JPH1187286A - 半導体ウエハの二段階式化学的機械的研磨方法及び装置 - Google Patents

半導体ウエハの二段階式化学的機械的研磨方法及び装置

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JPH1187286A
JPH1187286A JP24082997A JP24082997A JPH1187286A JP H1187286 A JPH1187286 A JP H1187286A JP 24082997 A JP24082997 A JP 24082997A JP 24082997 A JP24082997 A JP 24082997A JP H1187286 A JPH1187286 A JP H1187286A
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polishing
wafer
wafer carrier
rotation speed
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Hiroshi Mizuno
宏志 水野
Osamu Kinoshita
修 木下
Tetsushiyo Murohashi
徹晶 室橋
Akihisa Ueno
昭久 上野
Etsufumi Sakuma
悦文 佐久間
Anberiadis Costas
コスタス・アンベリアディス
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 研磨の終点検出が容易であり、同時にフォト
・マスクを転写する際のパターン・シフトを最小にする
化学的機械的研磨法を与えること。 【解決手段】 表面に研磨パッド(11)が設けられた
研磨テーブル(12)に対して、ウエハ・キャリア(1
3)は、固定されたウエハ(14)を押しつけて保持
し、研磨ケーブル(12)とウエハ・キャリア(13)
とを共に回転させ、研磨を行う。ウエハ(13)と研磨
パッド(11)との接触面には、所定の化学的性質を有
するスラリが与えられている。研磨は、2つの段階に分
離されるが、第1の段階では、終点検出を容易にするた
めに、研磨テーブル(12)の回転速度とウエハ・キャ
リア(13)の回転速度との間に所定の差を設定して研
磨を行い、次に、第2の段階では、アライメント・シフ
トを最小にするために、両回転速度を同期させて研磨を
行うように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハの平
坦化方法及び装置に関する。更に詳しくは、本発明は、
半導体ウエハの研磨による平坦化の次に行われるフォト
リソグラフィ・プロセスにおけるフォトマスクのアライ
メントへの影響を最小限に押さえるように制御された、
二段階式の化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Po
lishing =CMP)のための方法及び装置を提供する。
【0002】なお、本発明は、同じ出願人による特願平
9−229346号に記載された発明を改良するもので
ある。
【0003】
【従来の技術】半導体デバイスは、半導体基板の上に金
属配線による回路を形成することにより製造される。具
体的には、金属配線は、デバイス内の離散的な複数の素
子を相互に接続して集積回路を形成し、層間絶縁膜によ
って、他の層から絶縁される。層の相互間の電気的な接
続のためには、この絶縁膜を貫通するコンタクト・ホー
ルを形成し、このホールを介して、電気的接続を与え
る。技術の高度化により超LSIの集積の程度が進むに
つれ、半導体基板の上に積層する配線や素子をますます
多層化する必要が生じてきている。
【0004】基板上に金属配線を形成すると、その表面
は粗くなるのが一般的である。しかし、多層化する際に
は、コンタクト・ホールや金属膜を正確に形成しデバイ
スの歩留りを向上させ最終的な集積回路の信頼性を維持
するためには、層間絶縁膜や配線を含むそれぞれの層を
平坦にすることが非常に重要である。特に、絶縁膜上に
フォトリソグラフィ・プロセスによりマスク・パターン
を正確に転写する際には、その絶縁膜が平坦でなけれ
ば、マスクのアライメント精度を維持することは難し
い。
【0005】平坦化のためのプロセスとして現在用いら
れている技術として、化学的機械的研磨法(CMP)が
