JPH06314421A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH06314421A
JPH06314421A JP10543593A JP10543593A JPH06314421A JP H06314421 A JPH06314421 A JP H06314421A JP 10543593 A JP10543593 A JP 10543593A JP 10543593 A JP10543593 A JP 10543593A JP H06314421 A JPH06314421 A JP H06314421A
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resin
magnetic
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JP10543593A
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Inventor
Yasushi Nakano
寧 中野
Takeshi Ito
健 伊藤
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Konica Minolta Inc
TDK Corp
Original Assignee
Konica Minolta Inc
TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 繰返し使用してもテープの耐久性(耐摩耗
性)及び耐蝕性に優れた磁気記録媒体、特に強磁性金属
薄膜型磁気記録媒体の提供。 【構成】 非磁性支持体上に、支持体と同種の非水溶性
樹脂中に平均粒径rmの微粒子フィラーを分散させた厚
さdの下地層を65>(rm−d)>5の条件を付して設
ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体に関し、特
に非水溶性下引層を施した非磁性支持体上に強磁性金属
薄膜層を設けた磁気記録媒体に関る。
【0002】
【従来の技術】高密度の記録が可能でありかつ、良好な
電磁変換特性を有する磁気記録媒体の表面は、うねりや
凹凸のない平滑な面を有する必要があるが、完全に平滑
である場合、走行系のポール、ガイド、或はヘッドと磁
気媒体は密着し、摩擦抵抗のために走行障害を受ける。
従って、潤滑剤を添加し表面の摩擦係数の低下を図る必
要がある。しかし、潤滑剤は漸次拭い去られ潤滑性が失
われることも多い。
【0003】そこで、走行性を向上する手段として磁気
記録媒体(以後磁気テープと総称する)表面に凹凸を与
えることにより走行系部材との接触面積を減じ、面積因
子から磁気テープの面滑りが改善される。
【0004】ところで、支持体表面は、異物或は支持体
組成のオリゴマー等の重合した異物による凹凸が存在
し、磁気テープの薄い磁性層被覆、特にバインダを用い
ない強磁性金属薄膜磁性層の被覆によっては、到底支持
体の凹凸を覆い隠すことは不可能である。その結果、ヘ
ッドへの均等な走行接触が妨げられ、スペーシングロス
を招き、また走行系部材の摩損や電磁変換特性の低下を
招く。
【0005】このような支障を避けるため、予め支持体
表面に寸断形状の脈条突起或は細かに離散した島状台地
を形成(特開昭56-10455号、同58-62826号)させ、或は
微細フィラーを分散させた水溶性高分子の下引層を設け
(特開昭59-84927号、同59-84928号、同59-229316
号)、支持体表面を被覆、陰蔽すると共に、適度に微細
な凹凸を表面に形成することにより、面滑りを改善した
支持体が提案されている。
【0006】しかしながら、例えば支持体として汎用さ
れている有用なポリエステルに重合度異性物のオリゴマ
ー、主に3量体環状トリマーがポリマーの約1wt%存在
し、熱的に漸次表面に析出し異状に高い300〜1000Åに
及ぶ突起を所々に形成している(飽和ポリエステル樹脂
ハンドブック、p167〜177;湯木和男編、日刊工業
社)。ポリエステルの製膜直後において性能がよくて
も、重合度異性物の成長、増大とともに電磁変換特性の
衰退、走行性の劣化、ドロップアウトの増大をもたら
し、前記水溶性高分子層による被覆、陰蔽効果のよく及
