JPH06208717A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH06208717A
JPH06208717A JP32318992A JP32318992A JPH06208717A JP H06208717 A JPH06208717 A JP H06208717A JP 32318992 A JP32318992 A JP 32318992A JP 32318992 A JP32318992 A JP 32318992A JP H06208717 A JPH06208717 A JP H06208717A
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resin
formula
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magnetic
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JP32318992A
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Takeshi Ito
健 伊藤
Yasushi Nakano
寧 中野
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Konica Minolta Inc
TDK Corp
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Konica Minolta Inc
TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 繰返し使用してもテープの耐久性(耐摩耗
性)及び耐蝕性に優れた磁気記録媒体、特に強磁性金属
薄膜型磁気記録媒体の提供。 【構成】 非磁性支持体上に、非水溶性樹脂層を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体に関し、特
に非水溶性下引層を施した非磁性支持体上に強磁性金属
薄膜層を設けた磁気記録媒体に関る。
【0002】
【発明の背景】高密度記録可能で良好な電磁変換特性を
有する磁気記録媒体の表面はうねりや凹凸のない平滑な
面である必要があるが、完全に平滑であると走行系のポ
ール、ガイド或はヘッドと密着し摩擦抵抗のために走行
障碍を受ける。従って潤滑剤を添加し表面の摩擦係数の
低下が図られる。しかし潤滑剤は漸次拭い去られ潤滑性
が失われる。
【0003】また走行性を向上する手立てとして磁気記
録媒体(以後磁気テープと総称する)表面に適度に凹凸
を与え走行系部材との接触面積を減じ、面積因子から磁
気テープの面滑りが改善される。
【0004】しかしながら、支持体面は、異物或は支持
体組成のオリゴマー等の重合度異性物による凹凸が意外
に劇しく、磁気テープの薄い構成層被覆、特にバインダ
を用いない強磁性金属薄膜磁性層の被覆によっては、到
底支持体の凹凸を覆い隠すことは不可能であって、ヘッ
ドへの均等平順な走行接触が妨げられ、スペーシングロ
スを招き、また走行系部材の摩損を惹起する。
【0005】このような支障を避けるため、予め支持体
表面に寸断形状の脈条突起或は細かに離散した島状台地
を形成(特開昭56-10455号、同58-62826号)させ、或は
微細フィラーを分散させた水溶性高分子の下引層を設け
(特開昭59-84927号、同59-84928号、同59-229316
号)、支持体表面を被覆、陰蔽すると共に、適度に微細
な凹凸を表面に形成することにより、面滑りを改善した
支持体が提案されている。
【0006】しかしながら、例えば支持体として甚だ有
用なポリエステルにおいては、重合度異性物のオリゴマ
ー、主に3量体環状トリマーがポリマーの約1wt%存在
し、熱的に漸次表面に析出し異状に高い300〜1000Åに
及ぶ突起を所々に形成し(飽和ポリエステル樹脂ハンド
