JP2969140B2 - 表面コンクリート板およびその成形方法 - Google Patents
表面コンクリート板およびその成形方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面コンクリート板お
よびその成形方法に関する。
よびその成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンクリートからなる建造物の壁体を形
成する施工方法の一例として、河川の護岸用堤防を形成
する場合の法面を覆う法覆工法がある。従来この法覆工
法では、先ず、定規断面に築堤整正された法面(例えば
勾配2割)に、均しコンクリートを平均厚さ5cm程度
に敷き均す。次に、法面の下部に形成したコンクリート
の基礎を土台にし、法面の勾配に沿って上下方向に延び
る縦枠(断面30cm×30cm程度)を設ける。この
縦枠は河川の延長方向に所定の巾間隔をおいて配設され
る。そして、この縦枠同士の中間部の全面にコンクリー
トを厚さ20cm程度に打って法面を覆い、法面コンク
リートを形成する。この法面コンクリートを打つ作業は
勾配がゆるいため、通常は表面型枠を使用しない施工と
なる。このため、充分な締固めを行うことが難しい。ま
た、その表面はコンクリートが適度に硬化した後、熟練
工(または左官)により仕上げられている。このように
形成されるコンクリートの建造物は、気温が低下する冬
期には保温養生を行う必要があり、表面が荒らされない
よう十分に注意をする必要がある。
成する施工方法の一例として、河川の護岸用堤防を形成
する場合の法面を覆う法覆工法がある。従来この法覆工
法では、先ず、定規断面に築堤整正された法面(例えば
勾配2割)に、均しコンクリートを平均厚さ5cm程度
に敷き均す。次に、法面の下部に形成したコンクリート
の基礎を土台にし、法面の勾配に沿って上下方向に延び
る縦枠(断面30cm×30cm程度)を設ける。この
縦枠は河川の延長方向に所定の巾間隔をおいて配設され
る。そして、この縦枠同士の中間部の全面にコンクリー
トを厚さ20cm程度に打って法面を覆い、法面コンク
リートを形成する。この法面コンクリートを打つ作業は
勾配がゆるいため、通常は表面型枠を使用しない施工と
なる。このため、充分な締固めを行うことが難しい。ま
た、その表面はコンクリートが適度に硬化した後、熟練
工(または左官)により仕上げられている。このように
形成されるコンクリートの建造物は、気温が低下する冬
期には保温養生を行う必要があり、表面が荒らされない
よう十分に注意をする必要がある。
【0003】また、コンクリートを打つ勾配が急な壁体
を形成する場合、或いは垂直な壁体を形成する場合に、
表面型枠を使用する施工方法がある。この施工方法で
は、先ず、鋼板等からなる表面型枠を、対向する型枠或
いは建造物の基体表面から所定の空隙をおいて保持す
る。次に、その空隙内に生コンクリートまたはモルタル
を充填し、固化させた後、表面型枠を除去する。通常、
表面型枠からの空気および水抜きが不十分であるなどの
理由から、表面が好適に成形されず、コンクリート表面
は人手により仕上げられる。
を形成する場合、或いは垂直な壁体を形成する場合に、
表面型枠を使用する施工方法がある。この施工方法で
は、先ず、鋼板等からなる表面型枠を、対向する型枠或
いは建造物の基体表面から所定の空隙をおいて保持す
る。次に、その空隙内に生コンクリートまたはモルタル
を充填し、固化させた後、表面型枠を除去する。通常、
表面型枠からの空気および水抜きが不十分であるなどの
理由から、表面が好適に成形されず、コンクリート表面
は人手により仕上げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の施工方法では、通常、人手によってコンクリート壁
面が、単なる平面に仕上げられる。このため、その外観
は無味乾燥であり、景観上美しさに欠けるという課題が
あった。なお、建造物の表面を景観上美しく仕上げるた
めには、熟練工が、石材を組んだり、石材をモルタルで
固着することが行われているが、施工能率が悪く、施工
コストが高くなるという課題があった。また、上記の表
面型枠を使用する施工方法では、配設した表面型枠を除
去する作業が必要であり、施工能率が悪かった。
来の施工方法では、通常、人手によってコンクリート壁
面が、単なる平面に仕上げられる。このため、その外観
は無味乾燥であり、景観上美しさに欠けるという課題が
あった。なお、建造物の表面を景観上美しく仕上げるた
めには、熟練工が、石材を組んだり、石材をモルタルで
固着することが行われているが、施工能率が悪く、施工
コストが高くなるという課題があった。また、上記の表
面型枠を使用する施工方法では、配設した表面型枠を除
去する作業が必要であり、施工能率が悪かった。
【0005】そこで、本発明の目的は、石材が並べられ
たような美しい外観を備え、建造物の壁体を仕上がり良
く且つ能率良く形成するために用いる表面コンクリート
板およびその成形方法を提供することにある。
たような美しい外観を備え、建造物の壁体を仕上がり良
く且つ能率良く形成するために用いる表面コンクリート
板およびその成形方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は次の構成を備える。すなわち、本発明は、
コンクリートによって板状に成形され、コンクリートの
型枠として作用すると共に、裏面側に打設される生コン
クリートまたはモルタルに固着されて建造物の表面部を
構成する表面コンクリート板において、コンクリート表
面側がシリコーンゴム層の型面を有する成形型によって
石材を並べた表面のように凹凸状に形成され、該コンク
リート表面には、石粉又は結晶片類等の硬質耐久性物質
からなる粒状物が、塗料によって付着された前記成形型
の前記型面から該塗料と共に転写された状態にコンクリ
ート中のモルタルペーストで抱き込まれるようにして固
着され、該粒状物の表面が露出されると共に前記塗料の
塗膜によって覆われて設けられ、裏面側に打設される生
コンクリートまたはモルタルに確実に固着されるよう裏
面にラス網が露出して固着され、該ラス網には空気及び
水の排出の通路となるよう所定の方向に延びる複数の溝
付リブが設けられていることを特徴とする。
め、本発明は次の構成を備える。すなわち、本発明は、
コンクリートによって板状に成形され、コンクリートの
型枠として作用すると共に、裏面側に打設される生コン
クリートまたはモルタルに固着されて建造物の表面部を
構成する表面コンクリート板において、コンクリート表
面側がシリコーンゴム層の型面を有する成形型によって
石材を並べた表面のように凹凸状に形成され、該コンク
リート表面には、石粉又は結晶片類等の硬質耐久性物質
からなる粒状物が、塗料によって付着された前記成形型
の前記型面から該塗料と共に転写された状態にコンクリ
ート中のモルタルペーストで抱き込まれるようにして固
着され、該粒状物の表面が露出されると共に前記塗料の
塗膜によって覆われて設けられ、裏面側に打設される生
コンクリートまたはモルタルに確実に固着されるよう裏
面にラス網が露出して固着され、該ラス網には空気及び
水の排出の通路となるよう所定の方向に延びる複数の溝
付リブが設けられていることを特徴とする。
【0007】また、前記塗料が透明塗料であることで、
塗料によって形成された塗膜の光沢によって粒状物固有
の艶を出すことができる。さらに、前記塗料がアクリル
塗料であることで、容易且つ好適に粒状物表面の艶を出
すことができ、石材表面を好適に模造することができ
る。
塗料によって形成された塗膜の光沢によって粒状物固有
の艶を出すことができる。さらに、前記塗料がアクリル
塗料であることで、容易且つ好適に粒状物表面の艶を出
すことができ、石材表面を好適に模造することができ
る。
【0008】また、本発明は、コンクリートによって板
状に成形され、コンクリートの型枠として作用すると共
に、裏面側に打設される生コンクリートまたはモルタル
に固着されて建造物の表面部を構成する表面コンクリー
ト板の製造方法において、石材等が並べられて形成され
た凹凸状の原形表面にシリコーンゴムを塗布して採取し
たシリコーンゴム層を有する表面コンクリート板の成形
型の、該シリコーンゴム層の型面に、粘着材として作用
する塗料を塗布する工程と、該塗料が塗布された型面
に、石粉又は結晶片類等の硬質耐久性物質からなる粒状
物を付着させる工程と、前記型面における前記コンクリ
ート表面の目地に対応する部分に付着した前記粒状物を
かき落とす工程と、前記表面コンクリート板の成形型に
生コンクリートを打設して硬化させ、前記粒状物をコン
クリート中のモルタルペーストで抱き込むようにして固
着させて前記塗料と共にコンクリート表面に転写させる
工程と、前記表面コンクリート板の成形型を解体して表
面コンクリート板を取り出す工程とを有することを特徴
とする表面コンクリート板の成形方法。にもある。
状に成形され、コンクリートの型枠として作用すると共
に、裏面側に打設される生コンクリートまたはモルタル
に固着されて建造物の表面部を構成する表面コンクリー
ト板の製造方法において、石材等が並べられて形成され
た凹凸状の原形表面にシリコーンゴムを塗布して採取し
たシリコーンゴム層を有する表面コンクリート板の成形
型の、該シリコーンゴム層の型面に、粘着材として作用
する塗料を塗布する工程と、該塗料が塗布された型面
に、石粉又は結晶片類等の硬質耐久性物質からなる粒状
物を付着させる工程と、前記型面における前記コンクリ
ート表面の目地に対応する部分に付着した前記粒状物を
かき落とす工程と、前記表面コンクリート板の成形型に
生コンクリートを打設して硬化させ、前記粒状物をコン
クリート中のモルタルペーストで抱き込むようにして固
着させて前記塗料と共にコンクリート表面に転写させる
工程と、前記表面コンクリート板の成形型を解体して表
面コンクリート板を取り出す工程とを有することを特徴
とする表面コンクリート板の成形方法。にもある。
【0009】
【作用】本発明の表面コンクリート板によれば、コンク
リート表面側が凹凸状に形成され、そのコンクリート表
面には、粒状物が、塗料によって付着された成形型のシ
リコーンゴム層の型面からその塗料と共に転写された状
態にコンクリート中のモルタルペーストに抱き込まれる
ようにして固着され、その粒状物の表面が露出されると
共に前記塗料の塗膜によって覆われている。このため、
コンクリート板でありながら、石材を並べたような美し
