JPH10241140A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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Publication number
JPH10241140A
JPH10241140A JP4251597A JP4251597A JPH10241140A JP H10241140 A JPH10241140 A JP H10241140A JP 4251597 A JP4251597 A JP 4251597A JP 4251597 A JP4251597 A JP 4251597A JP H10241140 A JPH10241140 A JP H10241140A
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JP
Japan
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magnetic
back coat
ion
ions
thin film
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Application number
JP4251597A
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English (en)
Inventor
Kazunobu Chiba
一信 千葉
Makoto Inoue
誠 井上
Tsutomu Takeda
勉 武田
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バックコート層の錆の誘発を抑え、磁気特性
の劣化、ドロップアウトの増大、走行耐久性の劣化を抑
え、良好な記録再生特性を確保する。 【解決手段】 非磁性支持体の一主面上に金属磁性薄膜
を形成し、この金属磁性薄膜形成面と反対側の主面上に
結合剤中に非磁性顔料が分散されたバックコート塗料が
塗布されてなるバックコート層を形成し、純水抽出法に
よるイオンクロマトグラフィー検査方法におけるバック
コート塗料中の塩酸イオン,硝酸イオン及び硫酸イオン
の含有量の総和を10ppm以下とする。さらに、これ
らイオンの含有量をそれぞれ5ppm以下とすることが
好ましい。さらには、バックコート塗料に含有される非
磁性顔料の純水抽出法によるイオンクロマトグラフィー
検査方法における塩酸イオン,硝酸イオン及び硫酸イオ
ンの含有量の総和を400ppm以下とすることが好ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非磁性支持体の一
主面上に金属磁性薄膜が形成され、反対側の主面上にバ
ックコート層が形成されている磁気記録媒体に関する。
詳しくはバックコート層を形成するバックコート塗料中
の塩酸イオン,硝酸イオン及び硫酸イオンの含有量を規
定することにより、安定した走行性、保存特性を確保す
る磁気記録媒体に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気記録媒体としては、酸化物磁
性粉末や合金磁性粉末等の強磁性粉末と塩化ビニル−酢
酸ビニル系共重合体、ポリエステル樹脂、ウレタン樹
脂、ポリウレタン樹脂等の結合剤、有機溶剤よりなる磁
性塗料を非磁性支持体上に塗布することで磁性層が形成
される、いわゆる塗布型の磁気記録媒体が広く使用され
ている。
【0003】これに対し、高密度記録化への要求の高ま
りとともに、Co−Ni合金、Co−Cr合金、Co−
O等の金属磁性材料を真空薄膜形成技術(メッキ、真空
蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法
等)によってポリエステルフィルムやポリアミドフィル
ム、ポリイミドフィルム等の非磁性支持体上に直接被着
させることで磁性層が形成される、いわゆる金属磁性薄
膜型の磁気記録媒体が提案され注目を集めている。
【0004】この金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は、塗
布型の磁気記録媒体に比べて保磁力、角形比等の磁気特
性に優れ、短波長領域での電磁変換特性に優れるばかり
でなく、磁性層の厚みを極めて薄くすることが可能であ
るため、記録減磁や再生時の厚み損失が著しく小さいこ
と、磁性層中に非磁性材である結合剤等を混入する必要
がないことから、磁性材料の充填密度を高めることが可
能である等数々の利点を有している。
【0005】このような磁気記録媒体においては、電磁
変換特性を更に向上させ、より大きな出力を得ることを
可能とするために、磁性層形成時に磁性層を斜めに蒸着
するいわゆる斜方蒸着が提案され、実用化されている。
【0006】このため、ビデオテープレコーダー用の磁
気記録媒体として既に実用化され、今後、ハイバンド8
