JPH1081738A - フッ素化芳香族ポリエステルカーボネート樹脂 - Google Patents

フッ素化芳香族ポリエステルカーボネート樹脂

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JPH1081738A
JPH1081738A JP23694696A JP23694696A JPH1081738A JP H1081738 A JPH1081738 A JP H1081738A JP 23694696 A JP23694696 A JP 23694696A JP 23694696 A JP23694696 A JP 23694696A JP H1081738 A JPH1081738 A JP H1081738A
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aromatic polyester
polyester carbonate
carbonate resin
dihydric phenol
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JP23694696A
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Toshimasa Tokuda
俊正 徳田
Hiroshi Shudo
弘 首藤
Masami Nishiguchi
雅己 西口
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Furukawa Electric Co Ltd
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Chemicals Ltd
Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性に優れ、耐熱性が高く、且つ720〜
830nm付近の近赤外領域に吸収を有しない芳香族ポ
リエステルカーボネート樹脂を提供する。 【解決手段】 オクタフルオロビフェノール及び/又は
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,
1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンを主として含
有する二価フェノール成分と、特定の芳香族ジカルボン
酸又はその誘導体と、カーボネート前駆物質とを反応さ
せてなる、エステル基の量がエステル基とカーボネート
基の合計量に対して1〜75モル%であるフッ素化芳香
族ポリエステルカーボネート樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ素化芳香族ポ
リエステルカーボネート樹脂に関する。さらに詳しく
は、高い耐熱性を有し、光学特性に優れた、特に長波長
域における透明性に優れたフッ素化芳香族ポリエステル
カーボネート樹脂に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、代表的な芳香族ポリエステル
カーボネート樹脂としては、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)にホ
スゲンやジフェニルカーボネート等のカーボネート前駆
物質とテレフタル酸、イソフタル酸もしくはそれらの誘
導体とを反応させて得られるものが知られており(例え
ば特開昭58−185620号公報、特開昭59−87
25号公報、特開昭59−25818号公報、特開昭5
9−38232号公報)、この芳香族ポリエステルカー
ボネート樹脂は透明性、耐熱性が高く、寸法精度が良い
等の優れた性質を有するものであることが分かってい
る。近年、高度情報化時代を反映して、光学特性に優れ
る芳香族ポリエステルカーボネート樹脂を光ディスク、
光ファイバ、光カード、レンズ等光学用途に用いる提案
がなされてきた。その中で、例えばコンパクトディスク
等に用いられる半導体レーザ光源である720〜830
nm付近の近赤外領域での通信に用いられる光媒体とし
て、この領域に吸収を有さないポリマーが求められてい
る。この要求に対応する提案もなされているが(特開平
8−15533号公報)、この芳香族ポリエステルカー
ボネート樹脂は光学特性は良好であるが耐熱性に劣るも
のであり、光学素子材料として必ずしも満足できるもの
ではない。そこで、光学特性、耐熱性に優れ、さらに7
20〜830nm付近の近赤外領域に吸収を有さないポ
リマーが要求されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光デ
ィスク、光ファイバ、光カード、液晶パネル、プリン
タ、光学レンズ、ヘッドランプレンズ等の光学機器用素
材、特に光導波路(例えばプラスチック光ファイバ)に
適した、透明で且つ高い耐熱性を有する芳香族ポリエス
テルカーボネート樹脂であって、特に720〜830n
m付近の近赤外領域に吸収を有さない芳香族ポリエステ
ルカーボネート樹脂を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため、芳香族ポリエステルカーボネート樹脂
について鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有するフ