ブック、p167〜177;湯木和男編、日刊工業社)、仮令
初期に性能がよくても電磁変換特性の衰退、走行性の劣
化、ドロップアウトの増大をもたらし、前記水溶性高分
子層による被覆、陰蔽効果のよく及ぶ所ではない。
【0007】逆に積極的に前記オリゴマーを析出させ面
滑りを改善する方法(特開昭57-127923号)が提案され
たが形成される突起が局在し好ましい結果を与えない。
【0008】また、一方前記したような磁気テープ構成
層の下地層もしくは支持体に直接設ける下引層の高分子
物には水溶性のメチルセルロース等が用いられるが、該
高分子層は強磁性金属薄膜の化学的な劣化を助長する。
【0009】この問題は独りポリエステルからなる支持
体に限らず、実用される総ての支持体ベースに共通であ
る。
【0010】即ち支持体側から支持体を透過した酸素、
水分及び磁気テープの前記水溶性高分子層断面から呼込
まれた酸素、水分は該高分子層に受けいれられ、隣接し
た金属薄膜を直にアタックし、磁性金属に銹を生じる。
【0011】因みに、支持体に用いられるポリエステ
ル、ポリプロピレン、ポリアミド(ナイロン)、ポリカ
ーボネート、ポリ塩化ビニルは25μm厚での透湿度(g/
m2・24hr)は夫々40℃,90%RHで27.6,145,80,40、
またO2透過率(cc/m2・atm・24hr)は夫々20℃,65%R
Hで60,550,20,200,150である。
【0012】磁性金属に生じた銹は金属粉が互に接触し
ているので速やかに伝播し、磁気特性の低下、電磁変換
特性の劣化、画質の悪化を惹き起こす。磁性層が積層構
成のときは下層の磁性層の性能低下により記録及び再生
のバランスを失う。
【0013】また、前記水溶性高分子に代えて非水溶性
樹脂を支持体製膜時に下地用として用いると製膜工程が
高温であるため防爆等の設備を要する等問題が多く実用
的ではない。
【0014】支持体製膜後に非水溶性樹脂の下引き層を
設ける場合、製膜後すぐにオリゴマーが析出してしま
い、これが原因で高い突起が形成され、その上に該非水
溶性樹脂の下引きを設けてもこの突起を被覆、隠蔽する
事はできず、スペーシングロスを招き、電磁変換特性に
悪影響を及ぼす。
【0015】更に支持体の分子構造と異る樹脂の下引層
を直接に塗布すると接着性が悪く、スチル再生のように
同じ場所を何回も擦するような状況では、支持体から下
引層、磁性層が剥離し、磁気テープに損傷を与え、カセ
ット内に層断片を残し爾後の走行に支障を来す。
【0016】
【発明の目的】本発明の目的は、非磁性高分子樹脂支持
体を用いる磁気テープにおいて; (1)磁性層表面にオリゴマー等に起因する突起がな
く、電磁変換特性が良好で、走行耐用性が長くまたドロ
ップアウトの少い磁気テープ、(2)防銹性に優れ、高
温高湿保存になる磁気特性、電磁変換特性の劣化のない
磁気テープ、(3)接着性が良好でスチル耐久性の優れ
た磁気テープの提供にある。
【0017】
【発明の構成】前記本発明の目的は;非磁性支持体とし
て用いられる飽和ポリエステルベース(PE−Bと標
記)、ポリアミドベース(PA−B)及びポリイミドベ
ース(PI−B)の夫々に対し、PE−Bに対しては前
記一般式〔PE−1〕又は〔PE−2〕で表される飽和
ポリエステル樹脂、PA−Bに対しては前記一般式〔P
A〕で表されるポリアミド樹脂、PI−Bに対しては前
記一般式〔PI−1〕又は〔PI−2〕で表されるポリ
イミド樹脂を夫々に主成分とする樹脂層(I)を設け、
更にその上に夫々粒径0.01〜0.1μmの微粒子を含み非水
溶性樹脂を主成分とする樹脂層(II)を設け、その上に
強磁性金属薄膜を設けたことを特徴とするいづれの磁気
記録媒体によっても達成される。
【0018】前記一般式〔PE−1〕及び〔PE−2〕
中のR1,R2及びR3の表す脂肪族基、芳香族基として
は、
【0019】
【化1】
【0020】が挙げられ、これらの芳香環に対する置換
基としては、ハロゲン基、ニトロ基、アルキル基、アル
コキシ基が挙げられる。
【0021】また前記一般式〔AE〕中のR4及びR5