ぶ所ではなくなる。
【0007】積極的に前記オリゴマーを析出させて面滑
りを改善する方法(特開昭57-127923号)が提案された
が形成される突起が局在し好ましい結果を与えない。
【0008】また、一方前記したような磁気テープ構成
層の下地層もしくは支持体に直接設ける下引層の高分子
物には水溶性のメチルセルロース等が用いられるが、該
高分子層は強磁性金属薄膜を化学的反応により劣化を助
長する。
【0009】この問題は独りポリエステルからなる支持
体に限らず、実用される総ての支持体ベースに共通であ
る。
【0010】即ち支持体側から支持体を透過した酸素、
水分及び磁気テープの前記水溶性高分子層断面から呼込
まれた酸素、水分は該高分子層に受けいれられ、隣接し
た金属薄膜を直にアタックし、磁性金属に銹を生じる。
【0011】因みに、支持体に用いられるポリエステ
ル、ポリプロピレン、ポリアミド(ナイロン)、ポリカ
ーボネート、ポリ塩化ビニルは25μm厚での透湿度(g/
m2・24hr)は夫々40℃,90%RHで27.6,145,80,40、
またO2透過率(cc/m2・atm・24hr)は夫々20℃,65%R
Hで60,550,20,200,150である。
【0012】磁性金属に生じた銹は金属粒子が互に接触
しているので速やかに伝播し、磁気特性の低下、電磁変
換特性の劣化、画質の悪化を惹き起こす。磁性層が積層
構成のときは下層の磁性層の性能低下により記録及び再
生のバランスを失う。
【0013】また、前記水溶性高分子に代えて非水溶性
樹脂を支持体製膜時に下地用として用いる場合の溶媒の
有機溶媒が製膜工程中の高温工程において爆発の可能性
があり問題が多く実用的ではない。
【0014】支持体製膜後に非水溶性樹脂の下引き層を
設ける場合、製膜後すぐにオリゴマーが析出してしま
い、これが原因で高い突起が形成され、その上に該非水
溶性樹脂の下引きを設けてもこの突起を被覆、隠蔽する
事はできず、スペーシングロスを招き、電磁変換特性に
悪影響を及ぼす。
【0015】更に支持体の分子構造と異る樹脂の下引層
を直接に塗布すると接着性が悪く、スチル再生のように
同じ場所を何回も擦するような状況では、支持体から下
引層、磁性層が剥離し、磁気テープに損傷を与え、カセ
ット内に層断片を残し爾後の走行に支障を来す。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
(1)支持体上のオリゴマーを起因とする500Å以上の
高い突起の存在 1) 磁気記録媒体としての電磁変換特性の低下 2) ドロップアウトの増大 の性能低下をもたらした。
【0017】 (2)強磁性金属薄膜型磁気記録媒体の耐蝕性能 水系下引きとして微粒子を含む水溶性高分子を主体とし
た水溶液として、例えばメチルセルロース水溶液を塗布
していた。この水系下引き膜は水分の透過性が高く、水
分は支持体を透過して更に該下引き層を透過し、または
下引き層に水分を蓄えて強磁性金属薄膜に到達し、錆の
原因となっていた。金属磁性粒子の酸化物あるいは水酸
化物に変化することにより磁気特性が低下し、電磁変換
特性の劣化を生み、画像の劣化をもたらしていた。
【0018】(3)スチル耐久性 支持体と化学構造の違う樹脂を直接塗布した場合、支持
体と下引層との間の接着が悪くなった。スチルモードの
様に同じ場所を何回もヘッドが擦動するような状況で
は、ベースと下引き樹脂との界面から剥離し、テープ表
面に傷創痕が入っていた。
【0019】(4)低温走行 走行性能を改善するのに、潤滑剤技術だけでは不充分で
あった。
【0020】これは低温環境下での潤滑剤の性能劣化に
原因がある。
【0021】本発明の目的は、非磁性高分子樹脂支持体
を用いる磁気テープにおいて; (1)磁性層表面に支持体オリゴマー等に起因する突起
が存在せず、電磁変換特性が良好で、走行耐用性が長
く、またドロップアウトの少ない磁気テープ、(2)防
銹性に優れ、高温高湿保存になる磁気特性、電磁変換特
性の劣化のない磁気テープ、(3)接着性が良好でスチ
ル耐久性の優れた磁気テープ、(4)低温における走行
性のよい磁気テープの提供にある。
【0022】
【課題を解決するための手段】前記本発明の目的は;非
磁性支持体として用いられる飽和ポリエステルベース
(PE−Bと標記)、ポリアミドベース(PA−B)及
