JPH06206484A - 座席装置 - Google Patents

座席装置

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JPH06206484A
JPH06206484A JP395693A JP395693A JPH06206484A JP H06206484 A JPH06206484 A JP H06206484A JP 395693 A JP395693 A JP 395693A JP 395693 A JP395693 A JP 395693A JP H06206484 A JPH06206484 A JP H06206484A
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movable lower
seat
tilt angle
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Kenichi Tan
健一 丹
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】リクライニング操作によるシートバックの傾動
角度の変化に対応させて自動的に一定のソーラックスサ
ポート形態に調節できる座席装置調節システムを提供す
る。 【構成】ソーラックス調節機構30によって、シートバ
ック12の可動下部13及び可動上部14をそれぞれ前
進傾動させて、適宜最適なソーラックスサポート形態に
調整することができ、制御手段80によって、リクライ
ニング機構60によるシートバック12の傾動角度の変
化に応じて、ソーラックスサポート形態を成す可動下部
13及び可動上部14のうちの少なくとも一方の鉛直線
lに対するそれぞれの傾きα,βを自動的にほぼ一定に
保てる。制御手段80は、シートバック12が所定の角
度より前傾すると、可動下部13が自動的に後退傾動す
る一方、所定の角度よりも後傾すると、可動下部13が
自動的に後退傾動するよう調節する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の運転者の脊椎
に負担を与えないソーラックスサポート姿勢に調整可能
な座席装置に備えられ、該座席装置のシートバックの形
態を、リクライニング操作によるシートバックの傾動角
度の変化に対応させて自動的に一定のソーラックスサポ
ート形態に調節するための座席装置調節システムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】着席者の脊椎に負担を与えない安定した
着座感を与えるための座席の形状については従来多くの
研究がなされている。図16に示すように、直立してい
るときの人Mの背中は腰の上後部が中に入ったいわゆる
S字形をしている。この姿勢を保つのが一番自然で背骨
に無理がかからないと考え、図17に示すように、座席
1に腰の後ろを前に押し込むように保持するランバーサ
ポート2を設けるものが一般的であり、しかも、それだ
けが快適さを生み疲労も少ないものと信じられていた。
【0003】そして、このような考え方を基本にしたう
えで、着席者の姿勢にできるだけの自由度を与えようと
して、例えば、特開昭59−168816号公報,実開
昭62−159764号公報などの各種の座席装置が提
案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、発明者
らの研究によれば、このような従来の技術は、単に着座
しているだけの静的な観察に偏した理論であって、着座
している運転者が自動車を運転するような動的な状況に
対しては必ずしも適応できるものではないことが判明し
た。
【0005】すなわち、運転者はハンドルホイールを掴
んで操作する関係上、図18において矢印で示すように
上体を起すのが一般的であり、そうすると運転者はいわ
ゆる猫背になり、腰を固定したままで猫背になると腹部
が圧迫されて苦しいので、尻を前に出すいわゆる尻ずれ
現象が生じて、尻の後ろがシートバックから離れてしま
い、ランバーサポート2に対してはかえって体が強く当
りすぎて背骨を圧迫することになるという不具合があっ
た。
【0006】このように、直立しているときの人Mの背
中をS字形に保とうとする前記理論では、運転者の場
合、却って体が支持されず不安定になったり、従来から
あるランバーサポートが逆効果になったりして、背骨を
自然な状態で支持し安定した着座感を得たうえで運転を
することができず、長時間の運転では疲れやすいという
問題点があった。すなわち、最初に脊椎に負担がかから
ず快適でもその快適性が持続するとは限らず、長時間の
運転を条件とした場合、前記旧理論では運転者は必ずし
も快適ではなく、却って不自然な姿勢が長時間続くこと
により疲労を蓄積するものである。
【0007】そこで、どのような姿勢が背骨に負担がか
からないかを発明者らが研究調査した結果、着座者の脊
椎の曲線を示す図14に示すように、ヒップポイントC
が図示した位置にある場合、上部では範囲Aに示すよう
に上体を起して猫背になり、下部では範囲Bに示すよう
に尻を前に出しずらした状態が脊椎に負担がかからず快
適であり、この状態になるように人Mを図15のように
保持するのが最も疲労しにくい姿勢であるとの結論を
得、この状態をソーラックスサポート姿勢と呼ぶことに
した。なお、図6に示す脊椎の曲線は、最も一般に使用
される確率が高いシートバック全体の角度Dの場合を示
している。
【0008】そして、出願人は、特願平4ー25554
1号,特願平4ー255542号等により、前述したソ
ーラックスサポート姿勢に調整可能な座席装置を提案し
た。これら一連の座席装置は容易かつ確実にソーラック
スサポート姿勢に調整できるものであるが、ソーラック
スサポート姿勢への調整操作と通常のリクライニング操
作との関係、即ち、実際の使用においてはリクライニン
グ操作によるシートバックの前後傾に伴い、図14に示
すソーラックスサポート姿勢の範囲は変動することを特
に考慮していない。
【0009】従って、図19に示すシートバック3の角
度Dが、例えばシートバック3の後傾操作によって、図
20に示すように角度Eに変化した場合、シートバック
下部3aや上部3bがソーラックスサポート姿勢を形成