ッ素化二価フェノールと芳香族ジカルボン酸もしくはそ
の誘導体とカーボネート前駆物質とを所定比率で反応さ
せて得られる新規な芳香族ポリエステルカーボネート樹
脂が、耐熱性に優れ、かつ近赤外領域に吸収を有さず光
学特性に優れることを見出した。本発明はこの知見に基
づきなされるに至ったものである。
【0005】すなわち本発明は、(1)オクタフルオロ
ビフェノール及び/又は2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ
プロパンを主として含有する二価フェノール成分と、下
記一般式(1)
【0006】
【化2】
【0007】(式中、2つのカルボン酸基の置換位置は
一方に対して他方がメタ位またはパラ位となる位置であ
り、Rはヒドロキシル基、ハロゲン原子、又は酸素原子
で結合する有機基を表わし、nは0〜4の整数を表わ
す。)で表わされる芳香族ジカルボン酸又はその誘導体
と、カーボネート前駆物質とを反応させてなる、エステ
ル基の量がエステル基とカーボネート基の合計量に対し
て1〜75モル%であることを特徴とするフッ素化芳香
族ポリエステルカーボネート樹脂、(2)前記フッ素化
ポリエステルカーボネート樹脂0.7gを塩化メチレン
100mlに溶解した溶液の比粘度が0.13〜1.3
である前記(1)項記載のフッ素化芳香族ポリエステル
カーボネート樹脂、(3)二価フェノール成分が2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,
3,3−ヘキサフルオロプロパンである前記(1)又は
(2)項記載のフッ素化芳香族ポリエステルカーボネー
ト樹脂、及び(4)二価フェノール成分がオクタフルオ
ロビフェノール及び2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロ
パンの混合物である前記(1)又は(2)項記載のフッ
素化芳香族ポリエステルカーボネート樹脂を提供するも
のである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のフッ素化芳香族ポリエス
テルカーボネート樹脂は、二価フェノール成分と芳香族
ジカルボン酸又はその誘導体とカーボネート前駆物質と
を反応させてなり、その分子は所定の割合で含まれるエ
ステル成分とカーボネート成分とからなる。二価フェノ
ール成分は、オクタフルオロビフェノール(オクタフル
オロ−ジヒドロキシジフェニルともいう。)又は2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,
3,3−ヘキサフルオロプロパン(通称、ビスフェノー
ルAF)又はこれらの混合物を主として、すなわち全二
価フェノール成分中、これらのフッ素化二価フェノール
成分を少なくとも50モル%以上、好ましくは60モル
%以上、さらに好ましくは100モル%含有してなる。
オクタフルオロビフェノールとしては、オクタフルオロ
−4,4’−ビフェノールが好ましい。オクタフルオロ
ビフェノールは、不純物量が1重量%以下のものを用い
ることが好ましく、さらには0.1重量%以下のものを
用いることが好ましい。2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ
プロパンは、液体クロマトグラフィーで測定した不純物
の量が0.02重量%以下に減少された、純度99.9
8重量%以上のものであることが好ましい。
【0009】二価フェノール成分としてオクタフルオロ
ビフェノールと2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパ
ンの混合物を用いる場合の割合は、前者が1〜99モル
%、後者が99〜1モル%であり、特に前者が5〜75
モル%、後者が95〜25モル%が好ましい。オクタフ
ルオロビフェノールの量が1モル%未満では、長波長域
を含む特定波長域において透明性に優れる樹脂を得られ
ないことがあり、これが99モル%を超えると成形性が
悪化することがある。また、このフッ素化二価フェノー
ル成分の一部を、通常50モル%より少ない量、好まし
くは40モル%より少ない量で他の二価フェノールで置
き換えることができる。そのような他の二価フェノール
としては、分子中に脂肪族基を有さないものが好まし
く、例えばハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスル
ホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィ
ド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルオキシド等が挙
げられる。
【0010】次に、前記一般式(1)で表わされる芳香
族ジカルボン酸又はその誘導体について説明する。一般
式(1)において、Rは、ヒドロキシル基、ハロゲン原
子(例えば、塩素原子、臭素原子)、又は酸素原子で結
合する有機基(例えば、メトキシなどのアルコキシ基、
フェノキシなどのアリールオキシ基、フェネトキシなど
のアラルキルオキシ基)を表わす。Rは、好ましくはヒ
ドロキシル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリール
