JPS6342046Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車輌用バツクミラーに関する。更に詳
しくは、電気駆動モータまたは手動によりミラー
を角度調節可能にしたバツクミラーに関する。

自動車の外側で例えばフエンダーやドアーに取
付けられ、かつ車室内からミラーの角度を調節可
能としたこの種のバツクミラーは、ハウジング内
に配置したモータおよび伝動装置を介して調節作
用を制御するモータ作動タイプと、リンクなどを
介して手動アームにより調節作用を行なう手動タ
イプとがある。そして、これらモータ作動タイプ
と手動タイプのいずれも、ミラーを装着したミラ
ーボデイが前記ハウジングに対して傾動自在に枢
着されている。このような構造の結果、ミラーは
ハウジングに対して揺動する傾向をもつものとな
り、走行時にミラーが振動して映像のちらつきが
生ずる欠点がある。

このような点を改善するため、ミラーボデイの
背後に振動減衰器をとりつけ、その減衰器の一部
を固定ハウジングの内壁面に滑動的に弾接させ、
これによりミラーの振動を減衰させることが提案
されている。（特公昭53−17218号公報参照） しかし、この従来例では、ハウジングの後壁面
方向にのびる減衰器のワイヤー部をハウジングの
内壁面に当接させるだけであるので、振動防止効
果が不十分であるばかりでなく、弾性を有するワ
イヤーがハウジングの後壁面方向に向かつてのび
ているので、そのワイヤーの先端がハウジングの
後壁面につき当ると振動防止効果を発揮すること
ができず、それだけハウジングの深さを深くしな
ければならないという問題がある。

本考案はこのような点を改善し、十分な振動防
止効果を有すると共に、ハウジングの深さを薄く
して薄形化をはかることができる車輌用バツクミ
ラーを提供することを目的とするものである。

以下、図面を参照して本考案の実施の一例を説
明する。

第１図に示すのは、本実施例を概括的に示す一
部断面破断側面図である。この図に示す如く、車
輌用バツクミラーは、ミラー１を支持するミラー
ボデイ２を駆動してこれを変角することにより同
時にミラー１を変角し、もつて視界調整を行い得
るようになつている。

この例にあつては、第１図に示すように、ハウ
ジング４の開口部位４１にミラー１を支持するミ
ラーボデイ２を配設するとともに、ハウジング４
の中にモータ及びこのモータの駆動力を伝達する
駆動伝達部材を収納したパワーユニツト３が内蔵
されており、このパワーユニツト３はハウジング
４の台座４２に取付片３１を介してビス３２，３
３にて固着されている。３５はパワーユニツト３
から引出された配線コードである。そして、ミラ
ーボデイ２の裏面がわ略中央部には固定ピボツト
５により枢着された支持部を有するとともに、そ
の周辺の２個所に於て進退部材６が枢着されてい
る。この進退部材６は、パワーユニツト３内の駆
動伝達部材に係合されて、モータの駆動により図
中の矢印Ｐ方向に進退作動を行なうものであり、
この進退作動によりミラーボデイ２を前記ピボツ
ト５の支持部を中心に傾動させる。

ミラーボデイ２の裏面周縁部には、第２図に示
すように４個所にコイルスプリング８が取付部７
を介して固着されている。このコイルスプリング
８は、第３図イに示すように、コイル部８２の両
端より略々Ｖ字状をなすように線材を延長し、そ
の一方は先端に湾曲部８１を有する弾接部とし、
他方を取付部７上に載置される載置部８３にする
と共に、それより略々直角に折曲げた固定部８４
を形成する。他方、ミラーボデイ２と一体に成型
された取付部７は、第３図ロに示すように、ミラ
ーボデイ２の周縁方向に突設するとともに、ミラ
ーボデイ２との間に前記コイルスプリング８の設
置部８３が入り込む分の隙間を有して立壁７１を
設け、かつ固定部８４を挿入するための穴７２が
穿設されている。この穴７２の内径は固定部８４
の外径より等しいか若干小にする。従つて、コイ
ルスプリング８の固定部８４を矢印Ｄ方向より取
付部７に押し込むと、固定部８４は穴７２にガタ
なく挿入固定され、コイル部８２の長手方向の中
心軸線がミラー面と略直交する方向を向いた状態
で載置部８３が取付部７上に安定的に支持され、
そのコイル部８２の先端から弾接部に立上つてい
るので、弾接部はコイル部の巻き込み、巻き戻し
方向の弾性を有するのは勿論であるが、さらにコ
イル部自身の撓みによる多方向の変位が可能なよ
うに組付けられる。

