JP3655696B2 - 可変絞り弁および油圧パワーステアリング装置 - Google Patents

可変絞り弁および油圧パワーステアリング装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スプールの軸方向変位に伴い開度が変化する絞り部を備える可変絞り弁と、その可変絞り弁を用いた油圧パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧パワーステアリング装置においては、操舵抵抗に応じ開度が変化する複数の絞り部を有する油圧制御弁を用い、その絞り部の開度を操舵抵抗に応じ変化させることで、操舵補助力発生用油圧アクチュエータに作用する油圧を制御している。
【0003】
そのアクチュエータに作用する油圧に対する操舵抵抗の関係を、車速や操舵角等の運転条件に応じて変化させ、高速になる程に操舵の安定性を向上すると共に低速になる程に操舵の応答性を向上することを図っている。そのため、その油圧制御弁における複数の絞り部を第1の組と第2の組とに組分けし、第1の組に属する絞り部では第2の組に属する絞り部よりも操舵抵抗の変化に対する油圧変化割合を大きくし、第1の組に属する絞り部により制御される圧油流量の第2の組に属する絞り部により制御される圧油流量に対する割合を、車速や操舵角等の運転条件に応じ変化させている。その割合を変化させるため、運転条件に応じ開度が変化する可変絞り弁を、その油圧制御弁に接続している。
【0004】
そのような可変絞り弁として、ハウジングと、このハウジングに軸方向移動可能に挿入されるスプールと、このスプールに径方向の隙間を介してねじ合わされるネジ部材と、このネジ部材を回転駆動するアクチュエータと、そのネジ部材の回転によるスプールの軸方向移動によって開度が変化する絞り部とを備えたもの(実公平3‐9572号公報参照)を用いることができる。すなわち、そのネジ部材の回転角度をステッピングモータ等のアクチュエータにより、車速や操舵角等に応じて変化させることで、その絞り部の開度を変化させ、その絞り部を通過する流体の流量や圧力を制御できる。
【0005】
上記従来の可変絞り弁においては、そのネジ部材とアクチュエータの出力シャフトとは、ピンを圧入することで固定されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ネジ部材とアクチュエータの出力シャフトとを、ピンの圧入等により固定した場合、そのネジ部材と出力シャフトは径方向に相対変位することができない。
そのため、その出力シャフトの軸心に対し、そのネジ部材にねじ合わされるスプールの雌ねじ孔の軸心の位置精度や、そのスプールが挿入されるハウジングの挿入孔の軸心の位置精度が非常に高くないと、スプールの外周とハウジングの挿入孔の内周とがこじれてしまい、作動不良の原因になる。しかし、そのような位置精度を高くするには、部品加工精度や組み立て精度を高くする必要があるため、製造コストが上昇する。
【0007】
そこで、スプールとネジ部材とを径方向の隙間を介してねじ合わせ、また、出力シャフトとネジ部材を径方向の隙間を介して回転伝達可能に連結することが考えられる。
これにより、スプールとネジ部材と出力シャフトは径方向に相対変位でき、径方向の遊びを確保できるので、上記位置精度がそれ程高くない場合でも、スプールの外周とハウジングの挿入孔の内周とがこじれるのを防止できる。
【0008】
しかし、アクチュエータの出力シャフトとネジ部材との間に径方向の隙間があると、ネジ部材の軸心が出力シャフトの軸心に対し傾斜してしまう。
すなわち、ネジ部材の軸心とスプールの軸心とは少なくとも公差分だけは偏心するため、ネジ部材の回転によりスプールを軸方向移動させる際に、ネジ部材に径方向力が作用する。その径方向力が作用すると、ネジ部材と出力シャフトとスプールとの間に径方向の隙間があることにより、ネジ部材の軸心は出力シャフトの軸心に対し傾斜する。そのように軸心が傾斜した状態でネジ部材が回転すると、ネジ部材が揺動するため、スプールの外周とハウジングの挿入孔の内周とがこじれて作動状態が不安定になり、所望の絞り特性を得ることができなくなる。そのため、上記のように可変絞り弁を油圧パワーステアリング装置に適用した場合、所望の操舵特性を得ることができなくなる。
【0009】
本発明は、上記課題を解決することのできる可変絞り弁と油圧パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ハウジングと、このハウジングに軸方向移動可能に挿入されるスプールと、このスプールに径方向の隙間を介してねじ合わされるネジ部材と、このネジ部材を回転駆動するアクチュエータと、そのネジ部材の回転によるスプールの軸方向移動によって開度が変化する絞り部とを備える可変絞り弁において、その出力シャフトに、そのネジ部材が、径方向の隙間を介して回転伝達可能に連結され、そのネジ部材に、一端面において開口する第1支持孔が軸心に沿って形成され、その第1支持孔に、その出力シャフトが、その第1支持孔の内周の円柱面が出力シャフトの外周の円柱面によって支持されるように挿入され、そのハウジング側に、その出力シャフトと軸方向に間隔をおいた位置で、そのネジ部材の軸心に沿い第2支持孔が形成され、その第2支持孔に、そのネジ部材が、そのネジ部材の外周の円柱面が第2支持孔の内周の円柱面によって支持されるように挿入されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の構成によれば、スプールとネジ部材とのねじ合わせ部に径方向の隙間があり、アクチュエータの出力シャフトにネジ部材を、径方向の隙間を介して回転伝達可能に連結しているので、スプールとネジ部材と出力シャフトは径方向に相対変位できる。これにより、出力シャフトの軸心に対し、そのネジ部材にねじ合わされるスプールの雌ねじ孔の軸心の位置精度や、そのスプールが挿入されるハウジングの挿入孔の軸心の位置精度がそれ程高くなくても、スプールの外周とハウジングの挿入孔の内周とがこじれることはない。
