JPH06200004A - 芳香族ポリカーボネート共重合体 - Google Patents

芳香族ポリカーボネート共重合体

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JPH06200004A
JPH06200004A JP29151293A JP29151293A JPH06200004A JP H06200004 A JPH06200004 A JP H06200004A JP 29151293 A JP29151293 A JP 29151293A JP 29151293 A JP29151293 A JP 29151293A JP H06200004 A JPH06200004 A JP H06200004A
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JP
Japan
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hydroxyphenyl
bis
bisphenol
copolymer
aromatic polycarbonate
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JP29151293A
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English (en)
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Masami Nishiguchi
雅己 西口
Toshimasa Tokuda
俊正 徳田
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Furukawa Electric Co Ltd
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Chemicals Ltd
Furukawa Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特に耐熱性、熱安定性、耐酸化性に優れ、良
好な透明性、成形性を有する芳香族ポリカーボネートを
提供する。 【構成】 2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン53
〜99.5モル%と9,9−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)フルオレン47〜0.5モル%からなる二価フェ
ノ−ルにカーボネート前駆物質を反応させて得られる特
定分子量の芳香族ポリカーボネート共重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香族ポリカーボネー
ト共重合体に関する。さらに詳しくは、特に耐加水分解
性、耐熱性、熱安定性、耐酸化性に優れ、良好な透明
性、成形性を有する芳香族ポリカーボネート共重合体に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、代表的な芳香族ポリカーボネート
として知られている2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン(以下ビスフェノールAと略称する)に
ホスゲンやジフェニルカーボネート等のカーボネート前
駆物質を反応させて得られるビスフェノールAからのポ
リカーボネートは透明性、耐熱性、機械的特性に優れ、
さらに寸法精度がよい等多くの優れた性質を有するがゆ
えにエンジニアリングプラスチックとして幅広く用いら
れている。しかしながら、近年軽薄短少化を反映してよ
り熱源に近い位置で用いられる場合が多く、光線透過率
等の光学特性に加えてさらに高い耐熱性、熱安定性、耐
酸化性が求められている。一方、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサ
フルオロプロパン(以下ビスフェノールAFと略称す
る)にカーボネート前駆物質を反応させると耐熱性の優
れた芳香族ポリカーボネートが得られることが公知であ
る(特公平3−12283号公報)。しかしながら、ビ
スフェノールAFからのポリカーボネートは、ビスフェ
ノールAからのポリカーボネートより耐加水分解性や熱
安定性に劣り、しかもそのガラス転移温度が160℃に
達せず、その耐熱性も充分に満足できるものではない。
また、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオ
レンにカーボネート前駆物質を反応させると耐熱性の優
れた芳香族ポリカーボネートが得られることも公知であ
る(米国特許第3546165号明細書)。しかしなが
ら、この芳香族ポリカーボネートを合成する際、溶媒に
不溶のゲル状物が多量に生成し、溶媒可溶成分の収率は
高々60〜70%で実用性に乏しい上にこのものを溶融
成形しようとしても、溶融粘度が高すぎて成形できない
という問題があった。さらに、ビスフェノールAFと
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの
交互共重合体も知られている(Macromolecules, Vol
3, No.5,1970,536〜544)。しかしなが
ら、この共重合体は本発明のようなランダム共重合体で
はなく軟化温度が高すぎて溶融成形は困難であり、また
耐酸化性に劣り実用性に乏しい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は特に耐
加水分解性、耐熱性、熱安定性、耐酸化性に優れ、良好
な透明性、成形性を有する芳香族ポリカーボネートを提
供することにある。本発明者は、上記目的を達成せんと
してビスフェノールAFからのポリカーボネートの耐加
水分解性、熱安定性及び耐熱性を改善せんとして鋭意研
究を重ねた結果、ビスフェノールAFからのポリカーボ
ネートに特定量の9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)フルオレンを共重合した特定の分子量範囲の芳香族
ポリカーボネート共重合体が特に優れた耐加水分解性、
耐熱性、熱安定性、耐酸化性を有し、しかも優れた色
相、透明性、成形性を有していることを見出した。本発
明はこの知見に基づき完成したものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、ビスフェノー
ルAF53〜99.5モル%と9,9−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)フルオレン47〜0.5モル%からな
る二価フェノールを主とする二価フェノールにカーボネ
ート前駆物質を反応させて得られる芳香族ポリカーボネ
ート共重合体であってその0.7gを塩化メチレン10
0mlに溶解して20℃で測定した比粘度が0.160
〜0.418である芳香族ポリカーボネート共重合体に
係るものである。本発明の共重合体を製造するに用いる
ビスフェノールAFは、ヘキサフルオロアセトンとフェ
ノールの反応により得られる。ビスフェノールAFの不
純物の量があまりに多くなると得られる共重合体の透明
