JP2504669Y2 - 動力舵取装置の操舵力制御装置 - Google Patents

動力舵取装置の操舵力制御装置

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JP2504669Y2
JP2504669Y2 JP14710489U JP14710489U JP2504669Y2 JP 2504669 Y2 JP2504669 Y2 JP 2504669Y2 JP 14710489 U JP14710489 U JP 14710489U JP 14710489 U JP14710489 U JP 14710489U JP 2504669 Y2 JP2504669 Y2 JP 2504669Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、動力舵取装置において油圧反力機構を車輌
の走行速度、操舵角度等といった各種走行条件に応じた
操舵反力が得られるように制御するためのスプールバル
ブによる油圧反力制御弁機構を備えてなる操舵力制御装
置の改良に関する。
〔従来の技術〕
自動車のハンドル操作力(操舵力)を軽減するための
動力舵取装置において、車輌の走行速度や操舵角度等の
各種走行条件に応じた操舵力制御を油圧反力機構により
行なう操舵力制御装置が従来から種々提案されている。
すなわち、車輌停車時や低速走行時には軽快な操舵操作
を可能とし、高速走行時にはハンドルに剛性感をもたせ
て直進時の安定性を確保し得るような操舵力制御を、動
力舵取装置における入、出力軸間を、反力油圧の大きさ
に応じて選択的に拘束する反力ピストンで相対的に回動
可能としたり拘束したりすることで行なうものであっ
た。
この種の操舵力制御装置として従来は、反方油圧を、
たとえばポンプから動力舵取装置の流路切換弁を介して
パワーシリンダに至る主油圧通路の一部から分流して用
い、これをスプールバルブ等による反力油圧制御弁で適
宜制御し、反力ピストンを動かすための油圧反力室に導
く構成が、たとえば特開昭31-105273号公報、実開昭62-
25265号公報、特開昭63-68467号公報、さらに実開平1-7
0682号公報などに示されるように最も一般に採用されて
いた。
〔考案が解決しようとする課題〕
ところで、これら従来装置において、スプールバルブ
により油圧反力制御弁を構成するうえで若干の問題を生
じている。すなわち、この油圧反力制御弁機構は、スプ
ールを車速等といった車輌の各種走行条件によって駆動
制御し、そのランド部の両側に形成した第1および第2
のチャンファ部にて、油圧供給源からの供給通路と油圧
反力室に至る油圧反力通路との間、この油圧反力通路と
タンク側への排出通路との間の流路面積を可変制御し、
反力圧制御を行なうような構成となっている。そして、
据え切り時には、前記供給通路と油圧反力通路とが第1
のチャンファ部で遮断されるとともに、この油圧反力通
路を第2のチャンファ部にて排出通路に大きな開口量を
もって接続することで、操舵反力を最小限とし、軽快な
操舵力が得られるようにし、一方車速の増加に伴なって
第1のチャンファ部を徐々に開き、第2のチャンファ部
を徐々に閉じて必要とされる反力油圧を、油圧反力室に
供給させることで、所要の操舵反力が得られるものであ
った。
しかしながら、このような油圧反力制御弁機構では、
反力圧を制御するためにスプール外周のランド部の両側
に形成される第1および第2のチャンファ部が、車速の
増加に件なうスプールの動きに連動して徐々に開いてい
くために、低速走行時にあっては、第1のチャンファ部
での開口面積が小さく、これにより反力室への油圧供給
流量が少なくなるため、操舵時において反力プランジャ
の応答性、安定性が悪く、安定した操舵力が得られない
という問題を生じている。さらに、第1のチャンファ部
の開度は、バルブ変位に伴なって急激に増加するため
に、反力室への流量も急激に増加し、これに伴なって反
力圧も急激に増加する結果となるもので、バルブ変位に
対する反力圧の増加量が大きく、制御性の面で問題とな
るもので、このような問題点を解決し得る何らかの対策
を講じることが望まれている。
〔課題を解決するための手段〕
上述した要請に応えるために本考案に係る動力舵取装
置の操舵力制御装置は、油圧反力制御弁機構としてバル
ブ孔内で軸線方向に摺動動作されるスプール外周のラン
ド部の一側に形成され油圧供給源からの油圧供給通路を
油圧反力室に至る油圧反力通路に接続する第1のチャン