【0012】
また、出力シャフトとネジ部材とスプールとの間に径方向の隙間があり、ネジ部材の軸心とスプールの軸心との偏心に基づきネジ部材に径方向力が作用したとしても、本発明の構成によれば、ネジ部材の軸心が出力シャフトの軸心に対し傾斜するのを抑制できる。
これは、ネジ部材における第1支持孔の内周の円柱面が出力シャフトの外周の円柱面によって支持され、この支持位置から軸方向に離れた位置において、ネジ部材における外周の円柱面がハウジング側の第2支持孔の内周の円柱面によって支持されることによる。
すなわち、ネジ部材は2点支持されるので、径方向力が作用したとしても出力シャフトの軸心に対し傾斜するのが抑制される。これにより、ネジ部材の回転時の揺動を抑制し、スプールの外周とハウジングの挿入孔の内周とがこじれるのを防止でき、作動状態が安定して所望の絞り特性を得ることができる。
【0013】
さらに、ネジ部材の端面において開口する第1支持孔の内周の円柱面を、出力シャフトの外周の円柱面により支持することで、ネジ部材の軸方向寸法を大きくすることなく、ネジ部材の2点支持を可能にしている。これにより、可変絞り弁の大型化を防止できる。
【0014】
本発明の可変絞り弁において、その第1支持孔の内周の円柱面と出力シャフトの外周の円柱面との間の径方向の隙間と、その第2支持孔の内周の円柱面とネジ部材の外周の円柱面との間の径方向の隙間とは、そのスプールとネジ部材とのねじ合わせ部における径方向の隙間と、その出力シャフトとネジ部材との回転伝達部における径方向の隙間よりも小さくされているのが好ましい。
これにより、径方向力が作用した場合のネジ部材の軸心の出力シャフトの軸心に対する傾斜を小さくし、ネジ部材の回転時の揺動をより抑制し、スプールの外周とハウジングの挿入孔の内周とがこじれるのをより確実に防止でき、作動状態をより安定させて所望の絞り特性を得ることができる。
【0015】
本発明の可変絞り弁においては、そのスプールの軸心とネジ部材の軸心とが、スプールとネジ部材との連れ回りを防止できるように偏心しているのが好ましい。
その偏心によりスプールとネジ部材との連れ回りを防止することで、その連れ回りを防止するための専用の部品や加工が不要になる。よって、部品点数が多くなることはなく、構造および組立が簡単になり、コストおよび工数を低減できる。また、その偏心により、ネジ部材に作用する径方向力は大きくなるが、ネジ部材の回転時の揺動を抑制しているので、スプールの外周とハウジングの挿入孔の内周とがこじれるのを防止でき、作動状態が安定して所望の絞り特性を得ることができる。
【0016】
本発明の油圧パワーステアリング装置は、操舵抵抗に応じ開度が変化する複数の絞り部を有する油圧制御弁を備え、その絞り部の開度を操舵抵抗に応じ変化させることで操舵補助力発生用油圧アクチュエータに作用する油圧が制御され、その油圧制御弁における複数の絞り部は第1の組と第2の組とに組分けされ、第1の組に属する絞り部では第2の組に属する絞り部よりも操舵抵抗の変化に対する油圧変化割合が大きくされ、第1の組に属する絞り部により制御される圧油流量の第2の組に属する絞り部により制御される圧油流量に対する割合を変化させることができるように、本発明の可変絞り弁が油圧制御弁に接続され、その可変絞り弁のネジ部材を回転駆動するアクチュエータを運転条件に応じ制御する手段が設けられていることを特徴とする。
【0017】
本発明の油圧パワーステアリング装置によれば、本発明による可変絞り弁のスプールを運転条件に応じ軸方向に変位させることで、第1の組に属する絞り部により制御される圧油流量の第2の組に属する絞り部により制御される圧油流量に対する割合を変化させることができる。その割合の変化により、高速になる程に操舵の安定性を向上し、低速になるほどに操舵の応答性を向上することができる。そのスプールの軸方向変位により、可変絞り弁の絞り部の開度制御を精密に安定して行なうことで、所望の操舵特性を得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0019】
