JPH06192490A - 熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成形品 - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成形品Info
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- JPH06192490A JPH06192490A JP34483992A JP34483992A JPH06192490A JP H06192490 A JPH06192490 A JP H06192490A JP 34483992 A JP34483992 A JP 34483992A JP 34483992 A JP34483992 A JP 34483992A JP H06192490 A JPH06192490 A JP H06192490A
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Abstract
つつ、良好な塗膜密着性、耐衝撃性、耐候性を有し、し
かも塗装性が改良された熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成
形品を提供する。 【構成】 非極性α−オレフィン系樹脂及び結晶性樹脂
等の熱可塑性樹脂(1)と多相構造グラフト共重合体
(2)とからなる熱可塑性樹脂組成物である。この多相
構造グラフト共重合体は非極性α−オレフィン単量体と
極性ビニル系単量体とからなる共重合体(Aセグメン
ト)とビニル系重合体又は共重合体(Bセグメント)か
らなり、一方のセグメントが他方のセグメント中に粒子
径0.001〜10μmの分散相を形成している。そし
て熱可塑性樹脂(1)/多層構造グラフト共重合体
(2)の溶融粘度比が0.05以上のものである。この
熱可塑性樹脂組成物に熱可塑性エラストマーを配合して
もよい。また、この熱可塑性樹脂組成物を用いて成形す
ることにより、バンパー等の樹脂成形品が得られる。
Description
を用いた熱可塑性樹脂組成物及びそれを所定形状に成形
してなり、バンパー等の自動車部品として有用な樹脂成
形品に関するものである。
ル系重合体及びオレフィン系重合体等の熱可塑性樹脂
は、物性や成形加工性に優れるため、各種成形品として
広く用いられている。ところが、熱可塑性樹脂は全般的
に塗装性、塗膜密着性、耐候性等に問題があり、その改
良が求められている。
性、成形加工性、耐薬品性等に優れた性質を有してお
り、かつ安価であるが、耐衝撃性、塗装性、塗膜密着性
等に問題がある。そのため、例えば自動車のバンパ−に
用いる場合、プロピレン系重合体には、耐衝撃性、塗装
性を改良するための熱可塑性エラストマ−が添加されて
いる(特開昭63−39951号公報、特開昭63−1
22752号公報)。そして、その塗装方法としては、
1,1,1,−トリクロルエタン、トリクロルエチレン等の含
ハロゲン系有機溶剤を用いて成形品の表面の洗浄を行
い、その後プライマ−塗装、上塗り塗装を行う方法が広
く行われている。
善するために、プロピレン系重合体にビニル系重合体、
例えばポリスチレンをブレンドすることが行われてい
る。特開昭58−93730号公報には、特定の方法で
製造したポリスチレン変性プロピレン系重合体をプロピ
レン系重合体にブレンドすることにより、ポリスチレン
をプロピレン系重合体に分散させる試みについて開示さ
れている。さらに、特開平2−173049号公報及び
特願平4−77953号明細書には、オレフィン系共重
合体とビニル系共重合体とからなる多相構造体を、プロ
ピレン系重合体にブレンドした組成物が開示されてい
る。
環境問題の点で、含ハロゲン系有機溶剤による表面洗浄
工程を省略することが望まれているが、表面洗浄を行わ
ないとプライマ−との密着性が極端に低下してしまうと
いう問題点があった。
般に相溶性が不良であるため、ポリスチレンはプロピレ
ン系重合体に少量しかブレンドすることはできない。従
って、このブレンド物の成形体は耐衝撃性が低下しがち
であるという問題点があった。
示されている組成物では、ポリスチレン変性プロピレン
系重合体もグラフト効率が低いため、プロピレン系重合
体にブレンドしたときの相溶性が不十分であるという問
題点があった。
び特願平4−77953号に示されている組成物では、
オレフィン系共重合体とビニル系共重合体とからなる多
相構造グラフト共重合体を添加する方法が、プロピレン
系重合体に対する相溶性は向上しているが、塗料との親
和性が乏しいため塗装性、すなわち基材に塗料を塗布す
