JPH11152328A - ポリカーボネート樹脂及び該樹脂を用いたプラスチック光導波路 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂及び該樹脂を用いたプラスチック光導波路

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JPH11152328A
JPH11152328A JP9318650A JP31865097A JPH11152328A JP H11152328 A JPH11152328 A JP H11152328A JP 9318650 A JP9318650 A JP 9318650A JP 31865097 A JP31865097 A JP 31865097A JP H11152328 A JPH11152328 A JP H11152328A
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JP
Japan
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polycarbonate resin
formula
dihydric phenol
parts
plastic optical
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JP9318650A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Shudo
弘 首藤
Masami Nishiguchi
雅己 西口
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Furukawa Electric Co Ltd
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Chemicals Ltd
Furukawa Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 著しく優れた透明性と耐熱性を有し、特に7
20〜830nm付近の近赤外領域での光吸収が極めて
少いポリカーボネート樹脂を提供する。 【解決手段】 下記一般式[1] 【化1】 [式中、n及びmは夫々独立して1〜4の整数であ
る。]で表される化合物を主とする二価フェノール、末
端停止剤及びカーボネート前駆物質を反応させてなるポ
リカーボネート樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は特定の波長領域での
光吸収が極めて少いポリカーボネート樹脂及びこの樹脂
を用いたプラスチック光導波路に関する。更に詳しく
は、優れた透明性と耐熱性を有し、近赤外領域での光吸
収が極めて少いポリカーボネート樹脂及び近赤外領域に
おいて伝送損失の低いプラスチック光導披路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、代表的なポリカーボネート樹脂と
して知られている2,2−(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン(以下ビスフェノールAと略称する)にホスゲ
ン等のカーボネート前駆物質を反応させて得られるビス
フェノールAからのポリカーボネート樹脂(以下ポリカ
ーボネートAと略称する)は透明性、耐熱性、機械的特
性に優れ、更に寸法精度がよい等、多くの優れた特性を
有するがゆえにエンジニアリングプラスチックとして広
く用いられている。特に、近年その透明性を生かして情
報ディスク、光ファイバー、レンズ等の分野への利用が
展開されている。しかしながら、ポリカーボネートA
は、用途によっては耐熱性、光線透過率等の光学特性共
に不十分であり、より耐熱性、光学特性に優れたポリカ
ーボネート樹脂の出現が望まれている。
【0003】一方、本発明者らは2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサ
フルオロプロパン(以下ビスフェノールAFと略称す
る)にカーボネート前駆物質を反応させると耐熱性及び
光学特性に優れたポリカーボネート樹脂(以下ポリカー
ボネートAFと略称する)が得られることを見出し、先
に提案した(特開平6−145331号公報)。このポ
リカーボネートAFは脂肪族炭化水素を有さないため、
720〜830nm付近の近赤外領域の光線透過率に優
れるという特徴を有しており、この特性を生かしCD用
の半導体レーザー(780nm)を光源とした短距離通
信用の光導波路として用いられる。しかしながら、この
ビスフェノールAFからのポリカーボネート樹脂は、そ
の構造上芳香族環中に水素原子を有しており、このため
700nm、860nm付近をピークとした光吸収が存
在する。この吸収のテールのためポリカーボネートAF
では近赤外領域の720〜830nm域においての光線