図1に示すラックピニオン式油圧パワーステアリング装置1は、車両のハンドル(図示省略)に連結される入力軸2と、この入力軸2にトーションバー6を介し連結される出力軸3とを備えている。そのトーションバー6は、ピン4により入力軸2に連結され、セレーション5により出力軸3に連結されている。その入力軸2は、ベアリング8を介しバルブハウジング7により支持され、また、ベアリング12を介し出力軸3により支持されている。その出力軸3はベアリング10、11を介しラックハウジング9により支持されている。その出力軸3にピニオン15が形成され、このピニオン15に噛み合うラック16に操舵用車輪(図示省略)が連結される。これにより、操舵による入力軸2の回転は、トーションバー6を介してピニオン15に伝達される。そのピニオン15の回転により、ラック16は車両幅方向に移動し、このラック16の移動により車両の操舵がなされる。なお、入出力軸2、3とハウジング7との間にはオイルシール42、43が介在する。また、ラック16を支持するサポートヨーク40が、バネ41の弾力によりラック16に押し付けられている。
【0020】
操舵補助力発生用油圧アクチュエータとして油圧シリンダ20が設けられている。この油圧シリンダ20は、ラックハウジング9により構成されるシリンダチューブと、ラック16に一体化されるピストン21とを備えている。そのピストン21により仕切られる油室22、23に、操舵方向と操舵抵抗とに応じて圧油を供給するため、ロータリー式油圧制御弁30が設けられている。
【0021】
その制御弁30は、バルブハウジング7に相対回転可能に挿入されている筒状の第1バルブ部材31と、この第1バルブ部材31に同軸中心に相対回転可能に挿入されている第2バルブ部材32とを備えている。その第1バルブ部材31は出力軸3に、ピン29により同行回転するよう連結されている。その第2バルブ部材32は、入力軸2と一体的に成形されている。すなわち、入力軸2の外周部により第2バルブ部材32が構成され、第2バルブ部材32は入力軸2と同行回転する。よって、第1バルブ部材31と第2バルブ部材32とは、操舵抵抗に応じ前記トーションバー6がねじれることで、同軸中心に相対回転する。
【0022】
そのバルブハウジング7に、ポンプ70に接続される入口ポート34と、前記油圧シリンダ20の一方の油室22に接続される第1ポート37と、他方の油室23に接続される第2ポート38と、直接にタンク71に接続される第1出口ポート36と、後述の可変絞り弁60を介しタンク71に接続される第2出口ポート61とが設けられている。各ポート34、36、37、38、61は、その第1バルブ部材31と第2バルブ部材32との内外周間の弁間流路27を介し互いに接続される。
【0023】
すなわち、図3、図4に示すように、第1バルブ部材31の内周に8ケの凹部50a、50b、50cが周方向に関し互いに等間隔に形成され、第2バルブ部材32の外周に8ケの凹部51a、51b、51cが周方向に関し互いに等間隔に形成されている。図4は実線により第2バルブ部材32の展開図を示し、鎖線により第1バルブ部材31に形成された凹部50a、50b、50cを示す。第1バルブ部材31に形成された凹部50a、50b、50cの間に第2バルブ部材32に形成された凹部51a、51b、51cが位置する。
【0024】
その第1バルブ部材31に形成された凹部は、2ケの右操舵用凹部50aと、2ケの左操舵用凹部50bと、4ケの連絡用凹部50cとを構成する。その2ケの右操舵用凹部50aは、第1バルブ部材31に形成された流路53と前記第1ポート37とを介し油圧シリンダ20の右操舵補助力発生用油室22に接続され、互いに周方向に180°離れて配置される。その2ケの左操舵用凹部50bは、第1バルブ部材31に形成された流路54と前記第2ポート38とを介し油圧シリンダ20の左操舵補助力発生用油室23に接続され、互いに周方向に180°離れて配置される。
【0025】
その第2バルブ部材32に形成された凹部は、4ケの圧油供給用凹部51aと、2ケの第1圧油排出用凹部51bと、2ケの第2圧油排出用凹部51cとを構成する。その4ケの圧油供給用凹部51aは、第1バルブ部材31に形成された圧油供給路55と前記入口ポート34とを介しポンプ70に接続され、互いに周方向に90°離れて配置される。その2ケの第1圧油排出用凹部51bは、入力軸2に形成された流路52aから入力軸2とトーションバー6との間を通り、入力軸2に形成された流路52b(図1参照)と第1出口ポート36とを介しタンク71に接続され、互いに周方向に180°離れて配置される。その2ケの第2圧油排出用凹部51cは、第1バルブ部材31に形成された流路59と第2出口ポート61とを介し可変絞り弁60に接続され、互いに周方向に180°離れて配置されている。
【0026】
各第1圧油排出用凹部51bは右操舵用凹部50aと左操舵用凹部50bとの間に配置され、各第2圧油排出用凹部51cは連絡用凹部50cの間に配置され、右操舵用凹部50aと連絡用凹部50cとの間および左操舵用凹部50bと連絡用凹部50cとの間に圧油供給用凹部51aは配置される。
【0027】
その第1バルブ部材31に形成された凹部50a、50b、50cの軸方向に沿う縁と第2バルブ部材32に形成された凹部51a、51b、51cの軸方向に沿う縁との間が絞り部A、A′、B、B′、C、C′、D、D′を構成する。これにより、各絞り部A、A′、B、B′、C、C′、D、D′はポンプ70とタンク71と油圧シリンダ20とを接続する弁間流路27に配置されている。
【0028】
