JP3976427B2 - コネクター兼用モルタル接着補助具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート型枠内のスペーサボルトと型枠締付用ボルトとを連結するコネクターとして機能すると共に、硬化後の躯体コンクリートの表面にモルタルを塗布するときの接着補助具とてしも機能するコネクター兼用モルタル接着補助具に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンクリート構造物は、前後2枚の型枠の間に複数本のスペーサボルトを介在させて一定間隔に保持し、その一定間隔の型枠間にコンクリートを打設し、コンクリートが硬化したのち型枠を取り外すことによって建造されるようになっている。また、型枠を外した後の躯体コンクリートの表面は、そのままでは外観が悪いため、表面仕上げとしてモルタルを一定厚さに塗布するようにしているのが一般的な工法である。しかし、後から塗布したモルタルは、経時変化により躯体コンクリートの表面から剥落することがある。そのため、従来からこのようなモルタルの剥落事故を防止する対策が種々提案されている。
【0003】
本出願人等は、先に上記モルタルの剥落防止対策として、特願平10−212342号出願により、コンクリート型枠内のスペーサボルトと型枠締付用ボルトとの間を連結するコネクターの除去跡(いわゆるコーン跡)を利用して、そのコーン跡に特殊な構造に設計したモルタル接着補助具を埋め込むことにより、優れたモルタル剥落防止効果が得られる発明を提案した。この発明を図8及び図9を使用して説明する。
【0004】
図8は、コンクリート型枠で成形される躯体コンクリート表面にコーン跡ができる過程を示す。図8(A)は、コンクリート型枠が組み付けられた状態を示し、20は躯体コンクリート、21はスペーサボルト、24は型枠、25はコネクター、26は型枠締付用ボルトであり、型枠締付用ボルト26はコネクター25に一体に連結されている。
【0005】
スペーサボルト21は、型枠24と不図示の型枠との前後2枚の間にコンクリート打設用の空間を形成するように型枠に直交するように挿入され、その両端部にコネクター25,25が螺合される。コネクター25から延長する型枠締付用ボルト26に型枠24を貫通させ、その型枠24の内面をコネクター25の外側端面に当接させ、その外側に型枠締付用ボルト26を挟むように一対の横端太材27,27を配置し、さらにフォームタイ28で抑え、型枠締付用ボルト26にナット29を螺合させて締め付けることにより組み付けが完成する。
【0006】
型枠間のコンクリート打設用空間にコンクリート20を打ち込み、それが硬化すると脱型する。一連の脱型作業により、ナット29、フォームタイ28、横端太材27、型枠24を撤去し、最後にコネクター25を抜去すると、そのコネクター24の除去跡に、図8(B)に示すようなコーン跡22が形成される。ここで変形や破損が生じたコネクター25は廃材として廃棄される。使用後も良好な形状が保持されているコネクターは再使用されるが、数回が限度である。
【0007】
特願平10−212342号出願の発明は、図9に示されるようなモルタル接着補助具30で代表されるものであって、埋栓部31と多数のループ状の係止部32とが樹脂から一体成形されている。埋栓部31の底部にはスペーサボルト21の端部が嵌入する挿入孔33が形成されている。
【0008】
図9(A)のように、このモルタル接着補助具30を、埋栓部31の周囲に接着剤34を塗布した後、上記のように躯体コンクリート20の表面に形成されたコーン跡22の中に埋設し、図9(B)のように、係止部32だけが表面に露出した状態にする。次いで、図9(C)のように、その上からモルタル接着補助具30とコンクリート20との両表面に渡るようにモルタル23を一定厚さに塗布するのである。
【0009】
しかるに、上記モルタル接着補助具30は、モルタルの剥落防止作用の点では、係止部32を埋栓部31と樹脂で一体成形することにより、高い剛性を有する係止部32が得られ、未硬化のモルタル内部に深く侵入することができるため、硬化後に高いアンカー効果を発揮し、モルタルの剥落防止については優れた効果が得られる。
【0010】