る場合の塗装のしやすさの点では未だ不十分であるとい
う問題点があった。
されたものであって、その目的は良好な機械的物性、成
形加工性等の熱可塑性樹脂の特長を保持しつつ、良好な
塗膜密着性、耐衝撃性、耐候性を有し、しかも塗装性が
改良された熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成形品を提供す
ることにある。
に、第1の発明では(1)非極性α−オレフィン系樹脂
及び結晶性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種
以上の熱可塑性樹脂と、(2)非極性α−オレフィン系
単量体と極性ビニル系単量体とから形成される共重合体
(Aセグメント)及び少なくとも1種のビニル系単量体
から形成されるビニル系重合体又は共重合体(Bセグメ
ント)とよりなり、一方のセグメントが他方のセグメン
ト中に微細な粒子として分散相を形成している多相構造
グラフト共重合体とから構成され、前記成分(1)と成
分(2)との溶融粘度比が0.05以上の熱可塑性樹脂
組成物をその要旨としている。
脂組成物に、熱可塑性エラストマ−を配合してなる熱可
塑性樹脂組成物をその要旨としている。また、第3の発
明では、第1の発明又は第2の発明の熱可塑性樹脂組成
物を所定形状に成形してなる樹脂成形品をその要旨とし
ている。
に説明する。この発明で用いる成分(1)、すなわち非
極性α−オレフィン系樹脂及び結晶性樹脂からなる群か
ら選ばれる少なくとも1種以上の熱可塑性樹脂は、機械
的物性に優れる反面、塗装性や塗膜密着性に劣るため、
改質が必要とされるものである。そのうち、非極性α−
オレフィン系樹脂とは、非極性α−オレフィン系単量体
の単独重合体又は2種以上の単量体からなる共重合体で
ある。具体的には超低密度、低密度、中密度、高密度ポ
リエチレン、プロピレン系重合体、ポリブテン−1、ポ
リ−4−メチルペンテン等の単独重合体、エチレン系共
重合体、及びプロピレン系共重合体があげられ、なかで
もプロピレン系重合体の改良要求が特に高く、好まし
い。なお、これらの熱可塑性樹脂(1)は混合使用して
もよい。
リプロピレンであって、プロピレン単独重合体及びプロ
ピレンを主体とし、他のα−オレフィンとの共重合体を
いう。これらの単独重合体又は共重合体において、プロ
ピレン75重量%以上含有することが望ましい。
プロピレン、結晶性プロピレン−エチレンランダム共重
合体、結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体、
結晶性プロピレン−ブテン−1ランダム共重合体等が代
表的なものである。これらのプロピレン系重合体は、混
合使用することもできる。またプロピレン系重合体の性
質を損なわない範囲で他の重合体を混合使用することも
できる。
樹脂としては、例えばポリアミド樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリフェニレンサルファ
イド樹脂等があげられる。
イロン6、ナイロン6・6、ナイロン6・10、ナイロ
ン6・12、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン4
・6等のような脂肪族系ポリアミド樹脂、ポリヘキサメ
チレンジアミンテレフタルアミド、ポリヘキサメチレン
ジアミンイソフタルアミド、キシレン基含有ポリアミド
のような芳香族ポリアミド樹脂及びそれらの変性物又は
それらの混合物等があげられる。特に好ましいポリアミ
ド樹脂は、ナイロン6、ナイロン6・6等である。
は、具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリプロ
ピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等
があげられる。さらに好ましくは、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレートである。
とはホルムアルデヒド単量体又はその3量体(トリオキ
サン)もしくは4量体(テトラオキサン)等の環状オリ
ゴマ−を原料として製造された実質的にオキシメチレン
単位のみから成るオキシメチレンホモポリマ−及び上記
原料とエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エ
ピクロルヒドリン、1,3−ジオキソラン、グリコ−ル
のホモマ−ル、ジグリコ−ルのホモマ−ル等の環状エ−
テルとから製造されたオキシメチレン単位と炭素数が2
