JPH0511730Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、自動車用のアウターミラーに関し、
詳しくはミラー本体を支持したミラーホルダをミ
ラーケースに対して傾動させる操作軸の改良に関
する。

従来の技術 従来、この種のアウターミラーとしては種々の
構造のものが知られている。汎用されているもの
としては、例えば、ミラー本体をミラーホルダに
支持し、該ミラーホルダの中心をミラーケースに
傾動自在に枢支するとともに、該ミラーケース内
に上記ミラーホルダに先端を枢着した操作軸を備
え、該操作軸の外周に駆動ギヤを噛み合わせて嵌
合してなり、ミラーケース内の駆動装置の駆動に
より上記駆動ギヤを回転させて上記操作軸を軸方
向沿いに前後動させてミラーホルダをミラーケー
スに対して自在に傾動させるようにしたものがあ
る。

考案が解決しようとする問題点 しかしながら、上記構造のものでは、駆動ギヤ
と操作軸外周面のギヤとの間の噛み合いにはバツ
クラツシユ等によりガタ付きが生じており、この
ガタ付きのため、自動車の走行時に操作軸が振動
し、この振動が該操作軸からミラーホルダを通じ
てミラー本体に伝達されてミラー本体が振動し、
ミラー本体の視認性が低下するといつた問題があ
つた。

従つて、本考案の目的は、上記問題を解決する
ことにあつて、操作軸の振動を防止してミラー本
体の視認性を向上させることができる自動車用ア
ウターミラーを提供することにある。

問題点を解決するための手段 上記目的を達成するために、本発明は、上記操
作軸にミラーケースより突出した部材を常時接触
させて、操作軸と上記部材との摩擦力の働きで操
作軸の振動を減少させるように構成した。すなわ
ち、上記操作軸の後端部より先端部に向かつて略
軸方向沿いに凹んだ凹部を形成するとともに、上
記のミラーケースのケーシングに、上記凹部内面
に常時接触しかつ相対的に摺動可能に上記凹部内
に嵌合される可撓性案内突出部を形成するように
構成した。

考案の作用 上記構成においては、操作軸の凹部内にミラー
ケースの案内突出部を嵌合して常時接触させ、操
作軸と案内突出部との間に摩擦力が働くことによ
り、自動車走行時等において上記操作軸がミラー
ケースに対してガタ付くの防止する。

実施例 以下に、本考案にかかる実施例を図に基づいて
詳細に説明する。

本実施例にかかる自動車用アウターミラーは、
第１図に示すように、ミラー本体（図示せず）を
支持したミラーホルダ１をミラーケース（図示せ
ず）に水平傾動中心軸及び垂直傾動中心軸回りに
傾動自在に支持し、上記ミラーホルダ１の裏面の
所定箇所すなわち取付部１ａにミラーホルダ押引
操作軸４の頭部４ｂを軸方向沿いに抜脱不自在に
取り付けて、ミラーケース内の駆動装置の駆動に
より上記操作軸４を前後動させて上記ミラーホル
ダ１をミラーケースに対して傾動させてミラー本
体の傾動調整を行うように構成する。

上記ミラーホルダ１の裏面の上記取付部１ａは
球面凹部よりなるとともに、該ミラーホルダはそ
の回動中心Ｏを通る水平傾動中心軸及び垂直傾動
中心軸回りに傾動自在となつている。

上記操作軸４は、その脚部４ａの先端に細首部
４ｃと球状頭部４ｂとを一体的に軸方向沿いに形
成する。上記頭部４ｂは上記ミラーホルダ１の取
付部１ａに回動自在に嵌合して支持される。上記
脚部４ａは、その外周面におねじを形成するとと
もに、後端部端面より頭部４ｂに向かつて略軸方
向沿いに上記細首部近傍まで延びた小径の断面円
形状の凹部４ｄを形成する。

また、上記ミラーホルダ１を傾動自在に支持す
るミラーケース内には、ロアケーシング５と該ロ
アケーシング５に係合するアツパケーシング８と
を備え、両ケーシング５，８内に上記操作軸４の
駆動装置等を収納する。

上記ロアケーシング５には、上記操作軸４の脚
部４ａの外径よりも大きい径寸法を有する貫通穴
５ａを形成して、該貫通穴５ａ内に上記操作軸４
の脚部４ａを軸方向に移動自在にかつ相対的に傾
動自在に貫通させる。