い外観を得ることができ、建造物の表面を景観上美しく
仕上げることができる。特に、塗料が粒状物の表面に付
着しているため、塗料によって形成された塗膜の光沢に
よって粒状物の艶を出すことができ、石材表面を好適に
模造することができる。そして、裏面側に打設される生
コンクリートまたはモルタルに確実に固着されるよう裏
面にラス網が露出して固着され、該ラス網には空気及び
水の排出の通路となるよう所定の方向に延びる複数の溝
付リブが設けられていることで、表面コンクリート板を
裏面に打設される生コンクリートまたはモルタルと好適
に一体化できる。
リート表面側が凹凸状に形成され、そのコンクリート表
面には、粒状物が、塗料によって付着された成形型のシ
リコーンゴム層の型面からその塗料と共に転写された状
態にコンクリート中のモルタルペーストに抱き込まれる
ようにして固着され、その粒状物の表面が露出されると
共に前記塗料の塗膜によって覆われている。このため、
コンクリート板でありながら、石材を並べたような美し
い外観を得ることができ、建造物の表面を景観上美しく
仕上げることができる。特に、塗料が粒状物の表面に付
着しているため、塗料によって形成された塗膜の光沢に
よって粒状物の艶を出すことができ、石材表面を好適に
模造することができる。そして、裏面側に打設される生
コンクリートまたはモルタルに確実に固着されるよう裏
面にラス網が露出して固着され、該ラス網には空気及び
水の排出の通路となるよう所定の方向に延びる複数の溝
付リブが設けられていることで、表面コンクリート板を
裏面に打設される生コンクリートまたはモルタルと好適
に一体化できる。
【0010】また、本発明の表面コンクリート板の成形
方法によれば、原形表面にシリコーンゴムを塗布して型
を採取したシリコーンゴム層の型面に塗料を塗布し、そ
の塗料によって型面に付着された粒状物が、その塗料と
共にコンクリート中のモルタルペーストで固着されてコ
ンクリート表面に転写される。すなわち、型面がシリコ
ーンゴムによって形成されているから、塗料が好適に剥
離できる。従って、その塗料が表面に付着した状態の粒
状物を、表面コンクリート板の表面へ転写して固着する
ことができるため、石材表面を好適に模造することがで
きる。そして、前記型面における前記コンクリート表面
の目地に対応する部分に付着した前記粒状物をかき落と
す工程を有することで、表面コンクリート板を石材を並
べたような美しい外観に好適に形成できる。
方法によれば、原形表面にシリコーンゴムを塗布して型
を採取したシリコーンゴム層の型面に塗料を塗布し、そ
の塗料によって型面に付着された粒状物が、その塗料と
共にコンクリート中のモルタルペーストで固着されてコ
ンクリート表面に転写される。すなわち、型面がシリコ
ーンゴムによって形成されているから、塗料が好適に剥
離できる。従って、その塗料が表面に付着した状態の粒
状物を、表面コンクリート板の表面へ転写して固着する
ことができるため、石材表面を好適に模造することがで
きる。そして、前記型面における前記コンクリート表面
の目地に対応する部分に付着した前記粒状物をかき落と
す工程を有することで、表面コンクリート板を石材を並
べたような美しい外観に好適に形成できる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基
づいて詳細に説明する。図1は本発明にかかる表面コン
クリート板の一実施例を示す断面図である。また、図2
は図1の一部拡大図である。表面コンクリート板10
は、コンクリートによって板状(本実施例では矩形)に
成形され、コンクリートの型枠として作用すると共に、
裏面側に打設される生コンクリートまたはモルタルに固
着されて建造物の表面部を構成する。12はコンクリー
ト成形部であり、このコンクリート成形部12の表面側
(表面コンクリート板10の表面側)には、表面部16
が、成形型によって石材を並べた表面のように凹凸状に
形成されている。例えば、図7に示すように玉石が並べ
られたような表面部16がコンクリートによって成形さ
れている。
づいて詳細に説明する。図1は本発明にかかる表面コン
クリート板の一実施例を示す断面図である。また、図2
は図1の一部拡大図である。表面コンクリート板10
は、コンクリートによって板状(本実施例では矩形)に
成形され、コンクリートの型枠として作用すると共に、
裏面側に打設される生コンクリートまたはモルタルに固
着されて建造物の表面部を構成する。12はコンクリー
ト成形部であり、このコンクリート成形部12の表面側
(表面コンクリート板10の表面側)には、表面部16
が、成形型によって石材を並べた表面のように凹凸状に
形成されている。例えば、図7に示すように玉石が並べ
られたような表面部16がコンクリートによって成形さ
れている。
【0012】その表面部16のコンクリート表面には、
図2の拡大図から明らかなように、石粉又は結晶片類等
の硬質耐久性物質からなる粒状物17が、塗料13によ
って付着された成形型の型面から該塗料13と共に転写
されて固着されている。成形型の型面をシリコーンゴム
という剥離性の良好な材質によって形成することで、塗
料13は型面から好適に剥離して転写される。そして、
粒状物17は、コンクリート中のモルタルペーストによ
って抱き込まれ、そのモルタルペーストの硬化によって
コンクリート表面に強固に固着される。この際モルタル
ペーストは、粒状物17と塗料13との密着部、および
型面と塗料13との密着部に進入できないため、転写さ
れてコンクリート表面に露出する粒状物の表面は、塗料
の塗膜に覆われた艶のある状態に現れる。なお、23は
目地である。
図2の拡大図から明らかなように、石粉又は結晶片類等
の硬質耐久性物質からなる粒状物17が、塗料13によ
って付着された成形型の型面から該塗料13と共に転写
されて固着されている。成形型の型面をシリコーンゴム
という剥離性の良好な材質によって形成することで、塗
料13は型面から好適に剥離して転写される。そして、
粒状物17は、コンクリート中のモルタルペーストによ
って抱き込まれ、そのモルタルペーストの硬化によって
コンクリート表面に強固に固着される。この際モルタル
ペーストは、粒状物17と塗料13との密着部、および
型面と塗料13との密着部に進入できないため、転写さ
れてコンクリート表面に露出する粒状物の表面は、塗料
の塗膜に覆われた艶のある状態に現れる。なお、23は
目地である。
【0013】塗料13としては、透明アクリル塗料を利
用することができ、塗膜の光沢によって粒状物固有の艶
を出すことができ、石材表面を好適に模造することがで
きる。本実施例では、希釈材として主にトルエンおよび
キシレンを使用した透明アクリル塗料を使用した。この
透明アクリル塗料の塗膜は、耐水性、耐酸性、耐アルカ
リ性を有し、十分な硬度、強度、密着性および耐久性を
備える。従って、粒状物17の表面に付着したアクリル
塗膜は容易には脱離しない。また、アクリル塗料は取扱
い易く、好適である。ところで、アクリル塗料の塗布量
は、一例として、0.5〜1.0kg/m2 を標準とし
た。このアクリル塗料の比重は20°Cで0.93±
0.03である。なお、アクリル塗料に代えて、塩化ビ
ニール系、シリコーン系、酢酸ビニール系、アクリルウ
レタン共重合体、エポキシ系、フッ素系の塗料を使用す
ることも可能である。これらの塗料は、成形型の型面形
状、付着させる岩石粉の量や、粒径等により適合するも
のを選択して使用する。また、有色塗料(透明色付きの
塗料を含む)を使用することも可能であり、表面コンク
リート板の外観を選択的に演出できる。
用することができ、塗膜の光沢によって粒状物固有の艶
を出すことができ、石材表面を好適に模造することがで
きる。本実施例では、希釈材として主にトルエンおよび
キシレンを使用した透明アクリル塗料を使用した。この
透明アクリル塗料の塗膜は、耐水性、耐酸性、耐アルカ
リ性を有し、十分な硬度、強度、密着性および耐久性を
備える。従って、粒状物17の表面に付着したアクリル
塗膜は容易には脱離しない。また、アクリル塗料は取扱
い易く、好適である。ところで、アクリル塗料の塗布量
は、一例として、0.5〜1.0kg/m2 を標準とし
た。このアクリル塗料の比重は20°Cで0.93±
0.03である。なお、アクリル塗料に代えて、塩化ビ
ニール系、シリコーン系、酢酸ビニール系、アクリルウ
レタン共重合体、エポキシ系、フッ素系の塗料を使用す
ることも可能である。これらの塗料は、成形型の型面形
状、付着させる岩石粉の量や、粒径等により適合するも
のを選択して使用する。また、有色塗料(透明色付きの
塗料を含む)を使用することも可能であり、表面コンク
リート板の外観を選択的に演出できる。
【0014】自然石の造岩、岩肌を模造するために使用
する粒状物17としては、模造する岩種毎に、基岩岩石
片、結晶岩石粉、或いは造岩岩石類を使用できる。石粉
或いは石片の大きさは、希望するコンクリート表面の仕
様によるが、通常は外寸(粒径)が0.5〜10mm程
度のものを利用する。篩分けによって、粒径が4mm前
後の粒状物17の濃度を高めたものを使用することが、
塗料による粒状物17の型面(特に凹凸面)への付着
性、作業性の面から好適である。なお、所望の岩肌およ
び天然石の色合い等を表現するために、石粉等の粒径分
布を選択したり、種々の石粉或いは石片を適宜混合すれ
ばよい。また、自然石には突発的に岩石結晶のまだらな
斑点が往々にして存在するので、この斑点の演出には、
粒径10mm前後の粒片を任意に利用してもよい。ま
た、コンクリート表面に模造する岩石の種類は、主とし
て火成岩類、変成岩類、混成岩類(例えば、花崗岩、閃
緑岩、斑糲岩、輝緑岩等)がある。これらの岩相、岩肌
を模造するため石粉又は石砕片の粒状物としては、上記
岩石の鉱物、斑晶或いは結晶片を主材とし、鉱滓酸化
鉄、硝子片その他硬質耐久性物質を副材とすることも可
能である。
する粒状物17としては、模造する岩種毎に、基岩岩石
片、結晶岩石粉、或いは造岩岩石類を使用できる。石粉
或いは石片の大きさは、希望するコンクリート表面の仕
様によるが、通常は外寸(粒径)が0.5〜10mm程
度のものを利用する。篩分けによって、粒径が4mm前
後の粒状物17の濃度を高めたものを使用することが、
塗料による粒状物17の型面(特に凹凸面)への付着
性、作業性の面から好適である。なお、所望の岩肌およ
び天然石の色合い等を表現するために、石粉等の粒径分
布を選択したり、種々の石粉或いは石片を適宜混合すれ
ばよい。また、自然石には突発的に岩石結晶のまだらな