ミリビデオテープレコーダー、デジタルビデオテープレ
コーダー(VTR)等、更に高品位なシステムへの対応
が期待されている。
【0007】ところで、このような金属磁性薄膜型の磁
気記録媒体では、磁性層表面が鏡面状態に近く、巻回し
たときに接触する非磁性支持体バック面との実質的な摩
擦係数が増大する傾向にあることから、非磁性支持体の
磁性層を設けた側とは反対側の面に、表面粗さを適当な
値に設定したバックコート層を形成することが行われて
いる。このバックコート層は、非磁性支持体バック面の
表面性を制御するとともに、帯電を抑え、ダスト等の影
響を排除し、さらには走行を安定化させる目的から不可
欠である。
【0008】このバックコート層は、通常、適度な粒径
を持ったカーボン等の非磁性顔料を結合剤、有機溶媒等
と共に分散混合してバックコート塗料を調製し、この塗
料を非磁性支持体上に塗布することで形成される。
【0009】さらに、上記のような金属磁性薄膜型の磁
気記録媒体においては、磁性層上にも潤滑剤や防錆剤等
の有機材料を塗布してコーティングすることも検討され
ている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このようにバックコー
ト層は媒体の走行性を改善するという点で大きなメリッ
トを有するものの、本発明者等が種々の検討を行ったと
ころ、バックコート層に使用するバックコート塗料によ
っては、磁性層となる強磁性金属薄膜の錆を誘発し、磁
気特性の劣化、ドロップアウトの増大、走行耐久性の劣
化を誘発する場合があり、バックコート層の形成にはこ
の点に留意する必要があることが判明した。
【0011】すなわち、バックコート層を形成した蒸着
テープを、高温多湿条件下で長期間保存すると、バック
コート層を形成していない蒸着テープでは見られない大
幅なテープ特性の劣化が発生することがある。これは、
巻回した状態で磁性層と接触するバックコート層が、こ
の磁性層に何らかの悪影響を及ぼしていることによるも
のと推定される。
【0012】ここで、ディジタル画像信号を扱うディジ
タルVTR等では、高密度な磁気記録を行う必要性から
記録トラックピッチがl0ミクロンと極めて狭くなされ
る。このため、これまで見逃されていたような極めて小
さな欠陥であっても、記録再生に大きく影響する傾向が
あり、上述のようなバックコート層による悪影響につい
ても、徹底した改善が必要である。
【0013】そこで、本発明はこのような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、バックコート層の錆の誘
発を極力抑え、これによる金属磁性薄膜の磁気特性の劣
化、ドロップアウトの増大、走行耐久性の劣化が抑えら
れ、良好な記録再生特性が得られ、高記録密度化に好適
な磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するべ
く本発明者等が鋭意検討した結果、バックコート層を形
成した場合に発生する錆、これによる金属磁性薄膜の磁
気特性の劣化、ドロップアウトの増大、走行耐久性の劣
化は、バックコート層を形成するバックコート塗料中の
塩酸イオン,硝酸イオン及び硫酸イオンに起因してお
り、バックコート塗料中の塩酸イオン,硝酸イオン及び
硫酸イオンの含有量を規制することでこのような特性劣
化が抑えられるとの知見を得るに至った。
【0015】すなわち、本発明は、非磁性支持体の一主
面上に金属磁性薄膜が形成され、この金属磁性薄膜形成
面と反対側の主面上に結合剤中に非磁性顔料が分散され
たバックコート塗料が塗布されてなるバックコート層が
形成されている磁気記録媒体であって、純水抽出法によ
るイオンクロマトグラフィー検査方法におけるバックコ
ート塗料中の塩酸イオン,硝酸イオン及び硫酸イオンの
含有量の総和が10ppm以下であることを特徴とする
ものである。
【0016】なお、本発明の磁気記録媒体においては、
バックコート塗料中の塩酸イオン,硝酸イオン及び硫酸
イオンの含有量がそれぞれ5ppm以下であることが好
ましい。
【0017】純水抽出法によるイオンクロマトグラフィ
ー検査方法におけるバックコート塗料中の塩酸イオン,
硝酸イオン及び硫酸イオンの含有量の総和が10ppm
よりも多いと、例えば巻回された状態のように磁性層と
バックコート層が接触した状態で高温多湿の環境下に放
置された場合に、錆が発生し易く、これによりドロップ
アウト特性が劣化し、耐久性も劣化する。従って、錆に
よるドロップアウト特性の劣化を実用レベルまで引き下
げるには、上述のように純水抽出法によるイオンクロマ
トグラフィー検査方法におけるバックコート塗料中の塩
酸イオン,硝酸イオン及び硫酸イオンの含有量の総和が
10ppm以下であることが必要であり、7ppm以下
であることが好ましい。
【0018】さらには、塩酸イオン,硝酸イオン及び硫
酸イオンの含有量がそれぞれ5ppm以下、好ましくは