性や熱安定性が低下するようになるので再結晶処理した
ものが好ましく、特に再結晶処理を繰返して不純物の量
を液体クロマトグラフィーで0.02%以下に減少させ
た純度99.98%以上のものが好ましい。また、9,
9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンはフル
オレノンとフェノールの反応により得られる。このもの
も不純物の量があまりに多くなると得られる共重合体の
熱安定性が低下するようになるので再結晶処理したもの
が好ましく、特に再結晶処理を繰返して不純物の量を液
体クロマトグラフィーで1%以下に減少させた純度99
%以上のものが好ましい。ビスフェノールAFと9,9
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの使用割
合、即ち共重合割合は前者が53〜99.5モル%、後
者が47〜0.5モル%であり、好ましくは前者が55
〜95モル%で後者が45〜5モル%、さらに好ましく
は前者が60〜95モル%で後者が40〜5モル%であ
る。9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレ
ンの割合が0.5モル%未満では所望の耐加水分解性が
得られず、47モル%を超えると成形性や耐酸化性が悪
化するようになる。また、9,9−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)フルオレンの割合が5モル%以上になると
耐加水分解性がさらに向上すると同時に高い耐熱性が得
られるようになる。
【0005】また本発明の芳香族ポリカーボネート共重
合体において、二価フェノール成分としてビスフェノー
ルAFとビスフェノールFLを用いた場合に関する説明
は、ビスフェノールFLに代えて、ビスフェノールFL
と1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェ
ニルエタン(以下ビスフェノールAPという)の組合わ
せを含有させた場合に適用される。本発明はそのような
場合も包含する。この場合、二価フェノール成分中の含
有量は、ビスフェノールFLとビスフェノールAPとを
合計で、前記ビスフェノールFLと同じ含有量、すなわ
ち、47〜0.5モル%含有していてもよい。さらに、
この際のビスフェノールFLとビスフェノールAPとの
前記含有量の技術的意義、及び得られた共重合体の比粘
度など要求物性は、ビスフェノールAFに対しビスフェ
ノールFLを用いた場合と同様である。本発明の共重合
体には、少量であれば(通常10モル%以下)他の二価
フェノールをさらに共重合させてもよい。他の二価フェ
ノールとしては例えばビスフェノールA、4,4′−ジ
ヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェ
ニルエタン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−フェニ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4′−ジヒドロ
キシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシジフ
ェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシジフェニ
ルスルフィド、3,3′−ジメチル−4,4′−ジヒド
ロキシジフェニルスルフィド、4,4′−ジヒドロキシ
ジフェニルオキシド等があげられる。
【0006】上記二価フェノールに反応させるカーボネ
ート前駆物質としては、例えばホスゲン、ジフェニルカ
ーボネート等があげられる。本発明の芳香族ポリカーボ
ネート共重合体を製造するには、通常のビスフェノール
Aからのポリカーボネートを製造する際に採用する方
法、例えば二価フェノールとホスゲンとの反応、又は二
価フェノールとビスアリールカーボネートとのエステル
交換反応が好ましく採用される。二価フェノールとホス
ゲンのモル比は、通常、二価フェノール1モルに対して
ホスゲン1.05〜1.50モルが好ましい。
【0007】二価フェノールとホスゲンとの反応では、
通常酸結合剤及び有機溶媒の存在下に反応を行う。酸結
合剤としては例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
等のアルカリ金属の水酸化物、ピリジン等が用いられ
る。有機溶媒としては例えば塩化メチレン、クロロベン
ゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また、反応
促進のために例えば第三級アミン、第四級アンモニウム
塩等の触媒を用いることができ、分子量調節剤として例
えばフェノール、p−tert−ブチルフェノール等の
末端停止剤を用いることが望ましい。反応温度は通常0
〜40℃、反応時間は数分〜5時間、反応中のpHは通
常10以上に保つのが好ましい。一方、エステル交換反
応では、不活性ガスの存在下に二価フェノールとビスア
リールカーボネートを混合し、減圧下通常120〜35
0℃で反応させる。減圧度は段階的に変化させ、最終的
には1mmHg以下にして生成したフェノール類を系外
に留去させる。反応時間は通常1〜4時間程度である。
また、必要に応じて分子量調節剤や酸化防止剤を加えて
もよい。
【0008】かくして得られる芳香族ポリカーボネート
共重合体は、その分子量があまりに小さいと得られる成
形品が脆くなり、あまりに大きくなると溶融流動性が悪
くなり、良好な成形品が得られ難くなるので、ポリマー
0.7gを塩化メチレン100mlに溶解して20℃で
測定した比粘度が0.160〜0.418のものが適当
であり、特に0.165〜0.345のものが好まし
い。
【0009】本発明の芳香族ポリカーボネート共重合体
はフィルムやその他の成形品に成形される。成形方法と
しては、通常の芳香族ポリカーボネートの成形に採用さ
れる方法、例えば射出成形法、圧縮成形法、押出成形
法、溶液キャスティング法等の方法が任意に採用され
る。なお、成形に際しては、本発明の芳香族ポリカーボ
ネート共重合体をそのまま成形してもよいが、必要に応
じて例えば熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、着色剤、
帯電防止剤、滑剤、離型剤等の添加剤を加えて成形して
もよい。また、本発明の芳香族ポリカーボネート共重合
体は他のポリカーボネートやそれ以外の熱可塑性樹脂と
混合して使用してもよい。特に、本発明の芳香族ポリカ
ーボネート共重合体にホスファイト系、フェノール系、
有機イオウ系の酸化防止剤の少なくとも一種を配合する
ことは好ましいことである。ここで用いるホスファイト
系酸化防止剤としては例えばトリフェニルホスファイ
ト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,
4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ト
リデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、ト
