JPH0621029A - 半導体ウェハの化学的−機械的研磨装置およびそれを用いた方法 - Google Patents

半導体ウェハの化学的−機械的研磨装置およびそれを用いた方法

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JPH0621029A
JPH0621029A JP4450093A JP4450093A JPH0621029A JP H0621029 A JPH0621029 A JP H0621029A JP 4450093 A JP4450093 A JP 4450093A JP 4450093 A JP4450093 A JP 4450093A JP H0621029 A JPH0621029 A JP H0621029A
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pad
semiconductor wafer
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Chris Jerbic
ジャービック クリス
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 半導体ウェハの表面を平坦化するため、化学
的−機械的研磨を施すにあたって、研磨の速度および繰
返し使用性を向上させ、併せてオフラインでの研磨パッ
ドの整備の必要性を少なくする。 【構成】 研磨パッド202と半導体ウェハ220との
間に相対的な振動を生じさせるために、研磨パッドが搭
載される回転基盤206と、半導体ウェハが搭載される
キャリヤ222とのいずれかに振動発生装置、例えば超
音波振動発生装置250が取付けられる。また振動発生
装置は、回転基盤206、キャリヤ222、研磨スラリ
ーが収容される容器内に取付けることもでき、この場合
は研磨スラリー自体が撹拌される。研磨パッド202と
ウェハ222を相対的に振動させることによって、研磨
の速度および繰返し使用性が向上し、また研磨パッドの
使用履歴に対する感受性が低くなるとともに、研磨パッ
ドが研磨中に自己ドレスされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は半導体装置を研磨する
技術に関するものであり、より詳しくは、半導体ウェハ
を化学的−機械的に研磨(化学−機械研磨)する技術に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体ウェハの化学−機械研磨は、半導
体装置の製造における種々の段階において、不規則な表
面形状を平坦化するために有用である。例えば、最近の
半導体集積回路の製造過程中において、先行して形成さ
れた構造の上に導電部分やその他の構造を形成する必要
があるが、先行して形成された構造には、突起部や不均
等に隆起した領域、凹部や溝、その他の表面不規則部分
を伴なう、著しく不規則なシリコンウェハ表面形状が残
されていることが多い。これらの不規則性の結果とし
て、それに続いて他の材料の層を堆積させるにあたって
は、その堆積を前述のような著しく不規則な表面に直接
行なった場合には、堆積が不完全となったり、堆積材料
が破れたり、ボイドが生じたりし易い。もし半導体装置
の製造中において、重要な各プロセス段階で不規則性が
軽減されていなければ、表面の不規則性は益々著しくな
って、その後の半導体構造の製造プロセスにおいて積上
げられる各層に大きな問題を生じさせる。
【0003】このような堆積(被覆)の不規則性が生じ
れば、使用される材料のタイプや目的によっても異なる
が、種々の望ましくない特性劣化を招く。絶縁酸化物層
が不完全に堆積された場合には、金属層間における回路
の短絡を招くことがある。またボイドが空気や処理ガス
をトラップして、その後の製造過程でコンタミネーショ
ンを引起したり、あるいは半導体装置の信頼性を低下さ
せたりする。導電部分上の鋭い点は、異常な望ましくな
い電界効果をもたらす。一般に不規則性の高い構造の上
に高密度の回路を形成するプロセスは、歩留りや装置特
性に悪い影響を及ぼす。
【0004】結局、複数の層が積層された集積回路の製
造プロセスを容易化するとともにその集積回路の歩留
り、特性、信頼性を改善するためには、集積回路に対し
てある種の表面平滑化すなわち平坦化のための処理を施
すことが望まれる。実際、現在の集積回路製造技術にお
