JPH06219295A - 動力舵取装置 - Google Patents

動力舵取装置

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Publication number
JPH06219295A
JPH06219295A JP10952793A JP10952793A JPH06219295A JP H06219295 A JPH06219295 A JP H06219295A JP 10952793 A JP10952793 A JP 10952793A JP 10952793 A JP10952793 A JP 10952793A JP H06219295 A JPH06219295 A JP H06219295A
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JP
Japan
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pressure
spool
hydraulic pressure
valve
assisting
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Application number
JP10952793A
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English (en)
Inventor
Hiroto Sasaki
裕人 佐々木
Yoshifumi Obata
佳史 小幡
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Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 油圧制御弁のトーションバーの高剛性化を図
り、耐久性及び安全性並びに、補助力特性を安定して得
ることができるようにする。 【構成】 バルブボディーの延長部30の軸心から所定長
離隔した位置に、直交する向きのスプール孔50を形成す
る。スプール孔50の内部に受圧スプール51を嵌挿し、受
圧スプール51の両側に助勢室 52a,52bを形成し、中途部
に係合溝53を設け、これをバルブボディーの延長部20に
突設された助勢アーム54に係合させる。外側の圧力室55
とスプール室50とを導圧孔56により連通させ、導圧孔 5
7a,57bを形成して、摺動に応じて導圧孔56の開口端に連
通するようになし、バルブボディーとバルブスプールと
の相対角変位が生じたとき、圧力室55に導入される作動
油圧を助勢室 52a,52bの一方に導き、この油圧によりバ
ルブスプールの延長部20を前記相対角変位の方向と同方
向に押圧する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、舵取機構中に配したパ
ワーシリンダ等の油圧アクチュエータを操舵補助力の発
生源とする油圧式の動力舵取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】油圧式の動力舵取装置は、自動車の舵取
機構中に配されたパワーシリンダ等の油圧アクチュエー
タと、油圧源たる油圧ポンプ及び作動油を収納する油タ
ンクとの間に、舵輪(ステアリングホィール)の操作に
応じて油圧の給排を行う油圧制御弁を配し、該油圧制御
弁から送給される油圧により前記油圧アクチュエータが
発する油圧力(操舵補助力)を舵取機構に加えて、舵取
りに要する労力負担を軽減しようとするものである。
【0003】前記油圧制御弁としては、舵輪と舵取機構
とを連結する舵輪軸(ステアリングコラム)の中途に構
成された回転式の油圧制御弁が広く用いられている。こ
の油圧制御弁は、舵輪に連なる入力軸と舵取機構に連な
る出力軸とを、低剛性のトーションバーを介して同軸上
に連結し、両軸の一方(一般的には出力軸)の連結端に
回転を拘束して筒形のバルブボディーを取り付け、この
内側に他方(一般的には入力軸)の連結端を適長嵌合し
て、この嵌合部分にバルブスプールを一体的に形成して
なり、舵輪に操舵トルクが加えられたとき、該操舵トル
クによる前記トーションバーの捩れに応じてバルブボデ
ィーとバルブスプールとの間に生じる相対角変位を利用
して、前記油圧アクチュエータへの送給油圧を制御する
構成となっている。
【0004】さて自動車の舵取りは、操向用の車輪(一
般的には前輪)に作用する路面反力に抗して行われるも
のであり、この路面反力の大小は、車速の遅速及び操舵
角度の大小に夫々対応することから、停止時及び低速走
行時における舵取り、所謂据え切りに際しては、舵取り
のための舵輪操作に多大の力を必要とする一方、高速走
行中における舵取りは、比較的に小さい力にて行い得
る。
【0005】ところが、前述した如き油圧制御弁を備え
た動力舵取装置においては、舵輪に加えられる操舵トル
クと油圧アクチュエータが発生する操舵補助力との間の
対応関係が、入力軸と出力軸とを連結するトーションバ
ーの捩れ特性により一義的に決定されることから、停止
時及び低速走行時における舵取り、所謂、据え切り時の
大なる路面反力を基準として前記トーションバーを選定
した場合、高速走行時に舵輪に加わるわずかな力により
舵取りが行われて、直進安定性が損なわれる一方、高速
走行時の小なる路面反力を基準として前記トーションバ
ーを選定した場合、舵取りに多大の力を要する据え切り
時に十分な操舵補助力が得られないという難点がある。