リオクタデシルホスファイト、ジデシル−モノフェニル
ホスファイト、ジオクチル−モノフェニルホスファイ
ト、ジイソプロピル−モノフェニルホスファイト、モノ
ブチル−ジフェニルホスファイト、モノデシル−ジフェ
ニルホスファイト、モノオクチル−ジフェニルホスファ
イト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチ
ルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイ
ト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブ
チルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフ
ェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビ
ス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエ
リスリトール−ジ−ホスファイト、テトラキス(2,4
−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4−ジフェニ
レンホスホナイト等の亜リン酸のトリエステル、又はエ
ステル部をアルキル基、フェニル基、アルキルアリール
基等で置換したジエステル、モノエステルであり、これ
らは単独で使用しても又は二種以上併用してもよい。な
かでもトリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス
(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイ
ト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニ
ル)−4,4−ジフェニレンホスホナイトが好ましい。
【0010】フェノール系酸化防止剤は、フェノール系
化合物の水酸基に対してオルト位に嵩高の基が存在する
ヒンダードフェノール系化合物であり、例えばトリエチ
レングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−
5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5
−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート]、ペンタエリスリトール−テトラキス
[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,
4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N−N′−ヘキサメチ
レンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシ−ヒドロシンナマミド)、3,5−ジ−tert−
ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネート−
ジエチルエステル、トリス(3,5−ジ−tert−ブ
チル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレイト、
3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[β−(3−t
ert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)プロピオニルオキシ]エチル}−2,4,8,10
−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等があげら
れ、なかでもペンタエリスリトール−テトラキス[3−
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5
−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネートが好ましい。
【0011】有機イオウ系酸化防止剤としては例えばテ
トラキス[メチレン−3−(ヘキシルチオ)プロピオネ
ート]メタン、テトラキス[メチレン−3−(デシルチ
オ)プロピオネート]メタン、テトラキス[メチレン−
3−(ラウリルチオ)プロピオネート]メタン、テトラ
キス[メチレン−3−(オクチルチオ)プロピオネー
ト]メタン、ジラウリル−3,3′−チオジプロピオネ
ート、ジミリスチル−3,3′−チオジプロピオネー
ト、ジステアリル−3,3′−チオジプロピオネート、
ジトリデシル−3,3′−チオジプロピオネート、2,
2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−ter
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]、2,2−チオビス(4−メチル−6−tert−
ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾー
ル等があげられ、なかでもテトラキス[メチレン−3−
(ラウリルチオ)プロピオネート]メタンが好ましい。
かかる酸化防止剤の配合量は、芳香族ポリカーボネート
共重合体100重量部に対して0.001〜1.0重量
部である。
【0012】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明をさらに詳細に
説明する。なお、実施例中の部及び%は重量部及び重量
%であり、測定は下記の方法による。 比粘度:ポリマー0.7gを塩化メチレン100mlに
溶解して20℃で測定した。 耐加水分解性:ポリマーを120℃の水蒸気中に150
時間保持したときの分子量低下を比粘度の保持率で示し
た。 透明性:ポリマーを280℃で圧縮成形した径40m
m、厚み2mmの円盤の全光線透過率を測定した。 耐熱性:デュポン社製DSC−910を用いて昇温速度
10℃/分でガラス転移温度を測定した。 熱安定性:ポリマー3gを試験管に封入して真空脱気
し、330℃で4時間熱処理し、塩化メチレン200m
lに溶解し、光路長10cmの石英セルを用いて600
nmの光線透過率を(株)日立製作所製分光光度計U−
3400により測定した。 耐酸化性:ポリマー40gを恒温槽内で空気雰囲気下2
80℃で4時間加熱した後塩化メチレン400gに溶解
し、光路長25cmの石英セルを用いて860〜280
nmの光線透過率を分光光度計U−3400により測定
し、ポリマー1cm当りの光線透過率に換算した。
【0013】実施例1 撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応槽にイオン
交換水249部及び48.5%水酸化ナトリウム水溶液
16.4部を加え、窒素ガスで30分間バブリングして
脱酸素し、これにハイドロサルファイト0.05部を加
え、純度99.98%のビスフェノールAF27.1部
及び純度99.8%の9,9−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)フルオレン3.14部を溶解し、塩化メチレン
267部を加え、撹拌下14〜16℃でホスゲン10.