以上のオキシアルキレン単位とから成るオキシメチレン
コポリマ−を包含する。
イド樹脂とは下記化1で示される樹脂である。
報に開示されているように、N−メチルピロリドン溶液
中160〜250℃、所定の加圧条件下にパラジクロロ
ベンゼンと硫化ソーダを反応させる方法が採用される。
ち多相構造グラフト共重合体とは、非極性α−オレフィ
ン単量体と極性ビニル系単量体とから得られる共重合
体、通常オレフィン系共重合体(Aセグメント)又はビ
ニル系重合体若しくは共重合体(以下重合体又は共重合
体を(共)重合体という)(Bセグメント)のマトリッ
クス中に、Bセグメント又はAセグメントが球状に均一
に分散しているものをいうが、それに限定されない。
重合体は、分子量等を変えることにより、流動性を容易
に調節できるため、熱可塑性樹脂組成物を成形して得ら
れる成形品の表面近傍に配向される。また、この重合体
は成分(1)との相溶性にも優れているので、機械的物
性を損なうおそれもない。一方、塗膜密着性、塗装性を
改良するためには、極性成分を導入する必要があるが、
極性ビニル系単量体のみから得られる重合体は、極性成
分が効率良く表面近傍に配向しない。従って、非極性α
−オレフィン単量体と極性ビニル系単量体とを共重合さ
せることにより得られる共重合体は、両方の特性を有効
に発現させることができる。
あって、その粒子径は好ましくは0.001〜10μ
m、さらに好ましくは0.01〜5μmである。分散樹
脂粒子径が0.001μm未満の場合あるいは10μm
を越える場合、熱可塑性樹脂(1)にブレンドしたとき
の分散性が悪く、例えば外観の悪化、耐衝撃性の低下、
あるいは塗装性等の改良効果が不足するため好ましくな
い。ここでいう塗装性とは、基材に塗料を塗布する場合
の塗装しやすさをいい、塗装性が良い場合、塗装時の
「はじき」が起こらないため、外観が良好となる。逆
に、塗装性が悪い場合、塗料の「はじき」が起こるた
め、フローマークが発生して外観が不良となる。通常、
基材の極性が低いと塗装性が悪くなる傾向がある。
体(2)の中のビニル系重合体の数平均重合度は通常5
〜5,000、好ましくは10〜1,000の範囲であ
る。さらに好ましくは10〜600の範囲である。数平
均重合度が5未満であると、熱可塑性樹脂組成物(1)
との相溶性が悪くなり好ましくない。また数平均重合度
が5,000を越えると、溶融粘度が高く、成形性が低
下したり表面光沢が低下するので好ましくない。
非極性α−オレフィン単量体と極性ビニル系単量体とか
ら得られる共重合体における非極性α−オレフィン単量
体としてはエチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセ
ン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1類等が
あげられる。また、極性ビニル単量体とは、非極性α−
オレフィン単量体と共重合可能なビニル基を持った極性
単量体をいう。
クリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、
イタコン酸、無水イタコン酸、ビシクロ(2,2,1)
−5−ヘプテン2,3−ジカルボン酸等のα,β−不飽
和カルボン酸及びその金属塩、アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソ
ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチル
ヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、等
のα,β−不飽和カルボン酸エステル、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニ
ル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフル
オル酢酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸グリ
シジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸モノグリ
シジルエステル等の不飽和グリシジル基含有単量体等が
あげられる。
単量体とから得られる共重合体の非極性α−オレフィン
単量体と極性ビニル単量体との比は特に制限されない
が、極性ビニル単量体が1重量%以上80重量%以下が
好ましい。
単量体とからなる共重合体の具体例として、エチレン−
アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重
