JPH0620752U - コンクリート型枠への樹脂シートの取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 樹脂シートの再使用ができるコンクリート型
枠への樹脂シートの取付構造の提供を目的とする。 【構成】 本考案の第１の手段は、コンクリート型枠の
成形面に、コンクリート壁面に凹凸を形成するための薄
板よりなる箱状の樹脂シート６を配設し、該樹脂シート
６のフラップ部８をコンクリート型枠３の側端面へ貼着
等により取り付ける。また本考案の第２の手段は、コン
クリート型枠３の成形面に、コンクリート壁面に凹凸を
形成するための薄板よりなる樹脂シート６を配設し、該
樹脂シート６の端部に紐材を取り付け、該紐材をコンク
リート型枠の背面側へ巻回して結束する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、コンクリート壁面の打設時に、その表面に凹部を形成し、該凹部に よりタイル張り付け用の下地モルタルに投錨効果を発揮させるようにした樹脂シ ートのコンクリート型枠への取付構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

通常、タイル壁面を得る場合は、先ずコンクリート壁面を構築し、然る後に該 コンクリート壁面へタイル張り付け用の下地モルタルを塗布し、該下地モルタル へタイルを貼着するようにしている。 ところが、このようなタイルの貼着構造では、タイル壁面がフラットであるた めにタイル張り付け用の下地モルタルとの接着力が弱く、前記下地モルタルがコ ンクリート壁面から界面剥離するという事故が発生し、その結果、下地モルタル と一緒にタイルも脱落し、通行人に怪我を負わせる等の重大な問題があった。 なお、タイルと下地モルタルとの間にあっては、タイルの裏面側に形成された 裏足により、下地モルタルとの間で充分な接着強度が得られており、タイルが下 地モルタルから脱落するということはない。

【０００３】 そのため、従来にあっては、下地モルタルのコンクリート壁面に対する接着強 度を向上させるために、コンクリート壁面に凹部を形成し、該凹部へ下地モルタ ルを食い込ませることで、投錨効果を得て充分な接着強度を得る技術が開発され ている。図６は、従来のこのようなコンクリート壁面１に凹部２を形成する技術 を示すものである。

【０００４】 この図６に示す技術は、型枠３の表面に中空の凸部４を有する樹脂シート５を 自動ステープル打機等で取り付け、型枠３を建て込んだ後、コンクリートを打設 し、コンクリート壁面１に前記中空凸部４による凹部２を形成するようにしてい る。なお、実際において、樹脂シート５は、梱包等に用いられる気泡性プラスチ ックシートが用いられている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、前記従来のコンクリートを打設する技術にあっては、樹脂シート５ の中空凸部４がコンクリートの圧力により、凹部２の入口側が狭くなるように変 形し、強固にコンクリート壁面１へ付着したままとなる。 そのため、型枠３の脱型時において、ステープルの部分で樹脂シートが破け、 樹脂シート５はコンクリート壁面１へ取り残されるようになる。そして、この樹 脂シート５を型枠３の脱型後に個別的に引き剥がすと、前記中空凸部４のコンク リート壁面１への強固な付着により、樹脂シート５が途中で大きく破れて再使用 が不可能になるという欠点があった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は従来の前記課題に鑑みてこれを改良除去したものであって、樹脂シー トの再使用ができるコンクリート型枠への樹脂シートの取付構造を提供せんとす るものである。

【０００７】 而して、前記課題を解決するために本考案が採用した第１の手段は、コンクリ ート型枠の成形面に、コンクリート壁面に凹凸を形成するための薄板よりなる箱 状の樹脂シートを配設し、該樹脂シートのフラップ部をコンクリート型枠の側端 面へ貼着等により取り付けたことを特徴とするコンクリート型枠への樹脂シート の取付構造である。

【０００８】 また本考案が採用した第２の手段は、コンクリート型枠の成形面に、コンクリ ート壁面に凹凸を形成するための薄板よりなる樹脂シートを配設し、該樹脂シー トの端部に紐材を取り付け、該紐材をコンクリート型枠の背面側へ巻回して結束 したことを特徴とするコンクリート型枠への樹脂シートの取付構造である。

