JPH05246343A - 動力舵取装置 - Google Patents
動力舵取装置Info
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- JPH05246343A JPH05246343A JP8283392A JP8283392A JPH05246343A JP H05246343 A JPH05246343 A JP H05246343A JP 8283392 A JP8283392 A JP 8283392A JP 8283392 A JP8283392 A JP 8283392A JP H05246343 A JPH05246343 A JP H05246343A
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- hydraulic
- steering
- reaction force
- input shaft
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 操舵補助用のアクチュエータに油圧を送給す
る油圧制御弁の動作を車速に応じて制限する油圧反力部
における機械的な摩擦に伴う動作不良を解消して、車速
に応じた所望の補助力特性が安定して得られるようにす
る。 【構成】 舵輪に連なる入力軸2が舵取機構に連なる出
力軸の一部をなす円筒部30に内嵌された部分において、
入力軸2の外周に設けた凹溝の底面に、円筒部30に突設
されたシール押え51先端のシール材52を当接させ、この
シール材52により液密に封止された一対の反力室A1 ,
A2 を周方向両側に形成し、油圧反力部5を構成する。
この油圧反力部5に導入される車速に対応する油圧は、
入力軸2と円筒部30との間に相対角変位が生じたとき、
導圧孔53と連通孔56又は57とを経て反力室A1 又はA2
に導かれ、前記相対角変位を直接的に制限する。
る油圧制御弁の動作を車速に応じて制限する油圧反力部
における機械的な摩擦に伴う動作不良を解消して、車速
に応じた所望の補助力特性が安定して得られるようにす
る。 【構成】 舵輪に連なる入力軸2が舵取機構に連なる出
力軸の一部をなす円筒部30に内嵌された部分において、
入力軸2の外周に設けた凹溝の底面に、円筒部30に突設
されたシール押え51先端のシール材52を当接させ、この
シール材52により液密に封止された一対の反力室A1 ,
A2 を周方向両側に形成し、油圧反力部5を構成する。
この油圧反力部5に導入される車速に対応する油圧は、
入力軸2と円筒部30との間に相対角変位が生じたとき、
導圧孔53と連通孔56又は57とを経て反力室A1 又はA2
に導かれ、前記相対角変位を直接的に制限する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、舵取機構中に配したパ
ワーシリンダ等の油圧アクチュエータを操舵補助力の発
生源とする油圧式の動力舵取装置に関し、更に詳述すれ
ば、前記油圧アクチュエータへの送給油圧を制御する油
圧制御弁の動作を、車速に応じた力にて制限する油圧反
力部を備えた油圧式の動力舵取装置に関する。
ワーシリンダ等の油圧アクチュエータを操舵補助力の発
生源とする油圧式の動力舵取装置に関し、更に詳述すれ
ば、前記油圧アクチュエータへの送給油圧を制御する油
圧制御弁の動作を、車速に応じた力にて制限する油圧反
力部を備えた油圧式の動力舵取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】油圧式の動力舵取装置は、自動車の舵取
機構中に配されたパワーシリンダ等の油圧アクチュエー
タと、油圧源たる油圧ポンプ及び作動油を収納する油タ
ンクとの間に、舵輪(ステアリングホィール)の操作に
応じて油圧の給排動作をなす油圧制御弁を配し、該油圧
制御弁から送給される油圧により前記油圧アクチュエー
タが発する油圧力(操舵補助力)を舵取機構に加えて、
舵取りに要する労力負担を軽減しようとするものであ
る。
機構中に配されたパワーシリンダ等の油圧アクチュエー
タと、油圧源たる油圧ポンプ及び作動油を収納する油タ
ンクとの間に、舵輪(ステアリングホィール)の操作に
応じて油圧の給排動作をなす油圧制御弁を配し、該油圧
制御弁から送給される油圧により前記油圧アクチュエー
タが発する油圧力(操舵補助力)を舵取機構に加えて、
舵取りに要する労力負担を軽減しようとするものであ
る。
【0003】前記油圧制御弁としては、舵輪と舵取機構
とを連結する舵輪軸(ステアリングコラム)の中途に構
成された回転式のものが一般的に用いられている。これ
は、舵輪側の入力軸と舵取機構側の出力軸とを同軸上に
て嵌合させ、トーションバーを介して同軸的に連結し、
この連結部位に両軸の一方と連動回転する筒形のバルブ
ボディーと他方と連動回転する弁体を設けてなり、舵輪
に操舵トルクが加えられたとき、該操舵トルクによる前
記トーションバーの捩れを伴ってバルブボディーと弁体
との間に相対角変位が生じるようになし、この相対角変
位を利用して油圧アクチュエータへの送給油圧を制御す
る構成となっている。
とを連結する舵輪軸(ステアリングコラム)の中途に構
成された回転式のものが一般的に用いられている。これ
は、舵輪側の入力軸と舵取機構側の出力軸とを同軸上に
て嵌合させ、トーションバーを介して同軸的に連結し、
この連結部位に両軸の一方と連動回転する筒形のバルブ
ボディーと他方と連動回転する弁体を設けてなり、舵輪
に操舵トルクが加えられたとき、該操舵トルクによる前
記トーションバーの捩れを伴ってバルブボディーと弁体
との間に相対角変位が生じるようになし、この相対角変
位を利用して油圧アクチュエータへの送給油圧を制御す
る構成となっている。
