JP2689813B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2689813B2
JP2689813B2 JP4106063A JP10606392A JP2689813B2 JP 2689813 B2 JP2689813 B2 JP 2689813B2 JP 4106063 A JP4106063 A JP 4106063A JP 10606392 A JP10606392 A JP 10606392A JP 2689813 B2 JP2689813 B2 JP 2689813B2
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勉 八代
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オーディオテープ、ビ
デオテープ、コンピュータ用磁気テープ等の高分子フィ
ルムを基体とする磁気記録媒体の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体の記録特性の向上は近年著
しいものがあり、塗布形媒体に代わって金属或いは合金
(一部酸化されていることもある)薄膜よりなる磁気記
録媒体が実用化されてきている。更にはその中でも、垂
直磁気記録方式が有望視されて活発な研究開発が進めら
れている。塗布形磁気記録媒体に比べこれら合金薄膜の
記録媒体は磁束密度が高く且つ薄膜化により高密度記録
においても自己減磁作用を小さくできるため、大きな再
生出力を得ることができる。更に、垂直磁気記録方式に
おいては、いわゆる回転磁化モードの形成が抑えられる
ために、最も高密度磁気記録媒体に適していると言われ
ている。
【0003】ところで、近年、記録媒体の小型化が求め
られ、それに伴って磁気ヘッドを搭載した回転ドラム回
りの改善と共に、磁気テープの走行安定性及び耐久性が
重要な課題となっている。すなわち、磁気テープを記録
再生する場合において、通常高密度記録をする時に、例
えばヘリカルスキャン方式を採用する。磁気ヘッドを取
り付けた磁気ドラムに磁気テープを巻き付け、高速で磁
気ドラムを回転しながら磁気テープを少しずつ移動させ
て記録や再生を行なう。この場合、高密度記録になるに
従って、ドラムの回転速度は速くなり、かつテープ送り
速度はゆっくりになる。特に、最近はトラック幅(テー
プ送り幅)が高密度化するに伴って10μm以下にな
り、テープ送り制御が厳しくなってきている。
【0004】また、デジタル記録においては記録情報の
高速サーチや、テープの高速リワインドや正確な頭出し
が重要になり、できるだけ高速でテープを送り、かつ正
確に停止することが求められる。このために、上述のよ
うに走行安定性や耐久性の向上が強く求められる。従
来、この走行安定性等を確保するために、磁性層の表面
にトップコート層を形成し、基体の裏面にバックコート
層を形成し、例えば種々のトップコート用の潤滑剤が検
討され、また磁性層表面の粗さの分布状態等が検討され
て来ている。
【0005】そして、バックコート層に関しては、すで
に塗布形媒体において実績があり、その効果は明らかで
ある。すなわち、磁性層に添加されていたカーボンをバ
ックコート層として設けることによって、遮光性や磁束
密度の向上を計るばかりでなく、磁気テープの剛性を制
御したり、走行性を改善する役割が付加されてきてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
ではトップコート層とバックコート層とはそれぞれがそ
の検討すべき対象が異なり、かつ検討する時期がずれて
いたこともあって、個別に走行性に対する検討がなされ
てきている。そして、合金薄膜の磁性媒体においては、
トップコート層が中心でありバックコート層に関して
は、「トップコート層に用いられた潤滑剤を塗布しても
よい」ということが示されている程度に、留まってお
り、これら合金薄膜の磁気記録媒体は、塗布形の磁気記
録媒体と比較して、走行安定性や耐久性等において劣
り、実用上、更に改善すべき課題が存在するという問題
点があった。本発明は、以上のような問題点に着目し、
これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明