表す脂肪族基、芳香族基は前記R1〜R3と同義である。
【0022】また前記一般式〔PI−1〕,〔PI−
2〕中のR7,R9には下記のもとが挙げられる。なおR
7は芳香族テトラカルボン酸或はその無水物に由来す
る。
【0023】
【化2】
【0024】更にR8,R10の表す脂肪族基、芳香族基
は前記R1〜R5と同義である。
【0025】尚前記一般式で特定された飽和ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリイミド各樹脂の分子量は1000〜50
000が好ましい。
【0026】具体的には飽和ポリエステル樹脂としては
ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレン
テレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリ
レート、ポリ-1,4-シクロヘキサンジメチレンテレフタ
レート等の一般に飽和ポリエステルと呼ばれているもの
が使用される。
【0027】またポリアミド樹脂としてはナイロン6,
ナイロン66,、ナイロン610,ナイロン11,ナイロン12
等の脂肪族アミド樹脂又は芳香族アミド樹脂が使用され
る。
【0028】またポリイミド樹脂には公知の各種ポリイ
ミド樹脂が用いられる。
【0029】本発明において、非水溶性樹脂の溶解に用
いられる溶剤は汎用性からみてオリゴマーの溶解作用を
併せもつものが好ましく、該有機溶剤としては、クロロ
ホルム、シクロヘキサノン、ジオキサン及びトルエン、
メチル、エチルケトン、メチルセルソルブ、エチルセル
ソルブ、ベンゼン、キシレン、フェノール等が挙げられ
るがこの限りではない。このうちの支持体がポリエステ
ルの場合はそのクロロホルム、シクロヘキサノン、ジオ
キサンの少くとも1種もしくは2種を組合せて用いるの
が好ましい。
【0030】以上のようにして支持体と同種類の樹脂を
支持体上に塗布し設ける事により、支持体上のオリゴマ
ーの溶解性を高める事ができ、それを利用してオリゴマ
ーの除去ができるようになった。
【0031】前記樹脂層(I)の上に重ねる樹脂層(I
I)に用いる非水溶系樹脂としては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレート等の飽和ポリエステル樹脂;ナイロン
6,ナイロン66,ナイロン610,ナイロン11,ナイロン1
2等のポリアミド樹脂;ポリイミド、ポリスチロール、
ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリスルホン、
ポリエーテルスルホン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニ
リデン、ポリビニルブチラート、ポリフェニレンオキサ
イド、フェノキシ樹脂等の各種樹脂の単体、共重合体又
はこれらの混合物、又はウレタン樹脂、シリコーン樹
脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂或はそれらの変性樹
脂、架橋樹脂が使用され、これらの樹脂を組合せ使用し
てもよい。
【0032】また含有させるフィラーとしては無機質粒
子、有機質粒子のいづれでもよい。
【0033】有機質粒子としては、ポリスチレン、ポリ
エチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリル酸
エステル、エポキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビ
ニル、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルエーテル、弗
素樹脂等の架橋高分子からなるミクロゲル粒子が挙げら
れ、無機質粒子としては、通常コロイド粒子として知ら
れるものであって、Al2O3,SiO2,TiO2,ZnO,Fe2O3,C
dO,NiO,CaWO4,BaTiO3等の金属酸化物、CaCO3,BaC