一方、上記アツパケーシング８には、その底部
に第１図中下方に凹んだ収納部８ａを形成し、該
収納部８ａ内に円筒形状の駆動ギヤ支持壁８ｃを
形成する。上記アツパケーシング８の上記収納部
８ａの底部にはロアケーシング側に突出した可撓
性案内突出部８ｂを形成する。この案内突出部８
ｂの軸芯は上記操作軸４の凹部４ｄの軸芯に対し
て偏心するとともに、案内突出部８ｂの外径寸法
が操作軸４の凹部内径寸法よりも小さくなるよう
に構成して、上記案内突出部８ｂを上記操作軸４
の脚部４ａの凹部４ｄ内に、該凹部内周面に常時
接触しかつ略軸方向に相対的に摺動自在かつ傾動
自在に嵌合して、操作軸４の略軸方向沿いの移動
を円滑に案内するとともに、操作軸４と案内突出
部８ｂとの間の摩擦力により操作軸４のガタ付き
を防止しうるようにする。

上記駆動装置は、図示しない駆動モータと該駆
動モータに連結され上記操作軸４に外嵌された円
筒状駆動ギヤ７とを備えてなる。すなわち、該駆
動ギヤ７は、そのアツパケーシング側に円周方向
沿いに突出形成された突出壁７ａを上記アツパケ
ーシング８の支持壁８ｃの内側に回転自在に嵌合
して位置決めするとともに、駆動ギヤ７の上面を
上記ロアケーシング５のアツパケーシング側凹部
５ｂに相対回転自在に嵌合して、両ケーシング
８，５間で駆動ギヤ７の回転を案内する。上記駆
動ギヤ７の中央部の軸方向貫通穴７ｃ内には操作
軸４の脚部４ａを嵌合し、貫通穴７ｃの内面に取
り付けたスプリングアーム７ｄを上記操作軸４の
脚部外周面のおねじに係合させて、操作軸４が駆
動ギヤ７に対して自在に操作軸軸方向沿いに移動
しえないようにする。従つて、両ケーシング５，
８間で駆動ギヤ７が回転すると、駆動ギヤ７はミ
ラーケースに対して操作軸軸方向沿いには移動で
きないので、上記突起で連結された操作軸４がそ
の略軸方向に前後動する。

なお、第１図中、２はケーシング５，８内に操
作軸側より水分が入り込むのを防止するゴム製簡
易防水シールである。

上記構成にかかるアウターミラーは、ミラーケ
ースの両ケーシング５，８内に上記駆動ギヤ７及
び図示しない駆動モータ等を固定して上記操作軸
４をこれらの部材に組み込む。次いで、操作軸４
の頭部４ｂを上記ミラーホルダ１の取付部１ａに
嵌合してケーシング側に対して頭部４ｂが抜け止
めされるとともに、上記ミラーホルダ１に対して
自在に傾動するように組み付ける。

このようにしてミラーケースにミラーホルダ１
を組み付けてなるアウターミラーは次のように作
動する。すなわち、駆動モータを駆動すると、駆
動ギヤ７が回転して操作軸４の脚部４ａがその略
軸方向沿いに前後動する。このとき、操作軸４で
ミラーホルダ１を押すときには、操作軸４の頭部
４ｂがミラーホルダ１の取付部１ａを押してミラ
ーホルダ１をミラーケースに対して水平傾動中心
軸もしくは垂直傾動中心軸のいずれか一方の軸回
りまたは両軸回りに傾動させる。また、操作軸４
でミラーホルダ１を引くときには、操作軸４の頭
部４ｂがミラーホルダ１の取付部１ａをケーシン
グ側に引いてミラーホルダ１をミラーケースに対
して水平傾動中心軸もしくは垂直傾動中心軸のい
ずれか一方の軸回りまたは両軸回りに傾動させ
る。上記ミラーホルダ１の傾動時、操作軸４はミ
ラーケースに対して傾動自在かつ略軸方向沿いに
移動自在に組み付けられているので、ミラーホル
ダ１が傾動すると操作軸４の頭部４ｂが上記取付
部１ａ内でミラーホルダ１に対して傾動するとと
もに、若干ケーシング５，８に対しても傾動す
る。上記操作軸４がケーシング５，８に対して前
後動する場合には、上記操作軸４の凹部４ｄの内
周面を上記アツパケーシング８の案内突出部８ｂ
が摺動し、上記操作軸４がケーシング５，８に対
して傾動する場合には、操作軸４とともに案内突
出部８ｂも傾動して、操作軸４の凹部４ｄの内周
面に案内突出部８ｂが常時接触するようにして、
両部材４，８ｂ間に働く摩擦力により操作軸４の
ケーシング５，８に対するガタ付きを防止して、
ミラー本体の振動を防止する。なお、第１図中、
一点鎖線は操作軸４がアツパケーシング８の収納
部８ａの底部まで最も後退した状態を示し、点線
は操作軸４が上記収納部８ａから最も前進した状
態を示す。