いては、製造プロセス中のいくつかの臨界的なポイント
で、その段階の表面の平坦化を行なうことが行なわれて
いる。
【0005】平坦化の技術は、一般にいくつかの技術カ
テゴリーのうちの一つ、例えば、化学的−機械的研磨技
術、あるいは充填材料を用いてレベリングしてから制御
された雰囲気によってエッチングする技術、さらには種
々のリフロー技術などのうちの一つに属する。エッチン
グ技術は、湿式エッチング、乾式エッチングもしくはプ
ラズマエッチング、電解研磨、イオンミーリングを含
む。そのほか、余り一般的ではない平坦化技術も存在
し、例えばレーザ光の照射下においてガス相から濃縮さ
れた材料を、溝部分に直接堆積させる技術もある。平坦
化技術としてどのような技術を用いるかは、どのような
材料あるいは製造方法が適用されているか、また種々の
技術を用いて半導体装置が製造されるプロセス中のうち
のいずれの段階であるかによって異なる。
【0006】この発明は、化学的−機械的研磨処理につ
いてのものであり、これは、一般に研磨剤および化学薬
剤の両者を含むスラリーの存在下で、研磨パッドにより
ウェハを“擦る”ことを含んでいる。典型的なスラリー
の化学薬剤としては、pHが約11のKOH(水酸化カ
リウム)がある。一般に、研磨スラリーは、高価であっ
てしかも再生や再使用が不可能である。典型的なシリカ
ベースのスラリーは、キャボットインダストリーズ(C
abot Industries)から販売されている
“SC−1”のスラリーである。そのほか、より高価な
シリカおよびセリウム(酸化物)ベースのスラリーとし
て、ロデル(Rodel)“WS−2000”がある。
【0007】化学的−機械的研磨は、米国特許第4,6
71,851号、第4,910,155号、第4,94
4,836号に開示されており、これらの米国特許明細
書をここで従来技術として引用する。以下に述べる化学
的−機械的研磨技術については、適切なスラリー、例え
ばキャボットSC−1が用いられると理解されたい。
【0008】シリコンウェハについての絶縁体フィルム
化学的−機械的研磨についての現在の技術としては、典
型的には、2以上の研磨パツドを用いた技術を含んでい
る。例えば、2つの研磨パッドを“複合研磨パッド”と
称される1つの“積層体”として用いる。研磨を行なう
上側のパッドは、回転基盤上に搭載される相対的に軟質
な下側のパッドよりも、剛性が高いのが通常である。圧
力感応型(pressure sensitive)の
接着剤が、パッド同士を接着しかつ下側のパッドを回転
基盤に接着するために用いられるのが通常である。
【0009】図1には、典型的な化学的−機械的研磨の
技術を示す。圧力感応型接着剤104を背面側に有する
第1の円盤状のパッド102(パッドA)が、回転基盤
(プラテン)106の表側の面に接着(すなわち搭載;
但し図1では分離した状態で示す)される。また圧力感
応型接着剤110を背面側に有する第2の円盤状のパッ
ド108(パッドB)が、第1のパッド102の表側の
面に接着(すなわち搭載;但し図1では分離した状態で
示す)される。基盤106は回転せしめられ(典型的に
は1分間に10回転)、またスラリー供給装置114か
らのスラリー112(図1では黒点として示す)の計測
された流れが、スラリー供給管116を経てパッドBの
表側の面に分配される。
【0010】シリコンウェハ120は、キャリヤ(担
体;搬送支持体)122に搭載されており、このシリコ
ンウェハは、パッドBの表面側の面に対して軽く押圧
(平面的に押圧)されて、そのウェハの研磨しようとす
る不規則な表面形状の面に、パッドBおよびスラリーに
よる研磨作用が働く。典型的には、パッド102,10
8および基盤106の直径は20〜30インチのオーダ
ーであり、またウェハの直径は4〜6インチのオーダー
であり、さらに研磨はパッドBの中心から2/3の位置
において実行される。
【0011】回転基盤、パッド、キャリヤ、ウェハおよ
び研磨スラリーは、容器(リザーバ)130内に収容さ
れている。
【0012】典型的なパッド材料としては;(1)パッ
ドAについてはポリウレタンからなるもの;(2)パッ
ドBには、ポリエステルフェルトのようなフェルト状繊
維体(繊維集合体)をポリウレタン樹脂等によって強化
したもの;が用いられる。パッドBとしては、そのほか
ガラス強化プラスチックを用いることもできる。各パッ
ドの背面側の接着剤104,110としては、典型的に
