JP4484049B2 - 油圧パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車速等の運転状態に応じて操舵補助特性を変更可能な油圧パワーステアリング装置に関する。
操舵補助力発生用油圧アクチュエータに供給される圧油の油圧を、操舵トルクに応じた入力シャフトと出力シャフトの弾性的な相対回転量に応じて制御する制御バルブを備える油圧パワーステアリング装置においては、操舵トルクに応じて操舵補助特性を変化させることができる。そのような油圧パワーステアリング装置において、出力シャフトに形成されるガイド孔にプランジャを挿入し、そのプランジャを介して入力シャフトを押し付ける油圧を車両の運転状態に応じて調節する油圧パワーステアリング装置が知られている(特許文献1参照)。これにより、入力シャフトと出力シャフトの相対回転量を車速等の運転状態に応じて規制することで操舵補助力を変化させ、高車速での走行安定性や低車速での操舵に対する応答性を向上することができる。
実登第2509939号公報
上記従来の油圧パワーステアリング装置においては、図11に示すように、操舵トルクの変化に対する操舵補助力発生用油圧の変化のヒステリシスHが大きく、操舵フィーリングが悪化するという問題があった。本発明は、そのような問題を解決することのできる油圧パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
本発明は、入力シャフトと、前記入力シャフトに、操舵トルクに応じて弾性的に相対回転するよう連結される出力シャフトと、操舵補助力発生用油圧アクチュエータと、前記油圧アクチュエータに供給される圧油の油圧を、前記入力シャフトと前記出力シャフトの相対回転量に応じて制御する制御バルブと、前記入力シャフトと前記出力シャフトの相対回転を車両の運転状態に応じて規制する規制手段とを備え、前記規制手段は、前記入力シャフトと前記出力シャフトの中の一方に形成されるガイド孔と、前記入力シャフトと前記出力シャフトの中の他方に対して近接する方向と離隔する方向とに往復移動可能に前記ガイド孔に挿入されるプランジャと、前記入力シャフトと前記出力シャフトの中の他方と前記プランジャの一端との間に配置される球形の押し付け部材と、前記プランジャ及び前記押し付け部材を介して前記入力シャフトと前記出力シャフトの中の他方を押し付ける油圧を車両の運転状態に応じて調節する油圧調節機構とを有し、前記プランジャの一端に、前記入出力シャフトの軸方向に沿う溝が、その深さが溝中央に向かうに従い深くなるように形成され、前記入力シャフトと前記出力シャフトの中の他方の外周において前記プランジャと対向する部分に、前記入出力シャフトの軸方向に沿う溝が、その深さが溝中央に向かうに従い深くなるように形成され、前記押し付け部材は両溝の底面に挟み込まれ、前記入出力シャフトが相対回転すると、前記押し付け部材と前記両溝の底面との接触位置が変化して前記プランジャが前記入出力シャフトの径方向に沿って移動するように、前記入出力シャフトが相対回転していない直進状態で、前記両溝の中央位置は前記入出力シャフトの径方向において互いに対向するように配置され、前記プランジャは前記ガイド孔の内周により、前記入出力シャフトの相対回転時に前記往復移動方向に案内される油圧パワーステアリング装置において、前記ガイド孔の内周と前記プランジャの外周との間に摩擦低減部材が介在され、前記摩擦低減部材は、前記ガイド孔の内周と前記プランジャの外周との間において転動する球体であり、前記ガイド孔の内周と前記プランジャの外周との中の少なくとも一方に、前記プランジャの往復移動方向に沿う3列以上の軌道溝が前記ガイド孔の周方向の間隔をおいて形成され、前記各軌道溝それぞれに複数の前記球体が前記入出力シャフトの径方向に沿って並列するように配置されていることを特徴とする。
