JP2987495B2 - 水硬性材料の成形法 - Google Patents

水硬性材料の成形法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スラリー成形材料
を硬化成形するための成形法に関し、特に、建築板状
体,外壁タイル等を得るために使用するセメント混練材
料等のような水硬性材料の成形法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、家屋や塀の外壁を被うコンクリ
ート製化粧外壁板(模様付コンクリート製品)の成形法
としては、特開昭63−172608号公報に記載のよ
うに、模様付コンクリート製品の成形法が知られてい
る。この成形法は、凹凸模様付型枠の上に、プラスチッ
クフィルムを展開し、そのプラスチックフィルムを発熱
装置により均一に加熱すると共に、型枠底面に設けた吸
着用ベントホールにより真空ポンプで真空吸引して凹凸
模様表面に密着させた後、コンクリート・スラリーを流
し込み硬化養生させるものである。このような成形法を
用いると、脱型したコンクリート成形品の表面凹凸面は
型枠の凹凸模様が転写された美麗な表面仕上となり、ま
た、プラスチックフィルムの被覆により型枠の凹凸模様
表面(賦形面)がコンクリート・スラリーに接触せず、
汚れが生じないため、型枠の洗浄工程及びその乾燥工程
を無くすことができ、生産性の向上に資するものであ
る。更に、型磨耗が少なくなり、型寿命が長くなるとい
う利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
模様付コンクリート製品の成形法にあっては、次のよう
な問題点がある。
【0004】 型枠内で養生硬化させたコンクリート
成形品をその型枠から抜き出す際、バイブレータで加振
しながら脱型力を加えても脱型し難く、縁や成形面の欠
け,損傷を招き易い。特に、部分的にアンダーカットの
ある成形品は抜き勾配が逆勾配であるため、分割型を用
いなければ上手に脱型できない。また、図11に示す如
く、成形品1の表面2は勿論のこと厚み側面(立ち上が
り面)3に凹凸起伏がある場合は、成形面の表面損傷が
不可避的に生じ、抜き勾配を相当大きくしなければ、脱
型ができないので、上記の成形法では厚み側面が殆ど平
滑面の成形品に限られると言うのが実情である。
【0005】換言すると、型枠の内面模様(しぼ)を大
小凹凸の粗さ(地肌起伏)に富むものにし難く、成形品
の厚み側面を含めた凹凸模様面を自然石地肌等に酷似さ
せるにはランダム起伏や精細さの点で限界があった。
【0006】 型枠内でコンクリート成形品を硬化さ
せる養生期間は、速硬コンクリートや促進養生法でも一
昼夜を要するため、その養生期間中は勿論脱型できず、
型枠の回転効率は頗る低いものであった。そのため、コ
ンクリート成形品の量産性を確保するには、同形の型枠
を多数個準備する初期投資が不可欠であり、型費の膨大
化を招いている。それ故、模様付コンクリート製品のデ
ザインの種類も限られたものとなっていた。
【0007】そこで、上記問題点に鑑み、本発明の課題
は、キャビテイの賦形面が微細でも脱型し易く、また型
費の大幅低減を図り、量産性に優れたコンクリート等の
水硬性材料の成形法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の講じた手段は、キャビテイに密着させた熱
可塑性樹脂製の薄フィルムの面に賦形面を転写し、水硬
性材料の充填直後に未硬化状態の成形体をフィルム被覆
のまま脱型し、フィルム被覆のまま保形養生させるとこ
ろにある。即ち、本発明に係る水硬性材料の成形法は、
通気孔を持つ成形型のキャビティに加熱された熱可塑性
樹脂製の薄フィルムを展開状態で被い、上記通気孔を真
空吸引して上記キャビティ部の賦形面に吸着させ、上記
キャビティ部の賦形面を上記フィルムの面に塑性変形で
転写するフィルム面成形工程と、水硬性材料のスラリー
を上記キャビティ内に充填して締固めるスラリー充填工
程と、上記成形型の上に通気孔を持つ定板を型合わせす
る型合わせ工程と、上記型合わせ状態の上記定板の上記
通気孔を真空吸引して未硬化状態の成形体を上記フィル
ムで密着包囲したまま上記定板と一緒に上記キャビティ
から相対的に抜き出す脱型工程と、上記フィルムが密着
包囲した状態の上記成形体を養生させる養生工程と、を
有して成ることを特徴とする。
【0009】このように、裏当て補強材としての定板を
被せて真空吸引して吸着し一緒に脱型すると、成形体の
軟質塊の全体変形が定板である程度拘束されるため、未
