JPH10292624A - 三次元曲線の凹凸模様と、コンリートの側圧を保持する保持装置を埋設した立体装飾コンクリート化粧型枠とその成形方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 三次元曲線の凹凸模様と、立体装飾コンクリ
ート化粧型枠を軽量にするとともに、凹凸模様高を高く
形成しても安価であり型枠の枠組及び脱型を容易にする
立体装飾コンクリート化粧型枠を得る。 【解決手段】 硬質樹脂及び軟質樹脂等の複合樹脂によ
り立体装飾コンクリート化粧型枠を形成するとともに、
凹凸模様層を均一に積層補強し化粧型枠背面に周囲リブ
層と格子リブ層を一体に形成するとともに、凹凸模様層
内にコンクリートの側圧を保持する保持装置を埋設し
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、三次元の凹凸模様
を有する立体装飾コンクリート構造物を製作することを
目的とした化粧型枠の成形方法とその化粧型枠に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来の凹凸模様を形成するコンクリート
打設用化粧型枠は、鋼製パレット内に表現したい擬岩や
擬石等の雄型を適宣配置し、これに弾性体樹脂を流し込
み硬化させ得られる樹脂化粧型枠やポリスチレン系樹脂
発泡体による化粧型枠やプラスチックで一体に成形した
コンクリート型枠が一般的である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の凹凸模様を形成
するコンクリート打設用化粧型枠は、上記のような鋼製
パレット内に弾性体樹脂を注入することによって形成さ
れるが、この化粧型枠は型枠内へのコンクリート打設後
の養生、加温、脱型時において、鋼製パレット内の弾性
体樹脂が膨張収縮によるハガレや接着不良及び鋼製パレ
ットと弾性体樹脂の隙間にコンクリートが入り込み、コ
ンクリート模様表面等の種々の不良を発生させていた。
また、前記鋼製パレット化粧型枠は模様の高さも６０ｍ
ｍ程度が適当であり、意匠効果を得るための６０ｍｍ以
上の模様高さの化粧型枠は、全体重量があり輸送コスト
高、生産性の低下及び弾性体樹脂量の増加によって製品
単価が高価となってしまうという問題があった。

【０００４】また、ポリスチレン系樹脂発泡体による化
粧型枠は、コンクリート硬化後の脱型の際に型枠表面の
破損、割れが生じやすく繰り返しの使用が不可能なた
め、そのたびに産業廃棄物となってしまうという問題が
あった。また、プラスチック製型枠の枠組は、セパレー
ター、コーン、フォームタイ等の緊結材によって組立る
が、枠組時に模様表面の任意の箇所にコーン孔を開けセ
パレーターを取付固定する作業においては凹凸模様の高
さの違いによってはセパレーターの長さをそのたびに交
換しなくてはならないので、複数のセパレーターが必要
であり枠組作業効率を著しく低下させていた。

【０００５】また、凹凸模様の模様厚によっては凹凸模
様の化粧型枠と裏板（合板パネル等）との間に作業員が
入り、ドリル等によってセパレーター挿通孔を開ける作
業ができず、コンクリートの側圧に対する任意の箇所へ
の緊結材の取付が不可能であった。また、セパレータ
ー、コーン、フォームタイ等の緊結材によって組立てら
れた化粧型枠のコンクリート打設後の解体は、凹凸模様
の化粧型枠を一方向に同じ距離分だけ徐々に移動させな
いと裏面に突出した複数のセパレーターの雄ネジ部によ
って、化粧型枠のセパレーターの挿通口がひっかかり容
易に脱型できず、脱型作業による作業効率が非常に悪か
った。また、無理に脱型作業を行うと雄ネジ部が曲がっ
てしまい、コンクリート表面のセパレーター突出箇所が
破損したり、型枠自体が破損してしまうという問題があ
った。

【０００６】また、任意の凹凸模様によって形成された
化粧型枠の凹凸模様の高低差の一部分を変更するには、
化粧型枠の凹凸模様を新規に製作しなくてはならず、施
工場所で容易に凹凸模様の一部分の高低差を変更するこ
とは不可能であった。

