JPH06194031A - 断熱箱体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 所定の筐体強度を有すると共に効率良く形成
される断熱箱体を提供する。 【構成】 真空断熱パネル１が貼付られ内箱４の展開形
状を有する樹脂製の平板を真空断熱パネル１が外向きに
なるように組み立てることによって真空断熱パネル１が
貼付られた内箱を形成する。そして、この内箱４と外箱
３とを真空断熱パネル１の厚みよりも広幅の間隔を存し
て組み合せ、この間隙に発泡断熱材５を充填して断熱箱
体を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、冷凍庫、冷蔵庫等の断
熱箱体に関する。

【０００２】

【従来の技術】最近、特定フロンの使用削減のため、冷
凍庫、冷蔵庫等の断熱箱体の外箱と樹脂製の内箱との間
に真空断熱パネル及びノンフロン系のウレタン断熱材と
いう二種類の断熱材を介在させて断熱箱体の断熱性を高
めるようにしたものがあり、このような断熱箱体として
は、特開昭５８−１０６３７３号公報及び実公平３−３
８６２８号公報に示されるものがある。

【０００３】ここで、このような断熱箱体の形成は、ま
ずパーライト等の多孔質微粉末をアルミニウム蒸着ラミ
ネートフィルムにより覆うと共に内部を排気して形成さ
れた真空断熱パネル１を、図４に示すように外箱を形成
する鋼材２に加圧接着し、この後この鋼材２を折曲部２
ａから折曲して図５に示すように真空断熱パネル１が内
向きになるように組み立てる。

【０００４】次に、この外箱３に、図６に示すように樹
脂製の内箱４を真空断熱パネル１の厚みよりも広幅の間
隙を存して組み合せ、この間隙に発泡断熱材であるノン
フロン系のウレタン発泡材５を充填させる。そして、最
後に外箱３を加熱してウレタン発泡材５を発泡させ、ウ
レタン発泡材５を外箱３及び内箱４に接着させるように
している。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の断熱箱体においては、ウレタン断熱材は外箱と接
着して所定の筐体強度を断熱箱体に与える構造強化材と
しての役割を果たすものであるが、外箱に真空断熱パネ
ルを貼り付けた場合には、先に述べた図６に示すように
ウレタン断熱材５の外箱３との接着面５ａの面積が減少
して筐体強度が低下していた。このため、従来はこの筐
体強度の低下を防ぐため、何らかの筐体強化策を講じな
ければならないという問題点があった。

【０００６】また、真空断熱パネルを接着する際には２
液混合タイプのウレタン接着剤を使用するようにしてい
るが、このウレタン接着剤は接着時間が長いため接着工
程は長時間を要するものとなっていた。このため、従来
は成形サイクルを短くするよう外箱を平板に形成した後
の接着工程を断熱箱体形成ラインとは別のラインにて行
うようにしているが、これでは断熱箱体形成のための作
業効率が低下するという問題点もあった。

【０００７】本発明は、所定の筐体強度を有すると共に
効率良く形成される断熱箱体を提供することを目的とす
るものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、外箱と、真空
断熱パネルが貼付られ内箱の展開形状を有する樹脂製の
平板を前記真空断熱パネルが外向きになるように組み立
てて形成した内箱とより成り、前記真空断熱パネルの厚
みよりも広幅の間隔を存して組み合せた前記内箱と前記
外箱との間隙に発泡断熱材を充填して断熱箱体を形成す
るようにしたものである。

【０００９】

【作用】この構成により、真空断熱パネルが貼付られ内
箱の展開形状を有する樹脂製の平板を真空断熱パネルが
外向きになるように組み立てることによって真空断熱パ
ネルが貼付られた内箱を形成することができる。そし
て、この内箱と外箱とを真空断熱パネルの厚みよりも広
幅の間隔を存して組み合せ、この間隙に発泡断熱材を充
填して断熱箱体を形成することができるので、断熱材と
外箱との接触面積が従来よりも増加し、構造強度が向上
する。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。

【００１１】図１は、本発明の一実施例に係る断熱箱体
の内箱の展開平面図である。

【００１２】同図において、６は、例えばインジェクシ
ョン成形法等により内箱の展開形状を有するよう成形さ
れた樹脂製の平板であり、この平板６には真空断熱パネ
ル１が貼付けられている。なお、このように内箱４を完
成品として成形せず、まず平板６に成形することによ
り、真空断熱パネル１の貼付けが容易となっている。

