JPH1077339A - ポリカーボネート樹脂、その製造方法及び該樹脂を用いたプラスチック光導波路 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂、その製造方法及び該樹脂を用いたプラスチック光導波路

Info

Publication number
JPH1077339A
JPH1077339A JP8230283A JP23028396A JPH1077339A JP H1077339 A JPH1077339 A JP H1077339A JP 8230283 A JP8230283 A JP 8230283A JP 23028396 A JP23028396 A JP 23028396A JP H1077339 A JPH1077339 A JP H1077339A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polycarbonate resin
resin
hydroxyphenyl
plastic optical
bis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8230283A
Other languages
English (en)
Inventor
Masami Nishiguchi
雅己 西口
Hiroshi Shudo
弘 首藤
Toshimasa Tokuda
俊正 徳田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Chemicals Ltd
Furukawa Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Chemicals Ltd, Furukawa Electric Co Ltd filed Critical Teijin Chemicals Ltd
Priority to JP8230283A priority Critical patent/JPH1077339A/ja
Publication of JPH1077339A publication Critical patent/JPH1077339A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Optical Integrated Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた透明性と耐熱性を有し、特に近赤外領
域での光吸収が極めて少ないポリカーボネート樹脂とそ
の製造方法、及び近赤外領域での伝送損失の少ないプラ
スチック光導波路を提供する。 【解決手段】 2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパ
ンを主とする二価フェノールとカーボネート前駆物質と
を反応させて得られ、かつ、樹脂末端に特定のフッ素置
換フェノキシ基を付与してなるポリカーボネート樹脂、
所定のフッ素置換フェノールを用いる前記樹脂の製造方
法、及び前記樹脂をコア部に用いたプラスチック光導波
路。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリカーボネート樹
脂及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、優れた
透明性と耐熱性を有し、特に近赤外領域での光吸収が極
めて少ないポリカーボネート樹脂とその製造方法、及び
特に近赤外領域において伝送損失の低いプラスチック光
導波路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、代表的なポリカーボネート樹脂と
して知られている2,2−(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン(以下ビスフェノールAと略称する)にホスゲ
ンを反応させて得られるビスフェノールAからのポリカ
ーボネート樹脂は、透明性、耐熱性、機械的特性に優
れ、さらに寸法精度がよい等、多くの優れた特性を有す
るため、エンジニアプラスチックとして幅広く用いられ
ている。特に近年、その透明性を生かして情報ディス
ク、光ファイバ、レンズ等の分野への利用が展開されて
いる。しかしながら、ビスフェノールAからのポリカー
ボネート樹脂は用途によっては耐熱性と光線透過率等の
光学特性が共に不十分であり、耐熱性や光学特性のより
優れたポリカーボネート樹脂の開発が望まれていた。
【0003】一方、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロ
パン(以下ビスフェノールAFと略称する)にホスゲン
を反応させると、耐熱性及び光学特性に優れたポリカー
ボネート樹脂が得られることが知られている(特開平6
−145331号公報)。さらに、このポリカーボネー
ト樹脂は置換基として脂肪族炭化水素基を有さないた
め、720〜830nm付近の近赤外領域の光線透過率
に優れるという特徴を持つ。しかしながら、ビスフェノ
ールAFにホスゲンを反応させてポリカーボネート樹脂