硬化状態の成形体の成形面と転写母型としてのフィルム
面との局部的滑り流動が起こり難くなり、一塊の成形体
を伸縮性フィルムで絞ったような締め固め状態の弾力塊
としてそっくりそのまま脱型することができる。脱型時
の脱型抵抗でフィルム面が局部的に押されても、フィル
ムの表面保護作用で成形面の表面損傷が起こらず、また
一旦凹んだ箇所はフィルムの表面張力及び未硬化成形体
自身の凝結粘弾性で復元する。従って、キャビティの賦
形面の地肌起伏が様々でも、またある程度のアンダーカ
ットの成形品でも、更に立ち上がり面に凹凸のある成形
品でも、また更に抜き勾配が小さくても、成形を崩さず
に首尾良く脱型できる。このため、分割型を用いずに、
即時脱型プロセスが本格的に実用化でき、型費の大幅低
減により、凹凸模様付き成形品を低コストで提供でき
る。
【0010】脱型後、未硬化成形体は保形のフィルムに
包まれていわば膜養生による湿潤養生にあずかることに
なるから、露天養生の場合に比し、硬化成形品の強度が
高くなり、高品質の成形品が得られるから好都合であ
る。更に、硬化養生の後、そのまま上記フィルム等を被
着したままの状態で工場出荷すれば、輸送過程の養生材
(包装又は緩衝材)を節約することができ、またフィル
ムを剥離するまで膜養生が継続するから、却って高品質
の成形品を提供できる。
【0011】成形型としては、多孔質からなる通気性成
形型を用いることができる。キャビティ内の空気を真空
吸引することで加熱した熱可塑性樹脂フィルムをその賦
形面に全体的に密着させることができる。ベントホール
等の通気孔を持つ金型や樹脂型を用いる場合と比べる
と、成形品の通気孔の部分に針状突起ができ難く、その
除去工程が不要になる。
【0012】成形体の厚さが薄いものは、型合わせ状態
で定板の通気孔を吸気するだけで成形品が定板に吸着さ
れるので、成形フィルムを成形型の賦形面から剥離でき
るが、成形体の厚さが厚くなると、剥離し難くなる。こ
れを改善するため、脱型工程では定板の通気孔を真空吸
引する前に、型合わせ状態の成形型と定板を一体的に天
地反転させる。かかる場合、成形体の自重による微小変
位が生じるため、成形フィルムは成形型の賦形面から剥
離し易くなる。
【0013】更に、脱型工程において、定板の通気孔を
真空吸引すると同時に、成形型の通気孔から送気加圧す
る。かかる場合、定板の通気孔の無い部分でもフィルム
に背圧の剥離力が加わるため、フィルム剥離操作が確実
になる。
【0014】なお、定板も多孔質からなる通気性定板を
採用できる。フィルム剥離工程において、フィルムを全
面的に吸着できるので、フィルム剥離操作が確実にな
る。
【0015】また、本発明では、スラリー充填工程の後
で型合わせ工程の前に、充填されたスラリーの上に弾力
性材質の凹凸面付与材を敷く工程を付加しても良い。定
板には通気孔が貫通しているので、スラリーの充填直後
の真空吸引によりフィルムの剥離が可能であるが、凹凸
付与材が弾力性材質であるため、硬化した成形品から凹
凸付与板を引き離し易く、しかもアンダーカットのアン
カー凹み(裏足形状)の形成が可能となる。そして、定
板自身は凹凸付与面を持たない平坦面とすることができ
るので、定板の洗浄等の手間を省くことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を添付図
面に基づいて説明する。
【0017】〔第1の実施形態〕本発明の第1の実施形
態に係るコンクリート製化粧外壁板の成形法において
は、まず図1に示すように、多数のキャビティ部12が
彫り込まれたポーラスエポキシ樹脂製の多孔質通気性型
板(成形型)10を準備し、型板10を真空吸着台11
上に設置する。そして、加熱された60μm程度の酢酸
ビニール系プラスチック(熱可塑性樹脂)製の薄フィル
ム13で展開状態に型板10の型当り面側を覆い、吸着
台11を真空ポンプ(図示せず)で真空引きして吸気す
る。これにより、図1の矢印の如く、キャビティ部12
内の空気が型板10の多孔質の連続孔(通気孔)を介し
て吸着台11の外へ抜かれるため、キャビティ部12内
が減圧状態となり、図2に示すように、加熱されて柔軟
な薄フィルム13がキャビティ部12の賦形面に密着す
ると同時に、ヒートシンクしてフィルム13が冷却硬化
するので、フィルム13の面にはキャビティ部12の賦
形面が倣い成形で転写される。なお、このフィルム面成
形に用いられるフィルム13は一般の真空成形に用いら
れるフィルム(200 μm 以上)よりも半分以下で薄いた