【0004】さて自動車の舵取りは、操向用の車輪に作
用する路面反力に抗して行われるものであり、この路面
反力の大小は、車速の遅速及び操舵角度の大小に夫々対
応することから、停止時及び低速走行時における舵取
り、所謂、据え切りには多大の力を必要とする一方、高
速走行中の舵取りは比較的に小さい力にて行い得る。
用する路面反力に抗して行われるものであり、この路面
反力の大小は、車速の遅速及び操舵角度の大小に夫々対
応することから、停止時及び低速走行時における舵取
り、所謂、据え切りには多大の力を必要とする一方、高
速走行中の舵取りは比較的に小さい力にて行い得る。
【0005】ところが、このような油圧制御弁を備えた
動力舵取装置においては、舵輪に加えられる操舵トルク
と油圧アクチュエータが発生する操舵補助力との間の対
応関係が入力軸と出力軸とを連結するトーションバーの
捩れ特性により一義的に決定される一方、自動車の舵取
りは、操向用の車輪に作用する路面反力に抗して行わ
れ、路面反力の大小は車速の遅速及び操舵角度の大小に
夫々対応することから、停止時及び低速走行時における
舵取り、所謂、据え切り時の大なる路面反力を基準とし
て前記トーションバーを選定した場合、高速走行時に舵
輪に加わるわずかな力にて舵取りが行われ、直進安定性
が損なわれる一方、高速走行時の小なる路面反力を基準
として前記トーションバーを選定した場合、舵取りに多
大の力を要する据え切りに際して十分な操舵補助力が得
られないという難点がある。
動力舵取装置においては、舵輪に加えられる操舵トルク
と油圧アクチュエータが発生する操舵補助力との間の対
応関係が入力軸と出力軸とを連結するトーションバーの
捩れ特性により一義的に決定される一方、自動車の舵取
りは、操向用の車輪に作用する路面反力に抗して行わ
れ、路面反力の大小は車速の遅速及び操舵角度の大小に
夫々対応することから、停止時及び低速走行時における
舵取り、所謂、据え切り時の大なる路面反力を基準とし
て前記トーションバーを選定した場合、高速走行時に舵
輪に加わるわずかな力にて舵取りが行われ、直進安定性
が損なわれる一方、高速走行時の小なる路面反力を基準
として前記トーションバーを選定した場合、舵取りに多
大の力を要する据え切りに際して十分な操舵補助力が得
られないという難点がある。
【0006】このような難点を解消するため、車速の高
低に応じて大小となる油圧反力を発生して、油圧制御弁
の制御動作、具体的には、トーションバーの捩れに伴う
入力軸と出力軸との相対角変位を制限する油圧反力部
を、前記油圧制御弁の一側に並設してなる動力舵取装置
が実用化されている。
低に応じて大小となる油圧反力を発生して、油圧制御弁
の制御動作、具体的には、トーションバーの捩れに伴う
入力軸と出力軸との相対角変位を制限する油圧反力部
を、前記油圧制御弁の一側に並設してなる動力舵取装置
が実用化されている。
【0007】図1は、特開昭61-200063 号公報等に開示
された従来の油圧反力部の一般的な構成を示す横断面図
である。図示の如くこの油圧反力部7は、出力軸の連結
側端部に同軸的に連設された円筒部30の内側に入力軸2
の連結側端部を同軸上にて遊嵌せしめ、前記円筒部30
に、これを半径方向に貫通する複数のシリンダ孔70,70
…を形成し、これらの夫々に半径方向への摺動自在にプ
ランジャ71,71…を内挿すると共に、前記円筒部30とこ
れの外側のハウジング20との間に、前記シリンダ孔70,
70…を一括的に連通する反力室72を周設し、図中に矢符
にて示す如く、前記反力室72に車速に対応する油圧を導
入して各プランジャ71,71…の外側端に作用させ、これ
らのプランジャ71,71…の内側端を入力軸2の外周に押
付けて、この押付け力により円筒部30に対する入力軸2
の相対角変位、即ち、油圧制御弁におけるバルブボディ
ーと弁体との相対角変位を制限する構成となっている。
された従来の油圧反力部の一般的な構成を示す横断面図
である。図示の如くこの油圧反力部7は、出力軸の連結
側端部に同軸的に連設された円筒部30の内側に入力軸2
の連結側端部を同軸上にて遊嵌せしめ、前記円筒部30
に、これを半径方向に貫通する複数のシリンダ孔70,70
…を形成し、これらの夫々に半径方向への摺動自在にプ
ランジャ71,71…を内挿すると共に、前記円筒部30とこ
れの外側のハウジング20との間に、前記シリンダ孔70,
70…を一括的に連通する反力室72を周設し、図中に矢符
にて示す如く、前記反力室72に車速に対応する油圧を導
入して各プランジャ71,71…の外側端に作用させ、これ
らのプランジャ71,71…の内側端を入力軸2の外周に押
付けて、この押付け力により円筒部30に対する入力軸2
の相対角変位、即ち、油圧制御弁におけるバルブボディ
ーと弁体との相対角変位を制限する構成となっている。
【0008】即ち、以上の如き油圧反力部7を備えた動
力舵取装置においては、舵輪に加わる操舵トルクが所定
の大きさに達し、プランジャ71,71…の押付け力に抗し
てバルブボディーと弁体との相対角変位が生じ始めた後
に急激に立ち上がる補助力特性が得られ、また前記押付
け力の大小が車速の高低に対応するから、停止時及び低
速走行時には、小さい操舵トルクにて立上がり点に達
し、以後は大なる操舵補助力の発生により舵輪操作に要
する力が可及的に低減されると共に、高速走行時には、
舵輪にかなりの大きさの操舵トルクが加わらない限り操
舵補助力が生じないため、舵輪に適度の剛性が付与され
て直進安定性が確保されることになり、前述した難点を
解消することができる。
力舵取装置においては、舵輪に加わる操舵トルクが所定
の大きさに達し、プランジャ71,71…の押付け力に抗し
てバルブボディーと弁体との相対角変位が生じ始めた後
に急激に立ち上がる補助力特性が得られ、また前記押付