していた元の角度(鉛直線lに対するシートバック下部
3aや上部3bの傾き)θ1,θ2は、それぞれ図20
に示すように、ソーラックスサポート姿勢を形成できな
い大きな角度θ3(>θ1),θ4(>θ2)に変化し
てしまう。逆に、シートバック3を前傾操作した場合に
は、元の角度θ1,θ2より小さな角度に変化してしま
う。
【0010】このようなリクライニング操作によりシー
トバック3全体の角度Dが変わっても、ソーラックスサ
ポート姿勢を形成する角度θ1,θ2は変化しない方が
望ましいため、リクライニング操作の度に、シートバッ
ク下部3aや下部3bの角度を再度θ1,θ2に調整し
直す必要があり、ソーラックスサポート姿勢への調整操
作を自動的に容易かつ確実に行なうためのシステムの出
現が望まれた。
【0011】また、前述の一連の座席装置は、ソーラッ
クスサポート姿勢への調整操作と座席のウォークイン操
作との関係も特に考慮していない。従って、仮にシート
バック3の下部3aを前進傾動させた状態のままでシー
トバック3を前倒させると、図21に示す如くシートバ
ック3の下部3aがシートクッション4と強く干渉し
て、作動不良やシートのしわの原因となる虞れがあ。こ
のような虞れを防止するためには、座席を前傾させる度
に、着座者はその都度シートバック3の下部3aを調整
し直す必要が生じるため多少煩雑であり、その改善が望
まれた。
【0012】また、前述の一連の座席装置は、ソーラッ
クスサポート姿勢への調整操作と座席の後傾によるフル
フラット操作との関係も特に考慮していない。従って、
仮にシートバック3の下部3aを前進傾動させた状態の
ままシートバック3を後倒させると、図22に示す如く
シートバック3の下部3aとシートクッション4との間
に隙間が発生して、かかる隙間からシートの内蔵物が見
えて外観を損ねたり、隙間に小物等が落ちてしまうとい
う虞れがある。
【0013】さらに、座席をフルフラット状態にして着
座者が寝ようとしても、出っ張った状態のシートバック
3の下部3aにより着座者の腰部が上方に突き出される
状態となり、リラックス姿勢をとりずらい虞れがある。
このような虞れを防止するためには、座席を後傾させる
度に、着座者はその都度シートバック3の下部3aを調
整し直す必要が生じるため多少煩雑であり、その改善が
望まれた。
【0014】本発明は、このような従来の技術の問題点
及びそれに対する発明者らの研究調査の結果に着目して
なされたもので、運転者が長時間着座して運転操作をす
るような場合でも、背骨に負担がかからず、安定した着
座感があって疲れにくく、しかもリクライニング操作に
よるシートバックの傾動角度の変化に対応させて自動的
に一定のソーラックスサポート形態に保つよう調節で
き、しかも、シートバックを前傾させてもその下部がシ
ートクッションに干渉することがなく、さらに、シート
バックを後傾させてもその下部が、シートクッションの
着座面より上方に突出することのない座席装置を提供す
ることを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、自動車の運転者の脊
椎に負担を与えないソーラックスサポート姿勢に調整可
能な座席装置(10)に備えられ、該座席装置(10)
のシートバック(12)の形態を、リクライニング操作
によるシートバック(12)の傾動角度の変化に対応さ
せて自動的に一定のソーラックスサポート形態に調節す
るための座席装置調節システムであって、前記シートバ
ック(12)のクッション体の下部及び上部を、それぞ
れソーラックスサポート形態に変位可能な可動下部(1
3)及び可動上部(14)とし、運転者がソーラックス
サポート姿勢を取るとき、前記可動下部(13)を前進
傾動させて運転者の尻を後方から保持し、かつ前記可動
上部(14)を前進傾動させて運転者の背上部を背中部
の背面位置より前方に変位させるべく、バックフレーム
(20)に設けられたソーラックス調節機構(30)
と、前記可動下部(13)が前進または後退傾動する信
号を前記ソーラックス調節機構(30)に出力し、該可
動下部(13)を所望のソーラックス形態に調節する可
動下部作動スイッチ(56)、及び前記可動上部(1
4)が前進または後退傾動する信号を前記ソーラックス
調節機構(30)に出力し、該可動上部(14)を所望
のソーラックス形態に調節する可動上部作動スイッチ
(38)と、前記シートバック(12)を、その傾動角
度を任意に調整可能にシートクッション(11)の後部
側に支持するリクライニング機構(60)と、前記シー
トバック(12)が前傾または後傾する信号を前記リク
ライニング機構(60)に出力し、該シートバック(1
2)の傾動角度を任意に調整するリクライニング作動ス
イッチ(64)と、前記シートバック(12)の傾動角
度が、運転者が運転姿勢を保てる運転角度範囲(θa)
内にあるか、または該運転角度範囲(θa)より更に前
方に傾いた前倒角度範囲(θb)内にあるか、または前
記運転角度範囲(θa)より更に後方に傾いた後倒角度
範囲(θc)内にあるかを判定する傾動角度検出手段
(70,90)と、前記傾動角度検出手段(70,9
0)の判定結果に基づいて前記ソーラックス調節機構
(30)を自動的に作動させ、前記可動下部(13)及
び可動上部(14)を変位させる制御手段(80)とを
具備して成り、前記制御手段(80)は、前記シートバ
ック(12)の傾動角度が前記運転角度範囲(θa)内
にあると判定されたときに、該運転角度範囲(θa)内
でのシートバック(12)の傾動角度の変化に応じて、
ソーラックスサポート形態を成す前記可動下部(13)
及び可動上部(14)のうちの少なくとも一方の鉛直線
(l)に対するそれぞれの傾き(α,β)をほぼ一定に
保つべく、前記シートバック(12)の前後傾動作に連
動して、前記可動下部(13)及び可動上部(14)の
うちの少なくとも一方をそれぞれ前進または後退傾動さ
せる第1記憶部(84)と、前記シートバック(12)
の傾動角度が前記前倒角度範囲(θb)内にあると判定
されたときに、該前倒角度範囲(θb)内でのシートバ
ック(12)の前傾動作に連動して、前記可動下部(1
3)の前記シートクッション(11)へ干渉を回避すべ
く、該可動下部(13)を後退傾動させる一方、前記シ
ートバック(12)の後傾動作に連動して、前記可動下