ある。このCMPでは、研磨粒子(シリカ粒子、アルミ
ナ粒子、硝酸セリウムなど)を分散させた液(スラリ)
を、研磨テーブルの上に貼られたパッドに滴下し含浸さ
せ、ウエハ・キャリアに付着させた半導体ウエハをテー
ブル上のパッドに押しつけ、化学的条件、圧力、温度な
どを制御した上で、研磨テーブルとウエハ・キャリアと
を共に回転させることにより、ウエハを研磨する。この
際に、スラリは、研磨の化学的な効果を最適にするため
に成分の化学的な調整がなされている。この研磨の化学
的及び機械的な複合効果により、研磨表面の優れた平坦
化が達成される。CMPで用いられる機械的な装置構成
やスラリの化学的性質は、従来技術に属し、当業者にと
って、公知の内容である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】CMPが実行された半
導体ウエハ表面上には、次に、フォトリソグラフィ技術
を用いてフォト・マスクのパターン転写が行われる。そ
の際のマスクのアライメント精度を一定水準以上に維持
するために、研磨テーブルの回転数とウエハ・キャリア
の回転数との比率をどのように制御すればよいかについ
ては、従来技術においては、実験的にも理論的にも、一
定の結論は得られていなかった。
【0007】しかし、この問題に対しては、上述の同じ
出願人による「半導体ウエハの化学的機械的研磨方法及
び装置」と題する特願平9−229346号で、解決策
が与えられている。すなわち、特願平9−229346
号においては、半導体ウエハ表面のCMPを実行する際
に、研磨テーブルの回転速度とウエハ・キャリアの回転
速度とを同一にする、すなわち、両回転速度を同期させ
れば、この研磨プロセスの後に行われるフォト・マスク
のパターン転写におけるアライメント・シフトを最小化
できることが、実験的及び理論的に結論されている。
【0008】具体的には、特願平9−229346号に
おいては、研磨面に研磨パッドが設けられた研磨テーブ
ルに対して、固定されたウエハをウエハ・キャリアによ
って押しつけて保持し、研磨パッドとウエハとの接触面
には所定の化学的性質を有する研磨剤を与え、研磨ケー
ブルとウエハ・キャリアとを共に回転させて実行する半
導体ウエハの化学的機械的研磨(CMP)方法におい
て、研磨テーブルの回転速度とウエハ・キャリアの回転
速度とが実質的に同一に維持される方法が提供されてい
る。
【0009】また、特願平9−229346号に記載さ
れた発明の別の特徴においては、研磨面に研磨パッドが
設けられた研磨テーブルと、固定されたウエハを研磨テ
ーブルに押しつけて保持するウエハ・キャリアと、研磨
パッドとウエハとの接触面に与えられ所定の化学的性質
を有する研磨剤と、から構成される半導体ウエハの化学
的機械的研磨装置において、研磨ケーブルとウエハ・キ
ャリアとの回転速度を実質的に同一に維持する制御手段
を備えていることを特徴とする装置が提供されている。
【0010】CMPにおいては、研磨をどのレベルまで
継続するか、換言すれば、研磨実行の終点をいつにする
のかは、重要な課題である。従来技術では、この終点の
検出(End Point Detection = EPD)は、研磨面の摩擦
力の変化に起因するスピンドル・モータへの負荷の変化
によって、行われていた。負荷の変化は、モータを流れ
る電流の変化をモニタして、行われる。
【0011】しかし、ウエハ・キャリアと研磨テーブル
との回転速度を一致させるという上述の特許出願に開示
した方法では、終点の検出が困難であることが、経験的
に見いだされた。
【0012】この困難に対して、本発明では、研磨を2
つの段階に分離する。すなわち、第1段階では、終点の
検出が容易であるように、ウエハ・キャリアの回転速度
と研磨テーブルの回転速度との間に所定の差を保ち、モ
ータへの電流をモニタしながらCMPを行う。終点が検
出された後で、第2の段階として、若干の追加的な研磨
を、今回は、次のフォトリソグラフィ・プロセスにおけ
るフォトマスクのアライメント精度を維持するように、
ウエハ・キャリアの回転速度と研磨テーブルの回転速度
とを同期させて、実行する。この二段階式の研磨によ
り、終点検出の困難という問題が解消される。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明によるCMPの実際
について、添付した図面を参照して、詳細に説明する。
ここでは、タングステンCMP(W−CMP)の場合に