【0006】このような難点を解消するため、車速の増
大及び操舵角度の減少に応じて増大する油圧力を発生
し、油圧制御弁の制御動作、具体的には、トーションバ
ーの捩れを伴って生じるバルブボディーとバルブスプー
ルとの相対角変位を制限する油圧反力部を備えた動力舵
取装置が実用化されている。
【0007】前記油圧反力部は、例えば、本願出願人に
よる特開昭61−200063号公報、特開平2−225179号公報
等に開示されている如く、油圧制御弁のバルブボディー
及びバルブスプールを同側に延長して、バルブボディー
の延長部にこれを半径方向に貫通する複数のシリンダ孔
を形成し、これら夫々にプランジャを摺動自在に内挿す
ると共に、バルブボディーの延長部の外側に、前記シリ
ンダ孔を一括的に連通する反力室を設けてなり、この反
力室に、操舵角度及び車速に応じて調圧された油圧を導
入して各プランジャの一側に作用させ、バルブボディー
の内側に突出する各プランジャの他端を前記バルブスプ
ールの延長部分に形成された凹部に押付け、バルブスプ
ールとバルブボディーとの相対角変位、即ち、油圧制御
弁の制御動作を制限する構成となっている。
【0008】以上の如き油圧反力部を備えた動力舵取装
置においては、舵輪に加わる操舵トルクが所定の大きさ
に達し、前記プランジャの押し付けに抗してバルブボデ
ィーとバルブスプールとの相対角変位が生じ始めた後に
急激に立ち上がる補助力特性が得られる。前記プランジ
ャの押付け力は、前記反力室に導入されてプランジャに
作用する油圧に対応し、車速の増大に伴って強化され、
また操舵角度の増大に伴って緩和されるようになしてあ
り、停止時及び低速走行時には、比較的小さい操舵トル
クにて立上がり点に達し、以後は大なる操舵補助力の発
生により舵輪操作に要する力が可及的に低減される一
方、高速走行時には、舵輪にかなりの大きさの操舵トル
クが加わらない限り操舵補助が行われず、舵輪に適度の
剛性が付与されて直進安定性が確保されることになり、
前述した不都合が解消される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上の如く従来の動力
舵取装置は、車速の高低及び操舵角度の大小に応じた適
正な補助力特性を得るべく、大きい操舵補助力を必要と
しない高速走行時に、油圧反力部の前述した動作により
バルブボディーとバルブスプールとの相対角変位を制限
する構成となっており、バルブスプールとバルブボディ
ーとを連結するトーションバーは、据え切り時に十分な
操舵補助力を得るべく選定され、低い捩れ剛性を有する
細径のものが用いられている。
【0010】従って、油圧反力部の非動作時には、舵輪
へのわずかな操舵トルクの付加により大きい操舵補助力
が得られることになり、例えば、油圧導入系の故障等に
起因して油圧反力部の正常な動作が行えなくなった場
合、高速走行中に据え切り時と同等の補助力特性が実現
され、走行安定性が損なわれる上、急激な操舵感覚の変
化により思わぬ事故を招来する虞さえあった。また据え
切りに際しては、細径のトーションバーに対する捩れ変
形が繰り返されるために、トーションバーの耐久性に対
する配慮が必要であった。
【0011】また前述した構成の油圧反力部において
は、複数のプランジャがバルブスプールの外周面に常に
押し付けられた状態にあり、両者間の摩擦がバルブスプ
ールとバルブボディーとの相対角変位に対する抵抗とし
て作用することから、油圧制御弁の滑らかな動作が阻害
されて操舵感覚の悪化を招来する上、前記相対角変位の
増加方向と減少方向との間にヒステリシスが生じ、所望
の補助力特性が安定して得られないという難点があっ
た。
【0012】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、バルブボディーとバルブスプールとを高剛性の
トーションバーにより連結でき、優れた耐久性及び安全
性が得られると共に、油圧制御弁の制御動作を摩擦によ
らずに制限でき、所望の補助力特性の安定した実現を可
能とする動力舵取装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る動力舵取装
置は、舵輪に連なる入力軸と舵取機構に連なる出力軸と
を同軸上に連結し、両軸の一方に形成されたバルブスプ
ールを他方に連設された筒形のバルブボディーの内側に
嵌合してなり、両者間に舵輪操作に応じて生じる相対角
変位により、操舵補助用の油圧アクチュエータへの送給
油圧を制御する油圧制御弁を備えた動力舵取装置におい
て、前記油圧制御弁に並設してあり、その導入油圧に応
じた油圧力を発生し、前記相対角変位を助勢する油圧助
勢部を具備することを特徴とする。
【0014】また、前記油圧助勢部が、前記バルブボデ
ィーの軸心から適長離隔した部分に、該軸心と略直交し
て形成されたスプール孔と、該スプール孔に摺動自在に
嵌合し、前記バルブボディーの内側を臨むその中途部を
前記バルブスプールの一部に係合させてある受圧スプー
ルと、該受圧スプールにより遮断されて前記スプール孔
の両側に形成された一対の助勢室と、前記バルブボディ
ーの外側に周設されて前記導入油圧を受け入れる圧力室
と、前記バルブスプールからの作用力により生じる前記
受圧スプールの摺動に応じて前記圧力室に選択的に連通
し、前記作用力と同方向に前記受圧スプールを押圧すべ
く、前記圧力室への導入油圧を前記一対の助勢室のいず
れか一方に導く導圧路とを備えることを特徴とする。
【0015】更に、前記油圧助勢部が、前記バルブボデ
ィーと前記バルブスプールとの嵌合周上に形成された導