図5に示すように、その第2バルブ部材32に形成された凹部51a、51b、51cの軸方向に沿う縁は面取り部とされている。その連絡用凹部50cと第2圧油排出用凹部51cとの間の絞り部B′、D′における第2圧油排出用凹部51cの軸方向に沿う縁(図3において△で囲む)の面取り部の幅をW、圧油供給用凹部51aと連絡用凹部50cとの間の絞り部A′、C′における圧油供給用凹部51aの軸方向に沿う縁(図3において□で囲む)の面取り部の幅をW′、その他の第2バルブ部材32に形成された凹部の軸方向に沿う縁(図3において○で囲む)の面取り部の幅をW″として、図4、図5に示すように、W>W′>W″とされている。操舵抵抗のない状態(図4、図5の状態)にある各絞り部A、A′、B、B′、C、C′、D、D′を全閉するのに要する両バルブ部材31、32の相対回転角度(以下、「閉鎖角度」という)を互いに比較すると、連絡用凹部50cと第2圧油排出用凹部51cとの間の絞り部B′、D′の閉鎖角度θrは、圧油供給用凹部51aと連絡用凹部50cとの間の絞り部A′、C′の閉鎖角度θsよりも大きく、両閉鎖角度θr、θsは、他の各絞り部A、B、C、Dの閉鎖角度θtよりも大きい。これにより、第1バルブ部材31と第2バルブ部材32との間の各絞り部は、複数の絞り部A、B、C、Dからなる第1の組と、第1の組に属する各絞り部A、B、C、Dよりも閉鎖角度の大きな複数の絞り部A′、B′、C′、D′からなる第2の組とに組分けされる。また、第2の組に属する絞り部は、圧油供給用凹部51aと連絡用凹部50cとの間の絞り部A′、C′と、この絞り部A′、C′よりも閉鎖角度の大きな連絡用凹部50cと第2圧油排出用凹部51cとの間の絞り部B′、D′の2種類とされる。
【0029】
その入力軸2と出力軸3は、路面から操舵用車輪を介し伝達される抵抗によるトーションバー6のねじれによって相対回転する。その相対回転により第1バルブ部材31と第2バルブ部材32とが相対回転することで、各絞り部A、B、C、D、A′、B′、C′、D′の流路面積が変化し、油圧シリンダ20が操舵方向と操舵抵抗に応じた操舵補助力を発生する。第1の組に属する絞り部A、B、C、Dは第2の組に属する絞り部A′、B′、C′、D′よりも、閉鎖角度が小さいので、その操舵抵抗の変化に対する油圧変化割合は大きくなる。
【0030】
すなわち、図4は操舵が行なわれていない状態を示し、両バルブ部材31、32の間の絞り部A、B、C、D、A′、B′、C′、D′は全て開かれ、入口ポート34と各出口ポート36、61とは弁間流路27を介し連通し、ポンプ70から制御バルブ30に流入する油はタンク71に還流し、操舵補助力は発生しない。
【0031】
この状態から右方へ操舵することによって生じる操舵抵抗により両バルブ部材31、32が相対回転すると、図3に示すように、圧油供給用凹部51aと右操舵用凹部50aとの間の絞り部Aおよび左操舵用凹部50bに隣接する圧油供給用凹部51aと連絡用凹部50cとの間の絞り部A′の流路面積が大きくなり、右操舵用凹部50aと第1圧油排出用凹部51bとの間の絞り部Bおよび左操舵用凹部50bに隣接する圧油供給用凹部51aに隣接する連絡用凹部50cと第2圧油排出用凹部51cとの間の絞り部B′の流路面積が小さくなり、圧油供給用凹部51aと左操舵用凹部50bとの間の絞り部Cおよび右操舵用凹部50aに隣接する圧油供給用凹部51aと連絡用凹部50cとの間の絞り部C′の流路面積が小さくなり、左操舵用凹部50bと第1圧油排出用凹部51bとの間の絞り部Dおよび右操舵用凹部50aに隣接する圧油供給用凹部51aに隣接する連絡用凹部50cと第2圧油排出用凹部51cとの間の絞り部D′の流路面積が大きくなる。これにより、図中矢印で示す圧油の流れにより油圧シリンダ20の右操舵補助力発生用油室22に操舵方向と操舵抵抗に応じた圧力の圧油が供給され、また、左操舵補助力発生用油室23からタンク71に油が還流し、車両の右方への操舵補助力が油圧シリンダ20からラック16に作用する。
【0032】
左方へ操舵すると、第1バルブ部材31と第2バルブ部材32とは、右方に操舵した場合と逆方向に相対回転し、絞り部A、A′の流路面積が小さくなり、絞り部B、B′の流路面積が大きくなり、絞り部C、C′の流路面積が大きくなり、絞り部D、D′の流路面積が小さくなるの。よって、車両の左方への操舵補助力が油圧シリンダ20からラック16に作用する。
【0033】
図1、図8に示すように、その第2出口ポート61に連通する可変絞り弁60は、バルブハウジング7に接続された第2バルブハウジング7′と、この第2バルブハウジング7′に形成された挿入孔66に軸方向(図1、図8において上下方向)に移動可能に挿入されたスプール62とを有する。その挿入孔66の内周面とスプール62の外周面は円柱面とされている。
【0034】
そのスプール62に、そのスプール62の軸心62oと偏心した軸を有する通孔62dが形成されている。その通孔62dの内周下部に雌ねじ孔62d′が形成され、その雌ねじ孔62d′にねじ合わされるネジ部材64が設けられている。これにより、そのスプール62の軸心62oとネジ部材64の軸心64oとは、図中Eだけ偏心する。
図9に示すように、そのネジ部材64のねじ山の谷径daは、雌ねじ孔62d′のねじ山の内径Daよりも小さく、そのネジ部材64のねじ山の外径dbは、雌ねじ孔62d′のねじ山の谷径Dbよりも小さくされている。これにより、そのネジ部材64はスプール62に、遊びを構成する径方向の隙間を介してねじ合わされる。
なお、ネジ部材64と雌ねじ孔62d′は台形ネジにより構成され、各ねじ山断面の台形部の非平行2辺のなす角度は30°とされている。
【0035】