【０００７】本発明は上記問題点に鑑みなされたもの
で、化粧型枠自体が軽量、強固であり、模様高を制限さ
れない凹凸模様を得られるとともに、コンクリートとの
離型性を向上させ、凹凸模様の複数箇所の凹凸高低と模
様を容易に変更可能な化粧型枠と、その化粧型枠の枠組
作業と脱型作業における作業効率の向上が図れる三次元
曲線の凹凸模様と、コンクリートの側圧を保持する保持
装置を埋設した立体装飾コンクリート化粧型枠を提供す
ることを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による化粧型枠は、雄型周囲に合板、ダンボ
ール、発泡板、鉄板、アルミ板、樹脂板、ハニカム板等
の板材によって任意の勾配を設けた周囲リブ形成用の枠
を枠組し、雄型周囲枠等に離型処理を施した後、主剤と
硬化剤を混合した樹脂内に膨張収縮、クラック、対摩耗
性等の防止及び化粧型枠とコンクリートとの離型性等の
向上を図る為の、硝子、硅砂、炭酸カルシュウム、炭
素、シリコン、フッ素等の粒或いはパウダー等の顆粒体
及び粉体を適宣量混合した硬質樹脂及び軟質樹脂層等の
複合樹脂積層材を雄型表面に任意の厚さ塗布または吹き
付け、その上に繊維布等の補強材を貼り付けなじませ表
面模様層を形成するとともに、その形成された表面模様
層上に再度繊維布、繊維網等を複合積層材と樹脂等で任
意の厚さに積層し、模様層、模様補強層、周囲リブ層を
形成する。

【０００９】また、補強用リブの格子リブ層は、予め設
ける箇所の凹凸模様を公知の櫛型形状型取器で型取り
し、型取りした形状をリブ内補強材表面に転写し、ジグ
ソー等により切断して得られるリブ芯材を釘、木ネジ、
接着剤等で仮止めを行い、複合積層材としての繊維布や
繊維網、樹脂網等で積層補強して形成される立体装飾コ
ンクリート化粧型枠と、前記立体装飾コンクリート化粧
型枠の周囲リブ層及び格子リブ層天端に鋼材等で格子組
みした補強枠材をレジンコンクリートや繊維チョップ混
合モルタル等を介して一体に形成する。

【００１０】また、凹凸模様層及び格子リブ層に埋設す
る複数のコンクリートの側圧を保持する保持装置は、雄
型模様表面部の任意の埋設箇所に離型処理を施したコー
ン、ゴムホース、粘土等によって模様表面に凸形状にコ
ーキング剤や接着剤等で仮止めを行うとともに、複合樹
脂積層材によって模様層及び模様補強層を任意層積層し
硬化後、前記コーン、ゴムホース、粘土等を除去して得
られる嵌合孔に保持装置を嵌合固定させ、レジンコンク
リートや繊維チョップモルタル及び樹脂と繊維布や繊維
網、樹脂網等で複合積層補強して保持装置を模様層及び
模様補強層を含む凹凸模様層と及び格子リブ層内に埋設
して一体に形成する。

【００１１】また、三次元曲線の凹凸模様層とほぼ同形
状の周囲リブ層及び格子リブ層は、櫛型形状型取器で形
状測定後、埋設用板材等に凹凸模様を転写しその転写線
で切断機等で切断し、切断形成された周囲リブ芯材及び
格子リブ芯材を、繊維布、繊維網、樹脂網等を介して硬
質樹脂等の複合樹脂積層材によって積層補強して形成し
た立体装飾コンクリート化粧型枠である。また、硬質樹
脂及び軟質樹脂等の樹脂によってほぼ均一の厚さに積層
補強した凹凸模様層の任意の箇所に、凹凸模様表面の凹
凸高低及び模様箇所を自在に取り換え可能な模様型を係
止する係止装置を複数設けた立体装飾コンクリート化粧
型枠である。

【００１２】

【作用】本発明は上記のように形成されているので、凹
凸模様の高低差のある大型の化粧型枠であっても、凹凸
模様層及びリブ補強層内に埋設した保持装置によって立
体装飾コンクリート化粧型枠の枠組及び脱型時の作業を
容易にし、コンクリートの側圧に強固に耐え、繰り返し
使用が可能な立体装飾コンクリート化粧型枠である。