透過率が損なわれるという問題があり、更にこれより長
波長の領域では光線透過率が低いという問題がある。こ
のため、ポリカーボネートAFを光導波路(例えばプラ
スチック光ファイバ)のコア材料として用いると、10
0mを起える光伝送路として対応できない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、著し
く優れた透明性と耐熱性を有し、特に720〜830n
m付近の近赤外領域での光吸収が極めて少いポリカーボ
ネート樹脂を提供することにある。更に本発明の目的
は、優れた透明性と耐熱性を有し、特に720〜830
nm付近の近赤外領域での伝送損失が極めて少く高帯域
伝送に対応可能なプラスチック光導波路を提供すること
にある。本発明者は上記課題を達成せんとしてポリカー
ボネート樹脂の透明性と耐熱性の改善について鋭意研究
を重ねた結果、その芳香族環中の水素原子の少くとも一
部をフッ素原子で置換したビスフェノールAFを用いて
得たポリカーボネート樹脂は、著しく優れた透明性と耐
熱性を有し、特に720〜830nm付近の近赤外領域
での光吸収が極めて少く、またこのポリカーボネート樹
脂をコア材料に用いると、優れた耐熱性を有し、しかも
720〜830nm付近の近赤外領域において伝送損失
が少く高帯域伝送に対応可能なプラスチック光導波路が
得られることを見出した。本発明はこの知見に基づき完
成したものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、二価フェノー
ル、末端停止剤及びカーボネート前駆物質を反応させて
得られるポリカーボネート樹脂であって、該二価フェノ
ールの主たる成分が下記一般式[1]
【0006】
【化3】
【0007】[式中、n及びmは夫々独立してl〜4の
整数である。]で表される二価フェノールであるポリカ
ーボネート樹脂に係るものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のポリカーボネート樹脂の
製造に用いる二価フェノールは、ビスフェノールAF中
の芳香核に少くとも一個のフッ素原子を結合させた二価
フェノールであり、具体例としては2,2−ビス(2,
3,5,6−テトラフルオロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキ
シフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオ
ロプロパン等が挙げられる。例えば2,2−ビス(3,
5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,
1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンについて説明
すると、この二価フェノールはへキサフルオロアセトン
と2,6−ジフルオロフェノールの反応により得られ
る。この二価フェノールの不純物の量があまりに多くな
ると得られるポリカーボネート樹脂の透明性及び熱安定
性が低下するようになるので再結晶処理を施したものが
好ましく、特に再結晶処理を繰返して10mmHgの減
圧下70±10℃で10時間乾燥した後20重量%のエ
タノール溶液にして孔径0.1μmのフィルターで濾過
した濾液を光路長250mmの石英セルで測定した40
0nmの光線透過率が90%以上であって且つ液体クロ
マトグラフィー分析による不純物が0.02重量%以下
のものが好ましい。これらの二価フェノールは単独で用
いても、二種以上併用してもよい。また、本発明の目的
を逸脱しない範囲において、通常50モル%より少い量
で他の二価フェノールを共重合させてもよい。共重合で
きる他の二価フェノールの量は、得られるポリカーボネ
ート樹脂の分子中の脂肪族性炭素に結合しているフッ素
原子数と水素原子数の比がl:0.15〜l:0の範囲
内で、且つ芳香核に結合しているフッ素原子数と水素原
子数の比が1:3.375〜l:0の範囲内になる量に
するのが好ましく、特に脂肪族性炭化水素を有さない二
価フェノールが好ましく、好ましい二価フェノールとし
ては例えばビスフェノールAF、オクタフルオロビフェ
ノール、2,2’,5,5’−テトラフルオロビフェノ
ール、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、レゾルシノ
ール、ハイドロキノン等が挙げられる。共重合する他の
二価フェノールの量が、上記範囲より多くなると、得ら
れるポリカーボネート樹脂は、高帯域伝送に必要な十分
な透明性が得られ難くなる。
【0009】また、カーボネート前駆物質としては例え
ばホスゲン、ホスゲンダイマー、ホスゲントリマー、上
記二価フェノール類のビスクロロホーメイト及びジフェ
ニルカーボネート、フェニル−p−トリルカーボネー
ト、ジ−p−クロロフェニルカーボネート、ジナフチル
カーボネート等のジアリールカーボネート類が挙げられ
る。なかでもホスゲンとジフェニルカーボネートが好ま