合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン
−アクリル酸イソプロピル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸n−ブチル共重合体、エチレン−アクリル酸イソブ
チル共重合体、エチレン−アクリル酸2−エチルヘキシ
ル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチルエチル、エ
チレン−メタクリル酸イソプロピル共重合体、エチレン
−メタクリル酸n−ブチル共重合体、エチレン−メタク
リル酸イソブチル共重合体、エチレン−メタクリル酸2
−エチルヘキシル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、又はそのケン化物、エチレン−プロピオン酸ビニ
ル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイ
ン酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−メタクリ
ル酸グリシジル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−メタ
クリル酸グリシジル共重合体、エチレン−メタクリル酸
グリシジル共重合体等があげられる。これらの共重合体
は、混合して使用することもできる。
体中のビニル系共重合体を構成するビニル単量体として
は、ビニル芳香族単量体、例えばスチレン、核置換スチ
レン、例えばメチルスチレン、ジメチルスチレン、エチ
ルスチレン、イソプロピルスチレン、クロルスチレン、
α−置換スチレン例えばα−メチルスチレン、α−エチ
ルスチレン、(メタ)アクリル酸エステル単量体、例え
ば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル等の(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル
エステル、(メタ)アクリロニトリル、ビニルエステル
単量体、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の単
量体をあげることができる。
(特に、塩化ビニル、塩化ビニリデン)、ビニルナフタ
レン、ビニルカルバゾ−ル、フェニルないしシクロヘキ
シル等のマレイミド、その他のビニル型単量体も使用す
ることができる。この発明の多相構造グラフト共重合体
(2)は、Aセグメントが好ましくは5〜99重量%、
さらに好ましくは20〜95重量%から成り、従ってB
セグメントは好ましくは95〜1重量%、さらに好まし
くは80〜5重量%から成るものである。
形物表面へのグラフト共重合体の配向量が少なくなり、
塗装性、塗膜密着性が不十分になりやすい。Aセグメン
トが99重量%を越えると、熱可塑性樹脂(1)との相
溶性が不足する傾向があり、好ましくない。
る際のグラフト化法としては、一般に知られている連鎖
移動法、電離性放射線照射法等いずれの方法でもよい
が、最も好ましいのは、下記に示す方法によるものであ
る。なぜなら、グラフト効率が高く、熱による二次的凝
集が起こらないため、性能の発現がより効果的であり、
また製造方法が簡便であるためである。
造方法を具体的に説明する。すなわち、非極性α−オレ
フィン単量体と極性ビニル系単量体とを合成して得られ
る共重合体粒子100重量部を水に懸濁せしめて水性懸
濁液を調製する。これとは別に、少なくとも1種のビニ
ル系単量体1〜400重量部に、下記化2又は化3で表
されるラジカル重合性有機過酸化物の1種又は2種以上
の混合物を、該ビニル系単量体100重量部に対して
0.1〜20重量部と、10時間の半減期を得るための
分解温度が40〜90℃である重合開始剤をビニル単系
量体とラジカル重合性有機過酸化物との合計100重量
部に対して0.01〜5重量部とを溶解せしめた溶液を
調製する。そして、これを上記水性懸濁液に加える。
ない条件で加熱し、ビニル系単量体、ラジカル重合性有
機過酸化物及び重合開始剤を前記共重合体粒子中に含浸
せしめる。そして、その含浸率が初めの50重量%以上
に達したとき、この水性懸濁液の温度を上昇せしめ、ビ
ニル系単量体及びラジカル重合性有機過酸化物とを前記
共重合体粒子中で重合又は共重合せしめて、グラフト化
前駆体を得る。このグラフト化前駆体を100〜300
℃で溶融混練することによりAセグメントと、Bセグメ
ントからなる多相構造グラフト共重合体(2)が得られ