オキシ基、アラルキルオキシ基であり、さらに好ましく
はヒドロキシル基、塩素原子、又はアルコキシ基であ
る。Rは、互いに同一でも異なっていてもよいが、好ま
しくは同一の置換基を表わす。一般式(1)において、
nは0〜4の整数であり、好ましくは2〜4である。好
ましい芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、及びそれらのベンゼン環フッ素置換体(例
えば、テトラフルオロテレフタル酸、テトラフルオロイ
ソフタル酸)が挙げられる。また芳香族ジカルボン酸の
誘導体としては、酸ジハロゲン化物(例えば、テレフタ
ル酸クロライド、イソフタル酸クロライド、テレフタル
酸ブロマイドなどの酸ジクロライドや酸ジブロマイ
ド)、ジエステル(例えば、テレフタル酸ジメチル、イ
ソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチルなどのジア
ルキルエステル、テレフタル酸ジフェニル、イソフタル
酸ジフェニル、テレフタル酸ジベンジルなどのジアリー
ルエステルやジアラルキルエステル)が用いられる。
【0011】カーボネート前駆物質としては例えばホス
ゲン(例えば、ホスゲン、ホスゲンダイマー、ホスゲン
トリマー)、ビスアリールカーボネート(例えば、ジフ
ェニルカーボネート)のほか、上記二価フェノール化合
物のビスクロロホーメート、ジ−p−トリルカーボネー
ト、フェニル−p−トリルカーボネート、ジ−p−クロ
ロフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート等が
挙げられ、なかでもホスゲンとジフェニルカーボネート
が好ましい。
【0012】本発明のフッ素化芳香族ポリエステルカー
ボネート樹脂は、その分子量があまりに低いと脆くて実
用性がなくなり、逆にあまりに高くなると溶融流動性が
悪くなりやはり実用的ではなくなるので、溶媒として塩
化メチレンを使用し、0.7g/100mlの樹脂濃度
で測定した溶液の比粘度(20℃)が0.13〜1.3
のものであることが好ましい。この比粘度は、さらに好
ましくは0.14〜0.55であり、実際上の成形性の
上から特に好ましくは0.16〜0.38である。本発
明のフッ素化芳香族ポリエステルカーボネート樹脂にお
いては、反応により生成したフッ素化芳香族ポリエステ
ルカーボネート樹脂中のエステル基の含量をエステル基
とカーボネート基の合計量に対して1〜75モル%と
し、好ましくは5〜60モル%とする。エステル基の含
量が1モル%より少ないと、耐熱性を向上させる効果が
不十分になり、一方、エステル基の含量が75モル%よ
り多くなると、溶融流動性が悪化するようになる。反応
させる際に、カーボネート前駆物質の芳香族ジカルボン
酸又はその誘導体に対する使用割合をモル比で(99:
1)〜(25:75)とすることによって、得られるフ
ッ素化芳香族ポリエステルカーボネート樹脂中のエステ
ル基の含量をエステル基とカーボネート基の合計に対し
て略1〜75モル%とすることができる。
【0013】本発明のフッ素化芳香族ポリエステルカー
ボネート樹脂の製造方法としては、従来のポリエステル
カーボネート樹脂の製造に用いられる方法が任意に採用
される。例えば二価フェノール成分と芳香族ジカルボン
酸又はジカルボン酸クロライドとホスゲンとの反応、又
は二価フェノール成分と芳香族ジカルボン酸とビスアリ
ールカーボネートとのエステル交換反応が好ましく採用
される。二価フェノール成分と芳香族ジカルボン酸又は
ジカルボン酸クロライドとホスゲンとの反応では、通
常、酸結合剤及び溶媒の存在下に反応を行う。酸結合剤
としては例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の
アルカリ金属水酸化物、ピリジン等が用いられる。溶媒
としては例えば塩化メチレンやクロロベンゼン等のハロ
ゲン化炭化水素が用いられる。また、反応促進のために
例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、テトラエ
チルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウム
ヒドロキシド等の第三級アミンや第四級アンモニウム塩
等の触媒を用いることが好ましく、分子量調節剤として
例えばフェノール、p−tert−ブチルフェノール、
テトラフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノール
等の末端停止剤を用いることが望ましい。反応温度は通
常0〜40℃、反応時間は通常数分〜5時間、反応中の
pHは通常10以上に保つのが好ましいが、ジカルボン
酸を用いる方法ではエステルカーボネート無水物を経由
するので、エステルカーボネート無水物を生じる反応で
はpHは7〜9に、これを脱炭酸する反応ではpHは8
〜10に調整することが好ましい。一方、エステル交換
反応では、不活性ガス存在下に二価フェノール成分と芳
香族ジカルボン酸又はジカルボン酸ジエステルとビスア
リールカーボネートを混合し、減圧下、通常120〜3
50℃で反応させる。減圧度は段階的に変化させ、最終
的には1mmHg以下にして生成したフェノール類を系
外に留去させる。反応時間は通常1〜4時間程度であ
る。また必要に応じて分子量調節剤や酸化防止剤を加え
てもよい。