しい。上記二価フェノールとカーボネート前駆物質から
ポリカーボネート樹脂を製造するには、通常のポリカー
ボネートAの製造に用いられる方法が任意に採用され
る。例えば二価フェノールとホスゲンとの界面重縮合反
応や二価フェノールとジフェニルカーボネートとのエス
テル交換反応が好ましく採用される。二価フェノールと
ホスゲンの界面重縮合反応について説明すると、アルカ
リ水溶液に二価フェノールを溶解し、有機溶媒を加えて
20℃以下、好ましくは10〜20℃に保持しつつホス
ゲンを反応させた後重縮合反応に供する。二価フェノー
ルのアルカリ水溶液にホスゲンを反応させるにはガス状
のホスゲンを吹込むか又は液状のホスゲンを混合すれば
よい。反応温度が20℃を越えると末端クロロホーメー
トの分解が多くなり、得られるポリカーボネート樹脂の
熱安定性が悪化するようになる。ホスゲンの使用量は二
価フェノール1モルに対して1.15〜1.2モルの範
囲が好ましい。1.15モル未満では反応に関与するホ
スゲンが不足して十分な重合度のポリカーボネート樹脂
が得られ難く、1.2モルを越えると末端クロロホーメ
ートが多量に残ったり、この未端クロロホーメートが加
水分解して末端OH量が増大し、得られるポリカーボネ
ート樹脂の熱安定性が悪化することがある。反応中はp
Hを10以上に保持するのが好ましく、またホスゲン化
反応時にハイドロサルファイトのような還元剤を少量添
加してもよい。
【0010】ここで用いるアルカリ水溶液のアルカリと
しては、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物の
ような強塩基性の化合物が好ましく、特に水酸化ナトリ
ウムや水酸化カリウムが好ましい。アルカリ水溶液に用
いる水としてはイオン交換水が好ましく、またアルカリ
水溶液は窒素ガスを通じて脱酸素して用いるのが好まし
い。アルカリ水溶液の濃度は通常3〜10重量%、好ま
しくは5〜7重量%である。アルカリ水溶液に溶解する
二価フェノールの濃度は通常10〜30重量%、好まし
くは15〜20重量%である。有機溶媒としては、反応
に不活性な有機溶媒例えば塩化メチレンやクロロベンゼ
ン等のハロゲン化炭化水素が望ましく、有機溶媒もまた
アルカリ水溶液と同様に脱酸素して用いるのが好まし
い。次いで行う重合反応は、通常25〜30℃、好まし
くは28〜30℃の温度範囲で行われる。反応時間は適
常10分〜5時間、好ましくは30分〜2時間である。
反応中はpHを12以上に保持することが好ましい。ま
た、反応を促進するために少量のアミン系触媒を用いる
ことができる。好ましい触媒としては例えばトリメチル
アミン、トリエチルアミン、トリエチルアンモニウムブ
ロマイド、トリエチルアンモニウムヒドロキサイド等の
三級アミンや四級アンモニウム化合物が挙げられ、その
使用量は二価フェノール1モルに対して通常0.000
1〜0.01モル、好ましくは0.002〜0.005
モルである。また、分子量調節剤として一価のフェノー
ル類、例えばフェノール、p−tert−ブチルフェノ
ール、2,6−ジフルオロフェノール、2,3,5,6
−テトラフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノー
ル等を用いることができる。特に下記一般式[2]
【0011】
【化4】
【0012】[式中、pは1〜5の整数である。]で表
されるフッ素置換フェノールが好ましく、具体例として
2,3,5,6−テトラフルオロフェノール、ペンタフ
ルオロフェノール等が挙げられる。これらのフッ素置換
フェノールは単独で用いても、二種以上併用してもよ
い。この分子量調節剤の使用量は、目的の分子量に合わ
せて、得られるポリカーボネート樹脂の全末端(通常は
両末端)の少くとも半分以上を封鎖するに相当する量用
いるのが好ましく、全末端を封鎖するに相当する量用い
るのが最も好ましい。なお、残余の末端を他の末端停止
剤で封鎖してもよく、この場合には脂肪族炭化水素を有
しない末端停止剤を用いるのが好ましい。
【0013】かくして得られるポリカーボネート樹脂
は、その分子量があまりに小さいと得られる成形品が脆
くなり、あまりに大きくなると溶融流動性が悪くなり良
好な成形品が得られ難くなるので、ポリマー0.7gを
塩化メチレン100mlに溶解した溶液の20℃で測定
した比粘度が、0.13〜1.3が好ましく、0.14
〜0.3が特に好ましく、0.15〜0.2のものが更
に好ましい。本発明のポリカーボネート樹脂には、必要
に応じて各種添加剤例えば酸化防止剤、熱安定剤、光安
定剤、離型剤、染顔料等を添加してもよい。これら添加
剤は例えば溶液状で混合したり、タンブラー、スーパー
ミキサー、ナウタミキサー、等の公知の方法で混合し、
ペレット状に押出したり、ファイバー状、フィルム状や
その他の成形品に加工することができる。特に、本発明
のポリカーボネート樹脂にホスファイト系、フェノール
系、有機イオウ系の酸化防止剤を配合することは好まし
いことである。かかる酸化防止剤の配合量は、ポリカー
