JPH0620800Y2 - 高所作業車の操作装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （１）産業上の利用分野 本考案は、作業台と車体とにそれぞれブームの作動を制
御する操作装置を設けた高所作業車の操作装置に関する
ものである。

（２）従来の技術 作業台と車体とにそれぞれ備えた操作装置にブームの作
動を停止させる作動停止装置をそれぞれ設けることは、
例えば特開昭５５−１２３９００号公報に記載されてい
るように従来より公知である。

（３）考案が解決しようとする問題点 しかし、従来の操作装置は、ブームの作動を停止させる
作動停止装置しか備えていないため、作業台に作業者が
搭乗して作業を行っているときに、他の作業者等が車体
に設けた下部操作装置を操作してしまうと、ブームが作
動してしまい、作業台内の作業者が作動停止装置を操作
してブームの作動を停止させなくては事故になる恐れが
有るという問題があった。

（４）問題点を解決するための手段 本考案は、上記の問題点を解決するために、先端に作業
台を取付けたブームを車体上に備え、作業台と車体とに
それぞれブームの作動を制御する操作装置を設け、これ
らの操作装置にブームの作動を停止させる作動停止装置
を設けた高所作業車において、車体に備えた下部操作装
置に作業台に備えた上部操作装置の操作を不能にする上
部キャンセル装置を設けるとともに、上部操作装置に下
部操作装置の操作を不能にする下部キャンセル装置を設
けたものである。

（５）作用 上記の構成により、作業者が作業台内より上部操作装置
を操作してブームの作動を制御するときに下部キャンセ
ル装置を作動させると、車体に設けた下部操作装置が操
作不能になるので、他の作業者等が下部操作装置を操作
してもブームは作動しない。また、作業者が下部操作装
置を操作してブームの作動を制御するときに上部キャン
セル装置を作動させると、上部操作装置が操作不能にな
るので、作業台内の作業者が上部操作装置を操作しても
ブームは作動しない。さらに上部キャンセル装置と下部
キャンセル装置を同時に作動させられたときには、下部
操作装置のみ、操作可能になるので下部キャンセル装置
が作動しているときでも、下部操作装置の操作が可能と
なる。

（６）実施例 以下、図面により本考案の実施例につて説明する。

第２図に示すように、高所作業車は、アウトリガ（２）
により支持された車体（１）上にターンテーブル（３）
が旋回可能に載置され、このターンテーブル（３）に伸
縮ブーム（４）の基端が枢支され、伸縮ブーム（４）は
内蔵された伸縮装置（図示せず）により伸縮するととも
に、起伏シリンダ（５）の伸縮により起伏し、伸縮ブー
ム（４）の先端には作業台（６）が平衡保持されてい
る。作業台（６）には伸縮ブーム（４）等の作動を制御
する上部操作装置（８）が備えられ、ターンテーブル
（３）には伸縮ブーム（４）等の作動を制御する下部操
作装置（７）が備えられている。

第１図は操作装置の回路図を示す、車体に備えた電源
（９）が下部操作装置（７）に設けた作動停止装置であ
る常時閉型の下部作動停止スイッチ（１０）に接続さ
れ、下部作動停止スイッチ（１０）は下部操作装置
（７）に設けられ連動して切換わる常時閉型の第１スイ
ッチ（１２）、常時開型の第２スイッチ（１３）及び常
時閉型の第３スイッチ（１４）とより成る上部キャンセ
ル装置である上部キャンセルスイッチ（１１）の第１ス
イッチ（１２）と第２スイッチ（１３）に並列に接続さ
れ、第１スイッチ（１２）は上部操作装置（８）に設け
た作動停止装置である常時閉型の上部作動停止スイッチ
（１５）に接続され、上部作動停止スイッチ（１５）
は、上部操作装置（８）に設けた下部キャンセル装置で
ある常時閉型の下部キャンセルスイッチ（１６）と、上
部操作装置（８）に設けられ伸縮ブーム（４）等の作動
を制御する上部制御装置（１７）とに並列に接続され、
下部キャンセルスイッチ（１６）は前記上部キャンセル
スイッチ（１１）の第３スイッチ（１４）に接続され、
上部キャンセルスイッチ（１１）の第２スイッチ（１
３）と第３スイッチ（１４）は下部操作装置（７）に設
けられ伸縮ブーム（４）等の作動を制御する下部制御装
置（１８）に接続され、上部制御装置（１７）と下部制
御装置（１８）は伸縮ブーム（４）等を作動させるアク
チュエータの作動を制御する電磁切換弁（図示せず）の
ソレノイドにそれぞれ接続される。