はポリウレタンベースのものを用いることができる。一
般にパッドBは、パッドAよりも剛性が高いものである
ことが望ましい。両方のパッドとして、ポリウレタン樹
脂を含浸させたものを用いる場合には、両方のパッドの
剛性の差は、パッドAよりもパッドBへの樹脂の含浸量
を多くすることによって達成することができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】現状の化学的−機械的
研磨技術には、研磨速度が低いこと、研磨パッドの繰返
し使用性(反復使用性)が低いこと、さらにパッドの使
用履歴に影響されやすいという欠点がある。パッドは、
使用前に“整備(コンディショニング)”されなければ
ならないが、使用中にパッドは摩耗しまたその特性が変
化する。パッドは使用後には再整備されなければならな
いが、これは単に最低限研磨の繰返し使用性を改善する
だけに過ぎない。
【0014】パッドの整備とは、パッド(例えばパッド
B)の表側の面を、例えば研磨ホイールのドレッシング
と同様にして“ドレス”する技術である。この技術の一
般的な目的は、パッドの使用の前に、整備されるべきパ
ッドのウェハ対向面を平坦にすることである。一般に
は、このような整備は“オフ−ライン”で行なわれる。
すなわち研磨プロセスとは別に独立して行なわれる。
【0015】研磨パッドの整備を繰返すにもかかわら
ず、最も優れた整備技術を用いてもバッドの寿命のうち
で研磨速度は20〜50%変化してしまう。このような
変化は、研磨プロセスに望ましくない変化を与える。
【0016】この発明の目的は、化学的−機械的研磨に
ついて改善された技術を提供することにある。
【0017】この発明の他の目的は、研磨の速度および
反復使用性(研磨パッドの繰返し使用寿命)を改善する
技術を提供することにある。
【0018】またこの発明の他の目的は、研磨パッドの
使用履歴による影響を少なくする技術を提供することに
ある。
【0019】さらにこの発明の他の目的は、研磨パッド
の整備(ドレス)をオンラインで行なう技術を提供する
ことにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の半導体
ウェハの化学的機械的研磨装置は、基本的には、平坦な
表側の面を有する回転基盤と;前記基盤の表側の面に設
けられ、かつ基盤とともに回転する少なくとも1つの研
磨パッドであって、かつ半導体ウェハを研磨するための
表側の面を有する研磨パッドと;前記研磨パッドの表側
の面にスラリーを供給する手段と;研磨パッドに対向す
る表側の面を有し、かつ研磨パッドに対し反対側に向く
背面を有するキャリヤと;前記キャリヤにおける研磨パ
ッドに対向する面に半導体ウェハを搭載する手段と;研
磨パッドと半導体ウェハとの間に相対的な振動を生起さ
せる振動発生手段;とを有してなることを特徴とするも
のである。
【0021】ここで、前記振動発生手段としては、超音
波振動発生装置を用いることができる。そしてその超音
波振動発生装置は、研磨パッドが搭載される回転基盤に
設けることができる。また研磨されるべきウェハが搭載
されるキャリヤに超音波振動発生装置を設けても良い。
【0022】さらに、研磨されるべきウェハが搭載され
るキャリヤに超音波振動発生装置を搭載しておき、しか
もそのキャリヤを、研磨パッドの表面と平行な面内での
制限された動きが許容されるように弾性的に支持した構
成としても良い。
【0023】そしてまた、単純に、研磨のための各装置
を収容する容器(リザーバ)の内側に振動発生装置を設
けておき、研磨スラリー自体を撹拌させることもでき
る。
【0024】一方、請求項11の発明は、上述のような
研磨装置を用いた半導体ウェハの化学的−機械的研磨方
法についてのものであって、研磨パッドを回転させるこ
とと;化学的−機械的研磨スラリーの存在下において、
研磨パッドの表面に半導体ウェハを押付けることと;研
磨パッドと半導体ウェハとの間に相対的な振動運動を生
じさせること;とからなることを特徴とするものであ
る。
【0025】さらに請求項12の発明は、上述のような
化学的−機械的研磨装置を用いた研磨処理中において、
オンラインで研磨パッドの整備(ドレス)を行なう方法
についてのもので、研磨パッドを回転させることと;化
学的−機械的研磨スラリーの存在下において、研磨パッ
ドの表面に半導体ウェハを押付けることと;研磨パッド
と半導体ウェハとの間に相対的な振動運動を生じさせる