圧室と、前記バルブボディーの内側に突設されて適宜の
半径線上にて前記バルブスプールに当接し、前記導圧室
を周方向に2分割して相互に液密をなす一対の助勢室を
構成するシール手段と、前記バルブボディーの外側に周
設されて前記導入油圧を受け入れる圧力室と、該圧力室
に前記相対角変位に応じて選択的に連通し、該相対角変
位の方向と同方向の回転力を前記バルブスプールに付加
すべく、前記圧力室への導入油圧を前記一対の助勢室の
いずれか一方に導く導圧路とを備えることを特徴とす
る。
【0016】更にこれらに加えて、前記油圧助勢部への
導入油圧が、前記油圧制御弁への供給油圧を車速の増大
に応じて減圧した油圧であることを特徴とする。
【0017】
【作用】本発明においては、油圧制御弁の一側に並設さ
れた油圧助勢部が、その導入油圧に応じて発生する油圧
力により、バルブボディーとバルブスプールとの相対角
変位を助勢するようになし、前記油圧制御弁の特性を、
大なる操舵補助力を必要としない高速走行中の小操舵時
を基準として設定し、据え切り時には、前記油圧助勢部
が動作して、バルブボディーとバルブスプールとの相対
角変位を本来のそれよりも増大させ、十分な操舵補助力
を発生させる。
【0018】また前記助勢は、バルブボディーの軸心か
ら離隔した位置に配された受圧スプールをこれの両側の
助勢室への導入油圧により摺動させ、該受圧スプールの
中途部に係合するバルブスプールに回転力を付加して、
又は、バルブボディーとバルブスプールとの嵌合周上の
導圧室をバルブボディーから内向きに突設したシール手
段により一対の助勢室に分割し、これらの助勢室への導
入油圧によりバルブスプールに直接的な回転力を付加し
て行い、バルブスプールとバルブボディーとの相対角変
位中に、これを阻害する方向への摩擦力の作用を排除
し、操舵感覚の悪化及び特性の不安定化を防ぐ。更に、
前記受圧スプールの摺動、またはバルブボディーに対す
るバルブスプールの相対角変位を利用し、バルブボディ
ー外側の圧力室への導入油圧を簡素な構成により助勢室
に導く。
【0019】また、舵取りの大小に応じて高低となる油
圧制御弁への供給油圧を車速の増大に応じて減圧して油
圧助勢部に導入し、低速走行又は停止中の大操舵時、即
ち、据え切り時には、大なる助勢力の付加により十分な
操舵補助力が得られるようにし、逆に高速走行中の小操
舵時は、助勢力を低レベルに保って走行安定性の向上を
図る。
【0020】
【実施例】以下本発明をその実施例を示す図面に基づい
て詳述する。図1は、ラック・ピニオン式の舵取機構を
備えた車両に装備された本発明に係る動力舵取装置(以
下本発明装置という)の全体構成を示す模式図である。
【0021】図示の如くラック・ピニオン式の舵取機構
は、舵輪1の下側に同軸的に連設された舵輪軸10の下端
にピニオン11を固設し、該ピニオン11を車体の前部に左
右方向に延設されたラック軸12の中途部に噛合せしめ、
舵取りのための舵輪1の回転をラック軸12の延設方向の
摺動に変換して、該ラック軸12の両端に各別のナックル
アームを介して連結された左右一対の操向車輪(一般的
には前輪)13,13の向きを変え、舵取りを行わせる構成
となっている。
【0022】以上の如きラック・ピニオン式の舵取機構
における舵取り動作を油圧により補助する本発明装置
は、油圧源となる油圧ポンプPが発生する油圧を、ラッ
ク軸12の中途に構成された操舵補助用のパワーシリンダ
Sに舵輪1の操作に応じて送給し、パワーシリンダSが
発生する油圧力(操舵補助力)をラック軸12に加えて、
該ラック軸12の摺動を補助する構成となっており、油圧
ポンプPからパワーシリンダSに至り、作動油を収納す
る油タンクTに戻る循環油路の中途に、舵輪1の操作に
応じて油圧の給排制御を行う油圧制御弁4を介装してな
る。
【0023】油圧制御弁4は、舵輪1とラック軸12とを
連結する舵輪軸10の中途に構成してあり、該油圧制御弁
4の一側には、これの動作を助勢する油圧助勢部5が並
設されている。油圧ポンプPから油圧制御弁4に至る供
給油路14の中途には、油圧助勢部5に分岐連通する導圧
油路15が設けてある。この導圧油路15には、車速の検出
結果に応じて絞り面積を変える可変絞りaを備えた調圧
弁6が配され、油圧助勢部5には、油圧制御弁4への供
給油圧を可変絞りaでの減圧分だけ低下せしめた油圧が
導入されている。
【0024】可変絞りaは、調圧弁6の後述する構成に
より、車速の増大に応じて絞り面積を減じるようになし
てある一方、導圧油路15が分岐された前記供給油路14の
内圧は、舵輪1の操作に応じた油圧制御弁4の動作に伴
って高くなる。従って、調圧弁6の可変絞りaを経て得
られる油圧助勢部5への導入油圧は、油圧制御弁4への
供給油圧を車速の増大に応じて減圧した油圧、即ち、操
舵角度の大小及び車速の遅速に応じて高低となる油圧と
なる。
【0025】図2は、油圧制御弁4、油圧助勢部5及び
調圧弁6の具体的な構成例を示す本発明装置の要部の縦
断面図である。図中2は、中空の入力軸、同じく3は、
ピニオン軸(出力軸)であり、これらは、筒形をなす共
通のハウジングHの内に夫々の軸心回りでの回動自在に
支承されており、入力軸2の中空部に内挿されたトーシ
ョンバー21を介して同軸上に連結してある。
【0026】入力軸2の上部は、ハウジングHの上部に
適長突出させてあり、この突出端は舵輪1(図1参照)
に連結されている。またピニオン軸3の下半部には、前
記ピニオン11が形成され、該ピニオン11は、これと軸心
を交叉する態様にてハウジングHの下部に支承された前