本件発明者は、従来の油圧パワーステアリング装置において操舵トルクの変化に対する操舵補助力発生用油圧の変化のヒステリシスが大きくなる原因は、ガイド孔の内周とプランジャの外周との間の摩擦に基づき、そのプランジャの移動が阻害されることに起因することを見い出した。これにより、そのガイド孔の内周とプランジャの外周との間に摩擦低減部材を配置することで、そのヒステリシスを低減することを想到した。その摩擦低減部材を介してプランジャはガイド孔の内周により往復移動方向に案内されるので、プランジャは円滑に移動し、図10に示すように操舵トルクの変化に対する操舵補助力発生用の圧油の油圧の変化のヒステリシスHを小さくできる。そのガイド孔の内周とプランジャの外周との間の摩擦は転がり摩擦になるので低減され、ガイド孔の内周により球体を介して支持されるプランジャが、その往復移動方向に対して傾くのを防止でき、ガイド孔の内周とプランジャの外周とは直接に接することなく確実に球体に接する。さらに、球体の数が多くなることで、各球体それぞれに接触するガイド孔の内周の負荷を低減できる。よって、ガイド孔の内周を硬化するための表面処理を簡単化したり不要にでき、コストの増大を阻止できる。さらに、前記ガイド孔の内周と前記プランジャの外周との間にリテーナが挿入され、前記球体は前記リテーナにより保持されているのが好ましい。
本発明によれば、車速等の運転状態に応じて操舵補助力を変化させる油圧パワーステアリング装置において、低コストで簡単な構造により良好な操舵フィーリングを得ることができる。
比較例
図1に示す比較例のラックピニオン式油圧パワーステアリング装置1は、車両のステアリングホイール(図示省略)に連結される金属製入力シャフト2と、入力シャフト2に操舵トルクに応じて弾性的に相対回転するようトーションバー6を介して連結される金属製出力シャフト3を備えている。すなわち、トーションバー6は、ピン4を介して入力シャフト2に連結され、セレーション5を介して出力シャフト3に連結され、これにより入力シャフト2と出力シャフト3は同軸中心に弾性的に相対回転する。入力シャフト2の一端側はベアリング8を介してハウジング7により支持される。入力シャフト2の他端側は、出力シャフト3の一端側の端部に形成された凹部に挿入されると共に、その凹部の内周によりブッシュ12を介して支持されている。出力シャフト3は、ベアリング10、11を介してハウジング7により回転可能に支持されている。出力シャフト3にピニオン15が一体的に形成され、ピニオン15に噛み合うラック16に車輪(図示省略)が連結される。これにより、操舵による入力シャフト2の回転は、トーションバー6を介してピニオン15に伝達され、ピニオン15の回転によりラック16は車両幅方向に移動し、ラック16の移動により車両の舵角が変化する。なお、ラック16を支持するサポートヨーク40がバネ41の弾力によりラック16に押し付けられている。
操舵補助力発生用油圧アクチュエータとして油圧シリンダ20が設けられている。油圧シリンダ20は、ハウジング7と一体のシリンダチューブと、ラック16に一体化されるピストン21を備え、シリンダチューブ内にピストン21により仕切られる油室22、23が形成されている。
油圧シリンダ20に供給される圧油の油圧を、入力シャフト2と出力シャフト3の相対回転量に応じて制御するロータリー式油圧制御バルブ30が設けられている。制御バルブ30は、ハウジング7に回転可能に挿入されている筒状の第1バルブ部材31と、第1バルブ部材31に同軸中心に相対回転可能に挿入されている第2バルブ部材32を備えている。第1バルブ部材31は出力シャフト3にピン33を介して同軸中心に同行回転するよう連結されている。第2バルブ部材32は入力シャフト2の外周に一体的に成形され、これにより第2バルブ部材32は入力シャフト2と同軸中心に同行回転する。ハウジング7に、圧油吐出用ポンプ42に接続されるポートと、タンク43に接続されるポートと、油圧シリンダ20の一方の油室22に接続されるポートと、他方の油室23に接続されるポートが設けられ、各ポートは第1バルブ部材31と第2バルブ部材32の間における弁間流路27を介して互いに連通する。弁間流路27における絞り部の開度が入出力シャフト2、3の相対回転量に応じて変化する。例えば図2に示すように、制御バルブ30は、第1バルブ部材31の内周における複数の第1溝48の軸方向縁と、第2バルブ部材32の外周における複数の第2溝49の軸方向縁との間が絞り部A、B、C、Dとされ、一方の油室22に通じる第1溝48と他方の油室23に通じる第1溝48とが周方向において交互に配置され、ポンプ42に通じる第2溝49とトーションバー6と入力シャフト2との間を介してタンク43に通じる第2溝49とが周方向において交互に配置される。