こと;とからなることを特徴とするものである。
【0026】
【作用】この発明の化学的−機械的研磨装置において
は、回転基盤に取付けられた研磨パッドと、半導体ウェ
ハとの間に相対的な機械的振動(通常は超音波振動)が
導入される。一方、研磨パッド上に研磨スラリーが供給
されながら、研磨パッドにウェハが軽く押付けられつつ
研磨パッドが基盤とともに回転せしめられて、化学的−
機械的研磨が行なわれる点は、従来の一般的な化学的−
機械的研磨装置と同様である。したがってこの発明の場
合は、従来と同様な研磨パッドの回転運動のほか、研磨
パッドとウェハとの間の相対的な機械的振動による機械
的エネルギがシステムに付加されることになる。
【0027】そして前述のような機械的振動エネルギに
よって、研磨パッドがウェハに対して相対的に振動し、
しかもスラリー自体も撹拌され、これらが相俟って研磨
速度が高くなるとともに、研磨パッドの繰返し使用性が
向上する。また、上述の機械的振動によって研磨処理中
に研磨パッド表面が自己整備(セルフドレッシング)さ
れる。すなわち研磨処理中にオンラインで研磨パッド表
面が自己整備されることになるから、オフラインでの研
磨パッドのドレスの必要性が少なくなり、オフラインで
の研磨パッドの整備の頻度が少なくて済む。
【0028】
【実施例】図1には、従来技術による化学的−機械的研
磨装置を示す。これについては既に説明した。
【0029】既に述べたように、従来の一般的な化学的
−機械的研磨は、研磨速度が遅く、繰返し使用性が低
く、かつパッド使用履歴に敏感であり、さらにはパッド
に対する“オフ−ライン”での頻繁な整備(ドレス)が
必要とされるという欠点を有している。
【0030】化学的−機械的研磨のメカニズムについて
は、現在研究中の課題であるが、いくつかの適用され得
る原理を含んでいる。実務専門家によれば、化学的−機
械的研磨が、事実上、ウェハ上の隆起した形状の部分を
研磨スラリー中の粒子が単純に叩き取るだけの機械的な
作用(機械的研摩作用)のみに依るものでないことで、
意見が一致している。一方、化学的−機械的研磨が、事
実上、湿式エッチングモデルに従った化学的作用のみに
依るものでないことも、意見が一致している。そのほ
か、協働的なメカニズムが作用しているのである。
【0031】化学的−機械的研磨についての有用な理論
として、研磨スラリーの化学的作用によって、研磨され
るウェハ表面に“ゾル”が生成されるという理論があ
る。ゾルは、溶解してしまう直前の状態において高度に
水和された物質である。この理論によれば、研磨の機械
的作用(パッドの回転)によってシステムに与えられる
機械的なエネルギにより、ゾルの生成が促進されると考
えられ、そしてまたその研磨の機械的作用が、ウェハ表
面からのゾルの除去をほぼ確実に促進していると考えら
れる。確かにスラリー中に浮遊する粒子(シリカあるい
はシリカ/セシウム)がウェハ表面に衝突するという機
械的な作用は、一つの効果を有している。化学的−機械
的研磨の真のメカニズムがどのようであれ、この発明
は、化学的−機械的研磨についてそれを改善することが
できる。
【0032】[図2]図2には、この発明による化学的
−機械的研磨装置200の一例を示す。
【0033】従来技術の場合と同様に、円盤状の研磨パ
ッド202が回転基盤(プラテン)206に搭載されて
いる。この研磨パッド202は、既に述べたような複合
パッド(すなわち図1のバッドAおよびパッドBからな
るもの)であっても良い。基盤206は、平坦な表側の
面206aを有している。パッド202は、研磨される
べきウェハ220を向く表側の面202aと、それに対
し反対側の面(背面側の面)202bとを有している。
パッド202は、その背面側の面202bにおいて回転
基盤206の表側の面206aに取付けられて(典型的
には、接着されて)いる。
【0034】従来技術と同様に、シリコンウェハ220
はキャリヤ222に搭載されている。ウェハは、製造中
のもしくは完成された、回路構造(すなわち複数の層と
回路要素)を含む表側の面220aを有している。ウェ
ハのその表側の面220aは、パッド202の表側の面
202aに対向している。基盤の表面206a、パッド
の表面202a、およびウェハの表面220aは、同一
面に平行な面(但し離れた面)となっている。
【0035】化学的−機械的研磨のプロセスにおいて
は、スラリーがパッドの表側の面に導かれ(図1参
照)、またウェハはパッドに対して(軽い圧力で)押し