る。
塑性樹脂(1)に混合する前に溶融混練してなくてもよ
い。すなわち、このグラフト化前駆体を直接熱可塑性樹
脂(1)と共に溶融混合してもよい。なぜなら溶融混練
によってグラフト化前駆体はグラフト共重合体となるか
らである。
ントと同じ共重合体及びBセグメントと同じ(共)重合
体を混合するか、又はいずれか一方の(共)重合体を混
合し、溶融下に混練しても多相構造グラフト共重合体
(2)を得ることができる。さらに、上記重合過程にお
いてビニル単量体を用いずにグラフト化前駆体を合成
し、グラフト化前駆体とビニル単量体を混合し、溶融混
練してもこの発明における多相構造グラフト共重合体
(2)を得ることができる。最も好ましいのはグラフト
化前駆体を溶融混練して得られた多相構造グラフト共重
合体(2)である。
共重合体(2)と熱可塑性樹脂(1)とを溶融混練する
ことによりこの発明の熱可塑性樹脂組成物が得られる。
ただしここで、成分(1)と成分(2)との溶融粘度比
(成分(1)/成分(2)の比率)は同条件で測定した
場合0.05以上でなければならない。この比が0.0
5より小さい場合、樹脂成形品の表面近傍に多相構造グ
ラフト共重合体が殆ど存在しなくなり、塗膜密着性、塗
装性が不十分になる。この成分(1)/成分(2)の溶
融粘度比は好ましくは0.5以上であり、最も好ましく
は1以上である。
温度で溶融し、これに荷重をかけて押出したときの粘度
をいう。そして、溶融粘度比とは、成分(1)と成分
(2)の同一荷重における溶融粘度の比率をいう。な
お、多相構造グラフト共重合体が成形品の表面近傍へ配
向する度合いはX線光電子分光分析装置(ESCA)に
よる分析法、赤外線吸収スペクトルによる分析法(IR
法)等による分析法によって知る事ができる。
の一般式化2で表される化合物である。
アルキル基、R2 は水素原子又はメチル基、R3 及びR
4 はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R5 は炭素数
1〜12のアルキル基、フェニル基、アルキル置換フェ
ニル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を示す。
mは1又は2である。
は、次の一般式化3で表される化合物である。
アルキル基、R7 は水素原子又はメチル基、R8 及びR
9 はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R10は炭素数
1〜12のアルキル基、フェニル基、アルキル置換フェ
ニル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を示す。
nは0、1又は2である。
酸化物として、具体的には、t−ブチルペルオキシアク
リロイロキシエチルカ−ボネ−ト、t−アミルペルオキ
シアクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト、t−ヘキシル
ペルオキシアクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト、1、
1、3、3−テトラメチルブチルペルオキシアクリロイ
ロキシエチルカ−ボネ−ト、クミルペルオキシアクリロ
イロキシエチルカ−ボネ−ト、p−イソプロピルクミル
ペルオキシアクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト、t−
ブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカ−ボネ−
ト、t−アミルペルオキシメタクリロイロキシエチルカ
−ボネ−ト、t−ヘキシルペルオキシメタクリロイロキ
シエチルカ−ボネ−ト、1、1、3、3−テトラメチル
ブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカ−ボネ−
ト、クミルペルオキシメタクリロイロキシエチルカ−ボ
ネ−ト、p−イソプロピルクミルペルオキシメタクリロ
イロキシエチルカ−ボネ−ト、t−ブチルペルオキシメ
タクリロイロキシエチルカ−ボネ−ボネ−ト、t−アミ
ルペルオキシアクリロイロキシエトキシエチルカ−ボネ
−ト、t−ヘキシルペルオキシアクリロイロキシエトキ
シエチルカ−ボネ−ト、1、1、3、3−テトラメチル
ブチルペルオキシアクリロイロキシエトキシエチルカ−
ボネ−ト、クミルペルオキシアクリロイロキシエトキシ
エチルカ−ボネ−ト、p−イソプロピルクミルペルオキ
シアクリロイロキシエトキシエチルカ−ボネ−ト、t−
ブチルペルオキシメタクリロイロキシエトキシエチルカ