O3,CoCO3等の炭酸塩、Au,Ag,Cu,Ni,Fe等の金属粒
子が挙げられる。
【0034】前記樹脂層(I)及び(II)の塗布は、支
持体表面の状況、例えばオリゴマーの状況によって製膜
工程に続けて樹脂層(I)塗布によるオリゴマー突起の
消失時間を置いた後、樹脂層(II)の塗布を行い下引済
支持体として準備される。
【0035】例えばCYC(シクロヘキサノン)/MEK(メ
チルエチルケトン)=5/5の溶剤に溶した樹脂層
(I)用の樹脂を乾燥厚み0.02μm前後に塗布し、乾燥温
度70〜90℃で乾燥し、巻取り後コロイダルシリカ等のフ
ィラー含有の樹脂層(II)を設ける。
【0036】或は米国特許5,097,792号、特開平52-2512
65号、同2-268862記載のコータを用い、樹脂層(I)未
乾燥のまま、樹脂層(II)を所謂ウェット・オン・ウェ
ットで重層してもよい。
【0037】尚樹脂層(I)は厚い方がオリゴマー等の
除去には効果があるが、ウェット厚み10μm以上になる
と乾燥むら等の支障が起る。
【0038】本発明の磁気テープにおいては、磁気記録
構成層に複数の磁性層、各種機能を有する中間層、保護
層或は潤滑層を設けることができる。
【0039】即ち図1(a)に示すように非磁性支持体
1の上に本発明に係る樹脂層(I)6及び(II)7を設
け、その上に磁性層2を設け、更にその上に磁性層2を
保護するための保護層4を設けたものである。磁性層2
は2層或はそれ以上の重層であってもよい。
【0040】上記の各層以外に、バックコート層3を設
けてもよく、また、磁性層2に近接して導電性層(図示
せず)を設けてもよい。
【0041】また、図1(b)は本発明に係る他の例を
示すものであり、磁性層2、保護層4の上に更に潤滑層
5を設けたものである。
【0042】磁性層については、支持体上に、Fe、Co、
Ni、Co-Ni合金、Co-Cr合金、Fe-Co合金等の強磁性金属
材料を用いて、真空蒸着法やイオンプレーディング法、
スパッタリング法等の真空薄膜形成技術により連続薄膜
として強磁性金属薄膜を形成する方式等がある。
【0043】上記真空蒸着法は、10-4〜10-8Torrの真空
下で強磁性金属材料を電子ビーム加熱等で蒸発させ支持
体上に被着させる方法であり、さらに、抗磁力を上げる
ため上記強磁性金属材料を支持体上に斜めに被着させた
り、酸素雰囲気中で蒸着し強磁性金属薄膜を酸化させる
ことも可能である。
【0044】また磁性層の膜厚は、500〜10000Åが好ま
しく、更に好ましくは800〜2500Åである。また磁性層
は単層構造でも2重層構造以上でも良い。
【0045】また本発明においては、保護層及びその上
に更に潤滑層を設けることが好ましい。
【0046】磁気テープの摺動耐久性を高めるには、こ
の摩擦係数を小さくするための潤滑剤を磁性層表面に存
在させる必要がある。従来技術で提案されてきた弗素系
潤滑剤の塗布は、媒体の表面エネルギーを低下させる効
果があり、摩擦係数の低減に有用な手段と考えられてい
た。しかし、繰返される摺動によって潤滑剤が脱離して
しまう難点があり、このような状態になると再び摩擦係
数は上昇し、耐久性は得られない。即ち、磁性層に強固
に保持される潤滑剤でなければ、繰返し摺動時の磁性層
の表面エネルギーを低い状態で維持することができず、
摩擦係数の上昇を抑えて耐久性を持たせることもできな
いことは明らかである。
【0047】また耐蝕性については、強制劣化試験の結
果によれば、磁性層の腐蝕は磁性層を形成する強磁性金
属と水分との反応や、或は水を媒介とした酸素や腐蝕性
ガスとの反応が原因である。従って、摺動耐久性の場合
と同じく、耐蝕性についても磁性層の表面エネルギーを
低い状態で維持することによって、磁性層と水分等との
相互作用を抑え、耐蝕性を向上することが可能である。
【0048】前記觀点からアルカンジオール、モノパー
フルオルアルキルエーテル燐酸エステル(特願平4-5087
3号記載)を保護層に添加することが好ましい。該エー
テル構造は末端燐酸基に対し、弗化アルケニル-酸素-の