め、フィルム面成形後では薄フィルム13自体に自己保
形性はない。フィルム13の面に転写された賦形面模様
の部分でさえなおも柔軟に変形可能である。
【0018】次に、図3に示す如く、キャビティ部12
にフレッシュコンクリート(センメント混練材のスラリ
ー)Sを適量充填し、型板10をバイブレータで加振し
てコンクリートSを稠密に締固めると共に、充填コンク
リートS中の気泡を抜く。しかる後、必要に応じて型当
り面をスキージ等で摺切りをして上面をならす。キャビ
ティ部12の内面には成形された薄いフィルム13が密
着しているため、コンクリートSの充填時にはコンクリ
ートSがフィルム13上を滑って行くので、流動性が良
い。そして、キャビティ部12自体の賦形面がコンクリ
ートSに触れることはなく、またコンクリートSの輪郭
模様は実質的にキャビティ部12の賦形面が転写され
る。
【0019】そして、図4に示す如く、下面にアンカー
凹み(裏足形状)を転写するための凹凸条15aを有す
るポーラスエポキシ樹脂製の多孔質通気性定板(蓋型)
15を型板10の上に型合わせた後、図5に示す如く、
型合わせ状態の型板10と定板15を一体的に天地反転
する。なお、吸着台11も同時に天地反転させても良
い。
【0020】次に、図6に示す如く、上側になった型板
10の面にブローパッド16を当て、下側の吸着台11
を真空引きすると共に、ブローパッド16から送気し、
フィルム13を境に圧力差を付与すると、型当り面に接
触した部分のフィルム13や充填コンクリートSが定板
15の上面に吸い寄せられると共に、ブローパッド16
からの吹き付けによりフィルム13が下方へ加圧される
ため、型板10の型当り面及びキャビティ部12の賦形
面からフィルム13が剥離する。なお、定板15が多孔
質通気性であるため、フィルム13を全面的に吸着でき
るので、フィルム剥離操作は確実である。ここで、薄い
成形体の場合、型合わせ状態の型板10と定板15の一
体的な天地反転を行わなくとも、定板15を吸着するだ
けでフィルム13の型板10からの剥離が可能である。
【0021】この際、フィルム13の面はキャビティ部
12の賦形面の地肌模様が転写されて塑性変形している
ため、図7に示す如く、脱型後、フィルム13の覆い自
体が模様面の保形型となり、型板10を離型しても充填
コンクリートSはそのまま保形保護される。この離型時
にはキャビティ部12の賦形面の地肌を被覆した薄フィ
ルム13が空圧差で剥離し、その後型板10を薄フィル
ム13で被われた充填コンクリートSの軟質塊から引き
離すものであるため、非常に脱型し易いのは勿論のこ
と、抜き勾配が小さくても容易に脱型させることができ
る。コンクリートSの充填直後に型板10を脱型できる
ことは、その型板10の回転効率が高くなること意味す
る。生産性の向上又は型費の大幅削減を達成できる。な
お、フィルム剥離工程では、ブローパッド16を型板1
0に当ててブローを行わなくとも、フィルム13の剥離
が可能である。
【0022】次に、図7に示す状態の上向き姿勢の成形
体が載る定板15を吸着台11から外し、同様の定板1
5を幾層にもスタッキングして、24時間程度養生させ
た後、硬化したコンクリートSの成形品からフィルム1
3を剥離すると共に、コンクリート成形品を定板15か
ら離すと、図8に示す如く、その成形品背面に凹凸条1
5aの転写されたアンカー凹み(裏足形状)15bを持
つコンクリート製化粧外壁板20が得られる。なお、定
板15からの外す際、バイブレータにより加振しても良
いが、平坦面上の凹凸条15aであるので、本例では加
振せずとも容易に取外しできる。
【0023】このように、本例では、型板10のキャビ
ティ部12の内面地肌がフィルム13で被われた状態で
コンクリートSが充填されるため、キャビティ部12の
内面地肌がコンクリートSに触れず、地肌面の目詰まり
等を生じることがない。脱型時の型損傷や成形品の肌損
傷を防止でき、型管理の軽減と良品率の向上を図ること
ができる。また、脱型後の型板10は洗浄工程を経ずに
そのまま再利用が可能であるため、生産性の大幅向上を
実現できる。
【0024】ところで、型板10としてポーラスエポキ
シ樹脂製の多孔質通気性型板を用いなくても、複数の通
気孔がキャビティ部12に連通形成した型板でも構わな
いが、キャビティ部12の内面に通気路が開口している
と、成形品の化粧面に針状突起が出来やすく、その除去
作業が必要となる。しかし、本例のように多孔質通気性
型板を用いると、キャビティ部12に臨む多孔の開口は
僅少であるため、針状突起が形成される程ではない。
