JP2000334718A - コンクリート製品の製造方法及びその方法に使用するコンクリート製品製造用型枠 - Google Patents

コンクリート製品の製造方法及びその方法に使用するコンクリート製品製造用型枠

Info

Publication number
JP2000334718A
JP2000334718A JP2000040132A JP2000040132A JP2000334718A JP 2000334718 A JP2000334718 A JP 2000334718A JP 2000040132 A JP2000040132 A JP 2000040132A JP 2000040132 A JP2000040132 A JP 2000040132A JP 2000334718 A JP2000334718 A JP 2000334718A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
decorative
concrete
mold
concrete product
formwork
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000040132A
Other languages
English (en)
Inventor
Sueo Hayashi
季穂 林
Tatsuji Tanahashi
達治 棚橋
Masato Kotani
正人 小谷
Tetsuo Kobayashi
哲夫 小林
Hiroaki Suzuki
裕明 鈴木
Kikuo Tachibana
紀久夫 橘
Nobuyuki Tanaka
伸幸 田中
Yukichi Hiraki
雄吉 平木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
FUKUI TEKKOSHO KK
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Original Assignee
FUKUI TEKKOSHO KK
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by FUKUI TEKKOSHO KK, Sumitomo Osaka Cement Co Ltd filed Critical FUKUI TEKKOSHO KK
Priority to JP2000040132A priority Critical patent/JP2000334718A/ja
Publication of JP2000334718A publication Critical patent/JP2000334718A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Moulds, Cores, Or Mandrels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】化粧型枠の再利用が容易で、その化粧型枠の表
面形状に対応した凹凸形状を表面に具備するコンクリー
ト製品の容易且つ低コストな製造方法を提供し、さらに
はその方法に使用される好適なコンクリート製品の製造
型枠を提供する。 【解決手段】コンクリート製品の製造に際して、構造型
枠に化粧型枠を仮保持させてコンクリートを打設し、コ
ンクリートの硬化後に構造型枠を分解してからコンクリ
ートより化粧型枠をその厚み方向への弾性変形を利用し
て脱型する方法を採用した。また、コンクリート製品製
造用型枠を、これら弾性変形可能な化粧型枠と分解可能
な構造型枠とから構成し、構造型枠の内面に沿って仮保
持手段により化粧型枠を仮保持させるこうせいのものと
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、擁壁や建物の外壁
等に用いられるコンクリート製品を製造する方法及びそ
の際に使用するコンクリート製造用型枠に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンクリート製品例えば擁壁の法
面に凹凸を施して岩肌状にして、周囲の景観と擁壁とが
調和するようになしたものが知られている。このような
コンクリート製品は、コンクリートの重量を支持するの
に十分な強度を有し分解可能な鋼鉄製の構造型枠と、そ
の外枠の内面に貼設される板状で一方の表面に凹凸が形
成された化粧型枠とを具備してなる型枠により製造する
ものである。具体的には、例えば板状のウレタンの一面
に凹凸を形成し、岩肌の形態を転写した形状に加工して
化粧型枠を製作し、その化粧型枠を構造型枠の内面に接
着剤で貼り付けた後、構造型枠内にコンクリートを打設
し、構造型枠を振動させてコンクリート内の隙間の発生
を防ぎ、コンクリートが硬化した時点で構造型枠を分解
してコンクリート製品を製造している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このように
化粧型枠を構造型枠に貼り付けたものでは、化粧型枠に
岩肌等を模すために逆勾配いわゆるオーバーハングがあ
る場合には、硬化後にコンクリート製品の表面に形成さ
れるオーバーハングに化粧型枠のオーバーハングが噛み
合うこととなり、構造型枠と化粧型枠が一体的となって
硬化したコンクリートから化粧型枠を破壊しない限り外
すことができない。また、コンクリートから化粧型枠を
外すことができたとしても、化粧型枠は通常強力な接着
剤で構造型枠に貼り着けられているため、同一の構造型
枠を使用して他の表面形状を有するコンクリート製品を
場合には、やはり化粧型枠を破壊して構造型枠から取り
外さなければならず、一旦構造型枠から取り外した化粧
型枠は二度と再利用することができない。これらの要因
により、コンクリート製品の製造に際しては、新たな化
粧型枠がその都度必要となって、コストアップにつなが
っているという問題がある。本発明は、このような不具
合を解消することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような手段を講じたものであ
る。すなわち、本発明は、コンクリート製品の製造に際
して、構造型枠に化粧型枠を仮保持させてコンクリート
を打設し、コンクリートの硬化後に構造型枠を分解して
からコンクリートより化粧型枠を脱型する方法を採用
し、また、この方法に適したコンクリート製品製造用型
枠として、弾性変形可能な化粧型枠を分解可能な構造型
枠に対して仮保持手段により仮保持させる構造のものを
提供することとしている。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に係るコンクリート製品の
製造方法は、具体的には、少なくとも表面の全部又は一
部に凹凸形状を有するコンクリート製品を製造する方法
であって、表面の一部又は全部に凹凸部を有し弾性変形
可能な化粧型枠を蓋体と本体枠とに分解可能な構造型枠
に支持させてコンクリートを打設するに際して、化粧型
枠を蓋体又は本体枠のうち化粧型枠が配される少なくと
も一方の内面に沿って仮保持させた状態で少なくとも化
粧型枠の表面と本体枠との間にコンクリートを打設し、
そのコンクリートの硬化後に該コンクリートに化粧型枠
を付帯させた状態で仮保持状態を解除して蓋体のみを離
脱させ、さらに化粧型枠をその厚み方向への弾性変形を
利用してコンクリートから剥がして脱型することによっ
てコンクリート製品を製造し得るようにしていることを
特徴とする。
【0006】このような方法によれば、例えば化粧型枠
の凹凸部がオーバーハングを有する場合でも、コンクリ
ートの硬化後に化粧型枠のオーバーハングとそれに対応
するコンクリートの表面形状とを噛み合わせたままで、
化粧型枠の仮保持状態を解除すれば化粧型枠と蓋体とを
容易に分離することができ、その後、化粧型枠を厚み方
向に弾性変形させて一端部から順次剥離すれば化粧型枠
を取り除くことができるので、コンクリート製品からの
離型を容易に行い得ることとなる。しかも、化粧型枠は
破壊せずに脱型できるので、繰り返し使用することが可
能になる。このような構成は、構造型枠に化粧型枠を接
着してしまった場合には、容易には脱型できないので、
本発明の方法が最適である。さらに、同形のコンクリー
ト製品であっても、その表面の凹凸形状の異なるもの
を、化粧型枠を交換するだけで製造することが可能にな
り、多様なコンクリート製品を低コストで簡単に製造す
ることが可能になる。
【0007】また、コンクリートの打設作業は、作業性
が良好で作業場の面積が少なくてすむように、型枠を立
てておいて、つまり化粧型枠が立った状態になるように
して行われる場合があり、その際には、必ず化粧型枠を
構造型枠に貼り付けて型枠を製作しなければならない。
これは、化粧型枠が自重で構造型枠の内面から離れた
り、またコンクリート打設後、型枠に振動を加えた際
に、打設したコンクリートが化粧型枠と構造型枠との間
に回り込んでそれぞれの型枠に付着することを防止する
ためである。このような場合において、本発明の方法を
有用なものとするためには、化粧型枠を起立させた状態
で、その自立を補助しつつ構造型枠に沿って仮保持させ
るようにすることが望ましい。
【0008】さらに、化粧型枠は、上述のように立てた
状態で使用されるだけでなく、横にしても使用される場
合がある。この場合に、本発明の方法を好適に適用する
ためには、前記表面を下方又は上方に向けて寝かせた状
