JP2003253881A - コネクタ兼用壁係止補助具及びコンクリート構造物の製造方法 - Google Patents
コネクタ兼用壁係止補助具及びコンクリート構造物の製造方法Info
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- JP2003253881A JP2003253881A JP2002051384A JP2002051384A JP2003253881A JP 2003253881 A JP2003253881 A JP 2003253881A JP 2002051384 A JP2002051384 A JP 2002051384A JP 2002051384 A JP2002051384 A JP 2002051384A JP 2003253881 A JP2003253881 A JP 2003253881A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 中古の型枠を使用する場合であっても、係止
部が湿式壁材に対して十分にアンカー効果を発揮するよ
うにしたコネクター兼用壁係止補助具及びコンクリート
構造物の製造方法を提供する。 【解決手段】 成形部本体1の一方の端部にスペーサボ
ルト31と接続する連結部4を形成し、他方の端部に型
枠締付けボルト32と接続する連結部5を形成したコネ
クター兼用壁係止補助具50で、前記他方の端部の表面
に多数の係止部2と該係止部を取り囲む堰堤部3を設
け、該堰堤部3を可撓構造にした。スペーサーボルト3
1と型枠締付けボルト32との間を上記コネクタ兼用壁
係止補助具50で連結し、型枠内にコンクリートを打設
し、硬化後に脱型した躯体コンクリート38’の表面に
湿式壁材39を塗布するコンクリート構造物の製造方
法。
部が湿式壁材に対して十分にアンカー効果を発揮するよ
うにしたコネクター兼用壁係止補助具及びコンクリート
構造物の製造方法を提供する。 【解決手段】 成形部本体1の一方の端部にスペーサボ
ルト31と接続する連結部4を形成し、他方の端部に型
枠締付けボルト32と接続する連結部5を形成したコネ
クター兼用壁係止補助具50で、前記他方の端部の表面
に多数の係止部2と該係止部を取り囲む堰堤部3を設
け、該堰堤部3を可撓構造にした。スペーサーボルト3
1と型枠締付けボルト32との間を上記コネクタ兼用壁
係止補助具50で連結し、型枠内にコンクリートを打設
し、硬化後に脱型した躯体コンクリート38’の表面に
湿式壁材39を塗布するコンクリート構造物の製造方
法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコネクタ兼用壁係止
補助具及びコンクリート構造物の製造方法に関し、さら
に詳しくは、表面に凹凸が生じた中古の型枠にコンクリ
ートを打設する場合でも、硬化後の躯体コンクリート表
面に良好なアンカー効果を奏するように湿式壁材を塗布
可能にするコネクタ兼用壁係止補助具及びコンクリート
構造物の製造方法に関する。
補助具及びコンクリート構造物の製造方法に関し、さら
に詳しくは、表面に凹凸が生じた中古の型枠にコンクリ
ートを打設する場合でも、硬化後の躯体コンクリート表
面に良好なアンカー効果を奏するように湿式壁材を塗布
可能にするコネクタ兼用壁係止補助具及びコンクリート
構造物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンクリート建造物における柱や壁は、
前後2枚の型枠の間を複数本のスペーサボルトで一定間
隔に保持し、その型枠間にコンクリートを打設し、コン
クリートが硬化したのちに型枠を取り外すことで建造さ
れている。また、型枠を取り外し後の躯体コンクリート
の表面は、そのままでは外観が悪いため、表面仕上げと
してモルタル等の湿式材料を一定厚みに塗布したり、必
要により更にタイルなどを貼りつけるようにしている。
前後2枚の型枠の間を複数本のスペーサボルトで一定間
隔に保持し、その型枠間にコンクリートを打設し、コン
クリートが硬化したのちに型枠を取り外すことで建造さ
れている。また、型枠を取り外し後の躯体コンクリート
の表面は、そのままでは外観が悪いため、表面仕上げと
してモルタル等の湿式材料を一定厚みに塗布したり、必
要により更にタイルなどを貼りつけるようにしている。
【0003】しかしながら、後から塗布したモルタル
は、温度や湿度の変化に伴う膨張や収縮、反りなどによ
り、また躯体コンクリートとモルタルとの間に侵入した
水の凍結などにより、躯体コンクリートから剥離した
り、場合によっては剥落するという問題がある。
は、温度や湿度の変化に伴う膨張や収縮、反りなどによ
り、また躯体コンクリートとモルタルとの間に侵入した
水の凍結などにより、躯体コンクリートから剥離した
り、場合によっては剥落するという問題がある。
【0004】本出願人等は、上記問題の対策として、先
に特開2000−160836号公報において、ループ
状フィラメント等の多数の係止部を片側表面に形成した
部材を、スペーサボルトに対するコネクタとモルタルに
対する剥離防止手段との両方を兼用させるようにした接
着補助具を提案した。しかしながら、コンクリート型枠
は、繰り返し使用することにより表面に凹凸を生ずるた
め、このように凹凸を生じた中古の型枠にコンクリート
を打設すると、この型枠と上記接着補助具の係止部を設
けた面との間に隙間ができて生コンクリートが侵入し、
係止部がアンカー機能を十分に発揮することができなく
なるという問題があった。
に特開2000−160836号公報において、ループ
状フィラメント等の多数の係止部を片側表面に形成した
部材を、スペーサボルトに対するコネクタとモルタルに
対する剥離防止手段との両方を兼用させるようにした接
着補助具を提案した。しかしながら、コンクリート型枠
は、繰り返し使用することにより表面に凹凸を生ずるた
め、このように凹凸を生じた中古の型枠にコンクリート
