JPH06195690A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH06195690A
JPH06195690A JP16164393A JP16164393A JPH06195690A JP H06195690 A JPH06195690 A JP H06195690A JP 16164393 A JP16164393 A JP 16164393A JP 16164393 A JP16164393 A JP 16164393A JP H06195690 A JPH06195690 A JP H06195690A
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JP
Japan
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magnetic
layer
recording medium
coating
upper layer
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JP16164393A
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English (en)
Inventor
Takafumi Yanagida
貴文 柳多
Kunitsuna Sasaki
邦綱 佐々木
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面性に優れ、電磁変換特性の良好な磁気記
録媒体の提供。 【構成】 磁性塗料のクリープ変形量を調整し、エクス
トルーダ塗布により薄層の上層磁性層を有する磁気記録
層を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高密度記録が可能な高電
磁変換特性を有し、更に広波長帯の収録を可能とした磁
気記録媒体に関する。
【0002】
【従来技術】近年、磁気記録媒体は益々高性能なものが
指向され、高密度記録が可能な高電磁変換特性を具備し
た磁気ディスク、磁気テープ等の出現が望まれている。
【0003】磁気記録媒体の電磁変換特性を向上するた
めに、従来より、飽和磁化量の大きい磁性粉の使用、磁
性粉の分散性向上、磁性層に関しては、重層化或いは角
形比、抗磁力、飽和磁束密度等の向上、更には表面平滑
度の調整等多種の試みがなされて来た。
【0004】また広い記録波長帯の収録には磁性層の重
層構成が必要となってきた。
【0005】磁性層の重層構成とは、上層に短波長記録
対応の磁性層、下層に長波長記録対応の磁性層を設けた
層構成を指す。
【0006】一方重層構成記録媒体の塗布方法は、従前
一層毎塗布を行い、その後乾燥を繰返す方法が採られて
いたが、生産性が甚だ悪く、更に均一塗布、特に薄層塗
布が困難であり、また電磁変換特性に支障を来すことが
多いことから同時重層塗布の可能なエクストルージョン
塗布法が着目されてきている。
【0007】エクストルージョン塗布法において、塗料
はコータの塗料溜めからスリットを出て、連続移動する
支持体に塗料が乗移る際にコータヘッドのエッジで急激
な剪断力と伸展を受ける。
【0008】しかしながら磁性層等の構成層用塗料は非
ニュートン流体であり、三次元の塗料液容から瞬間的に
薄膜状に伸展するためにはレオロジィ的に充分考慮され
た対策が必要である。
【0009】しかしながら、塗料の伸展性は上述の如く
塗布技術上重要な因子であるにも拘らず伸展性の観点に
立った記録媒体構成層の塗布技術の吟味は全くなされて
いない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、表面
平滑度が良好で、かつ高電磁変換特性を有し広波長帯の
収録が可能な磁気記録媒体の提供にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記本発明の目的は;
「非磁性支持体上に、固形分濃度30重量%、液温20±1
℃、荷重1パスカルにおけるクリープ変形量が10〜500
%の磁性塗料から形成される層を上層、前記クリープ変
形量が20〜1000%の磁性塗料から形成される層を下層と
して塗布し形成されることを特徴とする磁気記録媒
体。」によって達成される。
【0012】本発明の目的に沿って本発明を構成するに
当り、クリープ変形量には2元性があり、塗料中の磁性
粉の分散状態が良好なほど、また塗料の固形分濃度(以
後NVと標記する)が低いほどクリープ変形量が良好、
即ち伸展性がよいとの知見をえた。ここで塗料の固形分
とは塗料中の不揮発性成分のことであり、塗料中の有機
溶剤以外の部分をさす。
【0013】また分散状態の良否の判定には、NVを30
重量%に調えた場合の固体粒子の分散性が、塗料分散性
として信頼性の高い代表値となることも判明した。即ち
NVが30重量%の時良好な分散性を与えるときは、塗布
時のNVを変更しても同様に良好な分散性を示す。尚塗
布時のNVは10〜40重量%が好ましく、更に好ましくは
20〜30重量%である。従ってクリープ変形量もこのNV