生じる現象を通じて説明を行うが、本発明のCMPは、
物質としてタングステンに限定されるわけではない。
【0014】図1を参照すると、CMPプロセスのため
の装置的な構成が示されている。表面に研磨パッド11
が設けられた研磨テーブル12に対して、ウエハ・キャ
リア13は、真空チャック(図示せず)などを用いて固
定したウエハ14を押しつけて保持し、研磨ケーブル1
2とウエハ・キャリア13とを共に回転させ、研磨を行
う。ウエハ13と研磨パッド11との接触面には、所定
の化学的性質を有する研磨剤(スラリ)が与えられてい
る。更には、ウエハ・キャリア13を回転させるモータ
15と、そのための電源16とが設けられ、モータ15
と電源16との間には、電流計17が配置されている。
電流計17は、モータ15に期待される設定回転速度を
維持するのに必要な電力をモニタするように機能する。
モータの消費電力は、モータにかかる負荷と比例するか
ら、このモニタリングによって、ウエハ14と研磨パッ
ド11との間の摩擦の大きさの変化を検出でき、従っ
て、所望の研磨が終了したことを示す終点検出(end po
int detection = EDP)を行うことができる。モータを
流れる電流をモニタすることによってCMPによる研磨
の終点検出を行う例としては、例えば、1994年5月3日に
特許登録された「化学的機械的研磨法のための終点検出
装置及び方法」(Endpoint Detection Apparatus and M
ethod for Chmical/Mechanical Polishing)と題するCo
te他への米国特許第5,308,438号に開示されている。
【0015】図2は、研磨テーブル12とウエハ・キャ
リア13との幾何学的な関係を示している。ウエハ・キ
ャリア13は、研磨テーブル12の中心Oからずれた位
置に配置されている。ウエハ・キャリア13上の任意の
点Pの幾何学的位置を記述するために、中心Cを原点と
したxy座標軸を考える。OCの距離はR、CPの距離
はrとする。研磨テーブル12は、反時計回りに角速度
ωで回転し、ウエハ・キャリア13も、反時計回りに角
速度φで回転する。
【0016】図3は、研磨されるウエハの断面図を表し
ている。半導体ウエハの基板上に第1の層が積層され、
コンタクト・ホールや、ステッパ(図示せず)によるフ
ォト・マスク転写の際に使用するアライメント・マーク
などが形成され、更にその上に第2の層が積層されてい
る。本発明によるCMPでは、第2の層を研磨してい
き、図1の電流計17による摩擦変化のモニタリングに
おいて終点が検出されるまで、すなわち、実質的に、第
1の層の頂部のレベル(点線の部分)に到達するまで、
第2の層を除去する。
【0017】図4には、ウエハ上の各箇所におけるアラ
イメント・シフトの方向と大きさとが、矢線ベクトルを
用いて模式的に表されている。W−CMPを、タングス
テンのエッチ・バック・プロセスと比較すると、フォト
・マスクの転写プロセスにおいて、大きなパターン・シ
フトが見られる。
【0018】回転速度は、ウエハ14が研磨パッド11
に接触する圧力や、接触面の温度などと並ぶ重要な物理
的パラメータであるから、ウエハ・キャリア13の回転
速度φと研磨テーブル12の回転速度ωとの相互関係
が、CMPの研磨面に何らかの力学的な効果を及ぼし、
従って、CMP終了後のウエハ上でのアライメント・シ
フトの発生にも影響するであろうことは、容易に予想で
きる。本発明の発明者たちは、この回転速度間の相互関
係に着目し、ウエハ・キャリア13の回転速度φと研磨
テーブル12の回転速度ωとを様々な組合せに設定し
て、それぞれの場合に生じるパターン・シフトの大きさ
を測定した。実験の結果は、図5においてグラフ化され
ているが、このグラフは、両回転速度が等しいφ=ωの
場合にパターン・シフトが最小になることを示してい
る。
【0019】経験的には、フォトリソグラフィ・プロセ
スにおけるパターン・シフトを最小にするという観点か
らは、φ=ωという関係が最適制御条件であることがこ
の実験によって得られたが、次に、図2に関する説明で
与えた記号を用いて、回転速度の相互関係とパターン・
シフトとの関係を、理論的に考察する。
【0020】図2に示されているウエハ・キャリア13
の中心を原点とするxy座標系を用いると、ウエハ・キ
ャリア13上の点Pの相対速度Vのx座標成分Vxとy
座標成分Vyとは、次のように定式化できる。なお、t