を打設すると、この型枠と上記接着補助具の係止部を設
けた面との間に隙間ができて生コンクリートが侵入し、
係止部がアンカー機能を十分に発揮することができなく
なるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題を解決し、中古の型枠を使用する場合であっても、
係止部が湿式壁材に対して十分にアンカー効果を発揮す
るようにしたコネクター兼用壁係止補助具及びコンクリ
ート構造物の製造方法を提供することにある。
問題を解決し、中古の型枠を使用する場合であっても、
係止部が湿式壁材に対して十分にアンカー効果を発揮す
るようにしたコネクター兼用壁係止補助具及びコンクリ
ート構造物の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明のコネクタ兼用壁係止補助具は、成形部本体の一方の
端部にコンクリート型枠内のスペーサボルトと接続する
連結部を形成し、他方の端部に型枠締付けボルトと接続
する連結部を形成し、該他方の端部の表面に多数の係止
部と該係止部を取り囲む堰堤部を形成し、該堰堤部を可
撓構造にしたことを特徴とするものである。
明のコネクタ兼用壁係止補助具は、成形部本体の一方の
端部にコンクリート型枠内のスペーサボルトと接続する
連結部を形成し、他方の端部に型枠締付けボルトと接続
する連結部を形成し、該他方の端部の表面に多数の係止
部と該係止部を取り囲む堰堤部を形成し、該堰堤部を可
撓構造にしたことを特徴とするものである。
【0007】また、本発明の他のコネクタ兼用壁係止補
助具は、成形部本体の一方の端部にコンクリート型枠内
のスペーサボルトと接続する連結部を形成し、他方の端
部に型枠締付けボルトと接続する連結部を形成し、該他
方の端部の表面に多数の係止部を有する独立部材を着脱
自在にすと共に、該端部の表面外周に沿って堰堤部を形
成し、該堰堤部を可撓構造にしたことを特徴とするもの
である。
助具は、成形部本体の一方の端部にコンクリート型枠内
のスペーサボルトと接続する連結部を形成し、他方の端
部に型枠締付けボルトと接続する連結部を形成し、該他
方の端部の表面に多数の係止部を有する独立部材を着脱
自在にすと共に、該端部の表面外周に沿って堰堤部を形
成し、該堰堤部を可撓構造にしたことを特徴とするもの
である。
【0008】いずれのコネクタ兼用壁係止補助具の場合
にも、型枠締付けボルトに接続する側の成形部本体の端
面に堰堤部を周囲を囲むように形成し、かつその堰堤部
を可撓構造にしているため、コネクタ兼用壁係止補助具
を型枠締付けボルトで型枠表面に押圧するとき、堰堤部
を型枠表面の凹凸に追従するように変形させることがで
きる。したがって、中古の型枠を使用する場合であって
も、成形部本体の堰堤部と型枠表面との間に生コンクリ
ートの侵入を許容するような隙間を形成させず、係止部
を生コンクリートから保護することができ、硬化後の躯
体コンクリート表面に塗布する湿式壁材を高いアンカー
効果で保持することができる。
にも、型枠締付けボルトに接続する側の成形部本体の端
面に堰堤部を周囲を囲むように形成し、かつその堰堤部
を可撓構造にしているため、コネクタ兼用壁係止補助具
を型枠締付けボルトで型枠表面に押圧するとき、堰堤部
を型枠表面の凹凸に追従するように変形させることがで
きる。したがって、中古の型枠を使用する場合であって
も、成形部本体の堰堤部と型枠表面との間に生コンクリ
ートの侵入を許容するような隙間を形成させず、係止部
を生コンクリートから保護することができ、硬化後の躯
体コンクリート表面に塗布する湿式壁材を高いアンカー
効果で保持することができる。
【0009】また、特に後者の発明のコネクタ兼用壁係
止補助具の場合には、係止部が独立部材に設けられ、成
形部本体に対して脱着自在になっているため、コンクリ
ート打設時には独立部材を取り外した状態にすることが
でき、係止部をコンクリート封止用の堰堤部の高さとは
無関係に大きくすることができる。したがって、一層優
れたアンカー効果を得ることができる。
止補助具の場合には、係止部が独立部材に設けられ、成
形部本体に対して脱着自在になっているため、コンクリ
ート打設時には独立部材を取り外した状態にすることが
でき、係止部をコンクリート封止用の堰堤部の高さとは
無関係に大きくすることができる。したがって、一層優
れたアンカー効果を得ることができる。
【0010】本発明のコンクリート構造物の製造方法
は、上記したコネクタ兼用壁係止補助具を使用して実施
される。すなわち、型枠内に配置するスペーサーボルト
と前記型枠に係止する型枠締付けボルトとの間を、上記
前者のコネクタ兼用壁係止補助具で連結し、該型枠内に
コンクリートを打設し、該コンクリートが硬化したのち
前記型枠を脱型し、脱型後の躯体コンクリートの表面に
湿式壁材を塗布することを特徴とするものである。
は、上記したコネクタ兼用壁係止補助具を使用して実施
される。すなわち、型枠内に配置するスペーサーボルト
と前記型枠に係止する型枠締付けボルトとの間を、上記
前者のコネクタ兼用壁係止補助具で連結し、該型枠内に
コンクリートを打設し、該コンクリートが硬化したのち
前記型枠を脱型し、脱型後の躯体コンクリートの表面に
湿式壁材を塗布することを特徴とするものである。
【0011】また、他のコンクリート構造物の製造方法
は、型枠内に配置するスペーサーボルトと前記型枠に係
止する型枠締付けボルトとの間を、上記後者のコネクタ
兼用壁係止補助具により前記独立部材を取り外した状態
で連結し、該型枠内にコンクリートを打設し、該コンク
リートが硬化したのち前記型枠を脱型し、脱型後の躯体
コンクリート表面に露出した前記コネクタ兼用壁係止補
助具に前記独立部材を装着し、その上に湿式壁材を塗布
することを特徴とするものである。
は、型枠内に配置するスペーサーボルトと前記型枠に係
止する型枠締付けボルトとの間を、上記後者のコネクタ
兼用壁係止補助具により前記独立部材を取り外した状態