付けられる。このようにして、ウェハの表側の面の不規
則な立体形状が除去されて、ウェハの表側の面が平坦化
される。
【0036】特にこの発明の一つの実施例によれば、機
械的な振動発生手段、望ましくは超音波振動(例えば1
5〜30kHz )を発生する超音波振動発生装置250が
回転基盤206の背面206bに取付けられている。こ
の超音波振動発生装置(超音波変換器)250は、研磨
中に、したがって“オンライン”で駆動される。これ
は、固定位置にある電気的エネルギ源から電気的エネル
ギを適当なスリップリングやそれに類する部材を用いて
回転基盤へ導くことによって達成される。この発明に最
も近い分野の当業者であれば、超音波振動発生装置を如
何に駆動すれば良いかは容易に理解できるであろう。
【0037】基盤は10rpm (回転数/分)で回転する
から、基盤と超音波振動発生装置との組合せは、力学的
にバランスさせておくことが望ましい。これは、超音波
振動発生装置を設ける領域において基盤の材料を適切な
量だけ除去しておくこと、あるいは(図示するように)
超音波振動発生装置250に対し軸対称な側の位置にお
いて基盤206の背面206bにカウンターウェイト2
52を取付けておくことよって達成される。
【0038】超音波振動発生装置250は、望ましく
は、双方向矢印Vで示すように、基盤の面内である制限
された範囲内でのパッドの動き(振動、オッシレーショ
ン)を生起させるように配向される。あるいはまた、超
音波振動発生装置は、基盤の面に対し直角な方向にパッ
ドに制限された範囲内での動き(振動)を生起させるよ
うに配向されていても良い。いずれの場合においても、
スラリーそれ自体、特にスラリー中の粒子は、撹拌され
る。これらのパッドの動き、およびスラリーの撹拌は、
いずれの場合も、システムに(基盤の回転運動にさらに
付加されるような)機械的エネルギが与えられることを
意味し、これによって研磨速度が改善される。また、あ
る程度パッドが“セルフ−コンディショニング(自己整
備;自己ドレッシング)”されて、バッドに要求される
オフラインでの整備の頻度が少なくなることも明らかで
あろう。そのためには、振動発生装置の振動周波数を、
基盤の回転周波数と比較して約2桁高い周波数あるいは
それ以上の桁(10進法の桁として)の周波数に選ぶこ
とが望ましい。前述の例では、基盤の回転周波数は10
Hzのオーダーであるのに対し、振動発生装置の周波数は
10kHz のオーダーとされる。
【0039】以上述べたような化学的−機械的研磨装置
200による研磨は、スラリーの適切な供給下におい
て、適切な容器内で遂行される。これらについては図1
を参照されたい。
【0040】[図3]図3には、この発明の他の実施例
の装置300を示す。この場合には、(図2の超音波振
動発生装置250に対応する)超音波振動発生装置35
0は、ウェハキャリヤ222に搭載されている。ウェハ
キャリヤ222は回転しないから、振動発生装置350
を駆動することは簡単である。この場合も、振動発生装
置350がシステム内に付加的な別の機械的振動エネル
ギを導入させて、エッチングの速度および繰返し使用性
を改善し、また研磨パッドの自己整備を可能にする。こ
の場合、ウェハ220それ自体が振動する。振動発生装
置350は、望ましくは、図3中の双方向矢印Vで示す
ように回転基盤206の表面と平行な面内でウェハ22
0が振動するように配向させておく。しかしながら、回
転基盤206の表面に対し直角をなす方向にウェハ22
0を振動させるべく振動発生装置が配向されていても良
い。
【0041】以上のような化学的−機械的研磨装置30
0による研磨は、適切なスラリーの供給下において適切
な容器内で遂行される。この点は図1を参照されたい。
【0042】[図4]図4には、この発明のさらに別の
実施例400を示す。図3に示した実施例と同様に、パ
ッド202ではなくウェハ220が超音波振動発生装置
450によってオッシレート(振動)せしめられる。但
し、この図4の例の場合には、ウェハ220はサブキャ
リヤ424に間接的に搭載され、その代りに、ウェハ2
20を直接支持するキャリヤ422が、サブキャリヤ4
24に弾性的に搭載されている。適切な弾性的搭載は、
キャリヤ422とサブキャリヤ424との間に介在する
弾性層422によって達成される。このようなウェハの
弾性的搭載は、一般的な弾性材料の比較的低い面内剪断
弾性係数によって回転基盤206の面と平行な面内での