は、経過時間である。
【数1】Vx=−ωRsin(φt)
【数2】Vy=r(φ−ω)−ωRcos(φt)
【0021】数式1からわかるように、Vのx成分Vx
は、パラメータrを含まない。従って、Vxは、点Pの
ウエハ・キャリア13の中心Cからの距離と独立であ
る、すなわち、ウエハ・キャリア13における点Pの位
置と独立である。Vyは、パラメータrを含むが、(φ
−ω)=0、すなわち、回転速度が等しい場合には、r
をふくむ項はキャンセルされ、Vxと同様に、点Pのウ
エハ・キャリア13の中心Cからの距離と独立、すなわ
ち、ウエハ・キャリア13における点Pの位置と独立と
なる。この場合には、数式2は次のようになる。
【数3】Vy=−ωRcos(φt)
【0022】従って、ウエハ・キャリア13上の任意の
点であるPの相対速度Vのx座標成分とy座標成分と
は、数式1と数式3とによって表されることになる。ベ
クトルV=(Vx,Vy)の絶対値は、これらの式からω
Rであり、点Pの位置に左右されず、時間経過と共に変
化しない一定の値である。ベクトルVの向きは、ウエハ
・キャリア13の回転と共に変化する。ウエハ・キャリ
ア13が1回転すると、ベクトルVの向きも1回転す
る。その結果として、ウエハ・キャリア13が1回転す
る間には、研磨されるべきウエハ14上の任意の点P
が、絶対値が一定である同一の相対速度Vを有すること
になる。これを研磨に即して解釈すると、それぞれの回
転速度が等しい場合には、ウエハ14の表面上のすべて
の点は、ウエハ内の位置とは無関係に、均一性及び一様
性が維持されながら研磨がなされることがわかる。以上
の理論的な考察は、既に述べた経験的な実験結果と一致
する。
【0023】次に、数式1から3を用いて得られたもの
と同様の理論的結論を、別個の幾何学的な考察から導く
ことにする。図6は、研磨テーブル12上にウエハ14
がある様子を示している。ウエハ14の上には複数の点
が想定され、それぞれの点における相対速度のx成分と
y成分とが示されている。図2の場合と同様に、xy座
標は、ウエハ上に固定されているものとする。また、ウ
エハ14とテーブル12とは、同じ方向に回転するもの
とする。この条件で、ウエハ14の回転速度が研磨テー
ブル12の回転速度と等しい場合(Xでプロットされて
いる)と、ウエハ14の回転速度が研磨テーブル12の
回転速度と等しくない場合(Δでプロットされている)
との2通りを考察する。
【0024】図7は、研磨テーブルの原点からエッジ方
向への距離を横軸にとり、研磨テーブル12とウエハ1
4とのそれぞれの速度を示している。
【0025】図8では、1段目に、時間の経過に対する
研磨テーブル12上の点の速度ベクトルVの変化を表し
ている。2段目と3段目には、やはり時間の経過に伴う
xtとVytとの変化をプロットしてある。ただし、時間
の経過は、0度から360度までの角度の変化として横
軸の単位に設定されている。tはテーブルの意味であ
る。それに対して、図9では、1段目に、時間の経過に
対するウエハ14上の点の速度ベクトルVの変化を表し
ている。2段目と3段目には、やはり時間の経過に伴う
xwとVywとの変化をプロットしてある。ここで、w
は、ウエハの意味である。
【0026】図10は、図8と図9とを各プロットした
点ごとに合成したものであり、テーブル12とウエハ1
4との相対速度を示している。すなわち、図10の上段
では、ウエハ14上の点の相対速度Vのx座標成分であ
るVxtotal=Vxt−Vxwが、ウエハ14の回転速度が研
磨テーブル12の回転速度と等しい場合(Xでプロッ
ト)と、ウエハ14の回転速度が研磨テーブル12の回
転速度と等しくない場合(Δでプロット)との2通りが
示されている。下段には、ウエハ14の回転速度が研磨
テーブル12の回転速度と等しい場合のVytotal=Vyt
が、示されている。
【0027】研磨テーブル12とウエハ14とのそれぞ
れの回転速度が等しい場合(図10の上段のXでプロッ
トされているグラフの場合)は、その点における相対速
度は、ウエハ14が360度回転することに伴って、0
度から180度で正から負となり、180度から360
度で同様の形状を保ちながら再び正に戻っている。幾何
学的にも容易に理解できることであるが、このXでプロ
ットされた曲線と横軸とに囲まれる部分の面積は、正負
を込めて0度から360度まで積分すれば、ゼロであ
る。Δでプロットされた曲線の場合、すなわち、研磨テ