を製造するに当り、末端停止剤として従来より知られて
いるフェノールを使用すると、得られるポリカーボネー
ト樹脂の耐熱性が低下する。また、末端停止剤としてフ
ェノールのかわりに、やはり従来より知られているアル
キル基置換フェノール、例えばp−tert−ブチルフ
ェノールを使用すると、得られるポリカーボネート樹脂
はその耐熱性の低下は防止されるものの、720〜83
0nm付近の近赤外領域の光線透過率が大きく低下する
という問題があった。そのため、フェノールを末端停止
剤として用いたポリカーボネートAFを光導波路(例え
ばプラスチック光ファイバ)のコア材料として用いる
と、得られるプラスチック光ファイバは全体的に伝送損
失が高くなり、またアルキル基置換フェノールを末端停
止剤として用いたものを使用すると、可視光域において
は伝送損失は変化しないものの、近赤外域の720nm〜
830nm域においての伝送損失が損なわれることは避け
られない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明は、
優れた透明性と耐熱性を有し、特に近赤外領域での光吸
収が極めて少ないポリカーボネート樹脂を提供すること
を目的とする。また、本発明は、耐熱性が優れ、末端停
止剤の使用によって720〜830nm付近の近赤外領
域の光線透過率が低下することがない、ビスフェノール
AFを用いたポリカーボネート樹脂の製造方法を提供す
ることを目的とする。さらに本発明は、優れた透明性と
耐熱性を有し、特に近赤外領域での伝送損失が少ないプ
ラスチック光導波路を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
達成せんとしてビスフェノールAFからのポリカーボネ
ート樹脂の透明性と耐熱性の改善について鋭意研究を重
ねた結果、ビスフェノールAFからポリカーボネート樹
脂を合成する際に、末端停止剤としてアルキル基を有し
ないフェノール化合物を用いることに着目し、さらに研
究を重ねた結果、末端停止剤としてフッ素置換フェノー
ルを作用させることによって、特に優れた透明性と耐熱
性を有し、しかも720〜830nm付近の近赤外領域
の光線透過率に特に優れるポリカーボネート樹脂が得ら
れ、また、そのポリカーボネート樹脂をコア材料として
用いると、優れた耐熱性を有し、しかも720〜830
nm付近の近赤外領域において伝送損失の小さいプラス
チック光導波路が得られることを見出し、この知見に基
づき本発明をなすに至った。すなわち本発明は、(1)
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,
1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンを主とする二
価フェノールとカーボネート前駆物質とを反応させて得
られ、かつ樹脂末端に下記一般式(1)
【0006】
【化3】
【0007】(式中、nは1〜5の整数を表わす。)で
表わされるフッ素置換フェノキシ基を有することを特徴
とするポリカーボネート樹脂、(2)前記ポリカーボネ
ート樹脂が、その0.7gを塩化メチレン100mlに
溶解して20℃で測定した比粘度が0.13〜1.3で
ある(1)項記載のポリカーボネート樹脂、(3)2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,
3,3,3−ヘキサフルオロプロパンを主とする二価フ
ェノールとカーボネート前駆物質を反応させてポリカー
ボネート樹脂を製造するに際し、末端停止剤として下記
一般式(2)
【0008】
【化4】
【0009】(式中、nは1〜5の整数を表わす。)で
表わされるフッ素置換フェノールを用いることを特徴と
するポリカーボネート樹脂の製造方法、及び(4)コア
部が(1)項のポリカーボネート樹脂を含んでなること
を特徴とするプラスチック光導波路を提供するものであ
る。本発明における光導波路とは光波、信号、像などを
伝搬させる光導波路として用いられるものを意味し、具
体的には光ファイバ、ライトガイド、光ファイバセンサ
ーなどの他、これらの接続部、光カプラーを含むもので
ある。また、形状には特に制限はなく、コア断面は円形
のほか、方形のものでもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で使用するビスフェノール
AFは、ヘキサフルオロアセトンとフェノールの反応に
より得られる。ビスフェノールAF中の不純物の量があ
まりに多くなると得られるポリカーボネート樹脂の透明
性及び熱安定性が低下するようになるので、再結晶処理
を施したものが好ましく、特に再結晶処理を繰返して不
純物量を液体クロマトグラフィーで0.02%以下に減
少させた純度99.98%以上のものが好ましい。本発
明で使用する二価フェノールは、このビスフェノールA
Fを主成分としてなり、通常、ビスフェノールAFを5
0モル%以上、好ましくは60〜100モル%含んでな
る。したがって、本発明の目的を逸脱しない範囲におい
て、通常50モル%より少ない量で他の二価フェノール
を含んでもよい。他の二価フェノールとしては例えばオ
クタフルオロ−4,4′−ジヒドロキシジフェニル(オ