びポリイミドベース(PI−B)の夫々に対し、PE−
Bに対しては前記一般式〔A−1〕又は〔A−2〕で表
される飽和ポリエステル樹脂、PA−Bに対しては前記
一般式〔B〕で表されるポリアミド樹脂、PI−Bに対
しては前記一般式〔C−1〕又は〔C−2〕で表される
ポリイミド樹脂を夫々に主成分とする樹脂及び前記樹脂
夫々に無機又は有機のフィラーを夫々含み、乾燥後の樹
脂層の膜厚dと樹脂中のフィラーの平均粒径rmが、 65>(rm−d)>5(単位nm) である下地層を設けた飽和ポリエステルからなる支持体
に、強磁性金属薄膜層を設けたことを特徴とする何れの
磁気記録媒体によっても達成される。
【0023】前記一般式〔A−1〕及び〔A−2〕中の
1,R2及びR3の表す脂肪族基、芳香族基としては、
【0024】
【化1】
【0025】が挙げられ、これらの芳香環に対する置換
基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、アルキル基、ア
ルコキシ基が挙げられる。
【0026】また前記一般式〔B〕中のR4及びR5の表
す脂肪族基、芳香族基は前記R1〜R3と同義である。
【0027】また前記一般式〔C−1〕,〔C−2〕中
のR7,R9には下記のものが挙げられる。なおR7は芳
香族テトラカルボン酸或はその無水物に由来する。
【0028】
【化2】
【0029】更にR8,R10の表す脂肪族基、芳香族基
は前記R1〜R5と同義である。
【0030】尚前記一般式で特定された飽和ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリイミド各樹脂の分子量は1000〜50
000が好ましい。
【0031】具体的には飽和ポリエステル樹脂としては
ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレン
テレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ-1,4
-シクロヘキサンジメチレンテレフタレート等の一般に
飽和ポリエステルと呼ばれているものが使用される。
【0032】またポリアミド樹脂としてはナイロン6,
ナイロン66,、ナイロン610,ナイロン11,ナイロン12
等の脂肪族アミド樹脂又は芳香族アミド樹脂が使用され
る。
【0033】またポリイミド樹脂には公知の各種ポリイ
ミド樹脂が用いられる。
【0034】具体的にはポリ〔N,N′-(P,P′-オキシジ
フェニレン)ピロメリットイミド〕等である。
【0035】本発明において、非水溶性樹脂の溶解に用
いられる溶剤は汎用性からみてオリゴマーの溶解作用を
併せもつものが好ましく、該有機溶剤としては、クロロ
ホルム、シクロヘキサノン、ジオキサン及びトルエン、
メチルエチルケトン、メチルセルソルブ、エチルセルソ
ルブ、ベンゼン、キシレン、フェノール等が挙げられる
がこの限りではない。このうちの支持体がポリエステル
の場合はそのクロロホルム、シクロヘキサノン、ジオキ
サンの少くとも1種もしくは2種を組合せて用いるのが
好ましい。
【0036】以上のようにして支持体と同種類の樹脂を
支持体上に塗布し設ける事により、支持体上のオリゴマ
ーの溶解性を高める事ができ、それを利用してオリゴマ
ーの除去ができるようになった。
【0037】前記下地層に用いる非水溶系樹脂には、本
発明の目的に支障のない限り他の樹脂を混用してもよ
い。例えばポリスチロール、ポリカーボネート、ポリア
クリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルブチラ
ート、ポリフェニレンオキサイド、フェノキシ樹脂等の
各種樹脂の単体、共重合体又はこれらの混合物、又はウ
レタン樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミ
ン樹脂或はそれらの変性樹脂、架橋樹脂が使用され、こ
れらの樹脂を組合せ使用してもよい。
【0038】また含有させるフィラーとしては無機質粒
子、有機質粒子のいづれでもよい。また平均粒径rmは1
5〜60nmが好ましい。
【0039】有機質粒子としては、ポリスチレン、ポリ
エチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリル酸