で連結し、該型枠内にコンクリートを打設し、該コンク
リートが硬化したのち前記型枠を脱型し、脱型後の躯体
コンクリート表面に露出した前記コネクタ兼用壁係止補
助具に前記独立部材を装着し、その上に湿式壁材を塗布
することを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において、コネクタとは、
前後のコンクリート型枠内に型枠間隔を保持するため配
置されるスペーサーボルトと、各型枠に係止される締付
けボルトとの間を連結するための部材をいう。また、壁
係止補助具とは、表面に多数の係止部を有し、躯体コン
クリート表層部に埋設されることにより、その表面に塗
布された湿式壁材を剥落しないように係止する作用を行
うようにする補助手段をいう。そしてコネクタ兼用壁係
止補助具とは、上記コネクタと壁係止補助具との機能を
単一の部材で兼ね備えるようにしたものをいう。
前後のコンクリート型枠内に型枠間隔を保持するため配
置されるスペーサーボルトと、各型枠に係止される締付
けボルトとの間を連結するための部材をいう。また、壁
係止補助具とは、表面に多数の係止部を有し、躯体コン
クリート表層部に埋設されることにより、その表面に塗
布された湿式壁材を剥落しないように係止する作用を行
うようにする補助手段をいう。そしてコネクタ兼用壁係
止補助具とは、上記コネクタと壁係止補助具との機能を
単一の部材で兼ね備えるようにしたものをいう。
【0013】図1は、本発明のコネクタ兼用壁係止補助
具の一例を、縦断面図にして示したものである。
具の一例を、縦断面図にして示したものである。
【0014】図1において、1は樹脂で円柱状に成形さ
れた成形部本体であり、その軸方向の一方の端部にメネ
ジからなる連結部4を有し、他方の端部に同じくメネジ
からなる連結部5を有する。前後二つの連結部4,5の
うち、連結部4の方はスペーサーボルト(図示せず)に
対して、また連結部5の方は、型枠締付けボルト(図示
せず)に対して接続されるためのものである。
れた成形部本体であり、その軸方向の一方の端部にメネ
ジからなる連結部4を有し、他方の端部に同じくメネジ
からなる連結部5を有する。前後二つの連結部4,5の
うち、連結部4の方はスペーサーボルト(図示せず)に
対して、また連結部5の方は、型枠締付けボルト(図示
せず)に対して接続されるためのものである。
【0015】また、成形部本体1には、連結部5を設け
た側の端面に多数の係止部2が突出するように一体に成
形され、これら係止部2を取り囲むように環状の堰堤部
3が外周縁に沿って一体に成形されている。各係止部2
はループ状のフィラメントで形成され、かつ凹状に形成
された溝6に沿って多数の係止部2が多列に配列するよ
うになっている。
た側の端面に多数の係止部2が突出するように一体に成
形され、これら係止部2を取り囲むように環状の堰堤部
3が外周縁に沿って一体に成形されている。各係止部2
はループ状のフィラメントで形成され、かつ凹状に形成
された溝6に沿って多数の係止部2が多列に配列するよ
うになっている。
【0016】上記堰堤部3は、図2に示すように基部3
bと先端部3aとから形成され、その先端部3aは基部
3bよりも肉厚が薄い部分を有するように形成され、図
示しない型枠から押圧力が加えられると容易に変形する
ような可撓性を有している。この先端部3aは、図1及
び図2(A)のように、その断面形状を、可撓性を備え
るため先端ほど先細りの三角形にするほか、図2(B)
のような方形であってもよく、或いは円形やきのこ形な
どであってもよい。
bと先端部3aとから形成され、その先端部3aは基部
3bよりも肉厚が薄い部分を有するように形成され、図
示しない型枠から押圧力が加えられると容易に変形する
ような可撓性を有している。この先端部3aは、図1及
び図2(A)のように、その断面形状を、可撓性を備え
るため先端ほど先細りの三角形にするほか、図2(B)
のような方形であってもよく、或いは円形やきのこ形な
どであってもよい。
【0017】先端部3aは、上記のように型枠からの押
圧力により容易に変形する可撓性を備えるため、厚みが
基部3bよりも薄い部分を有し、かつ0.2〜1mm、
より好ましくは0.5〜1mmの部分を有することが好
ましい。
圧力により容易に変形する可撓性を備えるため、厚みが
基部3bよりも薄い部分を有し、かつ0.2〜1mm、
より好ましくは0.5〜1mmの部分を有することが好
ましい。
【0018】この先端部3aとは反対に、堰堤部3の基
部3bの方は、型枠からの押圧力により簡単に変形しな
いような剛性を備えているようにしてある。基部3bが
このような剛性を備えることにより、型枠の押圧力によ
って係止部2が押し潰されないように保護し、後工程で
行う湿式壁材の塗布に対して良好なアンカー効果(係止
効果)を発揮できるようにする。
部3bの方は、型枠からの押圧力により簡単に変形しな
いような剛性を備えているようにしてある。基部3bが
このような剛性を備えることにより、型枠の押圧力によ
って係止部2が押し潰されないように保護し、後工程で
行う湿式壁材の塗布に対して良好なアンカー効果(係止
効果)を発揮できるようにする。
【0019】このような堰堤部3の基部3bの保護を受
けるため、係止部2の高さは堰堤部3の基部3bの高さ
hb と同等以下になるようにすることが好ましい。ま
た、基部3bは、上記の剛性を確保するとともに、湿式
壁材の接着力を阻害しないようにするため、厚みを1〜
2mmの範囲、より好ましくは1.5〜2mmの範囲に
することが好ましい。
けるため、係止部2の高さは堰堤部3の基部3bの高さ
hb と同等以下になるようにすることが好ましい。ま
た、基部3bは、上記の剛性を確保するとともに、湿式
壁材の接着力を阻害しないようにするため、厚みを1〜
2mmの範囲、より好ましくは1.5〜2mmの範囲に
することが好ましい。
【0020】図3(A)(B)は、本発明のコネクタ兼