【００１３】また、この平板６には、成形直後に折り目
７が施されるようになっており、この折り目に沿って平
板６を折曲することにより、図２に示すように真空断熱
パネル１が外向きになった内箱４を短時間で組み立てる
ことができるようになっている。

【００１４】そして、このように真空断熱パネル１が外
向きになるように組み立てられた内箱４と、外箱３とを
真空断熱パネル１の厚みよりも広幅の間隔を存して組み
合せた後、この間隙にウレタン発泡材５を充填し、外箱
３を加熱することによりウレタン発泡材５を発泡させて
断熱箱体を形成するようにしている。

【００１５】ここで、このようにして形成された断熱箱
体では、ウレタン発泡材５は図３に示すように外箱３の
内壁面全面に接着するようになり、断熱箱体は所定の筐
体強度を備えることができるようになっている。

【００１６】なお、内箱４は真空断熱パネル１が貼付け
られているため、ウレタン断熱材５の接着面５ａの面積
が減少するようになるが、この内箱４には直接外部から
力が加わることはないので筐体強度には直接影響を及ぼ
すことはない。

【００１７】次に、このようにして構成された断熱箱体
の形成について説明する。

【００１８】まず、樹脂製の平板６を内箱４の展開形状
を有するように成形した後、この平板６に真空断熱パネ
ル１を貼付ける。そして、この平板６を、成形直後に施
された折り目７に沿って折曲して、図２に示すように真
空断熱パネル１が外向きになった内箱４を組み立てる。

【００１９】次に、このように真空断熱パネル１が外向
きになるように組み立てられた内箱４と、外箱３とを真
空断熱パネル１の厚みよりも広幅の間隔を存して組み合
せた後、この間隙にウレタン発泡材５を充填する。

【００２０】そして最後に、外箱３を温めてウレタン発
泡材５を発泡させると、ウレタン発泡材５は、図３に示
すように外箱３の内壁面全面にわたって接着するように
なるので筐体強度は強くなる。

【００２１】このように、内箱４に真空断熱パネル１を
貼付け、この内箱４と外箱３とを真空断熱パネル１の厚
みよりも広幅の間隔を存して組み合せた後、この間隙に
ウレタン発泡材５を充填発泡させることにより、ウレタ
ン発泡材５を外箱３の内壁面全面にわたって接着させる
ことができる。

【００２２】なお、内箱４は塗装される前の鋼材の状態
の外箱３にも組み合わせることができるので、ウレタン
発泡材５を発泡させるためにはこの鋼材を直接加熱すれ
ば良く、加熱温度の設定が容易となる。

【００２３】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、内箱に真
空断熱パネルを貼付け、外箱と内箱とを真空断熱パネル
の厚みよりも広幅の間隔を存して組み合せ、この間隙に
発泡断熱材を充填して断熱箱体を形成するようにしてい
るので、断熱効果を高めることができると共に所定の筐
体強度を有する断熱箱体を形成することができる。ま
た、内箱に真空断熱パネルを貼付けることにより、外箱
形成のための時間を短縮できるので、断熱箱体を効率良
く形成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る断熱箱体の内箱の展開
形状を有する平板の斜視図。

【図２】上記平板を組み立てて形成した内箱の斜視図。

【図３】上記断熱箱体の要部側面断面図。

【図４】従来の断熱箱体の外箱の展開形状を有する平板
の斜視図。

【図５】上記平板を組み立てて形成した従来の断熱箱体
の外箱の斜視図。

【図６】従来の断熱箱体の要部側面断面図。

【符号の説明】

１ 真空断熱パネル ３ 外箱 ４ 内箱 ５ ウレタン発泡材 ６ 平板

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外箱と、真空断熱パネルが貼付られ内箱
   の展開形状を有する樹脂製の平板を前記真空断熱パネル
   が外向きになるように組み立てて形成した内箱とより成
   り、前記真空断熱パネルの厚みよりも広幅の間隔を存し
   て組み合せた前記内箱と前記外箱との空間に発泡断熱材
   を充填して形成されることを特徴とする断熱箱体。