しかしながら、モルタルの剥落防止用前処理作業の全般について検討した場合、上記一連の作業では、スペーサボルトから取り外した後のコネクターは1〜数回の使用の後に廃材として廃棄しており、これが産業廃棄物を出すという問題を生じている。また、剥落防止用前処理作業の短縮により作業性を一層効率化する点でも課題が残されていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、1〜数回の使用後に廃材となるコネクターの産業廃棄物の問題を解消すると共に、モルタル剥落防止前処理の作業時間を一層短縮化することを可能にするコネクター兼用モルタル接着補助具を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明のコネクター兼用モルタル接着補助具は、躯体コンクリートの表面に塗布されるモルタルの接着補助具であって、コンクリート型枠内にセットされるスペーサボルトに連結するコネクター部の前記躯体コンクリート表面側の端面に、前記モルタルと係合する多数の係止部を並列的または放射状に配置させて該コネクター部と樹脂で一体成形すると共に、前記係止部と同一高さ以上であって前記コンクリート型枠の内面に当接するように、かつ前記コネクター部端面の外周縁に沿って前記多数の係止部を内側に収納する枠状に形成された支持突起を設けたことを特徴とするものである。
【0013】
上記モルタル接着補助具は、先に提案したモルタル接着補助具と同様に、埋栓部に相当するコネクター部とモルタルに対する係止部とを樹脂で一体成形することにより高い剛性の係止部が得られるため、未硬化のモルタル内部に深く侵入し、高いアンカー効果を得ることができる。
【0014】
本発明のコネクター兼用モルタル接着補助具は、スペーサボルトと型枠締付用ボルトとを連結するコネクターとして取り付けられた後、そのままモルタル接着補助具として使用されるため、1〜数回の使用後にコネクターを廃材としてしまう産業廃棄物問題がなくなり、しかもコネクターの離脱作業やその後のモルタル接着補助具の装着作業が不要になるため、モルタル剥落防止のための前処理作業時間を著しく短縮することができる。
【0015】
また、コネクター部の躯体コンクリート表面側の端面には、係止部と共に該係止部と同一高さ以上の支持突起が設けられ、この支持突起によりコンクリート型枠の締付圧を支えるようにしているため、コネクターとして使用しても型枠の締付圧により係止部が変形損傷することなく、モルタルに対するアンカー効果を維持することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1(A),(B),(C)は、本発明のコネクター兼用モルタル接着補助具の一例を示す。
【0017】
図1に示すコネクター兼用モルタル接着補助具10において、コネクター部1は樹脂により円錐台形状に形成され、その両端面のうち広い表面積側の端面に、スペーサボルトに螺合させるためのネジ孔1sが設けられ、また狭い表面積側の端面に、型枠締付ボルトを螺合させるためのネジ孔1mが設けられている。これら二つのネジ孔1sと1mは、仕切壁5を挟んで同軸に設けられている。
【0018】
仕切壁5は必ずしも必要とするものではなく、両ネジ孔1s,1mが互いに連通していてもよい。しかし、仕切壁5を設けておくと、スペーサボルトと型枠締付ボルトのいずれか一方が他方のネジ孔まで侵入することにより他方のボルトのネジ孔長を不足させたり、またスペーサボルトに対するコネクター部1の固定位置を設定し難くする問題を解消することができる。
【0019】
コネクター部1の狭い表面積側の端面、即ち型枠締付ボルト用のネジ孔1mが設けられた側の端面には、多数のループ状の係止部2が列状に配列して突設され、さらにこれら多数の係止部2の列方向と交差するように多数の凹溝3が形成されている。これらループ状の係止部2や凹溝3はモルタルを塗布したときアンカー効果を生ずる手段になる。
【0020】
また、この狭い表面積側の端面には、その外周縁に沿って係止部2の全てを内側に取り囲むように形成された支持突起4が環状の枠状に設けられている。しかも、この支持突起4は係止部2と同一またはそれ以上の高さを有するように形成されている。
【0021】
コネクター部1の広い表面積側の端部、即ちスペーサボルト用のネジ孔1sが設けられた側の端部には、その外周壁面に複数(図では4個)の凸部6が等間隔に設けられている。この凸部6の数は1個でも差し支えない。複数の場合には、バランスの観点から等間隔に配置することが好ましいが、必ずしも等間隔である必要ではない。
【0022】
上記モルタル接着補助具10の製造方法としては、コネクター部1に対して係止部2、支持突起4、凸部6を射出成形法などにより樹脂で一体成形するようにする。しかし、これら付属部品のうち少なくとも係止部2については、モルタルに対する高いアンカー効果を発揮する剛性を付与するためコネクター部1と一体成形にする必要があるが、他の支持突起4や凸部6については別途成形したものをコネクター部1に接着剤或いは融着などにより接合するようにしてもよい。
【0023】
モルタル接着補助具10において、係止部2はモルタルに対するアンカー効果を発生する手段である。支持突起4は、モルタル接着補助具10をコネクターとして使用するとき、コンクリート型枠の締付圧を受け止める支持面として作用し、係止部2が型枠の締付圧により押し潰されないように保護する。また、支持突起4は、コネクター部1の端面の外周縁に沿って係止部2を内側に取り囲むように環状の枠状に形成されることにより、コンクリート打設時に未硬化のコンクリートが端面に流入して係止部2を覆ってしまわないようにし、後工程でモルタルを塗布するとき、そのアンカー効果が阻害されないようにする。