3ppm以下となされれば、さらに錆の発生が抑えられ
るため、好ましい。
【0019】上記の純水抽出法によるイオンクロマトグ
ラフィー検査方法とは、ここでは以下に示すような方法
を示す。すなわち、バックコート塗料を60℃で蒸発固
化して溶媒を除去した固体を粉砕し、5g計量する。そ
して、この粉体試料に純水100ccを加え、100℃
で3時間加熱抽出を行い、その後50ccを計量してこ
れを抽出測定試料液とし、イオンクロマトグラフィーに
て硝酸イオン、塩酸イオン、硫酸イオンの含有量を測定
する。ここでは、加熱抽出時間を3時間としているが、
抽出飽和すれば時間は特に限定されるものではない。
【0020】さらに、本発明の磁気記録媒体において
は、バックコート塗料に含有される非磁性顔料の純水抽
出法によるイオンクロマトグラフィー検査方法における
塩酸イオン,硝酸イオン及び硫酸イオンの含有量の総和
が400ppm以下であることが好ましい。
【0021】純水抽出法によるイオンクロマトグラフィ
ー検査方法におけるカーボン中の塩酸イオン,硝酸イオ
ン及び硫酸イオンの含有量の総和が400ppmよりも
多いと、バックコート塗料中のこれらイオンの含有量を
上記範囲に調整することが困難である。
【0022】本発明の磁気記録媒体においては、非磁性
支持体の一主面上に金属磁性薄膜が形成され、この金属
磁性薄膜形成面と反対側の主面上に結合剤中に非磁性顔
料が分散されたバックコート塗料が塗布されてなるバッ
クコート層が形成されており、純水抽出法によるイオン
クロマトグラフィー検査方法におけるバックコート塗料
中の塩酸イオン,硝酸イオン及び硫酸イオンの含有量の
総和が10ppm以下となされていることから、バック
コート層が磁性層である金属磁性薄膜に与える影響が解
消され、錆の発生が抑えられ、これによる金属磁性薄膜
の磁気特性の劣化、ドロップアウトの増大、走行耐久性
の劣化が抑えられる。
【0023】また、本発明の磁気記録媒体において、バ
ックコート塗料中の塩酸イオン,硝酸イオン及び硫酸イ
オンの含有量をそれぞれ5ppm以下とすれば、錆の発
生がさらに抑えられ、これによる金属磁性薄膜の磁気特
性の劣化、ドロップアウトの増大、走行耐久性の劣化が
さらに抑えられる。
【0024】さらには、本発明の磁気記録媒体におい
て、バックコート塗料に含有される非磁性顔料の純水抽
出法によるイオンクロマトグラフィー検査方法における
塩酸イオン,硝酸イオン及び硫酸イオンの含有量の総和
を400ppm以下とすれば、バックコート塗料中のこ
れらイオンの含有量を上記範囲に調整することが容易で
ある。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形
態について説明する。すなわち、本例の磁気記録媒体
は、非磁性支持体の一主面上に金属磁性薄膜が形成さ
れ、この金属磁性薄膜形成面と反対側の主面上に結合剤
中に非磁性顔料が分散されたバックコート塗料が塗布さ
れてなるバックコート層が形成されており、純水抽出法
によるイオンクロマトグラフィー検査方法におけるバッ
クコート塗料中の塩酸イオン,硝酸イオン及び硫酸イオ
ンの含有量の総和が10ppm以下となされることを特
徴とするものである。
【0026】なお、本例の磁気記録媒体においては、バ
ックコート塗料中の塩酸イオン,硝酸イオン及び硫酸イ
オンの含有量をそれぞれ5ppm以下となされることが
好ましい。
【0027】このバックコート塗料中の塩酸イオン,硝
酸イオン及び硫酸イオンの含有量は、使用される材料や
製造方法に大きく影響されるため、上記条件を満たすも
のを使用するようにすれば良い。
【0028】ここで、バックコート層に用いる非磁性顔
料としては、具体的にはカーボン粉末の他、ヘマタイ
ト、雲母、シリカゲル、酸化マグネシウム、硫化亜鉛、
炭化タングステン、窒化ホウ素、デンプン、酸化亜鉛、
カオリン、タルク、粘土、硫酸鉛、炭酸バリウム、炭酸
カルシウム、炭酸マグネシウム、ベーム石(γ一Al2
3・H2O)、アルミナ、硫化タングステン、酸化チタ
ンの粉末、ポリテトラフルオロエチレン粉末、ポリエチ
レン粉末、ポリ塩化ビニル粉末、金属粉等が挙げられ、
これらを単独或いは併用して使用することが可能であ
る。このとき、これら非磁性顔料における塩酸イオン,
硝酸イオン及び硫酸イオンの含有量が少ないことが望ま
しいことは言うまでもない。
【0029】そして、このとき、非磁性顔料として、純
水抽出法によるイオンクロマトグラフィー検査方法にお
ける塩酸イオン,硝酸イオン及び硫酸イオンの含有量の
総和が400ppm以下の非磁性顔料を使用すれば、バ
ックコート塗料中のこれらイオンの含有量を上記範囲に
調整することが容易である。
【0030】バックコート層は、上述の非磁性顔料を結
合剤及び有機溶剤とともに混練することによってバック
コート塗料を調製し、この塗料を非磁性支持体の磁性層
を形成した側とは反対側の面に塗布することで形成され
る。本発明を適用した磁気記録媒体においては、各材料