け力の大小が車速の高低に対応するから、停止時及び低
速走行時には、小さい操舵トルクにて立上がり点に達
し、以後は大なる操舵補助力の発生により舵輪操作に要
する力が可及的に低減されると共に、高速走行時には、
舵輪にかなりの大きさの操舵トルクが加わらない限り操
舵補助力が生じないため、舵輪に適度の剛性が付与され
て直進安定性が確保されることになり、前述した難点を
解消することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが前述した構成
の従来の動力舵取装置においては、油圧制御弁のバルブ
ボディーと弁体との間に相対角変位が生じ始めた後もプ
ランジャ71,71…の押付け状態が継続し、これらのプラ
ンジャ71,71…と入力軸2との間の摩擦が前記相対角変
位に対する抵抗として作用するため、油圧制御弁の滑ら
かな動作が阻害される上、前記相対角変位の増加方向と
減少方向との間にヒステリシスが生じ、所望の補助力特
性が安定して得られないという難点があった。
の従来の動力舵取装置においては、油圧制御弁のバルブ
ボディーと弁体との間に相対角変位が生じ始めた後もプ
ランジャ71,71…の押付け状態が継続し、これらのプラ
ンジャ71,71…と入力軸2との間の摩擦が前記相対角変
位に対する抵抗として作用するため、油圧制御弁の滑ら
かな動作が阻害される上、前記相対角変位の増加方向と
減少方向との間にヒステリシスが生じ、所望の補助力特
性が安定して得られないという難点があった。
【0010】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、摩擦によらずに油圧制御弁の動作を制限する油
圧反力部を実現し、車速に応じた所望の補助力特性を安
定して得ることができる動力舵取装置を提供することを
目的とする。
であり、摩擦によらずに油圧制御弁の動作を制限する油
圧反力部を実現し、車速に応じた所望の補助力特性を安
定して得ることができる動力舵取装置を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る動力舵取装
置は、舵輪に連なる入力軸と舵取機構に連なる出力軸と
を同軸上にて嵌合させ、該嵌合部に舵輪操作に応じて生
じる相対角変位を利用して操舵補助用の油圧アクチュエ
ータへの送給油圧を制御する油圧制御弁と、該油圧制御
弁に並設してあり、車速に応じた導入油圧の作用により
前記相対角変位を制限する油圧反力部とを備えた動力舵
取装置において、前記油圧反力部は、前記入力軸と前記
出力軸との嵌合周上に形成された圧力室と、前記両軸の
一方に突設されて前記圧力室内部の適宜の半径線上にて
他方に当接し、前記圧力室を周方向に2分割して相互に
液密をなす一対の反力室を形成するシール手段と、前記
相対角変位の方向に応じて、前記反力室の一方に前記導
入油圧を選択的に導く導圧路とを具備することを特徴と
する。
置は、舵輪に連なる入力軸と舵取機構に連なる出力軸と
を同軸上にて嵌合させ、該嵌合部に舵輪操作に応じて生
じる相対角変位を利用して操舵補助用の油圧アクチュエ
ータへの送給油圧を制御する油圧制御弁と、該油圧制御
弁に並設してあり、車速に応じた導入油圧の作用により
前記相対角変位を制限する油圧反力部とを備えた動力舵
取装置において、前記油圧反力部は、前記入力軸と前記
出力軸との嵌合周上に形成された圧力室と、前記両軸の
一方に突設されて前記圧力室内部の適宜の半径線上にて
他方に当接し、前記圧力室を周方向に2分割して相互に
液密をなす一対の反力室を形成するシール手段と、前記
相対角変位の方向に応じて、前記反力室の一方に前記導
入油圧を選択的に導く導圧路とを具備することを特徴と
する。
【0012】
【作用】本発明においては、入力軸と出力軸との間に相
対角変位が生じ、これらの嵌合周上に形成された圧力室
をシール手段により2分割してなる一方の反力室の体積
が減じ、他方の反力室の体積が増すとき、前者の反力室
に導圧路を介して車速に応じた油圧が導入されて、この
油圧が前記相対角変位を直接的に制限する作用をなし、
摩擦部分を介することなく油圧制御弁の動作が制限され
る。
対角変位が生じ、これらの嵌合周上に形成された圧力室
をシール手段により2分割してなる一方の反力室の体積
が減じ、他方の反力室の体積が増すとき、前者の反力室
に導圧路を介して車速に応じた油圧が導入されて、この
油圧が前記相対角変位を直接的に制限する作用をなし、
摩擦部分を介することなく油圧制御弁の動作が制限され
る。
【0013】
【実施例】以下本発明をその実施例を示す図面に基づい
て詳述する。図2は、ラック・ピニオン式の舵取機構を
備えた車両に装備された本発明に係る動力舵取装置(以
下本発明装置という)の全体構成を示すブロック図であ
る。
て詳述する。図2は、ラック・ピニオン式の舵取機構を
備えた車両に装備された本発明に係る動力舵取装置(以
下本発明装置という)の全体構成を示すブロック図であ
る。
【0014】ラック・ピニオン式の舵取機構は、舵輪1
の下側に同軸的に連設された舵輪軸10の下端にピニオン
11を固設し、該ピニオン11を車体の前部に左右方向に延
設されたラック軸12の中途部に噛合せしめ、舵取りのた
めの舵輪1の回転をラック軸12の延設方向の摺動に変換
して、該ラック軸12の両端に各別のナックルアームを介
して連結された左右一対の操向車輪(一般的には前輪)
13,13の向きを変え、舵取りを行わせる構成となってい
る。
の下側に同軸的に連設された舵輪軸10の下端にピニオン
11を固設し、該ピニオン11を車体の前部に左右方向に延
設されたラック軸12の中途部に噛合せしめ、舵取りのた
めの舵輪1の回転をラック軸12の延設方向の摺動に変換
して、該ラック軸12の両端に各別のナックルアームを介
して連結された左右一対の操向車輪(一般的には前輪)