の目的は、動摩擦係数を制御することにより走行安定性
や耐久性を向上させることができる磁気記録媒体を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記問題
点を解決するために、合金薄膜の磁気テープのトップコ
ート層とバックコート層の動摩擦係数を種々変化させて
その走行安定性等を検討したところ、これらコート層の
動摩擦係数が共に0.3以下で且つそれぞれの動摩擦係
数の差が0.1以下であれば走行安定性及び耐久性を大
幅に向上させることがてきる、という知見を得たもので
あり、これにより本発明はなされた。すなわち、本発明
は、非磁性基体上に形成された磁性膜の表面にトッブコ
ート層を形成すると共に前記非磁性基体の前記磁性膜と
反対側の表面に潤滑剤を含むバックコート層を形成して
なる磁気記録媒体において、前記トップコート層と前記
バックコート層の動摩擦係数が共に0.3以下て且つ前
記2つの動摩擦係数の差が0.1以下とし、更に上記バ
ックコート層の表面粗さを0.018μm以下に設定し
たものである。
【0008】
【作用】上記のように形成された磁気記録媒体の一実施
例は例えば図1に示すように構成される。すなわち、こ
の磁気記録媒体2は所定の厚さ、例えば10μm程度の
帯状の樹脂よりなる非磁性基体4を有しており、この表
面に例えば蒸着法を用いて金属や合金等により例えば厚
さ2000Å程度の磁性膜6が形成される。更に、この
磁性膜6の表面には例えばアルコール変性したパーフロ
ロポリエーテル等よりなる潤滑剤を塗布することにより
トップコート層8が形成される。また、上記非磁性基体
4の磁性膜6と反対側の表面には、バインダ、添加物、
硬化剤等を適宜加えて形成した塗布液を塗布することに
よりバックコート層10が形成され、これにより磁気記
録媒体2、例えば磁気テープが形成される。一般に、ド
ラムの高速回転に対する磁気記録媒体、例えば磁気テー
プの摺動特性は、トップコート層の動摩擦係数と保護膜
の削れ性とヘッド及びドラムの材料との相性が大切であ
る。特に動摩擦係数の小さい事が、摺動特性には重要で
ある。
【0009】本発明における検討では、その動摩擦係数
の値が少なくとも0.3以下であることが重要である
(一般に動摩擦係数は接触する材料と接触面積に依存す
るので、本実施例で示す方法によって得られた値を用い
る)。動摩擦係数が0.3を越えると磁気記録媒体、例
えば磁気テープとドラム系との摩擦力が大きくなって磁
気テープの表面に傷が付き、これが引き金になって急激
な動摩擦係数の増大が起こり、更に磁気テープが傷付
き、ついには使用できない状態に陥ってしまう。
【0010】一方、磁気テープ送りの安定性に対して
は、磁気テープをローディングする走行系と磁気テープ
の接触状況に依存する。磁気テープのローディング状態
では、ガイドピンと磁気テープとが接触しており、適度
にテンションを掛けて走行安定性を制御している。当
然、ガイドピンと磁気テープの接触は磁気テープのトッ
プコート層8側とバックコート層10側の両方が関係し
ている。本発明の検討では、この接触状態において、種
々の磁気テープの動摩擦係数とテープ送り安定性との関
係を検討した結果、トップコート層8とバックコート層
10の動摩擦係数の値に隔たりが多い場合には、明らか
にテープ送りの安定性に悪影響を与えていることが確認
された。すなわち、トップコート層8とバックコート層
10の動摩擦係数の差が0.1を越えると、磁気テープ
にたるみが見られたり、摩擦力の変動に伴う走行性の不
連続性が発生する。
【0011】このときの、動摩擦係数の測定は、図2に
示すような方法で行なわれた。すなわち、例えば直径L
1が約6mmのsus316のガイドロール12に幅L
2が例えば1/2インチ程度の例えば磁気テープよりな
る磁気記録媒体2のサンプルを巻き付ける。そして、こ
の磁気記録媒体2の一端に一定の重さの荷重16を掛
け、他端にテンションメータ14を接続してテンション
荷重を求める。ここで、磁気記録媒体2が動いている状
態でテンションメータ14に掛かる荷重を用いて動摩擦
係数μは下記式のように表される。 μ=1/πlog(W/a) ここでWは荷重16の重さ、aはテンションメータ14
に加わる荷重を示す。
【0012】以上のような検討によって、トップコート
層8とバックコート層10の動摩擦係数をそれぞれ0.