ファ部を段差形状で形成するとともに、ランド部の他側
に形成され油圧反力通路をタンク側への排出通路に接続
する第2のチャンファ部をスプール動作に伴なって可変
絞りとなるようなテーパ形状で形成するとともに、前記
供給通路側に固定絞りを設けるようにしたものである。
〔作用〕
本考案によれば、据え切り時には第1のチャンファ部
により供給通路と反力通路との間を切離し操舵反力を最
小限として適切な舵取操作を行なえるようにする一方、
低速走行時にあっては第1のチャンファ部にて供給通路
から反力通路への流通路を一定の開度に開いて反力室へ
の供給流量をその上流側の固定絞りにて制御される一定
量以上に確保し、操舵時における応答性や安定性を向上
させ安定した操舵力制御を可能とし、従来のような操舵
力制御の不安定さを解決し得るものである。
〔実施例〕
第1図および第2図は本考案に係る動力舵取装置の操
舵力制御装置の一実施例を示すもので、これらの図にお
いて、まず、第2図を用いて全体を符号10で示す動力舵
取装置におけるパワーステアリング本体部と符号11で示
す操舵力制御装置の概略構成を簡単に説明すると、符号
12は図示しない舵取ハンドル側に連結される入力軸(ス
タブシャフト)、13はこの入力軸12の左端側にトーショ
ンバー14を介して連結されるとともに図示しない舵取リ
ンク機構を構成するラック15と噛合するピニオンを有す
る出力軸(ピニオン軸)で、これら両軸12,13はその操
舵方向に適宜回転操作される。ここで、これら両軸12,1
3間には、周知の通り所定角度以上回動されて当接する
ことで両軸間を連結するフェールセーフ機構が設けられ
ている。
また、パワーステアリング本体部10を構成するボディ
10a内で上述した両軸12,13には、回転式流路切換弁16を
構成するロータ17およびスリーブ18がそれぞれ一体的に
設けられ、その相対的な回転変位でオイルポンプP、オ
イルタンクTとパワーシリンダP/Cの左、右シリンダ室
(C1,C2)との間の流路切換えを行なうように構成され
ている。なお、このような回転式流路切換弁16の構成お
よびその動作は従来から周知の通りで、詳細な説明は省
略する。
20は流路切換弁16を構成するロータ17およびスリーブ
18と一体的な入、出力軸12,13間に設けられた操舵力制
御装置11の一部を構成する油圧反力装置で、この油圧反
力装置20は、出力軸13に設けられたフランジ部に軸線方
向に貫通して形成された複数のガイド孔21と、このガイ
ド孔21内で軸線方向にのみ摺動自在に保持された複数個
のボール22と、これらボール22が係合する回転方向両側
が傾斜面とされているボール22と同数の係合凹部23を有
し入力軸12に前記フランジ部の一側面と対向して設けら
れた反力受部24と、前記フランジ部の他側面側に形成さ
れた油圧反力室25と、この油圧反力室25内に前記入、出
力軸12,13と同軸上で摺動自在に保持され前記ボール22
を反力受部24の係合凹部23内に押圧し反力油圧に応じた
拘束力を入、出力軸12,13間に作用せしめるリング状の
反力ピストン26とによって構成されている。なお、27は
油圧反力室25他端側をシールするために出力軸13外周に
わずかな油密クリアランスをもって嵌装されたシール部
材である。
このような構成において、車速等の各種走行条件に応
じて適宜供給される反力油圧により軸線方向右側に移動
される反力ピストン26右端部で出力軸13側のガイド孔21
内に保持されているボール22を押圧することで、ボール
22を入力軸12側の反力受部24の係合凹部23内に係入する
ように軸線方向に押圧し得るものであり、これにより油
圧反力による所要の拘束力が得られ、入、出力軸12,13
間での相対的な回転状態を適宜拘束し、必要とされる操
舵反力を得て適切な操舵力制御を行なえる。すなわち、
操舵時において入力軸12側が回転されると、ボール22は
係合凹部23のいずれか一方の傾斜面に乗上げ、この傾斜
量だけ軸線方向に移動し、このときに反力ピストン26を
押圧することによる反力が操舵反力として入力軸12側に
伝達される。
なお、このような油圧反力機構20としては、本実施例
構造に限定されず、従来から周知の油圧反力機構を用い
てよいものである。
一方、上述した操舵力制御装置11を構成する油圧反力
制御弁機構30は、次のような構成とされている。すなわ
ち、この油圧反力制御弁機構30は、第1図や第2図から
明らかなように、ボディ10a内の孔部30a内に嵌合して設