ーブル12とウエハ14との回転速度の異なる場合に
は、やや下方にシフトしており、面積がゼロにならな
い。図10の下段には、Xでのプロットの場合だけが示
されているが、同様のことがいえる。
【0028】この幾何学的な現象を、ウエハ14上の各
点における研磨の状態に即して考察すると、研磨テーブ
ル12とウエハ14とのそれぞれの回転速度が同一の場
合、すなわち、Xの曲線の場合には、ウエハ14の表面
上のすべての点は、ウエハ14が1回転する間に、36
0度すべての方向に関しての研磨パッド11との摩擦が
均衡することがわかる。換言すれば、ウエハ14上の各
点が受ける摩擦力は、それぞれの時点での微小量を、方
向を込めて(つまり、ベクトルとして)1回転に亘って
積分すれば、各方向が打ち消し合い、ゼロとなる。従っ
て、ウエハ上の点は、ウエハ内の位置とは無関係に、均
一性及び一様性が維持されながら研磨がなされ、パター
ン・シフトが少なくとも理論的には生じないことがわか
る。以上の幾何学的な考察は、やはり、既に述べた経験
的な実験結果と一致する。
【0029】しかし、上述のように、ウエハ・キャリア
と研磨テーブルとの回転速度を一致させるという方法で
は、研磨の終点検出が困難であることを、本発明の発明
者は、経験的に見いだした。
【0030】再び図1を参照すると、電源16とモータ
15との間に電流計Aが接続され、電流計Aに、終点検
出(EDP)システムが付随している。モータ15は、
その回転速度が一定となるように制御されている。従っ
て、研磨パッド11とウエハ14との間の研磨面におけ
る摩擦力の変化は、この電流形Aが検出する電流の変化
によって、検出できる。例えば、積層されているタング
ステンと研磨パッドとの間の摩擦力と、タングステンの
下側にある酸化物と研磨パッドとの摩擦力との差が、電
流の変化を介して、検出される。研磨テーブル12の回
転速度とウエハ・キャリア14の回転速度との様々な組
合せを設定し、それぞれの組合せにおけるモータ電流を
観察すると、電流計Aが検出する電流変化は、両者の回
転速度が同じ時に、最小になることがわかった。図11
は、この結果を示している。図11によれば、研磨テー
ブル12の回転速度とウエハ・キャリア14の回転速度
とが等しいときに、摩擦力の変化は最小になり、終点検
出のための信号である電流の変化は、曖昧になる。従っ
て、終点検出の観点からは、研磨テーブル12の回転速
度とウエハ・キャリア14の回転速度とが等しい場合
は、検出が最も困難な最悪の場合である。換言すれば、
フォトマスクのアライメント・シフトを最小化すること
と、終点検出を容易にすることとは、トレードオフの関
係にあり、両者を同時に最適化することはできない。
【0031】この困難に対して、本発明では、研磨を2
つの段階に分離する。すなわち、第1段階では、終点の
検出が容易であるように、研磨パッドの回転速度と研磨
テーブルの回転速度との間に所定の差を保ち、モータへ
の電流をモニタしながら研磨を行う。いったん終点が検
出されると、第2の段階として、若干の追加的な研磨
(over-polish)を、今回は、次のフォトリソグラフィ
・プロセスにおけるフォトマスクのアライメント精度を
維持する目的で、研磨パッドの回転速度と研磨テーブル
の回転速度とを同期させて、実行する。このように、C
MP全体のプロセスを、異なる目的を有しており同時に
はそれらの目的を最適に達成できない2つの段階に時間
的に分離してしまうことにより、全体としては最適なC
MPを実行することが初めて可能になる。
【0032】本発明の好適な実施例に関する以上の記載
は、例示と説明との目的でなされたものであって、ここ
に開示した特定の装置構成そのものに本発明を限定する
ことは意図していない。当業者であれば、種々の修正や
改変を容易に行うことができるはずである。本発明の技
術的範囲は、冒頭の特許請求の範囲とその均等の範囲と
によってのみ画定されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるCMPプロセスを実行するための
装置の構成が示されている。
【図2】研磨テーブルとウエハ・キャリアとの幾何学的
関係と、各パラメータを示している。
【図3】研磨される半導体ウエハの断面図である。
【図4】CMP後に生じるパターン・シフトを示してい
る。
【図5】ウエハ・キャリアと研磨テーブルとのそれぞれ
の回転速度の種々な組合せの場合のパターン・シフトを