用壁係止補助具の他の例を示す。
用壁係止補助具の他の例を示す。
【0021】このコネクタ兼用壁係止補助具は、成形部
本体1とは別体の独立部材20に多数の係止部2とオネ
ジ部21を樹脂で一体成形し、この独立部材20をオネ
ジ部21をメネジの連結部5に螺着させることで、図3
(A)のように離脱したり、図3(B)のように装着し
たり着脱自在にしたものである。その他の構成は図1の
実施形態と同様であり、堰堤部3は基部3bと先端部3
aとからなり、その先端部3aが可撓性の構造になって
いる。
本体1とは別体の独立部材20に多数の係止部2とオネ
ジ部21を樹脂で一体成形し、この独立部材20をオネ
ジ部21をメネジの連結部5に螺着させることで、図3
(A)のように離脱したり、図3(B)のように装着し
たり着脱自在にしたものである。その他の構成は図1の
実施形態と同様であり、堰堤部3は基部3bと先端部3
aとからなり、その先端部3aが可撓性の構造になって
いる。
【0022】このコネクタ兼用壁係止補助具は、独立部
材20が成形部本体1に対して脱着自在になっているた
め、コンクリート打設を独立部材20を取り外した状態
で行うことができる。そのためコンクリート打設時のコ
ンクリートの係止部2への流入を考慮する必要がないた
め、係止部2の大きさを堰堤部3の高さよりも高いもの
に設定することが可能になり、係止部2によるアンカー
効果を一層向上させることができる。
材20が成形部本体1に対して脱着自在になっているた
め、コンクリート打設を独立部材20を取り外した状態
で行うことができる。そのためコンクリート打設時のコ
ンクリートの係止部2への流入を考慮する必要がないた
め、係止部2の大きさを堰堤部3の高さよりも高いもの
に設定することが可能になり、係止部2によるアンカー
効果を一層向上させることができる。
【0023】図4〜図7は、図1の実施形態からなるコ
ネクタ兼用壁係止補助具を使用してコンクリート構造物
を製造する場合を工程順に示したものである。
ネクタ兼用壁係止補助具を使用してコンクリート構造物
を製造する場合を工程順に示したものである。
【0024】まず、図4に示すように、型枠内で間隔を
保持するのスペーサーボルト31をコネクタ兼用壁係止
補助具50の連結部4に螺合連結させ、また型枠締付け
ボルト32を反対側の連結部5に螺合連結する。
保持するのスペーサーボルト31をコネクタ兼用壁係止
補助具50の連結部4に螺合連結させ、また型枠締付け
ボルト32を反対側の連結部5に螺合連結する。
【0025】上記のようにコネクタ兼用壁係止補助具5
0にスペーサーボルト31と型枠締付けボルト32との
取り付けが完了したら、図5に示すように、型枠締付け
ボルト32の端部に型枠33を貫通穴34を介して取り
付ける。次いで、型枠33の外側に突出したボルト32
の端部にフォームタイ35の内端部のナットを螺合さ
せ、押圧部材36を介してナット37により締め込むよ
うにする。
0にスペーサーボルト31と型枠締付けボルト32との
取り付けが完了したら、図5に示すように、型枠締付け
ボルト32の端部に型枠33を貫通穴34を介して取り
付ける。次いで、型枠33の外側に突出したボルト32
の端部にフォームタイ35の内端部のナットを螺合さ
せ、押圧部材36を介してナット37により締め込むよ
うにする。
【0026】この締め込みにより、型枠33の内面がコ
ネクタ兼用壁係止補助具50の堰堤部3の先端部3aを
押圧する。この型枠33の押圧力により、可撓構造の先
端部3aは変形し、たとえ型枠33の内面に凹凸が形成
されていても、その凹凸に追従変形することにより、堰
堤部3の先端部3aが隙間を生じないように密着状態に
なる。このときの締付け圧は200kg/cm2 以上が
好ましい。
ネクタ兼用壁係止補助具50の堰堤部3の先端部3aを
押圧する。この型枠33の押圧力により、可撓構造の先
端部3aは変形し、たとえ型枠33の内面に凹凸が形成
されていても、その凹凸に追従変形することにより、堰
堤部3の先端部3aが隙間を生じないように密着状態に
なる。このときの締付け圧は200kg/cm2 以上が
好ましい。
【0027】次いで、未硬化のコンクリート38を打設
すると、コンクリート38はコネクタ兼用壁係止補助具
50の周囲を埋めつくすが、上記のように堰堤部3の先
端部3aが変形することにより型枠33の内面に密着し
ているため、堰堤部3の内部まで流入することはなく、
係止部2は堰堤部3の内側の空間内で裸の状態が保持さ
れる。
すると、コンクリート38はコネクタ兼用壁係止補助具
50の周囲を埋めつくすが、上記のように堰堤部3の先
端部3aが変形することにより型枠33の内面に密着し
ているため、堰堤部3の内部まで流入することはなく、
係止部2は堰堤部3の内側の空間内で裸の状態が保持さ
れる。
【0028】上記のように打設したコンクリートが硬化
し、躯体コンクリート38’が形成されると、次に脱型
作業を行う。脱型作業はナット37、フォームタイ3
5、押圧部材36、型枠33を順次撤去し、最後に型枠
締付けボルト32を回動させて取り除く。コネクタ兼用
壁係止補助具50は、図6に示すように、スペーサーボ
ルト31に連結された状態で躯体コンクリート38’内
に残置され、係止部2を躯体コンクリート38’の表面
に露出状態にする。
し、躯体コンクリート38’が形成されると、次に脱型
作業を行う。脱型作業はナット37、フォームタイ3
5、押圧部材36、型枠33を順次撤去し、最後に型枠
締付けボルト32を回動させて取り除く。コネクタ兼用
壁係止補助具50は、図6に示すように、スペーサーボ
ルト31に連結された状態で躯体コンクリート38’内
に残置され、係止部2を躯体コンクリート38’の表面
に露出状態にする。
【0029】次いで、図7に示すように、躯体コンクリ
ート38’の表面にモルタル39を塗布する。塗布され
たモルタル39は、係止部2のアンカー作用(係止作
用)により剥落しにくくなって保持される。