ウェハ220の動き(振動)が好適に許容されるという
点で有利である。
【0043】この実施例では、超音波振動発生装置45
0(図2の250、図3の350に対応する。)は、ウ
ェハキャリヤ422の側面に取付けられる。
【0044】以上のような装置400による化学的−機
械的研磨プロセスは、適切なスラリーの供給下において
適切な容器内で遂行される。その点は図1を参照された
い。
【0045】[図5]図5には、この発明のさらに他の
実施例500を示す。この場合には、超音波振動発生装
置550は、スラリーそれ自体を撹拌させるべく、シス
テム内の適切な箇所に配置される。超音波振動発生装置
550(図2の250、図3の350、図4の450に
対応する)は、回転基盤206もしくはキャリヤ222
には搭載されていない。図示のように、超音波振動発生
装置550は、容器(リザーバ)530の内壁面に取付
けられている。
【0046】これは、おそらくはこの発明に含まれる種
々の態様のうちでも最も単純な実施例である。しかしな
がらこの実施例では、容器530がスラリーによって満
たされていることを必要とし、このことは、一般的な化
学的−機械的研磨のモードとは異なる。一般的な化学的
−機械的研磨では、図1により明確に示しているよう
に、スラリー112を研磨パッドの表面上に供給し、そ
のスラリーを、蓄積させるのではなく、流出させるので
ある。
【0047】スラリー自体が撹拌される図5の実施例で
は、研磨速度は高くなるが、(パッドの)自己整備の程
度は他の実施例と同程度には望めない。
【0048】
【発明の効果】研磨パッドと半導体ウェハとの間に相対
的な機械的振動を導入させるようにしたこの発明の化学
的−機械的研磨装置によれば、その相対的な機械的振動
によって研磨の速度および繰返し使用の耐久性が従来よ
りも高くなり、また研磨パッドの使用履歴に研磨が影響
されることも少なくなり、さらには研磨中における研磨
スラリーの消費も少なくなる。そしてまた、特に図2、
図3、図4に示される実施例においては、ウェハに対す
る研磨パッドの相対的な振動(あるいはパッドに対する
ウェハの振動)が、研磨中のその場で、すなわち“オン
ライン”で研磨パッドそれ自体が整備(コンディショニ
ング;ドレス)されるため、オフラインでの研磨パッド
の整備の頻度が少なくて済む。
【0049】なお化学的−機械的研磨に機械的振動エネ
ルギを導入したこの発明の技術は、シリコンウェハ上の
酸化物およびガラス層を研磨するに有用であり、またタ
ングステン薄膜やその他の半導体構造を研磨するにも有
用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の化学的−機械的研磨装置を分解してかつ
模式的に示す、縦断面位置での略解図である。
【図2】この発明の一実施例の化学的−機械的研磨装置
について、その縦断面位置で模式的に示す略解図であ
る。
【図3】この発明の他の実施例の化学的−機械的研磨装
置について、縦断面位置で模式的に示す略解図である。
【図4】この発明のさらに他の実施例の化学的−機械的
研磨装置について、縦断面位置で模式的に示す略解図で
ある。
【図5】この発明のさらに別の実施例の化学的−機械的
研磨装置について、縦断面位置で模式的に示す略解図で
ある。
【符号の説明】
200 化学的−機械的研磨装置 202 研磨パッド 206 回転基盤 220 ウェハ 222 キャリヤ 250 超音波振動発生装置 300 化学的−機械的研磨装置 350 超音波振動発生装置 400 化学的−機械的研磨装置 422 キャリヤ 424 サブキャリヤ 426 弾性層 450 超音波振動発生装置 500 化学的−機械的研磨装置 530 容器 550 超音波振動発生装置

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平坦な表側の面を有する回転基盤と;前
    記基盤の表側の面に設けられ、かつ基盤とともに回転す
    る少なくとも1つの研磨パッドであって、かつ半導体ウ
    ェハを研磨するための表側の面を有する研磨パッドと;
    前記研磨パッドの表側の面にスラリーを供給する手段
    と;研磨パッドに対向する表側の面を有し、かつ研磨パ
    ッドに対し反対側に向く背面を有するキャリヤと;前記
    キャリヤにおける研磨パッドに対向する面に半導体ウェ
    ハを搭載する手段と;研磨パッドと半導体ウェハとの間