これにより、図3に示す油圧回路が構成される。操舵が行なわれていない時は、各絞り部A、B、C、Dが開き油圧は上昇しないので操舵補助力は発生しない。右操舵時は、入力シャフト2と出力シャフト3の相対回転量に応じて絞り部A、Dの開度が大きくなり、絞り部B、Cの開度が小さくなり、一方の油室22に圧油が供給され、他方の油室23からタンク43に油が還流し、その相対回転量に応じた右方向への操舵補助力を油圧シリンダ20は発生する。左操舵時は、絞り部A、B、C、Dの開度が右操舵時と逆になり、その相対回転量に応じた左方向への操舵補助力を油圧シリンダ20は発生する。
入力シャフト2と出力シャフト3の相対回転を車両の運転状態に応じて規制する規制手段50が設けられている。規制手段50は、出力シャフト3に形成された複数のガイド孔51と、各ガイド孔51に挿入されたプランジャ52と、油圧調節機構60を有する。
図4〜図6に示すように、各ガイド孔51の一端は出力シャフト3の内周において入力シャフト2の外周に対向するように開口し、他端は出力シャフト3の外周において開口する。各ガイド孔51の内周は円柱面に沿うものとされている。
各プランジャ52は、入力シャフト2に対して近接する方向と離隔する方向とに入出力シャフト2、3の径方向に沿って往復移動可能とされている。各プランジャ52の外周は段付き円柱面に沿うものとされ、出力シャフト3の内周側が外周側よりも小径とされている。プランジャ52の外周の小径部分に環状部材52aが一体化するように嵌め合わされ、環状部材52aの外周にオイルシール58が嵌め合わされている。各プランジャ52の一端と入力シャフト2との間に球形の金属製押し付け部材59が配置されている。各プランジャ52の一端に入出力シャフト2、3の軸方向に沿う溝52′が、その深さが溝中央に向かうに従い深くなるように形成されている。入力シャフト2の外周において各プランジャ52と対向する部分に、入出力シャフト2、3の軸方向に沿う溝2′が、その深さが溝中央に向かうに従い深くなるように形成されている。押し付け部材59は両溝2′、52′の底面に挟み込まれる。入出力シャフト2、3が相対回転していない直進状態で、両溝2′、52′の中央位置は入出力シャフト2、3の径方向において互いに対向するように配置される。これにより、入出力シャフト2、3が相対回転すると、押し付け部材59と溝2′、52′の底面との接触位置が変化し、プランジャ52は入出力シャフト2、3の径方向に沿って移動する。
ガイド孔51の内周とプランジャ52の大径部分の外周との間に、摩擦低減部材として複数の鋼球(球体)53が介在する。鋼球53を介してプランジャ52はガイド孔51の内周により上記往復移動方向に案内され、この案内に際して鋼球53は転動する。本比較例では、図6に示すように、ガイド孔51の内周にプランジャ52の往復移動方向に沿う2列の内周軌道溝51″がガイド孔51の周方向に180度の間隔をおいて形成され、プランジャ52の外周に内周軌道溝51″に対向する2列の外周軌道溝52″がプランジャ52の往復移動方向に沿いガイド孔51の周方向に180度の間隔をおいて形成され、軌道溝51″、52″それぞれに複数の鋼球53が配置される。各鋼球53は円筒状リテーナ54により保持される。リテーナ54はガイド孔51の内周とプランジャ52の外周との間に挿入され、鋼球53を保持孔54aの内周により保持する。図5に示すように、リテーナ54の一端にフランジ54bが形成され、ガイド孔51の内周の段差に接することで内方への必要以上の移動が規制され、鋼球53の脱落が防止されている。なお、球体として、鋼球53に代えて合成樹脂等の他の材質のものを用いてもよい。
図4に示すように、出力シャフト3の外周とハウジング7の内周との間を油密状にシールする一対のシール部材55、56が軸方向間隔をおいて設けられ、両シール部材55、56の間に各プランジャ52が位置される。これにより、各プランジャ52の他端とハウジング7の内周との間は油室57とされ、両油室57は周溝7′を介して連通する。油室57はポンプ42に油圧調節機構60を介して接続される。油圧調節機構60は、プランジャ52を介して入力シャフト2を押し付ける油圧を車両の運転状態に応じて調節する。これにより、各プランジャ52を介して油圧により入力シャフト2を押し付け、入力シャフト2と出力シャフト3との相対回転を規制することができる。