ート38’の表面にモルタル39を塗布する。塗布され
たモルタル39は、係止部2のアンカー作用(係止作
用)により剥落しにくくなって保持される。
【0030】図8〜図11は、図3の実施形態からなる
コネクタ兼用壁係止補助具を使用してコンクリート構造
物を製造する場合を工程順に示したものである。
コネクタ兼用壁係止補助具を使用してコンクリート構造
物を製造する場合を工程順に示したものである。
【0031】図3のコネクタ兼用壁係止補助具50を使
用するときは、独立部材20を成形部本体1から離脱さ
せた状態にし、その成形部本体1だけを、図8に示すよ
うにスペーサーボルト31を連結部4に螺合連結させ、
また型枠締付けボルト32を反対側の連結部5に螺合連
結する。
用するときは、独立部材20を成形部本体1から離脱さ
せた状態にし、その成形部本体1だけを、図8に示すよ
うにスペーサーボルト31を連結部4に螺合連結させ、
また型枠締付けボルト32を反対側の連結部5に螺合連
結する。
【0032】次いで、図9のように、図5の場合と同様
にして型枠33を装着する。この型枠33の装着におい
て、コネクタ兼用壁係止補助具50の堰堤部3の先端部
3aが変形して型枠33の内面に密着状態になる。した
がって、次いで未硬化のコンクリート38を打設して
も、コンクリートが堰堤部3の内側に侵入することがな
い。
にして型枠33を装着する。この型枠33の装着におい
て、コネクタ兼用壁係止補助具50の堰堤部3の先端部
3aが変形して型枠33の内面に密着状態になる。した
がって、次いで未硬化のコンクリート38を打設して
も、コンクリートが堰堤部3の内側に侵入することがな
い。
【0033】脱型すると図10のようになり、コネクタ
兼用壁係止補助具50が躯体コンクリート38’内に残
置される共に、連結部5側の端面を躯体コンクリート3
8’の表面に露出状態にする。したがって、その露出し
た連結部5側の端面に独立部材20を装着し、表面に多
数の係止部2を露出させた状態にする。次いで、図11
に示すように、この躯体コンクリート38’の表面にモ
ルタル39を塗布すると、そのモルタル39は、係止部
2のアンカー作用(係止作用)により剥落しないように
保持される。
兼用壁係止補助具50が躯体コンクリート38’内に残
置される共に、連結部5側の端面を躯体コンクリート3
8’の表面に露出状態にする。したがって、その露出し
た連結部5側の端面に独立部材20を装着し、表面に多
数の係止部2を露出させた状態にする。次いで、図11
に示すように、この躯体コンクリート38’の表面にモ
ルタル39を塗布すると、そのモルタル39は、係止部
2のアンカー作用(係止作用)により剥落しないように
保持される。
【0034】この実施形態では、コンクリート打設時
に、独立部材20を外しているので、図1の場合のよう
に係止部2の高さを堰堤部3の基部3bの高さと無関係
に設定することができる。すなわち、堰堤部3の高さよ
りも大きくすることが自由にできるので、この係止部2
によりアンカー機能を一層大きくすることができる。
に、独立部材20を外しているので、図1の場合のよう
に係止部2の高さを堰堤部3の基部3bの高さと無関係
に設定することができる。すなわち、堰堤部3の高さよ
りも大きくすることが自由にできるので、この係止部2
によりアンカー機能を一層大きくすることができる。
【0035】なお、上述した二例のコンクリート構造物
の製造工程において、型枠締付けボルト32を回動させ
て取り除くとき、コネクタ兼用壁係止補助具50が共回
りして離脱することがある。このような共回り及び/又
は離脱を防止するためには、成形部本体1のスペーサボ
ルト連結側に、型枠締付けボルト連結側よりも大きな外
接円を有する突出部1bを形成しておくとよい。また、
共回り防止のため、成形部本体1の外周に凸部および/
または凹部を形成しておくとよい。或いは、成形部本体
1の横断面形状を非円形にするものであってもよい。
の製造工程において、型枠締付けボルト32を回動させ
て取り除くとき、コネクタ兼用壁係止補助具50が共回
りして離脱することがある。このような共回り及び/又
は離脱を防止するためには、成形部本体1のスペーサボ
ルト連結側に、型枠締付けボルト連結側よりも大きな外
接円を有する突出部1bを形成しておくとよい。また、
共回り防止のため、成形部本体1の外周に凸部および/
または凹部を形成しておくとよい。或いは、成形部本体
1の横断面形状を非円形にするものであってもよい。
【0036】上述した本発明のコネクタ兼用壁係止補助
具において、スペーサーボルトおよび型枠締め付けボル
トを接続する連結部は、メネジのネジ孔とすることが好
ましいが、そのネジ孔は成形部本体に直接加工してもよ
く、或いは別体の金属等で製作したネジ部をインサート
するものであってもよい。また、スペーサーボルトを螺
合させるネジ孔と型枠締付けボルトを螺合させるネジ孔
とは、図示の例のようにが仕切壁で独立していてもよい
が、一体に連通していてもよい。
具において、スペーサーボルトおよび型枠締め付けボル
トを接続する連結部は、メネジのネジ孔とすることが好
ましいが、そのネジ孔は成形部本体に直接加工してもよ
く、或いは別体の金属等で製作したネジ部をインサート
するものであってもよい。また、スペーサーボルトを螺
合させるネジ孔と型枠締付けボルトを螺合させるネジ孔
とは、図示の例のようにが仕切壁で独立していてもよい
が、一体に連通していてもよい。
【0037】連通させることによりネジ孔の形成が容易
になり、コストダウンを図ることができる。他方、仕切
壁を設けた場合は、スペーサーボルトと型枠締付けボル
トのいずれか一方が他方のネジ孔まで侵入して、他方の
ボルトのネジ孔長を不足させたり、またスペーサーボル
トに対するコネクタ兼用壁係止補助具50の固定位置を
設定しにくくする問題を解消する。
になり、コストダウンを図ることができる。他方、仕切
壁を設けた場合は、スペーサーボルトと型枠締付けボル