    に相対的な振動を生起させる振動発生手段;とを有して
    なることを特徴とする、半導体ウェハの化学的−機械的
    研磨装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の装置において:前記振
    動発生手段が、基盤に搭載された超音波振動発生装置で
    ある、半導体ウェハの化学的−機械的研磨装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の装置において:前記超
    音波振動発生装置が、研磨パッドを基盤の表側の面と平
    行な面内で振動させるように配向されている、半導体ウ
    ェハの化学的−機械的研磨装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の装置において:前記振
    動発生手段が、前記キャリヤに搭載された超音波振動発
    生装置である、半導体ウェハの化学的−機械的研磨装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の装置において:前記超
    音波振動発生装置が、基盤の表側の面と平行な面内で半
    導体ウェハを振動させるように配向されている、半導体
    ウェハの化学的−機械的研磨装置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の装置において、さら
    に:前記キャリヤの背面に対向する面を有するサブキャ
    リヤと;前記キャリヤの背面と、サブキャリヤにおける
    前記キャリヤに対向する面との間に介在され、キャリヤ
    の背面と平行な面内において半導体ウェハが動くことを
    許容するための弾性層;とを有し、前記振動発生手段が
    キャリヤに搭載された超音波振動発生装置である、半導
    体ウェハの化学的−機械的研磨装置。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の装置において、さら
    に:前記基盤およびキャリヤを収容する容器と;その容
    器内に注入された研磨スラリーと;を有してなり、前記
    振動発生手段が、研磨スラリー自体を撹拌させるように
    前記容器に取付けられている、半導体ウェハの化学的−
    機械的研磨装置。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の装置において:基盤の
    回転周波数を第1の周波数とし、また前記振動発生手段
    の振動周波数を第2の周波数として、前記第2の周波数
    が、第1の周波数よりも2桁以上高い周波数に設定され
    た、半導体ウェハの化学的−機械的研磨装置。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の装置において:前記研
    磨パッドとして、二つの研磨パッドが設けられており、
    第1の研磨パッドは前記基盤に接着されており、第2の
    研磨パッドが第1の研磨パッドに接着されている、半導
    体ウェハの化学的−機械的研磨装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の装置において:第2
    の研磨パッドの剛性が第1の研磨パッドより高い、半導
    体ウェハの化学的−機械的研磨装置。
  11. 【請求項11】 研磨パッドを回転させることと;化学
    的−機械的研磨スラリーの存在下において、研磨パッド
    の表面に半導体ウェハを押付けることと;研磨パッドと
    半導体ウェハとの間に相対的な振動運動を生じさせるこ
    と;とからなることを特徴とする、半導体ウェハの化学
    的−機械的研磨方法。
  12. 【請求項12】 研磨パッドを回転させることと;化学
    的−機械的研磨スラリーの存在下において、研磨パッド
    の表面に半導体ウェハを押付けることと;研磨パッドと
    半導体ウェハとの間に相対的な振動運動を生じさせるこ
    と;とからなることを特徴とする化学的−機械的研磨処
    理中においてオンラインで研磨パッドの自己ドレッシン
    グを行なう方法。
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