記ラック軸12に噛合させてある。即ち、入力軸2及びピ
ニオン軸3、並びに両者を連結するトーションバー21
は、舵輪1を舵取機構に連結する舵輪軸10(図1参照)
の一部をなしている。
【0027】而して、舵輪1が回動操作された場合、こ
の回動は入力軸2及びトーションバー21を介してピニオ
ン軸3に伝達され、これの下半部のピニオン11と噛合す
るラック軸12の軸長方向の摺動に変換されて舵取りが行
われる。このとき、入力軸2とピニオン軸3との間に
は、トーションバー21の捩れを伴って舵輪1に加わる操
舵トルクに応じた相対角変位が生じる。油圧制御弁4
は、この相対角変位を利用して前記パワーシリンダSへ
の送給油圧を制御すべく、両軸2,3の連結部に構成さ
れており、ハウジングHに同軸回動自在に内嵌された円
筒形のバルブボディー40と、これに内嵌されたバルブス
プール41とを備えてなる。ピニオン軸3は、入力軸2と
の連結側に同軸的に連設された円筒形の延長部30を備え
ており、前記バルブボディー40は、この延長部30の上端
に連結され、また前記バルブスプール41は、バルブボデ
ィー40の内側に嵌合する入力軸2の外周に一体的に構成
されている。
【0028】この構成により、油圧制御弁4のバルブボ
ディー40はピニオン軸3と一体的に回転し、バルブスプ
ール41は入力軸2と一体的に回転することになり、バル
ブボディー40とバルブスプール41との間には、舵輪1の
操作に伴って入力軸2とピニオン軸3との間に生じる相
対角変位、即ち、舵輪1に加えられた操舵トルクの方向
及び大きさに応じた相対角変位が生じる。
【0029】油圧制御弁4は、バルブボディー40とバル
ブスプール41との嵌合周上に、両者の相対角変位に応じ
て相異なる向きに絞り面積を変える2組の絞り部を備え
ており、この油圧制御弁4には、前記油圧ポンプPから
の供給油圧がハウジングHの外側に開口するポンプポー
ト22を経て導入され、また各別の送油路 16a,16b(図1
参照)を介してパワーシリンダSの両シリンダ室に夫々
連通されている。またハウジングH内側のバルブボディ
ー40の上部には、入力軸2内側の中空部に連通すると共
に、ハウジングHの外側に開口するタンクポート24を経
て油タンクTに接続された還流室23が形成してある。
【0030】而して、舵輪1の操作に応じてバルブボデ
ィー40とバルブスプール41との間に相対角変位が生じた
場合、油圧制御弁4への供給油圧は、前記相対角変位に
より絞り面積を増した側の絞り部を経て、送油路 16a,1
6bのいずれか一方、例えば、送油路 16a側に振り分けら
れ、パワーシリンダSの一方のシリンダ室に送給され
て、他方のシリンダ室との間に舵輪1の操作方向に対応
する向きの圧力差が生じることになり、この圧力差に応
じてパワーシリンダSが発生する油圧力がラック軸12に
加えられ、前述した舵取り動作が補助される。またこの
とき、パワーシリンダSの他方の油室内部の作動油は、
該油室に連通する送油路 16bを経て油圧制御弁4に還流
し、バルブスプール41を半径方向に貫通する貫通孔を経
て入力軸2内側の中空部に導入されて、前記還流室23及
びタンクポート24を経て油タンクTに還流する。
【0031】一方、前記油圧助勢部5は、以上の如く行
われる油圧制御弁4の制御動作、具体的には、バルブボ
ディー40とバルブスプール41との相対角変位を、操舵角
度の増大及び車速の低下に応じて増大する力にて助勢す
るものであり、図2に示す如く、油圧制御弁4の下側に
構成されている。図3は油圧助勢部5周辺の拡大断面
図、図4は図3のIV−IV線による油圧助勢部5の横断面
図である。
【0032】油圧助勢部5は、バルブボディー40が連結
されたピニオン軸3の延長部30と、これの内側に遊嵌す
るバルブスプール41(入力軸2)の延長部20との間に構
成されている。図4に示す如く延長部30は、半径方向に
相対向する位置に一対のスプール孔50,50を備えてお
り、これらの内部には、各別の受圧スプール51,51が摺
動自在に嵌挿されている。スプール孔50,50は、延長部
30の軸心から所定長離隔した位置に、この軸心に直交す
る所定深さの孔を形成し、これらの開口端を閉塞してな
り、受圧スプール51,51は、閉塞前の開口端から夫々の
スプール孔50,50に挿入されており、閉塞後のスプール
孔50,50の両側には、各別の受圧スプール51,51により
遮断された各一対の助勢室 52a,52bが構成されている。
【0033】スプール孔50,50は、延長部30の内側への
開口をその中途部に有しており、受圧スプール51,51
は、前記開口を経て延長部30の内側を臨む係合溝53,53
を、軸長方向の略中央に備えている。一方、前記延長部
30の内側に遊嵌するバルブスプール41側の延長部20に
は、一対の助勢アーム54,54が、半径方向に相対向する
位置にて外向きに夫々突設されており、これらの助勢ア
ーム54,54の先端は、同側のスプール孔50,50に内挿さ
れた前記受圧スプール51,51の係合溝53,53に、図示の
如く係合させてある。
【0034】一方、バルブボディー40の延長部30と前記
ハウジングHとの間には、図4に示す如く、環状をなす
圧力室55が形成してあり、この圧力室55は、ハウジング
Hの周壁を貫通する導油路26を介してハウジングHの外
側に連通され、また、延長部30の外周に開口を有する各
別の導圧孔56,56により、前記スプール孔50,50の略中
央に夫々連通されている。更に、スプール孔50,50に嵌
挿された受圧スプール51,51には、これらの両端に夫々