ボネート樹脂100重量部に対して0.001〜0.1
重量部の範囲が適当であり、これより少いと酸化防止の
効果が得られ難く、また多過ぎると本発明の目的である
720〜830nm付近の近赤外領域での透明性を損な
うようになる。
【0014】ここで用いるホスファイト系酸化防止剤と
しては例えばトリフェニルホスファイト、トリスノニル
フェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert
−ブチルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファ
イト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホ
スファイト、ジデシル−モノフェニルホスファイト、ジ
オクチル−モノフェニルホスファイト、ジイソプロピル
−モノフェニルホスファイト、モノブチル−ジフェニル
ホスファイト、モノデシル−ジフェニルホスファイト、
モノオクチル−ジフェニルホスファイト、ビス(2,6
−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタ
エリスリトール−ジ−ホスファイト、2,2−メチレン
ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチ
ルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリス
リトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,4−ジ−te
rt−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホ
スファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチ
ルフェニル)−4,4−ジフェニレンホスホナイト等の
亜リン酸のトリエステル、又はエステル部をアルキル
基、フェニル基、アルキルアリール基等で置換したジエ
ステル、モノエステルであり、これらは単独で用いても
又は二種以上併用してもよい。
【0015】フェノール系酸化防止剤としてはフェノー
ル系化合物の水酸基に対してオルト位に嵩高の基が存在
するヒンダードフェノール系化合物であり、例えばトリ
エチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチ
ル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,
5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]、ペンタエリスリトール−テトラキス
[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,
4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N’−ヘキサメチ
レンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシ−ヒドロシンナマミド)、3,5−ジ−tert−
ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネート−
ジエチルエスチル、トリス(3,5−ジ−tert−ブ
チル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレイト、
3,9−ビス{l,1−ジメチル−2−[β−(3−t
ert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)プロピオニルオキシ]エチル}−2,4,8,10
−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等があげら
れる。
【0016】有機イオウ系酸化防止剤としては例えばテ
トラキス[メチレン−3−(ヘキシルチオ)プロピオネ
ート]メタン、テトラキス[メチレン−3−(デシルチ
オ)プロピオネート]メタン、テトラキス[メチレン−
3−(ラウリルチオ)プロピオネート]メタン、テトラ
キス[メチレン−3−(オクチルチオ)プロピオネー
ト]メタン、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネ
ート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネー
ト、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、
ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、2,
2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−ter