13,13の向きを変え、舵取りを行わせる構成となってい
る。
【0015】以上の如きラック・ピニオン式の舵取機構
における舵取り動作を油圧により補助する本発明装置
は、舵輪1とラック軸12とを連結する舵輪軸10の中途に
構成した油圧制御弁4を、油圧源となる油圧ポンプP及
び作動油を収納する油タンクTとを結ぶ循環油路の中途
に介装して、舵輪1の操作に応じた油圧制御弁4の後述
する動作により、油圧ポンプPの発生油圧をラック軸12
の中途に構成された操舵補助用のパワーシリンダSに送
給して、この送給油圧によりパワーシリンダSが発生す
る油圧力(操舵補助力)をラック軸12に加え、該ラック
軸12の摺動を補助する動作をなす。
における舵取り動作を油圧により補助する本発明装置
は、舵輪1とラック軸12とを連結する舵輪軸10の中途に
構成した油圧制御弁4を、油圧源となる油圧ポンプP及
び作動油を収納する油タンクTとを結ぶ循環油路の中途
に介装して、舵輪1の操作に応じた油圧制御弁4の後述
する動作により、油圧ポンプPの発生油圧をラック軸12
の中途に構成された操舵補助用のパワーシリンダSに送
給して、この送給油圧によりパワーシリンダSが発生す
る油圧力(操舵補助力)をラック軸12に加え、該ラック
軸12の摺動を補助する動作をなす。
【0016】前記油圧制御弁4の一側には、これの動作
を車速に対応する力にて制限する油圧反力部5が並設さ
れている。油圧ポンプPから油圧制御弁4に至る供給油
路14の中途には、油タンクTに分岐連通する分岐油路15
が設けてあり、この分岐油路15には、車速の検出結果に
基づいて相異なる向きに面積変化を生じる一対の可変絞
りS1 ,S2 を備えた調圧弁6が配してある。前記油圧
反力部5には、調圧弁6の両可変絞りS1 ,S2 間の油
圧、即ち、油圧制御弁4への送給油圧を可変絞りS1 で
の減圧分だけ低下せしめた油圧が導入されている。
を車速に対応する力にて制限する油圧反力部5が並設さ
れている。油圧ポンプPから油圧制御弁4に至る供給油
路14の中途には、油タンクTに分岐連通する分岐油路15
が設けてあり、この分岐油路15には、車速の検出結果に
基づいて相異なる向きに面積変化を生じる一対の可変絞
りS1 ,S2 を備えた調圧弁6が配してある。前記油圧
反力部5には、調圧弁6の両可変絞りS1 ,S2 間の油
圧、即ち、油圧制御弁4への送給油圧を可変絞りS1 で
の減圧分だけ低下せしめた油圧が導入されている。
【0017】調圧弁6の一方(上流側)の可変絞りS1
は、車速の増加に応じて絞り面積を増し、他方の可変絞
りS2 は、車速の増加に応じて絞り面積を減じるように
なしてあり、両可変絞りS1 ,S2 間にて得られる油圧
反力部5への導入油圧は、油圧制御弁4への供給油圧を
車速の遅速に応じて減圧した油圧、即ち、車速の高低に
対応する油圧となる。
は、車速の増加に応じて絞り面積を増し、他方の可変絞
りS2 は、車速の増加に応じて絞り面積を減じるように
なしてあり、両可変絞りS1 ,S2 間にて得られる油圧
反力部5への導入油圧は、油圧制御弁4への供給油圧を
車速の遅速に応じて減圧した油圧、即ち、車速の高低に
対応する油圧となる。
【0018】図3は、油圧制御弁4、油圧反力部5及び
調圧弁6の構成例を示す縦断面図である。図中2は、中
空の入力軸、同じく3は、ピニオン軸(出力軸)であ
り、これらは、筒形をなす共通のハウジング20内に夫々
の軸心回りでの回動自在に支承され、入力軸2の中空部
に内挿された細径のトーションバー21を介して同軸上に
連結してある。
調圧弁6の構成例を示す縦断面図である。図中2は、中
空の入力軸、同じく3は、ピニオン軸(出力軸)であ
り、これらは、筒形をなす共通のハウジング20内に夫々
の軸心回りでの回動自在に支承され、入力軸2の中空部
に内挿された細径のトーションバー21を介して同軸上に
連結してある。
【0019】ピニオン軸3下半部には、前記ピニオン11
が形成してあり、該ピニオン11は、これと軸心を交叉す
る態様にてハウジング20の下部に支承された前記ラック
軸12に噛合させてある。また入力軸2は、ハウジング20
の上部に適長突出させてあり、この突出端は、舵輪1の
下側に連設された前記舵輪軸10に連結されている。
が形成してあり、該ピニオン11は、これと軸心を交叉す
る態様にてハウジング20の下部に支承された前記ラック
軸12に噛合させてある。また入力軸2は、ハウジング20
の上部に適長突出させてあり、この突出端は、舵輪1の
下側に連設された前記舵輪軸10に連結されている。
【0020】而して、舵輪1が回動操作された場合、こ
れに伴う舵輪軸10の回転が入力軸2及びトーションバー
21を介してピニオン軸3に伝達され、これの下半部のピ
ニオン11と噛合するラック軸12の軸長方向の摺動に変換
されて舵取りが行われるが、このとき、入力軸2とピニ
オン軸3との間には、トーションバー21の捩れを伴って
舵輪1に加わる操舵トルクに応じた相対角変位が生じ
る。
れに伴う舵輪軸10の回転が入力軸2及びトーションバー
21を介してピニオン軸3に伝達され、これの下半部のピ
ニオン11と噛合するラック軸12の軸長方向の摺動に変換
されて舵取りが行われるが、このとき、入力軸2とピニ
オン軸3との間には、トーションバー21の捩れを伴って
舵輪1に加わる操舵トルクに応じた相対角変位が生じ
る。
【0021】油圧制御弁4は、この相対角変位を利用す
る公知のものであり、ハウジング20に同軸回動自在に内
嵌された円筒形のバルブボディー40と、これに内嵌され
た弁体41とを備えてなる。ピニオン軸3は、入力軸2と
の連結側に同軸的に連設された円筒部30を備えており、
前記バルブボディー40は、この円筒部30の上端に連結さ
れている。また前記弁体41は、バルブボディー40の内側