【0024】
凸部6は、型枠の脱型作業に際し、モルタル接着補助具10のコネクター部1のネジ孔1mに螺合させていた型枠締付用ボルトを離脱させるとき、モルタル接着補助具10が供回りせず、円滑な離脱が行えるようにするために設けられたものである。
【0025】
図2(A),(B),(C)は、上述した本発明のコネクター兼用モルタル接着補助具をコンクリート型枠のコネクターとして使用した後、躯体コンクリート表面にモルタルを塗布する際のモルタル接着補助具として使用する場合について工程順に示したものである。
【0026】
まず、図2(A)は、本発明のコネクター兼用モルタル接着補助具10が、コンクリート型枠の組み立てにおいて、スペーサボルト21と型枠締付ボルト26のコネクターとして使用されている状態を示す。一般にスペーサボルト21の本数としては、コンクリートの単位表面積当たり4本/m2 の割合が配置されている。
【0027】
各スペーサボルト毎に、コネクター兼用モルタル接着補助具10を、そのコネクター部1のネジ孔1sをスペーサボルト21の端部に螺合させ、反対側のネジ孔1mに型枠締付用ボルト26を螺合させて両ボルト21,26を連結状態にする。次いで、型枠締付用ボルト26にコンクリート型枠24を通し、その型枠24の外側に一対の横端太材27,27およびフォームタイ28を重ね、最後に型枠締付用ボルト26の端部にナット29を螺合させて締め付ける。
【0028】
上記のように型枠24をナット29で締め付け固定すると、型枠24からコネクター部1の端面に作用する締付圧は200kg/cm2 以上にもなる。しかし、コネクター部1の端面には係止部2と同等以上の高さをもつ支持突起4が設けられ、この支持突起4が型枠24の締付圧を支えて係止部2を保護するため、係止部2が押し潰されることはない。
【0029】
このように型枠24の組み付けが終了した状態から、前後の型枠内の打設用空間にコンクリートを打設する。コンクリートが打設用空間に満杯状態に充填されると、未硬化のコンクリートはコネクター部1の型枠側端面まで満ちた状態になる。しかし、支持突起4が多数の係止部2を取り囲むように環状の枠状に形成されているので、未硬化のコンクリートが環状の支持突起4の内側まで流入して、係止部2を覆ってしまうことはない。したがって、係止部2のモルタルに対するアンカー効果が阻害されることはない。
【0030】
打設したコンクリートが硬化し、躯体コンクリート20が形成されると、次に脱型作業を行う。脱型作業はナット29、フォームタイ28、横端太材27、型枠24を順次撤去し、最後に型枠締付用ボルト26を回動させて離脱する。
【0031】
この脱型作業において、本発明のモルタル接着補助具10は、スペーサボルト21と連結されており、さらにコネクター部1が円錐台形状で、その埋設部の外接円が露出側端面の外接円よりも大きくなっているため抜き出されることがなく、図2(B)に示すように、スペーサボルト21に連結された状態で残置される。
【0032】
また、脱型作業において型枠締付用ボルト26を回動させて離脱させるとき、コネクター部1の外周に凸部6が形成されているので、モルタル接着補助具10が供回りすることがなく、円滑に離脱させることができる。また、コネクター部は埋設部側の方が露出側端面よりも外接円の直径が大きいため、躯体コンクリート20から簡単には抜け出すことはない。
【0033】
脱型により図2(B)の状態にした後、躯体コンクリート20の表面にモルタル23を塗布する。モルタル塗布により図2(C)の状態になり、モルタル23は係止部2のアンカー作用により係止されて脱落し難くなる。このアンカー効果は、コネクター部1の端面に係止部2と共に凹溝3を設けることにより一層強化することができる。
【0034】
また、上記モルタル接着補助具10は、スペーサボルト21と型枠締付用ボルト26とのコネクターとして使用され、コンクリートの硬化後は、これを取り外すことなくそのままモルタル接着補助具として使用されるので、従来のようにコネクターを1〜数回の使用後に廃材とする産業廃棄物の問題がなくなる。また、コネクターの離脱作業とその次のモルタル接着補助具の装着作業が不要になるため、モルタル剥落防止前処理用の作業時間を著しく短縮することができる。
【0035】
図3は、本発明の他の実施形態からなるコネクター兼用モルタル接着補助具を示す。
【0036】
この実施形態では、図1の実施形態において、型枠締付用ボルト26をコネクター部1から離脱する時、モルタル接着補助具10の供回り防止手段として設けていた凸部6に代えて、凹部6’を設けるようにしたものである。このような凹部6’であっても、同じ供回り防止効果を奏することができる。凹部6’の数は、凸部6の場合と同様に必ずしも複数である必要はなく、1個だけであってよい。また、複数個にする場合、必ずしもそれらを等間隔に配置する必要はない。