3以下に設定し、しかもこれら動摩擦係数の差を0.1
以下に設定すると、磁気記録媒体の走行安定性及び耐久
性を共に大幅に向上させることができた。
【0013】
【実施例】非磁性基体として10μmのPET(ポリエ
チレンテレフタレート)フィルム上に、斜め蒸着法によ
って、CoNi(Ni:18wt%)合金膜を約200
0Åの厚さに堆積させて磁性膜を形成した。この際、予
め蒸着装置を10-5Torrまで排気した後、酸素ガス
を0.2リットル/minの速度で導入しながら膜を形
成した。このサンプルを用いて、バックコート層及びト
ップコート層等の塗布処理を行なって、磁気記録媒体と
して磁気テープを得た。
【0014】<バックコート>バックコート層用の塗布
液は以下の表1に示す基本組成を基に、以下の表のよう
に添加物を変えて作成した。
【0015】
【表1】
【0016】この基本組成を基に、添加物としての潤滑
剤の種類、量及び表面粗さRaを表2に示すように調整
してバックコート層の動摩擦係数μkを制御した。ま
た、バックコート層無しの時の表面粗さと動摩擦係数も
示す。
【0017】
【表2】
【0018】次に、上記基本組成のバックコート層の表
面に、0.02%に希釈した各種の潤滑剤を塗布して、
表3に示すように動摩擦係数を制御した。
【0019】
【表3】
【0020】次に、基本組成を表4に示すように変更し
てバックコート層用塗料を製造し、塗膜厚が0.5μm
で、表面粗さRaが0.010μmの塗膜を形成した。
【0021】
【表4】
【0022】そして、表5に示すように潤滑剤を変えて
動摩擦係数を制御した。
【0023】
【表5】
【0024】<トップコート>トップコート層は表6に
示すような各種の潤滑剤の固形分を0.02%に希釈し
て塗工して形成し、動摩擦係数を制御した。この時、防
錆剤を潤滑剤に対して10%程度まで添加してもよい。
【0025】
【表6】
【0026】また、潤滑剤をアルコール変性パーフロロ
ポリエーテルに固定して、潤滑剤の固形分を変えること
によって塗工量を制御して表7に示すように種々の動摩
擦係数のサンプルを製造した。
【0027】
【表7】
【0028】バックコート層とトップコート層のそれぞ
れの組合せによって、合計90種類の評価サンプルテー
プを製造し、それぞれについて走行性及び耐久性の状態
を検討した。走行系はVHS(登録商標)デッキをベー
スにして、それを改良したものを用いた。テープ幅は1
/2インチである。評価項目は以下の通りである。 (1)ヘッドによるテープの傷付き状態を30分間のス
チル後に観察する。 (2)高速リワインドの状態において、テープの鳴きや
巻姿を観察する。 (3)高速リワインドの状態で、テープのたるみを観察
する。 この結果を表8に示す。また、右側の欄には、各サンプ
ル群における組合せにおいてトップコート層とバックコ
ート層の動摩擦係数の差を示す。
【0029】
【表8】
【0030】尚、表8中において○印は特性の改善が見
られたことを示し、△印は特性の一部不良が見られたこ
とを示し、×印は特性の改善が見られないことを示す。
この表8から明らかなように、トップコート層とバック
コート層の少なくとも一方の動摩擦係数が0.3を越え
て大きい場合、すなわちサンプル群2、5、9、11、
14、17、21、22〜26(トップコート種類17
〜19またはバックコート種類5、8を含む場合)にお
いては、(1)〜(3)の評価項目の内、少なくとも1
つの評価項目において性能が良好でないことが観察され
る。また、トップコート層及びバックコート層の動摩擦
係数が0.3以下の場合であっても、サンプル群8、2
0に示すようにこれらの動摩擦係数の差が0.1を越え
て大きい場合には、評価項目(2)、(3)において性
能不良が生ずることが観察され、特に、評価項目(3)
であるテープのたるみが明らかに見られる。
【0031】これに対して、トップコート層及びバック
コート層の動摩擦係数が0.3以下で、しかも、これら
2つに動摩擦係数の差が0.1以下の場合には、3つの
評価項目(1)、(2)、(3)においてすべて良好な
性能特性が観察されており、従って、上記のようにトッ
プコート層とバックコート層の動摩擦係数を制御するこ
とにより磁気記録媒体の走行安定性及び耐久性を向上さ
せることができることが判明した。尚、走行性はテープ
の厚みが薄いとより厳しくなり、それぞれの動摩擦係数
の値とその差を小さく決める必要がある。また、トップ
コート層及びバックコート層の基本組成やこれらの動摩
擦係数を制御するために使用する潤滑剤は上述したもの
に限定されないのは勿論である。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気記録
媒体によれば次のような優れた作用効果を発揮すること
ができる。トップコート層及びバックコート層の動摩擦
係数を所定の範囲に設定し、且つバックコート層の表面
粗さを0.018μm以下にすることにより、走行安定
性及び耐久性を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気記録媒体の一実施例を示す断
面図である。
【図2】動摩擦係数を測定するための方法を説明するた
めの説明図である。
【符号の説明】
2…磁気記録媒体、4…非磁性基体、6…磁性膜、8…
トップコート層、10…バックコート層。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基体上に形成された磁性膜の表
    面にトップコート層を形成すると共に前記非磁性基体の
    前記磁性膜と反対側の表面に潤滑剤を含むバックコート
    層を形成してなる磁気記録媒体において、前記トップコ
    ート層と前記バックコート層の動摩擦係数が共に0.3
    以下で且つ前記2つの動摩擦係数の差が0.1以下てあ
    り、前記バックコート層の表面粗さが0.018μm以
    下であることを特徴とする磁気記録媒体。
JP4106063A 1992-03-31 1992-03-31 磁気記録媒体 Expired - Lifetime JP2689813B2 (ja)

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