態の化粧型枠を、少なくとも上方乃至側方から構造型枠
に沿って仮保持させるようにすることが好ましい。
【0009】また、上述の各コンクリート製品の製造方
法に好適に使用される本発明のコンクリート製品製造用
型枠は、表面の一部又は全部に凹凸部を有し少なくとも
厚み方向に弾性変形可能な化粧型枠と、化粧型枠の裏面
側に配される蓋体及び表面側に配されコンクリートの重
量を支持し得る強度を有する本体枠から構成されこれら
蓋体と本体枠とが分解可能な構造型枠とを具備してな
り、蓋体又は本体枠のうち化粧型枠が配される少なくと
も一方の内面に沿って化粧型枠を仮保持し得る仮保持手
段を形成していることを特徴とする。このようなものを
使用してコンクリート製品を製造すれば、化粧型枠は、
仮保持手段で構造型枠に沿って仮保持されているだけで
あるので、コンクリートの硬化後に蓋体から容易に分離
することが可能で、一度コンクリート製品に弾性変形可
能な化粧型枠を着けたままで、化粧型枠とコンクリート
製品とを本体枠から脱型し、その後、化粧型枠の弾性変
形を利用して化粧型枠を取り除くことで、コンクリート
製品からの離型を容易にすることが可能になる。しか
も、化粧型枠を破壊することなく離型するので、繰り返
し使用することが可能になり、表面の凹凸形状の異なる
化粧型枠を交換するだけで、同形のコンクリート製品を
製造することが可能になり、多様なコンクリート製品を
製造することが可能になる。
【0010】また、化粧型枠を立てた状態でコンクリー
ト製品を製造するのに好適な型枠としては、上述の型枠
と略同様の構成のものにおいて、仮保持手段を、化粧型
枠の自立を補助する自立補助手段としているものが挙げ
られる。このような構成のものであれば、化粧型枠を自
立補助手段により、構造型枠の内面に自立させることが
可能になる。このため、コンクリート製品を製造する場
合に、型枠を起立させた状態でコンクリートを打設する
ことができるので、狭い作業場でも少なくとも一方の面
に岩肌のような凹凸を形成した大型のコンクリート製品
を製造することが可能になる。
【0011】自立補助手段としては、構造型枠の壁面を
貫通して設けられ化粧型枠を吸着するための1又は複数
の開口と、開口に連通して化粧型枠と壁面との間を減圧
状態にする吸引装置とを具備してなり、化粧型枠を構造
型枠の内面に向かって吸引するものが挙げられる。この
ようなものであれば、化粧型枠が吸引により補助されて
自立するので、構造型枠との密着性を良好にすることが
可能になるとともに、離型に際して化粧型枠を容易に構
造型枠から剥離することが可能になる。このような構成
にあっては、吸引装置が、開口に一方端が接続される可
撓性を有する管体と、管体の他方端が接続され加圧空気
の圧力を吸引力に変換して管体内を減圧状態にする変換
器とを具備してなるものが望ましい。このような吸引装
置にすれば、加圧空気により化粧型枠の吸引ができるの
で、特別な吸引装置を準備する必要がなく、化粧型枠を
吸引するのに必要な吸引力を容易に入手することが可能
になる。
【0012】また、自立補助手段としては、化粧型枠の
周端面に設けた溝と、構造型枠に溝に対応して設け溝と
係合して化粧型枠の自立を補助する突条とからなるもの
が挙げられる。このような構成のものであれば、自立補
助手段により化粧型枠を構造型枠内に案内することが可
能になり、化粧型枠の位置決めを容易にすることが可能
になる。
【0013】さらに、自立補助手段としては、化粧型枠
の凹凸部の形成された表面と背向する表面に設ける条
と、構造型枠に条に対応して設けてなり条と嵌合して化
粧型枠の自立を補助する突条とからなるものが挙げられ
る。このような構成のものであれば、突条により化粧型
枠の自重を分散させることが可能になるとともに、化粧
型枠の位置決めを容易にすることが可能になる。
【0014】加えて、自立補助手段としては、化粧型枠
の凹凸部の形成された表面と背向する裏面と構造型枠と
のいずれか一方に固定される磁石と、前記裏面と構造型
枠との残る一方に固定され磁石に吸引される磁性体から
なるこものが挙げられる。このような構成のものにあっ
ては、磁性体が、磁石と係合し化粧型枠の下方への摺動
移動を禁止するものが好適である。このように構成すれ
ば、磁石が磁性体に吸着することで化粧型枠の自立を補
助することが可能になり、化粧型枠の自立と蓋体からの
離脱を容易にすることが可能になる。しかも、磁性体を
磁石に係合させることにより、位置ずれを確実に禁止す
ることが可能になる。
【0015】また、自立補助手段としては、化粧型枠内
に自立方向に離間して平行に埋設される複数の棒体から
なるものが挙げられる。このような構造のものであれ
ば、構造型枠の構造を簡素化することが可能になる。
【0016】以上のような構成の型枠を使用してコンク
リート製品を製造する場合、特にコンクリート製品の表
面の略全体に凹凸形状を好適に形成するためには、化粧
型枠の表面に、製造されるコンクリート製品の表面の略
全体に対応する凹凸部を形成していることが望ましい。
【0017】一方、コンクリート製品の表面の一部にの
みワンポイントとして凹凸形状を形成するためには、化
粧型枠を、製造されるコンクリート製品の表面のうち一
部に対応する大きさの表面を有するものとすることが望
ましい。
【0018】この場合、コンクリート製品の表面に突出
する比較的大きな凹凸形状を良好に形成することができ
る化粧型枠としては、化粧型枠の凹凸部が、その表面の
一部を厚み方向に窪ませた凹型であって、この凹型と本
体枠との間にコンクリートを打設し得るように構成して
いるものが挙げられる。さらに、このような化粧型枠は
比較的厚肉のものとなるが、蓋体の化粧型枠からの離脱
を容易なものとするためには、化粧型枠の側壁に抜きテ
ーパ面を形成するとともに、蓋体に前記抜きテーパ面に
対応するテーパ面を形成していることが有効である。
【0019】また、コンクリート製品の表面を凹没させ
て例えば石や砂利あるいは砂のような比較的浅い凹凸形
状を形成し得る化粧型枠としては、化粧型枠を表面の略
全体に凹凸部を形成してなるシート状のものとし、少な
くとも該化粧型枠の側面の一部をコンクリートに埋没さ
せた状態でコンクリートを打設し得るように構成してい
るものが挙げられる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面を参照して説
明する。
【0021】なお、以下に示す第1実施例〜第5実施例
では、コンクリート製品の表面の略全体に凹凸形状の意
匠を施す場合について説明し、第6実施例〜第7実施例
は、コンクリート製品の表面の一部にのみ部分的に凹凸
形状の意匠を施す場合について説明している。
【0022】第1実施例 図1及び図2に示すように、コンクリート製品製造用型
枠(以下、型枠と略称する)100は、弾性変形可能な
化粧型枠1と、その化粧型枠1を内面に着脱可能に取り
付ける構造型枠2と、化粧型枠1を構造型枠2の内面2
aに密着させる吸引装置3とを具備している。この実施
例では、例えば平板な平面視長方形状の擁壁となるコン
クリート製品を製造する方法及びその製造に使用するた
めの型枠100を説明する。
【0023】化粧型枠1は、図3に示すように、平板形
状をしており、その一方の表面1aの略全体に岩肌を模
した凹凸部11が形成してある。このような化粧型枠1
は、例えば、岩肌を表現するために、アルミホイル等の
金属箔や模造紙、硫酸紙等の紙等の塑性変形可能な箔部
材を、岩肌を模して凹凸を形成して変形し、その箔部材
の上に常温で硬化する液状の可塑性材料を接触させ、硬
化した時点で箔部材を剥離して製作するものである。凹
凸部11を形成するためには、例えば、自然の岩石に箔
材料を押圧してその表面形状を転写するものであっても
よいし、あるいは、箔材料を一旦塊状に圧縮して、その
後その箔材料を延ばして形成するものであってもよい。
紙を使用する場合、可塑性材料を接触させる前に油性の
剥離剤を塗布しておけば、硬化した可塑性材料と紙とを
剥離する作業が容易になる。このような箔部材を塑性変
形させて岩肌形状の母型とするものでは、箔部材を容易
に入手することができるので、比較的大きな化粧型枠1
を製作することができる。
【0024】また、化粧型枠1は、打設したコンクリー
トが硬化した段階で、コンクリートから取り外さなけれ
ばならないので、十分な弾性変形が可能なように、その
厚みをコンクリート製品を製造する上で必要な最小限の
ものとする。この実施例にあっては、図4に示すよう
に、凹凸部11が形成された表面1aと背向する平らな
裏面1bに、自立補助手段を構成する吸引装置3による
吸引が効率よく作用するように、四隅部及び中央部に表
面の凹凸部11に影響を与えない深さの凹部1cが形成
してある。
【0025】化粧型枠1の材料としての可塑性材料とし
ては、例えば熱可塑性を有する、「EM/エム」(商品
名;住友大阪セメント株式会社)等を使用する。この
「EM/エム」は、特殊ポリマーの三次元網目構造にオ
イルを封じ込めた熱可塑性エラストマーであり、常温に
おいては弾性変形可能なゴム弾性体となり、摂氏210
度以上の高温ではオイル状となるものである。
【0026】構造型枠2は、鋼材と鋼板とを組み合わせ
て製作されるもので、内面に沿って化粧型枠1を自立さ
せる蓋体21と、この蓋体21により正面開口が閉鎖さ
れる本体枠たる箱枠22とを具備しており、打設される
コンクリートの重量を支持し得る強度を有して分解可能
な構成となっている。蓋体21は、鋼材で枠を作製し、
その枠に鋼板を、型枠100に組み立てられた際に内面