構造をとる事により電子供与性を示す置換基として作用
する。
【0049】これにより、燐酸基の持つ強い磁性層との
結合力と弗素原子の持つ撥水、撥油性を両立する事がで
きる。
【0050】前記の燐酸エステルの少くとも1つに、更
にパーフルオルポリエーテル(特願平4-50873号記載;
化合物(e))を併用する事により磁性層の耐久性及び
耐蝕性の両方を満足する信頼性の高い磁気テープとする
事ができる。
【0051】前記燐酸エステルは、溶剤(例えばフレオ
ンTF、FC-77、アセトン、メタノール)に溶解し、
この溶液を磁性層に塗布又は吹き付けるか、或はこの溶
液中に磁性層を浸漬し乾燥する等の方法によって保護層
とすることができる。また、これら化合物を蒸着等の方
法で磁性層表面に直接被着させてもよい。
【0052】保護層4には、更に公知の潤滑剤を併用
し、使用可能な温度範囲を広げてもよい。このような潤
滑剤としては、脂肪酸またはその金属塩、脂肪酸アミ
ド、脂肪酸エステル、パーフルオルアルキルカルボン酸
またはその金属塩、パーフルオルアルキルカルボン酸エ
ステル、パーフルオルアルキルスルホン酸、またはその
アンモニウム塩、ジメチルポリシロキサン、末端変性ジ
メチルポリシロキサン、側鎖変性ジメチルポリシロキサ
ン(変性基;シラノール,OR,RNH2,COOH,エポキシ,
ビニルメルカプト,アルコール)、前記の化合物(e)
以外のパーフルオルポリエーテル類等が挙げられる。特
にパーフルオルアルキルカルボン酸エステルの併用は低
温に於ける潤滑性を改善する効果がある。このような潤
滑剤の添加量は、添加される前記の燐酸エステルの少く
とも1つに対して500wt%以下であることが好ましい。
【0053】その他、防銹剤(例えば、アルキルフェノ
ール、ハイドロキノン、クレゾール、ナフトール類)や
極圧剤(例えばトリオレイルホスフェートのような燐系
極圧剤、硫化ジメチルのような硫黄系極圧剤、チオホス
フェート類のような複合型極圧剤)を併用してもよい。
これらの添加剤の量は、添加される前記燐酸エステルの
少くとも1つに対して50wt%以下であることが好まし
い。
【0054】本発明に基づいて形成される保護層は、潤
滑層のない場合は平均膜厚が5〜500Åが好ましく、5
〜250Åが更に好ましい。この平均膜厚が5Å未満で
は、走行安定性、耐久性等の効果が出難く、逆に500Å
を超えると、貼付きが起きたりスペーシングロスが大き
くなるため、実用性を失う恐れがある。または潤滑層が
この保護膜の上にある場合には、保護層の平均膜厚は5
〜300Åが好ましく、5〜200Åが更に好ましい。
【0055】前記潤滑層は、保護層の上に形成される。
このとき潤滑層塗布に用いる溶媒は保護層の化合物を溶
かし出さないことが望ましいので、保護層用化合物に対
して溶解度の低い、例えばn-ヘキサン、フレオン等の
極性の小さな溶媒を用いるのがよい。
【0056】上記潤滑層を形成する潤滑剤としては、前
記の、保護層に併用してもよい公知の潤滑剤を使用する
ことができる。こうすることによって、潤滑層は磁気ヘ
ッド等との摺動摩擦を軽減して耐久性を高め、耐蝕効果
のある保護層及び磁性層を護ることができる。
【0057】上記の潤滑層に用いる潤滑剤として更に好
ましいのが前記化合物(e)である。この化合物のポリ
エーテル鎖の水素は全て弗素置換されており、一方、前
記の燐酸エステルも全弗素置換の不飽和炭化水素基を有
しているため、両化合物は馴染みが良い。即ち、保護層
の表面をこの化合物(e)を含む潤滑層で覆った場合に
は、潤滑層は表面エネルギーの低い保護層上でもよく濡
れることで、保護層上に均一に潤滑層を設けることがで
きるため耐久性が一層向上する。従って、この高耐久性
の潤滑層に護られた保護層は防錆効果を長期間安定して
発揮できるため、磁気記録媒体の性能も長期に渡って安
定化することができる。
【0058】上記潤滑層の平均膜厚は、5〜300Åが好
ましく、10〜200Åが更に好ましい。この平均膜厚が5
Å未満では走行安定性、耐久性等の効果が出難く、ま
