支点として左右に
傾動し、ミラーMの左右の傾動角度の調整が行われる。
【0021】ところで、ミラーハウジングHに車体前方
から大きな力が加わり、ミラーハウジングHが強制的に
車体後方に傾動した場合を想定すると、ブラケット3は
ハウジングHに固定されているのでブラケット3にもこ
の力が加わり、ブラケット3も移動する。即ち、球4が
係合穴1bから離脱し、ブラケット3は固定軸2を中心
にハウジングHと一体的に車体後方(図2のF方向)に
回転する。ブラケット3が車体後方に回転すると、この
ブラケット3に枢支されているミラーホルダー7もブラ
ケット3と一体に車体後方に移動する。そして更にはこ
のミラーホルダー7に球部42b、52bが枢着されて
いることからアーム33、44がシャフト22、19を
中心に車体後方(F方向)に回転する。アーム33がこ
の方向に回転すれば、クラッチ38が接状態なのでシャ
フト22が図17のF方向に回転し、即ち、通常とは逆
に力が入力され、アーム23、連結部26、揺動杆16
等を介して操作レバー14がC方向に回転する。又、ア
ーム44が車体後方に回転すれば、同様にクラッチ47
を介してシャフト19がF方向に回転し、更にアーム2
0、13を介して回転体12がその軸回り方向に回転
し、操作レバー14がI方向に揺動する。ここで操作レ
バー14の回転、揺動の範囲は予め限られており、即
ち、操作レバー14の回転は、揺動杆16が図13に示
す孔部12cのテーパ部12dの範囲内で揺動できるだ
けの範囲であり、操作レバー14の揺動は、長孔9aの
範囲内だけである。従って前述のようにしてアーム3
3、44が車体後方に回転していくと、その途中で操作
レバー14の操作範囲が限界点に達し、操作レバー14
の動きは止る。しかし、それでもアーム33、44はF
方向に回転を続け、このような状態になると、クラッチ
38、47が切れ(断状態)、アーム33、44側の力
が操作レバー14に伝わるのを防止する。
【0022】これを図17を用いて説明すると、操作レ
バー14が動ける範囲内ではクラッチ38は接状態とな
っているので、アーム33の回転はこのクラッチ38を
介してシャフト22に伝わり、シャフト22がF方向に
回転する。そして操作レバー14が限界に達し、動きが
止ると、シャフト22の回転が止り、これに対してアー
ム33が更に回転することからスプリング36は止って
いるシャフト22の大径部22bに対してF方向に回転
し、スプリング36の辺部36bが係合面22cから離
脱し、即ちクラッチ38が切れ、スプリング36の辺部
36bは大径部22bの頂部22eに位置し(図17の
想像線の状態)、更にスプリング36はシャフト22の
外周を空転していき、アーム33側の力が操作レバー1
3に伝わるのを防止する。尚、本実施例では、操作レバ
ー14が限界に達して動きが止まった後もアーム33が
回転し、クラッチ38が切れる例を説明したが、クラッ
チ38の断接荷重よりも操作レバー14の作動トルクを
大きくすることで、操作レバー14が作動することな
く、クラッチ38を切る構造とすることができる。クラ
ッチ47側の場合も同様であり、スプリング46がシャ
フト19の係合面19aから離脱することでクラッチ4
7が切れ、アーム44側の力が操作レバー14側に伝わ
るのを防止する。
【0023】一方、ミラーハウジングHに力が加わって
ミラーハウジングHが強制的に傾倒した場合、前述のよ
うにブラケット3が回転し、この際球4が係合穴1bか
ら離脱し、この球4の高さ分だけブラケット3が上方に
移動し、ブラケット3にピポットPを介して支持されて
るミラーホルダー7も上方に移動する。そしてミラーホ
ルダー7の上動で二つの受部7a、7bも上方に移動す
るが、前述のようにこれらの受部7a、7bに係合する
連結部材42、52は上下摺動自在なので、前記同様、
連結部材42、52が傾くのを防止することができる。
【0024】
【考案の効果】以上述べたように本考案によれば、ミラ
ーハウジング内にブラケットを固設し、該ブラケットに