【０００９】

【作用】 本考案の第１の手段にあっては、樹脂シートを薄板でしかも箱状に形成し、そ のフラップ部をコンクリート型枠の側端面へテープ等で張り付けている。そのた め、コンクリート打設後の型枠脱型に際し、テープ等を剥がせば、型枠と樹脂シ ートとを分離することができ、型枠のみを取り外すことができる。この状態で、 ある程度の剛性を有し且つ変形性を有する薄板の樹脂シートをコンクリート壁面 から引き剥がすと、前記樹脂シートを破ることなく容易に引き剥がすことが可能 である。

【００１０】 また本考案の第２の手段にあっては、樹脂シートの端部に取り付けた紐材で樹 脂シートを型枠へ結束している。そのため、コンクリート打設後には、紐材を解 き、型枠のみを先に取り出して、薄板の樹脂シートをコンクリート壁面から引き 剥がせば、破ることなく容易に引き剥がすことが可能である。

【００１１】

【実施例】

以下に、本考案の構成を図面に示す実施例に基づいて説明すると次の通りであ る。なお、従来の場合と同一符号は同一部材である。 図１及び図２は本考案の第１の手段に係る実施例を示すものであり、図１はコ ンクリート型枠３と樹脂シート６とを示す分解斜視図、図２はコンクリート打設 後の脱型状態を示す部分縦断面図である。

【００１２】 図１に示すように、この実施例の樹脂シート６は、薄板状に成形されており、 ある程度の変形性は有するものの自立できる剛性を有している。そして、該樹脂 シート６の表面側には、コンクリート壁面１へ凹部２を形成するための凸部７が 形成されている。凸部７は、中空状であってもよく、円柱状であってもよい。前 記樹脂シート６の四周辺にはフラップ８が形成されており、該フラップ８を折り 畳むことにより、樹脂シート６の全体を箱状に形成することができる。

【００１３】 このような樹脂シート６は、図１に示すように、型枠３の表面側へ箱状の開口 面側から覆い被せられ、フラップ８が型枠３の側端面３ａへテープ等で仮止めさ れる。箱状の樹脂シート６が取り付けられた型枠３は、通常の使用状態と同じ要 領で建て込みが開始され、続いてコンクリートの打設が行われる。樹脂シート６ の表面に形成された凸部７により、コンクリート壁面１に凹部２を形成すること ができることは従来の場合と同じである。 そして、コンクリートを所定の期間養生させた後、型枠３の脱型が行われる。 この場合に、箱状の樹脂シート６はその表面の凸部７がコンクリートの中へ埋ま って付着しており、型枠３の脱型は樹脂シート６がコンクリート壁面１へ付着し て残った状態で、型枠３のみが取り出される。

【００１４】 然る後は、図２に示すように、樹脂シート６の例えば上端側を斜め後ろ下方へ 引き下げ、コンクリート壁面１から徐々に引き剥がす。樹脂シート６は薄板状で あるためある程度の剛性と変形性とを有し、撓みながらコンクリート壁面１から 引き剥がされる。そのため、樹脂シート６が破れたりするということはなく、繰 り返し使用が可能である。

【００１５】 図３乃至図５は本考案の第２の手段に係る実施例を示すものであり、図３は型 枠３及び樹脂シート９を示す分解斜視図、図４は樹脂シート９を型枠３へ取り付 けた状態を正面側から見た斜視図、図５は同裏面側から見た斜視図である。 図３に示す如く、この樹詣シート９は裏面側に不織布等の繊維補強材を裏打ち しており、ある程度の剛性と変形性とを有している。表面側に、凸部７が形成さ れることは前記第１の手段の樹脂シート６の場合と同じである。この樹脂シート ９の端縁には紐材１０が取り付けられている。