4部を約60分かけて吹込んだ。次いで48.5%水酸
化ナトリウム水溶液5.6部及びp−tert−ブチル
フェノール0.67部を加え、攪拌して乳化させた後ト
リエチルアミン0.02部を加え、30℃で約2時間撹
拌して反応を終了した。反応終了後有機相を分取し、塩
酸酸性にした後水洗を繰返して不純物を除去した後塩化
メチレンを蒸発して共重合ポリマーを得た。得られた共
重合ポリマーの比粘度は0.211であり、水蒸気処理
による比粘度の保持率は79%と良好な耐加水分解性を
示し、ガラス転移温度は167℃と高い耐熱性を示し、
全光線透過率は89%と良好であり、熱処理後の光線透
過率も82%と優れた熱安定性を示し、耐酸化性も図1
に1(□)で示す通りビスフェノールAからのポリマー
に比較して著しく優れている。
【0014】実施例2 実施例1で使用した装置にイオン交換水1897部、4
8.5%水酸化ナトリウム水溶液125部及びハイドロ
サルファイト0.5部を入れ、実施例1と同様にして脱
酸素した後、純度99.98%のビスフェノールAF1
83.5部及び純度99.8%の9,9−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)フルオレン47.9部を溶解し、塩
化メチレン2038部を加え、撹拌下13〜16℃でホ
スゲン79.1部を約50分を要して吹込んだ。次いで
48.5%水酸化ナトリウム水溶液42.5部及びp−
tert−ブチルフェノール6.7部を加え、攪拌して
乳化させた後トリエチルアミン0.17部を加え、30
℃で2時間撹拌して反応を終了した。このものを実施例
1と同様に処理して共重合ポリマーを得た。この共重合
ポリマーの比粘度は0.177であり、水蒸気処理によ
る比粘度の保持率は80%と良好な耐加水分解性を示
し、ガラス転移温度は178℃と高い耐熱性を示し、全
光線透過率は89%と良好であり、熱処理後の光線透過
率も80%と優れた熱安定性を示し、耐酸化性も図1に
2(+)で示す通りビスフェノールAからのポリマーに
比較して著しく優れている。
【0015】実施例3 実施例1で使用した装置にイオン交換水2371部、4
8.5%水酸化ナトリウム水溶液156部及びハイドロ
サルファイト0.6部を入れ、実施例1と同様にして脱
酸素した後、純度99.98%のビスフェノールAF1
57.6部及び純度99.8%の9,9−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)フルオレン134.6部を溶解し、
塩化メチレン2548部を加え、撹拌下13〜16℃で
ホスゲン98.5部を約50分を要して吹込んだ。次い
で48.5%水酸化ナトリウム水溶液53.2部及びp
−tert−ブチルフェノール8.5部を加え、攪拌し
て乳化させた後トリエチルアミン0.2部を加え、30
℃で2時間撹拌して反応を終了した。このものを実施例
1と同様に処理して共重合ポリマーを得た。この共重合
ポリマーの比粘度は0.178であり、水蒸気処理によ
る比粘度の保持率は85%、ガラス転移温度は215℃
と高い耐加水分解性と耐熱性を示し、全光線透過率は8
9%と良好であり、熱処理後の光線透過率も89%と優
れた熱安定性を示し、耐酸化性も図1に3(◇)で示す
通りビスフェノールAからのポリマーに比較して著しく
優れている。
【0016】実施例4 実施例1で使用した装置にイオン交換水543部、4
8.5%水酸化ナトリウム水溶液54.8部及びハイド
ロサルファイト0.2部を入れ、実施例1と同様にして
脱酸素した後、純度99.98%のビスフェノールAF
98.2部及び純度99.8%の9,9−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)フルオレン1.04部を溶解し、塩
化メチレン472部を加え、撹拌下13〜16℃でホス
ゲン34.5部を約50分を要して吹込んだ。次いで4
8.5%水酸化ナトリウム水溶液18.4部及びp−t
ert−ブチルフェノール2.44部を加え、攪拌して
乳化させた後トリエチルアミン0.1部を加え、30℃
で2時間撹拌して反応を終了した。このものを実施例1
と同様に処理して共重合ポリマーを得た。この共重合ポ
リマーのガラス転移温度は159℃、比粘度は0.17
2であり、水蒸気処理による比粘度の保持率は76%と
良好な耐加水分解性を示し、全光線透過率は89%と良
好であり、熱処理後の光線透過率も84%と優れた熱安
定性を示した。
【0017】比較例1 9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンを
使用せずにビスフェノールAFの使用量を30.2部に
する以外は実施例1と同様にしてビスフェノールAFの