組成の原材料の段階で上述したような各イオンの含有量
が規制されていることが好ましい。なお、上記結合剤や
有機溶剤はいずれも従来公知のものが使用可能である。
【0031】例えば、結合剤としては、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルア
ルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン
酸共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩
化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エス
テル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル
−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−ス
チレン共重合体、熱可塑性ポリウレタン樹脂、フェノキ
シ樹脂、ポリ弗化ビニル、塩化ビニリデン−アクリロニ
トリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合
体、ブタジエン−アクリロニトリル−メタクリル酸共重
合体、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体、スチ
レン−ブタジエン共重合体、ポリエステル樹脂、フェノ
ール樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、
尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、尿素−ホルム
アルデヒド樹脂等が単独あるいは混合物して使用され
る。これら結合剤は、イソシアネート化合物を架橋剤と
して併用することで耐久性を向上させたり、適当な極性
基を導入して粉末成分の分散性を改善するようにしても
よい。
【0032】有機溶剤としては、アセトン,メチルエチ
ルケトン,メチルイソブチルケトン、シクロヘキサン等
のケトン系溶剤、酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸ブチ
ル,乳酸エチル,酢酸グリコールモノエチルエステル等
のエステル系溶剤、グリコールジメチルエーテル,グリ
コールモノエチルエーテル,ジオキサン等のグリコール
エーテル系溶剤、ベンゼン,トルエン,キシレン等の芳
香族炭化水素系溶剤、メチレンクロライド,エチレンク
ロライド,四塩化炭素,クロロホルム,エチレンクロル
ヒドリン,ジクロロベンゼン等の有機塩素化合物系溶剤
が用いられる。
【0033】なお、前述のようにこれらバックコート層
を形成するバックコート塗料の材料において塩酸イオ
ン,硝酸イオン及び硫酸イオンの含有量が少量であるこ
とが好ましいことは言うまでもない。
【0034】さらに、このバックコート層には磁気記録
媒体に通常使用される潤滑剤が内添或いは塗布されてい
ても良い。このような潤滑剤としては、オレイン酸,ミ
リスチン酸等の脂肪酸や、金属薄膜用の潤滑剤として一
般的に使用されている市販のフッ素系グリースやパーフ
ルオロポリエーテルカルボン酸エステル等が挙げられ
る。上記フッ素系グリースとしては、アウジモント社製
のフォンブリンZ−03,フォンブリンZ−15,フォ
ンブリンZ−DEAL,フォンブリンZ−25,フォン
ブリンZ−DOL,フォンブリンZ−DIAC,フォン
ブリンZ−DISOC,フォンブリンAM2001(何
れも商品名)、ダイキン工業社製のデムナムS−20,
デムナムS−65,デムナムS−100,デムナムS−
200(何れも商品名)、デュポン社製のクライトック
ス 240AC(商品名)等が例示される。この他、パ
ーフルオロポリエーテルにアルキル基を付与した構造を
有するものも使用可能である。さらに、これら潤滑剤は
単独或いは混合して使用することが可能である。
【0035】一方、非磁性支持体の上記バックコート層
が形成される側とは反対側の面には金属磁性薄膜が磁性
層として形成される。
【0036】この金属磁性薄膜の材料としては、通常の
金属磁性薄膜型の磁気記録媒体に使用されるものであれ
ば何れでも良く、Fe、Co、Ni等の強磁性金属、F
e−Co、Co−Ni、Fe−Co−Ni、Fe−C
u、Co−Cu、Co−Au、Co−Pt、Fe−C
r、Co−Cr、Ni−Cr、Fe−Co−Cr、Co
−Ni−Cr、Fe−Co−Cr−Ni等の強磁性合金
が挙げられる。金属磁性薄膜としては、これらの単層膜
であってもよいし多層膜であってもよい。さらには、非
磁性支持体と金属磁性薄膜間、あるいは多層膜の場合に
は各層間に、付着力向上、並びに抗磁力の制御等の目的
で、下地層あるいは中間層を設けてもよい。また、例え
ば金属磁性薄膜の表面近傍が耐蝕性改善等のために酸化
物となっていてもよい。
【0037】これら材料を薄膜として成膜する方法とし