クタフルオロ−4,4′−ビフェノールともいう)、
4,4′−ジヒドロキシジフェニル、3,3′−ジクロ
ロ−4,4′−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)オキサイド、ビス(3,5−ジクロ
ロ−4−ヒドロキシフェニル)オキサイド、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)スルホン、レゾルシノール、ハイ
ドロキノン、1,4−ジヒドロキシ−2,5−ジクロロ
ベンゼン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィ
ド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド等が
あげられ、特にオクタフルオロ−4,4′−ビフェノー
ルが好ましい。
【0011】また、カーボネート前駆物質としては例え
ばホスゲン、ホスゲンダイマー、ホスゲントリマー、上
記二価フェノール類のビスクロロホーメート及びジフェ
ニルカーボネート、ジ−p−トリルカーボネート、フェ
ニル−p−トリルカーボネート、ジ−p−クロロフェニ
ルカーボネート、ジナフチルカーボネート等のジアリー
ルカーボネート類があげられる。なかでもホスゲンとジ
フェニルカーボネートが好ましい。2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキ
サフルオロプロパンを主とする二価フェノールとカーボ
ネート前駆物質からポリカーボネート樹脂を製造するに
は、ポリカーボネート樹脂の製造に用いられる方法が任
意に採用される。例えば二価フェノールとホスゲンとの
界面重縮合反応や二価フェノールとジフェニルカーボネ
ートとのエステル交換反応が好ましく採用される。
【0012】二価フェノールとホスゲンとの界面重縮合
反応について説明すると、アルカリ水溶液に二価フェノ
ールを溶解し、有機溶媒を加えて20℃以下、好ましく
は10〜20℃に保持しつつホスゲンを反応させた後、
重縮合反応に供する。二価フェノールのアルカリ水溶液
にホスゲンを反応させるにはガス状のホスゲンを吹込む
か又は液状のホスゲンを混合すればよい。反応温度が2
0℃を越えると末端クロロホーメートの分解が多くな
り、得られるポリカーボネート樹脂の熱安定性が悪化す
るようになる。ホスゲンの使用量は二価フェノール1モ
ルに対して1.15〜1.2モルの範囲が好ましい。
1.15モル未満では反応に関与するホスゲンが不足し
て十分な重合度のポリカーボネート樹脂を得にくく、
1.2モルを越えると末端クロロホーメートが多量に残
ったり、この末端クロロホーメートが加水分解して末端
OH量が増大し、得られるポリカーボネート樹脂の熱安
定性が悪化することがある。反応中はpHを10以上に
保持するのが好ましく、またホスゲン化反応時にハイド
ロサルファイトのような還元剤を少量添加してもよい。
ここで使用するアルカリとしては、アルカリ金属やアル
カリ土類金属の水酸化物のような強塩基性の化合物が好
ましく、特に水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等が好
ましい。アルカリ水溶液に使用する水としてはイオン交
換水が好ましく、またアルカリ水溶液は窒素ガスを通じ
て脱酸素して使用するのが好ましい。アルカリ水溶液の
濃度は通常3〜10重量%、好ましくは5〜7重量%で
ある。アルカリ水溶液に溶解する二価フェノールの濃度
は通常10〜30重量%、好ましくは15〜20重量%
である。有機溶媒としては反応に不活性な有機溶媒例え
ば塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水
素が望ましく、有機溶媒もまたアルカリ水溶液と同様に
脱酸素して使用するのが好ましい。
【0013】次いで行なう重合反応は通常25〜30
℃、好ましくは28〜30℃の温度範囲で行なう。反応
時間は通常10分〜5時間、好ましくは30分〜2時間
である。反応中はpHを12以上に保持することが好ま
しい。また、反応を促進するために少量のアミン系触媒
を使用することができる。好ましい触媒としては例えば
トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエチルアン
モニウムブロマイド、トリエチルアンモニウムヒドロキ
サイド等の三級アミンや四級アンモニウム化合物があげ
られ、その使用量は二価フェノール1モルに対して通常
0.0001〜0.01モル、好ましくは0.002〜
0.005モルである。
【0014】ポリカーボネート樹脂に前記一般式(1)
で表わされる末端基を付与するには、前記のポリカーボ
ネート樹脂を製造する際に末端停止剤として前記一般式
(2)で表わされるフッ素置換フェノールを使用する。
かかる末端停止剤としてはペンタフルオロフェノール、
2,3,5,6−テトラフルオロフェノールが好まし
く、特にペンタフルオロフェノールが望ましい。この末
端停止剤の使用量は、目的の分子量に合わせて、得られ
るポリカーボネート樹脂の全末端(通常は両末端)の少
なくとも半分を封鎖するに相当する量使用するのが好ま