トのいずれか一方が他方のネジ孔まで侵入して、他方の
ボルトのネジ孔長を不足させたり、またスペーサーボル
トに対するコネクタ兼用壁係止補助具50の固定位置を
設定しにくくする問題を解消する。
【0038】コネクタ兼用壁係止補助具の材質は、コン
クリートや湿式壁材に侵されず、また、湿式壁材を把持
できる強度を有するものであれば特に限定されない。例
えば、ステンレスなどの金属やプラスチックなどを用い
ることができる。特に射出成形が容易な熱可塑性樹脂や
高強度を得やすい熱硬化性樹脂が好ましい。
クリートや湿式壁材に侵されず、また、湿式壁材を把持
できる強度を有するものであれば特に限定されない。例
えば、ステンレスなどの金属やプラスチックなどを用い
ることができる。特に射出成形が容易な熱可塑性樹脂や
高強度を得やすい熱硬化性樹脂が好ましい。
【0039】熱可塑性樹脂としては、6−ナイロンや
6,6−ナイロン、ポリフェニレンサルファイド(PP
S)、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン(HIPS)、AB
S樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド(変性PP
O)、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラスト
マーなどの樹脂が好ましい。特に、アルカリ性であるコ
ンクリートに対して耐性があり(即ち耐アルカリ性に優
れ)、かつ強度的にも優れているポリフェニレンサルフ
ァイド(PPS)や6−ナイロンが好ましい。
6,6−ナイロン、ポリフェニレンサルファイド(PP
S)、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン(HIPS)、AB
S樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド(変性PP
O)、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラスト
マーなどの樹脂が好ましい。特に、アルカリ性であるコ
ンクリートに対して耐性があり(即ち耐アルカリ性に優
れ)、かつ強度的にも優れているポリフェニレンサルフ
ァイド(PPS)や6−ナイロンが好ましい。
【0040】これらの樹脂には、ガラス繊維や炭素繊維
などの短繊維状の補強繊維を混入させた繊維強化樹脂を
用いると、強度を向上するため好ましい。強度が増すこ
とにより、湿式壁材から受ける力による係止部等の変形
が少なくなり、剥落防止効果を高めることができる。
などの短繊維状の補強繊維を混入させた繊維強化樹脂を
用いると、強度を向上するため好ましい。強度が増すこ
とにより、湿式壁材から受ける力による係止部等の変形
が少なくなり、剥落防止効果を高めることができる。
【0041】また、必ずしも全体を樹脂で成形する必要
はなく、成形部本体のネジ孔の周囲を金属で形成するこ
とにより、強い締め付けに対してもネジ山を破損させる
ことなく、強度を高めることができる。
はなく、成形部本体のネジ孔の周囲を金属で形成するこ
とにより、強い締め付けに対してもネジ山を破損させる
ことなく、強度を高めることができる。
【0042】係止部の形状は、未硬化の湿式壁材内に深
く侵入できる剛性を有し、かつ硬化後の湿式壁材を支持
する破断強度を有するものであれば種々の形状を採るこ
とができる。図1や図3の例は、ループ状のフィラメン
トで形成したが、これをフック(鉤)状や、ロッド状の
形状にしたものであってもよい。フック状の形状にする
場合は、円弧状、L字状、T字状、きのこ(球)状など
でもよい。
く侵入できる剛性を有し、かつ硬化後の湿式壁材を支持
する破断強度を有するものであれば種々の形状を採るこ
とができる。図1や図3の例は、ループ状のフィラメン
トで形成したが、これをフック(鉤)状や、ロッド状の
形状にしたものであってもよい。フック状の形状にする
場合は、円弧状、L字状、T字状、きのこ(球)状など
でもよい。
【0043】係止部は多数設けることが好ましいが、こ
れら係止部の配列は特に限定されものではなく、多数の
係止部を並列的に配置しても、放射状に配置しても、或
いはランダムな配置であってもよい。
れら係止部の配列は特に限定されものではなく、多数の
係止部を並列的に配置しても、放射状に配置しても、或
いはランダムな配置であってもよい。
【0044】本発明のコネクタ兼用壁係止補助具の1個
当たりがモルタルに対して有する係止力は、500N以
上であるように設計することが好ましい。500N以上
に設計することで、剥落防止効果をより高くすることが
できる。係止力を500N以上とするには、たとえば、
ループ状の係止部の場合は、フィラメントの太さ(直
径)を0.1〜3mmの範囲、ループ直径を2〜10m
mの範囲内にすることが好ましい。また、フック状の係
止部の場合は、フィラメントの太さ(直径)を0.1〜
5mmの範囲内にするとよい。さらに、ロッド状の係止
部の場合には、フィラメントの太さ(直径)を0.1〜
5mmの範囲内にし、高さを2〜10mmの範囲内にす
るとよい。
当たりがモルタルに対して有する係止力は、500N以
上であるように設計することが好ましい。500N以上
に設計することで、剥落防止効果をより高くすることが
できる。係止力を500N以上とするには、たとえば、
ループ状の係止部の場合は、フィラメントの太さ(直
径)を0.1〜3mmの範囲、ループ直径を2〜10m
mの範囲内にすることが好ましい。また、フック状の係
止部の場合は、フィラメントの太さ(直径)を0.1〜
5mmの範囲内にするとよい。さらに、ロッド状の係止
部の場合には、フィラメントの太さ(直径)を0.1〜
5mmの範囲内にし、高さを2〜10mmの範囲内にす
るとよい。
【0045】なお、ここで係止力とは、コネクタ兼用壁
係止補助具にモルタル(セメントと砂の混合比1:2.