部(13)がソーラックス形態を取るべく、該可動下部
(13)を前進傾動させる第2記憶部(85)と、前記
シートバック(12)の傾動角度が前記後倒角度範囲
(θc)内にあると判断されたときに、該後倒角度範囲
(θc)内でのシートバック(12)の後傾動作に連動
して、前記可動下部(13)が前記シートクッション
(11)の着座面より上方に突出するのを回避すべく、
該可動下部(13)を後退傾動させる一方、前記シート
バック(12)の前傾動作に連動して、前記可動下部
(13)が前記ソーラックスサポート形態を取るべく、
該記可動下部(13)を前進傾動させる第3記憶部(8
6)とを、有することを特徴とする座席装置(10)。
【0016】
【作用】自動車の運転者は、ソーラックス調節機構(3
0)を操作し、シートバック(12)の下部を成す可動
下部(13)、及びシートバック(12)の上部を成す
可動上部(14)をそれぞれ変位させて適宜最適なソー
ラックスサポート形態に調整することができる。それに
より、運転者は、長時間座っても脊椎に負担のかからな
い安定した着座感を得ることができる。
【0017】すなわち、可動下部作動スイッチ(56)
を操作すれば、前記可動下部(13)が前進または後退
傾動する信号が前記ソーラックス調節機構(30)に出
力される。従って、かかるスイッチ操作により、ソーラ
ックス調節機構(30)の可動下部(13)を前進傾動
するように作動させて、運転者の尻の後方の隙間を埋め
るようにすれば、運転者の尻は可動下部(13)によっ
て後方から保持され、着座時の体圧分布が分散する。
【0018】一方、可動上部作動スイッチ(38)を操
作すれば、前記可動上部(14)が前進または後退傾動
する信号が前記ソーラックス調節機構(30)に出力さ
れる。従って、かかるスイッチ操作により、ソーラック
ス調節機構(30)の可動上部(14)を前進傾動する
ように作動させて、運転者の背上部を背中部の背面位置
より前方に変位させれば、運転者は該可動下部(13)
と前述した可動上部(14)とにより、ソーラックスサ
ポート姿勢に保持され、快適に着座して運転することが
できる。
【0019】また、自動者の運転者は、リクライニング
作動スイッチ(64)の操作によって、リクライニング
機構(60)を作動させれば、前述のソーラックス調節
機構(30)とは別に、シートバック(12)の全体的
なシートクッション(11)に対する傾動角度を適宜調
節することができる。
【0020】このようなリクライニング機構(60)に
よって、シートバック(12)が運転姿勢を保てる運転
角度範囲(θa)内で支持されている際、かかる範囲内
にあることが傾動角度検出手段(70)により判定さ
れ、その判定結果に基づき制御手段(80)の第1記憶
部(84)は、可動下部(13)及び可動上部(14)
うちの少なくとも一方を、自動的にほぼ一定のソーラッ
クスサポート形態に調節する。
【0021】すなわち、運転角度範囲(θa)内でシー
トバック(12)の傾動角度が変化すると、制御手段
(80)の第1記憶部(84)の働きによって、ソーラ
ックスサポート形態を成す前記可動下部(13)及び可
動上部(14)のうちの少なくとも一方の鉛直線(l)
に対するそれぞれの傾き(α,β)をほぼ一定に保つべ
く、前記シートバック(12)の前後傾動作に連動し
て、自動的に前記可動下部(13)及び可動上部(1
4)のうちの少なくとも一方がそれぞれ前進または後退
傾動する。
【0022】それにより、リクライニング操作によって
シートバック(12)の傾動角度が変化しても、前記可
動下部(13)や可動上部(14)が運転者の最適なソ
ーラックスサポート姿勢を形成する角度(鉛直線(l)
に対する可動下部(13)や可動上部(14)の傾き
(α,β))は、ほぼ一定に保たれ、従って、リクライ
ニング操作の度に、前記可動下部(13)や可動下部
(13)の角度を再度調整し直す必要はない。
【0023】また、リクライニング操作によって、シー
トバック(12)の傾動角度が、前記運転角度範囲(θ
a)より更に前方に傾いた前倒角度範囲(θb)内に移
動したときに、かかる範囲内にあることが前記傾動角度
検出手段(90)により判定され、その判定結果に基づ
き制御手段(80)の第2記憶部(85)は、可動下部
(13)の動きを次のように自動的に調節する。
【0024】すなわち、前倒角度範囲(θb)内でシー
トバック(12)を前傾させると、制御手段(80)の
第2記憶部(85)の働きにより、シートバック(1
2)の前傾動作に連動して前記可動下部(13)が自動
的に後退傾動する。それにより、シートバック(12)
の前傾動作により可動下部(13)がシートクッション
(11)へ衝突したり強く干渉するのを回避することが
できる。一方、前記前倒角度範囲(θb)内でシートバ
ック(12)を後傾させると、前記制御手段(80)の
第2記憶部(85)の働きにより、シートバック(1
2)の後傾動作に連動して前記可動下部(13)が自動
的に前進傾動して、元のソーラックスサポート形態に戻
る。
【0025】また、リクライニング機構(60)の操作
によって、シートバック(12)の傾動角度が、前記運
転角度範囲(θa)より更に後方に傾いた後倒角度範囲
(θc)内に移動したときに、かかる範囲内にあること
が前記傾動角度検出手段(90)により判定され、その
判定結果に基づき制御手段(80)の第3記憶部(8
6)は、可動下部(13)の動きを次のように自動的に
調節する。
【0026】すなわち、後倒角度範囲(θc)内でシー
トバック(12)を後傾させると、制御手段(80)の
第3記憶部(86)の働きにより、シートバック(1
2)の後傾動作に連動して前記可動下部(13)が自動
的に後退傾動する。それにより、座席をいわゆるフルフ
ラット状態にして、寝そべるようにして使用する際に、
シートバック(12)の後傾に伴い可動下部(13)が
後退傾動して引っ込むため、可動下部(13)により着
座者の腰部が上方に突き出されることがなく、着座者は
リラックス姿勢をとることができる。一方、前記後倒角
度範囲(θc)内でシートバック(12)を前傾させる
と、前記制御手段(80)の第3記憶部(86)の働き
により、今度は逆にシートバック(12)の前傾動作に
連動して可動下部(13)が自動的に前進傾動し、元の