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]、2,2−チオビス(4−メチル−6−tert−
ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾー
ル等があげられる。また、本発明のポリカーボネート樹
脂中の異物量が多くなると透明性が損なわれるため、合
成後は塩化メチレン等を溶媒とし、孔径0.1μm程度
のフィルターを通して異物を十分取除くのが好ましい。
【0017】次に、本発明のプラスチック光導波路を、
代表的な光導波路であるプラスチック光ファイバを例に
説明する。本発明のプラスチック光ファイバは、このよ
うにして得た本発明のポリカーボネート樹脂をコア部と
して、その外側にコア部より屈折率の小さい樹脂をクラ
ッド層として有し、例えば二重紡糸することによって得
られる。クラッド層の材料としては例えばテトラフルオ
ロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テト
ラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエー
テル共重合体、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデ
ン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、サイトップ
(商品名、旭硝子社製)やテフロンAF(商品名、デュ
ポン社製)等の環状パーフルオロ樹脂等のフッ素樹脂、
シリコーン樹脂等が挙げられる。
【0018】二重妨糸する際には窒素やアルゴン等の不
活性ガスを流しつつ紡糸するのが好ましい。紡糸時のヘ
ッド温度は240〜260℃程度である。また、低い伝
送損失のプラスチック光ファイバを得るために特開平4
−124603号公報及び同5−24050号公報に開
示されているようなプリフォームを予め作成し、これを
紡糸することによりプラスチック光ファイバを得てもよ
い。本発明のプラスチック光ファイバは、本発明のポリ
カーボネート樹脂を用いてなるコア部の外側にクラッド
層を有していれば、その層数等に特に制限はない。その
構造自体は通常のものと特に異ならない。また、本発明
においては前記ポリカーボネート樹脂をコア材とし、常
法に従って種々の光導波路を製造することができる。
【0019】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に説明す
る。なお、実施例中の部及び%は重量部及び重量%であ
り、測定は下記の方法によって行った。 (1)比粘土:ポリマー0.7gを塩化メチレン100
mlに溶解し20℃で測定した。 (2)ガラス転移点(Tg):デュポン社製DSC−9
10を用いて昇温速度20℃/分でガラス転移温度を測
定した。 (3)重量減少温度:デュポン社製951型TGAを用
いて昇温速度20℃/分で5%及び10%重量減少温度
を測定した。 (4)FT−IR:JOEL DATUM JIR−6
500 フーリエ変換赤外分光光度計を用いて2800
〜3200cm-1の吸収を測定し、脂肪族C−H結合の
伸縮振動の吸収に相当する2966、2873cm-1
吸収及び芳香族C−H結合の伸縮振動に相当する306
0〜3130cm-1の吸収を観測した。 (5)伝送損失:光源として780nmLEDを用い、
10m−1mカットパック法により伝送損失を測定し
た。 (6)ビスフェノールの純度:試料を10mmHgの減
圧下70℃で10時間真空乾燥した後、1g/50ml
メタノール溶液にし、カラムとしてShimpak C
LC−ODS(6mm×150mm)を、移動相として
メタノール/0.2%酢酸水(V/V)=80/20を
用い、試料注入量20μl、カラムオーブン温度50℃
でUV−254nmにより液体クロマトグラフィー分析
により測定した。
【0020】実施例1 (A)撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応槽に
イオン交換水1600部及び48.5%水酸化ナトリウ
ム水溶液183部を仕込み、これにハイドロサルファイ
ト0.8部及び純度99.99%の2,2−ビス(3,
5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,
1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン408部を溶
解し、塩化メチレン1190部を加え、撹拌下14〜1
6℃でホスゲン116部を約45分かけて吹込んだ。次
いで48.5%水酸化ナトリウム水溶液62部及びペン
タフルオロフェノール11部を加え、撹拌して乳化させ
た後トリエチルアミン0.25部を加え、その後30℃
で約2時間撹拌して反応を終了した。反応終了後有機相
を塩化メチレンで希釈し、水洗した後塩酸酸性にし、更
に水洗し、水相の導電率がイオン交換水と略同等になっ
たところで塩化メチレンを蒸発させてポリカーボネート