2aとなる表面に化粧型枠1を自立し得るスペースあけ
て固定したものである。鋼板には化粧型枠1の凹部1c
に対応する位置に開口する貫通孔21aが設けてあり、
四隅部の貫通孔21aには吸引装置3を構成する可撓性
を有する管体たるホース31が取り付けられるようにな
っている。また、中央部の貫通孔21aは、吸引装置3
を構成する加圧空気の圧力を吸引力に変換する変換器で
あるアスピレータ(噴流ポンプ)32を取り付けととも
に、可撓性を有するホース31を集合させるための空気
箱33の内部と連通させてある。
【0027】この実施例にあっては、ホース31と、ア
スピレータ32と、空気箱33とが吸引装置3を構成す
る。すなわち、ホース31は、その一方端が貫通孔21
aに接続されるとともに、アスピレータ32と共働して
変換器として機能する空気箱33にその他方端が接続さ
れるものである。アスピレータ32には、図示しないコ
ンプレッサから加圧空気が供給され、その加圧空気によ
り空気箱33内が減圧され、したがって各ホース31及
び凹部1c内が減圧状態となる。
【0028】箱枠22は、コンクリート製品の外形寸法
に対応する内法を有している。この箱枠22は、正面開
口を蓋体21で閉塞することにより上面に開口を有する
直方体形状の内部空間を有する箱となるもので、両側壁
22aが蝶番構造22bにより側方に回動するようにな
っている。この箱枠22は、組み立てた状態で自立する
ように、図示しない鋼製台に固定される。
【0029】このような構成において、化粧型枠1を蓋
体21の内面に密着して自立させるように配置する。こ
の時、化粧型枠1の凹部1cの周縁近傍には、減圧した
際の密着性を向上させるために、シーリング剤を塗布し
ておく。この後、アスピレータ32にコンプレッサと連
通するホースを接続し、加圧空気をアスピレータ32に
供給する。これにより、アスピレータ32は、空気箱3
3内を減圧し、各ホース31及び貫通孔21aを減圧す
るので、化粧型枠1のそれぞれの凹部1cが減圧状態と
なり、化粧型枠1が自立状態になる。この状態で、化粧
型枠1の凹凸のついた表面1aに、剥離剤を塗布するも
のであってもよい。この実施例では、アスピレータ3
2、空気箱33、ホース31、貫通孔21a及び凹部1
cが、蓋体21の内面2aに沿って配置される化粧型枠
1を仮保持するための仮保持手段、すなわち化粧型枠1
の自立を補助する自立補助手段として機能する。
【0030】このようにして化粧型枠1を蓋体21に密
着させて起立姿勢で仮保持した状態で、この蓋体21を
箱枠22に固定する。組み立てた型枠100は、蓋体2
1が垂直方向に立った状態であり、上面に開口が形成さ
れるものとなる。この後、組み立てられた型枠100内
にその上面の開口からコンクリートを打設し、コンクリ
ート内部に気泡が残留することがないように型枠100
自体を振動させ、振動完了後アスピレータ32からコン
プレッサのホースを取り外し、コンクリートを硬化させ
る。コンクリートが硬化した時点で、型枠100を分解
すべく蓋体21を箱枠22から取り外し、次に硬化した
コンクリートに張りついている化粧型枠1をその弾性を
利用して剥がす。硬化したコンクリートから化粧型枠1
を離型させた後、箱枠22の両側壁22aを外側に回転
させて箱枠22を開き、コンクリート製品を箱枠22か
ら取り出す。
【0031】このように、化粧型枠1を型枠100内に
吸引力を補助として自立させることによって仮保持する
ことができるので、コンクリート製品を製造する際に、
型枠100を立てた状態で作業することができる。ま
た、このような平板状のコンクリート製品の場合、型枠
100を立てているので、型枠100を寝かして使用す
る場合に比べて型枠100の設置面積が小さくてよく、
したがって同一面積の作業場において多数のコンクリー
ト製品を製造することができ、生産性が向上する。ま
た、加圧空気つまりコンプレッサから供給できる加圧空
気を利用して減圧状態を形成できるので、加圧空気の利
用できる工場内であれば、場所を選ぶことなくコンクリ
ート製品を製造することができる。
【0032】なお、上記においては、貫通孔21aを複
数設けたものを説明したが、化粧型枠1が小寸のもので
あれば、1つの貫通孔21aを設けるものであってもよ
い。この貫通孔21aに対応して、化粧型枠1の凹部1
aについては、例えば化粧型枠1の周辺部近傍に環状の
凹部であってもよい。このように、凹部を環状に設ける
のは、化粧型枠1の周辺部を蓋体21に密着させること
により周辺部を押さえ、それにより打設したコンクリー
トが型枠100を振動させた際に化粧型枠1裏面1bに
回り込むのを防止するためである。
【0033】第2実施例 図5〜図7を参照して第2実施例を説明する。この実施
例では、化粧型枠101を起立姿勢に仮保持し得る自立
補助手段として、化粧型枠101の全周端面101dに
溝101eを設けるとともに、型枠100の蓋体121
の内側面に溝101eに対応して溝101eと嵌合する
突条121bを設けるものである。なお、化粧型枠10
1の基本的な構造は、上記第1実施例と同一であり、構
造型枠2については蓋体121以外は同一構造であるの
で、説明を省略する。また、以下に説明する実施例にあ
っても、化粧型枠及び構造型枠は基本的に同じであるの
で、相違する構成についてのみ説明する。
【0034】具体的には、化粧型枠101の周端面10
1dの厚み方向の裏面101b寄りに、断面形状が例え
ば二等辺三角形の溝101bを設けるものである。この
溝101bは、化粧型枠101を製作する際に、熱可塑
性材料を流し込む化粧型枠101製作用枠の内面に、突
条121bと同形の部材を取り付けておけば、熱可塑性
材料が硬化した際に形成される。化粧型枠101の製作
方法は、上記実施例1と同じであるので、説明を省略す
る。これに対して、蓋体121の内側面には、溝101
eの形状に対応して断面形状が二等辺三角形の鋼材から
なる突条121bを固定する。この突条121bは、蓋
体121の内側面の縦内法と略同じ長さを有している。
【0035】このような構成において、化粧型枠101
を蓋体121の内面に配置すると、化粧型枠101の溝
101eと蓋体121の突条121bとが係合し、化粧
型枠101が突条121bに補助されて型枠100内に
自立する。この場合、化粧型枠101の周辺部分を除く
裏面は、上記実施例のように蓋体121の内面と完全密
着するものではないが、コンクリートが型枠100に打
設された状態でコンクリートの圧力により密着するので
問題はない。しかも、化粧型枠101の周端面101d
が突条121bと係合することにより、型枠100を振
動させた場合にあっても化粧型枠101の周辺部分が蓋
体121から浮き上がることがない。したがって、振動
中に、コンクリートが化粧型枠101と蓋体121内面
との間に侵入することを確実に防止することができる。
また、化粧型枠101の裏面101bにコンクリートが
付着しないので、付着したコンクリートの剥離作業等を
行うことなく、繰り返し使用することができ、作業効率
を向上させることができる。また、溝101eを全周端
面101dに設けておけば、化粧型枠101の上下に関
係なく化粧型枠101を蓋体121にセットすることが
できる。したがって、1枚の化粧型枠101で上下を反
対にして、異なる凹凸形状のコンクリート製品を製造す
ることができる。
【0036】なお、突条121aの断面形状は、上記し
たような二等辺三角形に限定されるものではなく、例え
ば台形等のテーパ形状のもの、正方形や長方形であって
もよい。
【0037】第3実施例 図8〜図9を参照して第3実施例を説明する。この実施
例では、化粧型枠201を起立姿勢に仮保持し得る自立
補助手段として、化粧型枠201の裏面201bの横方
向に沿って設ける複数の条例えば凹条201fと、その
凹条201fに対応して構造型枠2の蓋体221に設け
る突条221cとで構成するものである。具体的には、
凹条201fは、板状の化粧型枠201の厚みに応じた
深さで、かつその横方向の略全長に等しい長さを有して
おり、化粧型枠201の上縁201gに略平行に形成す
る。凹条201fは、化粧型枠201を製作する際に、
突条221cに使用するアングル材を、熱可塑性材料が
硬化する前に、突条221cを固定する間隔で熱可塑性
材料の上に載置し、硬化した時点で取り除いて形成すれ
ばよい。これに対し、突条221cは、例えばアングル
材を蓋体221の内面に、アングル材の一方の辺を下側
にして、他方の辺を内面に直角に突出させて平行に固定
するものである。この実施例では、化粧型枠201が蓋
体221内で横方向にずれるのを防止するため、横ずれ
防止用に、化粧型枠201には凹部201hを、また蓋
体221内面には対応する凸部221dをそれぞれ設け
ている。なお、凹条201fのかわりに、条は化粧型枠
201裏面に切り込みを入れたものであってもよい。こ
の場合、突条としてのアングル材には厚みがあるが、化
粧型枠201が弾性変形するので、突条をその切り込み
に嵌入することができる。
【0038】このような構成において、蓋体221を箱
枠100に組み付ける前に、蓋体221の内面に化粧型
枠201を自立させる。すなわち、化粧型枠201を蓋
体221の内面近傍に位置させ、突条221cがそれぞ
れの凹条201fと嵌合するように、化粧型枠201を
蓋体221内面に押し付ける。この時、同時に横ずれ防
止用の凹部201hと凸部221dとを係合させる。こ
れによって、突条221cが凹条201fに嵌合して、
化粧型枠201が蓋体221内面において自立する。
