JP3268663B2 - 芳香族ポリカーボネート - Google Patents

芳香族ポリカーボネート

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香族ポリカーボネー
トに関するものである。更に詳しくは、優れた耐熱性と
透明性を有し、良好な成形性を有する芳香族ポリカーボ
ネートに関するもりである。
【0002】
【従来の技術】従来、代表的な芳香族ポリカーボネート
として知られている2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン(以下ビスフェノールAと略称する)に
ホスゲンやジフェニルカーボネート等のカーボネート前
駆物質を反応させて得られるビスフェノ−ルAからの芳
香族ポリカーボネートは透明性、耐熱性、機械的特性に
優れ、更に寸法精度がよい等多くの優れた性質を有する
がゆえにエンジニアリングプラスチックとして幅広く用
いられている。しかしながら、近年軽薄短少化を反映し
て、より熱源に近い位置で用いられる場合が増加し、光
線透過率等の光学特性に加えて更に高い耐熱性が求めら
れている。一方、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパ
ン(以下ビスフェノールAFと略称する)にカーボネート
前駆物質を反応させると耐熱性の優れた芳香族ポリカー
ボネートが得られることは公知である(特公平3−12
283号公報)。しかしながら、通常のビスフェノール
AFから得られる芳香族ポリカーボネートは熱安定性に劣
り、成形品が黄色に着色し光線透過率が低く、そのまま
では高い透明性を要求される分野には利用できない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た耐熱性と透明性を有し、更に成形性の良好な芳香族ポ
リカーボネートを提供することにある。本発明者は、上
記目的を達成せんとして、ビスフェノールAFからの芳香
族ポリカーボネートの熱安定性改善について鋭意研究を
重ねた結果、特定の処理を施した特別のビスフェノール
AFを用いた特定の分子量範囲の芳香族ポリカーボネート
が、優れた耐熱性を有する上に透明性が著しく向上し、
成形性も良好なことを見出した。本発明はこの知見に基
づき完成したものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、10mmHgの減
圧下70±10℃で10時間乾燥した後20重量%のエ
タノール溶液にして孔径0.1μm のフィルターで濾過
した濾液を光路長250mmの石英セルで測定した400
nmの光線透過率が90%以上であって、且つ液体クロマ
トグラフィー分析による不純物が0.02重量%以下で
あるビスフェノールAFを主とする二価フェノールにカー
ボネート前駆物質を反応させて得られる芳香族ポリカー
ボネートであって、その5重量%の塩化メチレン溶液に
して孔径0.1μm のフィルターで濾過した濾液を光路
長250mmの石英セルで測定した400nmの光線透過率
をポリマー1cm当りに換算した光線透過率が85%以上
であり且つその0.7g を塩化メチレン100mlに溶解
した溶液を20℃で測定した比粘度が0.160〜0.
418である芳香族ポリカーボネートに係るものであ
る。
【0005】本発明の芳香族ポリカーボネートの製造に
用いるビスフェノールAFは、ヘキサフルオロアセトンと
フェノールとの反応で得られ、ベンゼン誘導体と活性白
土を用いて精製し、10mmHgの減圧下70±10℃で1
0時間乾燥した後20重量%のエタノール溶液にして孔
径0.1μm のフィルターで濾過した濾液の、光路長2
50mmの石英セルを用いて測定した400nmの光線透過
率が90%以上であって且つ液体クロマトグラフィー分
析による不純物が0.02重量%以下である特別のビス
フェノールAFである。かかるビスフェノールAFに代えて
市販のビスフェノールAFを用いたのでは、目的とする優
れた耐熱性を有する上に優れた光線透過率を有する芳香
族ポリカーボネートは得られない。上記精製に用いるベ
ンゼン誘導体としてはトルエン、キシレン、ベンゼン及
びこれらの混合物が好ましく、その使用量はビスフェノ
ールAFが溶解される量であり、通常ビスフェノールAFに
対して2〜10重量倍程度である。活性白土としては市
販されている粉末状又は粒状のシリカ−アルミナを主成
分とするものが用いられる。
【0006】本発明にあっては、その目的を逸脱しない
範囲内で上記ビスフェノールAFの一部を他の二価フェノ
ールで置換えてもよい。他の二価フェノールとしては例
えばビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチ
ルフェニル)プロパン、4,4−ビス(4ーヒドロキシ
フェニル)ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキサイド、ビス
(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)オキサ
イド、4,4′−ジヒドロキシジフェニル、3,3′−
ジクロロ−4,4′−ジヒドロキシジフェニル、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−
ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、レゾル
シノール、ハイドロキノン、1,4−ジヒドロキシ−
2,5−ジクロロベンゼン、1,4−ジヒドロキシ−3