−ボネ−ト、t−アミルペルオキシメタクリロイロキシ
エトキシエチルカ−ボネ−ト、t−ヘキシルペルオキシ
メタクリロイロキシエトキシエチルカ−ボネ−ト、1、
1、3、3−テトラメチルブチルペルオキシメタクリロ
イロキシエトキシエチルカ−ボネ−ト、クミルペルオキ
シメタクリロイロキシエトキシエチルカ−ボネ−ト、p
−イソプロピルクミルペルオキシメタクリロイロキシエ
トキシエチルカ−ボネ−ト、t−ブチルペルオキシアク
リロイロキシイソプロピルカ−ボネ−ト、t−アミルペ
ルオキシアクリロイロキシイソプロピルカ−ボネ−ト、
t−ヘキシルペルオキシアクリロイロキシイソプロピル
カ−ボネ−ト、1、1、3、3−テトラメチルブチルペ
ルオキシアクリロイロキシイソプロピルカ−ボネ−ト、
クミルペルオキシアクリロイロキシイソプロピルカ−ボ
ネ−ト、p−イソプロピルクミルペルオキシアクリロイ
ロキシイソプロピルカ−ボネ−ト、t−ブチルペルオキ
シメタクリロイロキシイソプロピルカ−ボネ−ト、t−
アミルペルオキシメタクリロイロキシイソプロピルカ−
ボネ−ト、t−ヘキシルペルオキシメタクリロイロキシ
イソプロピルカ−ボネ−ト、1、1、3、3−テトラメ
チルブチルペルオキシメタクリロイロキシイソプロピル
カ−ボネ−ト、クミルペルオキシメタクリロイロキシイ
ソプロピルカ−ボネ−ト、p−イソプロピルクミルペル
オキシメタクリロイロキシイソプロピルカ−ボネ−ト等
が例示される。
t−ブチルペルオキシアリルカ−ボネ−ト、t−アミル
ペルオキシアリルカ−ボネ−ト、t−ヘキシルペルオキ
シアリルカ−ボネ−ト、1、1、3、3−テトラメチル
ブチルペルオキシアリルカ−ボネ−ト、p−メンタンペ
ルオキシアリルカ−ボネ−ト、クミルペルオキシアリル
カ−ボネ−ト、t−ブチルペルオキシメタリルカ−ボネ
−ト、t−アミルペルオキシメタリルカ−ボネ−ト、t
−ヘキシルペルオキシメタリルカ−ボネ−ト、1、1、
3、3−テトラメチルブチルペルオキシメタリルカ−ボ
ネ−ト、p−メンタンペルオキシメタリルカ−ボネ−
ト、クミルペルオキシメタリルカ−ボネ−ト、t−ブチ
ルペルオキシアリロキシエチルカ−ボネ−ト、t−アミ
ルペルオキシアリロキシエチルカ−ボネ−ト、t−ヘキ
シルペルオキシアリロキシエチルカ−ボネ−ト、t−ブ
チルペルオキシメタリロキシエチルカ−ボネ−ト、t−
アミルペルキシメタリロキシエチルカ−ボネ−ト、t−
ヘキシルペルオキシメタリロキシエチルカ−ボネ−ト、
t−ブチルペルオキシアリロキシイソプロピルカ−ボネ
−ト、t−アミルペルオキシアリロキシイソプロピルカ
−ボネ−ト、t−ヘキシルペルオキシアリロキシイソプ
ロピルカ−ボネ−ト、t−ブチルペルオキシメタリロキ
シイソプロピルカ−ボネ−ト、t−アミルペルオキシメ
タリロキシイソプロピルカ−ボネ−ト、t−ヘキシルペ
ルオキシメタリロキシイソプロピルカ−ボネ−ト等が例
示される。
アクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト、t−ブチルペル
オキシメタクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト、t−ブ
チルペルオキシアリルカ−ボネ−ト、t−ブチルペルオ
キシメタリルカ−ボネ−トである。
多相構造グラフト共重合体(2)の配合割合は0.1〜
50重量%が好ましく、0.5〜30重量%がさらに好
ましい。多相構造グラフト共重合体が0.1重量%未満
であると塗装性の改良が不十分であり、また50重量%
を越えると耐熱性が低下し、好ましくない。
脂(1)と多相構造グラフト共重合体(2)とからなる
熱可塑性樹脂組成物に対し、熱可塑性エラストマー
(3)を配合する。この熱可塑性エラストマー(3)
は、熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性等の機械的強度を向
上させるとともに、耐熱性を向上させる。
リブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリア
クリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン
等のジエン系ゴム、エチレン−α−オレフィン共重合
体、エチレン−α−オレフィン−ポリエン共重合体等の
非ジエン系ゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合
体、水素化スチレン−ブタジエンブロック共重合体、エ
チレン−プロピレンエラストマ−、スチレングラフトエ
チレン−プロピレンエラストマ−、エチレン系アイオノ