5)を10mmの厚みで塗布して硬化させた後、引っ張
り試験機にて引っ張り、係止部が破断もしくは破壊した
ときの荷重をいう。
係止補助具にモルタル(セメントと砂の混合比1:2.
5)を10mmの厚みで塗布して硬化させた後、引っ張
り試験機にて引っ張り、係止部が破断もしくは破壊した
ときの荷重をいう。
【0046】コネクタ兼用壁係止補助具1個当たりの係
止部の数としては、樹脂だけで成形した場合には、20
〜50個の範囲内、補強繊維で強化した繊維強化樹脂を
用いる場合には、5〜30個の範囲内にするとよい。
止部の数としては、樹脂だけで成形した場合には、20
〜50個の範囲内、補強繊維で強化した繊維強化樹脂を
用いる場合には、5〜30個の範囲内にするとよい。
【0047】コネクタ兼用壁係止補助具の製造方法とし
ては、熱可塑性樹脂を用いる場合には、射出成形法など
により一体成形することが好ましいが、係止部について
は、別途成形したものをコネクタ部に接着したり、溶着
したりして接合するようにしてもよい。
ては、熱可塑性樹脂を用いる場合には、射出成形法など
により一体成形することが好ましいが、係止部について
は、別途成形したものをコネクタ部に接着したり、溶着
したりして接合するようにしてもよい。
【0048】本発明のコネクタ兼用壁係止補助具は、モ
ルタルに代表される湿式壁材の剥落防止に効果的である
が、しっくい、有機系接着剤、コーキング材などの湿式
壁材に対しても適用することができる。また、本発明の
コネクタ兼用壁係止補助具を用いることにより、湿式壁
材などの壁が脱落しにくい柱や橋梁、ビルなどのコンク
リート構造物を提供することができる。
ルタルに代表される湿式壁材の剥落防止に効果的である
が、しっくい、有機系接着剤、コーキング材などの湿式
壁材に対しても適用することができる。また、本発明の
コネクタ兼用壁係止補助具を用いることにより、湿式壁
材などの壁が脱落しにくい柱や橋梁、ビルなどのコンク
リート構造物を提供することができる。
【0049】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、型枠締
付けボルトに接続する側の成形部本体の端面に堰堤部を
周囲を囲むように形成し、かつその堰堤部を可撓構造に
しているため、コネクタ兼用壁係止補助具を型枠締付け
ボルトで型枠表面に押圧するとき、堰堤部を型枠表面の
凹凸に追従するように変形させることができる。したが
って、中古の型枠を使用する場合であっても、成形部本
体の堰堤部と型枠表面との間に生コンクリートの侵入を
許容するような隙間を形成させず、係止部を生コンクリ
ートから保護することができ、硬化後の躯体コンクリー
ト表面に塗布する湿式壁材を高いアンカー効果で保持す
ることができる。
付けボルトに接続する側の成形部本体の端面に堰堤部を
周囲を囲むように形成し、かつその堰堤部を可撓構造に
しているため、コネクタ兼用壁係止補助具を型枠締付け
ボルトで型枠表面に押圧するとき、堰堤部を型枠表面の
凹凸に追従するように変形させることができる。したが
って、中古の型枠を使用する場合であっても、成形部本
体の堰堤部と型枠表面との間に生コンクリートの侵入を
許容するような隙間を形成させず、係止部を生コンクリ
ートから保護することができ、硬化後の躯体コンクリー
ト表面に塗布する湿式壁材を高いアンカー効果で保持す
ることができる。
【0050】また、係止部が独立部材に設けられ、成形
部本体に対して脱着自在になっている第2番目の発明で
は、その独立部材をコンクリート打設時には取り外した
状態にすることができるため、係止部をコンクリート封
止用の堰堤部の高さとは無関係に大きくすることができ
るため、アンカー効果を一層優れたものにすることがで
きる。
部本体に対して脱着自在になっている第2番目の発明で
は、その独立部材をコンクリート打設時には取り外した
状態にすることができるため、係止部をコンクリート封
止用の堰堤部の高さとは無関係に大きくすることができ
るため、アンカー効果を一層優れたものにすることがで
きる。
【図1】本発明のコネクタ兼用壁係止補助具の一例を示
す縦断面図である。
す縦断面図である。
【図2】(A)(B)は、それぞれ本発明のコネクタ兼
用壁係止補助具に形成される堰堤部を示す縦断面図であ
る。
用壁係止補助具に形成される堰堤部を示す縦断面図であ
る。
【図3】本発明のコネクタ兼用壁係止補助具の他の例を
示し、(A)は独立部材を離脱した状態の縦断面図、
(B)は装着した状態の縦断面図である。
示し、(A)は独立部材を離脱した状態の縦断面図、
(B)は装着した状態の縦断面図である。
【図4】図1のコネクタ兼用壁係止補助具を使用するコ
ンクリート構造物を製造するときの最初の工程を示す説
明図である。
ンクリート構造物を製造するときの最初の工程を示す説
明図である。
【図5】図4の次に続く工程を示す説明図である。
【図6】図5の次に続く工程を示す説明図である。
【図7】図6の次に続く工程を示す説明図である。
【図8】図3のコネクタ兼用壁係止補助具を使用するコ
ンクリート構造物を製造するときの最初の工程を示す説
明図である。
ンクリート構造物を製造するときの最初の工程を示す説
明図である。
【図9】図8の次に続く工程を示す説明図である。
【図10】図9の次に続く工程を示す説明図である。
【図11】図10の次に続く工程を示す説明図である。
1 成形部本体
2 係止部
3 堰堤部
3a 先端部
3b 基部
4,5 連結部
20 独立部材
31 スペーサーボルト
32 型枠締付けボルト
33 型枠
35 フォームタイ
36 押圧部材
37 ナット
38 (未硬化の)コンクリート
38’躯体コンクリート
39 モルタル(湿式壁材)
50 コネクタ兼用壁係止補助具
フロントページの続き
(72)発明者 本田 譲
滋賀県大津市大江1丁目1番1号 東レ株
式会社瀬田工場内
(72)発明者 後藤 栄三
滋賀県大津市大江1丁目1番1号 東レ株
式会社瀬田工場内
Fターム(参考) 2E177 KD03
Claims (14)
- 【請求項1】 成形部本体の一方の端部にコンクリート
型枠内のスペーサボルトと接続する連結部を形成し、他
方の端部に型枠締付けボルトと接続する連結部を形成