【0039】したがって、化粧型枠201を、蓋体22
1に容易に位置決めして自立させることができ、複数の
凹条201fと突条221cとが嵌合しているので、縦
方向にずれることがない。また、複数の凹条201fと
突条221cとで化粧型枠201を自立させるので、化
粧型枠201の自重を分散させることができ、部分的な
変形を防止することができる。さらに、コンクリートが
硬化した後、コンクリートから化粧型枠201を離型す
る場合、化粧型枠201に凹条201fが設けてあるの
で、凹条201fと化粧型枠201自体の弾力性とが共
働して縦方向に弾性変形し易くなり、比較的大型の化粧
型枠201であっても容易に離型することができる。し
かも、この実施例にあっては横ずれ防止のために凹部2
01hと凸部221cとを係合させているので、コンク
リート打設後型枠100に振動を加えても、横ずれによ
りコンクリートが化粧型枠201裏面に回り込むことを
防止することができる。
【0040】第4実施例 図10〜図11を参照して第4実施例を説明する。この
実施例では、化粧型枠301を起立姿勢に仮保持し得る
自立補助手段として、化粧型枠301の裏面に磁石4を
固定するとともに、構造型枠2を磁性体である鋼材によ
り形成するものである。磁石4は、板状の直方体形状を
しており、化粧型枠301の裏面301bに例えばいわ
ゆる瞬間接着剤等を用いて、化粧型枠301の周辺部近
傍と縦方向の中央部とに所定間隔をあけて固定するもの
である。この場合、磁石4は、横方向に一直線上に配列
して、その下縁が一直線上に一致するようにしてある。
これに対して、この実施例にあっては、磁石4の磁力が
小さい場合でも、構造型枠2の蓋体321内面に吸着し
た後に化粧型枠301の自重でこれらの磁石4が下側に
移動することを防止するために、磁石4の厚みに略等し
い係合部材である突条321eを、磁石4の下縁位置に
なるように、蓋体321の内面に固定している。
【0041】このような構成において、化粧型枠301
を蓋体321の内面近傍に沿わすように位置すれば、磁
力により磁石4が蓋体321内面に吸着し、よって化粧
型枠301が自立する。この時、それぞれの磁石4が突
条321eに当接していない場合は、化粧型枠301を
下方に移動させて、磁石4を突条321eの上縁に当接
させる。これにより、化粧型枠301の下方への移動は
防止されることになる。この後、化粧型枠301が自立
した蓋体321を箱枠22に組み付けて、コンクリート
を打設し、コンクリート硬化後、構造型枠2を分解して
硬化したコンクリートから化粧型枠301を離型する。
磁石4は、所定距離をあけて化粧型枠301の周辺部に
固定してあるので、コンクリートを打設した後に型枠1
00に振動を加えても、コンクリートが化粧型枠301
の裏面301bに回り込むことはなく、また離型に際し
て化粧型枠301の弾性変形を阻害するものではない。
【0042】したがって、上記それぞれの実施例同様
に、化粧型枠301を、蓋体321に容易に自立させる
ことができ、化粧型枠301を容易に離型することがで
き、コンクリート製品を効率よく製造することができ
る。
【0043】第5実施例 図12を参照して第5実施例を説明する。この実施例に
あっては、化粧型枠401を起立姿勢に仮保持し得る自
立補助手段としての複数の棒体5を、化粧型枠401に
埋設するものである。すなわち、化粧型枠401は、母
型に熱可塑性材料を接触させ硬化させて製作するが、こ
の実施例のものは、母型から離間した上方位置に、上端
となる端部を円弧状に形成した複数本のフック5a付の
棒体5を所定間隔をあけて、化粧型枠401となった際
にその縦方向に配設されるように載置し、この後熱可塑
性材料を母型に接触させ、それぞれの棒体5が覆い隠さ
れるまで熱可塑性材料を投入する。したがって、それぞ
れの棒体5は、化粧型枠401に埋設されるものであ
る。棒体5同士の間隔は、化粧型枠401が撓まないよ
うに、化粧型枠401の横幅に応じて設定すればよく、
化粧型枠401の自立を補助するのに十分な本数とすれ
ばよい。また、棒体5は、フック5aが化粧型枠401
の上の周端面401dから十分に突出しているととも、
その下端5bが化粧型枠401の下の周端面近傍にまで
達する長さを有している。
【0044】この化粧型枠401は、棒体5のフック5
aにロープを引っかけて吊り下げ、蓋体21の内面2a
に密着させる。化粧型枠401は、裏面401bが平坦
なので、その表面側から蓋体21の内面2aに向かって
押し付けることにより密着した状態になる。この状態
で、化粧型枠401には棒体5が埋設してあるので、こ
れらの棒体5の剛性により、化粧型枠401の上の周辺
部が下に向かって倒れ込むことがない。したがって、化
粧型枠401は、ロープによる懸吊を解除しても、蓋体
21の内面2aにおいて自立する。この化粧型枠401
はコンクリートを打設する間、懸吊しておいてもよい。
この後、化粧型枠401を自立させた蓋体21を箱枠2
2に組み付けて、上記実施例同様に、コンクリートの打
設、振動の付加、型枠の分解、化粧型枠401の離型を
行ってコンクリート製品を製造する。
【0045】このような構成によれば、化粧型枠401
を容易に自立させることができる。また、棒体5が埋設
されているにもかかわらず、棒体5は離間して縦にだけ
埋設されているので、離型する際に、化粧型枠401を
縦に巻き取ることにより、容易に離型することができ
る。つまり、棒体5は、化粧型枠401の自立を補助す
るものであるが、離型時の化粧型枠401の弾性変形を
阻害するものではない。したがって、自立を容易にする
ことができるとともに、離型も効率よく行うことができ
るものである。しかも、棒体5の上端にはフック5aが
形成してあるので、大型の化粧型枠401であっても吊
り下げて蓋体21の内面に沿わすことができ、型枠10
0の組立作業を迅速に行うことができる。
【0046】なお、本発明は以上に説明した実施例に限
定されるものではない。
【0047】上記実施例1〜4の実施例において、大型
の化粧型枠であって、人手による移動が困難である場合
は、化粧型枠1、101、201及び301の上縁部に
連続して、化粧型枠1、101、201及び301を吊
り下げるための実質的には化粧型枠として機能しない吊
り下げ領域を設けるものであってもよい。この吊り下げ
領域をフラットバー、ボルト及びナットにより挟み込
み、ホイスト等で吊り下げた状態で蓋体21内面に位置
させ、その後上記で説明したように、化粧型枠1、10
1、201及び301を自立補助手段により自立させれ
ばよい。
【0048】上記第4実施例においては、化粧型枠30
1の裏面に磁石4を固定するものを説明したが、構造型
枠2に磁石4を固定するものであってもよい。磁石4自
体は、第4実施例同様に、直方体形状のものを複数所定
位置に配置するものであってよい。この場合、構造型枠
2の蓋体321が鋼鉄製であれば、蓋体321全体が磁
力を帯びることになるので、化粧型枠301の裏面に固
定した磁性体具体的には鋼鉄の平板を面で吸着すること
ができる。また、磁石4に磁性体を係合させれは、化粧
型枠301の下方への移動を確実に禁止することができ
る。
【0049】上記それぞれの実施例において、化粧型枠
1、101、201、301及び401の表面に岩肌状
の凹凸をつけるための母型としては、上記したような箔
材料を用いるもの以外に、自然の岩石を用いるものであ
ってもよい。この場合、例えば大人の握り拳大の複数の
石を任意に、例えば適当な間隔をあけたり、あるいはそ
れぞれを密着した状態で配置して母型とするものであっ
てよい。あるいは、砂を化粧型枠1、101、201、
301及び401を製作するための枠内に敷きつめ、そ
の砂表面に凹凸を形成し、凹凸を形成した表面に熱可塑
性材料を接触させて化粧型枠1、101、201、30
1及び401を製作するものであってよい。
【0050】また、例えば、コンクリート製品として
の、法面が岩肌状のL型擁壁を製造する場合、化粧型枠
1、101、201、301及び401を自立させるこ
とができるので、L型擁壁の埋設部分に当たる下側から
コンクリートを打設するように型枠を載置すれば、広い
開口からコンクリートを打設することができ、作業性を
向上させることができる。
【0051】第6実施例 図13〜図16を参照して第6実施例を説明する。この
実施例では、図16に示すコンクリート製品たるL型擁
壁540の表面540aに動物(ライオン)の形状をな
す凹凸形状541をワンポイントで形成するために、比
較的厚肉の化粧型枠501を使用している。この化粧型
枠501は、表面511aの大きさが製造後のL型擁壁
540の表面540aの大きさよりも小さいものであっ
て、該表面511aに厚み方向に窪ませた凹凸部たる凹
型511を具備している。この化粧型枠501の製造に
際しては、図13(a)に示すように、上方に開口して
なる箱状の枠体530の底部に砂531を敷き詰め、そ
の砂531にライオンの形状をした転写元となるマスタ
ー532を埋め込む。そして、枠体530の上方から、
化粧型枠501の原料となる熱可塑性材料533(例え
ば前記第1実施例で示した「EM」)を、マスター53
2が完全に隠れる程度に流し込む。熱可塑性材料533
が硬化するとその弾性変形を利用してマスター532か
ら取り外すとともに枠体530から脱型すると、図13
(b)に示すように、表面511aにライオンの形状を
なす凹型511を備えた化粧型枠501が得られる。さ
らに、この化粧型枠501の側面を、表面511a側の