図7に示すように、油圧調節機構60は、ハウジング7に形成された保持孔61に相対回転しないように挿入された筒状スリーブ62と、スリーブ62に自身の軸中心に相対回転可能に挿入されたスプール63を備えている。スリーブ62に、制御バルブ30を介してポンプ42に通じる圧油導入ポート62aと、油室57に通じる圧油送り出しポート62bが形成されている。スプール63に、圧油導入ポート62aに通じる外周溝63aと、圧油送り出しポート62bと重なる位置に配置される通孔63bと、外周溝63aと通孔63bを接続する圧油通路63cと、通孔63bを保持孔61に接続する絞り通路63dが形成される。保持孔61内はドレン流路を介してタンク43に通じる。図8に示すように、スリーブ62の圧油送り出しポート62bとスプール63の通孔63bとの重なり部分(図においてハッチングで示す)は可変絞り60aを構成し、可変絞り60aの開度はスプール63の回転量に応じて変化する。スプール63は減速機構65を介してモータ66に接続され、モータ66の回転量は制御装置67により制御される。モータ66として例えばステッピングモータを用いることができる。制御装置67は、車両の運転状態を検知するセンサからの信号に応じてモータ66を制御する。制御装置67は、車両の運転状態として車速を検出するセンサからの車速信号に基づき、車速が高速になる程に可変絞り60aの開度が大きくなるようにモータ66を制御する。すなわち、高速走行時には可変絞り60aの開度を大きくすることでプランジャ52を介して入力シャフト2を押し付ける油圧を大きくし、入出力シャフト2、3の相対回転の規制力を増加させる。車速が低下する程に可変絞り60aの開度を小さくして入力シャフト2を押し付ける油圧を小さくし、入出力シャフト2、3の相対回転の規制を緩和する。これにより、高車速時は入力シャフト2と出力シャフト3の相対回転量に応じた操舵補助力発生用油圧の増加が規制されて走行安定性が図られ、低車速時は舵補助力発生用油圧の増加規制が緩和されて操舵の高応答性が図られる。
上記比較例によれば、入出力シャフト2、3の相対回転時にプランジャ52はガイド孔51の内周により鋼球53を介して往復移動方向に案内され、ガイド孔51の内周とプランジャ52の外周との間の摩擦は転がり摩擦になるので低減され、プランジャ52が円滑に移動し、操舵トルクの変化に対する操舵補助力発生用の圧油の油圧の変化のヒステリシスを小さくできる。
図9は本発明の実施形態を示す。上記比較例との相違は、ガイド孔51の内周における内周軌道溝51″とプランジャ52の外周における外周軌道溝52″が、それぞれガイド孔51の周方向の間隔をおいて10列形成され、軌道溝51″、52″それぞれに複数の鋼球53が配置される点にある。これにより、ガイド孔51の内周により鋼球53を介して支持されるプランジャ52が、その往復移動方向に対して傾くのを防止でき、ガイド孔51の内周とプランジャ52の外周とは直接に接することなく確実に鋼球53に接する。さらに、鋼球53の数が多くなることで、各鋼球53それぞれに接触するガイド孔51の内周の負荷を低減できる。よって、ガイド孔51の内周を硬化するための表面処理を簡単化したり不要にでき、コストの増大を阻止できる。他は比較例と同様とされ、同一部分は同一符号で示す。なお、内周軌道溝51″と外周軌道溝52″を3列以上であれば10列以外にしてもよいし、内周軌道溝51″と外周軌道溝52″の中の一方のみを形成するようにしてもよい。
本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態ではガイド孔とプランジャは2つとされているが、その数は特に限定されない。また入力シャフトにガイド孔を形成し、プランジャを介して出力シャフトを押し付ける油圧を作用させるようにしてもよい。車両の運転状態として車速以外の例えば舵角に応じて油圧調節機構により油圧を調節するようにしてもよい。本発明はラックピニオン式以外の油圧パワーステアリング装置にも適用でき、例えば出力シャフトがボールスクリューシャフトに一体化されているボールスクリュー式油圧パワーステアリング装置に適用してもよい。