斑点が往々にして存在するので、この斑点の演出には、
粒径10mm前後の粒片を任意に利用してもよい。ま
た、コンクリート表面に模造する岩石の種類は、主とし
て火成岩類、変成岩類、混成岩類(例えば、花崗岩、閃
緑岩、斑糲岩、輝緑岩等)がある。これらの岩相、岩肌
を模造するため石粉又は石砕片の粒状物としては、上記
岩石の鉱物、斑晶或いは結晶片を主材とし、鉱滓酸化
鉄、硝子片その他硬質耐久性物質を副材とすることも可
能である。
【0015】次に、打設される生コンクリートまたはモ
ルタルに固着される表面コンクリート板10の裏面側に
ついて説明する。表面コンクリート板10には、建造物
の基体表面との間に生コンクリートまたはモルタルが充
填された際に、その建造物の基体に確実に固着されるよ
う裏面にラス網14が露出して固着されている。18は
ワイヤーメッシュであり、表面コンクリート板10を補
強するためにコンクリート成形部12を形成する際に挿
入され一体化されている。このワイヤーメッシュ18は
鉄筋が碁盤の目状に配設されて形成されている。このよ
うに表面コンクリート板10はラス網14およびワイヤ
ーメッシュ18によって補強されるため、薄くて軽い割
りに強い強度を有する。
ルタルに固着される表面コンクリート板10の裏面側に
ついて説明する。表面コンクリート板10には、建造物
の基体表面との間に生コンクリートまたはモルタルが充
填された際に、その建造物の基体に確実に固着されるよ
う裏面にラス網14が露出して固着されている。18は
ワイヤーメッシュであり、表面コンクリート板10を補
強するためにコンクリート成形部12を形成する際に挿
入され一体化されている。このワイヤーメッシュ18は
鉄筋が碁盤の目状に配設されて形成されている。このよ
うに表面コンクリート板10はラス網14およびワイヤ
ーメッシュ18によって補強されるため、薄くて軽い割
りに強い強度を有する。
【0016】図3は、コンクリート成形部12の裏面に
固着される溝付リブが設けられたラス網14の形状を示
す平面図であり、図4は図3のA−A断面図である。1
5は溝付リブであり、複数がラス網14に形成されてい
る。この溝付リブ15はラス網14の面内で本実施例で
は網状に形成されていない部分がU字状に折り曲げられ
て成形されている。この複数の溝付リブ15は図5に示
すように所定の方向(本実施例においては使用される際
に上下方向となる方向)に延び、所定の間隔をおいて平
行に形成されている。この複数の溝付リブ15は、表面
コンクリート板10の裏面と建造物の基体表面との間に
生コンクリートまたはモルタルが充填されて、表面コン
クリート10が基体に固着される際に、空気及び水の排
出の通路となる。特に水は溝部に伝わって流れ出やすい
性質があるため、この溝付リブ15によって好適に排出
される。これにより、表面コンクリート10板を建造物
の基体に確実に固着することができる。また、溝付リブ
15によってラス網14の強度が向上するのは勿論であ
る。さらに、溝付リブ15を形成することによってラス
網14が湾曲することを防止して平板状に形成できる。
このため、ラス網14をコンクリート成形部12の裏面
に平面状に固着する作業が容易にできる。
固着される溝付リブが設けられたラス網14の形状を示
す平面図であり、図4は図3のA−A断面図である。1
5は溝付リブであり、複数がラス網14に形成されてい
る。この溝付リブ15はラス網14の面内で本実施例で
は網状に形成されていない部分がU字状に折り曲げられ
て成形されている。この複数の溝付リブ15は図5に示
すように所定の方向(本実施例においては使用される際
に上下方向となる方向)に延び、所定の間隔をおいて平
行に形成されている。この複数の溝付リブ15は、表面
コンクリート板10の裏面と建造物の基体表面との間に
生コンクリートまたはモルタルが充填されて、表面コン
クリート10が基体に固着される際に、空気及び水の排
出の通路となる。特に水は溝部に伝わって流れ出やすい
性質があるため、この溝付リブ15によって好適に排出
される。これにより、表面コンクリート10板を建造物
の基体に確実に固着することができる。また、溝付リブ
15によってラス網14の強度が向上するのは勿論であ
る。さらに、溝付リブ15を形成することによってラス
網14が湾曲することを防止して平板状に形成できる。
このため、ラス網14をコンクリート成形部12の裏面
に平面状に固着する作業が容易にできる。
【0017】図5は表面コンクリート板10の裏面及び
その内部構造を示す一部断面図である。また、図6は図
5のB矢視図である。複数の溝付リブ15が設けられた
ラス網14がコンクリート成形部12裏面の全面に露出
するように固着されている。また、コンクリート成形部
12の内部にはワイヤーメッシュ18が全面に亘って配
設されている。また、19はコーナー補強鉄筋であり、
前記ワーヤーメッシュ18と同様にコンクリート成形部
12を補強するようにコンクリート成形部12のコーナ
ー部に配設されている。
その内部構造を示す一部断面図である。また、図6は図
5のB矢視図である。複数の溝付リブ15が設けられた
ラス網14がコンクリート成形部12裏面の全面に露出
するように固着されている。また、コンクリート成形部
12の内部にはワイヤーメッシュ18が全面に亘って配
設されている。また、19はコーナー補強鉄筋であり、
前記ワーヤーメッシュ18と同様にコンクリート成形部
12を補強するようにコンクリート成形部12のコーナ
ー部に配設されている。
【0018】20はインサート螺子であり、ボルトを螺
合可能に雌螺子部が設けられている。このインサート螺
子20は、表面コンクリート板20を吊り下げて運搬す
る際に使用できるよう所定の間隔をおいて複数(本実施
例では3ヵ所)が設けられている。22はピン部であ
り、表面コンクリート板10の一方の側面にピン状の突
起部を形成している。また、24はピン嵌合部であり、
ピン部22の設けられた側面に相対する側面に設けられ
ている。このピン嵌合部24には、前記ピン部22の突
起部が嵌合できるように凹部が設けられている。従っ
て、ピン嵌合部24に別の表面コンクリート板10のピ
ン部22を嵌合すれば、隣合う表面コンクリート板10
を同一面上に容易に継ぎ合わすことができる。
合可能に雌螺子部が設けられている。このインサート螺
子20は、表面コンクリート板20を吊り下げて運搬す
る際に使用できるよう所定の間隔をおいて複数(本実施
例では3ヵ所)が設けられている。22はピン部であ
り、表面コンクリート板10の一方の側面にピン状の突
起部を形成している。また、24はピン嵌合部であり、
ピン部22の設けられた側面に相対する側面に設けられ
ている。このピン嵌合部24には、前記ピン部22の突
起部が嵌合できるように凹部が設けられている。従っ
て、ピン嵌合部24に別の表面コンクリート板10のピ
ン部22を嵌合すれば、隣合う表面コンクリート板10
を同一面上に容易に継ぎ合わすことができる。
【0019】図7は表面コンクリート板10の表面形状
の一実施例を示す正面図である。本実施例の表面コンク
リート板10は、複数の玉石を並べた玉石模造状に成形
型によって形成されている。この実施例に限らず、種々
の形状に成形することができる。例えば、雑石模造、亀
甲型模造、単なる平面状の無模様、或いは階段状等に成
形することができる。21はエアー抜孔であり、表面コ
ンクリート板10と建造物の基体との間隙に生コンクリ
ートまたはモルタルが中埋めされる際、空気を逃がす流
路として作用する。図8は図7のC矢視図であり、表面
コンクリート板10の側面に設けられたピン嵌合部24
を示している。図9はピン嵌合部24を形成するための
受け口金具24aを示す斜視図である。この受け口金具
24aは矩形板材に直管部が垂設されていおり、その直
管部の矩形板材側が開口されてピン嵌合部24の凹部を
形成している。また、図10はピン部22を形成するた
めのピン金具22aを示す斜視図である。矩形板材の両
面にピン状の突起部が垂設されており、先細りに形成さ
れた一方が前記ピン嵌合部24の凹部に嵌合可能に設け
られている。他方の突起部がコンクリート成形部12に
埋設される部分である。
の一実施例を示す正面図である。本実施例の表面コンク
リート板10は、複数の玉石を並べた玉石模造状に成形
型によって形成されている。この実施例に限らず、種々
の形状に成形することができる。例えば、雑石模造、亀
甲型模造、単なる平面状の無模様、或いは階段状等に成
形することができる。21はエアー抜孔であり、表面コ
ンクリート板10と建造物の基体との間隙に生コンクリ
ートまたはモルタルが中埋めされる際、空気を逃がす流
路として作用する。図8は図7のC矢視図であり、表面
コンクリート板10の側面に設けられたピン嵌合部24
を示している。図9はピン嵌合部24を形成するための
受け口金具24aを示す斜視図である。この受け口金具
24aは矩形板材に直管部が垂設されていおり、その直
管部の矩形板材側が開口されてピン嵌合部24の凹部を
形成している。また、図10はピン部22を形成するた
めのピン金具22aを示す斜視図である。矩形板材の両
面にピン状の突起部が垂設されており、先細りに形成さ
れた一方が前記ピン嵌合部24の凹部に嵌合可能に設け
られている。他方の突起部がコンクリート成形部12に
埋設される部分である。
【0020】次に上記本実施例の表面コンクリート板1
0の製造について説明する。先ず、表面コンクリート板
10を形成するために用いる表面コンクリート板の成形
型(以下単に型という場合がある)を製作する手順つい
て、表面部を玉石模造に形成する場合を例に挙げて説明
する。複数の玉石を玉石模造となるよう、製造する表
面コンクリート板の所定の大きさ内に並べて固着し、原
形68(図11参照)を作る。この原形68の表面
(玉石模造の型を取るための採取面)を水洗いにより清
掃する。剥離剤を玉石模造の採取面に塗布する。剥離
剤としては、株式会社寺田製のテラダイドMO−Sを使
用できる。この剥離剤の成分は、シリコン系樹脂とパラ
フィン系樹脂が5〜10%、キシレンと二塩化メチレン
が90〜95%である。剥離剤を乾燥させる。なお、
剥離剤を使用するのは、作業能率を向上させるためであ
り、シリコーンゴムは本来非接着性の性質を有してお
り、シリコーンゴムの硬化に十分な時間が与えられる場
合には使用することを要しない。シリコーンゴム(主
剤に適量の硬化剤を混合攪拌したもの)を剥離材が塗布
された採取面に均一厚さ(例えば5mm)以上にハケ等
で塗布する。シリコーンゴムを硬化させる。シリコー