に嵌入せしめた入力軸2の外周に一体的に構成してあ
る。
る公知のものであり、ハウジング20に同軸回動自在に内
嵌された円筒形のバルブボディー40と、これに内嵌され
た弁体41とを備えてなる。ピニオン軸3は、入力軸2と
の連結側に同軸的に連設された円筒部30を備えており、
前記バルブボディー40は、この円筒部30の上端に連結さ
れている。また前記弁体41は、バルブボディー40の内側
に嵌入せしめた入力軸2の外周に一体的に構成してあ
る。
【0022】これにより、油圧制御弁4のバルブボディ
ー40はピニオン軸3と一体的に回転し、弁体41は入力軸
2と一体的に回転することになり、バルブボディー40と
弁体41との間には、舵輪1の操作に伴って入力軸2とピ
ニオン軸3との間に生じる相対角変位、即ち、舵輪1に
加えられた操舵トルクの方向及び大きさに応じた相対角
変位が生じる。
ー40はピニオン軸3と一体的に回転し、弁体41は入力軸
2と一体的に回転することになり、バルブボディー40と
弁体41との間には、舵輪1の操作に伴って入力軸2とピ
ニオン軸3との間に生じる相対角変位、即ち、舵輪1に
加えられた操舵トルクの方向及び大きさに応じた相対角
変位が生じる。
【0023】油圧制御弁4には、前記油圧ポンプPから
の送給油圧が、ハウジング20の外側に開口するポンプポ
ート22を経て導入されており、この油圧は、バルブボデ
ィー40と弁体41との間に前述の如く生じる相対角変位に
応じて振り分けられて、パワーシリンダSの両油室とを
夫々接続する送油路 16a,16b(図1参照)のいずれか、
例えば、送油路 16aを経て一方の油室に送給され、この
とき他方の油室との間の圧力差によりパワーシリンダS
が発生する油圧力が操舵補助力となる。
の送給油圧が、ハウジング20の外側に開口するポンプポ
ート22を経て導入されており、この油圧は、バルブボデ
ィー40と弁体41との間に前述の如く生じる相対角変位に
応じて振り分けられて、パワーシリンダSの両油室とを
夫々接続する送油路 16a,16b(図1参照)のいずれか、
例えば、送油路 16aを経て一方の油室に送給され、この
とき他方の油室との間の圧力差によりパワーシリンダS
が発生する油圧力が操舵補助力となる。
【0024】ハウジング20内側のバルブボディー40の上
部には、入力軸2内側の中空部に連通すると共に、ハウ
ジング20の外側に開口するタンクポート24を経て油タン
クTに接続された還流室23が形成してあり、パワーシリ
ンダSの前述した動作により他方の送油路 16bを経て油
圧制御弁4に還流する還流油は、弁体41を半径方向に貫
通する貫通孔を経て入力軸2内側の中空部に導入され
て、前記還流室23及びタンクポート24を経て油タンクT
に還流する。
部には、入力軸2内側の中空部に連通すると共に、ハウ
ジング20の外側に開口するタンクポート24を経て油タン
クTに接続された還流室23が形成してあり、パワーシリ
ンダSの前述した動作により他方の送油路 16bを経て油
圧制御弁4に還流する還流油は、弁体41を半径方向に貫
通する貫通孔を経て入力軸2内側の中空部に導入され
て、前記還流室23及びタンクポート24を経て油タンクT
に還流する。
【0025】本発明装置は、このような油圧制御弁4の
制御動作を車速に対応する力にて制限する油圧反力部5
の構成に特徴を有する。図4は油圧反力部5周辺の拡大
図、図5は図4のV−V線による横断面図であり、図6
は、油圧反力部5の要部の分解斜視図である。
制御動作を車速に対応する力にて制限する油圧反力部5
の構成に特徴を有する。図4は油圧反力部5周辺の拡大
図、図5は図4のV−V線による横断面図であり、図6
は、油圧反力部5の要部の分解斜視図である。
【0026】油圧反力部5は、ピニオン軸3の上端に連
設された前記円筒部30と、これに内嵌された入力軸2の
下端部との間に構成されている。図5に示す如く円筒部
30には、半径方向に相対向する位置に一対の貫通孔50,
50が形成されており、これらの夫々にはシール押え51,
51が内嵌されている。
設された前記円筒部30と、これに内嵌された入力軸2の
下端部との間に構成されている。図5に示す如く円筒部
30には、半径方向に相対向する位置に一対の貫通孔50,
50が形成されており、これらの夫々にはシール押え51,
51が内嵌されている。
【0027】シール押え51は、短寸円柱状をなす本体部
51aの基端側に、これよりもやや大径の鍔部 51bを備え
ると共に、先端側が、図5に示す一断面においてのみ円
弧状をなすように成形された部材であり、本体部 51aに
は、先端面内にて前記一断面に直交し、側面に沿って鍔
部 51bにまで至るシール溝 51cが形成されており、この
シール溝 51cにコ形をなすフッ素樹脂製のシール材52を
嵌着保持するようになしてある。
51aの基端側に、これよりもやや大径の鍔部 51bを備え
ると共に、先端側が、図5に示す一断面においてのみ円
弧状をなすように成形された部材であり、本体部 51aに
は、先端面内にて前記一断面に直交し、側面に沿って鍔
部 51bにまで至るシール溝 51cが形成されており、この
シール溝 51cにコ形をなすフッ素樹脂製のシール材52を
嵌着保持するようになしてある。
【0028】また円筒部30には、前記貫通孔50,50の形
成位置と直交する2か所に、細径の導圧孔53,53が形成
してあり、これらの導圧孔53,53及び前記貫通孔50,50
は、ハウジング20と円筒部30との嵌合部位に上下両側を
液密に封止して形成された環状室54により相互に連通さ
せてある。
成位置と直交する2か所に、細径の導圧孔53,53が形成
してあり、これらの導圧孔53,53及び前記貫通孔50,50
は、ハウジング20と円筒部30との嵌合部位に上下両側を
液密に封止して形成された環状室54により相互に連通さ