示すグラフである。
【図6】図6は、研磨テーブルとウエハとの幾何学的関
係示している。
【図7】研磨テーブルの原点からエッジ方向への距離を
横軸にとり、研磨テーブル12とウエハ14とのそれぞ
れの速度を示したグラフである。
【図8】1段目は、時間の経過に対する研磨テーブル1
2上の点の速度ベクトルVの変化を表したグラフであ
る。2段目と3段目とは、やはり時間の経過に伴うVxt
とVytとの変化をプロットしたグラフである。
【図9】1段目は、時間の経過に対するウエハ14上の
点の速度ベクトルVの変化を表したグラフである。2段
目と3段目とは、やはり時間の経過に伴うVxwとVyw
の変化をプロットしたグラフである。
【図10】図8と図9とを各プロットした点ごとに合成
したグラフであり、研磨テーブルとウエハとの相対速度
を示している。
【図11】ウエハ・キャリアと研磨テーブルとのそれぞ
れの回転速度の種々な組合せの場合に、電流計が検出す
る電流変化を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木下 修 茨城県つくば市北原10番地 株式会社エル エスアイロジック ジャパン セミコンダ クター内 (72)発明者 室橋 徹晶 茨城県つくば市北原10番地 株式会社エル エスアイロジック ジャパン セミコンダ クター内 (72)発明者 上野 昭久 茨城県つくば市北原10番地 株式会社エル エスアイロジック ジャパン セミコンダ クター内 (72)発明者 佐久間 悦文 茨城県つくば市北原10番地 株式会社エル エスアイロジック ジャパン セミコンダ クター内 (72)発明者 コスタス・アンベリアディス 茨城県つくば市北原10番地 株式会社エル エスアイロジック ジャパン セミコンダ クター内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 研磨面に研磨パッドが設けられた研磨テ
    ーブルに対して、固定されたウエハをウエハ・キャリア
    によって押しつけて保持し、前記研磨パッドと前記ウエ
    ハとの接触面には所定の化学的性質を有する研磨剤を与
    え、前記研磨ケーブルと前記ウエハ・キャリアとを共に
    回転させて実行する半導体ウエハの化学的機械的研磨
    (CMP)方法において、 (a)前記研磨テーブルの回転速度と前記ウエハ・キャ
    リアの回転速度との間に所定の差を維持しながら、研磨
    の終点が検出されるまで、研磨を行うステップと、 (b)前記研磨テーブルの回転速度と前記ウエハ・キャ
    リアの回転速度とを実質的に同一に維持しながら一定時
    間の追加的な研磨を行うステップと、 を含むことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法において、前記ステ
    ップ(a)における終点の検出は、前記ウエハ・キャリ
    アを回転させるモータを流れる電流の変化を介して、前
    記ウエハ・キャリアと前記研磨テーブルとの間の摩擦力
    の変化を検出して行うことを特徴とする方法。
  3. 【請求項3】 研磨面に研磨パッドが設けられた研磨テ
    ーブルと、固定されたウエハを前記研磨テーブルに押し
    つけて保持するウエハ・キャリアと、前記研磨パッドと
    前記ウエハとの接触面に与えられ所定の化学的性質を有
    する研磨剤と、から構成される半導体ウエハの化学的機
    械的研磨装置において、 (a)前記研磨テーブルの回転速度と前記ウエハ・キャ
    リアの回転速度との間に所定の差を維持しながら、研磨
    の終点が検出されるまで、研磨を行うように制御する手
    段と、 (b)前記研磨テーブルの回転速度と前記ウエハ・キャ
    リアの回転速度とを実質的に同一に維持して一定時間の
    追加的な研磨を行うように制御する手段と、 を備えることを特徴とする装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の装置において、前記終点
    の検出は、前記ウエハ・キャリアを回転させるモータを
    流れる電流の変化を介して、前記ウエハ・キャリアと前
    記研磨テーブルとの間の摩擦力の変化を検出して行うこ
    とを特徴とする装置。
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