けられたスリーブ31と、このスリーブ31の軸孔(バルブ
孔31a)内に摺動自在に設けたスプール32と、このスプ
ール32に連結されてこれを進退動作させるソレノイド33
とを備えている。このソレノイド33は、図示しない車速
センサや操舵角センサ等からの検出信号が入力されるコ
ントローラによって通電電流が制御され、スプール32の
軸線方向での位置を制御するようになっている。なお、
第1図に示す実施例では、スリーブ31を、ボディ10aの
盲穴として形成された孔部30a内に嵌挿し、かつその底
部側に付勢手段31bを付設することでこのスリーブ31を
ソレノイド33側に付勢してその位置を推持するような構
成である場合を示している。
さて、本考案によれば、上述したように油圧反力制御
弁構構30としてバルブ孔31a内で軸線方向に摺動動作さ
れるスプール32外周のランド部34の一側に形成されポン
プPからの圧油の一部が分流して導かれる油圧供給通路
35を油圧反力室25に至る油圧反力通路36に接続する第1
のチャンファ部40を段差形状で形成するとともに、ラン
ド部34の他側に形成され油圧反力通路36をタンクT側へ
の排出通路37,38,39に接続する第2のチャンファ部41を
スプール32動作に伴なって可変絞りとなるようなテーパ
形状で形成するとともに、前記供給通路35側に固定絞り
42を設けるようにしたところに特徴を有している。ここ
で、図中43,44はスプール32の外周部でランド部34の両
側に形成される環状溝である。なお、この実施例では、
スプール32を、ソレノイド33側の出力軸33a上に環状溝
やランド部を有するスリ一ブ状部材を嵌装させて設けて
なる二重構造である場合を例示しているが、本考案はこ
のような構造に限定されるものではない。
また、このような構造による油圧反力制御弁機構30に
よれば、スプール32の軸線方向の変位量により、ポンプ
Pから供給通路35を経て導かれる圧油を、反力通路36ま
たは排出通路37側に分配制御し、反力通路36を経て油圧
反力室25への反力油圧を制御し、その結果として操舵時
における操舵力を制御することも、周知の通りである。
上述した構成による本考案を特徴づける油圧反力制御
弁機構30によれば、第3図および第4図(a),(b)
に示すように作動される。すなわち、据え切り時には第
4図(a)に示すように、第1のチャンファ部40により
供給通路35と反力通路36との間が切離され、油圧反力室
25への供給量がなく、操舵反力を最小限として適切な舵
取操作を行なえる。一方、低速走行時にあっては、第3
図および第4図(b)に示すように、車速に伴なうスプ
ール32の動きにかかわらず、第1のチャンファ部40にて
供給通路35から反力通路36への流通路を一定の開度に開
いて反力室25への供給流量grをその上流側の固定絞り42
にて制御される一定量以上に確保し、操舵時における応
答性や安定性を向上させ安定した操舵力制御を可能と
し、従来のような操舵力制御の不安定さを解決し得るも
のである。このバルブ変位に伴なう反力室25への供給流
量grや反力圧Prの関係を、第5図(a),(b)に示し
ており、特に油圧反力室25への供給流量が、スプール32
の動き開始直後で一定開度に維持される固定絞り42と第
1のチャンファ部40による絞り部とで一定量に確保され
ることが容易に理解されよう。
ここで、第6図ないし第8図(a),(b)に従来例
(単純なテーパ形状による第1および第2のチャンファ
部50,51を有するもの)によるスプール32の動きとその
特性とを示しており、特に第8図(a)において第1の
チャンファ部50による絞り開度が開動作直後に不安定と
なり、反方室25への供給流量が安定せず、その結果同図
(b)に示すように反力圧の上昇曲線の立ち上り増加率
が高く、第9図において低速時の油圧の立上りが不安定
となり易いものであったが、本考案によれば、第5図
(b)で示す特性曲線からも明らかなように制御し易い
緩やかな増加率を得られ、これにより第9図中破線で示
すような安定した上昇特性を得られるもので、その利点
は容易に理解されよう。
なお、本考案は上述した実施例構造に限定されず、各
部の形状、構造等を、適宜変形、変更することは自由で
ある。たとえば上述した実施例にあっては、操舵力制御
装置11を構成する油圧反力制御弁機構30におけるスプー
ル32の駆動源として直動型のソレノイド33を用いた場合
を説明したが、本考案はこれに限定されず、たとえばス
テッピングモータ等を始めとする回転駆動源を用いても