【００１３】また、凹凸模様補強層内に埋設した保持装
置は、コンクリート打設後の化粧型枠の脱型作業時に、
埋設した保持装置に螺着するボルトにコンクリート内部
の高ナットの半分寸法とコーン寸法分だけ緩め抜く表示
印を付印し、その表示位置まで螺抜するだけで容易に脱
型が可能となる。また、凹凸模様層の周囲に形成した周
囲リブ層及び凹凸模様層の裏面に形成した格子リブ層天
端に鋼材等によって形成された補強枠材をレジンコンク
リートや繊維チョップ混合モルタル等によって一体に形
成することで、化粧型枠の高さ寸法を正確に形成できる
とともに、割れ、欠け、クラック等の発生を防止し、コ
ンクリートの側圧を強固に保持することが可能となる。
また、凹凸模様面の任意の箇所に複数設けた部分模様取
り替え係止装置は、凹凸模様面の凹凸部の高低及び凹凸
模様を自在に変化させることが可能な模様型を、凹凸模
様面に容易に係止させることで、所望の凹凸模様面を得
られることができる。

【００１４】

【発明の実施の形態】発明の実施の形態を実施例に基づ
き図面を参照して詳細に説明する。図１は本発明の三次
元曲線の雄型凹凸模様を形成し、コンクリートの側圧を
保持する保持装置を埋設する立体装飾コンクリート化粧
型枠の製作行程を説明する全体斜視図である。図２は雌
型型枠の全体斜視図であり、図３は雌型型枠の背面斜視
図である。図４は図２の縦断面図である。図５は図４の
要部拡大断面図、図６は請求項３による雌型凹凸模様型
枠の全体斜視図、図７は図６の背面斜視図、図８は請求
項３による型枠を使用した型枠枠組図、図９は請求項１
記載の雌型型枠を使用した型枠枠組図、図１０（イ）
（ロ）（ハ）は請求項１記載の雌型型枠を使用してコン
クリート打設後の型枠脱型手順図、図１１（イ）（ロ）
（ハ）は従来の化粧型枠による脱型手順を説明する要部
断面説明図、図１２は型枠に模様型を取付た取付説明
図、図１３は本型枠の一連結固定方法を説明する説明断
面図である。

【００１５】図１、図２、図３において、２はボックス
状の本型枠であり、雄型周囲に周囲リブ形成用枠１００
を枠組みし離型処理を施した後、硬質樹脂及び軟質樹脂
等の主剤に硬化剤を混合した樹脂内に、膨張、収縮防
止、クラック防止、摩耗防止等及びコンクリートとの離
型性を向上させる硝子、硅砂、炭酸カルシウム、シリコ
ン、炭素、フッ素等の各粒及びパウダー等の顆粒体また
は粉体を適宣量混合して得られる複合樹脂材を雄型凹凸
表面１０３に０．５〜３．０ｍｍ程度塗布又は吹き付
け、複合樹脂材が完全硬化する前に、繊維布等の補強材
を貼り付けなじませ表面模様層を形成し、且つ、表面模
様層上に繊維布及び繊維網等の補強材を複合樹脂等によ
り１〜６層程度連続積層して、模様層４、模様補強層５
を形成するとともに、合板、ダンボール、鉄板、アルミ
板、樹脂板、発泡板、ハニカム板等により雄型凹凸面と
ほぼ同形状の周囲リブ形成用のリブ芯用板材１０１を任
意の勾配を設けて同様に積層し周囲リブ層３を模様層
４、模様補強層５と一体に形成する。