しく、全末端を封鎖するに相当する量使用するのが最も
好ましい。なお、残余の末端を他の末端停止剤で封鎖し
てもよく、この場合には脂肪族炭化水素を有しない末端
停止剤を使用するのが好ましい。かくして得られるポリ
カーボネート樹脂の分子量は、あまりに小さいと得られ
る成形品が脆くなり、あまりに大きくなると溶融流動性
が悪くなり、良好な成形品を得にくくなるので、ポリマ
ー0.7gを塩化メチレン100mlに溶解させて20
℃で測定した比粘度は、通常0.13〜1.3である
が、0.160〜0.418のものが好ましく、0.1
65〜0.345のものが特に好ましい。また、合成後
は塩化メチレン等を溶媒とし、孔径0.1μm程度のフ
ィルターを通して異物を十分取り除くのが好ましい。
【0015】本発明のポリカーボネート樹脂には、必要
に応じて各種添加剤、例えば酸化防止剤、熱安定剤、光
安定剤、滑剤、離型剤、難燃剤、染顔料、帯電防止剤、
耐候剤等を添加してもよい。これら添加剤は、例えば溶
液状で混合したり、タンブラー、スーパーミキサー、ナ
ウタミキサー等を用いる任意の方法で混合し、ペレット
状に押出したり、ファイバ状、フィルム状やその他の成
形品に加工することができる。またガラス繊維、カーボ
ン繊維、金属繊維、タルク等の無機物、他の熱可塑性樹
脂と混合することもできる。
【0016】特に、本発明のポリカーボネート樹脂にホ
スファイト系、フェノール系、有機イオウ系等の酸化防
止剤を配合することは好ましいことである。ここで用い
るホスファイト系酸化防止剤としては、例えばトリフェ
ニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイ
ト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)
ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチル
ホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシ
ル−モノフェニルホスファイト、ジオクチル−モノフェ
ニルホスファイト、ジイソプロピル−モノフェニルホス
ファイト、モノブチル−ジフェニルホスファイト、モノ
デシル−ジフェニルホスファイト、モノオクチル−ジフ
ェニルホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブ
チル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ
−ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−
tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビ
ス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホス
ファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニ
ル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、テトラ
キス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,
4−ジフェニレンホスホナイト等の亜リン酸のエステ
ル、又はトリエステル部をアルキル基、フェニル基、ア
ルキルアリール基等で置換したジエステル、モノエステ
ルであり、これらは単独で使用しても又は二種以上併用
してもよい。なかでもトリス(ノニルフェニル)ホスフ
ァイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニ
ル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert
−ブチルフェニル)−4,4−ジフェニレンホスホナイ
トが好ましい。
【0017】フェノール系酸化防止剤は、フェノール系
化合物の水酸基に対してオルト位に嵩高の基が存在する
ヒンダードフェノール系化合物であり、例えばトリエチ
レングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−
5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5
−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート]、ペンタエリスリトール−テトラキス
[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,
4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N′−ヘキサメチ
レンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシ−ヒドロシンナマミド)、3,5−ジ−tert−
ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネート−