ては、真空下で強磁性材料を加熱蒸発させ非磁性支持体
上に沈着させる真空蒸着法や、強磁性金属材料の蒸発を
放電中で行うイオンプレーティング法、アルゴンを主成
分とする雰囲気中でグロー放電を起こし生じたアルゴン
イオンでターゲット表面の原子をたたき出すスパッタリ
ング法等、いわゆるPVD技術が用いられる。このう
ち、真空蒸着法では、成膜雰囲気に酸素を導入したり、
蒸着方向を制御することで金属磁性薄膜の特性を制御す
るようにしても良い。
【0038】また、この磁性層上には保護膜が形成され
ていても良い。この保護膜は、金属磁性薄膜型の磁気記
録媒体で通常形成されているもの、例えばカーボン、C
rO2,Al23,BN,Co酸化物、MgO,Si
2,Si34,SiNx,SiC,SiNx−SiO2
ZrO2,TiO2,TiC等を真空薄膜形成技術によっ
て被着形成したものが用いられる。なお、保護膜として
は、これら材料の単層膜であっても良く、多層膜であっ
ても良い。また、材料の異なる薄膜を積層させた複合膜
であっても良い。
【0039】非磁性支持体としては、やはりこの種の媒
体で使用される従来公知のものがいすれも使用可能であ
る。例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエス
テル類、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフ
ィン類、セルローストリアセテート,セルロースジアセ
テート,セルロースアセテートブチレート等のセルロー
ス誘導体、ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン等のビ
ニル系樹脂、ポリカーボネート,ポリイミド,ポリアミ
ド,ポリアミドイミド等のプラスチックの他、紙、ある
いはアルミニウム,銅等の金属、アルミニウム合金,チ
タン合金等の軽合金、セラミックス単結晶シリコン等が
挙げられる。これら非磁性支持体の形態は、フィルム
状、テープ状、シート状、ディスク状、カード状、ドラ
ム状等いずれでもよい。
【0040】本例のような本発明を適用した磁気記録媒
体の構成は上述したものに限定されるわけではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲での変更は可能であり、例
えば必要に応じて下塗層を形成したり、潤滑剤,防錆剤
等の層を形成することは何等差し支えない。この場合、
バックコート層に含まれる非磁性顔料、樹脂結合剤或い
は潤滑剤、防錆剤に含まれる材料としては、この種の磁
気記録媒体に使用される材料が何れも使用可能である。
【0041】本例の磁気記録媒体においては、非磁性支
持体の一主面上に金属磁性薄膜が形成され、この金属磁
性薄膜形成面と反対側の主面上に結合剤中に非磁性顔料
が分散されたバックコート塗料が塗布されてなるバック
コート層が形成されており、純水抽出法によるイオンク
ロマトグラフィー検査方法におけるバックコート塗料中
の塩酸イオン,硝酸イオン及び硫酸イオンの含有量の総
和が10ppm以下となされていることから、バックコ
ート層が磁性層である金属磁性薄膜に与える影響が解消
され、錆の発生が抑えられ、これによる金属磁性薄膜の
磁気特性の劣化、ドロップアウトの増大、走行耐久性の
劣化が抑えられ、良好な記録再生特性が得られ、高記録
密度化に好適である。
【0042】また、本例の磁気記録媒体において、バッ
クコート塗料中の塩酸イオン,硝酸イオン及び硫酸イオ
ンの含有量をそれぞれ5ppm以下とすれば、錆の発生
がさらに抑えられ、これによる金属磁性薄膜の磁気特性
の劣化、ドロップアウトの増大、走行耐久性の劣化がさ
らに抑えられ、さらに良好な記録再生特性が得られ、高
記録密度化により好適となる。
【0043】さらには、本例の磁気記録媒体において、
バックコート塗料に含有される非磁性顔料の純水抽出法
によるイオンクロマトグラフィー検査方法における塩酸
イオン,硝酸イオン及び硫酸イオンの含有量の総和を4
00ppm以下とすれば、バックコート塗料中のこれら
イオンの含有量を上記範囲に調整することが容易であ
り、生産性も良好である。
【0044】
【実施例】以下、本発明の効果を確認するべく、以下に
示すような実験を行った。なお、ここでは本発明をテー
プ状磁気記録媒体に適用して実験を行った。
【0045】〈試料の作成〉先ず、厚さが10μmで幅
が150mmのポリエチレンテレフタレートよりなる非
磁性支持体を用意した。
【0046】次に、以下に示すような配合のバックコー
ト塗料を製造した。すなわち、非磁性顔料としてカーボ
ンを使用し、結合剤としてポリウレタンバインダーを使
用し、これらの混合比、非磁性顔料/結合剤が1.0と
なるように配合し、架橋剤として日本ポリウレタン工業
社製 コロネートL−50(商品名)を結合剤100重
量部に対して10重量部となるように添加するととも
に、これらを固形分が15%となるように溶剤に溶解さ