マ−樹脂、水素化スチレン−イソプレンブロック共重合
体等があげられる。これらの熱可塑性エラストマ−は1
種又は2種以上を混合して使用することができる。
かでは耐衝撃性、耐ガソリン性及び成形品表面外観の面
からエチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPM)、エ
チレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)
が好ましい。さらに好ましくはム−ニ−粘度(ML1+4
、100℃)が5〜150のものである。
は機械的物性及び耐熱性の観点から、熱可塑性樹脂
(1)と多相構造グラフト共重合体(2)との合計量1
00重量部に対して、好ましくは1〜300重量部、さ
らに好ましくは1〜200重量部、特に好ましくは1〜
100重量部である。1重量部未満では樹脂組成物の弾
力性が小さくなりやすく、300重量部を越えると耐熱
性が低下しやすい。なお、熱可塑性エラストマー(3)
の配合割合がこのような範囲内であれば、成形性が低下
するおそれはない。
(1)と多相構造グラフト共重合体(2)との合計量1
00重量部に対して、200重量部以下の無機充填剤
(4)を配合してもよい。この配合量が200重量部を
越えると、成形品の衝撃強度が低下するので好ましくな
い。その無機充填剤としては、具体的には硫酸カルシウ
ム、珪酸カルシウム、クレ−、珪藻土、タルク、アルミ
ナ、珪砂、ガラス粉、酸化鉄、金属粉、グラファイト、
炭化珪素、窒化珪素、シリカ、窒化ホウ素、窒化アルミ
ニウム、カ−ボンブラック等の粉粒状充填材、雲母、ガ
ラス板、セリサイト、パイロフィライト、アルミフレ−
ク等の金属箔、黒鉛等の平板状もしくは鱗片状充填材、
シラスバル−ン、金属バル−ン、ガラスバル−ン、軽石
等の中空状充填材、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイ
ト繊維、ウィスカ−、金属繊維、シリコ−ンカ−バイト
繊維、アスベスト、ウオストナイト等の鉱物繊維等の例
をあげることができる。この無機充填剤の形状として
は、上述のように粉粒状、平板状、鱗片状、中空状、繊
維状の他、針状、球状等があげられる。
タルクが好ましい。さらに、機械物性、成形品の外観、
耐熱性の面からタルクが好ましい。タルクは一般に市販
されているものでよいが、特に好ましいのは平均粒径が
1〜4μmのものである。これらの無機充填剤は単独、
又は2種以上を用いることができる。
アリン酸、オレイン酸、パルチミン酸又はそれらの金属
塩、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス又はそ
れらの変性物、有機シラン、有機ボラン、有機チタネ−
ト等を使用して表面処理を施すことが好ましい。
50〜350℃で溶融・混合することによって製造され
る。上記温度が150℃未満の場合、溶融が不完全であ
ったり、また溶融粘度が高く、混合が不充分となり、成
形物に相分離や層状剥離が現れやすいため好ましくな
い。また350℃を超えると、混合される樹脂の分解も
しくはゲル化が起こりやすいため好ましくない。
ミキサ−、加圧ニ−ダ−、混練押出機、二軸押出機、ロ
−ル等の通常用いられる混練機により行うことができ
る。この発明では更に、発明の要旨を逸脱しない範囲に
おいて、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の
無機難燃剤、ハロゲン系、リン系等の有機難燃剤、金属
粉、酸化防止剤、紫外線防止剤、滑剤、分散剤、カップ
リング剤、発泡剤、架橋剤、着色剤、カ−ボンブラック
等の添加剤等を添加しても差し支えない。
相構造グラフト共重合体(2)とからなる熱可塑性樹脂
組成物又はこれに及び熱可塑性エラストマ−(3)を配
合した樹脂組成物は、機械的物性、成形加工性、耐衝撃
性、塗膜密着性、さらには塗装性に優れているため、様
々な用途に使用が可能である。すなわち、熱可塑性樹脂
組成物は射出成形法や押出成形法等により所定形状の成
形品に成形される。得られた成形品は、例えば自動車部
品としてのバンパ−、モール、マッドガード、その他電
気製品、建築用部材等に利用できる。そのうち特に、自
動車用のバンパー、モール、マッドガード等の外装品と
しての用途に好適である。
体(2)は、これを構成するBセグメントがAセグメン
トの相溶性を制御するため熱可塑性樹脂(1)に良好に
均一分散される。そして、熱可塑性樹脂組成物を射出成
形等によって成形すると、熱可塑性樹脂(1)と多相構
造グラフト共重合体(2)の溶融粘度の関係から、成形