ジエチルエステル、トリス(3,5−ジ−tert−ブ
チル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレイト、
3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[β−(3−t
ert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)プロピオニルオキシ]エチル}−2,4,8,10
−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等があげら
れ、なかでもペンタエリスリトール−テトラキス[3−
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5
−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネートが好ましい。有機イオウ系酸化防止剤とし
ては、例えばテトラキス[メチレン−3−(ヘキシルチ
オ)プロピオネート]メタン、テトラキス[メチレン−
3−(デシルチオ)プロピオネート]メタン、テトラキ
ス[メチレン−3−(ラウリルチオ)プロピオネート]
メタン、テトラキス[メチレン−3−(オクチルチオ)
プロピオネート]メタン、ジラウリル−3,3′−チオ
ジプロピオネート、ジミリスチル−3,3′−チオジプ
ロピオネート、ジステアリル−3,3′−チオジプロピ
オネート、ジトリデシル−3,3′−チオジプロピオネ
ート、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−
ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート]、2,2−チオビス(4−メチル−6−t
ert−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイ
ミダゾール等があげられ、なかでもテトラキス[メチレ
ン−3−(ラウリルチオ)プロピオネート]メタンが好
ましい。かかる酸化防止剤の配合量は、ポリカーボネー
ト樹脂100重量部に対して0.001〜1.0重量部
が適当である。
【0018】次に本発明のプラスチック光導波路を、代
表的な光導波路であるプラスチック光ファイバを例に説
明する。本発明のプラスチック光ファイバは、このよう
にして得た本発明のポリカーボネートをコア部として、
その外側にコア部より屈折率の小さい樹脂をクラッド層
として有し、例えば2重紡糸法によって得られる。クラ
ッド層の材料としては、例えばテトラフルオロエチレン
−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロ
エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合
体、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサ
フルオロプロピレン共重合体、サイトップ(商品名、旭
硝子社製)やテフロンAF(商品名、デュポン社製)等
の環状パーフルオロ樹脂等のフッ素樹脂、シリコーン樹
脂等が挙げられる。二重紡糸時には窒素やアルゴン等の
不活性ガスを流しつつ紡糸したほうが好ましい。紡糸時
のヘッドの温度は240〜260℃程度である。また、
低い伝送損失のプラスチック光ファイバを得るために特
開平4−124603号及び同5−24050号に開示
されているようなプリフォームを予め作成し、これを紡
糸することによりプラスチック光ファイバを得てもよ
い。本発明のプラスチック光ファイバは、本発明のポリ
カーボネート樹脂を使用してなるコア部の外側にクラッ
ド層を有していれば、その層数などに特に制限はない。
その構造自体は通常のものと特に異ならない。本発明に
おいて前記ポリカーボネート樹脂をコア材とし、常法に
従って種々の光導波路を製造することができる。
【0019】
【実施例】以下に実施例に基づき本発明をさらに説明す
る。なお、実施例中の部及び%は重量部及び重量%であ
り、測定は下記の方法によって行った。 (1)比粘度:ポリマー0.7gを塩化メチレン100
mlに溶解し20℃で測定した。 (2)ガラス転移温度(Tg):デュポン社製DSC−
910により昇温速度20℃/分で測定した。 (3)重量減少温度:デュポン社製951型TGAによ
り昇温速度20℃/分で5%及び10%重量減少温度を
測定した。 (4)フーリエ変換赤外分光光度(FT−IR):JO
EL DATUM JIR−6500 フーリエ変換赤
外分光光度計を用いて2800〜3200cm-1の吸収
を測定し脂肪族C−H結合の伸縮振動の吸収に相当する
2966cm-1及び2873cm-1の吸収を観測した。 (5)伝送損失:光源として780nmLEDを用い、1
0m −1m カットバック法により伝送損失を測定した。
【0020】実施例1 攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応槽にイオン
交換水215部及び48.5%水酸化ナトリウム水溶液
24.7部を仕込み、これにハイドロサルファイト0.