【００１６】また、周囲リブ層３及び格子リブ層６は、
公知の櫛型形状型取器により各リブ層の形成したい箇所
の凹凸模様を型取りして、合板、ダンボール、鉄板、ア
ルミ板、樹脂板、発泡板、ハニカム板等のリブ芯用板材
１０１に前記型取りした凹凸模様を転写し切断して得ら
れるリブ内補強材を釘、木ネジ、接着剤等でリブ形成箇
所に仮止めして、リブ内補強材表面及び模様補強層５、
周囲リブ層３に積層樹脂と繊維布、繊維網等で積層補強
を適宣層し、そのリブ表面補強層が硬化した後、平に形
成された周囲リブ層３及び格子リブ層６の天端に鋼材等
で形成された格子状の補強枠体７を、レジンコンクリー
トや繊維チョップ混合モルタル等を介して一体に形成し
ている。また、複数の立体装飾コンクリート化粧型枠を
連結して構築する擬岩構造物等の場合、各々の化粧型枠
の凹凸模様箇所の一致や縦横パイプばた材等の枠組材に
よる組立を容易にするよう一定の高さをもって形成され
ている。

【００１７】また、コンクリートの側圧を保持する保持
装置８は、四角、六角、丸等の柱形であり、雌ネジ部
（図示なし）と保持装置８の外周上の任意の位置に、鍔
１０が一体または溶接等により固定形成されたもので、
雄型模様表面１０３の任意の位置に予めコーキング剤や
接着剤等を用いてコーン、ゴムホース、粘土等１０２を
凸形状に仮止めし、模様層４及び模様補強層５を任意積
層を行い、模様補強層５硬化後コーン、ゴムホース、粘
土等１０２を取り外して形成される嵌合孔１１に、保持
装置８の両端部を模様層４及び模様補強層５の表裏面に
対して突出することなく保持装置８を嵌合し模様補強層
５と保持装置８の鍔１０間の空隙部にレジンコンクリー
トや繊維チョップ混合モルタル等を充填するとともに、
複合樹脂を繊維布や繊維網等、樹脂網を介して積層補強
する。

【００１８】また、図８における型枠２は、予め周囲リ
ブ層３及び格子リブ層６を模様層４と同形状に形成して
いるので、型枠２の裏面に設けて枠組される枠組材は所
望の位置で係止可能である。その係止手段は模様層４及
び模様補強層５内に埋設された保持装置８に螺着固定さ
れた高ナット１６の他方にセパレーター１４の緊結材を
鋼製または硬質樹脂等で形成された補強板２１を介して
螺着固定し、次いで補強板２１の丸パイプリブ座金側よ
りナット２０を螺着固定させることで一定の間隔を保ち
型枠２を容易に係止可能としている。なお、型枠２にお
ける保持装置４の埋設位置は模様層４及び模様補強層５
内に埋設されているが、各々のリブ層内に埋設すること
も可能であり、この場合はより強固な保持装置となるこ
とはあきらかである。

【００１９】図９は、型枠２による合板パネル１３等に
よって枠組されたもので、予め模様補強層５背面側よ
り、一端が雄ネジ部を形成した高ナット１６を保持装置
８及び合成樹脂または合成ゴム等で形成されたスリーブ
１５を介して、高ナット１６ａに螺着させることによ
り、ドリル等によるセバレーター挿通孔を開けることな
くセパレーター１７を容易に取付可能とする。また、前
記高ナット１６の雄ネジ部は凹凸模様の厚さによって長
さを変えることで模様厚が非常に深い化粧型枠でもセパ
レーター１７を容易に取付可能となり、枠組作業効率の
向上が図れるものである。

【００２０】図１０は型枠２上部よりコンクリート打設
を行い、コンクリート養生時間を経て硬化したコンクリ
ート製品より本型枠２を脱型する手順説明図であるが、
本型枠２と一体に形成された補強枠７裏側に設置したナ
ット２０及び丸パイプ用リブ座金１９を除去した後、縦
横パイプばた材１８及びセパレーター１４を任意の長さ
に切断された寸切りボルトを一端を雌ネジ部もう一端を
雄ネジ部で構成される高ナット１６より取り外し、高ナ
ット１６をコンクリート２２内に埋まって固定されたコ
ーン及び高ナット１６ａの中心半分とコーン寸法分だけ
螺抜きすることで、型枠２の表面より突出する部材が皆
無となるのでコンクリート表面４ａより容易に脱型が可
能となる。