ンゴムの特性によるが例えば20°C、約2時間の放置
で硬化する。このようにして、図11に示すようにシリ
コーンゴム層70を形成する。シリコーンゴムは流動性
に優れ、細かい所まで流れて精密な型取りができる。ま
た、弾力性に富んでおり、複雑な形状、アンダーカット
の型取りもできる。ガラス繊維によってマット状に形
成されたガラスマットを所定の大きさに切断して、硬化
したシリコーンゴム層の上に敷く。この際、ガラスマッ
トが採取面の凹凸に沿って全面を完全に覆うようガラス
マットをオーバーラップさせて敷く。このガラスマッ
トの上からガラスマットに浸透するように樹脂(主剤に
適量の硬化剤を混合攪拌したエポキシ樹脂等)をハケ等
で塗布する。この作業の際にはシリコーンゴム層70と
ガラスマットの間に空気が残留しないように空気抜きを
しながら行う。同様の手順で、ガラスマットと樹脂とを
重ねて補強し、図12に示すように、十分に強度のある
補強層である強化プラスチック層(FRP層)を形成す
る。FRP層が硬化した後(20°C、約24時間で
硬化する)に、先ず玉石模造の採取面からFRP層(F
RP型72)、シリコーンゴム層(シリコーンゴム型7
0)の順に剥離する。このFRP型72とシリコーンゴ
ム型70とが一体とされた状態で、表面コンクリート板
10の表面を成形するための型部材を構成する。なお、
シリコーンゴム型70は、コンクリート製品の型枠とし
て十分な耐久性と強靱性を有し、数100回以上の使用
には十分に耐えることが可能であり、経済的である。
0の製造について説明する。先ず、表面コンクリート板
10を形成するために用いる表面コンクリート板の成形
型(以下単に型という場合がある)を製作する手順つい
て、表面部を玉石模造に形成する場合を例に挙げて説明
する。複数の玉石を玉石模造となるよう、製造する表
面コンクリート板の所定の大きさ内に並べて固着し、原
形68(図11参照)を作る。この原形68の表面
(玉石模造の型を取るための採取面)を水洗いにより清
掃する。剥離剤を玉石模造の採取面に塗布する。剥離
剤としては、株式会社寺田製のテラダイドMO−Sを使
用できる。この剥離剤の成分は、シリコン系樹脂とパラ
フィン系樹脂が5〜10%、キシレンと二塩化メチレン
が90〜95%である。剥離剤を乾燥させる。なお、
剥離剤を使用するのは、作業能率を向上させるためであ
り、シリコーンゴムは本来非接着性の性質を有してお
り、シリコーンゴムの硬化に十分な時間が与えられる場
合には使用することを要しない。シリコーンゴム(主
剤に適量の硬化剤を混合攪拌したもの)を剥離材が塗布
された採取面に均一厚さ(例えば5mm)以上にハケ等
で塗布する。シリコーンゴムを硬化させる。シリコー
ンゴムの特性によるが例えば20°C、約2時間の放置
で硬化する。このようにして、図11に示すようにシリ
コーンゴム層70を形成する。シリコーンゴムは流動性
に優れ、細かい所まで流れて精密な型取りができる。ま
た、弾力性に富んでおり、複雑な形状、アンダーカット
の型取りもできる。ガラス繊維によってマット状に形
成されたガラスマットを所定の大きさに切断して、硬化
したシリコーンゴム層の上に敷く。この際、ガラスマッ
トが採取面の凹凸に沿って全面を完全に覆うようガラス
マットをオーバーラップさせて敷く。このガラスマッ
トの上からガラスマットに浸透するように樹脂(主剤に
適量の硬化剤を混合攪拌したエポキシ樹脂等)をハケ等
で塗布する。この作業の際にはシリコーンゴム層70と
ガラスマットの間に空気が残留しないように空気抜きを
しながら行う。同様の手順で、ガラスマットと樹脂とを
重ねて補強し、図12に示すように、十分に強度のある
補強層である強化プラスチック層(FRP層)を形成す
る。FRP層が硬化した後(20°C、約24時間で
硬化する)に、先ず玉石模造の採取面からFRP層(F
RP型72)、シリコーンゴム層(シリコーンゴム型7
0)の順に剥離する。このFRP型72とシリコーンゴ
ム型70とが一体とされた状態で、表面コンクリート板
10の表面を成形するための型部材を構成する。なお、
シリコーンゴム型70は、コンクリート製品の型枠とし
て十分な耐久性と強靱性を有し、数100回以上の使用
には十分に耐えることが可能であり、経済的である。
【0021】以上のように形成された型部材を利用し
て、図1に示した表面コンクリート板10を成形する手
順の一例について以下に説明する。先ず、作業台を置
く位置を整地し、鋼製の作業台をコンクリートの重量に
耐えられるように角材などにより補強して水平になるよ
うに設置する。その作業台に前述のように形成された型
部材を、表面コンクリート板10の凹凸状の表面部16
を成形する型内面(以下、型面という)を上側にして水
平に設置する。すなわち、図13に示すようにシリコー
ンゴム型70が上側にFRP型72が下側となるように
鋼製の箱状の型枠74の中に配置される。なお、型枠7
4は底板と側板とが分解解体されるように形成されてい
る。シリコーンゴム型70の型面に透明アクリル塗料
を石材模造面に対応する部分に(目地に相当する部分に
はできるだけ塗装しない)塗布し、石粉76を手撒き又
は噴射式動力機によって撒布する。使用される石粉76
は、前述のとおりである。本実施例で使用した透明アク
リル塗料は、常温2時間でテーピング可能となる程度に
乾燥するものであるが、石粉が型面に十分に付着し、生
コンクリートの打設を可能とするためには30〜40分
程度の乾燥時間でも良い。また、型面の目地に対応する
部分にも塗料が塗布され石粉76が付着された場合は、
へら等でかき落とせばよい。さらにまた、型面全面に塗
料を塗り、目地に対応する部分は予め用意しておいた型
紙を貼りつけマスキングとして、その後に石粉76を撒
布して付着させる方法を取ることも可能である。イン
サート螺子20(雌ネジ部)をボルトにより型面上の所
定の位置に設置する。ワイヤーメッシュ18等の鉄筋を
設置し、インサート螺子20は所定の場所に確実に位置
されるよう鉄筋等と固定する。また、エアー抜孔21を
形成するための金具をボルトで固定する。なお、コンク
リート打設後にラス網14を設置するので、型の寸法に
合わせてラス網14を切断しておく。コンクリート打
設前に型寸法、及び型内の設定が完了しているか確認
し、図13に示すように生コンクリート78をシュート
打設をする。締固めは、高周波バイブレーター等を使用
し、緊密なコンクリートにする。なお、高周波バイブレ
ーターの振動を好適に伝えるには、型枠74をバネによ
って支持しておけばよい。図14は、生コンクリート7
8が締固められた際の型部材上部と表面コンクリート板
の表面部16の状態を示す断面図である。シリコーンゴ
ム型70の型面に透明アクリル塗料77によって固着さ
れた石粉76が、生コンクリート78と一体化されてい
る。このように打設された状態のコンクリート上面
(表面コンクリート板10の裏面)を水平に仕上げ、そ
の上にラス網14を設置する。ラス網14が表面コンク
リート板10の裏面に露出した状態に固着させる。表
面コンクリート板10の養生については、直射日光・風
等による急激な乾燥・温度変化を防ぐため、作業台、成
形型を全てシートで囲い湿潤養生とする。また、日平均
4°C以下の場合は保温養生とし、コンクリートの凍結
・融解を防ぐため、作業台、成形型を全てシートで囲い
保温および加熱する。表面コンクリート板10の脱型
時期は、打設後4日目以降となるのが普通であり、表面
コンクリート板10(図15)が完成する。この際、シ
リコーンゴムは剥離性が高いため、表面コンクリート板
10は、ほとんど型部材(シリコーンゴム型70とFR
P層70)の自重によって剥離できる。従って、特別な
引き剥がし作業は不要である。すなわち、透明アクリル
塗料77は、シリコーンゴム型70の型面から剥離し
て、石粉76と共に表面コンクリート板側へ転写されて
固着され、石粉76の表面には透明アクリル塗料77が
付着している。なお、表面コンクリート板の成形型は清
掃し再使用する。脱型後のシリコーンゴム型70の表面
にはアクリルの乾燥物、皮膜などは全くなく、コンクリ
ート塊の付着物も殆ど残留せず、クリーンに保たれる。
このため、シリコーンゴム型70の表面の清掃は、吸引
式の掃除機によって簡単に行うことができる。なお、コ
ンクリート成形部12の特に表面部16を補強するため
にはコンクリートにガラス繊維を混合するとよい。
て、図1に示した表面コンクリート板10を成形する手
順の一例について以下に説明する。先ず、作業台を置
く位置を整地し、鋼製の作業台をコンクリートの重量に
耐えられるように角材などにより補強して水平になるよ
うに設置する。その作業台に前述のように形成された型
部材を、表面コンクリート板10の凹凸状の表面部16
を成形する型内面(以下、型面という)を上側にして水
平に設置する。すなわち、図13に示すようにシリコー
ンゴム型70が上側にFRP型72が下側となるように
鋼製の箱状の型枠74の中に配置される。なお、型枠7
4は底板と側板とが分解解体されるように形成されてい
る。シリコーンゴム型70の型面に透明アクリル塗料
を石材模造面に対応する部分に(目地に相当する部分に
はできるだけ塗装しない)塗布し、石粉76を手撒き又
は噴射式動力機によって撒布する。使用される石粉76
は、前述のとおりである。本実施例で使用した透明アク
リル塗料は、常温2時間でテーピング可能となる程度に
乾燥するものであるが、石粉が型面に十分に付着し、生
コンクリートの打設を可能とするためには30〜40分
程度の乾燥時間でも良い。また、型面の目地に対応する
部分にも塗料が塗布され石粉76が付着された場合は、
へら等でかき落とせばよい。さらにまた、型面全面に塗
料を塗り、目地に対応する部分は予め用意しておいた型
紙を貼りつけマスキングとして、その後に石粉76を撒
布して付着させる方法を取ることも可能である。イン
サート螺子20(雌ネジ部)をボルトにより型面上の所
定の位置に設置する。ワイヤーメッシュ18等の鉄筋を
設置し、インサート螺子20は所定の場所に確実に位置
されるよう鉄筋等と固定する。また、エアー抜孔21を
形成するための金具をボルトで固定する。なお、コンク
リート打設後にラス網14を設置するので、型の寸法に
合わせてラス網14を切断しておく。コンクリート打
設前に型寸法、及び型内の設定が完了しているか確認
し、図13に示すように生コンクリート78をシュート
打設をする。締固めは、高周波バイブレーター等を使用
し、緊密なコンクリートにする。なお、高周波バイブレ
ーターの振動を好適に伝えるには、型枠74をバネによ