09部及びビスフェノールAF 45.4部を溶解し、
塩化メチレン160部を加え、攪拌下14〜16℃でホ
スゲン15.6部を約40分かけて吹込んだ。次いで4
8.5%水酸化ナトリウム水溶液8.4部及びペンタフ
ルオロフェノール1.37部を加え、攪拌して乳化させ
た後、トリエチルアミン0.09部を加え、30℃で約
2時間攪拌して反応を終了した。反応終了後、有機相を
塩化メチレンで希釈して水洗した後、塩酸酸性にしてさ
らに水洗し、水相の導電率がイオン交換水とほぼ同等に
なるまで水洗した後、塩化メチレンを蒸発させてポリカ
ーボネート樹脂を得た。このポリマーの比粘度は0.2
29であり、ガラス転移温度は163℃と高い耐熱性を
示した。また、5%重量減少温度は502℃、10%重
量減少温度は517℃と良好な熱安定性を示した。FT
−IRの測定結果を図1に示す。図1より明らかなよう
に2966cm-1及び2873cm-1付近の脂肪族C−
H結合に起因する吸収が激減していることより、この吸
収の倍音に相当する720〜830nm付近の吸収も激
減していることが容易に推測される。
【0021】得られたポリカーボネートを孔径0.1μ
mのフィルタを通し精製を行った後、紡糸装置の内層に
得られたポリカーボネート樹脂を導入し、外層にはテフ
ロンAF1600(商品名、デュポン社製)を導入し窒
素を導入しつつ、紡糸をおこないプラスチック光ファイ
バを得た。紡糸温度はヘッド部で245℃であった。得
られたプラスチック光ファイバはコア部の径が0.47
mmφ、外径が0.50mmφであった。得られたプラスチ
ック光ファイバの伝送損失は、780nmで0.38dB/m
であった。
【0022】実施例2 攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応槽にイオン
交換水196部及び48.5%水酸化ナトリウム水溶液
22.6部を仕込み、これにハイドロサルファイト0.
08部及びビスフェノールAF 41.4部を溶解し、
塩化メチレン147部を加え、攪拌下14〜16℃でホ
スゲン14.3部を約30分かけて吹込んだ。次いで4
8.5%水酸化ナトリウム水溶液7.8部及び2,3,
5,6−テトラフルオロフェノール1.12部を加え、
攪拌して乳化させた後、トリエチルアミン0.09部を
加え、30℃で約2時間攪拌して反応を終了した。反応
終了後、有機相を塩化メチレンで希釈して水洗した後、
塩酸酸性にしてさらに水洗し、水相の導電率がイオン交
換水とほぼ同等になるまで水洗した後、塩化メチレンを
蒸発させてポリカーボネート樹脂を得た。このポリマー
の比粘度は0.257であり、ガラス転移温度は165
℃と高い耐熱性を示した。また、5%重量減少温度は5
03℃、10%重量減少温度は518℃と良好な熱安定
性を示した。FT−IRの測定結果を図2に示す。図2
より明らかなように2966cm-1及び2873cm-1
付近の脂肪族C−H結合に起因する吸収が激減している
ことより、この吸収の倍音に相当する720nm〜83
0nm付近の吸収も激減していることが容易に推測され
る。
【0023】実施例1と同様な方法でコア−クラッド部
を有するプラスチック光ファイバを得た。紡糸温度はヘ
ッド部で250℃であった。得られたプラスチック光フ
ァイバはコア部の径が0.47mmφ、外径が0.50mm
φであった。得られたプラスチック光ファイバの伝送損
失は、780nmで0.39dB/mであった。
【0024】比較例1 攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応槽にイオン
交換水1032部及び48.5%水酸化ナトリウム水溶