【００１６】 樹脂シート９の型枠３への取り付けは、図４及び図５に示すように、紐材１０ を型枠３の裏面側へ巻回し、型枠３の裏面側で緊締すればよい。そして、この状 態で建て込みを開始し、然る後にコンクリートを打設すればよい。樹脂シート９ の表面側に形成された凸部７により、コンクリート壁面１に凹部２が形成される ことは前記図１及び図２に示す樹脂シート６の場合と同じである。

【００１７】 コンクリート打設後は、所定の養生期間経過後に、型枠３の脱型を行う。この 脱型に際し、前記樹脂シート９の紐材１０を解きほぐすことにより、型枠３のみ をコンクリート壁面１から取り外すことができ、樹脂シート９は、コンクリート 壁面１へ付着したままである。樹脂シート９の取り外しは、図２に示す第１の手 段の場合と同じ要領で、例えば樹脂シート９の上端部側から斜め後ろ下方へ引き 下げればよい。これにより、樹脂シート９を破壊することなく、コンクリート壁 面１から引き剥がすことが可能であり、樹脂シート９を繰り返して使用すること ができる。

【００１８】 ところで、本考案は上述した実施例に限定されるものではなく、適宜の変更が 可能である。型枠３は、金属製であっても木製であってもよい。また箱状の樹脂 シート６のフラップ８は、フラップ８どうしを面ファスナー等で締着するもので あってもよい。更に、樹脂シート６及び９の材料としては、ポリエチレン，合成 ゴム等が適用可能である。

【００１９】

【考案の効果】

以上説明したように本考案の第１の手段にあっては、樹脂シートを薄板で箱状 に形成し、周縁のフラップ部をコンクリート型枠の側端面へテープ等で張り付け て使用している。そのため、コンクリート打設後の型枠脱型に際し、テープ等を 剥がせば、型枠と樹脂シートとを分離することができ、型枠のみを取り外すこと ができる。そして、樹脂シートは、ある程度の剛性と変形性とを有しているので 、樹脂シートを破ることなくコンクリート壁面から引き剥がすことが可能であり 、再使用が可能である。 また本考案の第２の手段にあっては、樹脂シートの端部に取り付けた紐材で樹 脂シートを型枠へ結束している。そのため、コンクリート打設後には、紐材を解 き、型枠のみを先に取り出して、薄板の樹脂シートをコンクリート壁面から引き 剥がせば、破ることなく容易に引き剥がすことができ、再使用が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１の手段に係る樹脂シートと型枠と
を示す分解斜視図である。

【図２】本考案の第１の手段に係る樹脂シートの脱型要
領を説明する部分断面側面図である。

【図３】本考案の第２の手段に係る樹脂シートと型枠と
を示す分解斜視図である。

【図４】本考案の第２の手段に係る樹脂シートを型枠へ
取り付けた状態を正面側から見た斜視図である。

【図５】本考案の第２の手段に係る樹脂シートを型枠へ
取り付けた状態を裏面側から見た斜視図である。

【図６】従来のコンクリート壁面へ凹部を形成する方法
を示す縦断面図である。

【符号の説明】

１…コンクリート壁面 ２…凹部 ３…型枠 ６…樹脂シート ７…凸部 ８…フラップ部 ９…樹脂シート １０…紐材

【手続補正書】

【提出日】平成５年３月１５日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】考案の名称

【補正方法】変更

【補正内容】

【考案の名称】 コンクリート型枠への樹脂シートの取
付構造

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】コンクリート型枠の成形面に、コンクリー
   ト壁面に凹凸を形成するための薄板よりなる箱状の樹脂
   シートを配設し、該樹脂シートのフラップ部をコンクリ
   ート型枠の側端面へ貼着等により取り付けたことを特徴
   とするコンクリート型枠への樹脂シートの取付構造。
2. 【請求項２】コンクリート型枠の成形面に、コンクリー
   ト壁面に凹凸を形成するための薄板よりなる樹脂シート
   を配設し、該樹脂シートの端部に紐材を取り付け、該紐
   材をコンクリート型枠の背面側へ巻回して結束したこと
   を特徴とするコンクリート型枠への樹脂シートの取付構
   造。