【0025】また、従来の製造方法では、金型(アルミ
ニウム型)の場合、セメントの化学反応により腐食が生
じ、金型交換のサイクルが速く、またウレタン樹脂型で
は耐久性に遜色があった。しかし、本例では型板10が
フィルム13で被われ、コンクリートSが接触しないこ
とは、化学反応や腐食等から回避できるので、型板10
の材料選定の自由度が増す。
【0026】〔第2の実施形態〕図8に示すコンクリー
ト製化粧外壁板20の背面に形成されるアンカー凹み1
5bはアンカー効果を高めるためアンダーカット穴であ
ることが好ましい。しかし、第1の実施形態では、剛体
の多孔質通気性の定板15の凹凸状15aではアンダー
カットを付与することは難しい。成形品が取り出しでき
ないためである。
【0027】また、多孔質通気性の定板15ではフィル
ム剥離の吸着の際、多孔質にセメントミルクが滲み込ん
でしまい、使い切りの定板15でない限り、洗浄作業が
困難となる。
【0028】そこで、本例ではコンクリートSの充填
後、図9に示す如く、コンクリートSの上にアリ溝型凹
凸条25aを持つゴム製凹凸付与板(蓋型,スペーサ)
25を敷き、通気孔30aが貫通した金属製定板30を
その上に載せるようにしてある。定板30には通気孔3
0aが貫通しているので、コンクリートSの充填直後の
吸気によりフィルム13の剥離が可能となっている。ま
た凹凸付与板25がゴム製であるため、硬化したコンク
リートSから凹凸付与板25を引き離し易く、しかもア
ンダーカットのアンカー凹み25bの形成が可能となっ
ている。更に、定板30のコンクリートによる汚れも少
なく、平坦面であるが故に掃除も容易である。この凹凸
付与板25としては気胞突起シートなどを用いることが
できる。
【0029】なお、本例では、化粧板成形品の水硬性材
料としてセンメント混練材のコンクリート(又はモルタ
ル)を用いてあるが、石膏,しっくい、粘土やスラグ等
によって水硬性を与えられた混合物でも構わない。種々
の骨材,充填材,混和材,着色剤等を混合したものでも
良い。
【0030】更に、本発明の即時脱型実用化プロセス
は、水硬性材料のスラリーに限らず、チョコレート,カ
レールーなどの食料成形品や口紅,石鹸,スキーワック
スなどの化粧・化学成形品のように、薄フィルムよりも
低融点材料のスラリーを成形・膜保護する場合に用いる
ことができる。脱型後の養生工程に代えて、フィルム被
覆のままで、加熱処理,冷却処理,冷凍処理,赤外線照
射,マイクロ波照射の外部加熱処理などを施すようにし
ても良い。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る水硬
性材料の成形法は、成形型の上に通気孔を持つ定板を型
合わせしてその通気孔を真空吸引することにより、スラ
リーの充填直後に未硬化状態の成形体をフィルム被覆の
まま定板と一緒に脱型し、フィルム被覆のまま保形して
養生させる点を特徴としている。
【0032】 分割型を用いずに、即時脱型が実用化
できるため、成形型は洗浄工程を経ずにそのまま直ぐに
再利用が可能となり、型費の低減と生産性の大幅向上を
実現できる。加えて、材料の未硬化状態で脱型できるの
で、キャビテイの賦形面が微細でも脱型が容易であり、
また抜き勾配も小さくできる。
【0033】 成形型として多孔質からなる通気性成
形型を用いると、キャビティ内の空気を真空吸引するこ
とで加熱した熱可塑性樹脂フィルムをその賦形面に全体
的に密着させることができる。また、成形品に針状突起
ができ難く、その除去工程が不要になる。
【0034】 脱型工程で、定板の通気孔を真空吸引
する前に、型合わせ状態の成形型と定板を一体的に天地
反転させると、成形体の自重による微小変位が生じるた
め、成形フィルムを成形型の賦形面から剥離し易くな
る。
【0035】 脱型工程で、定板の通気孔を真空吸引
すると同時に、成形型の通気孔から送気加圧する場合、
定板の通気孔の無い部分でも剥離力が加わるため、フィ
ルム剥離操作が確実になる。
【0036】 定板として多孔質通気性定板を採用し
た場合、フィルム剥離工程において、フィルムを全面的
に吸着できるので、フィルム剥離操作が確実になる。
【0037】 スラリー充填工程の後で型合わせ工程
の前に、充填されたスラリーの上に弾力性材質の凹凸面
付与材を敷く工程を付加した場合、定板には通気孔が貫
通しているので、スラリーの充填直後の吸気によりフィ
ルムの剥離が可能であるが、凹凸付与材が弾力性材質で
あるため、硬化した成形品から凹凸付与板を引き離し易
く、しかもアンダーカットのアンカー凹み(裏足形状)