【0014】本発明のフッ素化芳香族ポリエステルカー
ボネート樹脂は例えば射出成形法、圧縮成形法、押出成
形法、溶液キャスティング法等任意の方法で成形するこ
とができる。特にそのガラス転移温度が高いものはキャ
スティング法が好ましい。なお、本発明のフッ素化芳香
族ポリエステルカーボネート樹脂には、必要に応じて熱
安定剤、酸化防止剤、光安定剤、着色剤、帯電防止剤、
滑剤、離型剤等の添加剤を加えることができる。また、
本発明のフッ素化芳香族ポリエステルカーボネート樹脂
を他のポリカーボネート樹脂やそれ以外の熱可塑性樹脂
と混合して用いることもできる。
【0015】本発明のフッ素化芳香族ポリエステルカー
ボネート樹脂は、耐熱性が高く、透明性に優れ、さらに
720〜830nm付近の近赤外域に吸収を有しないの
で、これを光ファイバのコア部に用いることにより、近
赤外域までの波長域において伝送損失の小さいプラスチ
ック光ファイバを得ることができる。このようなプラス
チック光ファイバは、本発明のフッ素化芳香族ポリエス
テルカーボネート樹脂をコア部とし、そのコア部の外側
にコア部より屈折率の小さい樹脂(例えば、環状パーフ
ルオロ樹脂等のフッ素樹脂、シリコーン樹脂)をクラッ
ド層として常法により、例えば2重紡糸法によって設け
ることによって製造することができる。
【0016】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。なお、下記例中の部及び組成を示す%は重量
部及び重量%である。比粘度は塩化メチレンを溶媒とし
て0.7g/100mlのポリマー濃度で20℃で測定
し、ガラス転移温度はデュポン社製DSCにて測定し
た。エステル基の割合は日本電子(株)製 JIR−6
500型FTIRを用い、エステルとカーボネートのカ
ルボニル基(それぞれ1736cm-1、1780cm-1
の吸収ピーク)の吸光度の合計に対するエステルのカル
ボニル基の吸光度の比から求めた。プリフォームの分光
光線透過率は日立製作所社製分光光度計 U−3400
により測定した。
【0017】[実施例1]温度計、撹拌機及び滴下漏斗
付き反応器に、イオン交換水185.3部及び48%水
酸化ナトリウム水溶液21.3部を仕込み、これに2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,
3,3,3−ヘキサフルオロプロパン39.6部、オク
タフルオロ−4,4’−ビフェノール3.8部及びハイ
ドロサルファイト0.08部を溶解した後、塩化メチレ
ン138.4部を加え、撹拌下15〜25℃でホスゲン
8部を30分を要して吹込んだ。また同時にテレフタル
酸クロライド11.3部及びp−tert−ブチルフェ
ノール0.96部を塩化メチレン50部に溶解して滴下
した。得られたオリゴマー混合液に48%水酸化ナトリ
ウム水溶液7.2部を加え、乳化させた後トリエチルア
ミン0.04部を加えて28〜33℃で約2時間撹拌し
て反応を終了した。反応終了後、生成物を塩化メチレン
で希釈して水洗した後、塩酸酸性にして水洗し、水相の
導電率がイオン交換水と殆ど同じになったところで塩化
メチレンを蒸発して無色のポリマー51部(収率94
%)を得た。このもののエステル基の割合は、IRスペ
クトルにおけるカーボネートとエステルのカルボニル基
の吸光度比から、30モル%であった。このポリマーは
比粘度が0.175、ガラス転移温度は173℃であっ
た。このポリマーから、特開平5−24050号公報記
載の方法によって直径2cm×長さ5cmのプリフォー
ムを成形した。成形片は無色透明で、720〜830n
mの領域に吸収はみられなかった。
【0018】[実施例2]テレフタル酸クロライド1
1.3部に代えて、テレフタル酸クロライド9.4部と
イソフタル酸クロライド1.88部を使用する以外は実
施例1と同様に反応、処理を行い、無色のポリマー5
1.3部(収率95%)を得た。このもののエステル基
の割合は実施例1と同様にして30モル%であった。こ
のものの比粘度は0.180、ガラス転移温度は162
℃であった。このポリマーから実施例1と同様にして得
た成形片において、720〜830nmの領域に吸収は
みられなかった。
【0019】[実施例3]2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオ
ロプロパンの使用量を39.2部、オクタフルオロ−
4,4’−ビフェノールの使用量を4.3部、ホスゲン
の使用量を12部に変更し、さらにテレフタル酸クロラ
イドの代わりにテトラフルオロテレフタル酸クロライド
4部を使用する以外は実施例1と同様にして無色のポリ
マー46.2部(収率92%)を得た。このもののエス
テル基の割合は実施例1と同様にして、9モル%であっ
た。このポリマーの比粘度は0.182、ガラス転移温
度は168℃であった。このポリマーから実施例1と同
様にして得た成形片では、720〜830nmの領域に
吸収はみられなかった。
【0020】[実施例4]2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオ
ロプロパンの使用量を34.8部、オクタフルオロ−
4,4’−ビフェノールの使用量を3.8部に変更し、
さらに4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル2.