って支持しておけばよい。図14は、生コンクリート7
8が締固められた際の型部材上部と表面コンクリート板
の表面部16の状態を示す断面図である。シリコーンゴ
ム型70の型面に透明アクリル塗料77によって固着さ
れた石粉76が、生コンクリート78と一体化されてい
る。このように打設された状態のコンクリート上面
(表面コンクリート板10の裏面)を水平に仕上げ、そ
の上にラス網14を設置する。ラス網14が表面コンク
リート板10の裏面に露出した状態に固着させる。表
面コンクリート板10の養生については、直射日光・風
等による急激な乾燥・温度変化を防ぐため、作業台、成
形型を全てシートで囲い湿潤養生とする。また、日平均
4°C以下の場合は保温養生とし、コンクリートの凍結
・融解を防ぐため、作業台、成形型を全てシートで囲い
保温および加熱する。表面コンクリート板10の脱型
時期は、打設後4日目以降となるのが普通であり、表面
コンクリート板10(図15)が完成する。この際、シ
リコーンゴムは剥離性が高いため、表面コンクリート板
10は、ほとんど型部材(シリコーンゴム型70とFR
P層70)の自重によって剥離できる。従って、特別な
引き剥がし作業は不要である。すなわち、透明アクリル
塗料77は、シリコーンゴム型70の型面から剥離し
て、石粉76と共に表面コンクリート板側へ転写されて
固着され、石粉76の表面には透明アクリル塗料77が
付着している。なお、表面コンクリート板の成形型は清
掃し再使用する。脱型後のシリコーンゴム型70の表面
にはアクリルの乾燥物、皮膜などは全くなく、コンクリ
ート塊の付着物も殆ど残留せず、クリーンに保たれる。
このため、シリコーンゴム型70の表面の清掃は、吸引
式の掃除機によって簡単に行うことができる。なお、コ
ンクリート成形部12の特に表面部16を補強するため
にはコンクリートにガラス繊維を混合するとよい。
【0022】上記の実施例ではコンクリート板の成形型
を形成する際に、天然石等からなる原形を作る作業から
説明したが、既存の法面または壁面を採取面として、型
を取ることができる。すなわち、天然自然石、野面玉
石、間知石、割石を材料として石積工、石張工により施
工された土留め、法留め壁体、或いはコンクリートに石
板を嵌め込んで化粧を施した化粧コンクリート壁面、芸
術的アート絵模様を付したコンクリート壁面等を採取面
として表面コンクリート板の型を取ることが可能であ
る。このように原形を移動することなく、その場で表面
コンクリート板の原型を取る方法を、以下にスキンモー
ルド法と呼ぶ。このスキンモールド法によれば、表面コ
ンクリート板の型を現地で容易に取ることが可能であ
り、その型によって表面コンクリート板を成形できる。
すなわち、現存する玉石配列による球状突起と窪み、間
知石(四辺形)の幾何学的配列と石材の破断面や目地、
嵌め込み石材の不規則な配列、アート模様の曲線、縞模
様等の形状から容易に原型を採取でき、その原型によっ
て表面コンクリート板の表面を好適に形成できる。
を形成する際に、天然石等からなる原形を作る作業から
説明したが、既存の法面または壁面を採取面として、型
を取ることができる。すなわち、天然自然石、野面玉
石、間知石、割石を材料として石積工、石張工により施
工された土留め、法留め壁体、或いはコンクリートに石
板を嵌め込んで化粧を施した化粧コンクリート壁面、芸
術的アート絵模様を付したコンクリート壁面等を採取面
として表面コンクリート板の型を取ることが可能であ
る。このように原形を移動することなく、その場で表面
コンクリート板の原型を取る方法を、以下にスキンモー
ルド法と呼ぶ。このスキンモールド法によれば、表面コ
ンクリート板の型を現地で容易に取ることが可能であ
り、その型によって表面コンクリート板を成形できる。
すなわち、現存する玉石配列による球状突起と窪み、間
知石(四辺形)の幾何学的配列と石材の破断面や目地、
嵌め込み石材の不規則な配列、アート模様の曲線、縞模
様等の形状から容易に原型を採取でき、その原型によっ
て表面コンクリート板の表面を好適に形成できる。
【0023】以上の成形型および成形方法によって形成
された表面コンクリート板によれば、次のような効果を
得ることができる。また、天然岩石の石粉や結晶片類等
の硬質耐久性物質からなる粒状物を、型面上に手撒き又
は噴射式動力機によって撒布し、生コンクリートを打設
して表面に固着させるから天然岩石に酷似した岩肌の創
出ができる。すなわち、表面コンクリート板の表面を、
自然石の造岩鉱物、自然の摂理からなる天然岩肌や紋様
に模造表現できる。なお、撒布された石粉等は、塗料
(例えばアクリル系塗料)によって、仮に型面に付着さ
れる。従って、型面には凹凸があるが、その粘着力で石
粉等を略均一に付着できる。そして、型面は剥離性に富
むシリコーンゴム層によって形成されているため、石粉
等は塗料と共に表面コンクリート板が脱型される際には
型面から容易に剥離できる。このため、表面コンクリー
ト板の表面を、石粉等が塗料と共に固着された状態に適
切に形成できる。さらに、型面に塗料を塗布し、石粉を
手撒き又は噴射式動力機によって撒布したが、これに限
らず、塗料を付着させた石粉等を型面に撒布して付着さ
せることもできる。
された表面コンクリート板によれば、次のような効果を
得ることができる。また、天然岩石の石粉や結晶片類等
の硬質耐久性物質からなる粒状物を、型面上に手撒き又
は噴射式動力機によって撒布し、生コンクリートを打設
して表面に固着させるから天然岩石に酷似した岩肌の創
出ができる。すなわち、表面コンクリート板の表面を、
自然石の造岩鉱物、自然の摂理からなる天然岩肌や紋様
に模造表現できる。なお、撒布された石粉等は、塗料
(例えばアクリル系塗料)によって、仮に型面に付着さ
れる。従って、型面には凹凸があるが、その粘着力で石
粉等を略均一に付着できる。そして、型面は剥離性に富
むシリコーンゴム層によって形成されているため、石粉
等は塗料と共に表面コンクリート板が脱型される際には
型面から容易に剥離できる。このため、表面コンクリー
ト板の表面を、石粉等が塗料と共に固着された状態に適
切に形成できる。さらに、型面に塗料を塗布し、石粉を
手撒き又は噴射式動力機によって撒布したが、これに限
らず、塗料を付着させた石粉等を型面に撒布して付着さ
せることもできる。
【0024】次に、表面コンクリート板の成形型の複製
方法について説明する。コンクリート板を量産する必要
のあるとき、又は原型を長期に保存する必要があるとき
は、前記スキンモールド法で形成した成形型に基づいて
原形(石材を並べた表面形状等を有するもの)を複製し
ておき、その複製原形を利用して成形型を多数複製する
ことが可能である。すなわち、複製原形80を成形する
には、先ず、スキンモールド法で形成された型に、図1
6に示すように、石膏を流し込んで形成する。複製原形
(石膏型)80は、石膏材と水(例えば重量比で2:
1)、および補強用としてサイザル麻繊維を適量混合す
る。図16に示すように、シリコーンゴム層とFRP層
とからなる型部材を(木製等の)型枠74に入れて型を
形成しておき、その型内に混練した石膏を流し込む。硬
化後、石膏型を脱型して反転させ、複製原形80が完成
される。
方法について説明する。コンクリート板を量産する必要
のあるとき、又は原型を長期に保存する必要があるとき
は、前記スキンモールド法で形成した成形型に基づいて
原形(石材を並べた表面形状等を有するもの)を複製し
ておき、その複製原形を利用して成形型を多数複製する
ことが可能である。すなわち、複製原形80を成形する
には、先ず、スキンモールド法で形成された型に、図1
6に示すように、石膏を流し込んで形成する。複製原形
(石膏型)80は、石膏材と水(例えば重量比で2:
1)、および補強用としてサイザル麻繊維を適量混合す
る。図16に示すように、シリコーンゴム層とFRP層
とからなる型部材を(木製等の)型枠74に入れて型を
形成しておき、その型内に混練した石膏を流し込む。硬
化後、石膏型を脱型して反転させ、複製原形80が完成
される。
【0025】次に、以上のように形成された複製原形8
0を利用して成形型を成形する方法を説明する。先ず、
完成された複製原形80を、図17に示すように型枠7
4内に嵌め込むと共に、その表面に石膏用離型剤を塗布
する。シリコーンゴムの主剤と硬化剤とを適量に混合す
る。気温により硬化剤の使用量は増減する。上記混合し
たシリコーンゴムは攪拌機により所定時間攪拌し、離型
剤で処理した石膏面に厚さ5mm程度に流し込み塗布す
る。このように、シリコーンゴム層を形成するのは原型
を取る場合と同様であるが、補強材としてガラスマット
を使用してもよい。すなわち、流し終わったシリコーン
ゴム膜に補強材としてガラスマットを張り、シリコーン
ゴムをガラスマットによって補強したシリコーンゴム層
(シリコーン型82)を形成する。
0を利用して成形型を成形する方法を説明する。先ず、
完成された複製原形80を、図17に示すように型枠7
4内に嵌め込むと共に、その表面に石膏用離型剤を塗布
する。シリコーンゴムの主剤と硬化剤とを適量に混合す
る。気温により硬化剤の使用量は増減する。上記混合し
たシリコーンゴムは攪拌機により所定時間攪拌し、離型
剤で処理した石膏面に厚さ5mm程度に流し込み塗布す
る。このように、シリコーンゴム層を形成するのは原型
を取る場合と同様であるが、補強材としてガラスマット
を使用してもよい。すなわち、流し終わったシリコーン
ゴム膜に補強材としてガラスマットを張り、シリコーン
ゴムをガラスマットによって補強したシリコーンゴム層
(シリコーン型82)を形成する。
【0026】次に完全に硬化したシリコーン型82の上
にウレタンを注ぎ、硬化させる。ウレタンは主剤と硬化
剤とを適量に混合して注型する。ウレタン配合材は充分
に攪拌を行い、ゴム質化したウレタンを注型する。この
際、型枠74は完全に目詰めシーリングを行い、ウレタ
ンの漏れ出しを防止する。また、型枠74内面でウレタ
ンが接触する部分には離型材を塗布しておくとよい。但
し、硬化したシリコーンゴムは剥離性が高いため、シリ
コーン型82の型面には離型剤処理の必要はない。ウレ
タンを硬化させた後、そのウレタン層(ウレタン型8
4)、シリコーンゴム層(シリコーン型82)の順に脱
型する。ウレタン型84の厚さは4cm前後であり、シ
リコーン型82の厚さと合わせて、型部材の厚さは約5
cm程度となる。このようにして型を多数成形すること
ができる。
にウレタンを注ぎ、硬化させる。ウレタンは主剤と硬化