その挿入孔66の一端は、プラグ(基準位置設定部材)68がシールを介しねじ込まれることで閉鎖され、そのプラグ68の回転はロックナット69によりロック可能である。その挿入孔66の他端は、その第2バルブハウジング7′に形成されたアクチュエータ室72に、後述の第2支持孔73を介して連絡する。その第2支持孔73に、上記ネジ部材64が挿通されている。
【0036】
そのアクチュエータ室72に、そのネジ部材64を回転駆動するステッピングモータ(アクチュエータ)80が内蔵されている。図8、図10の(1)、(2)に示すように、そのステッピングモータ80の出力シャフト80aにブロック91が圧入され、そのブロック91にネジ部材64の端部が凹部64aを介して嵌め合わされている。その凹部64aは、その出力シャフト80aの径方向に関し相対向する一対の平行面64a′、64a″を有し、両平行面64a′、64a″の間隔Gは、そのブロック91の幅よりも僅かに大きくされている。これにより、その出力シャフト80aにネジ部材64が、その間隔Gとブロック91の幅との差に相当する径方向の隙間を介して回転伝達可能に連結されている。
【0037】
そのネジ部材64に、上記両平行面64a′、64a″の間の一端面において開口する第1支持孔64bが、軸心に沿って形成されている。その第1支持孔64bに、そのモータ80の出力シャフト80aが、その第1支持孔64bの内周の円柱面が出力シャフト80aの外周の円柱面80a′によって支持されるように、径方向の隙間を介して挿入されている。
その第1支持孔64bの内周の円柱面と出力シャフト80aの外周の円柱面80a′との間の径方向の隙間は、そのスプール62とネジ部材64とのねじ合わせ部における径方向の隙間と、その出力シャフト80aとネジ部材64との回転伝達部における径方向の隙間よりも小さくされている。
【0038】
また、その出力シャフト80aと軸方向に間隔をおいた位置で、第2バルブハウジング7′に第2支持孔73が、ネジ部材64の軸心に沿い形成されている。その第2支持孔73に、そのネジ部材64が、そのネジ部材64の外周の円柱面64′が第2支持孔73の内周の円柱面によって支持されるように、径方向の隙間を介して挿入されている。
その第2支持孔73の内周の円柱面とネジ部材64の外周の円柱面64′との間の径方向の隙間は、上記スプール62とネジ部材64とのねじ合わせ部における径方向の隙間と、上記出力シャフト80aとネジ部材64との回転伝達部における径方向の隙間よりも小さくされている。
【0039】
そのネジ部材64の外周とアクチュエータ室72の内周との間にリング状のシール部材92と、そのシール部材92の保持リング93とが配置されている。
【0040】
そのステッピングモータ80は、そのアクチュエータ室72の開口72aを閉鎖するカバー94に溶接されている。そのカバー94は第2バルブハウジング7′に、防水シール用パッキン95を介して複数のネジ96によって取り付けられている。その防水シール用部材はパッキン95に限定されず、例えばOリングを用いてもよい。そのステッピングモータ80は、リード線80a″を介し車載コントローラ63に接続される。図10(1)に示すように、そのリード線80a″は、そのカバー94に形成された通孔94aに嵌め込まれたゴム製の防水シール用筒状部材97を介して、アクチュエータ室72の外部に導出されている。
【0041】
そのコントローラ63は車速センサ(図示省略)に接続され、そのステッピングモータ80を車速に応じ制御する。すなわち、高速になるとネジ部材64は一方向に回転してスプール62は図中下方に変位し、低速になるとネジ部材64は他方向に回転してスプール62は図中上方に変位する。
【0042】
そのスプール62の外周に周溝62aが形成され、その挿入孔66の内周に周溝66aが形成され、両周溝62a、66aの間が絞り部67とされている。その絞り部67の開度は、高速になってスプール62が図中下方に変位すると大きくなり、低速になってスプール62が上方に変位すると小さくなる。
【0043】
その挿入孔66の内周の周溝66aと第2出口ポート61とを連通する連絡流路58が、バルブハウジング7と第2バルブハウジング7′とに亘り形成され、その連絡流路58からの圧油の漏れを防止するため、そのバルブハウジング7と第2バルブハウジング7′との間にリング状のシール部材98aが配置されている。そのスプール62の外周の周溝62aとスプール62の通孔62dとを連通する径方向孔62cがスプール62に形成されている。そのスプール62の通孔62dはスプール62の上方空間に連絡する。そのスプール62の上方空間と第1出口ポート36とを連通する流路76が、バルブハウジング7と第2バルブハウジング7′とに亘り形成され、その連絡流路76からの圧油の漏れを防止するため、そのバルブハウジング7と第2バルブハウジング7′との間にリング状のシール部材98bが配置されている。これにより、ポンプ70から供給される圧油は、前記弁間流路27および第2出口ポート61から連絡流路58に導かれ、この連絡流路58から絞り部67に至り、この絞り部67から第1出口ポート36を介しタンク71に至る。なお、スプール62には通孔62dと平行にドレン流路62hが形成され、スプール62の上方空間と下方空間とを接続する。
【0044】