%を基準として特定するものである。
【0014】上記クリープ変形量の測定は、キャメリ社
製のストレス制御式レオメータCSL−100を用いた。
【0015】(測定諸元) パラレルプレート 径4cm,ギャップ 500μm 20℃,1パスカル 初期剪断500sec-1を5分与え、10秒後に測定 尚クリープ変形量の調整は、粒子の分散性、バインダ濃
度、バインダ導入官能基選択による組成変性等によって
行うことができる。
【0016】前記のように上層,下層の塗料のクリープ
変形量を本発明の範囲に特定すれば塗布面の表面性が良
好となる。好ましくは上層の塗料のクリープ変形量は10
〜500%、より好ましくは10〜200%であり、下層の塗料
のクリープ変形量については好ましくは20〜1000%、よ
り好ましくは20〜500%である。また、広波長帯を収録
するには上層、下層の乾燥膜厚も起因していることが判
った。上層は短波長対応、下層は長波長対応の磁性層で
あるため各々の乾燥膜厚は波長に合わせて設けなければ
ならない。上層の乾燥膜厚は好ましくは0.01〜0.5μm、
より好ましくは0.1〜0.5μmであり、0.5μmを超えると
長波長側の記録密度が低下し、高域特性やオーバーライ
ト特性が劣化し、重層構成で期待される効果が得られず
上層の乾燥膜厚が0.01〜0.5μmのとき長波長側、短波長
側の記録が十分に行えることを見い出した。また、重層
構成は同時重層塗布で塗布されることが好ましい。
【0017】この同時重層塗布においては、層が湿潤状
態のままで上層の磁性層を塗布するので、下層の表面
(即ち、上下層との境界面)が滑らかになるとともに上
層の表面性が良好になり、かつ、上下層間の接着性も向
上する。この結果、特に高密度記録のために高出力、低
ノイズの要求されるたとえば磁気記録媒体としての要求
性能を満たしたものとなり、かつ高耐久性の性能が要求
されることに対しても膜剥離をなくし、膜強度が向上
し、耐久性が十分となる。また、同時重層塗布方式によ
り、ドロップアウトも低減することができ、信頼性も向
上する。
【0018】また上層の乾燥膜厚が0.01〜0.5μmという
膜厚をエクストルージョンコータで塗布することは極め
て困難で面粗れ、塗布ムラ、塗布スジ等故障が生じやす
いが、本願発明の如く塗料の伸展性を改良することで前
記の如き塗布故障の問題は解決され、塗布性のすぐれた
薄膜の重層構成の磁気記録媒体がエクストルージョンコ
ータを用いて得られる。
【0019】本発明は前記本発明の構成を満足する限
り、従来の磁気記録媒体に係る技術をすべて流用するこ
とができる。
【0020】以下に本発明の磁気記録媒体について述べ
る。
【0021】−非磁性支持体− 非磁性支持体を形成する材料としては、たとえばポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレン-2,6-ナフタレー
ト等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオレフ
ィン類、セルローストリアセテート、セルロースダイア
セテート等のセルロース誘導体、ポリアミド、ポリカー
ボネート等のプラスチックなどを挙げることができる。
【0022】前記非磁性支持体の形態は特に制限はな
く、主にテープ状、フィルム状、シート状、カード状、
ディスク状、ドラム状などがある。
【0023】非磁性支持体の厚みには特に制約はない
が、たとえばフィルム状やシート状の場合は通常3〜10
0μm、好ましくは5〜50μmであり、ディスクやカード
状の場合は30μm〜10mm程度、ドラム状の場合はレコー
ダ等に応じて適宜に選択される。
【0024】また、この非磁性支持体は、たとえばコロ
ナ放電処理等の表面処理を施されたものであってもよ
い。
【0025】なお、非磁性支持体上の上記磁性層が設け
られていない面(裏面)には、磁気記録媒体の走行性の
向上、帯電防止および転写防止などを目的として、バッ
クコート層を設けるのが好ましく、また磁性層と非磁性
支持体との間には、下引層を設けることもできる。
【0026】−磁性層に用いられる磁性粉− 本発明に用いられる強磁性粉末としては、磁気記録媒体
の強磁性粉末として通常使用されているものを用いるこ
とができる。強磁性粉末の例としては、γ-Fe2O3、Co含
有γ-Fe2O3、Co被着γ-Fe2O3、CrO2等の酸化物磁性体、
マグネタイトに代表されるフェライト類、即ちFe3O4、C
o含有Fe3O4、Co被着Fe3O4等の磁性体が挙げられる。
【0027】更に磁性層に用いられる強磁性金属粉末と
して、Fe、Coをはじめ、Fe-Al系、Fe-Al-Ni系、Fe-Al-Z
n系、Fe-Al-Co系、Fe-Al-Ca系、Fe-Ni系、Fe-Ni-Al系、
Fe-Ni-Co系、Fe-Ni-Si-Al-Mn系、Fe-Ni-Si-Al-Zn系、Fe
-Al-Si系、Fe-Ni-Zn系、Fe-Ni-Mn系、Fe-Ni-Si系、Fe-M
n-Zn系、Fe-Co-Ni-P系、Ni-Co系、Fe、Ni、Co等を主成
分とするメタル磁性粉等の強磁性粉が挙げられる。中で