剤とを適量に混合して注型する。ウレタン配合材は充分
に攪拌を行い、ゴム質化したウレタンを注型する。この
際、型枠74は完全に目詰めシーリングを行い、ウレタ
ンの漏れ出しを防止する。また、型枠74内面でウレタ
ンが接触する部分には離型材を塗布しておくとよい。但
し、硬化したシリコーンゴムは剥離性が高いため、シリ
コーン型82の型面には離型剤処理の必要はない。ウレ
タンを硬化させた後、そのウレタン層(ウレタン型8
4)、シリコーンゴム層(シリコーン型82)の順に脱
型する。ウレタン型84の厚さは4cm前後であり、シ
リコーン型82の厚さと合わせて、型部材の厚さは約5
cm程度となる。このようにして型を多数成形すること
ができる。
【0027】上記のウレタン型84によってシリコーン
型82を補強した型でも、図13で示した方法と同様に
表面コンクリート板を成形できる。すなわち、図18に
示すように、ウレタン型84、シリコーン型82の順に
木製又はメタル製の型枠74内にセットし、生コンクリ
ート78を打設する。この時、シリコーン型82上面の
所要な部分には、アクリル塗料を塗布し、天然岩石の石
粉76や結晶片類を手撒き又は噴射式動力機械で撒布す
る。また、構造上、強度的に必要な鋼製ラス鋼、ワイヤ
ーメッシュ、コーナー補強鉄筋、接合金具等を挿入す
る。なお、型を構成する部材の材質は、上記のように剥
離性に優れるシリコーン型82を内側型として利用し、
バックアップ材としてウレタン型84を用いたが、これ
に限らず、バックアップ材としては他の樹脂材等を利用
できる。バックアップ材を形成するのは、シリコーンゴ
ムの重量単価が高く、コストを低減するためと、重量の
軽減をするためである。
型82を補強した型でも、図13で示した方法と同様に
表面コンクリート板を成形できる。すなわち、図18に
示すように、ウレタン型84、シリコーン型82の順に
木製又はメタル製の型枠74内にセットし、生コンクリ
ート78を打設する。この時、シリコーン型82上面の
所要な部分には、アクリル塗料を塗布し、天然岩石の石
粉76や結晶片類を手撒き又は噴射式動力機械で撒布す
る。また、構造上、強度的に必要な鋼製ラス鋼、ワイヤ
ーメッシュ、コーナー補強鉄筋、接合金具等を挿入す
る。なお、型を構成する部材の材質は、上記のように剥
離性に優れるシリコーン型82を内側型として利用し、
バックアップ材としてウレタン型84を用いたが、これ
に限らず、バックアップ材としては他の樹脂材等を利用
できる。バックアップ材を形成するのは、シリコーンゴ
ムの重量単価が高く、コストを低減するためと、重量の
軽減をするためである。
【0028】次に、上記表面コンクリート板10を用い
た施工例として河川の堤防(法面の施工)に関して図1
9〜図22に基づいて説明する。図19は玉石模造の表
面部が形成された堤防の法面の側断面図である。また、
図20は図19のD矢視図であり、図21は図19のE
−E断面図である。30は均しコンクリートであり、築
堤整正された法面に所定の厚さに敷き均して設けられて
いる。表面コンクリート板10は、均しコンクリート3
0の表面との間に充填された充填コンクリート34によ
って固着されている。なお、この施工例では二つの表面
コンクリート板10が施工目地部35によって継ぎ合わ
されている。施工目地部35ではピン部22がピン嵌合
部24に嵌合され、表面コンクリート板10の表面がズ
レないように好適に連続されている。32はコンクリー
トの基礎であり、これを土台にして法面の勾配に沿って
上下方向に延びる縦枠36が設けられている。図19に
示すように縦枠36には、これを補強する鉄筋38が入
っている。また、図22には法面が階段状に形成された
場合が示されている。この堤防の構造は階段状に形成さ
れた表面コンクリート板10aの形状が異なるだけで、
他は上記玉石模造の場合と同様である。このように表面
コンクリート板を種々の形状に設定することで堤防の表
面は所望の模様に容易に形成することができる。
た施工例として河川の堤防(法面の施工)に関して図1
9〜図22に基づいて説明する。図19は玉石模造の表
面部が形成された堤防の法面の側断面図である。また、
図20は図19のD矢視図であり、図21は図19のE
−E断面図である。30は均しコンクリートであり、築
堤整正された法面に所定の厚さに敷き均して設けられて
いる。表面コンクリート板10は、均しコンクリート3
0の表面との間に充填された充填コンクリート34によ
って固着されている。なお、この施工例では二つの表面
コンクリート板10が施工目地部35によって継ぎ合わ
されている。施工目地部35ではピン部22がピン嵌合
部24に嵌合され、表面コンクリート板10の表面がズ
レないように好適に連続されている。32はコンクリー
トの基礎であり、これを土台にして法面の勾配に沿って
上下方向に延びる縦枠36が設けられている。図19に
示すように縦枠36には、これを補強する鉄筋38が入
っている。また、図22には法面が階段状に形成された
場合が示されている。この堤防の構造は階段状に形成さ
れた表面コンクリート板10aの形状が異なるだけで、
他は上記玉石模造の場合と同様である。このように表面
コンクリート板を種々の形状に設定することで堤防の表
面は所望の模様に容易に形成することができる。
【0029】次に、上記表面コンクリート板10を用い
た施工方法の具体例として河川の堤防にかかる法面の施
工方法(法覆工法)に関して図23〜図29に基づいて
説明する。先ず、従来の法覆工法と同様に、定規断面
に築堤整正された法面(例えば勾配2割)に、均しコン
クリートを平均厚さ5cm程度に敷き均す。次に、コン
クリートの基礎32を土台にして法面の勾配に沿って上
下方向に延びる縦枠36(断面30cm×30cm程
度)を設ける。この縦枠36は河川の延長方向に所定の
巾間隔をおいて配設する。表面コンクリート板10に
一体に固定されたインサート螺子20(3箇所)にボル
ト40を取り付ける(図23)。このボルト40に吊
り下げ用ワイヤー41を取り付け、クレーン(図示せ
ず)によって表面コンクリート板10を吊り上げる(図
24)。二つの縦枠36の間で、表面コンクリート板
10設置のために縦枠36にセットされた据え付け金具
42上の設置箇所に、表面コンクリート板10をクレー
ン(図示せず)によって据え付ける(図25)。縦枠
36上面でその巾方向の中央に固定されているセット金
具45を使用し、表面コンクリート板10の浮止め専用
の保持部材46(H型鋼)を固定する。この保持部材4
6と表面コンクリート板10の隙間にジャッキ部材48
(木製角材)を挿入する(図26)。表面コンクリー
ト板10と均しコンクリート30との間隙に生コンクリ
ート34a(またはモルタル)を充填する。この間隙は
例えば15cm程度あり、1:2の勾配があるので、流
し込みコンクリートまたはコンクリートポンプ車による
打設とする(図27)。高周波バイブレーター50に
より表面コンクリート板10の裏面のラス網14と充填
される生コンクリート34aの付着を良くし、緊密なコ
ンクリートに形成する(図28)。なお、表面コンクリ
ート板10にはエアー抜孔21があり、そのエアー抜孔
21からのモルタルの吹き出し状況を確認し、コンクリ
ートの締固めを行う。最後にエアー抜孔21および端
部21a等にモルタル充填し(図29)、その後養生す
る。
た施工方法の具体例として河川の堤防にかかる法面の施
工方法(法覆工法)に関して図23〜図29に基づいて
説明する。先ず、従来の法覆工法と同様に、定規断面
に築堤整正された法面(例えば勾配2割)に、均しコン
クリートを平均厚さ5cm程度に敷き均す。次に、コン
クリートの基礎32を土台にして法面の勾配に沿って上
下方向に延びる縦枠36(断面30cm×30cm程
度)を設ける。この縦枠36は河川の延長方向に所定の
巾間隔をおいて配設する。表面コンクリート板10に
一体に固定されたインサート螺子20(3箇所)にボル
ト40を取り付ける(図23)。このボルト40に吊
り下げ用ワイヤー41を取り付け、クレーン(図示せ
ず)によって表面コンクリート板10を吊り上げる(図
24)。二つの縦枠36の間で、表面コンクリート板
10設置のために縦枠36にセットされた据え付け金具
42上の設置箇所に、表面コンクリート板10をクレー
ン(図示せず)によって据え付ける(図25)。縦枠
36上面でその巾方向の中央に固定されているセット金
具45を使用し、表面コンクリート板10の浮止め専用
の保持部材46(H型鋼)を固定する。この保持部材4
6と表面コンクリート板10の隙間にジャッキ部材48
(木製角材)を挿入する(図26)。表面コンクリー
ト板10と均しコンクリート30との間隙に生コンクリ
ート34a(またはモルタル)を充填する。この間隙は
例えば15cm程度あり、1:2の勾配があるので、流
し込みコンクリートまたはコンクリートポンプ車による
打設とする(図27)。高周波バイブレーター50に
より表面コンクリート板10の裏面のラス網14と充填
される生コンクリート34aの付着を良くし、緊密なコ
ンクリートに形成する(図28)。なお、表面コンクリ
ート板10にはエアー抜孔21があり、そのエアー抜孔
21からのモルタルの吹き出し状況を確認し、コンクリ
ートの締固めを行う。最後にエアー抜孔21および端
部21a等にモルタル充填し(図29)、その後養生す
る。
【0030】図30は、上記据え付け金具42、セット
金具45および保持部材46の詳細を説明する断面図で
ある。据え付け金具42は鋼製であり、縦枠36の側面
の所定の高さ位置に設けられた螺合部に螺合固定されて
いる。この据え付け金具42の上に表面コンクリート板
10が載置される。セット金具は、上部が縦枠36の上
面からボルト部45aとして突起して設けられ、下部が
縦枠36内にアンカー部45bとして挿入されている。
このアンカー部45bはL字状に形成されており、縦枠
36から抜け出ないように形成されている。このボルト
部45aを利用し、保持部材46が浮き上がらないよう
にパイプ部材を介して固定している。
金具45および保持部材46の詳細を説明する断面図で
ある。据え付け金具42は鋼製であり、縦枠36の側面
の所定の高さ位置に設けられた螺合部に螺合固定されて
いる。この据え付け金具42の上に表面コンクリート板
10が載置される。セット金具は、上部が縦枠36の上
面からボルト部45aとして突起して設けられ、下部が
縦枠36内にアンカー部45bとして挿入されている。
このアンカー部45bはL字状に形成されており、縦枠
36から抜け出ないように形成されている。このボルト