エステル、エポキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビ
ニル、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルエーテル、弗
素樹脂等の架橋高分子からなるミクロゲル粒子が挙げら
れ、無機質粒子としては、通常コロイド粒子として知ら
れるものであって、Al2O3,SiO2,TiO2,ZnO,Fe2O3,C
dO,NiO,CaWO4,BaTiO3等の金属酸化物、CaCO3,BaC
O3,CoCO3等の炭酸塩、Au,Ag,Cu,Ni,Fe等の金属粒
子が挙げられる。
【0040】前記下地層の塗布は、支持体表面の状況、
例えばオリゴマーの状況によって製膜工程に続けて或は
巻取後改めて下地層の塗布を行い下引済支持体として準
備される。
【0041】例えばCYC(シクロヘキサノン)/MEK(メ
チルエチルケトン)=5/5の溶剤に樹脂を溶しコロイ
ダルシリカ等のフィラーを混練分散し、乾燥厚み10〜40
nmの下地層が形成される。
【0042】また、塗布には米国特許5,097,792号、特
開平2-268862記載のコータ等を用い塗布してもよい。
【0043】本発明の磁気テープにおいては、磁気記録
構成層に複数の磁性層、各種機能を有する中間層、保護
層或は潤滑層を設けることができる。
【0044】即ち図1(a)に示すように非磁性支持体
1の上に本発明に係る下地層6を設け、その上に磁性層
2を設け、更にその上に磁性層2を保護するための保護
層4を設けたものである。磁性層2は2層或はそれ以上
の重層であってもよい。
【0045】上記の各層以外に、バックコート層3を設
けてもよく、また、磁性層2に近接して導電性層(図示
せず)を設けてもよい。
【0046】また、図1(b)は本発明に係る他の例を
示すものであり、磁性層2、保護層4の上に更に潤滑層
5を設けたものである。
【0047】磁性層については、支持体上に、Fe、Co、
Ni、Co-Ni合金、Co-Cr合金、Fe-Co合金等の強磁性金属
材料を用いて、真空蒸着法やイオンプレーディング法、
スパッタリング法等の真空薄膜形成技術により連続薄膜
として強磁性金属薄膜を形成する方式等がある。
【0048】上記真空蒸着法は、10-4〜10-8Torrの真空
下で強磁性金属材料を電子ビーム加熱等で蒸発させ支持
体上に被着させる方法であり、さらに、抗磁力を上げる
ため上記強磁性金属材料を支持体上に斜めに被着させた
り、酸素雰囲気中で蒸着し強磁性金属薄膜を酸化させる
ことも可能である。
【0049】また磁性層の膜厚は、500〜10000Åが好ま
しく、更に好ましくは800〜2500Åである。また磁性層
は単層構造でも2重層構造以上でも良い。
【0050】また本発明においては、保護層及びその上
に更に潤滑層を設けることが好ましい。
【0051】磁気テープの摺動耐久性を高めるには、こ
の摩擦係数を小さくするための潤滑剤を磁性層表面に存
在させる必要がある。従来技術で提案されてきた弗素系
潤滑剤の塗布は、媒体の表面エネルギーを低下させる効
果があり、摩擦係数の低減に有用な手段と考えられてい
た。しかし、繰返される摺動によって潤滑剤が脱離して
しまう難点があり、このような状態になると再び摩擦係
数は上昇し、耐久性は得られない。即ち、磁性層に強固
に保持される潤滑剤でなければ、繰返し摺動時の磁性層
の表面エネルギーを低い状態で維持することができず、
摩擦係数の上昇を抑えて耐久性を持たせることもできな
いことは明らかである。
【0052】また耐蝕性については、強制劣化試験の結
果によれば、磁性層の腐蝕は磁性層を形成する強磁性金
属と水分との反応や、或は水を媒介とした酸素や腐蝕性
ガスとの反応が原因である。従って、摺動耐久性の場合
と同じく、耐蝕性についても磁性層の表面エネルギーを
低い状態で維持することによって、磁性層と水分等との
相互作用を抑え、耐蝕性を向上することが可能である。
【0053】前記觀点からアルカンジオール、モノパー
フルオルアルキルエーテル燐酸エステル(特願平4-5087
3号記載)を保護層に添加することが好ましい。該エー
テル構造は末端燐酸基に対し、弗化アルケニル-酸素-の
構造をとる事により電子供与性を示す置換基として作用
する。
【0054】これにより、燐酸基の持つ強い磁性層との