図4は、本発明のさらに他の実施形態からなるコネクター兼用モルタル接着補助具を示す。
【0037】
この実施形態では、図1の実施形態において、コネクター部1の横断面形状を非円形にすることにより、凸部6及び/又は凹部6’を形成するようにしたものである。この場合にも型枠締付用ボルト26をコネクター部1から離脱する時にモルタル接着補助具10の供回りを防止することができる。非円形断面形状としては、特に限定されるものではなく、三角形以上の多角形、花形、星形など、いずれであってもよい。
【0038】
本発明のコネクター兼用モルタル接着補助具において、コネクター部の形状は、図1に示す円錐台形状に代表されるように、躯体コンクリートに埋設される部分に、躯体コンクリート表面側の端面部分よりも大きな外接円を有するような形状に形成にすることが好ましい。このような形状により、モルタル接着補助具を躯体コンクリート内に確実に固定し、抜け出さないようにすることができる。
【0039】
係止部の形状としては、未硬化のモルタル内に深く侵入できる剛性を有し、かつ硬化後のモルタルを支持するだけの破断強度を有するものであれば特に限定されない。図1の実施形態の係止部2はループ形状であるが、例えば図5(A)〜(D)に示すようなフック(鉤)状であってもよく、図5(E)に示すようなロッド状であってもよい。フック状については、図5(A)の係止部2は円弧状フック、同(B)の係止部2はL形フック、同(C)の係止部2はT形フック、同(D)の係止部2はキノコ形または球状フックである。
【0040】
また、係止部2の配列は、図1、図3、図4の実施形態では、多数の係止部2が並列的に配置されたものであるが、例えば図6の実施形態のように、放射状に配置したものでもよい。また、図7(A),(B)に示す実施形態のように、さらに支持突起4の内壁面に係止部2を配置してもよい。
【0041】
本発明のモルタル接着補助具に使用される樹脂としては、射出成形が容易な熱可塑性樹脂が好ましいが、必要により熱硬化性樹脂であってもよい。
例えば熱可塑性樹脂としては、ナイロン、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン(HIPS)、ABS樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド(変性PPO)、ポリアミドエラストマー(例えば、東レ(株)製“ペバックス”など)、ポリエステルエラストマー(例えば、東レ・デュポン(株)製“ハイトレル”など)などを例示することができる。しかし、コンクリートはアルカリ性であるので、これらのうちでも耐アルカリ性に優れ、かつ耐熱性に優れているPPS樹脂やナイロン樹脂が特に好ましい。
【0042】
また、これらの樹脂には、ガラス繊維、炭素繊維などの短繊維状の補強繊維を混入させた繊維強化樹脂を使用してもよい。繊維強化樹脂の場合は、モルタルの接着力を一層向上させ、剥落防止性能をさらに向上させることができる。
【0043】
本発明のコネクター兼用モルタル接着補助具は、1個当たりが有するモルタルに対する接着力が50kg/個以上になるように設計することが好ましい。このような特性を満足させるため、係止部の寸法としては、ループ形状の場合は、ループ太さ(直径)を0.1〜3.0mm、ループ径を2.0〜10.0mmにすることが好ましい。また、フック形状の場合は、フックの太さ(直径)を0.1〜5.0mmにすることが好ましい。また、ロッド形状の場合は、ロッドの太さ(直径)を0.1〜5.0mm、高さを2.0〜10.0mmにすることが好ましい。
【0044】
また、1個のモルタル接着補助具当たりに設ける係止部の数としては、非強化樹脂製の場合には20〜50個、繊維強化樹脂製の場合には5〜30個にすることが好ましい。
【0045】
【発明の効果】
上述したように、本発明のコネクター兼用モルタル接着補助具によれば、モルタル接着補助具がコンクリート型枠組み立てに使用するスペーサボルトと型枠締付用ボルトとのコネクターとしての機能を有する構成になっているため、従来のようにコネクターを1〜数回の使用後に廃材とする産業廃棄物の問題がなく、しかも、最初にコネクターとして連結すれば、その後のコネクター離脱作業およびその次のモルタル接着補助具の装着作業が不要になるので、モルタル剥落防止の前処理作業時間を著しく短縮し、作業性を向上することができる。
【0046】
また、本発明のコネクター兼用モルタル接着補助具は、躯体コンクリート表面側の端面に支持突起を形成し、その支持突起の高さを係止部と同一高さ以上にして型枠の締付圧を支持するようにしているため、係止部を型枠の締付圧から保護し、その係止部のアンカー効果を良好に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコネクター兼用モルタル接着補助具を示し、(A)は図(C)におけるZ−Z矢視断面図、(B)は図(A)におけるX矢視図、(C)は図(A)におけるY矢視図である。