の開口を有して、各一対の導圧孔 57a,57bが形成され、
これらの他側は、受圧スプール51,51がスプール孔50,
50の中央(中立位置)にあるとき、図4に示す如く、前
記導圧孔56,56の開口端の両側に開口している。
【0035】而して、以上の如く構成された油圧助勢部
5において、油圧制御弁4のバルブボディー40とバルブ
スプール41に相対角変位が生じ、バルブボディー40の延
長部30に対してバルブスプール41の延長部20が相対回転
した場合、この回転は、各別の助勢アーム54,54及び係
合溝53,53を介して受圧スプール51,51に伝わり、これ
らの受圧スプール51,51は、周方向同向きに押圧されて
各別のスプール孔50,50に沿って摺動する。逆に受圧ス
プール51,51が、周方向同向きの押圧力の作用により夫
々のスプール孔50,50に沿って摺動した場合、この摺動
力は、各別の係合溝53,53及び助勢アーム54,54を介し
て、バルブスプール41の延長部20に軸心回りの回転力と
して作用する。
【0036】また受圧スプール51,51が摺動した場合、
これらに前述の如く形成された各一対の導圧孔 57a,57b
の内の一方が導圧孔56,56に連通する。図5は、バルブ
ボディー40に対するバルブスプール41の相対角変位が時
計回りに生じた状態を示しており、この場合、導圧孔 5
7aと導圧孔56とが連通し、延長部30外側の圧力室55の内
圧は、導圧孔56及び 57aを介して助勢室 52aに導入され
て受圧スプール51に作用し、受圧スプール51,51は、前
記摺動の方向と同向きに押圧され、この押圧により、バ
ルブスプール41の延長部20には、現状の回転を助勢する
向きの回転力が付与される。
【0037】即ち、油圧助勢部5は、前記圧力室55への
導入油圧に応じた油圧力を発生し、油圧制御弁4の動
作、具体的には、バルブボディー40とバルブスプール41
との相対角変位を助勢するものであり、舵輪1の操作方
向に応じた助勢力の付与方向の切換えは、バルブボディ
ー40とバルブスプール41との相対角変位に応じて生じる
受圧スプール51,51の摺動を利用して行われている。
【0038】この油圧助勢部5への導入油圧を発生する
調圧弁6は、図2に示す如く、ハウジングHの一側にこ
れと略平行をなして並設された円形断面を有するスプー
ル室60の内部に、軸長方向への摺動自在に嵌挿された絞
りスプール61を備えてなる。該絞りスプール61は、スプ
ール室60の一側に固設されたソレノイド62の出力端に連
結されており、また、スプール室60の他側に固定された
ストッパ63との間に介装されたコイルばね64により、前
記ソレノイド62の進出方向と逆向きに付勢されている。
なお、ソレノイド62は、励磁電流の制御により進出方向
の軸力を連続的に変更し得る軸力制御形のソレノイドで
あり、励磁電流の制御は、図示しない車速センサによる
車速の検出結果に基づいて、車速の増大に伴って軸力を
増すように行われている。
【0039】以上の如くスプール室60内に配された絞り
スプール61は、外周の適長離隔する2か所に環状溝65,
66を夫々備えており、図示の如くこれらの環状溝65,66
は、絞りスプール61を斜めに貫通する連通孔により相互
に連通されている。また、絞りスプール61の両側、即
ち、ソレノイド62との連結側空間と、コイルばね64の配
設側空間とは、絞りスプール61を軸長方向に貫通する連
通孔により相互に連通されており、これらは、ハウジン
グHの周壁を貫通する還流路27を介して、ハウジングH
内側の前記還流室23に連通させてあり、該還流室23と同
等の低圧状態に維持されている。
【0040】またハウジングHには、調圧弁6のスプー
ル室60を油圧制御弁4への供給側に連通する導油路25
と、同じく油圧助勢部5の圧力室55に連通する導油路26
とが形成してある。スプール室60の内部において後者の
導油路26は、絞りスプール61の摺動位置の如何に拘わら
ず、常に一側(ソレノイド62との連結側)の環状溝65内
に開口を有しているのに対し、前者の導油路25は、他側
の環状溝66の一側(ソレノイド62との連結側)のランド
の側縁により閉塞され得る位置に開口を有しており、こ
の開口端と斜めの切欠きを有する前記側縁とにより、絞
りスプール61の摺動に応じて逐次絞り面積を変える可変
絞りaが形成されている。
【0041】図6及び図7は、調圧弁6を拡大して示す
動作説明図である。以上の如く構成された調圧弁6のス
プール室60には、図1における導圧油路15に相当する導
油路25を経て油圧制御弁4への供給油圧が導入され、こ
の油圧は、前記可変絞りaを通過して環状溝66に入り、
更に、前記連通孔を経て環状溝65に導入され、導油路26
を経て油圧助勢部5の圧力室55に導入される。即ち、油
圧助勢部5には、油圧制御弁4への供給油圧が可変絞り
aにより減圧されて導入されることになり、この導入油
圧により油圧助勢部5が前述した動作をなし、油圧制御
弁4の動作を助勢する。
【0042】調圧弁6の絞りスプール61は、ソレノイド
62の進出方向の軸力により、図6及び図7における右向
きに押圧され、また、コイルばね64のばね力により同じ
く左向きに押圧されて、両者の力バランスに応じて摺動
し、前記可変絞りaの絞り面積は、図6に示す如く、絞
りスプール61が右端位置にあるとき最小となり、図7に
示す如く、絞りスプール61が左端位置にあるとき最大と
なる。
【0043】前述の如く、ソレノイド62の軸力は、車速
の高低に応じて大小となるように連続的に変更されるか
ら、可変絞りaの絞り面積は、車速の遅速に応じて大小