樹脂を得た。このポリマーの比粘度は0.189であ
り、ガラス転移温度は168℃と高い耐熱性を示し、5
%重量減少温度は502℃、10%重量減少温度は51
9℃と良好な熱安定性を示した。また、FT−IRの測
定結果より3060〜3130cm-1付近の芳香族C−
H結合に起因する吸収が低減されていることより、この
吸収の高長波成分に相当する700nm、860nm付
近の吸収も低減されていることが容易に推測される。
【0021】(B)このポリマーを孔径0.1μmのフ
ィルターを通して精製した後紡糸装置の内層に得られた
ポリマーを導入し、外層にはテフロンAF1600(商
品名、デュポン社製)を導入し、窒素を導入しつつ紡糸
してプラスチック光ファイバを得た。紡糸温度はヘッド
部で245℃であった。このプラスチック光ファイバは
コア部の径が0.47mmφ、外形が0.5mmφであ
り、プラスチック光ファイバの伝送損失は780nmで
0.28dB/mであった。
【0022】実施例2 (A)撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応槽に
イオン交換水1600部及び48.5%水酸化ナトリウ
ム水溶液183部を仕込み、これにハイドロサルファイ
ト0.8部及び純度99.99%の2,2−ビス(3,
5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,
1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン408部を溶
解し、塩化メチレン1190部を加え、撹拌下14〜1
6℃でホスゲン116部を約45分かけて吹込んだ。次
いで48.5%水酸化ナトリウム水溶液62部及びp−
tert−ブチルフェノール9部を加え、撹拌して乳化
させた後トリエチルアミン0.25部を加え、その後3
0℃で約2時間撹拌して反応を終了した。反応終了後有
機相を塩化メチレンで希釈し、水洗した後塩酸酸性に
し、更に水洗し、水相の導電率がイオン交換水と略同等
になったところで塩化メチレンを蒸発させてポリカーボ
ネート樹脂を得た。このポリマーの比粘度は0.184
であり、ガラス転移温度は167℃と高い耐熱性を示
し、5%重量減少温度は499℃、10%重量減少温度
は516℃と良好な熱安定性を示した。また、FT−I
Rの測定結果より2966cm-1及び2873cm-1
近の脂肪族C−H結合に起因する吸収は確認されるが、
3060〜3130cm-1付近の芳香族C−H結合に起
因する吸収が低減されていることより、この吸収の高長
波成分に相当する700nm、860nm付近の吸収も
低減されていることが容易に推測される。このことよ
り、720〜830nm付近の吸収のベースラインが下
がっていることが期待される。
【0023】(B)実施例1と同様の方法でコア−クラ
ッド部を有するプラスチック光ファイバを得た。紡糸温
度はヘッド部で250℃であった。このプラスチック光
ファイバはコア部の径が0.47mmφ、外形が0.5
mmφであり、プラスチック光ファイバの伝送損失は7
80nmで0.3dB/mであった。
【0024】実施例3 (A)撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応槽に
イオン交換水1600部及び48.5%水酸化ナトリウ
ム水溶液183部を仕込み、これにハイドロサルファイ
ト0.8部、純度99.99%の2,2−ビス(3,5
−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,
1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン204部及び
純度99.99%のビスフェノールAFを溶解し、塩化
メチレン1190部を加え、撹拌下14〜16℃でホス
ゲン116部を約45分かけて吹込んだ。次いで48.
5%水酸化ナトリウム水溶液62部及びペンタフルオロ
フェノール11部を加え、撹拌して乳化させた後トリエ
チルアミン0.25部を加え、その後30℃で約2時間
撹拌して反応を終了した。反応終了後有機相を塩化メチ
レンで希釈し、水洗した後塩酸酸性にし、更に水洗し、
水相の導電率がイオン交換水と略同等になったところで
塩化メチレンを蒸発させポリカーボネート樹脂を得た。
このポリマーの比粘度は0.187であり、ガラス転移
温度は163℃と高い耐熱性を示し、5%重量減少温度
は499℃、10%重量減少温度は514℃と良好な熱
安定性を示した。また、FT−IRの測定結果より30
60〜3130cm-1付近の芳香族C−H結合に起因す
る吸収が低減されていることより、この吸収の高長波成
分に相当する700nm、860nm付近の吸収も低減
されていることが容易に推測される。
【0025】(B)このポリマーを孔径0.1μmのフ
ィルターを通り精製した後、紡糸装置の内層に得られた
ポリマーを導入し、外層にはテフロンAF1600(商
品名、デュポン社製)を導入し、窒素を導入しつつ紡糸