面積が裏面511bの面積よりも小さくなるようにアイ
ロン等で熱を加えて削ぎ落とし、抜きテーパ面512を
形成する。この抜きテーパ面512は、後述するように
蓋体521を化粧型枠501から離脱させる際に、化粧
型枠501が抜かれる方向に側壁を広げるように形成し
たものである。また、化粧型枠501の裏面511bに
は、接着剤等によってボルト513を貼り着ける。な
お、このボルト513は、熱可塑性材料の硬化前に、硬
化後の化粧型枠501の裏面511bから突出するよう
に予め埋め込んでおいてもよい。
【0052】一方、前記化粧型枠501に対応して本実
施例で使用される構造型枠520は、図14及び図15
に示すように、化粧型枠501を起立姿勢で仮保持し得
るように構成してなる蓋体521と、化粧型枠501と
の間にコンクリートを打設すべき本体枠522とから構
成される。蓋体521は、水平方向に移動可能な台車5
21cに支持されており、内面側に化粧型枠501を収
容可能なカセット521bを具備している。このカセッ
ト521bの内側壁は、化粧型枠501を収容し得るよ
うに凹没させており、その部位に化粧型枠501の側壁
の抜きテーパ面512に対応するテーパ面521b1を
形成している。さらに、この蓋体521のうち化粧型枠
501のボルト513に対応する箇所に、ボルト513
と共に化粧型枠501を起立姿勢で仮保持するための仮
保持手段を構成するナット521aを設けている。一
方、本体枠522には、打設したコンクリートを締め固
めるためのバイブレータ522aと、コンクリートの補
強材となる鉄筋522bとを備えている。バイブレータ
522aには、通常の高周波のものを使用している。
【0053】以上のような化粧型枠501と構造型枠5
20とからなる型枠を使用してコンクリート製品たるL
型擁壁540を製造するに際しては、図14(a)に示
すように、化粧型枠501を、蓋体521のカセット5
21bに収容させた状態でボルト513にナット521
aを螺着することによって、起立姿勢で蓋体521に仮
保持させる。次いで、図14(b)に示すように、台車
521cによって化粧型枠501を仮保持した蓋体52
1を密閉状態で本体枠522に固定する。そして、本体
枠522の内面側と化粧型枠501の凹型511及び前
記カセット521bの表面との間にコンクリートCを打
設し、バイブレータ522aによるコンクリートCの締
め固め及び蒸気養生(約60℃まで)を経て、コンクリ
ートCを硬化させる。コンクリートCの硬化後、図15
(a)に示すように、ボルト513とナット521aと
の螺合を解除して化粧型枠501の仮保持状態を解除す
ることによって、蓋体521を化粧型枠501から離脱
させる。その際、化粧型枠501は、その凹型511の
オーバーハング部分がそれに対応するコンクリートCの
表面のオーバーハング部分を噛み合ってコンクリートC
に付帯した状態で強力に本体枠522側に保持されてい
る。また、化粧型枠501の側壁には抜きテーパ面51
3が形成してあり、蓋体521のカセット521bにも
それに対応するテーパ面521b1を形成しているた
め、蓋体521の化粧型枠501からの離脱は容易に行
われる。次の工程で、図15(b)に示すように、化粧
型枠501を厚み方向に弾性変形させることによって一
端部側からコンクリートCより剥がすようにして脱型
し、最後にコンクリートCを本体枠522から取り外す
ことで、表面540aにライオンの凹凸形状541が突
出した図16に示すL型擁壁540が得られる。なお、
不要になった化粧型枠501は、溶融して他の形状の化
粧型枠に作り替えることができるため、その際は、上述
したものとは異なる形状のマスターを利用し、その他の
部材はそのまま使用して、異なる凹凸形状のL型擁壁を
製造することができる。
【0054】第7実施例 図17〜図20を参照して第7実施例を説明する。この
実施例では、図20に示すコンクリート製品たるL型擁
壁640の表面640aの一部に砂利や玉石の形状を模
した凹凸形状641をワンポイントとして形成するため
に、シート状の化粧型枠601を使用している。この化
粧型枠601は、表面611aの大きさが製造後のL型
擁壁640の表面640aの大きさよりも小さいもので
あって、該表面611aに砂利や玉石の表面形状を形取
った凹凸部611を有している。このような化粧型枠6
01を製造するに際しては、図17(a)に示すよう
に、前記第6実施例と同様に枠体630内に砂631を
敷き、その上に砂利や玉石632を敷き詰めて、上方か
ら砂利等632が隠れる程度に薄く熱可塑性材料633
を流し込んで硬化させ、熱可塑性材料633の硬化後に
その弾性変形を利用して砂利632から離脱することに
よって製造する。そして、図17(b)に示すように、
得られた化粧型枠601の裏面611bに略均等に接着
剤等によって複数の磁石614を貼り着けている。な
お、この磁石614は、後述する製造過程において、化
粧型枠601の凹凸部611と硬化後のコンクリートC
の表面の凹凸との噛み合い力よりも小さく、且つ、バイ
ブレーター622aによるコンクリートCの締め固め時
の振動によって化粧型枠601が脱落しない程度の磁力
及び個数を設定している。
【0055】一方、この化粧型枠601に対応して使用
される構造型枠620は、概略において前記第6実施例
の構造型枠520と同様の構成のものであるため、異な
る箇所のみ説明する。すなわち、図18及び19に示す
ように、蓋体621のうち化粧型枠601を配置すべき
内面側には、前記カセット521bの代わりに磁性体た
る鋼板621bを設けている。この鋼板621bは、前
記磁石614と共に化粧型枠601を起立状態で蓋体6
21に仮保持させるための仮保持手段を構成するもので
ある。なお、鋼板621bの代わりに磁石614を吸着
させ得る素材からなる他の部材を使用してもよいのは勿
論である。一方、本体枠622の構成は前記第5実施例
のものと同様の構成のものである。
【0056】以上のような化粧型枠601と構造型枠6
20とからなる型枠を使用してコンクリート製品たるL
型擁壁640を製造するに際しては、図18(a)に示
すように、化粧型枠601を、磁石614を鋼板621
bに吸着させることによって蓋体621に起立姿勢で仮
保持させ、その状態の蓋体621を、図18(b)に示
すように台車621cを介して水平移動して本体枠62
2に密閉状態で固定して、前記第5実施例と同様に本体
枠622の内面側にコンクリートCを打設する。なお、
このとき、形成後のL型擁壁640の表面640aとな
るコンクリートCの表面と化粧型枠601の裏面611
aとが略合致する位置まで蓋体621を本体枠622に
接近させておく。次に、打設したコンクリートCをバイ
ブレータ622aによる振動で締め固め、蒸気養生を経
て硬化させてから、図19(a)に示すように、蓋体6
21を本体枠622側から離脱させる。このとき、磁石
614の磁力及び個数は上記のように設定しているた
め、この磁石614と鋼板621aからなる仮保持手段
の仮保持状態は、容易に解除されることとなる。コンク
リートCの硬化後、図19(b)に示すように、化粧型
枠601をその厚み方向に弾性変形させて一端部側から
捲り取ることで、凹凸部611とコンクリートCの表面
に形成された凹凸形状との噛み合い状態が解除され、そ
の後コンクリートCを本体枠622から取り出すこと
で、表面640aに転写元である砂利等632に対応し
て比較的浅く窪ませた図20に示す凹凸形状641を有
するL型擁壁640が得られる。なお、鋼板621bに
は磁石614を介して任意の位置や方向に化粧型枠60
1を仮保持させることができるため、同一の化粧型枠6
01を使用して異なる表面形状を有するL型擁壁を容易
に製造することができる。
【0057】なお、上記各実施例では、化粧型枠を蓋体
に仮保持させる仮保持手段(自立補助手段)や、化粧型
枠を単独で自立させる自立保持手段について説明した
が、コンクリート製品の表面形状に影響を及ぼさない限
り本体枠(箱枠)に仮保持させることもできる。また、
化粧型枠の一端部(例えば下端部や上端部等)にのみ沿
って仮保持手段を設けることで、蓋体の化粧型枠からの
離脱作業を簡便なものとすることができ、さらに凹凸部
が浅くオーバーハングも少なければ硬化後のコンクリー
トからの化粧型枠の脱型作業も簡便なものとすることが
できる。
【0058】さらに、上記実施例は、化粧型枠を起立さ
せた縦配置の型枠について説明したものであるが、本発
明はこれに限らず、表面を下方に向けて寝かせた状態の
化粧型枠を少なくとも上方乃至側方から構造型枠の内面
に沿って仮保持させるようにして、寝かせた状態の横配
置型の型枠を使用してコンクリート製品を製造すること
もできるものである。
【0059】また、最終的に得られたコンクリート製品
に、例えばブロンズやシルバーの色に塗装して、コンク
リート以外の雰囲気を醸し出した製品を製造してもよ
い。
【0060】その他、各部の具体的構成は、上記実施例
に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範
囲で種々変形が可能である。
【0061】
【発明の効果】以上のように、本発明の方法によれば、
打設したコンクリートを硬化させた後、そのコンクリー
トに化粧型枠を付帯させたままで化粧型枠の仮保持状態
を解除することで、化粧型枠から蓋体を容易に離脱させ
ることができ、しかも化粧型枠を厚み方向に弾性変形さ
せることでコンクリートから化粧型枠を脱型することが