9部を用いる以外は実施例3と同様にして無色のポリマ
ー44.9部(収率94%)を得た。このもののエステ
ル基の割合は実施例1と同様にして9モル%であった。
このものの比粘度は0.190、ガラス転移温度は16
5℃であった。このポリマーから実施例1と同様にして
得た成形片では、720〜830nmの領域に吸収はみ
られなかった。
【0021】[比較例1]2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオ
ロプロパン39.6部及びオクタフルオロ−4,4’−
ビフェノール3.8部に代えて、ビスフェノールA2
9.5部を使用する以外は実施例1と同様にして無色の
ポリマー39.3部(収率98%)を得た。このものの
エステル基の割合は実施例1と同様にして30モル%で
あった。このポリマーの比粘度は0.314、ガラス転
移温度は164℃であった。このポリマーから実施例1
と同様にして得た成形片においては、720〜830n
mの領域に脂肪族C−H結合に由来する著しい吸収がみ
られた。
【0022】
【発明の効果】本発明のフッ素化芳香族ポリエステルカ
ーボネート樹脂は高いガラス転移温度を有し、透明性に
優れ、さらに720〜830nmの領域に吸収を有さな
い等光学的性質に優れている。そこで、高い耐熱性と、
特に長波長域においても透明であるような光学特性が要
求される分野、例えば伝送損失、特に長波長域における
伝送損失の小さいプラスチック光ファイバなどの光導波
路のほか、光ディスク、光カード、ヘッドランプレン
ズ、各種レンズ、プリズム、液晶パネル等の各種光学機
器用素材として有用である。また耐熱フィルム、耐熱プ
リンタ用素材としても有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西口 雅己 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オクタフルオロビフェノール及び/又は
    2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,
    1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンを主として含
    有する二価フェノール成分と、下記一般式(1) 【化1】 (式中、2つのカルボン酸基の置換位置は一方に対して
    他方がメタ位またはパラ位となる位置であり、Rはヒド
    ロキシル基、ハロゲン原子、又は酸素原子で結合する有
    機基を表わし、nは0〜4の整数を表わす。)で表わさ
    れる芳香族ジカルボン酸又はその誘導体と、カーボネー
    ト前駆物質とを反応させてなる、エステル基の量がエス
    テル基とカーボネート基の合計量に対して1〜75モル
    %であることを特徴とするフッ素化芳香族ポリエステル
    カーボネート樹脂。
  2. 【請求項2】 前記フッ素化ポリエステルカーボネート
    樹脂0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液
    の比粘度が0.13〜1.3である請求項1記載のフッ
    素化芳香族ポリエステルカーボネート樹脂。
  3. 【請求項3】 二価フェノール成分が2,2−ビス(4
    −ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘ
    キサフルオロプロパンである請求項1又は2記載のフッ
    素化芳香族ポリエステルカーボネート樹脂。
  4. 【請求項4】 二価フェノール成分がオクタフルオロビ
    フェノール及び2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
    ル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパ
    ンの混合物である請求項1又は2記載のフッ素化芳香族
    ポリエステルカーボネート樹脂。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6470131B1 (en) 2000-11-03 2002-10-22 Corning Incorporated Highly-halogenated low optical loss polymer
US7112647B2 (en) 2001-12-26 2006-09-26 Showa Denko K.K. Fluorinated polymer

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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