上記の構成により、通常電源（９）は、下部作動停止ス
イッチ（１０）、上部キャンセルスイッチ（１１）の第
１スイッチ（１２）及び上部作動停止スイッチ（１５）
を介して上部制御装置（１７）に通電するとともに、下
部作動停止スイッチ（１０）、上部キャンセルスイッチ
（１１）の第１スイッチ（１２）、上部作動停止スイッ
チ（１５）、下部キャンセルスイッチ（１６）及び上部
キャンセルスイッチ（１１）の第３スイッチ（１４）を
介して下部制御装置（１８）に通電しているので、上部
制御装置（１７）あるいは下部制御装置（１８）を制御
することにより伸縮ブーム（４）等が作動する。また、
伸縮ブーム（４）等の作動を作業台（６）内からのみ制
御できるようにするときは、下部キャンセルスイッチ
（１６）を切換えて開くことにより、上部作動停止スイ
ッチ（１５）と上部キャンセルスイッチ（１１）の第３
スイッチ（１４）との通電が断たれ、電源（９）は上部
制御装置（１７）にのみ通電するので、上部制御装置
（１７）を制御することにより伸縮ブーム（４）等が作
動する。また、伸縮ブーム（４）等の作動を車体（１）
上からのみ制御できるようにするときは、上部キャンセ
ルスイッチ（１１）を切換えて、上部キャンセルスイッ
チ（１１）の第１スイッチ（１２）と第３スイッチ（１
４）とを開くとともに第２スイッチ（１３）を閉じるこ
とにより、下部作動停止スイッチ（１０）と上部作動停
止スイッチ（１５）との通電が断たれ、電源（９）は下
部作動停止スイッチ（１０）及び上部キャンセルスイッ
チ（１１）の第２スイッチ（１３）を介して下部制御装
置（１８）にのみ通電するので、下部キャンセルスイッ
チの操作にかかわらず、下部制御装置（１８）を制御す
ることにより伸縮ブーム（４）等が作動する。

（７）考案の効果 以上のように、本考案は、車体に設けた下部操作装置に
上部操作装置の操作を不能にする上部キャンセル装置を
設けるとともに、作業台に設けた上部操作装置に下部操
作装置の操作を不能にする下部キャンセル装置を設けた
ので、作業台より作業を行うときに下部操作装置の操作
を不能にすることにより、他の作業者等が下部操作装置
を操作することによるブームの作動を防止することがで
きるとともに、作業台内の作業者が下部キャンセル装置
を作動させている時に事故等により操作不能となって
も、他の作業者が車体側の上部キャンセル装置を作動さ
せることにより、下部操作装置を操作して伸縮ブームを
作動することができる高所作業車の操作装置が提供さ
れ、本考案は高所作業車の安全性向上に有効である。

【図面の簡単な説明】 図面は本考案の実施例を示し、第１図は操作装置の回路
図、第２図は高所作業車の側面図である。 １…車体、４…伸縮ブーム、６…作業台、７…下部操作
装置、８…上部操作装置、１０…下部作動停止スイッ
チ、１１…上部キャンセルスイッチ、１５…上部作動停
止スイッチ、１６…下部キャンセルスイッチ、１７…上
部制御装置、１８…下部制御装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】先端に作業台を取付けたブームを車体上に
   備え、作業台と車体とにそれぞれブームの作動を制御す
   る操作装置を設け、これらの操作装置にブームの作動を
   停止させる作動停止装置を設けた高所作業車において、
   車体に備えた下部操作装置に作業台に備えた上部操作装
   置の操作を不能にする上部キャンセル装置を設けるとと
   もに、上部操作装置に下部操作装置の操作を不能にする
   下部キャンセル装置を設け、上部キャンセル装置と下部
   キャンセル装置が同時に作動させられたときには下部操
   作装置のみ操作可能になるように構成したことを特徴と
   する高所作業車の操作装置。