できるので、従来のように構造型枠に化粧型枠を接着さ
せてコンクリート製品を製造しその後の化粧型枠の再利
用が不可能となる不具合を有効に解消し、コストダウン
を図りつつ簡便な方法で表面に凹凸形状を有するコンク
リート製品を製造することができる。このような方法
は、従来の方法では化粧型枠を破壊することなくコンク
リートの表面から脱型することができなかった凹凸な表
面形状に逆勾配があるコンクリート製品の製造に際し
て、その効果を顕著に発揮することができる。
【0062】このような方法において、化粧型枠を起立
させた状態で、その自立を補助しつつ構造型枠に沿って
仮保持させるような方法を採用すれば、比較的狭い作業
場においても型枠を立てた状態で好適にコンクリート製
品を製造することができる。
【0063】一方、表面を下方又は上方に向けた状態の
化粧型枠を、少なくとも上方乃至側方から構造型枠に沿
って仮保持させるような方法を採用する場合には、本発
明の方法を、横に寝かせたタイプの型枠を使用してコン
クリート製品の製造を好適に行うことができる。
【0064】また、以上に述べたような本発明の方法に
使用される本発明のコンクリート製品製造用型枠によれ
ば、化粧型枠は仮保持手段により構造型枠内に仮保持さ
れるので、構造型枠から容易に分離することができ、オ
ーバーハングのあるような凹凸であっても一度コンクリ
ート製品に弾性変形可能な化粧型枠を着けたままで、化
粧型枠とコンクリート製品とを構造型枠から脱型し、そ
の後、化粧型枠の弾性変形を利用して化粧型枠を取り除
くことで、コンクリート製品からの離型を容易にするこ
とができる。しかも、化粧型枠を破壊することなく離型
するので、繰り返し使用することができ、その都度新規
に化粧型枠を製作するものに比べて製造コストを低減す
ることができる。さらに、同形のコンクリート製品であ
っても、その表面の凹凸形状の異なるものを、化粧型枠
を交換するだけで製造することができ、多様なコンクリ
ート製品を製造することができる。
【0065】特に、仮保持手段が化粧型枠の自立を補助
する自立補助手段であれば、その自立補助手段を介して
化粧型枠を構造型枠の内面に自立させることができ、コ
ンクリート製品を製造する場合に、型枠を起立させた状
態でコンクリートを打設することができるので、狭い作
業場でも少なくとも一方の面に岩肌のような凹凸を形成
した大型のコンクリート製品を製造することができる。
【0066】自立補助手段が、構造型枠の壁面を貫通し
て設けられ化粧型枠を吸着するための1又は複数の開口
と、開口に連通して化粧型枠と壁面との間を減圧状態に
する吸引装置とを具備してなり、化粧型枠を構造型枠の
内面に向かって吸引するものであれば、化粧型枠が吸引
により補助されて自立するので、構造型枠との密着性を
良好にすることができるとともに、離型に際して化粧型
枠を容易に構造型枠から剥離することができる。このよ
うな構成にあって、吸引装置が、開口に一方端が接続さ
れる可撓性を有する管体と、管体の他方端が接続され加
圧空気の圧力を吸引力に変換して管体内を減圧状態にす
る変換器とを具備してなるものにすれば、加圧空気によ
り化粧型枠の吸引ができるので、特別な吸引装置を準備
する必要がなく、化粧型枠を吸引するのに必要な吸引力
を容易に入手することができ、作業場所を選ぶことなく
コンクリート製品を製造することができる。
【0067】また、自立補助手段が、化粧型枠の周端面
に設けた溝と、構造型枠に溝に対応して設け溝と係合し
て化粧型枠の自立を補助する突条とからなるものであれ
ば、自立補助手段により化粧型枠を構造型枠内に案内こ
とができ、化粧型枠の位置決めを容易にすることができ
る。
【0068】さらに、自立補助手段が、化粧型枠の凹凸
部の形成された表面と背向する裏面に設ける条と、構造
型枠に条に対応して設けてなり条と嵌合して化粧型枠の
自立を補助する突条とからなるものであれば、突条によ
り化粧型枠の自重を分散させることができ、化粧型枠の
位置決めを容易にすることができる。このため、作業効
率を向上させることができる。
【0069】加えて、自立補助手段が、化粧型枠の凹凸
部の形成された表面と背向する裏面と構造型枠とのいず
れか一方に固定される磁石と、前記裏面と構造型枠との
残る一方に固定され磁石に吸引される磁性体からなるも
のにあっては、磁性体が、磁石と係合し化粧型枠の下方
への摺動移動を禁止するものが好ましく、このように構
成すれば、磁石が磁性体に吸着することで化粧型枠の自
立を補助することができる。また、磁力を補助として化
粧型枠が自立しているので、化粧型枠の自立と構造型枠
からの離脱を容易にすることができる。しかも、磁性体
を磁石に係合させることにより、位置ずれを確実に禁止
することができる。
【0070】また、自立補助手段が、化粧型枠内に自立
方向に離間して平行に埋設される複数の棒体からなるも
のであれば、構造型枠の構造を簡素化できる。
【0071】以上のような構成の型枠を使用してコンク
リート製品を製造するに際して、特に、化粧型枠の表面
に製造されるコンクリート製品の表面の略全体に対応す
る凹凸部を形成している場合であれば、この化粧型枠に
対応してコンクリート製品の表面の略全体に凹凸形状を
好適に形成することが可能である。
【0072】これに対して、化粧型枠を、製造されるコ
ンクリート製品の表面のうち一部に対応する大きさの表
面を有するものとした場合には、コンクリート製品の表
面の一部にのみワンポイントの凹凸形状を形成すること
もできる。
【0073】この場合、化粧型枠の表面の一部を厚み方
向に窪ませた凹型からなる凹凸部を形成している場合に
は、この凹型と本体枠との間にコンクリートを打設する
ことで、比較的大きな凹凸形状を表面に突出させたコン
クリート製品を製造することができる。また、この場
合、化粧型枠の側壁に抜きテーパ面を形成するととも
に、蓋体に前記抜きテーパ面に対応するテーパ面を形成
すれば、比較的厚肉な化粧型枠から蓋体を容易に離脱さ
せることが可能である。
【0074】さらに、シート状の化粧型枠の表面略全体
に凹凸部を形成し、少なくともその化粧型枠の側面の一
部をコンクリートに埋没させた状態でコンクリートを打
設すれば、薄肉の化粧型枠を硬化後のコンクリートから
捲って脱型することが極めて容易となり、表面を凹没さ
せて例えば石や砂利あるいは砂のような比較的浅い凹凸
形状を模したコンクリート製品を製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す分解斜視図。
【図2】同実施例の断面図。
【図3】同実施例の化粧型枠を表面側から見た斜視図。
【図4】同実施例の化粧型枠を裏面側から見た斜視図。
【図5】本発明の第2実施例の化粧型枠を表面側から見
た斜視図。
【図6】同実施例の化粧型枠の一部を省略した断面図。
【図7】同実施例の蓋体の斜視図。
【図8】本発明の第3実施例の化粧型枠を表面側から見
た斜視図。
【図9】同実施例の蓋体の斜視図。
【図10】本発明の第4実施例の化粧型枠を表面側から
見た斜視図。
【図11】同実施例の蓋体の斜視図。
【図12】本発明の第5実施例の化粧型枠を表面側から
見た斜視図。
【図13】本発明の第6実施例における化粧型枠の製造
工程を示す模式図。
【図14】同実施例におけるコンクリート製品の製造工
程を示す模式図。
【図15】同模式図。
【図16】同実施例により製造したコンクリート製品を
示す斜視図。
【図17】本発明の第7実施例における化粧型枠の製造
工程を示す模式図。
【図18】同実施例におけるコンクリート製品の製造工
程を示す模式図。
【図19】同模式図。
【図20】同実施例により製造したコンクリート製品を
示す斜視図。
【符号の説明】
1、101、201、301、401、501、601
…化粧型枠 2、520、620…構造型枠 3…吸引装置 4、614…磁石 5…棒体 11、511、611…凹凸部 21、121、221、321、521、621…蓋体 21a…貫通孔 22、522、622…本体枠(箱枠) 31…ホース 32…アスピレータ 33…空気箱 101d…周端面 101e…溝 121b…突条 201f…凹条 221c…突条 321e…突条 513…ボルト 521a…ナット 540、640…コンクリート製品(L型擁壁)
フロントページの続き (72)発明者 棚橋 達治 大阪市大正区南恩加島7丁目1番55号 住 友大阪セメント株式会社セメント・コンク リート研究所内 (72)発明者 小谷 正人 大阪市大正区南恩加島7丁目1番55号 住 友大阪セメント株式会社セメント・コンク リート研究所内 (72)発明者 小林 哲夫 大阪市大正区南恩加島7丁目1番55号 住 友大阪セメント株式会社セメント・コンク リート研究所内 (72)発明者 鈴木 裕明 東京都千代田区神田美土代町1番地 住友 大阪セメント株式会社内 (72)発明者 橘 紀久夫 大阪市大正区南恩加島7丁目1番55号 住 友大阪セメント株式会社セメント・コンク リート研究所内 (72)発明者 田中 伸幸 大阪市大正区南恩加島7丁目1番55号 住 友大阪セメント株式会社セメント・コンク リート研究所内 (72)発明者 平木 雄吉 石川県能美郡川北町土室あ24番地1 株式 会社福井鉄工所内 Fターム(参考) 4G053 AA07 BA08 BB03 BB05 BB09 BB11 BB13 BC12 BD02 BD04 BD10 BE03 BF02 CA03 CA21 CA23 EA02 EA03 EA11 EA26 EA33 EA34 EB02 EB03