せてある。
【0029】一方、以上の如き円筒部30に内嵌された入
力軸2の先端部の半径方向に相対向する位置には、図6
に示す如く長手方向を軸心に直交させて、一対の凹溝5
5,55が形成してある。これらの凹溝55,55は、入力軸
2とピニオン軸3とが前述の如く連結され、両者間に相
対角変位が生じていない中立状態において、図5に示す
如く前記シール押え51,51の嵌入位置に整合し、円筒部
30の内側の相対向する位置に液密に封止された一対の圧
力室を形成するようになしてあり、各シール押え51に保
持されたシール材52は、適宜の半径線上にて前記凹溝55
の底面及び側面に当接し、前記両圧力室を周方向に2分
割して、図5における時計回りに相互に液密をなす各一
対の反力室A1 ,A2 を形成している。
力軸2の先端部の半径方向に相対向する位置には、図6
に示す如く長手方向を軸心に直交させて、一対の凹溝5
5,55が形成してある。これらの凹溝55,55は、入力軸
2とピニオン軸3とが前述の如く連結され、両者間に相
対角変位が生じていない中立状態において、図5に示す
如く前記シール押え51,51の嵌入位置に整合し、円筒部
30の内側の相対向する位置に液密に封止された一対の圧
力室を形成するようになしてあり、各シール押え51に保
持されたシール材52は、適宜の半径線上にて前記凹溝55
の底面及び側面に当接し、前記両圧力室を周方向に2分
割して、図5における時計回りに相互に液密をなす各一
対の反力室A1 ,A2 を形成している。
【0030】また、円筒部30に形成された前記導圧孔5
3,53は、前記中立状態において、図5に示す如く入力
軸2先端部の凹溝55,55間の部分に開口するが、この開
口端を挾んだ両側は、入力軸2に形成された一対の連通
孔56,57により、一方の凹溝55側の反力室A1 と他方の
凹溝55側の反力室A2 とに夫々連通させてある。
3,53は、前記中立状態において、図5に示す如く入力
軸2先端部の凹溝55,55間の部分に開口するが、この開
口端を挾んだ両側は、入力軸2に形成された一対の連通
孔56,57により、一方の凹溝55側の反力室A1 と他方の
凹溝55側の反力室A2 とに夫々連通させてある。
【0031】以上の如く構成された油圧反力部5への導
入油圧を発生する調圧弁6は、図3に示す如く、ハウジ
ング20の一側にこれと略平行をなして並設された円形断
面をなすスプール室60に、中空円筒状をなす絞りスプー
ル61を、軸長方向への摺動自在に内挿してなる。絞りス
プール61には、車速の検出結果に基づいて駆動される図
示しないステッピングモータの回転が、一側の外周に係
合する係合ピン62を介して伝達されており、スプール室
60の内部において絞りスプール61は、車速の高低に応じ
て摺動位置を変化するようになしてある。なお絞りスプ
ール61の駆動手段としては、前記ステッピングモータに
限らず、ソレノイド等、車速の検出結果に基づく通電制
御により動作する如何なる駆動手段を用いてもよい。
入油圧を発生する調圧弁6は、図3に示す如く、ハウジ
ング20の一側にこれと略平行をなして並設された円形断
面をなすスプール室60に、中空円筒状をなす絞りスプー
ル61を、軸長方向への摺動自在に内挿してなる。絞りス
プール61には、車速の検出結果に基づいて駆動される図
示しないステッピングモータの回転が、一側の外周に係
合する係合ピン62を介して伝達されており、スプール室
60の内部において絞りスプール61は、車速の高低に応じ
て摺動位置を変化するようになしてある。なお絞りスプ
ール61の駆動手段としては、前記ステッピングモータに
限らず、ソレノイド等、車速の検出結果に基づく通電制
御により動作する如何なる駆動手段を用いてもよい。
【0032】前記絞りスプール61は、外周の適長離隔す
る2か所に環状溝63,64を備えており、図示の如く、一
方の環状溝63よりも端部側の部分及び他方の環状溝64
は、絞りスプール61内側の中空部に連通させてある。ス
プール室60には、環状溝63,64間に常時開口する導圧孔
25を経て油圧制御弁4への送給油圧が導入されている。
またスプール室60は、絞りスプール61の摺動位置の如何
に拘わらず一方の環状溝63内に常時開口すべく形成され
た導圧孔26を介して油圧反力部5に連通させてあり、ま
た、他方の環状溝64内に常時開口すべく形成された還流
孔27を介してハウジング20内側の前記還流室23に連通さ
せてある。
る2か所に環状溝63,64を備えており、図示の如く、一
方の環状溝63よりも端部側の部分及び他方の環状溝64
は、絞りスプール61内側の中空部に連通させてある。ス
プール室60には、環状溝63,64間に常時開口する導圧孔
25を経て油圧制御弁4への送給油圧が導入されている。
またスプール室60は、絞りスプール61の摺動位置の如何
に拘わらず一方の環状溝63内に常時開口すべく形成され
た導圧孔26を介して油圧反力部5に連通させてあり、ま
た、他方の環状溝64内に常時開口すべく形成された還流
孔27を介してハウジング20内側の前記還流室23に連通さ
せてある。
【0033】而して、前記導圧孔25を経てスプール室60
に導入される油圧は、一方の環状溝63の両側の隙間、絞
りスプール61の中空部を経て他方の環状溝64に達し、更
に還流孔27及び還流室23を経て油タンクTに還流する。
即ち、前記導圧孔25から還流室23に至るまでの油路は、
図2における分岐油路15に相当し、前記環状溝63両側の
隙間が絞りスプール61の摺動に応じて相異なる向きに絞
り面積を変える可変絞りS1 ,S2 として機能する。そ
してこのとき油圧反力部5には、前記可変絞りS1 ,S
2 間にて調圧された油圧が、環状溝63内に開口する前記
導圧孔26を経て導入される。
に導入される油圧は、一方の環状溝63の両側の隙間、絞