上記プラグ68の端面とスプール62の端面との当接位置を基準位置として、そのネジ部材64の軸方向移動距離に対応するネジ部材64の回転角度に応じて、その絞り部67の開度が制御されている。そのプラグ68の第2ハウジング7′に対するねじ込み量を変化させることで、その基準位置は調節可能とされている。
【0045】
そのプラグ68とスプール62の一端との間に、圧縮コイルバネ90が配置され、そのバネ90によってスプール62に軸方向の弾力が付与されている。
【0046】
その絞り部67の流路面積の最大値は、第2の組に属する絞り部A′、B′、C′、D′の全流路面積の最大値(両バルブ部材31、32の相対回転角が大きくなる程に流路面積が小さくなる特性における最大値である。すなわち、右操舵時は絞り部B′、C′の全流路面積の最大値をいい、左操舵時は絞り部A′、D′の全流路面積の最大値をいう。以下「全流路面積の最大値」という場合は同旨)以上、若しくは絞り機能を奏さなくなるまで大きくされている。その絞り部67の流路面積の最小値は、第2の組に属する絞り部A′、B′、C′、D′の全流路面積の最小値(両バルブ部材31、32の相対回転角が大きくなる程に流路面積が小さくなる特性における最小値である。すなわち、右操舵時は絞り部B′、C′の全流路面積の最小値をいい、左操舵時は絞り部A′、D′の全流路面積の最小値をいい、全閉状態を含む。以下「全流路面積の最小値」という場合は同旨)以下とされる。
【0047】
これにより、図2に示す油圧回路が構成され、第2の組に属する絞り部A′、B′、C′、D′とタンク71との間の油路の流路面積が、車速に応じた可変絞り弁60の作動により変化する。すなわち、第1の組に属する絞り部A、B、C、Dにより制御される圧油流量の、第2の組に属する絞り部A′、B′、C′、D′により制御される圧油流量に対する割合が、可変絞り弁60の作動により変化する。
【0048】
図7において、実線Xは、両バルブ部材31、32の相対回転角に対する第1の組に属する絞り部A、B、C、Dの流路面積の変化特性を示す。1点鎖線Uは、その相対回転角に対する第2の組に属する連絡用凹部50cと第2圧油排出用凹部51cとの間の絞り部B′、D′の流路面積の変化特性を示す。1点鎖線Vは、その相対回転角に対する第2の組に属する圧油供給用凹部51aと連絡用凹部50cとの間の絞り部A′、C′の流路面積の変化特性を示す。実線Yは、その相対回転角に対する第2の組に属する全ての絞り部A′、B′、C′、D′の流路面積の合成した変化特性を示す。破線Rは、可変絞り弁60により設定される可変絞り弁自身の絞り部67a、67bの中速走行時における流路面積を示す。
【0049】
上記構成によれば、低速走行時においては、スプール62は図1、図8において上方に変位し、このスプール62の変位により可変絞り弁60の絞り部67は全閉状態になる。よって、油圧シリンダ20に作用する油圧は、第1の組の絞り部A、B、C、Dの流路面積の変化特性線Xに応じ制御される。この場合、図6において一点鎖線で示すように、操舵入力トルクが小さく、両バルブ部材31、32の相対回転角が小さくても、第1の組に属する絞り部A、B、C、Dの流路面積を小さくし、操舵補助力を発生させる油圧の増加割合を大きくし、低速走行時における操舵の高応答性を満足させることができる。
【0050】
高速走行時においては、スプール62は図1、図8において下方に変位し、このスプール62の変位によって可変絞り弁60の絞り部67の流路面積は、第2の組に属する絞り部A′、B′、C′、D′の全流路面積の最大値以上になる。よって、油圧シリンダ20に作用する油圧は、第2の組の絞り部A′、B′、C′、D′の流路面積の変化特性線Y及び第1の組の絞り部A、B、C、Dの流路面積の変化特性線Xの合成特性に応じ制御される。この場合、図6において実線で示すように、操舵入力トルクを大きくし、両バルブ部材31、32の相対回転角を大きくしない限り、第2の組に属する絞り部A′、B′、C′、D′の流路面積は小さくなることなく大きく保持され、操舵補助力を発生させる油圧の増加割合は小さいので、高速走行時における操舵の安定性を満足させることができる。
【0051】
中速走行時においては、スプール62の変位により可変絞り弁60の絞り部67の流路面積は、第2の組に属する絞り部A′、B′、C′、D′の全流路面積の最小値よりも大きく最大値よりも小さくなる。これにより、図7に示すように、第1の組に属する絞り部A、B、C、Dが最小値(本実施形態では全閉状態)になるまでの間(図7において両バルブ部材の相対回転角がθaになるまでの間)は、その第1の組に属する絞り部A、B、C、Dの全流路面積の変化特性線Xに絞り部67の流路面積の特性線Rを合成した特性に応じた操舵補助力が付与される。第1の組に属する絞り部A、B、C、Dが全閉状態になった時点から、第2の組に属する絞り部A′、B′、C′、D′の全流路面積が可変絞り弁60の絞り部67の流路面積よりも小さくなるまでの間(図7において両バルブ部材の相対回転角がθaとθbとの間)では、操舵補助力は絞り部67の流路面積により定まる一定値になる。しかる後に、第2の組に属する絞り部A′、B′、C′、D′の全流路面積が可変絞り弁60の絞り部67の流路面積よりも小さくなると、第2の組に属する絞り部A′、B′、C′、D′の全流路面積の変化特性線Yに応じた操舵補助力が付与される。
【0052】