ソーラックスサポート形態に戻る。
【0027】
【実施例】以下、図面に基づき本発明の一実施例を説明
する。図1〜図13は本発明の一実施例を示している。
図1,図3及び図8に示すように、座席装置調節システ
ム10aは、シートバック12のクッション体を保持す
るバックフレーム20にソーラックス調節機構30を設
け、かかるソーラックス調節機構30によって、シート
バック12の形態を着座する運転者の脊椎に負担を与え
ないソーラックスサポート形態(図14及び図15参
照)に調整可能なものである。
【0028】図1及び図3に示すように、座席装置調節
システム10aは、バックフレーム20(図8参照)に
設けられたソーラックス調節機構30と、シートバック
12をシートクッション11の後部側に支持するリクラ
イニング機構60と、シートバック12の形態を、リク
ライニング操作によるシートバック12の傾動角度の変
化に対応させて自動的に一定のソーラックスサポート形
態に調節する制御手段80などを有している。
【0029】図8に示すように、バックフレーム20
は、両側のサイド板24,24と、両サイド板24,2
4の各上端間を結ぶアッパパイプ21とから成る。アッ
パパイプ21にはクッション体の中程を保持する中背サ
ポートパネル25が固設されている。なお、両サイド板
24,24の下端はリクライニング機構60を介して、
シートクッション11の後端に支持されている。
【0030】図8に示すように、ソーラックス調節機構
30は、クッション体の下部を成す可動下部13の裏側
に設けた尻調節部50と、クッション体の上部を成す可
動上部14の裏側に設けた背調節部31とにより構成さ
れている。ソーラックス調節機構30を構成する尻調節
部50は、バックフレーム20のサイド板24,24間
に回動可能に枢支した尻調節軸51と、尻調節軸51の
中央側を略コ字形に湾曲させて形成した揺動支持部52
に溶接した尻サポートパネル53とを有している。
【0031】さらに詳しく言えば、尻調節軸51の一端
側には軸を回動させる尻駆動機構が設けられている。尻
駆動機構は、サイド板24の内壁にボルト45eで止着
されたギアケース45と、ギアケース45に取付けられ
た可動下部作動モータ44と、ギアケース45から前方
に延出し可動下部作動モータ44により回転駆動される
スクリュー部材46と、スクリュー部材46に相対的に
回転可能に螺合し該スクリュー部材46の回転により前
後移動するナット部材47とを有している。
【0032】また、図1に示すように、尻駆動機構の可
動下部作動モータ44を正逆両方向に任意に回転させ
て、可動下部13を所望のソーラックスサポート形態に
調節操作する可動下部作動スイッチ56(図8では図示
せず)は、後述する制御手段80に接続されている。
【0033】図8に示すように、尻駆動機構のナット部
材47には枢支ピン54が植設され、この枢支ピン54
にアーム部材55が枢支されている。アーム部材55の
下端部は、揺動支持部52の一端側に固着されており、
従って、尻サポートパネル53はナット部材47の前後
方向の移動に伴い尻調節軸51の両端を中心として前後
方向に傾動し、可動下部13を変位可能に保持してい
る。すなわち、尻サポートパネル53は、その前進傾動
とともに、可動下部13をクッション体の中央部の背も
たれ面より相対的に前方へ膨出させるよう変位させて、
ソーラックスサポート形態に保持するものである。
【0034】なお、図9及び図10に示すように、尻駆
動機構のギアケース45の側部には、位置決め用突起4
5aと、ボルト45eを嵌合させる取付用突部45b,
45bとが設けられている。また、サイド板24を間に
してギアケース45の側部とボルト45eの頭部に当接
したワッシャ45dとの間には弾性体45cが介装され
ている。
【0035】また、図8に示すように、ソーラックス調
節機構30を構成する背調節部31は、バックフレーム
20の上部にリンク等を介して傾動調節可能に支持され
た上背サポートフレーム32を有している。さらに詳し
く言えば、上背サポートフレーム32の両端部には、そ
れぞれ第1リンク部材35,35aが固設されており、
一方の第1リンク部材35の下端部は、アッパパイプ2
1の一端部に固設された枢支ブラケット22に枢軸23
を介して回動可能に連結されている。また、他方の第1
リンク部材35aの上端部は、第2リンク部材36が回
動可能に連結されており、この第2リンク部材36の略
中央部は、アッパパイプ21の他端部に固設された枢支
ブラケット22に枢軸23を介して回動可能に連結され
ている。
【0036】第2リンク部材36の下端部は、背駆動機
構により前後方向に押し引き可能に支持されている。こ
の背駆動機構による第2リンク部材36の前後方向への
回動操作により、上背サポートフレーム32は、両側の
枢軸23,23を中心として前後に傾動し、可動上部1
4を変位可能に支持している。また、上背サポートフレ
ーム32の上部33には、ヘッドレスト35を保持する
一対のホルダ部材34,34が固着してある。
【0037】背駆動機構は、サイド板24にボルトで止
着されたギアケース41と、ギアケース41に取付けら
れた可動上部作動モータ40と、ギアケース41から前
方に延出し可動上部作動モータ40により回転駆動され
るスクリュー部材42と、スクリュー部材42に相対的
に回転可能に螺合し該スクリュー部材42の回転により
前後移動するナット部材43とを有している。ナット部
材43には枢支ピン37が植設されており、この枢支ピ
ン37に前述した第2リンク部材36の下端部が回動可
能に枢支されている。
【0038】上背サポートフレーム32は、その傾動と
ともに、可動上部14をクッション体の中央部の背もた
れ面より相対的に前方へ膨出するよう変位させて、ソー
ラックスサポート形態にさせるものである。また、図1
に示すように、背駆動機構の可動上部作動モータ40を
正逆両方向に任意に回転させて、可動上部14を所望の
ソーラックスサポート形態に調節操作する可動上部作動
スイッチ38(図8では図示せず)は、可動下部作動ス
イッチ56と同様に後述する制御手段80に接続されて
いる。
【0039】前述したソーラックス調節機構30を備え
たシートバック12は、リクライニング機構60を介し