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも表面の全部又は一部に凹凸形状
    を有するコンクリート製品を製造する方法であって、 表面の一部又は全部に凹凸部を有し弾性変形可能な化粧
    型枠を蓋体と本体枠とに分解可能な構造型枠に支持させ
    てコンクリートを打設するに際して、化粧型枠を蓋体又
    は本体枠のうち化粧型枠が配される少なくとも一方の内
    面に沿って仮保持させた状態で少なくとも化粧型枠の表
    面と本体枠との間にコンクリートを打設し、そのコンク
    リートの硬化後に該コンクリートに化粧型枠を付帯させ
    た状態で仮保持状態を解除して蓋体のみを離脱させ、さ
    らに化粧型枠をその厚み方向への弾性変形を利用してコ
    ンクリートから剥がして脱型することによってコンクリ
    ート製品を製造し得るようにしていることを特徴とする
    コンクリート製品の製造方法。
  2. 【請求項2】化粧型枠を起立させた状態で、その自立を
    補助しつつ構造型枠の内面に沿って仮保持させるように
    していることを特徴とする請求項1記載のコンクリート
    製品の製造方法。
  3. 【請求項3】前記表面を下方又は上方に向けて寝かせた
    状態の化粧型枠を、少なくとも上方乃至側方から構造型
    枠の内面に沿って仮保持させるようにしていることを特
    徴とする請求項1記載のコンクリート製品の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1、2又は3記載の方法に使用され
    るものであって、表面の一部又は全部に凹凸部を有し少
    なくとも厚み方向に弾性変形可能な化粧型枠と、化粧型
    枠の裏面側に配される蓋体及び表面側に配されコンクリ
    ートの重量を支持し得る強度を有する本体枠から構成さ
    れこれら蓋体と本体枠とが分解可能な構造型枠とを具備
    してなり、蓋体又は本体枠のうち化粧型枠が配される少
    なくとも一方の内面に沿って化粧型枠を仮保持し得る仮
    保持手段を形成していることを特徴とするコンクリート
    製品製造用型枠。
  5. 【請求項5】請求項2記載の方法に使用されるものであ
    って、表面の一部又は全部に凹凸部を有し少なくとも厚
    み方向に弾性変形可能な化粧型枠と、化粧型枠の裏面側
    に配される蓋体及び表面側に配されコンクリートの重量
    を支持し得る強度を有する本体枠から構成されこれら蓋
    体と本体枠とが分解可能な構造型枠とを具備してなり、
    蓋体又は本体枠のうち化粧型枠が配される少なくとも一
    方の内面に沿って化粧型枠を仮保持し得る仮保持手段を
    形成するとともに、この仮保持手段を、化粧型枠の自立
    を補助する自立補助手段としていることを特徴とする請
    求項4記載のコンクリート製品製造用型枠。
  6. 【請求項6】自立補助手段が、構造型枠の壁面を貫通し
    て設けられ化粧型枠を吸着するための1又は複数の開口
    と、開口に連通して化粧型枠と壁面との間を減圧状態に
    する吸引装置とを具備してなり、化粧型枠を構造型枠の
    前記内面に向かって吸引するものであることを特徴とす
    る請求項5記載のコンクリート製品製造用型枠。
  7. 【請求項7】吸引装置が、開口に一方端が接続される可
    撓性を有する管体と、管体の他方端が接続され加圧空気
    の圧力を吸引力に変換して管体内を減圧状態にする変換
    器とを具備してなることを特徴とする請求項6記載のコ
    ンクリート製品製造用型枠。
  8. 【請求項8】自立補助手段が、化粧型枠の周端面に設け
    た溝と、構造型枠に溝に対応して設け溝と係合して化粧
    型枠の自立を補助する突条とからなることを特徴とする
    請求項6記載のコンクリート製品製造用型枠。
  9. 【請求項9】自立補助手段が、化粧型枠の凹凸部の形成
    された表面と背向する表面に設ける条と、構造型枠に条
    に対応して設けてなり条と嵌合して化粧型枠の自立を補
    助する突条とからなることを特徴とする請求項6記載の
    コンクリート製品製造用型枠。
  10. 【請求項10】自立補助手段が、化粧型枠の凹凸部の形
    成された表面と背向する裏面と構造型枠とのいずれか一
    方に固定される磁石と、前記裏面と構造型枠との残る一
    方に固定され磁石に吸引される磁性体からなることを特
    徴とする請求項6記載のコンクリート製品製造用型枠。
  11. 【請求項11】磁性体が、磁石と係合し化粧型枠の下方
    への摺動移動を禁止するものであることを特徴とする請
    求項10記載のコンクリート製品製造用型枠。
  12. 【請求項12】自立補助手段が、化粧型枠内に自立方向
    に離間して平行に埋設される複数の棒体からなることを
    特徴とする請求項6記載のコンクリート製品製造用型
    枠。
  13. 【請求項13】化粧型枠の表面に、製造されるコンクリ
    ート製品の表面の略全体に対応する凹凸部を形成してい
    ることを特徴とする請求項4、5、6、7、8、9、1
    0、11又は12記載のコンクリート製品製造用型枠。
  14. 【請求項14】化粧型枠が、製造されるコンクリート製
    品の表面のうち一部に対応する大きさの表面を有するも
    のであることを特徴とする請求項4、5、6、7、8、
    9、10、11又は12記載のコンクリート製品製造用
    型枠。
  15. 【請求項15】化粧型枠の凹凸部が、その表面の一部を
    厚み方向に窪ませた凹型であって、この凹型と本体枠と
    の間にコンクリートを打設し得るように構成しているこ
    とを特徴とする請求項14記載のコンクリート製品製造
    用型枠。
  16. 【請求項16】化粧型枠の側壁に抜きテーパ面を形成す
    るとともに、蓋体に前記抜きテーパ面に対応するテーパ
    面を形成していること特徴とする請求項15記載のコン
    クリート製品製造用型枠。
  17. 【請求項17】化粧型枠が表面の略全体に凹凸部を形成
    してなるシート状のものであり、少なくとも該化粧型枠
    の側面の一部をコンクリートに埋没させた状態でコンク
    リートを打設し得るように構成していることを特徴とす
    る請求項14記載のコンクリート製品製造用型枠。
JP2000040132A 1999-03-23 2000-02-17 コンクリート製品の製造方法及びその方法に使用するコンクリート製品製造用型枠 Pending JP2000334718A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000040132A JP2000334718A (ja) 1999-03-23 2000-02-17 コンクリート製品の製造方法及びその方法に使用するコンクリート製品製造用型枠