【００２１】また、コンクリート面４ａ内に埋まった合
成樹脂または合成ゴム等で形成されたスリーブ１５は、
高ナット１６の雄ネジ部と高ナット１６ａの締め付けに
よって若干中央部が凸状に変形した状態となっており、
脱型後には高ナット１６雄ネジ部と高ナット１６ａの締
め付けより解放され変形した状態から通常の形態に戻る
ので、スリーブ１５の外周には空隙が生じ容易にコンク
リート内より取り外しができ、スリーブ１５の繰り返し
の使用が可能となる。また、スリーブ１５の直径を雄ネ
ジ部の外周にぴったり嵌合するものを使用すれば、コン
クリート表面のスリーブ１５の取り外しによる空隙も小
さくなるので、仕上作業によるコンクリート模様表面の
違和感も減少する。

【００２２】図１１（イ）（ロ）（ハ）は従来の化粧型
枠による脱型作業手順であるが、丸パイプばた材１８丸
パイプリブ用座金１９等の緊結材を化粧型枠２４より除
去するが、化粧型枠２４に複数設けた緊結材のセパレー
ターは、化粧型枠２４内より除去ができないため、化粧
型枠２４裏面より突出した状態で、ある程度の重量のあ
る化粧型枠２４自体を一方向に同距離を徐々に移動させ
化粧型枠２４を脱型してる。また、コンクリート表面内
に埋まっているコーン２３は、コンクリートによって全
体を隙間なく埋設されているため、コンクリート表面よ
り取り出すのに非常に難があり、取り出してもコーン２
３の回りが欠けたりしてしまい折角の模様表面が台無し
になることがある。

【００２３】図１２（イ）（ロ）は、硬質樹脂及び軟質
樹脂等の複合樹脂及び積層材やウレタンゴム等の合成ゴ
ムによって形成された模様型２６を、模様層面４の任意
の位置に係止する手順説明図であり、係止孔１２は模様
層４及び模様補強層５を貫通して任意の形状寸法に設け
てある。模様型２６の裏面部には予め係止孔１２付近の
雄型表面より転写し形成するとともに、係止孔１２の対
称箇所に雌ネジ２７を埋設し模様部は雄型模様より高
さ、模様ともに形状変更しているので、模様補強層５の
裏面側より係止孔１２にボルト２９を挿入し適宣する模
様型２６の雌ネジ部２７に螺着固定することで容易に模
様層４の凹凸面の高さ及び模様を変更調整できるととも
に、使用しない貫通孔つまり模様面を変更調整しない箇
所は模様を形成したキャップ等の蓋を取り付け模様面を
維持可能としている。なお、種々の模様型２６を予め製
作することにより凹部のみでなく凸部の高さも同様に調
整可能となるとともに、模様型２６の係止手段はボルト
２９によるものが全てではなく、接着剤等種々の方法で
の係止手段によるものでもできることはいうまでもな
い。

【００２４】図１３は、複数の型枠２を連結固定する一
手段であるが、連結具３１は周囲リブ層３の複数の任意
の箇所に一端を固定し回動可能とし一端を雄ネジ部で構
成され、本型枠２同士が当接して形成される空隙部２８
に合成樹脂及び合成ゴム等により嵌合される嵌合部材２
５を連結具３１に貫通移動可能としナット２０により脱
落防止としているとともに、連結具３１に対向する周囲
リブ層３の箇所に連結具３１の一部が嵌合される凹部３
０を設け、その凹部３０に連結具３１を回動させつつ嵌
合部材２５を空隙部２８に嵌合させナット２０により締
め付けることにより型枠同士を強固に連結固定できる。
なお、型枠の連結手段はこの方法のみならず、縁リブ側
面より複数のボルトにより連結固定する方法もありこの
限りではない。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したように本発明の三次元曲線
の凹凸模様を形成した雌型型枠にコンクリートの側圧を
保持する保持装置を埋設した立体装飾コンクリート化粧
型枠は、周囲リブ層及び格子リブ層を合板、ダンボール
発泡板、ハニカム板等のリブ内補強板を複合樹脂材及び
繊維布、繊維網等の補強材によって模様補強層と一体に
形成し、周囲リブ層及び格子リブ層上面に鋼材等によっ
て形成される補強枠材を一体に形成することによって、
枠組時のレベル設定を容易にしコンクリート打設時のコ
ンクリートの側圧に十分耐えられる化粧型枠と従来では
不可能であった数百回以上のコンクリートの打設が可能
な効果を奏する立体装飾コンクリート化粧型枠である。