せた。このとき、カーボンとしては、カーボン粒子中の
硝酸イオン含有量が20ppm、カーボン粒子中の塩素
イオン含有量が14ppm、カーボン粒子中の硫酸イオ
ン含有量が39ppmのものを使用することとした。さ
らに、溶剤としてはメチルエチルケトン:トルエン:シ
クロヘキサノンが2:1:1の割合で混合されているも
のを使用することとした。
【0047】なお、上記カーボン粒子中の硝酸イオン含
有量、塩素イオン含有量、硫酸イオン含有量は、以下に
示すような抽出法による抽出測定試料液を用いてイオン
クロマトグラフィー(陰イオン)検査方法により測定し
た。すなわち、カーボン粒子を粉砕し、3g計量した。
この粉体に純水100ccを加え、100℃にて1時間
加熱抽出を行った。この後、50cc計量してこれを抽
出測定試料液とし、イオンクロマトグラフィーにて硝酸
イオン、塩酸イオン、硫酸イオンの含有量を測定した。
後述する各カーボンにおいても同様にして各イオンの含
有量を測定することとした。
【0048】さらに、上記バックコート塗料中の塩酸イ
オン,硝酸イオン及び硫酸イオンの含有量を以下に示す
ような抽出法による抽出測定試料液を用いてイオンクロ
マトグラフィー(陰イオン)検査方法により測定した。
すなわち、前述したように、各バックコート塗料を60
℃で蒸発固化して溶媒を除去した固体を粉砕し、5g計
量した。そして、この粉体試料に純水100ccを加
え、100℃にて3時間加熱抽出を行い、その後50c
cを計量してこれを抽出測定試料液とし、イオンクロマ
トグラフィーにて硝酸イオン、塩酸イオン、硫酸イオン
の含有量を測定した。その結果、硝酸イオンは検出出来
ず、塩酸イオンは5.0ppm、硫酸イオンは4.7p
pm含有されていた。
【0049】そして、上記バックコート塗料をこの種の
磁気記録媒体の製造に多用されるグラビア式の塗布装置
により前述の非磁性支持体の一主面に塗布し、バックコ
ート層とした。このとき、塗布厚を0.5μmとし、塗
布時の非磁性支持体の送り速度を150m/分とするこ
ととした。
【0050】次に、上記非磁性支持体のバックコート層
が形成される主面と反対側の主面にアクリル酸エステル
を主成分とする水溶性ラテックスを1000万個/mm
2 の密度で塗布して下塗り層とした。
【0051】次に、この非磁性支持体の下塗り層上に下
記の条件でCo−Ni合金よりなる金属磁性薄膜を酸素
雰囲気中で斜め蒸着により被着形成して磁性層とした。
この蒸着はこの種の磁気記録媒体の製造において多用さ
れている連続巻取り式の蒸着装置を用いて行うこととし
た。蒸着時の条件としては、合金をCo90−Ni10(添
字は重量%を示す。)とし、入射角を45゜〜90゜と
し、非磁性支持体の送り速度を25m/分とし、金属磁
性薄膜の厚さを200nmとし、導入酸素量を250c
c/分、蒸着時の真空度を7×10-2Paとすることと
した。
【0052】さらに、この磁性層上に、パーフルオロポ
リエーテルアルキルアミン塩及びカルボン酸パーフルオ
ロアルキルエステルを2:1の比率で混合したトップコ
ート溶液を塗布し、トップコートを形成した。
【0053】そして、最後に8mm幅に裁断して磁気テ
ープとし、これを実施例1とした。
【0054】次に、バックコート塗料中の非磁性顔料と
して、表1中に示すようなカーボン粒子中の硝酸イオン
濃度が3.2ppm、カーボン粒子中の塩素イオン濃度
が10ppm、カーボン粒子中の硫酸イオン濃度が18
ppmのカーボンを使用する以外は、実施例1と同様に
して磁気テープを製造し、これを実施例2とした。な
お、このようなカーボンにおける各イオンの含有量の違
いはカーボン粒子製造時に使用する水の水質、例えば地
下水やイオン交換水等における不純物含有量の違いとい
った性質に依存するものと思われる。なお、実施例1に
おけるカーボン粒子中の硝酸イオン濃度、塩素イオン濃
度、硫酸イオン濃度も表1中に併せて示すこととする。
【0055】
【表1】
【0056】さらに、バックコート塗料中の非磁性顔料
としてカーボン中の各イオンの濃度が表1中に示すよう
な値のカーボンを用いる以外は実施例1と同様にして磁
気テープを製造し、これを実施例3,4とした。
【0057】さらにまた、バックコート塗料中の非磁性
顔料としてカーボン中の各イオンの濃度が表1中に示す
ような値のカーボンを用い、且つ結合剤としてポリウレ
タンバインダーにニトロセルロースバインダーを5:1
の割合で添加したものを使用する以外は実施例1と同様
にして磁気テープを製造し、これを実施例5〜8とし
た。このとき、ニトロセルロースとしては硝酸イオンの
含有量が極力小さいものを使用することとした。
【0058】次に、比較のために、バックコート塗料中
の非磁性顔料としてカーボン中の各イオンの濃度が表1
中に示すような値のカーボンを用いる以外は実施例1と
同様にして磁気テープを製造し、これを比較例1及び比
較例3とした。
【0059】さらに、バックコート塗料中の非磁性顔料
としてカーボン中の各イオンの濃度が表1中に示すよう