て傾動角度を任意に調整できるようにシートクッション
11の後端部に支持されている。さらに詳しく言えば、
図8及び図11に示すように、リクライニング機構60
は、シートクッション11に内装されたクッションフレ
ーム15に固設するベースブラケット61と、該ベース
ブラケット61にリクライニング軸63を介して傾動調
整可能に支持したアームブラケット62とから成る。
【0040】このリクライニング機構60は、図1に示
すリクライニング作動スイッチ64の操作によるリクラ
イニングモータ65の駆動によって、ベースブラケット
61に対してアームブラケット62を電動により傾動さ
せ、シートクッション11の傾動角度を調節するもので
ある。
【0041】図12及び図13に示すように、座席両側
の各リクライニング機構60のベースブラケット61の
上端縁には、シートバック12(図3参照)の傾動角度
を判定するための第1傾動角度検出手段70,第2傾動
角度検出手段90がそれぞれ設けられている。図11に
示すように、第1傾動角度検出手段70,第2傾動角度
検出手段90は、それぞれ機械的にON/OFFに切り
換わる切換ロッド71,91を有している。
【0042】さらに詳しく言えば、各切換ロッド71,
91は、アームブラケット62の前端縁に当接するよう
に延びており、この切換ロッド71,91が、シートバ
ック12側のアームブラケット62に接触し揺動するこ
とで、ONまたはOFFに機械的に切り換わるように設
定されている。
【0043】すなわち、図12に示すように、第1傾動
角度検出手段70の切換ロッド71は、シートバック1
2(リクライニング軸63とクッション体中間部の略中
央とを結ぶ角度線M)が運転者の運転姿勢を保てる運転
角度範囲θa内にあるとき(図中の状態)にOFFとな
る一方、シートバック12(角度線M)が運転角度範囲
θaより更に前方に傾いた前倒角度範囲θb内にあると
きにONに切り換わるように設定されている。
【0044】一方、図13に示すように、第2傾動角度
検出手段90の切換ロッド91は、シートバック12
(角度線M)が運転角度範囲θaにあるとき(図中の状
態)にOFFとなる一方、シートバック12(角度線
M)が後倒角度範囲θcにあるときONに切り換わるよ
うに設定されている。
【0045】なお、本実施例における傾動角度検出手段
の他に、例えば、リクライニングモータの回転に起因す
る磁界の変化により内部の接点が作動するセンサと、該
センサから出力されるセンサ信号をカウントして角度の
判定を行なう角度検知回路等とにより傾動角度検出手段
を構成してもよい。
【0046】図1に示すように、第1傾動角度検出手段
70と第2傾動角度検出手段90とは、ともに制御手段
80に接続されており、制御手段80にそれぞれON信
号を出力するように設定されている。制御手段80は、
図2に示すように、第1傾動角度検出手段70や第2傾
動角度検出手段90からON信号を入力した際に、リク
ライニング作動スイッチ64を操作可能とし、かつ可動
下部作動スイッチ56を操作不能に制御するものであ
る。すなわち、制御手段80は、各傾動角度検出手段7
0,90からON信号を入力することにより可動下部作
動スイッチ56を操作不能に拘束するスイッチ操作規制
部(図示せず)を有している。
【0047】また、制御手段80は、各傾動角度検出手
段70,90からON信号を入力していない状態(図3
参照)で、リクライニング作動スイッチ64から入力す
る(リクライニングモータ65の回転数・回転方向に関
する)動作信号に基づいて、後述する所定の演算を実行
した後、可動下部13及び可動上部14を自動的に変位
させるべく、可動下部作動モータ44及び可動上部作動
モータ40に角度修正信号を出力する第1記憶部84
(図1参照)を有している。
【0048】また、制御手段80は、第1傾動角度検出
手段70からON信号を入力している状態(図6参照)
で、さらに前倒角度範囲θb内でシートバック12を前
傾させる動作信号をリクライニング作動スイッチ64か
ら入力すると、シートバック12の前傾動作に連動して
可動下部13を後退傾動させる信号を可動下部作動モー
タ44に出力する一方、前倒角度範囲θb内でシートバ
ック12を後傾させる動作信号をリクライニング作動ス
イッチ64から入力すると、シートバック12の後傾動
作に連動して可動下部13を前進傾動させる信号を可動
下部作動モータ44に出力する第2記憶部85(図1参
照)を有している。
【0049】この場合、第2記憶部85の働きにより、
シートバック12の前傾動作に連動して可動下部13が
後退傾動する変位量は、可動下部13がシートクッショ
ンへ干渉するのを回避するのに必要な量に予め設定され
ており、逆にシートバック12の後傾動作に連動して可
動下部13が前進傾動する変位量は、可動下部13が元
のソーラックス形態に戻るのに必要な量に予め設定され
ている。
【0050】さらに、制御手段80は、第2傾動角度検
出手段90からON信号を入力している状態(図7参
照)で、さらに後倒角度範囲θc内でシートバック12
を後倒させる動作信号をリクライニング作動スイッチ6
4から入力すると、シートバック12の後傾動作に連動
して可動下部13を後退傾動させる信号を可動下部作動
モータ44に出力する一方、後倒角度範囲θc内でシー
トバック12を前傾させる動作信号をリクライニング作
動スイッチ64から入力すると、シートバック12の前
傾動作に連動して可動下部13を前進傾動させる信号を
可動下部作動モータ44に出力する第3記憶部86(図
1参照)を有している。
【0051】この場合、第3記憶部86の働きにより、
シートバック12の後傾動作に連動して可動下部13が
後退傾動する変位量は、可動下部13の下端とシートク
ッションの着座面との間に隙間が生じない程度の量に予
め設定されており、逆にシートバック12の前傾動作に
連動して可動下部13が前進傾動する変位量は、可動下
部13が元のソーラックス形態に戻るのに必要な量に予
め設定されている。
【0052】なお、制御手段80によって、シートバッ
ク12が何れの角度範囲内にあるときでも、かかるシー
トバック12の傾動角度を調整するリクライニング作動
スイッチ64は任意に操作できるように制御されてい
る。以上のような制御手段80は、図1に示すように、