液118.6部を仕込み、これにハイドロサルファイト
0.44部及びビスフェノールAF 217.6部を溶
解し、塩化メチレン770部を加え、攪拌下14〜16
℃でホスゲン75.0部を約45分かけて吹込んだ。次
いで48.5%水酸化ナトリウム水溶液40.3部及び
p−tert−ブチルフェノール5.3部を加え、攪拌
して乳化させた後トリエチルアミン0.23部を加え、
30℃で約2時間攪拌して反応を終了した。反応終了後
有機相を塩化メチレンで希釈して水洗した後、塩酸酸性
にしてさらに水洗し、水相の導電率がイオン交換水とほ
ぼ同等になるまで水洗した後、塩化メチレンを蒸発させ
てポリカーボネート樹脂を得た。このポリマーの比粘度
は0.184、ガラス転移温度は159℃であり、5%
重量減少温度は493℃、10%重量減少温度は511
℃であった。また、FT−IRの測定結果を図3に示
す。図3より明らかなように2966cm-1及び287
3cm-1付近の脂肪族C−H結合に起因する吸収が観測
された。実施例1と同様な方法でコア−クラッド部を有
するプラスチック光ファイバを得た。紡糸温度はヘッド
部で250℃であった。得られたプラスチック光ファイ
バはコア部の径が0.47mmφ、外径が0.50mmφで
あった。得られたプラスチック光ファイバの伝送損失
は、780nmで0.42dB/mであった。
【0025】実施例1、2及び比較例1のポリカーボネ
ート樹脂の評価結果を表1にまとめて示した。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】本発明のポリカーボネート樹脂は優れた
透明性と耐熱性を有し、特に近赤外領域での光吸収が極
めて少ないので、高い耐熱性と光学特性がともに要求さ
れる分野、例えば光ファイバなどの光導波路のほか、各
種レンズ、プリズム、コネクター、光ディスク、液晶パ
ネル等の各種光学機器用素材として極めて有用である。
本発明の方法によれば、ポリカーボネート樹脂の基本構
造を変えずに末端停止剤としてフッ素置換フェノールを
用いることにより、従来のフェノール等を末端停止剤と
した製造方法と同様の工程で前記の樹脂を得ることがで
き、複雑な工程を経ることなく透明性、耐熱性に優れた
ポリカーボネート樹脂を製造することができる。また、
このポリカーボネート樹脂をコア材としたプラスチック
光ファイバなどの光導波路は近赤外域の波長において伝
送損失が小さく、コンピュータ用配線材やマルチメディ
ア等への用途に極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1におけるFT−IR測定結果を示すチ
ャートである。
【図2】実施例2におけるFT−IR測定結果を示すチ
ャートである。
【図3】比較例1におけるFT−IR測定結果を示すチ
ャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 徳田 俊正 東京都千代田区内幸町1丁目2番2号 帝 人化成株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
    ル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパ
    ンを主とする二価フェノールとカーボネート前駆物質と
    を反応させて得られ、かつ、樹脂末端に下記一般式
    (1) 【化1】 (式中、nは1〜5の整数を表わす。)で表わされるフ
    ッ素置換フェノキシ基を有することを特徴とするポリカ
    ーボネート樹脂。
  2. 【請求項2】 前記ポリカーボネート樹脂が、その0.