その第1の組に属する絞り部A、B、C、Dが全閉状態になった後に、第2の組に属する絞り部A′、B′、C′、D′の全流路面積が可変絞り弁60の絞り部67の流路面積よりも小さくなるまでの間(θa〜θbの間)は、その第2の組に属する絞り部A′、B′、C′、D′が全閉状態になる点と、第1の組に属する絞り部A、B、C、Dが全閉状態になる点との差(θc−θa)を小さくすることなく、小さくされている。すなわち、仮に、第2の組に属する圧油供給用凹部51aと連絡用凹部50cとの間の絞り部A′、C′が、連絡用凹部50cと第2圧油排出用凹部51cとの間の絞り部B′、D′と同様に図中1点鎖線Uで示す相対回転角に対する流路面積変化特性を有すると仮定すると、相対回転角に対する第2の組に属する全ての絞り部A′、B′、C′、D′の全流路面積の合成変化特性は、図7において2点鎖線Mで示すものになる。そうすると、第2の組に属する絞り部A′、B′、C′、D′の流路面積が、可変絞り弁60の自身の絞り部67a、67bの流路面積よりも小さくなるまでの間(両バルブ部材の相対回転角がθaとθdとの間)は大きくなるので、図6において2点鎖線で示すように、操舵補助力を操舵抵抗に応じ制御できない領域Lが大きくなる。これに対し、上記実施形態では、第2の組に属する圧油供給用凹部51aと連絡用凹部50cとの間の絞り部A′、C′の閉鎖角度θsは、連絡用凹部50cと第2圧油排出用凹部51cとの間の絞り部B′、D′の閉鎖角度θrよりも小さいので、中速走行時において操舵補助力を操舵抵抗に応じ制御できない領域を小さくできる。しかも、圧油供給用凹部51aと連絡用凹部50cとの間の絞り部A′、C′が全閉状態になる点(図7において両バルブ部材の相対回転角がθeの点)では、連絡用凹部50cと第2圧油排出用凹部51cとの間の絞り部B′、D′は未だ閉じていないので、操舵補助力を操舵抵抗に応じ制御できる領域は小さくなることはない。
【0053】
上記可変絞り弁60によれば、スプール62とネジ部材64とのねじ合わせ部に径方向の隙間があり、出力シャフト80aにネジ部材64を、径方向の隙間を介して回転伝達可能に連結しているので、スプール62とネジ部材64と出力シャフト80aは径方向に相対変位できる。これにより、出力シャフト80aの軸心に対し、そのネジ部材64にねじ合わされるスプール62の雌ねじ孔62d′の軸心の位置精度や、そのスプール62が挿入される第2バルブハウジング7′の挿入孔66の軸心の位置精度がそれ程高くなくても、スプール62の外周と第2バルブハウジング7′の挿入孔66の内周とがこじれることはない。
【0054】
また、出力シャフト80aとネジ部材64とスプール62との間に径方向の隙間があり、ネジ部材64の軸心64oとスプール62の軸心62oとの偏心に基づきネジ部材64に径方向力が作用したとしても、ネジ部材64の軸心64oが出力シャフト80aの軸心に対し傾斜するのを抑制できる。
これは、ネジ部材64は第1支持孔64bの内周の円柱面が、出力シャフト80aの外周の円柱面80a′によって支持され、この支持位置から軸方向に離れた位置において、ネジ部材64の外周の円柱面64′が、第2バルブハウジング7′に形成された第2支持孔73の内周の円柱面によって支持されることによる。
すなわち、ネジ部材64は出力シャフト80aと第2バルブハウジング7′とによって2点支持されているので、径方向力が作用したとしても出力シャフト80aの軸心に対し傾斜することはない。これにより、ネジ部材64の回転時の揺動を抑制できる。
【0055】
さらに、ネジ部材64の端面において開口する第1支持孔64bの内周の円柱面を、出力シャフト80aの外周の円柱面80a′により支持することで、ネジ部材64の軸方向寸法を大きくすることなく、ネジ部材64の2点支持を可能にしている。これにより、可変絞り弁60の大型化を防止できる。
【0056】
また、第1支持孔64bの内周の円柱面と出力シャフト80aの外周の円柱面80a′との間の径方向の隙間と、第2支持孔73の内周の円柱面とネジ部材64の外周の円柱面64′との間の径方向の隙間は、スプール62とネジ部材64とのねじ合わせ部における径方向の隙間と、その出力シャフト80aとネジ部材64との回転伝達部における径方向の隙間よりも小さくされている。
これにより、径方向力が作用した場合のネジ部材64の軸心64oの出力シャフト80aの軸心に対する傾斜を小さくし、ネジ部材64の回転時の揺動をより抑制できる。
【0057】
また、スプール62の軸心とネジ部材64の軸心とが偏心することで、スプール62とネジ部材64との連れ回りが防止される。これにより、その連れ回りを防止するための専用の部品や加工が不要で、部品点数が多くなることはなく、構造および組立が簡単で、コストおよび工数を低減できる。その偏心により、ネジ部材64に作用する径方向力は大きくなるが、ネジ部材64の回転時の揺動を抑制しているので、スプール62の外周と第2バルブハウジング7′の挿入孔66の内周とがこじれるのをより確実に防止でき、作動状態が安定して所望の絞り機能を奏することができ、所望の操舵特性を得ることができる。
【0058】
また、そのスプール62にバネ90により軸方向の弾力を作用させることで、ネジ部材64のネジ山とスプール62の通孔62dに形成された雌ねじ62d′のネジ山との間に径方向の遊びを設けてネジ部材64を円滑に回転させ、且つ、その遊びによるスプール62の軸方向の変位を防止できる。これにより、その可変絞り弁60の絞り部67の開度制御を精密に行ない、所望の操舵特性を得ることができる。