に連続的に変化し、また導油路25を経て調圧弁6に導入
される油圧制御弁4への供給油圧は、該油圧制御弁4の
動作に伴う内部絞りの面積変化に伴って、即ち、舵取り
のために舵輪1に加わる操作力の増大に伴って上昇す
る。従って、調圧弁6から油圧助勢部5に導入される油
圧は、低速走行又は停止中の大操舵時、所謂据え切り時
には高く、逆に高速走行中の小操舵時には低く保たれ、
この導入油圧により油圧助勢部5は、据え切り時には大
なる油圧力を発生して油圧制御弁4の動作を強く助勢
し、これにより十分な操舵補助力が得られる一方、高速
走行中の小操舵時には、油圧助勢部5による助勢が殆ど
なされず、油圧制御弁4単独での動作によりトーション
バー21の捩れ特性に依存する操舵補助が行われる。
【0044】また油圧助勢部5による助勢は、受圧スプ
ール51,51が摺動して各別の係合溝53,53に係合する助
勢アーム54,54を押圧し、バルブスプール41の延長部20
に軸心回りの回転力を加えて行われ、この過程でバルブ
スプール41の動作を阻害する向きの摩擦が介在しないこ
とから、油圧制御弁4の制御動作の安定化が図れ、ま
た、操舵方向の変化に伴ってヒステリシスが発生する虞
もない。
【0045】図8は、以上の如く構成された本発明装置
により得られる補助力特性を示す図である。本発明装置
における油圧制御弁4は、油圧助勢部5による助勢が行
われない高速走行中の小操舵時を基準とし、舵輪1にあ
る程度の大きさの操舵トルクが加えられるまで操舵補助
力が低レベルに保たれる特性、即ち、図中にAとして示
す特性が得られるように設定される。このことは、バル
ブボディー40とバルブスプール41とを連結するトーショ
ンバー21として、比較的高い剛性を有する太径のトーシ
ョンバーを用い得ることを示しており、耐久性及び安全
性の向上に寄与できる。
【0046】図8中のB特性は、油圧助勢部5が最大の
助勢力を発生している状態での特性であり、この場合、
舵輪1に加わるわずかな操舵トルクにより油圧制御弁4
の動作が生じ、該油圧制御弁4からの送給油圧によりパ
ワーシリンダSが大なる操舵補助力を発生する結果、据
え切り時における舵取りを容易に行うことができる。更
に本発明装置においては、調圧弁6の動作による油圧助
勢部5への導入油圧の連続的な変更により、図中に破線
にて示す如く、前記A,Bの両特性間の適宜の特性が自
動的に実現され、走行状態に応じた適正な操舵補助が行
える。
【0047】なお、図6及び図7に明らかな如く、油圧
助勢部5に連通する環状溝65の両側のランドは大きさが
異なり、ソレノイド62との連結側が小径となっている。
従って、環状溝65を経て油圧助勢部5に導入される油圧
は、環状溝65の両側の受圧面積の差異に相当する油圧力
を絞りスプール61に加え、該絞りスプール61をソレノイ
ド62の進出方向と同向きに、即ち、可変絞りaの絞り面
積を減じる側に押圧する作用をなし、この油圧力は、環
状溝65の内圧、即ち、油圧助勢部5への導入油圧の上昇
に伴って増大する。
【0048】つまり前記油圧力は、油圧助勢部5への導
入油圧が過度に上昇したとき絞りスプール61の摺動位置
を変え、可変絞りaの絞り面積を減じて、前記上昇分を
カットするカットオフ作用をなすものであり、油圧助勢
部5の助勢に応じた油圧制御弁4の動作により調圧弁6
への導入油圧自体が上昇し、油圧助勢部5が発生する助
勢力が更に増すという循環を防止することができる。
【0049】図9は、本発明の他の実施例を示す油圧助
勢部5周辺の拡大断面図、図10は図9のX−X線による
横断面図、図11は、図9に示す油圧助勢部5の要部の分
解斜視図である。
【0050】この油圧助勢部5は、図3に示す油圧助勢
部5と同様、ピニオン軸3の延長部30と入力軸2の延長
部20との間に構成されている。図10に示す如く、円筒形
をなすピニオン軸3の延長部30には、半径方向に相対向
する位置を貫通する一対の貫通孔 500,500が形成してあ
り、これら夫々には、シールホルダ 501,501が内嵌され
ている。
【0051】図11に示す如くシールホルダ 501は、短寸
円柱形をなす本体部501aの基端側にこれよりも大径の鍔
部501bを連設してなる。本体部501aの先端は、図10に示
す一断面においてのみ円弧状をなすように成形されてお
り、該本体部501aには、先端面内にて前記一断面に直交
し、側面に沿って延びるシール溝501cが形成され、この
シール溝501cに対応する形状をなすフッ素樹脂製のシー
ル材 502が嵌着保持されている。
【0052】延長部30にはまた、前記貫通孔 500,500の
形成位置と直交する位置を貫通する細径の導圧孔 503,5
03が形成してあり、これらと前記貫通孔 500,500とは、
延長部30の外側に周設された圧力室 504により相互に連
通させてある。なおこの圧力室 504は、図3に示す油圧
助勢部5における圧力室55と同様、延長部30の外周に嵌
装されたシール環によりハウジングHとの嵌合部の上下
両側を液密に封止して形成され、ハウジングHに並設さ
れた前記調節弁6に導油路26を介して連通されており、
該導油路26を経て車速の遅速及び操舵角度の大小に応じ
て高低となる油圧が導入されている。
【0053】一方、前記延長部30に内嵌される入力軸2
側の延長部20には、軸断面において相対向する位置に、
図11に示す如き一対の凹溝 505,505が形成されている。
図10に示す如くこれらの凹溝 505,505は、延長部30内側
のシールホルダ 501,501の嵌着部位に、液密に封止され