結合力と弗素原子の持つ撥水、撥油性を両立する事がで
きる。
【0055】前記の燐酸エステルの少くとも1つに、更
にパーフルオルポリエーテル(特願平4-50873号記載;
化合物(e))を併用する事により磁性層の耐久性及び
耐蝕性の両方を満足する信頼性の高い磁気テープとする
事ができる。
【0056】前記燐酸エステルは、溶剤(例えばフレオ
ンTF、FC-77、アセトン、メタノール)に溶解し、
この溶液を磁性層に塗布又は吹き付けるか、或はこの溶
液中に磁性層を浸漬し乾燥する等の方法によって保護層
とすることができる。また、これら化合物を蒸着等の方
法で磁性層表面に直接被着させてもよい。
【0057】保護層4には、更に公知の潤滑剤を併用
し、使用可能な温度範囲を広げてもよい。このような潤
滑剤としては、脂肪酸またはその金属塩、脂肪酸アミ
ド、脂肪酸エステル、パーフルオルアルキルカルボン酸
またはその金属塩、パーフルオルアルキルカルボン酸エ
ステル、パーフルオルアルキルスルホン酸、またはその
アンモニウム塩、ジメチルポリシロキサン、末端変性ジ
メチルポリシロキサン、側鎖変性ジメチルポリシロキサ
ン(変性基;シラノール,OR,RNH2,COOH,エポキシ,
ビニルメルカプト,アルコール)、前記の化合物(e)
以外のパーフルオルポリエーテル類等が挙げられる。特
にパーフルオルアルキルカルボン酸エステルの併用は低
温に於ける潤滑性を改善する効果がある。このような潤
滑剤の添加量は、添加される前記の燐酸エステルの少く
とも1つに対して500wt%以下であることが好ましい。
【0058】その他、防銹剤(例えば、アルキルフェノ
ール、ハイドロキノン、クレゾール、ナフトール類)や
極圧剤(例えばトリオレイルホスフェートのような燐系
極圧剤、硫化ジメチルのような硫黄系極圧剤、チオホス
フェート類のような複合型極圧剤)を併用してもよい。
これらの添加剤の量は、添加される前記燐酸エステルの
少くとも1つに対して50wt%以下であることが好まし
い。
【0059】本発明に基づいて形成される保護層は、潤
滑層のない場合は平均膜厚が5〜500Åが好ましく、5
〜250Åが更に好ましい。この平均膜厚が5Å未満で
は、走行安定性、耐久性等の効果が出難く、逆に500Å
を超えると、貼付きが起きたりスペーシングロスが大き
くなるため、実用性を失う恐れがある。または潤滑層が
この保護膜の上にある場合には、保護層の平均膜厚は5
〜300Åが好ましく、5〜200Åが更に好ましい。
【0060】前記潤滑層は、保護層の上に形成される。
このとき潤滑層塗布に用いる溶媒は保護層の化合物を溶
かし出さないことが望ましいので、保護層用化合物に対
して溶解度の低い、例えばn-ヘキサン、フレオン等の
極性の小さな溶媒を用いるのがよい。
【0061】上記潤滑層を形成する潤滑剤としては、前
記の、保護層に併用してもよい公知の潤滑剤を使用する
ことができる。こうすることによって、潤滑層は磁気ヘ
ッド等との摺動摩擦を軽減して耐久性を高め、耐蝕効果
のある保護層及び磁性層を護ることができる。
【0062】上記の潤滑層に用いる潤滑剤として更に好
ましいのが前記化合物(e)である。この化合物のポリ
エーテル鎖の水素は全て弗素置換されており、一方、前
記の燐酸エステルも全弗素置換の不飽和炭化水素基を有
しているため、両化合物は馴染みが良い。即ち、保護層
の表面をこの化合物(e)を含む潤滑層で覆った場合に
は、潤滑層は表面エネルギーの低い保護層上でもよく濡
れることで、保護層上に均一に潤滑層を設けることがで
きるため耐久性が一層向上する。従って、この高耐久性
の潤滑層に護られた保護層は防錆効果を長期間安定して
発揮できるため、磁気記録媒体の性能も長期に渡って安
定化することができる。
【0063】上記潤滑層の平均膜厚は、5〜300Åが好
ましく、10〜200Åが更に好ましい。この平均膜厚が5
Å未満では走行安定性、耐久性等の効果が出難く、ま
た、300Åを超えると、貼付きが起きたりスペーシング
ロスが大きくなるため、使用に耐えない場合がある。
【0064】また、支持体の強磁性金属薄膜が設けられ
る反対の面にバックコート層を形成する場合には、該バ
ックコート層は塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル、
フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂等のバインダ樹脂を
一種以上用い、導電性カーボンブラックを一種類或は粒
径または化学的性質の違う種類のカーボンブラックを二
種以上一緒に分散させるか又は別々に分散させた塗液を
支持体上に塗布して形成する。この分散時に使用される
有機溶剤としては、シクロヘキサノン、トルエン、メチ
ルエチルケトン、ベンゼン等が挙げられる。また、表面
性または耐久性改善のために無機顔料をカーボンブラッ
クと共に分散させてもよい。
【0065】本発明の磁気テープの非磁性支持体を形成
する材料としては、たとえばポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン-2,6-ナフタレート等のポリエステル
類が用いられる。更に、ポリアミド、ポリイミドなどを
挙げることができる。
【0066】前記非磁性支持体の形態は特に制限はな
く、主にテープ状、フィルム状、シート状、カード状、
ディスク状、ドラム状などがある。
【0067】非磁性支持体の厚みには特に制約はない
が、たとえばフィルム状やシート状の場合は通常3〜10
0μm、好ましくは5〜50μmであり、ディスクやカード
状の場合は30μm〜10mm程度、ドラム状の場合はレコー
ダ等に応じて適宜に選択される。
【0068】なお、この非磁性支持体は単層構造のもの
であっても多層構造のものであってもよい。
【0069】
【実施例】次に実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0070】(A)下地層 表1に示すように、微粒子フィラーとして特定の平均粒
径をもつアルコール分散のコロイダルシリカ(OSCAL:
触媒化成工業製)を含有した下記処方の下地層塗料を調
製した。
【0071】 (下地層塗料) 表1,2に示す樹脂 0.2重量部 OSCAL 0.002重量部 メチルエチルケトン 500重量部 シクロヘキサノン 500重量部
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】前記塗料を表2及び3に示す支持体との組
合せで下地層を支持体上に設け、その上に磁気記録構成
層を形成し、実施例1〜15及び比較例(1)〜(17)の
試料を作成した。尚支持体のPET(ポリエステル)は
ポリエチレンテレフタレート、PAD(ポリアミド)は
デュポン社製ザイテル(ナイロン66)、PI(ポリイミ
ド)はデュッポン社製カプトンHを用いた。
【0075】尚ポリエステル支持体には環状オリゴマー
突起の発生をしているベースを用いた。
【0076】(B)磁気記録構成層 前記下地層を施した各種夫々のベースに酸素を導入しな
がら斜め蒸着法によりCo-Niの合金を被覆させ、膜厚200
0Åの強磁性金属薄膜を形成した。次に、これを8mm幅
に断裁してサンプルテープを作成した。
【0077】各サンプルテープについて、下記に特性評
価を行い、その結果を表2,3に示した。
【0078】特性評価 (a)電磁変換特性 使用機器 VTR8mmレコーダ V−900(ソニー社製) NTSC COLOR ノイズメータ Sibasoku 925/P1 シグナルジェネレータ Sibasoku TG-7/1 入力信号 RF-OUT 揮度信号(WHITE 100%) C−SN クロマ信号 テープ先頭から2分間送り、そのから2分録画し、再生
して測定する。
【0079】(b)走行耐久性(Durability) 使用機器 VTR8mmレコーダ EV-S550(ソニー社製) 測定条件 先頭5分 最大200パス 常温常湿(25℃,60%RH)及び低温(0℃) RF-OUTが3dB以上低下するか、もしくは、Jitterが0.2
μs以上になったら、そこまでのパス数を結果とする。
【0080】(c)スチル耐久性 使用機器 VTR8mmレコーダ CCD-V8(ソニー社製) 測定条件 同一部分繰返し再生 最大120分 常温常湿(25℃,60%RH) RF-OUTが2dB以上低下した時間を結果とする。
【0081】(d)ドロップアウト(DO) 使用機器 VTR8mmレコーダ V−900(ソニー社製) VTR DROP OUT カウンタ VHO1BZ 測定条件 入力信号 WHITE 100% −15μs/−12dB 先頭より6分間録画、再生したときの先頭1分間を除い