前述した制御機能をプログラム可能な一般のマイクロコ
ンピュータ83、及び入力インターフェース81や出力
インターフェース82により構成されている。
【0053】次に作用を説明する。図3に示すように、
自動車の運転者は、シートバック12(角度線M)が運
転角度範囲θa内にあるとき、ソーラックス調節機構3
0を操作し、シートバック12の下部を成す可動下部1
3、及びシートバック12の上部を成す可動上部14を
それぞれ変位させて適宜最適なソーラックスサポート形
態に調整することができる。それにより、運転者は、長
時間座っても脊椎に負担のかからない安定した着座感を
得ることができる。
【0054】すなわち、図1に示す可動下部作動スイッ
チ56を操作すれば、可動下部13が前進または後退傾
動する信号がソーラックス調節機構30の可動下部作動
モータ44に出力される。従って、かかるスイッチ操作
により、可動下部13を前進傾動するように作動させ
て、運転者の尻の後方の隙間を埋めるようにすれば、運
転者の尻は可動下部13によって後方から保持され、着
座時の体圧分布が分散する。
【0055】一方、可動上部作動スイッチ38を操作す
れば、可動上部14が前進または後退傾動する信号がソ
ーラックス調節機構30の可動上部作動モータ40に出
力される。従って、かかるスイッチ操作により、可動上
部14を前進傾動するように作動させて、運転者の背上
部を背中部の背面位置より前方に変位させれば、運転者
は該可動下部13と前述した可動上部14とにより、ソ
ーラックスサポート姿勢に保持され、快適に着座して運
転することができる。
【0056】また、自動者の運転者は、リクライニング
作動スイッチ64の操作によって、リクライニング機構
60を作動させれば、前述のソーラックス調節機構30
とは別に、シートバック12の全体的なシートクッショ
ン11に対する傾動角度を適宜調節することができる。
【0057】このようなリクライニング機構60によっ
て、シートバック12が、運転姿勢を保てる運転角度範
囲θa内に支持されている際(図3参照)、図2に示す
如く第1傾動角度検出手段70及び第2傾動角度検出手
段90は共にOFFとなり、従って、制御手段80は、
各傾動角度検出手段70,90からON信号を入力して
いない状態にある。
【0058】このような状態で、図1に示すように、リ
クライニング作動スイッチ64の操作によりシートバッ
ク12の傾動角度を調整するのに伴い、リクライニング
作動スイッチ64が第1記憶部84にリクライニングモ
ータ65の回転数・回転方向に関する動作信号を出力す
る。この動作信号に基づいて、第1記憶部84は、シー
トバック12が傾動する向き(前後の別)を判断し、か
つ傾動した角度に対応する角度数値をカウントして記憶
する。
【0059】続いて、第1記憶部84は、カウントした
角度数値の分だけ、可動下部作動モータ44及び可動上
部作動モータ40を前後何れかの方向に回転させて、可
動下部13及び可動上部14を自動的に変位させる角度
修正信号を各モータ44,40に直接出力する。
【0060】具体的には、運転角度範囲θa内におい
て、図4に示すように、矢印Aの方向にシートバック1
2を前傾させると、それに応じた動作信号を第1記憶部
84が入力して、シートバック12(角度線M)が実際
に前傾した角度に対応する角度数値をカウントして記憶
し、その角度数値の分だけ、可動下部作動モータ44及
び可動上部モータ40を作動させる。
【0061】それにより、可動下部13は矢印Bの方向
に所定角度(角度数値に対応した角度)の分まで前進傾
動して、ソーラックスサポート形態を成す可動下部13
の鉛直線lに対する角度(傾き)αは一定に保たれる。
例えば、図4においてシートバック12(角度線M)が
10度前傾すると、可動下部13は図8に示す尻調節軸
51の両端を中心として10度前進傾動する。同様に、
可動上部13は矢印Cの方向に所定角度の分まで後傾し
て、ソーラックスサポート形態を成す可動上部13の鉛
直線lに対する角度(傾き)βは一定に保たれる。
【0062】一方、運転角度範囲θa内において、図5
に示すように、矢印Dの方向にシートバック12を後傾
させると、それに応じた動作信号を第1記憶部84が入
力して、シートバック12(角度線M)が実際に後傾し
た角度に対応する角度数値をカウントして記憶し、その
角度数値の分だけ、可動下部作動モータ44及び可動上
部モータ40を作動させる。
【0063】それにより、可動下部13は矢印Eの方向
に所定角度の分まで後進傾動して、ソーラックスサポー
ト形態を成す可動下部13の鉛直線lに対する角度(傾
き)αは一定に保たれる。一方、可動上部13は矢印F
の方向に所定角度の分まで前傾して、ソーラックスサポ
ート形態を成す可動上部13の鉛直線lに対する角度
(傾き)βは一定に保たれる。
【0064】以上のように、制御手段80の第1記憶部
84によって、リクライニング操作によりシートバック
12の傾動角度が変化しても、可動下部13や可動上部
14が運転者の最適なソーラックスサポート姿勢を形成
する角度(鉛直線lに対する可動下部13や可動上部1
4の傾き)α,βは、ほぼ一定に保たれ、従って、リク
ライニング操作の度に、可動下部13や可動下部13の
角度を再度調整し直す必要はない。
【0065】また、図6及び図1に示すように、リクラ
イニング機構60のリクライニング作動スイッチ64の
操作によって、シートバック12の傾動角度が前倒角度
範囲θb内に移動すると、第1傾動角度検出手段70は
ONの状態となり制御手段80の第2記憶部85にON
信号を出力する。一方、第2傾動角度検出手段90はO
FFの状態となる。第2記憶部85は、図2に示すよう
に、第1傾動角度検出手段70からのみON信号を入力
した際に、リクライニング作動スイッチ64を操作と
し、かつ可動下部作動スイッチ56を操作不能に制御す
る。
【0066】また、図6及び図1に示すように、シート
バック12が前倒角度範囲θb内にあるときに、第2記
憶部85は、第1傾動角度検出手段70からON信号を
入力しており、この状態でさらに前倒角度範囲θb内で
シートバック12を前傾させる動作信号をリクライニン
グ作動スイッチ64から入力すると、シートバック12
の前傾動作に連動して可動下部13を後退傾動させる信
号を可動下部作動モータ44に出力する。