部45aを利用し、保持部材46が浮き上がらないよう
にパイプ部材を介して固定している。
【0031】以上、本発明の表面コンクリートを使用し
た施工方法によれば、表面コンクリート板の裏面と均し
コンクリート等の建造物の基体との間に生コンクリート
が充填、打設される。これにより、基体に表面コンクリ
ート板が固着され、建造物の壁体が一体に形成される。
表面コンクリート板は型枠として作用するのでコンクリ
ート打設、締固め、養生が合理的に行える。型枠を除去
する作業が必要ないため、施工の合理化と工期の短縮が
可能となる。また、表面コンクリート板は工場製品のた
め、品質の均一化が図れ、法面コンクリートなど建造物
の壁体表面の品質を向上できる。すなわち、一般的工法
に比べ、熟練工による法面の仕上げの工程を省略でき、
養生も表面部の保護に注意する必要がなく比較的簡単に
行えるから、省力化と仕上げ工程の短縮ができ、作業能
率が大幅に向上する。さらに、表面コンクリート板は、
工場二次製品で、使用場所や用途に応じて形状寸法が変
更できる。上記実施例では矩形の表面コンクリート板に
ついて説明したがこれに限られることはない。また、表
面には自然石模様やモザイク等の加工が容易に行えるの
で、より美観に優れ、より機能的な壁体面を形成するこ
とができ、環境問題にも対応できる。
た施工方法によれば、表面コンクリート板の裏面と均し
コンクリート等の建造物の基体との間に生コンクリート
が充填、打設される。これにより、基体に表面コンクリ
ート板が固着され、建造物の壁体が一体に形成される。
表面コンクリート板は型枠として作用するのでコンクリ
ート打設、締固め、養生が合理的に行える。型枠を除去
する作業が必要ないため、施工の合理化と工期の短縮が
可能となる。また、表面コンクリート板は工場製品のた
め、品質の均一化が図れ、法面コンクリートなど建造物
の壁体表面の品質を向上できる。すなわち、一般的工法
に比べ、熟練工による法面の仕上げの工程を省略でき、
養生も表面部の保護に注意する必要がなく比較的簡単に
行えるから、省力化と仕上げ工程の短縮ができ、作業能
率が大幅に向上する。さらに、表面コンクリート板は、
工場二次製品で、使用場所や用途に応じて形状寸法が変
更できる。上記実施例では矩形の表面コンクリート板に
ついて説明したがこれに限られることはない。また、表
面には自然石模様やモザイク等の加工が容易に行えるの
で、より美観に優れ、より機能的な壁体面を形成するこ
とができ、環境問題にも対応できる。
【0032】また、本発明の表面コンクリート板10を
利用して、コンクリートを打つ勾配が急な壁体を形成す
る場合、或いは地面に垂直な壁体を形成する場合には、
表面コンクリート板10にアンカー鉄筋52を設けてお
くことが有効である。急勾配の壁体を施工する場合の施
工例を図31および図32に示す。図31は壁体の実施
例の断面図であり、図32は図31の実施例のX矢視図
である。表面コンクリート板10には複数のアンカー鉄
筋52が裏面から突出して固設されている。この表面コ
ンクリート板10は支持部材54によって所定の勾配に
支持されている。また、裏面コンクリート板56は、縦
パイプ58及び横パイプ59によって地面に垂直に支持
されている。表面コンクート板10と裏面コンクリート
板56との空隙60は、インサート螺子部62とアンカ
ー鉄筋52の間に配された間隔支持部材64(丸セパレ
ーター)によっても保持されている。このように、表面
コンクリート板10と裏面コンクリート板56との空隙
を保持するには、鋼板等を用いて従来から一般的に行わ
れている型組工法において使用される(型枠相互の空隙
を保持して固定するための)ピーコン、丸セパレータ
ー、鋼管丸パイプ等を流用できる。すなわち、アンカー
鉄筋52を締結端として利用し、従来工法との組み合わ
せにより表面コンクリート10を好適に固定できる。
利用して、コンクリートを打つ勾配が急な壁体を形成す
る場合、或いは地面に垂直な壁体を形成する場合には、
表面コンクリート板10にアンカー鉄筋52を設けてお
くことが有効である。急勾配の壁体を施工する場合の施
工例を図31および図32に示す。図31は壁体の実施
例の断面図であり、図32は図31の実施例のX矢視図
である。表面コンクリート板10には複数のアンカー鉄
筋52が裏面から突出して固設されている。この表面コ
ンクリート板10は支持部材54によって所定の勾配に
支持されている。また、裏面コンクリート板56は、縦
パイプ58及び横パイプ59によって地面に垂直に支持
されている。表面コンクート板10と裏面コンクリート
板56との空隙60は、インサート螺子部62とアンカ
ー鉄筋52の間に配された間隔支持部材64(丸セパレ
ーター)によっても保持されている。このように、表面
コンクリート板10と裏面コンクリート板56との空隙
を保持するには、鋼板等を用いて従来から一般的に行わ
れている型組工法において使用される(型枠相互の空隙
を保持して固定するための)ピーコン、丸セパレータ
ー、鋼管丸パイプ等を流用できる。すなわち、アンカー
鉄筋52を締結端として利用し、従来工法との組み合わ
せにより表面コンクリート10を好適に固定できる。
【0033】さらに図31および図32から明らかなよ
うに、表面コンクリート板10同士は、側面に設けられ
た凸部10bと凹部10cとが嵌まり合うことによって
接続できる。同様に裏面コンクリート板56同士も、側
面に設けられた凸部56aと凹部56bとを嵌め合わせ
ることによって組付けできる。そして、空隙60内にコ
ンクリートを充填することによって表面コンクリート板
10を確実に壁体に一体化することができる。アンカー
鉄筋52が使用されているので、空隙60内に充填する
コンクリート又はモルタルとコンクリート板との固着が
より強固になる。
うに、表面コンクリート板10同士は、側面に設けられ
た凸部10bと凹部10cとが嵌まり合うことによって
接続できる。同様に裏面コンクリート板56同士も、側
面に設けられた凸部56aと凹部56bとを嵌め合わせ
ることによって組付けできる。そして、空隙60内にコ
ンクリートを充填することによって表面コンクリート板
10を確実に壁体に一体化することができる。アンカー
鉄筋52が使用されているので、空隙60内に充填する
コンクリート又はモルタルとコンクリート板との固着が
より強固になる。
【0034】このようにアンカー鉄筋52を用いるの
は、以下の理由による。壁体の勾配が緩い場合は表面コ
ンクリート板10の自重とリブが付けられたラス網14
の接着作用で、表面コンクリート板10が充填されたコ
ンクリートから剥離することはない。これに対して、壁
体の勾配が急である場合或いは地面に垂直な壁体の場合
には、ラス網14(薄鋼板)とコンクリートとは異質の
材質であり、ラス網14はコンクリートと有効に接着さ
れる形状ではあるが、表面コンクリート10の自重が好
適に作用しないため、その接着面で剥離分断される可能
性がある。これを防止するため、表面コンクリート板1
0にアンカー鉄筋52を埋設して、空隙に充填されるコ
ンクリート又はモルタルに固着させている。なお、壁体
の勾配が緩い場合でもアンカー鉄筋52を用いれば、さ
らに密着性を向上できる。
は、以下の理由による。壁体の勾配が緩い場合は表面コ
ンクリート板10の自重とリブが付けられたラス網14
の接着作用で、表面コンクリート板10が充填されたコ
ンクリートから剥離することはない。これに対して、壁
体の勾配が急である場合或いは地面に垂直な壁体の場合
には、ラス網14(薄鋼板)とコンクリートとは異質の
材質であり、ラス網14はコンクリートと有効に接着さ
れる形状ではあるが、表面コンクリート10の自重が好
適に作用しないため、その接着面で剥離分断される可能
性がある。これを防止するため、表面コンクリート板1
0にアンカー鉄筋52を埋設して、空隙に充填されるコ
ンクリート又はモルタルに固着させている。なお、壁体
の勾配が緩い場合でもアンカー鉄筋52を用いれば、さ
らに密着性を向上できる。
【0035】以上の実施例では主に河川の護岸に関する
施工について説明してきたが、本発明は種々の建造物の
壁体を形成する際に利用することもできる。例えば、ビ
ルディングの化粧壁面にも応用できる。また、本発明
は、新規の壁体を施工する場合に限らず、既設護岸等の
壁体の補修をする際にも有効に利用できる。以上、本発
明の好適な実施例について種々述べてきたが、本発明は
この実施例に限定されるものではなく、発明の精神を逸
脱しない範囲内でさらに多くの改変を施し得るのは勿論
のことである。
施工について説明してきたが、本発明は種々の建造物の
壁体を形成する際に利用することもできる。例えば、ビ
ルディングの化粧壁面にも応用できる。また、本発明
は、新規の壁体を施工する場合に限らず、既設護岸等の
壁体の補修をする際にも有効に利用できる。以上、本発
明の好適な実施例について種々述べてきたが、本発明は
この実施例に限定されるものではなく、発明の精神を逸
脱しない範囲内でさらに多くの改変を施し得るのは勿論
のことである。
【0036】
【発明の効果】本発明の表面コンクリート板によれば、
コンクリート表面側が凹凸状に形成され、そのコンクリ
ート表面には、石粉等の粒状物が、塗料によって付着さ
れた成形型のシリコーンゴム層の型面からその塗料と共
に転写された状態にコンクリート中のモルタルペースト
で抱き込まれるようにして固着され、その粒状物の表面
が露出されると共に前記塗料が塗膜によって覆われてい
る。このため、コンクリート板でありながら、石材を並
べたような美しい外観を得ることができ、建造物の表面
を景観上美しく仕上げることができる。特に、塗料が粒
状物の表面に付着しているため、艶を出すことができ、
石材表面を好適に模造することができる。そして、裏面
側に打設される生コンクリートまたはモルタルに確実に
固着されるよう裏面にラス網が露出して固着され、その
ラス網には空気及び水の排出の通路となるよう所定の方
向に延びる複数の溝付リブが設けられていることで、表
面コンクリート板を裏面に打設される生コンクリートま
たはモルタルと好適に一体化できる。また、本発明の表
面コンクリート板の成形方法によれば、型面がシリコー
ンゴムによって形成されているから、塗料が好適に剥離
できる。従って、その塗料が表面に付着した状態の粒状
物を、表面コンクリート板の表面へ転写した状態にコン
クリート中のモルタルペーストで抱き込むようにして固
着することができ、石材表面を模造した表面コンクリー
ト板を容易に製造できる。そして、前記型面における前