りスプール61の中空部を経て他方の環状溝64に達し、更
に還流孔27及び還流室23を経て油タンクTに還流する。
即ち、前記導圧孔25から還流室23に至るまでの油路は、
図2における分岐油路15に相当し、前記環状溝63両側の
隙間が絞りスプール61の摺動に応じて相異なる向きに絞
り面積を変える可変絞りS1 ,S2 として機能する。そ
してこのとき油圧反力部5には、前記可変絞りS1 ,S
2 間にて調圧された油圧が、環状溝63内に開口する前記
導圧孔26を経て導入される。
【0034】図3は、停止時及び低速走行時における絞
りスプール61の摺動位置を示しており、車速の増加に応
じて絞りスプール61は、環状溝64側に摺動位置を変更す
べくなしてある。これにより、上流側の可変絞りS
1 は、車速の増加に伴って絞り面積を増し、下流側の可
変絞りS2 は、逆に絞り面積を減じることになり、両可
変絞りS1 ,S2 間にて得られる油圧反力部5への導入
油圧は、油圧制御弁4への供給油圧を車速の遅速に応じ
て減圧した油圧、即ち、車速の高低に対応する油圧とな
る。
りスプール61の摺動位置を示しており、車速の増加に応
じて絞りスプール61は、環状溝64側に摺動位置を変更す
べくなしてある。これにより、上流側の可変絞りS
1 は、車速の増加に伴って絞り面積を増し、下流側の可
変絞りS2 は、逆に絞り面積を減じることになり、両可
変絞りS1 ,S2 間にて得られる油圧反力部5への導入
油圧は、油圧制御弁4への供給油圧を車速の遅速に応じ
て減圧した油圧、即ち、車速の高低に対応する油圧とな
る。
【0035】以上の如き調圧弁6の動作により得られる
油圧は、図5中に矢符にて示す如く、前記導圧孔26を経
て円筒部30外側の環状室54に導入される。この導入油圧
は、環状室54により連通された貫通孔50,50内のシール
押え51,51に作用し、これらの先端側のシール材52,52
を凹溝55,55に押付けるから、前記反力室A1 ,A2間
の液密状態は良好に維持される。
油圧は、図5中に矢符にて示す如く、前記導圧孔26を経
て円筒部30外側の環状室54に導入される。この導入油圧
は、環状室54により連通された貫通孔50,50内のシール
押え51,51に作用し、これらの先端側のシール材52,52
を凹溝55,55に押付けるから、前記反力室A1 ,A2間
の液密状態は良好に維持される。
【0036】また前記導入油圧は、環状室54により同様
に連通された導圧孔53,53の内部にも導入されるが、こ
れらの円筒部30内側への開口端は、前述した如く、入力
軸2とピニオン軸3との間に相対角変位が生じていない
中立状態においては入力軸2の先端部外周により閉塞さ
れており、導圧孔53,53への導入油圧は前記開口端にお
いて堰き止められる。
に連通された導圧孔53,53の内部にも導入されるが、こ
れらの円筒部30内側への開口端は、前述した如く、入力
軸2とピニオン軸3との間に相対角変位が生じていない
中立状態においては入力軸2の先端部外周により閉塞さ
れており、導圧孔53,53への導入油圧は前記開口端にお
いて堰き止められる。
【0037】これに対し、舵輪1に操舵トルクが加えら
れ、入力軸2とピニオン軸3との間に中立状態からのわ
ずかな相対角変位が生じた場合、前記導圧孔53,53は、
これらの両側において入力軸2の外周に開口する連通孔
56,56又は57,57に連通することになり、これと共に導
圧孔53,53の内部にまで達していた油圧反力部5への導
入油圧は、反力室A1 ,A1 又はA2 ,A2 に導入され
る。
れ、入力軸2とピニオン軸3との間に中立状態からのわ
ずかな相対角変位が生じた場合、前記導圧孔53,53は、
これらの両側において入力軸2の外周に開口する連通孔
56,56又は57,57に連通することになり、これと共に導
圧孔53,53の内部にまで達していた油圧反力部5への導
入油圧は、反力室A1 ,A1 又はA2 ,A2 に導入され
る。
【0038】図7は、ピニオン軸3に連設された円筒部
30内において入力軸2に時計回りの相対角変位が生じた
場合を示しており、図示の如くこのとき、シール押え51
の両側に形成された反力室A1 ,A2 の内、反力室A1
の体積が減少する。一方このとき、導圧孔53,53の開口
端は連通孔56,56に連通することになり、これらの導圧
孔53,53の内部にまで達していた油圧反力部5への導入
油圧は、図中に矢符にて示す如く各別の連通孔56,56を
経て反力室A1 ,A1 に導入され、これらの油圧は、図
中に白抜矢符にて示す如く両反力室A1 ,A1 の体積減
少を伴う前記相対角変位を制限すべく作用する。
30内において入力軸2に時計回りの相対角変位が生じた
場合を示しており、図示の如くこのとき、シール押え51
の両側に形成された反力室A1 ,A2 の内、反力室A1
の体積が減少する。一方このとき、導圧孔53,53の開口
端は連通孔56,56に連通することになり、これらの導圧
孔53,53の内部にまで達していた油圧反力部5への導入
油圧は、図中に矢符にて示す如く各別の連通孔56,56を
経て反力室A1 ,A1 に導入され、これらの油圧は、図
中に白抜矢符にて示す如く両反力室A1 ,A1 の体積減
少を伴う前記相対角変位を制限すべく作用する。
【0039】即ち油圧反力部5においては、舵輪1に加
わる操舵トルクにより入力軸2とピニオン軸3との間に
相対角変位が生じようとするとき、調圧弁6を経て導入
される車速に対応する油圧が前記相対角変位を直接的に
制限する作用をなす。またこのとき、シール押え51に保
持されたシール材52が入力軸2に形成された凹溝55に押
付けられた状態にあるが、この押付け位置は入力軸2の
半径線上であり、前述の相対角変位により変化しないた
め、入力軸2とピニオン軸3との間に油圧反力部5での