も、Fe系金属粉が電気的特性に優れる。
【0028】好ましくは合金、組成にAl原子又はAl化合
物を含有させたFe系金属粉であることである。
【0029】強磁性金属粉末の全体組成におけるFe原子
とAl原子の重量比が、Fe原子100重量部に対してAl原子
は2〜10重量部であり、かつ強磁性金属粉末のESCAによ
る分析深度で100Å以下の表面域に存在するFe原子とAl
原子との平均存在比が原子数比でFe:Al=30:70〜70:
30であるよう偏在させることが分散性の向上の点から好
ましい。
【0030】本発明に用いられる好適な強磁性金属粉末
は、透過型電子顕微鏡により観測されるその平均長軸長
が0.5μm以下、好ましくは0.01〜0.4μm、更に好ましく
は0.01〜0.3μmで、かつ、軸比(平均長軸長/平均短軸
長)が12以下、好ましくは10以下のものがよい。
【0031】本発明に用いられる強磁性金属粉末の好ま
しい具体例としては、Fe-Al系強磁性金属粉末(磁性粉
全体のFe:Al平均重量比=100:5、磁性粉表層のFe:A
l原子数の平均存在比=50:50、平均長軸長0.16μm、H
c:1580 Oe、σS:120emu/g)を挙げることができる。
【0032】−本発明に使用されるバインダ− この発明に用いるバインダとしては、例えば、ポリウレ
タン、ポリエステル、塩化ビニル系共重合体等の塩化ビ
ニル系樹脂等が代表的なものであり、これらの樹脂は-S
O3M、-OSO3M、-COOMおよび-PO(OM1)2から選ばれた少な
くとも一種の極性基を有する繰返し単位を含むことが好
ましい。
【0033】ただし、上記極性基において、Mは水素原
子あるいはNa、K、Li等のアルカリ金属を表し、ま
たM1 は水素原子、Na、K、Li等のアルカリ原子あ
るいはアルキル基を表す。
【0034】バインダの磁性層における含有率は、強磁
性粉末100重量部に対して通常、10〜40重量部、好まし
くは15〜30重量部である。
【0035】バインダは一種単独に限らず、二種以上を
組合せて用いることができるが、この場合、ポリウレタ
ンおよび/またはポリエステルと塩化ビニル系樹脂との
比は、重量比で通常、90:10〜10:90であり、好ましく
は70:30〜30:70の範囲である。
【0036】本発明においては、バインダとして更に下
記の樹脂を用いることができる。
【0037】その樹脂としては、重量平均分子量が10,0
00〜200,000の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化
ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリ
ロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共
重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、セル
ロース誘導体(ニトロセルロース等)、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素
樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコーン樹
脂、アクリル系樹脂、尿素ホルムアミド樹脂、各種の合
成ゴム系樹脂等が挙げられる。
【0038】−その他の成分− この発明では磁性層の品質の向上を図るため、公知の耐
久性向上剤、分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤およ
び充填剤などの添加剤をその他の成分として含有させる
ことができる。
【0039】−磁気記録媒体の製造− 磁性層形成成分の混練分散には、各種の混練分散機を使
用することができる。
【0040】この混練分散機としては、たとえば二本ロ
ールミル、三本ロールミル、ボールミル、ペブルミル、
コボルミル、トロンミル、サンドミル、サンドグライン
ダ、Sqegvariアトライタ、高速インペラ分散機、高速ス
トーンミル、高速度衝撃ミル、ディスパ、高速ミキサ、
ホモジナイザ、超音波分散機、オープンニーダ、連続ニ
ーダ、加圧ニーダ等が挙げられる。上記混練分散機のう
ち、0.05〜0.5KW(磁性粉1Kg当たり)の消費電力負荷
を提供することのできる混練分散機は、加圧ニーダ、オ
ープンニーダ、連続ニーダ、二本ロールミル、三本ロー
ルミルである。
【0041】非磁性支持体上に、磁性層及び中間層を塗
布するには、具体的には、図1に示すように、まず供給
ロール32から繰出したフィルム状支持体1に、エクスト
ルージョン方式の押し出しコータ10、11により、構成層
の各塗料を同時重層塗布した後、配向用磁石または垂直
配向用磁石33に通過し、乾燥器34に導入し、ここで上下
に配したノズルから熱風を吹き付けて乾燥する。次に、
乾燥した各塗布層付きの支持体1をカレンダロール38の
組合せからなるスーパーカレンダ装置37に導き、ここで
カレンダ処理した後に、巻取りロール39に巻き取る。こ
のようにして得られた磁性フィルムを所望幅のテープ状
に裁断してたとえば8mmビデオカメラ用磁気記録テープ