【0059】
図11は可変絞り弁60の変形例を示す。上記実施形態との相違は、ネジ部材64と第2バルブハウジング7′との間にスペーサ150を介在させ、このスペーサ150に第2支持孔73を形成することで、ネジ部材64を第2バルブハウジング7′側により支持している点にある。なお、そのスペーサ150と第2バルブハウジング7′との間にはシールリング151を介在させている。他は上記実施形態と同様で、同一部分は同一符号で示す。
【0060】
なお、本発明の可変絞り弁は上記各実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、スプールの軸心とネジ部材の軸心とが、スプールとネジ部材との連れ回りを防止できるように偏心しているが、そのような偏心をしていない場合にも、スプールの軸心とネジ部材の軸心とは少なくとも公差の範囲で偏心するため、本発明を適用できる。また、ネジ部材とアクチュエータの出力シャフトとは、例えばセレーションやスプライン等を介して回転伝達可能に連結されてもよい。また、上記実施形態では本発明をラックピニオン式油圧パワーステアリング装置に適用したが、例えばボールスクリュー式油圧パワーステアリング装置にも適用することができる。また、本発明の可変絞り弁は、パワーステアリング装置以外の油圧装置にも適用できる。
【0061】
【発明の効果】
本発明の可変絞り弁によれば、特性を安定化させ、製造コストを低減し、小型化を図ることができ、本発明の油圧パワーステアリング装置によれば、所望の操舵特性を安定して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の油圧パワーステアリング装置の縦断面図
【図2】その油圧パワーステアリング装置の油圧回路を示す図
【図3】その油圧パワーステアリング装置の制御弁の横断面構造の説明図
【図4】その制御弁の展開図
【図5】その制御弁の要部の拡大図
【図6】その油圧パワーステアリング装置における入力トルクと油圧との関係及び両バルブ部材の相対回転角と油圧との関係を示す図
【図7】その制御弁の絞り部の流路面積とバルブ部材の相対回転角との関係を示す図
【図8】その油圧パワーステアリング装置の可変絞り弁の縦断面図
【図9】ネジ部材と雌ねじ孔のねじ山を示す図
【図10】(1)は図8のX‐X線断面図、(2)は(1)の(2)‐(2)線断面図
【図11】可変絞り弁の変形例の縦断面図
【符号の説明】
7′ 第2バルブハウジング
60 可変絞り弁
62 スプール
64 ネジ部材
64′ 外周円柱面
64b 第1支持孔
67 絞り部
73 第2支持孔
80 ステッピングモータ(アクチュエータ)
80a 出力シャフト
80a′ 外周円柱面

Claims (3)

  1. ハウジングと、このハウジングに軸方向移動可能に挿入されるスプールと、このスプールに径方向の隙間を介してねじ合わされるネジ部材と、このネジ部材を回転駆動するアクチュエータと、そのネジ部材の回転によるスプールの軸方向移動によって開度が変化する絞り部とを備える可変絞り弁において、
    その出力シャフトに、そのネジ部材が、径方向の隙間を介して回転伝達可能に連結され、そのネジ部材に、一端面において開口する第1支持孔が軸心に沿って形成され、
    その第1支持孔に、その出力シャフトが、その第1支持孔の内周の円柱面が出力シャフトの外周の円柱面によって支持されるように挿入され、
    そのハウジング側に、その出力シャフトと軸方向に間隔をおいた位置で、そのネジ部材の軸心に沿い第2支持孔が形成され、
    その第2支持孔に、そのネジ部材が、そのネジ部材の外周の円柱面が第2支持孔の内周の円柱面によって支持されるように挿入され、
    その第1支持孔の内周の円柱面と出力シャフトの外周の円柱面との間の径方向の隙間と、その第2支持孔の内周の円柱面とネジ部材の外周の円柱面との間の径方向の隙間とは、そのスプールとネジ部材とのねじ合わせ部における径方向の隙間と、その出力シャフトとネジ部材との連結部における径方向の隙間よりも小さくされていることを特徴とする可変絞り弁。
  2. そのスプールの軸心とネジ部材の軸心とが、スプールとネジ部材との連れ回りを防止できるように偏心している請求項1に記載の可変絞り弁。
  3. 操舵抵抗に応じ開度が変化する複数の絞り部を有する油圧制御弁を備え、その絞り部の開度を操舵抵抗に応じ変化させることで操舵補助力発生用油圧アクチュエータに作用する油圧が制御され、その油圧制御弁における複数の絞り部は第1の組と第2の組とに組分けされ、第1の組に属する絞り部では第2の組に属する絞り部よりも操舵抵抗の変化に対する油圧変化割合が大きくされ、第1の組に属する絞り部により制御される圧油流量の第2の組に属する絞り部により制御される圧油流量に対する割合を変化させることができるように、請求項1または2に記載の可変絞り弁が油圧制御弁に接続され、その可変絞り弁のネジ部材を回転駆動するアクチュエータを運転条件に応じ制御する手段が設けられていることを特徴とする油圧パワーステアリング装置。
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