設けたピポットを介してミラーホルダーを揺動自在に支
持し、前記ミラーホルダーに前記ピポットから偏位させ
て受部を設け、前記ミラーホルダーの背面側に位置する
作動アームの一端側と前記受部とを連結部材を介して連
結するとともに、前記作動アームの他端側と一部が車室
内に突出する操作レバーとを連結し、前記操作レバーの
操作動で前記作動アームを回動させ、この回動でミラー
ホルダーを上下、左右方向に傾動させる車両用ミラーに
おいて、連結部材を、作動アームの一端側に対して回転
自在かつ軸方向移動自在な第1軸部と、該第1軸部の先
端部から屈曲した第2軸部とからなる軸部材と、該第2
軸部の先端に設けられ、ミラーホルダーの受部に係合す
る球部とで構成し、ミラーホルダーの傾動時に、前記連
結部材の軸部材が作動アームに対して回転かつ軸方向移
することで、該連結部材の傾きを防止するようにした
ので、ミラーホルダーの傾動に伴って受部が偏位して
も、連結部材の軸部材の第1の軸部が作動アーム側に対
して回転かつ軸方向移動することで、該連結部材が傾く
ことがなくなる。従って、作動アームの動きをスムース
にミラーホルダー側に伝え、ミラーホルダーを傾ける力
の減少、ミラーホルダーの傾きの減少を防止することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用ミラーの一部破断正面図
【図2】可倒式ドアミラーの横断面図
【図3】ブラケット基部近傍の分解図
【図4】クラッチ近傍の分解斜視図
【図5】シャフト近傍の分解斜視図
【図6】図1の6−6線断面図
【図7】ベース部材を図1の7方向から描いた図
【図8】押さえ板を図1の8方向から描いた図
【図9】図8の9−9線断面図
【図10】回転体の斜視図
【図11】回転体の側面図
【図12】図11の12矢視図
【図13】図11の13矢視図
【図14】回転体以外を想像線で示した場合の図1の1
4−14線断面図
【図15】連結部の斜視図
【図16】別実施例に斯かる連結部の斜視図
【図17】図1の17断面図
【図18】別実施例に斯かる図17と同様の図
【図19】連結部材の図1の19矢視図
【図20】図19の20矢視図
【図21】従来におけるミラーホルダー支持構造の縦断
面図
【符号の説明】
1…ベース部材 3…ブラケット 7…ミラーホルダー 7a…受部 13…操作レバー 14…操作レバー 33,44…作動アーム 42,52…連結部材 42a,52a…軸部材42d…第1軸部 42e…第2軸部 42b、52b…球部 H…ミラーハウジング P…ピポット

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミラーハウジング内にブラケットを固設
    し、該ブラケットに設けたピポットを介してミラーホル
    ダーを揺動自在に支持し、前記ミラーホルダーに前記ピ
    ポットから偏位させて受部を設け、前記ミラーホルダー
    の背面側に位置する作動アームの一端側と前記受部とを
    連結部材を介して連結するとともに、前記作動アームの
    他端側と一部が車室内に突出する操作レバーとを連結
    し、前記操作レバーの操作動で前記作動アームを回動さ
    せ、この回動でミラーホルダーを上下、左右方向に傾動
    させる車両用ミラーにおいて、 前記連結部材は、前記作動アームの一端側に対して回転
    自在かつ軸方向移動自在な第1軸部と、該第1軸部の先
    端部から屈曲した第2軸部とからなる軸部材と、該第2
    軸部の先端に設けられ、前記ミラーホルダーの受部に係
    合する球部とで構成し、 前記ミラーホルダーの傾動時に、前記連結部材の軸部材
    が作動アームに対して回転かつ軸方向移動することで、
    該連結部材の傾きを防止する、 ようにしたことを特徴とする車両用ミラーのミラーホル
    ダー支持構造。
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