を製造することができる。
【0042】図中、矢印Dは非磁性支持体の搬送方向を
示す。押し出しコータ10、11には夫々、液溜まり部13、
14が設けられ、各コータからの塗料を同時重層で塗布す
る。即ち、下層用塗料の塗布直後(未乾燥状態のとき)
に上層用塗料を重層塗布する。
【0043】前記コータヘッドは、図2に示したものが
用いられるがもちろんこれらに限定されることはない。
【0044】上記塗料に配合される溶媒あるいはこの塗
料の塗布時の希釈溶媒としては、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン類;メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール等のアルコール類;酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸ブチル、乳酸エチル、エチレングリコールモ
ノアセテート等のエステル類;グリコールジメチルエー
テル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン、テ
トラヒドロフラン等のエーテル類;ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素;メチレンクロライ
ド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、
ジクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が使用でき
る。これらの各種の溶媒は単独で使用することもできる
し、またそれらの二種以上を併用することもできる。
【0045】前記配向磁石あるいは垂直配向用磁石にお
ける磁場は、20〜5,000ガウス程度であり、乾燥器によ
る乾燥温度は約30〜120℃であり、乾燥時間は約0.1〜10
分間程度である。
【0046】−表面の平滑化− この発明においては、次にカレンダリングにより表面平
滑化処理を行っても良い。
【0047】本発明においては、磁性層の表面粗さR
Z(10)を5〜20nmとするのが好ましく、12〜15nmとする
のが一層好ましい。
【0048】本発明に係る表面粗さRZ(10)とは、図3
に示すように磁気記録媒体を幅方向Wの中点Pから±2
mm(図ではRで示す)の範囲で長手方向Xに基準長だけ
垂直に切断したとき、その切断面における断面曲線の平
均方向に平行な直線のうち、高さが10番目の山頂を通る
ものと深さが10番目の谷底を通る2本の直線l1 及びl
2 間の標高差dの値を指すものである。
【0049】上記のRZ(10)を測定するには、タリステ
ップ粗さ計(ランク・テイラ・ホブソン社製)を用い、
測定条件としては、スタイラスを2.5 ×0.1 μm、針圧
を2mg、カット・オフ・フィルタを0.33Hz、測定スピー
ドを2.5 μm/sec 、基準長を0.5mm とした。なお、粗
さ曲線においては0.002 μm以内の凹凸はカットしてい
る。
【0050】上記のRZ(10)を20nm以下にコントロール
するには、例えば前記の製造工程においてカレンダ条件
を設定し、磁性層の表面平滑状態をコントロールすれば
よい。即ち、この表面平滑化処理においては、カレンダ
条件として制御する要因としては温度、線圧力、C/S
(コーティングスピード)等を挙げることができる。ま
た、その他の要因としては、磁性粉の混練条件、表面処
理、磁性層中への添加粒子のサイズや量等がある。
【0051】本発明の目的達成のためには、通常、上記
温度を50〜140 ℃、上記線圧力を50〜400kg/cm、上記C
/Sを20〜600m/minに保持することが好ましい。これら
の数値の範囲を外れると、磁性層の表面粗さを前記の如
く特定することが困難になるか、あるいはそれが不可能
となることがある。
【0052】その後は、必要に応じてバーニッシュ処理
またはブレード処理を行なってスリッティングされる。
【0053】
【実施例】以下、この発明の実施例を説明する。
【0054】以下に示す成分、割合、操作順序はこの発
明の範囲から逸脱しない範囲において種々変更しうる。
なお、下記の実施例において「部」はすべて重量部であ
る。以下の組成の磁性塗料を調製した。
【0055】 :上層用磁性塗料A1〜A6: Fe-Al系磁性金属粉 100部 (磁性粉全体のFe:Al重量比100:4,表層Fe:Al原子数の平均存在比50:50、 BET値=53m2/g、Hc=1760 Oe 、平均長袖径0.14μm) 塩化ビニル樹脂 10部 スルホン酸金属塩含有ポリウレタン樹脂 10部 (東洋紡績(株)製、UR8700) α−アルミナ(平均粒径0.2μm) 8部 ステアリン酸 1部 ブチルステアレート 1部 混合溶媒 x部* メチルエチルケトン,トルエン,シクロヘキ サノンの等量混合物 *溶媒量x部は塗料の混練、分散工程に沿って追加、添
加される。
【0056】以上の組成物を混練分散した後に、ポリイ
ソシアネート化合物(コロネートL5部)を添加して塗
布液を仕上げた。
【0057】尚、A1〜A3,A5は塩化ビニル樹脂と