−メチルベンゼン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ス
ルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシ
ド等があげられ、特にビスフェノールAが好ましい。
【0007】上記ビスフェノールAFに反応させるカーボ
ネート前駆物質としては、例えばホスゲン、ジフェニル
カーボネート等があげられる。本発明の芳香族ポリカー
ボネートを製造するには、通常のビスフェノールAから
の芳香族ポリカーボネートを製造する際に採用する方
法、例えば二価フェノールとホスゲンとの反応、又は二
価フェノールとビスアリールカーボネートとのエステル
交換反応が採用される。二価フェノールとホスゲンとの
反応では、通常酸結合剤及び有機溶媒の存在下に反応を
行う。酸結合剤としては例えば水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、ピリジン等が
用いられる。有機溶媒としては例えば塩化メチレン、ク
ロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。ま
た、反応促進のために例えば第三級アミン、第四級アン
モニウム塩等の触媒を用いることができ、分子量調節剤
として例えばフェノール、p-tert−ブチルフェノール等
の末端停止剤を用いることが望ましい。反応温度は通常
0〜40℃、反応時間は数分〜5時間、反応中のpHは1
0以上に保つのが好ましい。
【0008】一方、エステル交換反応では、不活性ガス
の存在下に二価フェノールとビスアリールカーボネート
を混合し、減圧下通常120〜350℃で反応させる。
減圧度は段階的に変化させ、最終的には1mmHg以下にし
て生成したフェノール類を系外に留去させる。反応時間
は通常1〜4時間程度である。また、必要に応じて分子
量調節剤や酸化防止剤を加えてもよい。かくして得られ
る優れた耐熱性と透明性を有する芳香族ポリカーボネー
トは、その分子量があまりに小さいと得られる成形品が
脆くなり、またあまりに大きくなると溶融流動性が悪く
なり良好な成形品が得られ難くなるので、その0.7g
を塩化メチレン100mlに溶解して20℃で測定した比
粘度が0.160〜0.418のものが適当であり、特
に0.165〜0.345のものが好ましい。また、そ
の5重量%の塩化メチレン溶液にして孔径0.1μm の
フィルターで濾過した濾液の、光路長250mmの石英セ
ルを用いて測定した400nmにおける光線透過率を下記
換算式によりポリマー1cm当りに換算した光線透過率
(X)が85%以上であることが必要である。この光線
透過率(X)が85%未満のものでは本発明の目的を達
成し得ない。
【0009】
【数1】 式中、Yは光線透過率測定値(%)、Cは濃度測定値
(重量%)である。
【0010】本発明の芳香族ポリカーボネートはフィル
ムやその他の成形品に成形される。成形方法としては、
通常の芳香族ポリカーボネートの成形に用いられる方
法、例えば射出成形法、圧縮成形法、押出成形法、溶液
キャスティング法等の方法が任意に採用される。なお、
成形にさいしては、本発明の芳香族ポリカーボネートを
そのまま成形してもよいが、必要に応じて例えば酸化防
止剤、熱安定剤、光安定剤、着色剤、帯電防止剤、滑
剤、離型剤等の添加剤を加えて成形してもよい。また、
本発明の芳香族ポリカーボネートは他の熱可塑性樹脂と
混合して使用してもよい。特に本発明の芳香族ポリカー
ボネートにホスファイト系、フェノール系、有機イオウ
系の酸化防止剤の少なくとも一種を配合することは好ま
しいことである。ここで用いるホスファイト系酸化防止
剤としては例えばトリフェニルホスファイト、トリスノ
ニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert
−ブチルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファ
イト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホ
スファイト、ジデシル−モノフェニルホスファイト、ジ
オクチル−モノフェニルホスファイト、ジイソプロピル
−モノフェニルホスファイト、モノブチル−ジフェニル
ホスファイト、モノデシル−ジフェニルホスファイト、
モノオクチル−ジフェニルホスファイト、ビス(2,6
−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリ
スリトール−ジ−ホスファイト、2,2−メチレンビス
(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスフ
ァイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトール
−ジ−ホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル
フェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、
テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−
4,4−ジフェニレンホスホナイト等の亜リン酸のトリ
エステル、又はエステル部をアルキル基、フェニル基、
アルキルアリール基等で置換したジエステル、モノエス
テルであり、これらは単独で使用しても又は二種以上併
用してもよい。なかでもトリス(ノニルフェニル)ホス
ファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニ
ル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブ
チルフェニル)−4,4−ジフェニレンホスホナイトが
好ましい。
【0011】フェノール系酸化防止剤は、フェノール系
化合物の水酸基に対してオルト位に嵩高の基が存在する
ヒンダードフェノール系化合物であり、例えばトリエチ
レングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−
メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−
tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,
5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、
1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5
−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼ
ン、N−N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、
3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル
フォスフォネート−ジエチルエステル、トリス(3,5
−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシ
アヌレイト、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−
[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチ
ルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}ー2,4,
8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等
があげられ、なかでもペンタエリスリトール−テトラキ
ス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネートが好ましい。
【0012】有機イオウ系酸化防止剤としては例えばテ
トラキス[メチレン−3−(ヘキシルチオ)プロピオネ
ート]メタン、テトラキス[メチレン−3−(デシルチ
オ)プロピオネート]メタン、テトラキス[メチレン−
3−(ラウリルチオ)プロピオネート]メタン、テトラ
キス[メチレン−3−(オクチルチオ)プロピオネー
ト]メタン、ジラウリル−3,3′−チオジプロピオネ
ート、ジミリスチル−3,3′−チオジプロピオネー
ト、ジステアリル−3,3′−チオジプロピオネート、
ジトリデシル−3,3′−チオジプロピオネート、2,
2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
2,2−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェ
ノール)、2−メルカプトベンズイミダゾール等があげ
られ、なかでもテトラキス[メチレン−3−(ラウリル
チオ)プロピオネート]メタンが好ましい。かかる酸化
防止剤の配合量は、芳香族ポリカーボネート100重量
部に対して0.001〜1.0重量部である。
【0013】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を更に説明す
る。なお、実施例中の部及び%は重量部及び重量%であ
り、測定は下記の方法による。ビスフェノールAFの光線
透過率:試料を10mmHgの減圧下70℃で10時間真空
乾燥した後、99.5%のエタノールを用いて20%の
エタノール溶液にし、孔径0.1μmのフィルターで濾
過した濾液の、光路長250mmの石英セルを用いて
(株)日立製作所製分光光度計U-3410により400
nmの光線透過率を測定した。ビスフェノールAFの純度:
試料を10mmHgの減圧下70℃で10時間真空乾燥した
後、1g/50mlメタノール溶液にし、カラムとしてShi
mpak CLC-ODS(6mm×150mm)を、移動層としてメタ
ノール/0.2%酢酸水(V/V)=80/20を用い、試
料注入量20μl、カラムオーブン温度50℃で UV-2
54nmにより液体クロマトグラフィー分析により測定し
た。ポリマーの光線透過率:ポリマー5%の塩化メチレ
ン溶液にし、孔径0.1μmのフィルターで濾過した濾
液の、光路長250mmの石英セルを用いて分光光度計U-
3410により400nmの光線透過率を測定し、ポリマ
ー1cm当りの光線透過率に換算した。 比粘度:ポリマー0.7gを塩化メチレン100mlに溶
解した溶液を20℃で測定した。 熱安定性:ポリマー3gを試験管に封入して真空脱気
し、330℃で4時間熱処理した後塩化メチレン200
mlに溶解し、光路長100mmの石英セルを用いて600
nmの光線透過率を分光光度計U-3400により測定し
た。 耐酸化性:ポリマー40gを恒温槽内で空気雰囲気下2
80℃で4時間加熱した後塩化メチレン400gに溶解
し、光路長250mmの石英セルを用いて860〜280
nmの光線透過率を分光光度計U-3400により測定し、
ポリマー1cm当りの光線透過率に換算した。なお、以下の実施例及び比較例で使用した原材料は次の
ものである。 市販ビスフェノールAF;セントラル硝子(株)製BI