【図2】図1のコネクター兼用モルタル接着補助具の使用例を示す工程図で、(A)は型枠組み立て時の縦断面図、(B)は図(A)から型枠を脱型した状態の縦断面図、(C)は図(B)にモルタルを塗布したときの縦断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態からなるコネクター兼用モルタル接着補助具を示し、 (A)は図(C)におけるZ’−Z’矢視断面図、(B)は図(A)におけるX’矢視図、(C)は図(A)におけるY’矢視図である。
【図4】本発明の更に他の実施形態からなるコネクター兼用モルタル接着補助具を示し、(A)は図(C)におけるZ”−Z”矢視断面図、(B)は図(A)におけるX”矢視図、(C)は図(A)におけるY”矢視図である。
【図5】(A)〜(E)は、それぞれ本発明の更に他の実施形態からなるコネクター兼用モルタル接着補助具の要部を示す縦断面図である。
【図6】本発明の更に他の実施形態からなるコネクター兼用モルタル接着補助具の露出側端面を示す平面図である。
【図7】本発明の更に他の実施形態からなるコネクター兼用モルタル接着補助具を例示し、(A)は平面図、(B)は(A)におけるA−A矢視断面図である。
【図8】従来のコンクリート型枠の組み立て状況を示す説明図であり、(A)は組み立て時の縦断面図、(B)は脱型したときの縦断面図である。
【図9】先願で提案したモルタル接着補助具の使用例を示し、(A)はモルタル接着補助具の装着前を示す縦断面図、(B)は同モルタル接着補助具の装着後の縦断面図、(C)は更にモルタルを塗布した状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 コネクター部
1s (スペーサボルト用の)ネジ孔
1m (型枠締付用ボルトの)ネジ孔
2 係止部
3 凹溝
4 支持突起
5 仕切壁
10 コネクター兼用モルタル接着補助具
20 躯体コンクリート
21 スペーサボルト
22 コーン跡
23 モルタル
24 型枠
26 型枠締付用ボルト
29 ナット

Claims (9)

  1. 躯体コンクリートの表面に塗布されるモルタルの接着補助具であって、コンクリート型枠内にセットされるスペーサボルトに連結するコネクター部の前記躯体コンクリート表面側の端面に、前記モルタルと係合する多数の係止部を並列的または放射状に配置させて該コネクター部と樹脂で一体成形すると共に、前記係止部と同一高さ以上であって前記コンクリート型枠の内面に当接するように、かつ前記コネクター部端面の外周縁に沿って前記多数の係止部を内側に収納する枠状に形成された支持突起を設けたことを特徴とするコネクター兼用モルタル接着補助具。
  2. 前記コネクター部の前記躯体コンクリート表面側の端面に、前記係止部とともに凹溝が設けられてなることを特徴とする請求項1記載のコネクター兼用モルタル接着補助具。
  3. 前記コネクター部を前記躯体コンクリート表面側端面の外接円よりも埋設部に大きな外接円を有するような形状に形成したことを特徴とする請求項1または2に記載のコネクター兼用モルタル接着補助具。
  4. 前記コネクター部の前記躯体コンクリートに対する埋設部に凸部及び/又は凹部を設けたことを特徴とする請求項1、2または3に記載のコネクター兼用モルタル接着補助具。
  5. 前記コネクター部の前記躯体コンクリートに対する埋設部の横断面形状を非円形にしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のコネクター兼用モルタル接着補助具。
  6. 前記コネクター部と係止部と支持突起とを射出成形法により樹脂で一体成形したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のコネクター兼用モルタル接着補助具。
  7. 前記係止部をループ状、フック状またはロッド状に形成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のコネクター兼用モルタル接着補助具。
  8. 前記コネクター部の両端部の一方に前記スペーサボルトに螺合させるネジ孔を設け、他方に型枠締付用ボルトを螺合させるネジ孔を設けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のコネクター兼用モルタル接着補助具。
  9. 前記樹脂がナイロンまたはポリフェニレンサルファイドであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のコネクター兼用モルタル接着補助具。
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