の形成が可能となる。そして、定板自身は凹凸付与面を
持たない平坦面とすることができるので、定板の洗浄等
の手間を省くことができ、更なる生産性の向上に寄与す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るコンクリート製
化粧外壁板の成形法におけるフィルム成形工程の前半過
程を示す工程断面図である。
【図2】同フィルム成形工程の後半過程を示す工程断面
図である。
【図3】同製造方法におけるコンクリート充填工程を示
す工程断面図である。
【図4】同製造方法における型合わせ工程を示す工程断
面図である。
【図5】同製造方法における型反転後の状態を示す工程
断面図である。
【図6】同製造方法における型板の抜型工程を示す工程
断面図である。
【図7】同製造方法における抜型工程の直後の状態を示
す工程断面図である。
【図8】同製造方法により得られた成形体を示す断面図
である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係るコンクリート製
化粧外壁板の成形法における凹凸面付与板を敷く工程を
示す工程断面図である。
【図10】図9に示す状態の次に定板を置く型合わせ工
程を示す工程断面図である。
【図11】コンクリート製化粧外壁板の一例を示す斜視
図である。
【符号の説明】
1…コンクリート製化粧外壁板 2…表面 3…板厚側面 15b,25b…アンカー凹み(裏足形状) 12…キャビティ部 10…多孔質通気性型板(成形型) 11…真空吸着台 13…熱可塑性プラスチックフィルム 15…多孔質通気性定板 15a…凹凸条 25…ゴム製凹凸付与板 25a…アリ溝型凹凸条 30…定板 30a…通気孔 16…ブローパッド S…コンクリート(成形体)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B28B 1/14 B28B 7/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通気孔を持つ成形型のキャビティに加熱
    された熱可塑性樹脂製の薄フィルムを展開状態で被い、
    前記通気孔を真空吸引して前記キャビティ部の賦形面に
    吸着させ、前記キャビティ部の賦形面を前記フィルムの
    面に塑性変形で転写するフィルム面成形工程と、水硬性
    材料のスラリーを前記キャビティ内に充填して締固める
    スラリー充填工程と、前記成形型の上に通気孔を持つ定
    板を型合わせする型合わせ工程と、前記型合わせ状態の
    前記定板の前記通気孔を真空吸引して未硬化状態の成形
    体を前記フィルムで密着包囲したまま前記定板と一緒に
    前記キャビティから相対的に抜き出す脱型工程と、前記
    フィルムが密着包囲した状態の前記成形体を硬化養生さ
    せる養生工程と、を有して成ることを特徴とする水硬性
    材料の成形法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記成形型は多孔質
    からなる通気性成形型であることを特徴とする水硬性材
    料の成形法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2において、前記脱
    型工程では前記定板の前記通気孔を真空吸引する前に、
    前記型合わせ状態の前記成形型と前記定板を一体的に天
    地反転させることを特徴とする水硬性材料の成形法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に
    おいて、前記脱型工程では前記定板の前記通気孔を真空
    吸引すると同時に、前記成形型の前記通気孔から送気加
    圧することを特徴とする水硬性材料の成形法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に
    おいて、前記定板は多孔質からなる通気性定板であるこ
    とを特徴とする水硬性材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に
    おいて、前記スラリー充填工程の後で前記型合わせ工程
    の前に、前記充填されたスラリーの上に弾力性材質の凹
    凸面付与材を敷く工程を有して成ることを特徴とする水
    硬性材料の成形法。
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