た一対の導圧室を形成し、これらの導圧室は、各シール
ホルダ 501に前述の如く保持され、適宜の半径線上にて
対応する凹溝 505の底面及び側面に当接する前記シール
材 502により周方向に2分割されて、相互に液密をなす
各一対の助勢室A1 ,A2 を構成している。
【0054】一方、延長部30に形成された前記導圧孔 5
03,503は、油圧制御弁4のバルブボディー40とバルブス
プール41との間に相対角変位が生じていない中立状態に
おいて、図10に示す如く、凹溝 505,505の形成位置の中
央に開口端を有し、これらの開口端は、延長部30に内嵌
された入力軸2側の延長部20の外周により閉止されてお
り、この開口端を挾んだ両側は、前記延長部20に形成さ
れた連通孔 506,507により前記助勢室A1 ,A2 に夫々
連通させてある。
【0055】而して、以上の如き油圧助勢部5への導入
油圧、即ち、前記調圧弁6の動作により得られる油圧
は、図10中に矢符にて示す如く、前記導油路26を経て延
長部30外側の圧力室 504に導入され、該圧力室 504によ
り連通された導圧孔 503,503の内部に導入されるが、前
述の如くこれらの導圧孔 503,503の内側は、油圧制御弁
4が中立状態にある場合、延長部20の外周により閉止さ
れているから、前記導入油圧は導圧孔 503,503の内部に
止まり、助勢室A1 ,A2 のいずれにも導入されない。
【0056】これに対し、舵輪1に操舵トルクが加えら
れて油圧制御弁4のバルブボディー40とバルブスプール
41との間に相対角変位が生じた場合、入力軸2の外周に
開口する連通孔 506,506、又は連通孔 507,507が導圧孔
503,503の内側に連通し、これらの導圧孔 503,503の内
部に止まっていた油圧は、連通孔 506,506を経て助勢室
1 ,A1 に、又は連通孔 507,507を経て助勢室A2
2 に導入される。
【0057】図12は、ピニオン軸3側の延長部30に対し
て入力軸2側の延長部20が、図10に示す中立状態から時
計回りに相対角変位した場合を示している。図示の如く
この場合、導圧孔 503,503の開口端は、連通孔 507,507
を介して助勢室A2 ,A2 に連通し、導圧孔 503,503の
内部にまで達していた油圧助勢部5への導入油圧は、図
中に矢符にて示す如く各別の連通孔 507,507を経て助勢
室A2 ,A2 に導入され、これらの油圧は、図中に白抜
矢符にて示す如く作用し、延長部20に時計回りの回転
力、即ち、前記相対角変位を助勢する向きの回転力が付
与される。
【0058】一方、油圧助勢部5への導入油圧は、延長
部30外側の圧力室 504の内部に臨ませたシールホルダ 5
01,501の基端面(外面)に作用し、これらを内向きに押
圧するから、シールホルダ 501,501の先端側のシール材
502,502は凹溝 505,505の底面に強く押付けられてお
り、助勢室A2 ,A2 への油圧導入時においても他方の
助勢室A1 ,A1 との間の液密状態は良好に維持され
る。
【0059】即ち、図9〜図12に示す油圧助勢部5にお
いては、舵輪1に操舵トルクが加わり、油圧制御弁4の
バルブボディー40とバルブスプール41との間に相対角変
位が生じようとするとき、これに伴って生じる延長部2
0,30間の相対角変位により油圧助勢部5への導入油圧
が助勢室A1 又はA2 に選択的に導入され、この油圧が
バルブスプール41側の延長部20に直接的に加える回転力
により相対角変位が助勢される。
【0060】そしてこのとき、シールホルダ 501に保持
されたシール材 502は延長部20に形成された凹溝 505に
押付けられた状態にあるが、この押付け位置は、前記相
対角変位により変化しない延長部20の半径線上であるこ
とから、凹溝 505の底面に対するシール材 502の摺動、
及び貫通孔50に沿ってのシールホルダ 501の摺動は起こ
らず、油圧助勢部5の助勢を伴う油圧制御弁4の制御動
作は、摩擦により阻害されることなく安定して行われ、
助勢方向の変化に伴うヒステリシスが発生する虞もな
い。而して、前述した動作をなす調圧弁6からの導入油
圧により、前記図8に示すA特性、B特性及びこれらの
間の適宜の特性が自動的に実現され、走行状態に応じた
適正な操舵補助が行える。
【0061】なお以上の実施例においては、ラック・ピ
ニオン式の舵取機構における適用例について述べたが、
本発明の適用範囲はこれに限らず、ボールねじ式等、他
の形式の舵取機構においても適用可能であることは言う
までもない。
【0062】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明に係る動力舵取
装置においては、油圧制御弁の一側に並設された油圧助
勢部が、その導入油圧に応じて発生する油圧力によりバ
ルブボディーとバルブスプールとの相対角変位を助勢す
る構成としたから、前記油圧制御弁の特性を、大なる操
舵補助力を必要としない高速走行中の小操舵時を基準と
して設定でき、バルブボディーとバルブスプールとを連
結するトーションバーとして高剛性のトーションバーを
採用でき、耐久性及び安全性の向上が図れる。
【0063】また油圧助勢部は、バルブボディーの軸心
から離隔して配された受圧スプールとこれの両側の助勢
室とを備え、油圧制御弁の動作の助勢が、前記助勢室へ
の導入油圧により受圧スプールを押圧し、該受圧スプー
ルに係合するバルブスプールに回転力を付加することに
より行われるから、更にまた油圧助勢部は、バルブボデ
ィーとバルブスプールとの嵌合周上にバルブボディーか