本発明の比較例の油圧パワーステアリング装置の縦断面図 本発明の比較例の油圧パワーステアリング装置における制御バルブの横断面図 本発明の比較例の油圧パワーステアリング装置における油圧回路 本発明の比較例の油圧パワーステアリング装置における規制手段の要部の側断面図 本発明の比較例の油圧パワーステアリング装置における規制手段の要部の平断面図 本発明の比較例の油圧パワーステアリング装置における規制手段の要部の正断面図 本発明の比較例の油圧パワーステアリング装置における油圧調節機構の断面図 本発明の比較例の油圧パワーステアリング装置における油圧調節機構の作用説明図 本発明の実施形態の油圧パワーステアリング装置における規制手段の要部の正断面図 本発明の油圧パワーステアリング装置における操舵トルクと操舵補助力発生用の圧油の油圧との関係を示す図 従来の油圧パワーステアリング装置における操舵トルクと操舵補助力発生用の圧油の油圧との関係を示す図
2 入力シャフト
3 出力シャフト
20 油圧シリンダ(操舵補助力発生用油圧アクチュエータ)
30 制御バルブ
50 規制手段
51 ガイド孔
52 プランジャ
53 鋼球(摩擦低減部材)
51″ 内周軌道溝
52″ 外周軌道溝
60 油圧調節機構

Claims (2)

  1. 入力シャフトと、
    前記入力シャフトに、操舵トルクに応じて弾性的に相対回転するよう連結される出力シャフトと、
    操舵補助力発生用油圧アクチュエータと、
    前記油圧アクチュエータに供給される圧油の油圧を、前記入力シャフトと前記出力シャフトの相対回転量に応じて制御する制御バルブと、
    前記入力シャフトと前記出力シャフトの相対回転を車両の運転状態に応じて規制する規制手段とを備え、
    前記規制手段は、前記入力シャフトと前記出力シャフトの中の一方に形成されるガイド孔と、前記入力シャフトと前記出力シャフトの中の他方に対して近接する方向と離隔する方向とに往復移動可能に前記ガイド孔に挿入されるプランジャと、前記入力シャフトと前記出力シャフトの中の他方と前記プランジャの一端との間に配置される球形の押し付け部材と、前記プランジャ及び前記押し付け部材を介して前記入力シャフトと前記出力シャフトの中の他方を押し付ける油圧を車両の運転状態に応じて調節する油圧調節機構とを有し、
    前記プランジャの一端に、前記入出力シャフトの軸方向に沿う溝が、その深さが溝中央に向かうに従い深くなるように形成され、
    前記入力シャフトと前記出力シャフトの中の他方の外周において前記プランジャと対向する部分に、前記入出力シャフトの軸方向に沿う溝が、その深さが溝中央に向かうに従い深くなるように形成され、
    前記押し付け部材は両溝の底面に挟み込まれ、
    前記入出力シャフトが相対回転すると、前記押し付け部材と前記両溝の底面との接触位置が変化して前記プランジャが前記入出力シャフトの径方向に沿って移動するように、前記入出力シャフトが相対回転していない直進状態で、前記両溝の中央位置は前記入出力シャフトの径方向において互いに対向するように配置され、
    前記プランジャは前記ガイド孔の内周により、前記入出力シャフトの相対回転時に前記往復移動方向に案内される油圧パワーステアリング装置において、
    前記ガイド孔の内周と前記プランジャの外周との間に摩擦低減部材が介在され、
    前記摩擦低減部材は、前記ガイド孔の内周と前記プランジャの外周との間において転動する球体であり、
    前記ガイド孔の内周と前記プランジャの外周との中の少なくとも一方に、前記プランジャの往復移動方向に沿う3列以上の軌道溝が前記ガイド孔の周方向の間隔をおいて形成され、前記各軌道溝それぞれに複数の前記球体が前記入出力シャフトの径方向に沿って並列するように配置されていることを特徴とする油圧パワーステアリング装置。
  2. 記ガイド孔の内周と前記プランジャの外周との間にリテーナが挿入され、
    前記球体は前記リテーナにより保持されている請求項1に記載の油圧パワーステアリング装置。
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