な値のカーボンを用い、且つ結合剤としてポリウレタン
バインダーにニトロセルロースバインダーを5:1の割
合で添加したものを使用するる以外は実施例1と同様に
して磁気テープを製造し、これを比較例2及び比較例4
とした。
【0060】ところで、表1の結果を見てみると、カー
ボン粒子中の各イオンの含有量に比べ、バックコート塗
料中の各イオンの含有量が少量となっているのがわか
る。これは、バックコート塗料とすることでカーボン粒
子が結合剤により覆われてしまい、抽出測定試料液中に
各イオンが抽出されにくいためと思われる。
【0061】〈特性の評価〉次に、上記のようにして製
造された実施例1〜8と比較例1〜4の磁気テープの特
性を評価した。ここでは、錆の発生による磁気特性の劣
化、ドロップアウトの増大、走行耐久性の劣化の度合い
を調査するべく、所定の環境下において保存される前後
の磁気特性劣化、ドロップアウトの変化、スチル耐久性
の変化、シャトル走行性の変化、摩擦係数の変化、接着
性の変化を調査することとした。
【0062】先ず、摩擦係数であるが、温度40℃,相
対湿度80%の環境下でステンレススチール304製の
ガイドピン(表面性0.1s以下)に対する摩擦係数を
測定することとし、各磁気テープの製造直後と温度50
℃,相対湿度80%の環境下に10日保存した後に測定
することとした。結果を表2に示す。
【0063】
【表2】
【0064】次に、磁気特性劣化であるが、温度65
℃,相対湿度90%の環境下で7日保存する前後の残留
磁束低下率として調査した。この残留磁束低下率Δφr
は、次式に基づいて求めた。この結果も表2に併せて示
す。
【0065】残留磁束低下率Δφr=〔(保存前残留磁
束密度)−(保存後残留磁束密度)〕/(保存前残留磁
束密度)×100(%) また、接着性であるが、各磁気テープのバックコート層
と非磁性支持体の接着性を示すものであり、各磁気テー
プを温度50℃,相対湿度80%の環境下で10日間保
存した後に、市販の粘着テープ(セキスイ社製 18m
m幅)をバックコート層に貼り付け、これを引き剥した
ときにバックコート層が粘着テープ側に移動して貼り付
くかどうかを目視により観察するものとし、これを4段
階で評価した。
【0066】すなわち、バックコート層が粘着テープ側
に移動して貼り付いてしまい使用不可能なものを×、バ
ックコート層が粘着テープに貼り付いてしまい使用が難
しいものを△、バックコート層が粘着テープに若干貼り
付いてしまうものの使用可能なものを○、バックコート
層が粘着テープに貼り付かないものを◎として表すこと
とした。この結果も表2に併せて示す。
【0067】さらに、スチル耐久性であるが、以下のよ
うにして評価した。すなわち、ソニー社製の8mmビデ
オテープレコーダー EV−S1500(機種名)を連
続してポーズ状態を維持できるように改造した改造機を
使用し、温度40℃,相対湿度80%の環境下において
停止(ポーズ)状態で出力が完全になくなる(いわゆる
クロッグ状態)までの時間を評価することとした。な
お、製造直後の各磁気テープと温度50℃,相対湿度8
0%の環境下で10日保存した後の各磁気テープについ
て上記のような評価を行った。この結果を表3に示す。
【0068】
【表3】
【0069】さらにまた、シャトル走行性であるが、以
下のようにして評価した。すなわち、ソニー社製の8m
mビデオテープレコーダー EV−S1500(機種
名)を使用し、2時間長とした各磁気テープの温度40
℃,相対湿度80%の環境下での初期の出力とこの環境
下で100回繰り返し走行させた後の出力を比較し、減
少量を評価することとした。なお、減少量はデシベル値
で表示することとし、製造直後の各磁気テープと温度5
0℃,相対湿度80%の環境下で10日保存した後の各
磁気テープについて上記のような評価を行った。この結
果も表3に併せて示す。
【0070】次にドロップアウトであるが、ソニー社製
の8mmビデオテープレコーダーEV−S1500(機
種名)を単一波長による記録再生が可能で、且つヘッド
アンプ出力を補正することなく検出できるように改造し
た改造機を使用し、記録信号として白50%を使用して
行うものとし、各磁気テープの製造直後と温度50℃,
相対湿度80%の環境下で10日保存した後に評価し
た。この結果も表3に併せて示す。
【0071】表1〜表3の結果を見てわかるように、バ
ックコート塗料中の塩酸イオン,硝酸イオン及び硫酸イ
オンの含有量の総和が10ppm以下となされ、且つバ
ックコート塗料中の塩酸イオン,硝酸イオン及び硫酸イ
オンの含有量がそれぞれ5ppm以下となされており、
さらには非磁性顔料であるカーボン中の塩酸イオン,硝
酸イオン及び硫酸イオンの含有量の総和が400ppm
以下となされている実施例1〜7においては、バックコ
ート塗料中の塩酸イオン,硝酸イオン及び硫酸イオンの
含有量の総和が10ppmよりも大となされ、且つバッ
クコート塗料中の塩酸イオン,硝酸イオン及び硫酸イオ