た、300Åを超えると、貼付きが起きたりスペーシング
ロスが大きくなるため、使用に耐えない場合がある。
【0059】また、支持体の強磁性金属薄膜が設けられ
る反対の面にバックコート層を形成する場合には、該バ
ックコート層は塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル、
フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂等のバインダ樹脂を
一種以上用い、導電性カーボンブラックを一種類或は粒
径または化学的性質の違う種類のカーボンブラックを二
種以上一緒に分散させるか又は別々に分散させた塗液を
支持体上に塗布して形成する。この分散時に使用される
有機溶剤としては、シクロヘキサノン、トルエン、メチ
ルエチルケトン、ベンゼン等が挙げられる。また、表面
性または耐久性改善のために無機顔料をカーボンブラッ
クと共に分散させてもよい。
【0060】本発明の磁気テープの非磁性支持体を形成
する材料としては、たとえばポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン-2,6-ナフタレート等のポリエステル
類が用いられる。更に、ポリアミド、ポリイミドなどを
挙げることができる。
【0061】前記非磁性支持体の形態は特に制限はな
く、主にテープ状、フィルム状、シート状、カード状、
ディスク状、ドラム状などがある。
【0062】非磁性支持体の厚みには特に制約はない
が、たとえばフィルム状やシート状の場合は通常3〜10
0μm、好ましくは5〜50μmであり、ディスクやカード
状の場合は30μm〜10mm程度、ドラム状の場合はレコー
ダ等に応じて適宜に選択される。
【0063】なお、この非磁性支持体は単層構造のもの
であっても多層構造のものであってもよい。
【0064】
【実施例】次に実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0065】(A)樹脂層 表1に示すように、飽和ポリエステル(PE)、芳香族
ポリアミド(ポリアラミド;PAD)、ポリイミド(P
I)支持体の夫々に表1に示した溶剤に本発明に係る樹
脂を溶かし、規定の乾燥厚みの樹脂層(I)を形成し
た。
【0066】樹脂層(I)を一旦乾燥、巻取り、更に非
水溶性樹脂を表1に示す溶剤にとかしフィラーを含有さ
せた塗料を塗布し樹脂層(II)を形成した。
【0067】尚PE支持体には環状オリゴマー突起の発
生をしているベースを用いた。
【0068】
【表1】
【0069】(B)磁気記録構成層 前記樹脂層(I)及び(II)の組み合せを施した各種夫
々のベースに酸素を導入しながら斜め蒸着法によりCo-N
iの合金を被覆させ、膜厚2000Åの強磁性金属薄膜を形
成した。次に、これを8mm幅に断裁してサンプルテープ
を作成した。
【0070】各サンプルテープについて、下記に特性評
価を行い、表2,3に示した。
【0071】特性評価 (a)電磁変換特性 使用機器 VTR8mmレコーダ V−900(SONY製) NTSC COLOR ノイズメータ Sibasoku 925/P1 シグナルジェネレータ Sibasoku TG-7/1 入力信号 RF-OUT 揮度信号(WHITE 100%) C−SN クロマ信号 テープ先頭から2分間送り、そのから2分録画し、再生
して測定する。
【0072】(b)走行耐久性(Durability) 使用機器 VTR8mmレコーダ EV-S550(SONY製) 測定条件 先頭5分 最大200パス 常温常湿 RF-OUTが3dB以上低下するか、もしくは、Jitterが0.2
μs以上になったら、そこまでのパス数を結果とする。
【0073】(c)スチル耐久性 使用機器 VTR8mmレコーダ CCD-V8(SONY製) 測定条件 同一部分繰返し再生 最大120分 常温常湿 RF-OUTが2dB以上低下した時間を結果とする。