ホモポリマーを得た。このホモポリマーのガラス転移温
度は157℃と低く耐熱性が劣る。比粘度は0.194
であり、全光線透過率は89%と良好であるが、水蒸気
処理による比粘度の保持率は69%と耐加水分解性が劣
る。
【0018】比較例2 ビスフェノールAFを使用せずに9,9−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)フルオレンの使用量を31.5部に
する以外は実施例1と同様にして得た9,9−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)フルオレンのホモポリカーボネ
ートは、ガラス転移温度は287℃と充分に高いが、3
00℃では溶融不充分で満足な成形品は得られなかっ
た。
【0019】比較例3 比粘度が0.279であるビスフェノールAからのポリ
カーボネート[帝人化成(株)製パンライトAD−55
03]を用いて評価したところ全光線透過率は89%と
良好であるが、ガラス転移温度は149℃と低く耐熱性
が劣り、耐酸化性も図1に4(△)で示す通り劣るもの
であった。
【0020】
【発明の効果】本発明の芳香族ポリカーボネート共重合
体は特に耐加水分解性、耐熱性、熱安定性、耐酸化性に
優れ、さらに透明性、成形性にも優れているので、高い
耐熱性、光学特性及び耐水性が要求される分野、例えば
ヘッドランプレンズ、各種レンズ、プリズム、光ファイ
バー、光導波路、コネクター、光ディスク、液晶パネル
等各種光学機器用素材として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリマーの耐酸化性を示すための熱処理後のポ
リマーの溶液の分光光線透過率を示すチャートである。
【符号の説明】
1 本発明(実施例1)の芳香族ポリカーボネート共重
合体[ビスフェノールAF90モル%、9,9−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン10モル%]の
分光光線透過率 2 本発明(実施例2)の芳香族ポリカーボネート共重
合体[ビスフェノールAF80モル%、9,9−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン20モル%]の
分光光線透過率 3 本発明(実施例3)の芳香族ポリカーボネート共重
合体[ビスフェノールAF55モル%、9,9−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン45モル%]の
分光光線透過率 4 ビスフェノールAからのポリカーボネート(比較例
3)の分光光線透過率

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
    ル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパ
    ン53〜99.5モル%と9,9−ビス(4−ヒドロキ
    シフェニル)フルオレン47〜0.5モル%からなる二
    価フェノールを主とする二価フェノールにカーボネート
    前駆物質を反応させて得られる芳香族ポリカーボネート
    共重合体であってその0.7gを塩化メチレン100m
    lに溶解して20℃で測定した比粘度が0.160〜
    0.418であることを特徴とする芳香族ポリカーボネ
    ート共重合体。
JP29151293A 1992-11-02 1993-10-28 芳香族ポリカーボネート共重合体 Pending JPH06200004A (ja)

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JP31559992 1992-11-02
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7512309B2 (en) 2004-12-27 2009-03-31 Mitsubishi Rayon Co, Ltd. Polymer composition, plastic optical fiber, plastic optical fiber cable, and method for manufacturing plastic optical fiber
WO2011075229A1 (en) 2009-12-18 2011-06-23 Dow Global Technologies Llc Plastic optical fiber comprising cyclic block copolymer

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