【0067】それにより、シートバック12の前傾動作
に連動して、可動下部作動モータ44は自動的に一方向
に作動し可動下部13を後退傾動させるから、シートバ
ック12の前傾動作によって可動下部13がシートクッ
ション11へ衝突したり強く干渉するのを回避すること
ができる。
【0068】一方、第2記憶部85は、第1傾動角度検
出手段70からのみON信号を入力している状態で、さ
らに前倒角度範囲θb内でシートバック12を後傾させ
る動作信号をリクライニング作動スイッチ64から入力
すると、シートバック12の後傾動作に連動して可動下
部13を前進傾動させる信号を可動下部作動モータ44
に出力する。それにより、シートバック12の後傾動作
に連動して、可動下部作動モータ44は自動的に逆方向
に作動し可動下部13を前進傾動させるから、シートバ
ック12は、元のソーラックスサポート形態に戻る。
【0069】また、リクライニング機構60のリクライ
ニング作動スイッチ64の操作して、リクライニングモ
ータ65を作動させることにより、図7に示すようにシ
ートバック12の傾動角度が後倒角度範囲θc内に移動
すると、第2傾動角度検出手段90はONの状態となり
制御手段80の第3記憶部86にON信号を出力する。
一方、第1傾動角度検出手段70はOFFとなる。第3
記憶部86は、図2に示すように、第2傾動角度検出手
段90からのみON信号を入力した際に、リクライニン
グ作動スイッチ64を操作可能とし、かつ可動下部作動
スイッチ56を操作不能に制御する。
【0070】また、図7に示すように、シートバック1
2が後倒角度範囲θc内にあるときに、第3記憶部86
は、第2傾動角度検出手段90からON信号を入力して
おり、この状態でさらに後倒角度範囲θc内でシートバ
ック12を後傾させる動作信号をリクライニング作動ス
イッチ64から入力すると、シートバック12の後傾動
作に連動して可動下部13を後退傾動させる信号を可動
下部作動モータ44に出力する。
【0071】それにより、シートバック12の後傾動作
に連動して、可動下部作動モータ44は自動的に一方向
に作動し、可動下部13が後退傾動して引っ込むから、
座席をいわゆるフルフラット状態にして寝そべるように
して使用する際に、可動下部13がシートバック12の
着座面より上方に突出することがない。従って、着座者
は腰部を上方に突き出されることなく、リラックス姿勢
をとることができる。また、シートバック12を後傾さ
せても、可動下部13とシートクッション11との間に
隙間が発生することもないため、隙間からシートの内蔵
物が見えて外観を損ねたり、隙間に小物等が落ちてしま
うという虞れもない。
【0072】一方、第3記憶部86は、第2傾動角度検
出手段90からON信号を入力している状態で、さらに
後倒角度範囲θc内でシートバック12を前傾させる動
作信号をリクライニング作動スイッチ64から入力する
と、シートバック12の前傾動作に連動して可動下部1
3を前進傾動させる信号を可動下部作動モータ44に出
力する。それにより、シートバック12の前傾動作に連
動して、可動下部作動モータ44は自動的に逆方向に作
動し可動下部13を前進傾動させるから、シートバック
12は、元のソーラックスサポート形態に戻る。
【0073】なお、シートバックの可動下部や可動上部
がソーラックスサポート形態を形づくる位置に移動した
ことを客観的に判断することができるセンサ等を設けれ
ば、運転者の不慣れや錯覚等によりソーラックスサポー
ト形態に調整されないといった不具合が排除され、確実
にソーラックスサポート形態への調整が行なわれる。
【0074】なお、本実施例では、運転角度範囲内にお
けるシートバックの傾動角度の変化に応じて、制御手段
の第1記憶部により可動下部及び可動上部の両方が調整
されるが、可動下部及び可動上部のどちらか一方のみを
調整する態様でもよい。
【0075】
【発明の効果】本発明に係る座席装置調節システムによ
れば、ソーラックス調節機構によって、シートバックの
可動下部及び可動上部をそれぞれ前進傾動させて、運転
者の尻を後方から保持するとともに、運転者の背上部を
背中部の背面位置より前方に変位させることができるか
ら適宜最適なソーラックスサポート形態に調整すること
ができ、運転者は長時間座っても疲労が蓄積しないソー
ラックスサポート形態で脊椎に負担を与えることなく安
定した姿勢で運転することができる。
【0076】しかも、リクライニング機構によるシート
バックの傾動角度の変化に応じて、ソーラックスサポー
ト形態を成す可動下部及び可動上部の少なくとも一方の
鉛直線に対するそれぞれの傾きを自動的にほぼ一定に保
てるから、リクライニング操作の度に、可動下部や可動
下部の角度を再度調整し直す必要はなく、より簡易かつ
確実にソーラックスサポート形態に調節できる。
【0077】また、シートバックを所定の角度よりも前
傾させると、可動下部が自動的に後退傾動するよう調節
するから、シートバックの前傾操作時に可動下部がシー
トクッションに干渉することがなく、作動不良やシート
のしわの発生を未然に防ぐことができる。さらに、シー
トバックを所定の角度よりも後傾させると、可動下部が
自動的に後退傾動するよう調節するから、いわゆるフル
フラット状態にして寝そべるようにして使用する際に、
可動下部がシートバックの着座面より上方に突出するこ
とがなく、着座者は腰部を上方に突き出されることなく
リラックス姿勢をとることができ、また、可動下部とシ
ートクッションとの間に隙間が発生することもないた
め、隙間からシートの内蔵物が見えて外観を損ねたり、
隙間に小物等が落ちてしまうという虞れもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る座席装置調節システム
を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例に係る座席装置調節システム
の制御手段の働きを示す説明図である。
【図3】本発明の一実施例に係る座席装置調節システム
により制御されるシートバックが運転角度範囲内にある
状態を示す作用説明図である。
【図4】本発明の一実施例に係る座席装置調節システム
により制御されるシートバックが運転角度範囲内にある
状態を示す作用説明図である。