上記実施例によれば、操作軸４がケーシング
５，８に対して前後動もしくは傾動しても該操作
軸４の凹部４ｄ内にアツパケーシング８の案内突
出部８ｂは常時接触して、両部材間に摩擦力が働
くようにしているため、操作軸４がケーシング
５，８に対してガタ付くことが効果的に防止さ
れ、操作軸４に連結されたミラーホルダ１、従つ
て、ミラー本体のガタ付きが少なくなり、ミラー
本体の視認性が向上する。また、上記案内突出部
８ｂを可撓性を有するようにケーシング８に形成
したので、操作軸４の傾動を妨げることなくその
凹部４ｄの内周面に常時接触させる。

なお、本考案は上記実施例に限定されるもので
はなく、その他種々の態様で実施できる。例え
ば、上記案内突出部８ｂをアツパケーシング８の
収納部８ａの底部に、上記操作軸４の軸方向に対
して傾斜するように、すなわち操作軸４の軸芯と
案内突出部８ｂの軸芯とが交差するように、形成
して、案内突出部８ｂが操作軸４の凹部内周面に
常時接触するようにして操作軸のガタ付きを防止
するようにしてもよい。また案内突出部８ｂの先
端部分が上記操作軸４の凹部４ｄの内周面に常時
接触するとともに、凹部４ｄの開口部分に対向す
る案内突出部８ｂが該開口部分の内周面に常時接
触するようにして、操作軸４の凹部４ｄと案内突
出部８ｂとが２箇所で常時接触するようにすれ
ば、より効果的に操作軸４のガタ付きを防止する
ことができる。

考案の効果 上記構成によれば、操作軸と該操作軸を駆動す
る駆動装置の駆動ギヤとの間にバツクラツシユ等
のガタ付きがあつても、操作軸の凹部内にケーシ
ングの案内突出部を嵌合して常時接触させるよう
にしたので、操作軸の凹部内周面と上記案内突出
部との間に摩擦力が働き、操作軸がケーシングに
対してガタ付き波打つて移動するのを効果的に防
止できる。また、ミラーホルダに支持された操作
軸の揺動は上記駆動ギヤとの係合部分と上記案内
突出部との２点によつて規制されるため、操作軸
が移動方向に対して波打つて進むのを効果的に防
止することができる。従つて、操作軸に連結され
たミラーホルダ及びミラー本体のガタ付きが少な
くなり、ミラー本体の視認性が向上する。また、
操作軸の凹部内に上記案内突出部を嵌合するた
め、操作軸の外周面の全面におねじを形成するこ
とができ、駆動ギヤと係合部分が大きく、安定し
て操作軸を駆動することができる。

また、操作軸を可撓性に構成したので、操作軸
がミラーケースに対して傾動しても操作軸と同様
にミラーケースに対して案内突出部も傾動するこ
とができ、操作軸の傾動動作を妨げることがな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例にかかる自動車用ア
ウターミラーの要部拡大断面図である。 １……ミラーホルダ、１ａ……取付部、２……
簡易防止シール、４……操作軸、４ａ……脚部、
４ｂ……頭部、４ｃ……細首部、４ｄ……凹部、
５……ロアケーシング、５ａ……貫通穴、５ｂ…
…凹部、７……駆動ギヤ、７ａ……突出壁、７ｂ
……貫通穴、８……アツパケーシング、８ａ……
収納部、８ｂ……案内突出部、８ｃ……支持壁。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ミラー本体を支持したミラーホルダ１をミラ
   ーケースに対して水平傾動中心軸及び垂直傾動
   中心軸回りに傾動自在に支持し、上記ミラーケ
   ース内に軸方向に前後動可能に備えられた操作
   軸４の先端の頭部４ｂを上記ミラーホルダ１の
   取付部１ａに抜出し不自在に取り付け、かつ上
   記ミラーケース内の駆動装置に連結された駆動
   ギヤ７に上記操作軸４を噛合させて、上記駆動
   装置の駆動により上記駆動ギヤ７を回転させ、
   上記操作軸４を上記ミラーケースに対して略軸
   方向沿いに前後動させて上記ミラーホルダ１を
   上記ミラーケースに対して傾動させるようにし
   た自動車用アウターミラーにおいて、 上記操作軸４の後端部より先端部に向かつて
   略軸方向沿いに凹んだ凹部４ｄを形成するとと
   もに、上記ミラーケースのケーシング８に、上
   記凹部４ｄ内面に常時接触しかつ相対的に摺動
   可能に上記凹部内に嵌合される可撓性案内突出
   部８ｂを形成するようにしたことを特徴とする
   自動車用アウターミラー。 (2) 上記案内突出部８ｂの軸芯が上記操作軸４の
   凹部４ｄの軸芯に対して偏心するようにした実
   用新案登録請求の範囲第１項に記載の自動車用
   アウターミラー。 (3) 上記案内突出部８ｂの軸芯と上記操作軸４の
   凹部４ｄの軸芯とが交差するようにした実用新
   案登録請求の範囲第１項に記載の自動車用アウ
   ターミラー。