た5分間の平均値を測定値とする。
【0082】(e)耐蝕性テスト 60℃,90%RHで1weekの条件のサーモテストにサンプル
(長さ10cmのテープ片を切り出し厚紙に張り付け固定し
たもの)を入れる。サーモテストに入れる前後の飽和磁
化Φsの値から計算する。
【0083】ΔΦs(%)=1−[Φs(サーモ後)/Φs(サ
ーモ前)]×100 Φsは振動式磁束計によって、印加磁場10Kエルステッ
ドで測定した。
【0084】
【表3】
【0085】
【表4】
【0086】表から明らかなように本発明の試料はいず
れも耐久性、耐蝕性がすぐれ更に電磁特性も優れる。
【0087】
【発明の効果】支持体上に支持体と同種類の樹脂を下引
層の結合剤として用いることにより、耐摩耗性が高くま
た耐蝕性が強い磁気記録媒体、特に強磁性金属薄膜記録
媒体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の態様の磁気記録媒体の断面図である。
【符号の説明】
1 非磁性支持体 2 磁性層 3 バックコート層 4 保護層 5 潤滑層 6 下地層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体の磁気記録構成層を設ける
    側に、下記一般式〔A−1〕又は〔A−2〕で表される
    飽和ポリエステル樹脂を主成分とする樹脂及び無機又は
    有機のフィラーを含み、乾燥後の樹脂層の膜厚dと樹脂
    層に含有するフィラーの平均粒径rmが、 65>(rm−d)>5(単位nm) を満足する下地層を設けた飽和ポリエステルからなる支
    持体に、強磁性金属薄膜層を設けたことを特徴とする磁
    気記録媒体。 一般式〔A−1〕;〔-O-R1OCO-R2-CO-〕n 一般式〔A−2〕;〔-O-R3-CO-〕n 〔上記一般式中、R1,R2及びR3は置換基を有しても
    よい2価の脂肪族基または芳香族基を表し、R1,R2
    互いに異なる基を表わす。〕
  2. 【請求項2】 非磁性支持体の磁気記録構成層を設ける
    側に、下記一般式〔B〕で表されるポリアミド樹脂を主
    成分とする樹脂及び無機又は有機のフィラーを含み、乾
    燥後の樹脂層の膜厚dと樹脂層に含有するフィラーの平
    均粒径rmが、 65>(rm−d)>5(単位nm) を満足する下地層を設けたポリアミドからなる支持体
    に、強磁性金属薄膜層を設けたことを特徴とする磁気記
    録媒体。 一般式〔B〕;〔-HN-R4-NH-CO-R5-CO-〕n 〔上記一般式中、R4及びR5は置換基を有してもよい2
    価の脂肪族基または芳香族基を表し、同一であっても異
    なっていてもよい。〕
  3. 【請求項3】 非磁性支持体の磁気記録構成層を設ける
    側に、下記一般式〔C−1〕又は〔C−2〕で表される
    ポリイミド樹脂を主成分とする樹脂及び無機又は有機の
    フィラーを含み、乾燥後の樹脂層の膜厚dと樹脂層に含
    有するフィラーの平均粒径rmが、 65>(rm−d)>5(単位nm) を満足する下地層を設けたポリイミドからなる支持体
    に、強磁性金属薄膜層を設けたことを特徴とする磁気記
    録媒体。 一般式〔C−1〕;〔-N<(-CO-)2>R7<(-CO-)2>N-R8
    -〕n 一般式〔C−2〕;〔-NHCO-R9<(-CO-)2>N-R10-〕n 〔上記一般式中、R7及びR9は少くとも1個の芳香環を
    含み、イミド環を形成する2つのカルボニル基は該芳香
    環上の互に隣接する炭素原子に結合している。R7は芳
    香族テトラカルボン酸、或はその無水物に由来する基で
    あり、またR8及びR10は置換基を有してもよい2価の
    脂肪族基、芳香族基を表し、アミド結合、ウレタン結合
    を含んでいてもよい。〕
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100347756C (zh) * 2004-03-25 2007-11-07 株式会社东芝 磁记录介质和磁记录设备

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