【0074】(d)ドロップアウト(DO) 使用機器 VTR8mmレコーダ V−900(SONY製) VTR DROP OUT カウンタ VHO1BZ 測定条件 入力信号 WHITE 100% −15μs/−12dB 先頭より6分間録画、再生したときの先頭1分間を除い
た5分間の平均値を測定値とする。
【0075】(e)耐蝕性テスト 60℃,90%RHで1weekの条件のサーモテストにサンプル
(長さ10cmのテープ片を切り出し厚紙に張り付け固定し
たもの)を入れる。サーモテストに入れる前後の飽和磁
化Φsの値から計算する。
【0076】ΔΦs(%)=1−[Φs(サーモ後)/Φs(サ
ーモ前)]×100 Φsは振動式磁束計によって、印加磁場10Kエルステッ
ドで測定した。
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】表から明らかなように本発明の試料はいず
れも耐久性、耐蝕性がすぐれ更に電磁特性も優れる。
【0080】
【発明の効果】本発明の構成により、耐摩耗性が高くま
た耐蝕性が強い磁気記録媒体、特に強磁性金属型の磁気
記録媒体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の態様の磁気記録媒体の断面図である。
【符号の説明】
1 非磁性支持体 2 磁性層 3 バックコート層 4 保護層 5 潤滑層 6 樹脂層(I) 7 樹脂層(II)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 飽和ポリエステルからなる支持体の磁気
    記録構成層を設ける側に、下記一般式〔PE−1〕又は
    〔PE−2〕で表される飽和ポリエステル樹脂を主成分
    とする樹脂層(I)を設け、更にその上に粒径0.01〜0.1
    μmの微粒子を含み非水溶性樹脂を主成分とする樹脂層
    (II)を設け、その上に強磁性金属薄膜層を設けたこと
    を特徴とする磁気記録媒体。 一般式〔PE−1〕;〔-O-R1OCO-R2-CO-〕n 一般式〔PE−2〕;〔-O-R3-CO-〕n 〔上記一般式中、R1,R2及びR3は置換基を有しても
    よい2種の2価の基;脂肪族基、芳香族基を表し、
    1,R2は同一であっても異っていてもよい。〕
  2. 【請求項2】 ポリアミドからなる支持体の磁気記録構
    成層を設ける側に、下記一般式〔PA〕で表されるポリ
    アミド樹脂を主成分とする樹脂層(I)を設け、更にそ
    の上に粒径0.01〜0.1μmの微粒子を含み非水溶性樹脂を
    主成分とする樹脂層(II)を設け、その上に強磁性金属
    薄膜層を設けたことを特徴とする磁気記録媒体。 一般式〔PA〕;〔-HN-R4-NH-CO-R5-CO-〕n 〔上記一般式中、R4及びR5は置換基を有してもよい2
    種の2価の基;脂肪族基、芳香族基を表し、同一であっ
    ても異なってもいてもよい。〕
  3. 【請求項3】 ポリイミドからなる支持体の磁気記録構
    成層を設ける側に、下記一般式〔PI−1〕又は〔PI
    −2〕で表されるポリイミド樹脂を主成分とする樹脂層
    (I)を設け、更にその上に粒径0.01〜0.1μmの微粒子
    を含み非水溶性樹脂を主成分とする樹脂層(II)を設
    け、その上に強磁性金属薄膜層を設けたことを特徴とす
    る磁気記録媒体。 一般式〔PI−1〕;〔-N<(-CO-)2>R7<(-CO-)2>N-
    R8-〕n 一般式〔PI−2〕;〔-NHC-R9<(-CO-)2>N-R10-〕n 〔上記一般式中、R7及びR9は少くとも1個の芳香環を
    含み、イミド環を形成する2つのカルボニル基は該芳香
    環上の互に隣接する炭素原子に結合している。またR8
    及びR10は置換基を有してもよい2種の2価の基;脂肪
    族基、芳香族基を表し、アミド結合、ウレタン結合を含
    でいてもよい。〕
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