【図5】本発明の一実施例に係る座席装置調節システム
により制御されるシートバックが運転角度範囲内にある
状態を示す作用説明図である。
【図6】本発明の一実施例に係る座席装置調節システム
により制御されるシートバックが前倒角度範囲内にある
状態を示す作用説明図である。
【図7】本発明の一実施例に係る座席装置調節システム
により制御されるシートバックが後倒角度範囲内にある
状態を示す作用説明図である。
【図8】本発明の一実施例に係る座席装置調節システム
のソーラックス調節機構を示す斜視図である。
【図9】本発明の一実施例に係る座席装置調節システム
のソーラックス調節機構を構成する尻駆動機構のギアケ
ースをバックフレームに取付けた状態を示す側面図であ
【図10】図9のXーX線断面図である。
【図11】本発明の一実施例に係る座席装置調節システ
ムのリクライニング機構を示す側面図である。
【図12】本発明の一実施例に係る座席装置調節システ
ムのリクライニング機構及び第1傾動検出手段を示す作
用説明図である。
【図13】本発明の一実施例に係る座席装置調節システ
ムのリクライニング機構及び第2傾動検出手段を示す作
用説明図である。
【図14】ソーラックスサポート形態を説明するための
図である。
【図15】ソーラックスサポート形態を説明するための
図である。
【図16】直立姿勢における人体の脊椎の状態を説明す
るための図である。
【図17】従来の座席装置調節システムにおけるサポー
ト姿勢を説明するための図である。
【図18】従来の座席装置調節システムにおけるサポー
ト姿勢を説明するための図である。
【図19】改良前の座席装置を説明するための側面図で
ある。
【図20】改良前の座席装置を説明するための側面図で
ある。
【図21】改良前の座席装置における前倒姿勢を説明す
るための側面図である。
【図22】改良前の座席装置における後倒姿勢を説明す
るための側面図である。
【符号の説明】
10a…座席装置調節システム 10…座席装置 11…シートクッション 12…シートバック 13…可動下部 14…可動上部 30…ソーラックス調節機構 31…背調節部 38…可動上部作動スイッチ 50…尻調節部 56…可動下部作動スイッチ 60…リクライニング機構 64…リクライニング作動スイッチ 70…第1傾動角度検出手段 90…第2傾動角度検出手段 80…制御手段 84…第1記憶部 85…第2記憶部 86…第3記憶部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動車の運転者の脊椎に負担を与えないソ
    ーラックスサポート姿勢に調整可能な座席装置に備えら
    れ、該座席装置のシートバックの形態を、リクライニン
    グ操作によるシートバックの傾動角度の変化に対応させ
    て自動的に一定のソーラックスサポート形態に調節する
    ための座席装置調節システムであって、 前記シートバックのクッション体の下部及び上部を、そ
    れぞれソーラックスサポート形態に変位可能な可動下部
    及び可動上部とし、運転者がソーラックスサポート姿勢
    を取るとき、前記可動下部を前進傾動させて運転者の尻
    を後方から保持し、かつ前記可動上部を前進傾動させて
    運転者の背上部を背中部の背面位置より前方に変位させ
    るべく、バックフレームに設けられたソーラックス調節
    機構と、 前記可動下部が前進または後退傾動する信号を前記ソー
    ラックス調節機構に出力し、該可動下部を所望のソーラ
    ックス形態に調節する可動下部作動スイッチ、及び前記
    可動上部が前進または後退傾動する信号を前記ソーラッ
    クス調節機構に出力し、該可動上部を所望のソーラック
    ス形態に調節する可動上部作動スイッチと、 前記シートバックを、その傾動角度を任意に調整可能に
    シートクッションの後部側に支持するリクライニング機
    構と、 前記シートバックが前傾または後傾する信号を前記リク
    ライニング機構に出力し、該シートバックの傾動角度を
    任意に調整するリクライニング作動スイッチと、 前記シートバックの傾動角度が、運転者が運転姿勢を保
    てる運転角度範囲内にあるか、または該運転角度範囲よ
    り更に前方に傾いた前倒角度範囲内にあるか、または前
    記運転角度範囲より更に後方に傾いた後倒角度範囲内に
    あるかを判定する傾動角度検出手段と、 前記傾動角度検出手段の判定結果に基づいて前記ソーラ
    ックス調節機構を自動的に作動させ、前記可動下部及び
    可動上部を変位させる制御手段とを具備して成り、 前記制御手段は、 前記シートバックの傾動角度が前記運転角度範囲内にあ
    ると判定されたときに、該運転角度範囲内でのシートバ
    ックの傾動角度の変化に応じて、ソーラックスサポート
    形態を成す前記可動下部及び可動上部のうちの少なくと
    も一方の鉛直線に対するそれぞれの傾きをほぼ一定に保
    つべく、前記シートバックの前後傾動作に連動して、前
    記可動下部及び可動上部のうちの少なくとも一方をそれ
    ぞれ前進または後退傾動させる第1記憶部と、 前記シートバックの傾動角度が前記前倒角度範囲内にあ
    ると判定されたときに、該前倒角度範囲内でのシートバ
    ックの前傾動作に連動して、前記可動下部の前記シート
    クッションへ干渉を回避すべく、該可動下部を後退傾動
    させる一方、前記シートバックの後傾動作に連動して、
    前記可動下部がソーラックス形態を取るべく、該可動下
    部を前進傾動させる第2記憶部と、 前記シートバックの傾動角度が前記後倒角度範囲内にあ
    ると判断されたときに、該後倒角度範囲内でのシートバ
    ックの後傾動作に連動して、前記可動下部が前記シート
    クッションの着座面より上方に突出するのを回避すべ
    く、該可動下部を後退傾動させる一方、前記シートバッ
    クの前傾動作に連動して、前記可動下部が前記ソーラッ
    クスサポート形態を取るべく、該記可動下部を前進傾動
    させる第3記憶部とを、 有することを特徴とする座席装置。
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