【００２６】また、立体装飾コンクリート化粧型枠の三
次元曲線の模様層及び模様補強層内に埋設した複数の保
持装置は、模様製作工程時において所望箇所に予めコー
ンやゴムホース等によって保持装置を嵌合する嵌合孔を
形成する方法と雄型より脱型した後所定の位置へドリル
等により孔開けして嵌合孔を設けることも可能であると
ともに、その嵌合孔に保持装置を嵌合させ、更に複合樹
脂及び積層材としての繊維布及び繊維網、樹脂網等の補
強材により積層補強して埋設されるので、凹凸模様高の
非常に高い化粧型枠においても製作過程において容易に
埋設取付ができるので、枠組作業時のスリーブおよび高
ナットに挿入螺着されるボルトの長さは、予め長さ決定
ができるので、コンクリート内部で接続される公知のゴ
ムコーンやテーパーコーンの長さの寸法も自由に選択可
能となるので、コンクリート内部に埋め込まれる高ナッ
トの埋め込み深さも自在に設定できるので、丸セパレー
ト等の緊結材の取付作業の簡易化が図れるとともに、コ
ンクリート打設後の脱型作業時に複数の丸セパレーター
やボルト等の緊結材の突出部材が表面側に突出していな
いため、脱型作業が容易にでき脱型時のコンクリート表
面のスリーブ跡も小さく破損もないため修復が最小限度
に抑えられるので、枠組、脱型、修復等の各作業効率の
大幅なる向上が図れるとともに、作業者の安全確保も可
能とする効果を奏する。

【００２７】本化粧型枠と周囲リブ層及び格子リブ層を
模様層及び模様補強層とほぼ同形状に形成した化粧型枠
は、模様層及び模様補強層及び周囲リブ層、格子リブ層
を複合樹脂及び積層材としての繊維布及び繊維網、樹脂
網等の補強材により模様表面全体に積層補強して形成さ
れるので、化粧型枠自体の重量が非常に軽量で強固な化
粧型枠となるとともに、凹凸模様高の高い化粧型枠ほど
従来では比較にならないほどの少ない製作材料で製作で
きるので、型枠製作費や輸送コスト等が安価にできるの
で従来より大型の立体装飾コンクリート化粧型枠の製作
が可能となる効果を奏する。

【００２８】また、硬質樹脂及び軟質樹脂等の複合樹脂
積層材により形成された任意脱着模様型は、模様型製作
工程時において模様層及び模様補強層の任意の箇所の係
止孔と対向する箇所に雌ネジを埋設し積層補強して形成
し、化粧型枠裏面より係止孔にボルトを挿通し模様型に
設けた雌ネジに螺着固定することで、模様層と一体にな
り、凹凸模様の高低および模様を容易に変更調整できる
もので、一化粧型枠の凹凸模様から複数の凹凸模様へと
自在に変更可能な模様型である。

【００２９】また、本化粧型枠を製作するにあたり、硬
質樹脂及び軟質樹脂等の複合樹脂及び積層材内に、シリ
コン、炭素、フッ素等の粒或いパウダー等の顆粒体また
は粉体を適宣量混合することは、複合樹脂積層材に離型
性能を付与させコンクリート打設後の脱型を容易にする
とともに、本化粧型枠は全体を複合樹脂積層材によって
一体に形成されているため木材等の合板型枠や合成発泡
樹脂型枠のように使い捨て型枠を一切使用しないため、
廃材による産業廃棄物が発生しない効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本化粧型枠の製作工程を説明する全体斜視図で
ある。