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11-78548 1999-03-23
JP7854899 1999-03-23
JP2000040132A JP2000334718A (ja) 1999-03-23 2000-02-17 コンクリート製品の製造方法及びその方法に使用するコンクリート製品製造用型枠

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000334718A true JP2000334718A (ja) 2000-12-05

Family

ID=26419608

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000040132A Pending JP2000334718A (ja) 1999-03-23 2000-02-17 コンクリート製品の製造方法及びその方法に使用するコンクリート製品製造用型枠

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000334718A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007500616A (ja) * 2003-07-25 2007-01-18 アール・アイ・ランパス・カンパニー 型用の挿入装置、コンクリートユニットの製造方法、壁の設置方法、及び、既存の型をレトロフィットする方法
WO2015011734A1 (en) * 2013-07-22 2015-01-29 Lapo Borghi A plug element for the realization of a longitudinal cavity provided with traces in a reinforced concrete pillar and relative machinery
JP2021025243A (ja) * 2019-08-01 2021-02-22 株式会社竹中工務店 プレキャストコンクリートパネル及びその製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007500616A (ja) * 2003-07-25 2007-01-18 アール・アイ・ランパス・カンパニー 型用の挿入装置、コンクリートユニットの製造方法、壁の設置方法、及び、既存の型をレトロフィットする方法
WO2015011734A1 (en) * 2013-07-22 2015-01-29 Lapo Borghi A plug element for the realization of a longitudinal cavity provided with traces in a reinforced concrete pillar and relative machinery
JP2021025243A (ja) * 2019-08-01 2021-02-22 株式会社竹中工務店 プレキャストコンクリートパネル及びその製造方法
JP7336909B2 (ja) 2019-08-01 2023-09-01 株式会社竹中工務店 プレキャストコンクリートパネルの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN105089258A (zh) 一种瓷砖反打模板及反打方法
CN104929350A (zh) 一种瓷砖反打模板及反打方法
JP2780874B2 (ja) コンクリートpc板材の成型装置
JP2000334718A (ja) コンクリート製品の製造方法及びその方法に使用するコンクリート製品製造用型枠
CN204899168U (zh) 一种瓷砖反打模板
JPH0732337A (ja) サイトプレキャストコンクリート型枠工法
JPH0612893Y2 (ja) プレキャストコンクリ−ト用2重構造型枠
JPS647566B2 (ja)
JP2000135709A (ja) 型 枠
JPH10292624A (ja) 三次元曲線の凹凸模様と、コンリートの側圧を保持する保持装置を埋設した立体装飾コンクリート化粧型枠とその成形方法
JP2760718B2 (ja) Pc製品の製造方法及びその製造方法に使用する可動凹凸形成部材
JPH0382503A (ja) 立体造形装飾模様付きコンクリート製品成形用の雌型の製造方法
CN212562485U (zh) 一种可拆卸式桥架预留洞模具
JPH07290433A (ja) 大型擬岩ブロックの製造方法
JP2505706Y2 (ja) 配線用フロアパネル装置
JPH06126718A (ja) タイルユニット及びそれを使用するpc板先付け工法
JPS5928824Y2 (ja) コンクリ−トブロツクの面板
JPS61205105A (ja) 建物用パネルの製造装置
JP2987495B2 (ja) 水硬性材料の成形法
JPH021391Y2 (ja)
JPS61202807A (ja) 建物用パネルの製造装置
CN204899169U (zh) 一种瓷砖反打模板
JPH02113905A (ja) Pc版製造用型枠の製造方法
CN112297200A (zh) 一种混凝土模具及其安装方法
JP2020076284A (ja) 箱抜き空間形成用型枠

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040813

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040907

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041108

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041214

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050207

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20050214

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20050409