第４図にはコイルスプリング８の湾曲部８１が
内壁面４３に弾接した状態で矢印Ｓ方向にミラー
ボデイ２が傾動した場合を示している。この弾接
の圧力は、コイル部８２の巻数の増減により所定
の圧力を容易に得ることができ、かつ湾曲部８１
を有する弾接部はある長さｌを有すると共に、こ
れがミラー面と略直交するように配設されたコイ
ル部８２の先端から延長突設されているため、ミ
ラーボデイ２の傾動に伴なう周壁面４３との間隔
幅ｔの変化においても湾曲部８１は常に十分な弾
接力をもつて周壁面４３に圧接され、しかも、先
端に湾曲部８１を有する弾接部は、ミラー面に対
し略直交する方向に配設されたコイル部８２の一
端に形成されているため、コイル部の巻込み巻戻
し方向の変位は勿論、コイル部自身の撓みにより
多方向に対して変位させることができると共に、
大きい捩り角度範囲でハウジングの周壁内面と弾
接し、さらに、その延長方向はハウジングの周壁
面方向に立上がつているので、ハウジングの深さ
を薄くしても大きな角度範囲まで有効な振動防止
作用を遂行することができる。

以上述べたように、本考案の車輌用バツクミラ
ーは、ミラーボデイの周縁部にコイルスプリング
を固着し、かつ該コイルスプリングは、コイル部
の両端から線材を略Ｖ字状をなすように延長さ
せ、その一方を先端に湾曲部を有する弾接部とな
し、他方をミラーボデイの背面の取付部に載置さ
れる載置部およびそれに連続する固定部とし、か
つ、この固定部をミラーボデイの背面に固定する
と、コイル部がミラー面とほぼ直交すると共に、
そのコイル部の端部から先端に湾曲部を有する弾
接部がほぼミラーハウジングの周壁面方向に向つ
て立上り、この弾接部の先端の湾曲部がミラーハ
ウジングの周壁面に弾接するように構成したので
コイル部により弾接部が多方向に変位すると共に
大きい捩り角度範囲での振動防止効果を発揮し、
しかもハウジングの深さを薄くしても大きな角度
範囲まで有効な振動防止作用を遂行することがで
きる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案の一実施例を示すも
ので、第１図は一部破断側面図、第２図はミラー
ボデイの裏面図、第３図のイはコイルスプリング
の全体斜視図、同図ロは取付部にコイルスプリン
グを装着した図、第４図は第２図における−
線断面図で傾動状態を示す。 １……ミラー、２……ミラーボデイ、３……パ
ワーユニツト、４……ハウジング、４３……内壁
面、７……取付部、８……コイルスプリング、８
１……湾曲部、８２……コイル部、８３……載置
部、８４……固定部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ハウジングの開口部位においてミラーを支持す
   るミラーボデイを傾動可能に角度調整せしめて成
   るバツクミラーであつて、前記ミラーボデイの周
   縁部にコイルスプリングを固着し、かつ該コイル
   スプリングは、コイル部の両端から線材を略Ｖ字
   状をなすように延長させ、その一方を先端に湾曲
   部を有する弾接部となし、他方をミラーボデイの
   背面の取付部に載置される載置部およびそれに連
   続して略直角に折れ曲つた固定部とし、かつ、こ
   の固定部をミラーボデイの背面の取付部に挿入固
   定すると共に載置部を取付部上に支持して、前記
   コイル部がミラー面に対して略直交すると共にそ
   のコイル部の先端から前記弾接部をほぼミラーハ
   ウジングの周壁方向に向つて立上げ、この弾接部
   の先端の湾曲部がミラーハウジングの周壁内面に
   弾接するように構成したことを特徴とする車輛用
   バツクミラー。