してプラスチック光ファイバを得た。紡糸温度はヘッド
部で245℃であった。このプラスチック光ファイバは
コア部の径が0.47mmφ、外形が0.5mmφであ
り、得られたプラスチック光ファイバの伝送損失は78
0nmで0.34dB/mであった。
【0026】比較例1 (A)撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応槽に
イオン交換水1600部及び48.5%水酸化ナトリウ
ム水溶液183部を仕込み、これにハイドロサルファイ
ト0.7部及び純度99.99%のビスフェノールAF
336部を溶解し、塩化メチレン1190部を加え、撹
拌下14〜16℃でホスゲン116部を約45分かけて
吹込んだ。次いで48.5%水酸化ナトリウム水溶液6
2部及びp−tert−ブチルフェノール9.0部を加
え、撹拌して乳化させた後トリエチルアミン0.25部
を加え、その後30℃で約2時間撹拌して反応を終了し
た。反応終了後有機相を塩化メチレンで希釈し、水洗し
た後塩酸酸性にし、更に水洗し、水相の導電率がイオン
交換水とほぼ同等になったところで塩化メチレンを蒸発
させてポリカーボネート樹脂を得た。このポリマーの比
粘度は0.175、ガラス転移温度は159℃、5%重
量減少温度は493℃、10%重量減少温度は511℃
であった。また、FT−IRの測定結果より2966c
-1及び2873cm-1付近の脂肪族C−H結合に起因
する吸収が観測され、3060〜3130cm-1付近に
芳香族C−H結合に起因する吸収が観測された。 (B)実施例1と同様の方法でコア−クラッド部を有す
るプラスチック光ファイバを得た。紡糸温度はヘッド部
で250℃であった。このプラスチック光ファイバはコ
ア部の径は0.47mmφ、外径は0.5mmφであ
り、このプラスチック光ファイバの伝送損失は780n
mで0.42dB/mであった。実施例1〜3及び比較
例1のポリカーボネート樹脂及びプラスチック光ファイ
バの評価結果を表1にまとめた。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】本発明のポリカーボネート樹脂は優れた
透明性と耐熱性を有し、特に近赤外領域での光吸収が極
めて少いので、高い耐熱性と光学特性が要求される分
野、例えば光ファイバ等の光導波路のほか各種レンズ、
プリズム、コネクター、光ディスク、液晶パネル等各種
光学機器用素材として極めて有用である。また、このポ
リカーボネート樹脂をコア材としたプラスチック光ファ
イバ等の光導波路は近赤外域の波長において伝送損失が
小さく、コンピュータ用配線材やマルチメディア等への
高帯域伝送用途に極めて有用である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式[1] 【化1】 [式中、n及びmは夫々独立して1〜4の整数であ
    る。]で表される化合物を主とする二価フェノール、末
    端停止剤及びカーボネート前駆物質を反応させてなるポ
    リカーボネート樹脂。
  2. 【請求項2】 一般式[1]で表される二価フェノール
    が、10mmHgの減圧下70±10℃で10時間乾燥
    した後20重量%のエタノール溶液にして孔径0.1μ
    mのフィルターで濾過した濾液を光路長250mmの石
    英セルで測定した400nmの光線透過率が90%以上
    であって且つ液体クロマトグラフィー分析による不純物
    が0.02重量%以下の二価フェノールである請求項1
    記載のポリカーボネート樹脂。
  3. 【請求項3】 末端停止剤が、下記一般式[2] 【化2】 [式中、pは1〜5の整数である。]で表されるフッ素
    置換フェノールである請求項l又は請求項2記載のポリ
    カーボネート樹脂。
  4. 【請求項4】 コア部が請求項1〜3のいずれか1項記
    載のポリカーボネー卜樹脂からなることを特徴とするプ
    ラスチック光導波路。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018211953A1 (ja) * 2017-05-16 2018-11-22 国立大学法人神戸大学 フッ素化カーボネート誘導体の製造方法

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JPWO2018211953A1 (ja) * 2017-05-16 2020-04-23 国立大学法人神戸大学 フッ素化カーボネート誘導体の製造方法
US11167259B2 (en) 2017-05-16 2021-11-09 National University Corporation Kobe University Fluorinated carbonate derivative production method

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