    7gを塩化メチレン100mlに溶解して20℃で測定
    した比粘度が0.13〜1.3である請求項1記載のポ
    リカーボネート樹脂。
  3. 【請求項3】 2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
    ル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパ
    ンを主とする二価フェノールとカーボネート前駆物質を
    反応させてポリカーボネート樹脂を製造するに際し、末
    端停止剤として下記一般式(2) 【化2】 (式中、nは1〜5の整数を表わす。)で表わされるフ
    ッ素置換フェノールを用いることを特徴とするポリカー
    ボネート樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】 コア部が請求項1のポリカーボネート樹
    脂を含んでなることを特徴とするプラスチック光導波
    路。
JP8230283A 1996-08-30 1996-08-30 ポリカーボネート樹脂、その製造方法及び該樹脂を用いたプラスチック光導波路 Pending JPH1077339A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8230283A JPH1077339A (ja) 1996-08-30 1996-08-30 ポリカーボネート樹脂、その製造方法及び該樹脂を用いたプラスチック光導波路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8230283A JPH1077339A (ja) 1996-08-30 1996-08-30 ポリカーボネート樹脂、その製造方法及び該樹脂を用いたプラスチック光導波路

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1077339A true JPH1077339A (ja) 1998-03-24

Family

ID=16905391

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8230283A Pending JPH1077339A (ja) 1996-08-30 1996-08-30 ポリカーボネート樹脂、その製造方法及び該樹脂を用いたプラスチック光導波路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1077339A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012133237A (ja) * 2010-12-22 2012-07-12 Hitachi Chem Co Ltd 光導波路形成用樹脂組成物及びこれを用いた光導波路形成用樹脂フィルム、並びにこれらを用いた光導波路
WO2018211953A1 (ja) * 2017-05-16 2018-11-22 国立大学法人神戸大学 フッ素化カーボネート誘導体の製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012133237A (ja) * 2010-12-22 2012-07-12 Hitachi Chem Co Ltd 光導波路形成用樹脂組成物及びこれを用いた光導波路形成用樹脂フィルム、並びにこれらを用いた光導波路
WO2018211953A1 (ja) * 2017-05-16 2018-11-22 国立大学法人神戸大学 フッ素化カーボネート誘導体の製造方法
CN110719904A (zh) * 2017-05-16 2020-01-21 国立大学法人神户大学 氟化碳酸酯衍生物的制造方法
JPWO2018211953A1 (ja) * 2017-05-16 2020-04-23 国立大学法人神戸大学 フッ素化カーボネート誘導体の製造方法
US11167259B2 (en) 2017-05-16 2021-11-09 National University Corporation Kobe University Fluorinated carbonate derivative production method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5496913A (en) Aromatic polycarbonate, a method for producing the same, and a plastic optical waveguide using the same
JP3830983B2 (ja) 芳香族ポリカーボネート組成物
JPH0625398A (ja) 高屈折率低複屈折性ポリカーボネート樹脂
US5475786A (en) Aromatic polycarbonate copolymer, a process for producing the same, and a plastic optical waveguide using the same
US5409975A (en) Aromatic polycarbonate copolymer, a process for producing the same, and a plastic optical waveguide using the same
JP2022028757A (ja) 光学用ポリカーボネート樹脂組成物及びその製造方法並びにそれを含むメガネレンズ及びカメラレンズ
JPH1077339A (ja) ポリカーボネート樹脂、その製造方法及び該樹脂を用いたプラスチック光導波路
JP3155092B2 (ja) 芳香族ポリカーボネート共重合体の製造方法
EP0282062B1 (en) Plastic optical fiber
JPH1077400A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物及びそれを用いたプラスチック光導波路
JP3268663B2 (ja) 芳香族ポリカーボネート
JPH11152328A (ja) ポリカーボネート樹脂及び該樹脂を用いたプラスチック光導波路
JP2558285B2 (ja) 光学材料
US5021541A (en) Polycarbonate resin from bis(hydroxy benzoyl oxy-tetra oxa spiro) cpd.
JP3867930B2 (ja) 芳香族ポリカーボネート組成物
JP3150456B2 (ja) 芳香族ポリカーボネート共重合体の製造方法
JP5296452B2 (ja) 末端変性ポリカーボネートおよびその製造方法
JP3276747B2 (ja) 耐熱性を有するプラスチック光ファイバ及び光導波路
JPH06148438A (ja) 耐熱性を有するプラスチック光ファイバ及び光導波路
JP3276748B2 (ja) 耐熱性を有するプラスチック光ファイバ及び光導波路
JPH06145492A (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物
JP2597483B2 (ja) プラスチック光伝送性繊維
JP3169194B2 (ja) プラスチック光伝送性繊維
JPH0578467A (ja) 新規芳香族ポリカーボネート樹脂
JPH1081738A (ja) フッ素化芳香族ポリエステルカーボネート樹脂