よいものであり、さらにこのような電気式駆動源に代え
て、車速に応動して圧油を増減して供給し得る車速感応
型ポンプを用い、この圧油の供給量によってスプール32
の軸線方向への動きを駆動制御する等の変形例も考えら
れる。この場合の制御弁構造を、第10図に示しており、
車速感応型ポンプ70からの圧油がスプール32の高圧室71
に選択的に供給されることにより、該スプール32が低圧
室72側に設けられている復帰スプリング73の付勢力に抗
して移動し、前述したと同様の油圧反力制御を行なえる
ことは容易に理解されよう。ここで、第10図中71aはス
プール32の高圧室71側への動きを規制するストッパであ
る。
また、上述した実施例で示した第1および第2のチャ
ンファ部40,41の形状や固定絞り42の形成位置等として
も、適宜の変形例が考えられることは言うまでもない。
〔考案の効果〕
以上説明したように本考案に係る動力舵取装置の操舵
力制御装置によれば、油圧反力制御弁機構としてバルブ
孔内で軸線方向に摺動動作されるスプール外周のランド
部の一側に形成され油圧供給源からの油圧供給通路を油
圧反力室に至る油圧反力通路に接続する第1のチャンフ
ァ部を段差形状で形成するとともに、ランド部の他側に
形成され油圧反力通路をタンク側への排出通路に接続す
る第2のチャンファ部をスプール動作に伴なって可変絞
りとなるようなテーパ形状で形成するとともに、前記供
給通路側に固定絞りを設けるようにしたので、簡単な構
成にもかかわらず、据え切り時には第1のチャンファ部
により供給通路と反力通路との間を切離し、操舵反力を
最小限として適切な舵取操作を行なえるようにするとと
もに、低速走行時には第1のチャンファ部にて供給通路
から反力通路への流通路を一定の開度に開いて反力室へ
の供給流量をその上流側の固定絞りにて制御される一定
量以上に確保し、操舵時における応答性や安定性を向上
させ、安定した操舵力制御を可能とし、従来のような操
舵力制御の不安定さを解決し得るという実用上種々優れ
た効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係る動力舵取装置の操舵力制御装置の
一実施例を示す要部拡大断面図、第2図は装置の全体構
成を説明するための概略断面図、第3図および第4図
(a),(b)は本考案を特徴づけるバルブスプールの
動作状態を示す概略図、第5図(a),(b)はそのバ
ルブスプールの動きに伴なう反力室への供給流量および
反力圧の制御特性を示す特性図、第6図ないし第8図
(a),(b)は従来構造によるスプールの動きおよび
その特性を説明するための図、第9図は従来構造におけ
る問題点を説明するための特性図、第10図は本考案の別
の実施例を示す概略図である。 11……操舵力制御装置、16……回転式流路切換弁、20…
…油圧反力装置、25……油圧反力室、30……油圧反力制
御弁装置、31……スリーブ、32……スプール、33……ソ
レノイド、34……ランド部、35……圧油供給通路、36…
…油圧反力通路、37,38,39……排出通路、40……第1の
チャンファ部、41……第2のチャンファ部、42……固定
絞り、43,44……環状構、70……車速感応型ポンプ、P
……オイルポンプ、T……オイルタンク。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】油圧供給源からの油圧供給通路を油圧反力
    室に至る油圧反力通路に接続する第1のチャンファ部
    と、前記油圧反力通路をタンク側への排出通路に接続す
    る第2のチャンファ部とを両側に形成したランド部を有
    するスプールを、バルブ孔内で軸線方向に摺動動作させ
    ることにより、車輌の各種走行条件に伴なう操舵反力を
    操舵系に与える油圧反力制御弁機構を備えてなる動力舵
    取装置の操舵力制御装置において、前記第1のチャンフ
    ァ部を段差形状で形成するとともに、第2のチャンファ
    部をスプール動作に伴なって可変絞りとなるようなテー
    パ形状で形成するとともに、前記供給通路側に固定絞り
    を設けたことを特徴とする動力舵取装置の操舵力制御装
    置。
JP14710489U 1989-12-22 1989-12-22 動力舵取装置の操舵力制御装置 Expired - Lifetime JP2504669Y2 (ja)

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