して日本ゼオン社製MR110を、A4についてはUCC
社製VAGHを使用した。
【0058】:上層用磁性塗料A7: 上記磁性塗料A1において塩化ビニル樹脂MR110 10
部,UR8700 10部に代えて夫々3部を使用した外は前
記磁性塗料A1と同様にして調製した。
【0059】:下層用磁性塗料B1〜B4: 上記磁性塗料A1において、Fe-Al系磁性金属粉100部に
代えて、γ-Fe2O3磁性粉(保磁力Hc=700 Oe、BET
値35m2/g、軸比9、平均長袖径0.27μm)100部を使用
した外は前記磁性塗料A1と同様にして調製した。
【0060】尚、B1,B2,B4は塩化ビニル樹脂M
R110を、B3についてはVAGHを使用した。
【0061】:下層用磁性塗料B5: 上記磁性塗料B1において、塩化ビニル樹脂MR110 1
0部,UR8700 10部に代えて夫々3部を使用した外は
前記磁性塗料B1と同様にして調製した。塗料の混練、
分散及び仕上工程は下記の通りである。
【0062】 混練工程 → 分散工程 → 塗料仕上工程 (1)混練分散 固形分+溶媒 溶媒追加 溶媒,硬化剤添加 (NV;80〜65wt%) (NV;40wt%) (NV;30wt%) (2)単純分散 − 固形分+溶媒 溶媒,硬化剤添加 (NV;40wt%) (NV;30wt%) 塗料A1〜A7、B1〜B5の混練、分散条件とクリー
プ変形量(%)を表1に示した。
【0063】表1中のクリープ変形量は塗布のクリープ
変形量の値であり、A6以外はすべてNV30wt%であ
る。A6はA3をNV25wt%となるように溶剤で希釈し
たものである。
【0064】
【表1】
【0065】表1に示された条件の塗膜構成により、同
時重層塗布で8mm幅の磁気記録媒体を作成した。この磁
気記録媒体につき、RZ(10)を測定し、またその表面性
を光学顕微鏡及び目視によって、すじ故障の数、RFアウ
トを評価した結果を表2に示す。すじ故障の発生した試
料は同時にはじきや色むらといった塗布故障の発生もみ
られた。評価条件を次に示す。
【0066】(a)テープ表面性:テープ長手方向10cm
当りに発生したスジの数 ○ 0〜1本、△ 2〜9本、× 10本以上 (b)RFアウト:シバソク製ノイズメータ925Cを用い
8mmビデオムービV900(ソニー製)を用いて測定し
た。
【0067】
【表2】
【0068】
【発明の効果】この発明により、電磁変換特性に問題の
ない、表面性の甚だすぐれた生産性のよい磁気記録媒体
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】押出し塗布方式による磁性層の同時重層塗布を
説明するための図である。
【図2】塗料を塗布するためのコータヘッドの図であ
る。
【図3】RZ(10)の説明図。
【符号の説明】
1 支持体 10 コータ 11 コータ 32 供給ロール 33 配向用磁石 34 乾燥器 37 スーパーカレンダ装置 38 カレンダロール 39 巻取りロール

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に、固形分濃度30重量
    %、液温20±1℃、荷重1パスカルにおけるクリープ変
    形量が10〜500%の磁性塗料から形成される層を上層、
    前記クリープ変形量が20〜1000%の磁性塗料から形成さ
    れる層を下層として塗布し形成されることを特徴とする
    磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記上層の乾燥膜厚が0.01μm以上0.5μ
    m以下であることを特徴とする請求項1記載の磁気記録
    媒体。
  3. 【請求項3】 前記上層、下層が同時重層塗布で形成さ
    れる層であることを特徴とする請求項1又は2記載の磁
    気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記塗布がエクストルージョンコータを
    用いて塗布されることを特徴とする請求項1又は3記載
    の磁気記録媒体。
JP16164393A 1992-11-05 1993-06-30 磁気記録媒体 Pending JPH06195690A (ja)

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JP29603392 1992-11-05
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014181620A1 (ja) * 2013-05-08 2014-11-13 コニカミノルタ株式会社 光学フィルムの製造方法

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WO2014181620A1 (ja) * 2013-05-08 2014-11-13 コニカミノルタ株式会社 光学フィルムの製造方法

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