記コンクリート表面の目地に対応する部分に付着した前
記粒状物をかき落とす工程を有することで、表面コンク
リート板を石材を並べたような美しい外 観に好適に形成
できる。このように、本発明によれば、石材が並べられ
たような美しい外観を備え、建造物の壁体を仕上がり良
く且つ能率良く形成することができる表面コンクリート
板を好適に得ることができるという特有な効果を奏す
る。
コンクリート表面側が凹凸状に形成され、そのコンクリ
ート表面には、石粉等の粒状物が、塗料によって付着さ
れた成形型のシリコーンゴム層の型面からその塗料と共
に転写された状態にコンクリート中のモルタルペースト
で抱き込まれるようにして固着され、その粒状物の表面
が露出されると共に前記塗料が塗膜によって覆われてい
る。このため、コンクリート板でありながら、石材を並
べたような美しい外観を得ることができ、建造物の表面
を景観上美しく仕上げることができる。特に、塗料が粒
状物の表面に付着しているため、艶を出すことができ、
石材表面を好適に模造することができる。そして、裏面
側に打設される生コンクリートまたはモルタルに確実に
固着されるよう裏面にラス網が露出して固着され、その
ラス網には空気及び水の排出の通路となるよう所定の方
向に延びる複数の溝付リブが設けられていることで、表
面コンクリート板を裏面に打設される生コンクリートま
たはモルタルと好適に一体化できる。また、本発明の表
面コンクリート板の成形方法によれば、型面がシリコー
ンゴムによって形成されているから、塗料が好適に剥離
できる。従って、その塗料が表面に付着した状態の粒状
物を、表面コンクリート板の表面へ転写した状態にコン
クリート中のモルタルペーストで抱き込むようにして固
着することができ、石材表面を模造した表面コンクリー
ト板を容易に製造できる。そして、前記型面における前
記コンクリート表面の目地に対応する部分に付着した前
記粒状物をかき落とす工程を有することで、表面コンク
リート板を石材を並べたような美しい外 観に好適に形成
できる。このように、本発明によれば、石材が並べられ
たような美しい外観を備え、建造物の壁体を仕上がり良
く且つ能率良く形成することができる表面コンクリート
板を好適に得ることができるという特有な効果を奏す
る。
【図1】本発明にかかる表面コンクリート板の一実施例
を示す断面図。
を示す断面図。
【図2】図1の実施例の表面部の詳細を示す拡大断面
図。
図。
【図3】ラス網の平面図。
【図4】図3のラス網のA−A断面図。
【図5】図1の表面コンクリート板の実施例の裏面図。
【図6】図5の実施例のB矢視図。
【図7】図5の実施例の正面図。
【図8】図7の実施例のC矢視図。
【図9】受け口金具の一実施例を示す斜視図。
【図10】ピン金具の一実施例を示す斜視図。
【図11】表面コンクリート板の成形型の形成工程を示
す説明図。
す説明図。
【図12】表面コンクリート板の成形型の形成工程を示
す説明図。
す説明図。
【図13】表面コンクリート板を成形する工程を示す説
明図。
明図。
【図14】表面コンクリート板の締固め工程を示す説明
図。
図。
【図15】脱型された表面コンクリート板を示す説明
図。
図。
【図16】表面コンクリート板の成形型を形成する他の
工程を示す説明図。
工程を示す説明図。
【図17】表面コンクリート板の成形型を形成する他の
工程を示す説明図。
工程を示す説明図。
【図18】表面コンクリート板を成形する工程を示す説
明図。
明図。
【図19】本発明の表面コンクリート板を使用した施工
例を示す側断面図。
例を示す側断面図。
【図20】図19の実施例のD矢視図。
【図21】図19の実施例のE−E断面図。
【図22】本発明の他の施工例を示す側断面図。
【図23】本発明の施工方法を説明する斜視図。
【図24】本発明の施工方法を説明する斜視図。
【図25】本発明の施工方法を説明する斜視図。
【図26】本発明の施工方法を説明する断面図。
【図27】本発明の施工方法を説明する斜視図。
【図28】本発明の施工方法を説明する斜視図。
【図29】本発明の施工方法を説明する断面図。
【図30】本発明の施工例の詳細を説明する断面図。
【図31】本発明の他の施工例を示す側断面図。
【図32】図31の実施例のX矢視図。
10 表面コンクリート板 12 コンクリート成形部 13 塗料 14 ラス網 15 溝付リブ 16 表面部 17 粒状物 18 ワイヤーメッシュ 20 インサート螺子 30 均しコンクリート 32 基礎 34 充填コンクリート 36 縦枠 68 原形 70 シリコーンゴム型 72 FRP型 74 型枠 76 石粉 80 複製原形 82 シリコーン型 84 ウレタン型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI E02D 29/02 309 E02D 29/02 309 E04B 2/86 E04B 2/86 601B 601E (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B28B 1/00 - 1/54 B28B 23/00 - 23/22 E02B 3/14 E02D 17/20 E02D 29/02 E04B 2/86
Claims (4)
- 【請求項1】 コンクリートによって板状に成形され、
コンクリートの型枠として作用すると共に、裏面側に打
設される生コンクリートまたはモルタルに固着されて建
造物の表面部を構成する表面コンクリート板において、 コンクリート表面側がシリコーンゴム層の型面を有する
成形型によって石材を並べた表面のように凹凸状に形成
され、該コンクリート表面には、石粉又は結晶片類等の
硬質耐久性物質からなる粒状物が、塗料によって付着さ
れた前記成形型の前記型面から該塗料と共に転写された
状態にコンクリート中のモルタルペーストで抱き込まれ
るようにして固着され、該粒状物の表面が露出されると
共に前記塗料の塗膜によって覆われて設けられ、 裏面側に打設される生コンクリートまたはモルタルに確
実に固着されるよう裏面にラス網が露出して固着され、
該ラス網には空気及び水の排出の通路となるよう所定の
方向に延びる複数の溝付リブが設けられている ことを特
徴とする請求項表面コンクリート板。 - 【請求項2】 前記塗料が透明塗料であることを特徴と
する請求項1記載の表面コンクリート板。 - 【請求項3】 前記塗料がアクリル塗料であることを特
徴とする請求項1または2記載の表面コンクリート板。 - 【請求項4】 コンクリートによって板状に成形され、
コンクリートの型枠として作用すると共に、裏面側に打
設される生コンクリートまたはモルタルに固着されて建
造物の表面部を構成する表面コンクリート板の製造方法
において、 石材等が並べられて形成された凹凸状の原形表面にシリ
コーンゴムを塗布して採取したシリコーンゴム層を有す
る表面コンクリート板の成形型の、該シリコーンゴム層
の型面に、粘着材として作用する塗料を塗布する工程
と、 該塗料が塗布された型面に、石粉又は結晶片類等の硬質
耐久性物質からなる粒状物を付着させる工程と、前記型面における前記コンクリート表面の目地に対応す
る部分に付着した前記 粒状物をかき落とす工程と、 前記表面コンクリート板の成形型に生コンクリートを打
設して硬化させ、前記粒状物をコンクリート中のモルタ
ルペーストで抱き込むようにして固着させて前記塗料と
共にコンクリート表面に転写させる工程と、 前記表面コンクリート板の成形型を解体して表面コンク
リート板を取り出す工程とを有することを特徴とする表
面コンクリート板の成形方法。
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JP15325094 | 1994-07-05 | ||
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JP6-153250 | 1994-07-05 | ||
JP21229894A JP2969140B2 (ja) | 1993-09-10 | 1994-09-06 | 表面コンクリート板およびその成形方法 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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JP2969140B2 true JP2969140B2 (ja) | 1999-11-02 |
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JP21229894A Expired - Fee Related JP2969140B2 (ja) | 1993-09-10 | 1994-09-06 | 表面コンクリート板およびその成形方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2969140B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR102188188B1 (ko) * | 2020-05-04 | 2020-12-07 | 배명희 | 크랙이 방지되는 고밀도 콘크리트 바닥 시공방법 |
KR102188187B1 (ko) * | 2020-05-04 | 2020-12-07 | 배명희 | 고밀도 습식 컬러 콘크리트 바닥 시공방법 |
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KR20060040929A (ko) * | 2004-11-08 | 2006-05-11 | 삼성물산 주식회사 | 박판 매설거푸집 및 이를 이용한 콘크리트 구조물 시공방법 |
KR101349563B1 (ko) * | 2012-10-29 | 2014-01-10 | 현대건설주식회사 | 프리캐스트 콘크리트 부재의 제조방법 및 이에 의하여 제조된 프리캐스트 콘크리트 부재 |
CN107650246B (zh) * | 2017-09-19 | 2023-09-26 | 吴江市明港道桥工程有限公司 | 一种旋转式混凝土预制件成型装置 |
-
1994
- 1994-09-06 JP JP21229894A patent/JP2969140B2/ja not_active Expired - Fee Related
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