ら内向きに突設したシール手段により分割された一対の
助勢室を備え、油圧制御弁の動作の助勢が、両助勢室へ
の導入油圧によりバルブスプールに直接的な回転力を付
加して行われるから、摩擦の影響による操舵感覚の悪化
及び特性の不安定化を防ぐことができ、また、前記両助
勢室への導入油圧の切換えが、バルブボディーとバルブ
スプールとの相対回転、又は、この相対回転に伴う受圧
スプールの摺動を利用して行われるから、両方向への助
勢が簡素な構成にて実現される。
【0064】更に、舵取りの大小に応じて高低となる油
圧制御弁への供給油圧を車速の増大に応じて減圧して油
圧助勢部に導入しているから、走行速度の高低及び操舵
角度の大小に応じた適正な補助力が得られ、あらゆる走
行条件下にて快適な操舵感覚が得られるようになる等、
本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明装置の要部の縦断面図である。
【図3】本発明の特徴部分である油圧助勢部の一実施例
を示す拡大断面図である。
【図4】図3のIV−IV線による横断面図である。
【図5】図3に示す油圧助勢部の動作状態を示す横断面
図である。
【図6】調圧弁の動作説明図である。
【図7】調圧弁の動作説明図である。
【図8】本発明装置により得られる補助力特性の一例を
示すグラフである。
【図9】油圧助勢部の他の実施例をしめす拡大断面図で
ある。
【図10】図9のX−X線による横断面図である。
【図11】図9に示す油圧助勢部の要部分解斜視図であ
る。
【図12】図9に示す油圧助勢部の動作説明図である。
【符号の説明】
1 舵輪 4 油圧制御弁 5 油圧助勢部 6 調圧弁 11 ピニオン 12 ラック軸 21 トーションバー 40 バルブボディー 41 バルブスプール 50 スプール孔 51 受圧スプール 52a 助勢室 52b 助勢室 53 係合溝 54 助勢アーム 57a 導圧孔 57b 導圧孔 60 スプール室 61 絞りスプール 500 貫通孔 501 シールホルダ 502 シール材 503 導圧孔 505 凹溝 506 連通孔 507 連通孔 A1 助勢室 A2 助勢室 H ハウジング P 油圧ポンプ S パワーシリンダ T 油タンク a 可変絞り

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 舵輪に連なる入力軸と舵取機構に連なる
    出力軸とを同軸上に連結し、両軸の一方に形成されたバ
    ルブスプールを他方に連設された筒形のバルブボディー
    の内側に嵌合してなり、両者間に舵輪操作に応じて生じ
    る相対角変位により、操舵補助用の油圧アクチュエータ
    への送給油圧を制御する油圧制御弁を備えた動力舵取装
    置において、前記油圧制御弁に並設してあり、その導入
    油圧に応じた油圧力を発生し、前記相対角変位を助勢す
    る油圧助勢部を具備することを特徴とする動力舵取装
    置。
  2. 【請求項2】 前記油圧助勢部は、前記バルブボディー
    の軸心から適長離隔した部分に、該軸心と略直交して形
    成されたスプール孔と、該スプール孔に摺動自在に嵌合
    し、前記バルブボディーの内側を臨むその中途部を前記
    バルブスプールの一部に係合させてある受圧スプール
    と、該受圧スプールにより遮断されて前記スプール孔の
    両側に形成された一対の助勢室と、前記バルブボディー
    の外側に周設されて前記導入油圧を受け入れる圧力室
    と、前記バルブスプールからの作用力により生じる前記
    受圧スプールの摺動に応じて前記圧力室に選択的に連通
    し、前記作用力と同方向に前記受圧スプールを押圧すべ
    く、前記圧力室への導入油圧を前記一対の助勢室のいず
    れか一方に導く導圧路とを備える請求項1記載の動力舵
    取装置。
  3. 【請求項3】 前記油圧助勢部は、前記バルブボディー
    と前記バルブスプールとの嵌合周上に形成された導圧室
    と、前記バルブボディーの内側に突設されて適宜の半径
    線上にて前記バルブスプールに当接し、前記導圧室を周
    方向に2分割して相互に液密をなす一対の助勢室を構成
    するシール手段と、前記バルブボディーの外側に周設さ
    れて前記導入油圧を受け入れる圧力室と、該圧力室に前
    記相対角変位に応じて選択的に連通し、該相対角変位の
    方向と同方向の回転力を前記バルブスプールに付加すべ
    く、前記圧力室への導入油圧を前記一対の助勢室のいず
    れか一方に導く導圧路とを備える請求項1記載の動力舵
    取装置。
  4. 【請求項4】 前記油圧助勢部への導入油圧は、前記油
    圧制御弁への送給油圧を車速の増大に応じて減圧した油
    圧である請求項1ないし請求項3記載の動力舵取装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8245812B2 (en) 2008-09-11 2012-08-21 Hyundai Motor Company Device for controlling torsional stiffness of power steering system
CN106015178A (zh) * 2016-08-05 2016-10-12 芜湖中意液压科技股份有限责任公司 具有紧凑型安全阀的全液压转向器

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