し、該他方の端部の表面に多数の係止部と該係止部を取
り囲む堰堤部を形成し、該堰堤部を可撓構造にしたコネ
クタ兼用壁係止補助具。 - 【請求項2】 成形部本体の一方の端部にコンクリート
型枠内のスペーサボルトと接続する連結部を形成し、他
方の端部に型枠締付けボルトと接続する連結部を形成
し、該他方の端部の表面に多数の係止部を有する独立部
材を着脱自在にすると共に、該端部の表面外周に沿って
堰堤部を形成し、該堰堤部を可撓構造にしたコネクタ兼
用壁係止補助具。 - 【請求項3】 前記独立部材を装着時の係止部の高さを
前記堰堤部よりも高くした請求項2に記載のコネクタ兼
用壁係止補助具。 - 【請求項4】 前記堰堤部を基部と先端部から形成し、
該先端部が前記基部よりも厚さの薄い部分を有するよう
にした請求項1,2又は3に記載のコネクタ兼用壁係止
補助具。 - 【請求項5】 前記堰堤部の先端部が厚さ0.2〜1m
mの部分を有する請求項4に記載のコネクタ兼用壁係止
補助具。 - 【請求項6】 前記成形部本体の前記スペーサボルトに
接続する側に、前記型枠締付けボルトに接続する側より
も大きな外接円を有する部分を形成した請求項1〜5の
いずれかに記載のコネクタ兼用壁係止補助具。 - 【請求項7】 前記成形部本体の外周に凸部および/ま
たは凹部を形成した請求項1〜6のいずれかよ記載のコ
ネクタ兼用壁係止補助具。 - 【請求項8】 前記成形部本体の横断面形状を非円形に
した請求項1〜7のいずれかに記載のコネクタ兼用壁係
止補助具。 - 【請求項9】 前記スペーサボルトに対する連結部及び
型枠締付けボルトに対する連結部が、それぞれメネジで
ある請求項1〜8のいずれかに記載のコネクタ兼用壁係
止補助具。 - 【請求項10】 前記係止部がループ状、フック状また
はロッド状に形成されたフィラメントからなる請求項1
〜9のいずれかに記載のコネクタ兼用壁係止補助具。 - 【請求項11】 前記成形部本体が6−ナイロンまたは
ポリフェニレンサルファイドの成形体からなる請求項1
〜10のいずれかに記載のコネクタ兼用壁係止補助具。 - 【請求項12】 型枠内に配置するスペーサーボルトと
前記型枠に係止する型枠締付けボルトとの間を、請求項
1,4〜11のいずれかに記載のコネクタ兼用壁係止補
助具で連結し、該型枠内にコンクリートを打設し、該コ
ンクリートが硬化したのち前記型枠を脱型し、脱型後の
躯体コンクリートの表面に湿式壁材を塗布するコンクリ
ート構造物の製造方法。 - 【請求項13】 型枠内に配置するスペーサーボルトと
前記型枠に係止する型枠締付けボルトとの間を、請求項
2〜11のいずれかに記載のコネクタ兼用壁係止補助具
により前記独立部材を取り外した状態で連結し、該型枠
内にコンクリートを打設し、該コンクリートが硬化した
のち前記型枠を脱型し、脱型後の躯体コンクリート表面
に露出した前記コネクタ兼用壁係止補助具に前記独立部
材を装着し、その上に湿式壁材を塗布するコンクリート
構造物の製造方法。 - 【請求項14】 請求項12又は13に記載の製造方法
により製造されたコンクリート構造物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002051384A JP2003253881A (ja) | 2002-02-27 | 2002-02-27 | コネクタ兼用壁係止補助具及びコンクリート構造物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002051384A JP2003253881A (ja) | 2002-02-27 | 2002-02-27 | コネクタ兼用壁係止補助具及びコンクリート構造物の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003253881A true JP2003253881A (ja) | 2003-09-10 |
Family
ID=28663368
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002051384A Pending JP2003253881A (ja) | 2002-02-27 | 2002-02-27 | コネクタ兼用壁係止補助具及びコンクリート構造物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003253881A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015200093A (ja) * | 2014-04-07 | 2015-11-12 | 株式会社大林組 | コンクリート構造物の構築方法 |
JP6200112B1 (ja) * | 2017-03-21 | 2017-09-20 | 株式会社祥起 | 接着補助器具及び当該接着補助器具を備える接着補助システム |
JP2021050518A (ja) * | 2019-09-25 | 2021-04-01 | サクラ化学工業株式会社 | セパレータ及び固定部材 |
-
2002
- 2002-02-27 JP JP2002051384A patent/JP2003253881A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015200093A (ja) * | 2014-04-07 | 2015-11-12 | 株式会社大林組 | コンクリート構造物の構築方法 |
JP6200112B1 (ja) * | 2017-03-21 | 2017-09-20 | 株式会社祥起 | 接着補助器具及び当該接着補助器具を備える接着補助システム |
JP2018155062A (ja) * | 2017-03-21 | 2018-10-04 | 株式会社祥起 | 接着補助器具及び当該接着補助器具を備える接着補助システム |
JP2021050518A (ja) * | 2019-09-25 | 2021-04-01 | サクラ化学工業株式会社 | セパレータ及び固定部材 |
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