【図２】本化粧型枠の全体斜視図である。

【図３】本化粧型枠の背面斜視図である。

【図４】図１における縦断面説明図である。

【図５】図４における要部拡大縦断説明図である。

【図６】請求項３による化粧型枠の全体斜視図である。

【図７】請求項３による化粧型枠の背面斜視図である。

【図８】請求項３の型枠を使用した枠組説明図である。

【図９】本型枠を使用した枠組説明図である。

【図１０】本型枠を使用してコンクリートを打設し硬化
後の脱型作業手順説明図である。

【図１１】従来の化粧型枠による脱型作業手順の要部断
面説明図である。

【図１２】本型枠に模様型を取り付ける取付手順説明図
である。

【図１３】本型枠の一連結固定方法の手順説明図であ
る。

【符号の説明】

１ 雄型 ２ 三次元曲線の凹凸模様と、コンクリートの側圧を保
持する保持装置を埋設した立体装飾コンクリート化粧型
枠 ３ 周囲リブ層 ４ 模様層 ４ａ コンクリート模様面 ５ 模様補強層 ６ 格子リブ層 ７ 補強枠体 ８ 保持装置 ９ ネジ １０ 鍔 １１ 嵌合孔 １２ 係止孔 １３ 合板パネル １４ セパレーター １５ スリーブ １６ 雄ネジ付高ナット １６ａ高ナット １７ セパレーター １８ 縦横パイプばた １９ パイプ用リブ座金 ２０ ナット ２１ 補強板 ２２ コンクリート ２３ コーン ２４ 化粧型枠 ２５ 嵌合部材 ２６ 模様型 ２７ 雌ネジ ２８ 空隙部 ２９ ボルト ３０ 凹部 ３１ 連結具 １００ 周囲枠 １０１ 周囲リブ芯用板材 １０２ コーン、ゴムホース １０３ 雄型凹凸表面

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 三次元曲線の凹凸模様を形成する立体装
   飾コンクリート化粧型枠の三次元曲線の凹凸模様を硬質
   樹脂及び軟質樹脂等の複合樹脂積層材によってほぼ均一
   の厚さに積層し、三次元曲線の凹凸模様層の裏面に周囲
   リブ層を内側へ任意の勾配をつけ形成するとともに、前
   記周囲リブ層内に化粧型枠及びコンクリートの側圧補強
   のための格子リブ層を凹凸模様補強層及び周囲リブ層と
   一体に形成したことを特徴とする三次元曲線の凹凸模様
   と、コンクリートの側圧を保持する保持装置を埋設した
   立体装飾コンクリート化粧型枠。
2. 【請求項２】 請求項１記載の立体装飾コンクリート化
   粧型枠の三次元曲線の凹凸模様補強層と周囲リブ層と一
   体に形成した格子リブ層内及び、凹凸模様層と凹凸模様
   補強層内に複数のコンクリートの側圧を保持する保持装
   置を埋設したことを特徴とする立体装飾コンクリート化
   粧型枠。
3. 【請求項３】 周囲リブ層及び格子リブ層を、三次元曲
   線の凹凸模様層とほぼ同形状で形成したことを特徴とす
   る請求項１、２記載の三次元曲線の凹凸模様と、コンク
   リートの側圧を保持する保持装置を埋設した立体装飾コ
   ンクリート化粧型枠。
4. 【請求項４】 凹凸模様層裏面の周囲リブ層及び格子リ
   ブ層の上面に、鋼材等によって形成された補強材を、ネ
   ジ、ボルト、接着剤等により立体装飾コンクリート化粧
   型枠と一体としたことを特徴とする請求項１、２記載の
   三次元曲線の凹凸模様と、コンクリートの側圧を保持す
   る保持装置を埋設した立体装飾コンクリート化粧型枠。
5. 【請求項５】 請求項１、２、３、４記載の立体装飾コ
   ンクリート化粧型枠の模様表面の任意の箇所に、凹凸模
   様表面の凹凸高低及び模様箇所を自在に取り換え可能な
   模様型を係止する係止装置を複数設けたことを特徴とす
   る請求項１、２、３、４記載の三次元曲線の凹凸模様
   と、コンクリートの側圧を保持する保持装置を埋設した
   立体装飾コンクリート化粧型枠。
6. 【請求項６】 硬質樹脂及び軟質樹脂等の複合樹脂模様
   層内にシリコン粒、シリコンパウダー等のセメントと密
   着しにくい顆粒体及び粉体を混合したことを特徴とする
   請求項１、２、３、４、５記載の三次元曲線の凹凸模様
   と、コンクリートの側圧を保持する保持装置を埋設した
   立体装飾コンクリート化粧型枠の製造法。