制限力に抗して生じる相対角変位、及びこれに伴う油圧
制御弁4の制御動作は、摩擦により阻害されることなく
安定して行われ、方向変化に伴うヒステリシスが発生す
る虞もない。
わる操舵トルクにより入力軸2とピニオン軸3との間に
相対角変位が生じようとするとき、調圧弁6を経て導入
される車速に対応する油圧が前記相対角変位を直接的に
制限する作用をなす。またこのとき、シール押え51に保
持されたシール材52が入力軸2に形成された凹溝55に押
付けられた状態にあるが、この押付け位置は入力軸2の
半径線上であり、前述の相対角変位により変化しないた
め、入力軸2とピニオン軸3との間に油圧反力部5での
制限力に抗して生じる相対角変位、及びこれに伴う油圧
制御弁4の制御動作は、摩擦により阻害されることなく
安定して行われ、方向変化に伴うヒステリシスが発生す
る虞もない。
【0040】なお本実施例においては、ラック・ピニオ
ン式の舵取機構における適用例について述べたが、本発
明の適用範囲はこれに限らず、ボールねじ式等、他の形
式の舵取機構においても適用可能であることは言うまで
もない。
ン式の舵取機構における適用例について述べたが、本発
明の適用範囲はこれに限らず、ボールねじ式等、他の形
式の舵取機構においても適用可能であることは言うまで
もない。
【0041】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明に係る動力舵取
装置においては、入力軸と出力軸との嵌合周上に、両軸
の一方に突設されて適宜の半径線上にて他方に当接する
シール手段により2分割された一対の反力室を形成し、
両軸間に相対角変位が生じたとき両反力室の一方に車速
に対応する油圧を導入する構成としたから、前記導入油
圧の直接的な作用により摩擦部分を介することなく油圧
制御弁の制御動作を制限でき、前記摩擦の存在に起因す
る油圧制御弁の動作阻害が解消され、車速に応じた所望
の補助力特性が安定して得られる等、本発明は優れた効
果を奏する。
装置においては、入力軸と出力軸との嵌合周上に、両軸
の一方に突設されて適宜の半径線上にて他方に当接する
シール手段により2分割された一対の反力室を形成し、
両軸間に相対角変位が生じたとき両反力室の一方に車速
に対応する油圧を導入する構成としたから、前記導入油
圧の直接的な作用により摩擦部分を介することなく油圧
制御弁の制御動作を制限でき、前記摩擦の存在に起因す
る油圧制御弁の動作阻害が解消され、車速に応じた所望
の補助力特性が安定して得られる等、本発明は優れた効
果を奏する。
【図1】従来の油圧反力部の横断面図である。
【図2】本発明装置の全体構成を示すブロック図であ
る。
る。
【図3】本発明装置の要部を示す縦断面図である。
【図4】油圧反力部の拡大断面図である。
【図5】図4のV−V線による横断面図である。
【図6】本発明装置における油圧反力部の分解斜視図で
ある。
ある。
【図7】油圧反力部の動作説明図である。
1 舵輪 2 入力軸 3 ピニオン軸 4 油圧制御弁 5 油圧反力部 6 調圧弁 11 ピニオン 12 ラック軸 20 ハウジング 21 トーションバー 40 バルブボディー 41 弁体 50 貫通孔 51 シール押え 52 シール材 53 導圧孔 55 凹溝 56 連通孔 57 連通孔 61 絞りスプール A1 反力室 A2 反力室 P 油圧ポンプ S パワーシリンダ S1 可変絞り S2 可変絞り T 油タンク
Claims (1)
- 【請求項1】 舵輪に連なる入力軸と舵取機構に連なる
出力軸とを同軸上にて嵌合させ、該嵌合部に舵輪操作に
応じて生じる相対角変位を利用して操舵補助用の油圧ア
クチュエータへの送給油圧を制御する油圧制御弁と、該
油圧制御弁に並設してあり、車速に応じた導入油圧の作
用により前記相対角変位を制限する油圧反力部とを備え
た動力舵取装置において、前記油圧反力部は、前記入力
軸と前記出力軸との嵌合周上に形成された圧力室と、前
記両軸の一方に突設されて前記圧力室内部の適宜の半径
線上にて他方に当接し、前記圧力室を周方向に2分割し
て相互に液密をなす一対の反力室を形成するシール手段
と、前記相対角変位の方向に応じて、前記反力室の一方
に前記導入油圧を選択的に導く導圧路とを具備すること
を特徴とする動力舵取装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8283392A JPH05246343A (ja) | 1992-03-03 | 1992-03-03 | 動力舵取装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8283392A JPH05246343A (ja) | 1992-03-03 | 1992-03-03 | 動力舵取装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05246343A true JPH05246343A (ja) | 1993-09-24 |
Family
ID=13785412
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8283392A Pending JPH05246343A (ja) | 1992-03-03 | 1992-03-03 | 動力舵取装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05246343A (ja) |
-
1992
- 1992-03-03 JP JP8283392A patent/JPH05246343A/ja active Pending
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