S−AF 活性白土の商品名 ;大澤化学工業(株)製ガレオンア
ースNV
【0014】実施例1 (A) 撹拌機、温度計、還流冷却器を備えた反応槽に市販
のビスフェノールAF200部及びトルエン1200部を
仕込み、攪拌下昇温してビスフェノールAFを溶解した時
点で活性白土10部を加えて1.5時間攪拌した後濾過
により活性白土を除去した。無色透明の濾液に水を加
え、トルエンを約900部除去し、冷却して結晶を析出
させ、室温まで冷却して濾過し、得られたケーキにトル
エン300部及び水を加えて再結晶した。得られたビス
フェノールAFの400nmの光線透過率は91.2%、液
体クロマトグラフィー分析による純度は99.99%で
あった。 (B) 撹拌機、温度計、還流冷却器を備えた反応槽に4
8.5%水酸化ナトリウム水溶液948.4部及びイオ
ン交換水8251部を仕込み、窒素ガスで約30分間バ
ブリングして脱酸素した。これにハイドロサルファイド
2.4部を加え、上記(A) で得た純度99.99%のビ
スフェノールAF1740.5部を溶解した後塩化メチレ
ン6170部を加え、撹拌下14〜16℃でホスゲン6
00部を約60分を要して吹込んだ。次いでp-tert−ブ
チルフェノール42.7部及び48.5%水酸化ナトリ
ウム水溶液322.6部を添加し、攪拌して乳化させた
後トリエチルアミン1.0部を加え、30℃で約2時間
撹拌して反応を終了した。反応終了後生成物を塩化メチ
レンで希釈して水洗した後、塩酸酸性にして更に水洗
し、水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じになったと
ころで塩化メチレンを蒸発させて芳香族ポリカーボネー
トを得た。このポリマーの比粘度は0.175、ガラス
転移温度は159℃と高い耐熱性を示し、光線透過率も
90%と高く、また熱処理テスト後の光線透過率も85
%と極めて優れた熱安定性を示し、耐酸化性も図1に1
で示す通り極めて良好な光線透過率を保持しており非常
に優れたものであった。
【0015】実施例2 活性白土の使用量を20部にする以外は実施例1(A) と
同様にして市販のビスフェノールAFを精製した。得られ
た精製ビスフェノールAFの400nmの光線透過率は9
2.9%、液体クロマトグラフィー分析による純度は9
9.99%であった。この精製ビスフェノールAFを用い
る以外は実施例1(B) と同様にして芳香族ポリカーボネ
ートを得た。このポリマーの比粘度は0.182、ガラ
ス転移温度は157℃と高く、光線透過率も92%と高
く、また熱処理テスト後の光線透過率も87%と極めて
優れた熱安定性を示した。
【0016】比較例1 活性白土を用いない以外は実施例1(A) と同様にして市
販のビスフェノールAFを精製した。得られた精製ビスフ
ェノールAFの400nmの光線透過率は43.2%、液体
クロマトグラフィー分析による純度は99.95%であ
った。この精製ビスフェノールAFを用いる以外は実施例
1(B) と同様にして芳香族ポリカーボネートを得た。こ
のポリマーの比粘度は0.180、ガラス転移温度は1
57℃と高い値を示したが、光線透過率は78%と低
く、熱処理テスト後の光線透過率も72%と低く、耐酸
化性も図1に2で示す通り劣るものであった。
【0017】
【発明の効果】本発明の芳香族ポリカーボネートは高い
ガラス転移温度を有し、特に優れた光線透過率を有し、
耐酸化性にも優れ、良好な成形性も有しているので優れ
た耐熱性と光学特性が要求される分野、例えばヘッドラ
ンプレンズ、各種レンズ、プリズム、光ファイバー、光
導波路、コネクター、光ディスク、液晶パネル等各種光
学機器用素材として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリマーの耐熱耐酸化性を示すための熱処理後
のポリマーの溶液の分光光線透過率を示すチャートであ
る。
【符号の説明】
1 本発明(実施例1)の芳香族ポリカーボネートの分
光光線透過率 2 比較例1の芳香族ポリカーボネートの分光光線透過
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 64/00 - 64/42

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 10mmHgの減圧下70±10℃で10時
    間乾燥した後20重量%のエタノール溶液にして孔径
    0.1μm のフィルターで濾過した濾液を光路長250
    mmの石英セルで測定した400nmの光線透過率が90%
    以上であって且つ液体クロマトグラフィー分析による不
    純物が0.02重量%以下である2,2−ビス(4−ヒ
    ドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサ
    フルオロプロパンを主とする二価フェノールにカーボネ
    ート前駆物質を反応させて得られる芳香族ポリカーボネ
    ートであって、その5重量%の塩化メチレン溶液にして
    孔径0.1μm のフィルターで濾過した濾液を光路長2
    50mmの石英セルで測定した400nmの光線透過率をポ
    リマー1cm当りに換算した光線透過率が85%以上であ
    り且つその0.7g を塩化メチレン100mlに溶解した
    溶液を20℃で測定した比粘度が0.160〜0.41
    8であることを特徴とする芳香族ポリカーボネート。
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