ンの含有量がそれぞれ5ppmよりも大となされてお
り、さらには非磁性顔料であるカーボン中の塩酸イオ
ン,硝酸イオン及び硫酸イオンの含有量の総和が400
ppmよりも大となされている比較例1〜4と比べて、
所定の環境下における保存前後の摩擦係数の変化が小さ
く、磁気特性劣化も小さく、接着性の変化も小さく、ス
チル耐久性の変化も小さく、シャトル走行性の変化も小
さく、ドロップアウトの変化も小さいことが確認され
た。
【0072】すなわち、本発明を適用した磁気記録媒体
においては、バックコート層の錆の誘発が抑えられ、こ
れによる金属磁性薄膜の磁気特性の劣化、ドロップアウ
トの増大、走行耐久性の劣化が抑えられ、良好な記録再
生特性が得られ、高記録密度化に好適となることが確認
された。
【0073】また、バックコート塗料中の各イオンの含
有量が10ppm以下とされるとともに各イオンの含有
量がそれぞれ5ppm以下となされている実施例1,
4,7,8とバックコート塗料中の各イオンの含有量が
7ppm以下とされるとともに各イオンの含有量がそれ
ぞれ3ppm以下となされている実施例2,3,5,6
の結果を比較すると、実施例2,3,5,6の方が各特
性の変化が小さく、バックコート層の錆の誘発が更に抑
えられ、これによる金属磁性薄膜の磁気特性の劣化、ド
ロップアウトの増大、走行耐久性の劣化が更に抑えら
れ、更に良好な記録再生特性が得られ、高記録密度化に
更に好適となることが確認された。
【0074】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の磁気記録媒体においては、非磁性支持体の一主面上
に金属磁性薄膜が形成され、この金属磁性薄膜形成面と
反対側の主面上に結合剤中に非磁性顔料が分散されたバ
ックコート塗料が塗布されてなるバックコート層が形成
されており、純水抽出法によるイオンクロマトグラフィ
ー検査方法におけるバックコート塗料中の塩酸イオン,
硝酸イオン及び硫酸イオンの含有量の総和が10ppm
以下となされていることから、バックコート層が磁性層
である金属磁性薄膜に与える影響が解消され、錆の発生
が抑えられ、これによる金属磁性薄膜の磁気特性の劣
化、ドロップアウトの増大、走行耐久性の劣化が抑えら
れ、良好な記録再生特性が得られ、高記録密度化に好適
である。
【0075】また、本発明の磁気記録媒体において、バ
ックコート塗料中の塩酸イオン,硝酸イオン及び硫酸イ
オンの含有量をそれぞれ5ppm以下とすれば、錆の発
生がさらに抑えられ、これによる金属磁性薄膜の磁気特
性の劣化、ドロップアウトの増大、走行耐久性の劣化が
さらに抑えられる。
【0076】さらには、本発明の磁気記録媒体におい
て、バックコート塗料に含有される非磁性顔料の純水抽
出法によるイオンクロマトグラフィー検査方法における
塩酸イオン,硝酸イオン及び硫酸イオンの含有量の総和
を400ppm以下とすれば、バックコート塗料中のこ
れらイオンの含有量を上記範囲に調整することが容易で
あり、生産性も良好となる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体の一主面上に金属磁性薄膜
    が形成され、この金属磁性薄膜形成面と反対側の主面上
    に結合剤中に非磁性顔料が分散されたバックコート塗料
    が塗布されてなるバックコート層が形成されている磁気
    記録媒体において、 純水抽出法によるイオンクロマトグラフィー検査方法に
    おけるバックコート塗料中の塩酸イオン,硝酸イオン及
    び硫酸イオンの含有量の総和が10ppm以下であるこ
    とを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 バックコート塗料中の塩酸イオン,硝酸
    イオン及び硫酸イオンの含有量がそれぞれ5ppm以下
    であることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 バックコート塗料に含有される非磁性顔
    料の純水抽出法によるイオンクロマトグラフィー検査方
    法における塩酸イオン,硝酸イオン及び硫酸イオンの含
    有量の総和が400ppm以下であることを特徴とする
    請求項1記載の磁気記録媒体。
JP4251597A 1997-02-26 1997-02-26 磁気記録媒体 Pending JPH10241140A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000305289A (ja) * 1999-02-16 2000-11-02 Ricoh Co Ltd 電子写真用感光体と、それを用いた画像形成方法及び装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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