物の表面近傍にも多相構造グラフト共重合体(2)が配
向する。従って、このような相溶性や配向性の向上に基
づき、塗装性や、塗膜密着性等の特性が改善される。
脂組成物に熱可塑性エラストマーが配合され、第1の発
明の作用に加えてその弾力性により耐衝撃性等の機械的
物性の向上が図られる。
2の発明の熱可塑性樹脂組成物を、例えば射出成形法等
の成形法により所定形状に成形することによって得ら
れ、熱可塑性樹脂組成物の持つ物性が有効に発揮され
る。
の発明をさらに具体的に説明する。 (参考例1)(多相構造グラフト共重合体(2A)の製
造) 容積5リットルのステンレス製オ−トクレ−ブに、純水
2500gを入れ、さらに懸濁剤としてポリビニルアル
コ−ル2.5gを溶解させた。この中にエチレン−酢酸
ビニル共重合体「NUC3150」(商品名、日本ユニ
カー(株)製、酢酸ビニル20%含有)800gを入
れ、攪拌・分散した。別に、重合開始剤としてのベンゾ
イルペルオキシド「ナイパ−B」(商品名、日本油脂
(株)製)1.5g、ラジカル重合性有機過酸化物とし
てt−ブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカ−
ボネ−ト4gを、ビニル単量体としてのステアリルメタ
クリレート200gに溶解させ、この溶液を前記オ−ト
クレ−ブ中に投入・攪拌した。
温し、2時間攪拌することにより重合開始剤、ラジカル
重合性有機過酸化物及びビニル単量体をエチレン−酢酸
ビニル共重合体中に含浸させた。次いで、含浸されたビ
ニル単量体、ラジカル重合性有機過酸化物及び重合開始
剤の合計量が初めの50重量%以上になっていることを
確認した後、温度を80〜85℃に上げ、その温度で4
時間維持して重合を完結させ、水洗及び乾燥してグラフ
ト化前駆体(A)を得た。このグラフト化前駆体(A)
のステアリルメタクリレート重合体をテトラヒドロフラ
ンで抽出し、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(G
PC)により数平均重合度を測定したところ、700で
あった。
ボプラストミル一軸押出機((株)東洋精機製作所製)
で200℃にて押し出し、グラフト化反応させることに
より多相構造熱可塑性樹脂(2A)を得た。
型電子顕微鏡「JEOL JSMT300」(日本電子
(株)製の商品名)により観察したところ、粒子径0.
3〜0.4μmの真球状樹脂が均一に分散した多相構造
熱可塑性樹脂であった。
重合体のグラフト効率は75重量%であった。 (参考例2〜8)(多相構造グラフト共重合体(2B〜
2H)の製造) 参考例1と同様の操作で、非極性α−オレフィン単量体
と極性ビニル系単量体との共重合体及びビニル系単量体
の種類を変え、多相構造グラフト共重合体(2B〜2
H)を得た。また、非極性α−オレフィン単量体のみか
らなる(共)重合体とビニル系単量体とから多相構造グ
ラフト共重合体(2I〜2M)を得た。
重合結果を表1に示した。尚、表1中の略号は次の共重
合体及び単量体を示す。 EVA(NUC3150):エチレン−ビニルアセテー
ト共重合体、酢酸ビニル20%含有(商品名:日本ユニ
カー(株)社製) EGMA:エチレン−グリシジルメタクリレート共重合
体、グリシジルメタクリレート15%含有 E/EA/MAN:エチレン−エチルアクリレート−無
水マレイン酸共重合体、エチルアクリレート15%、無
水マレイン酸3%含有 EVAL:エチレン−ビニルアルコール共重合体、ビニ
ルアルコール20%含有 EAA:エチレン−アクリル酸共重合体、アクリル酸1
5%含有 EVA(V270):エチレン−ビニルアセテート共重
合体、ビニルアセテート15%含有、レクスパールV−
270:(商品名、日本石油(株)製) EEA:エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチ
ルアクリレート25%含有(日本石油(株)製商品名、
日石レクスロンEEA、A4250) EMA:エチレン−メチルアクリレート共重合体、メチ
ルアクリレート12%含有(日本石油(株)製商品名、
日石レクスパール、RB5120) PP:ポリプロピレン、PP/PE:プロピレン−エチ
レン共重合体、SMA:ステアリルメタクリレート、S
t:スチレン、MMA:メチルメタクリレ−ト、BM
A:ブチルメタクリレート、LMA:ラウリルメタクリ
レート、SA:ステアリルアクリレート、HEMA:2
−ヒドロキシエチルメタクリレート、MAA:メタクリ
ル酸
(1)「日石ポリプロJ630G」(商品名、日本石油
化学(株)製)と、参考例1〜7で得た多相構造グラフ
ト共重合体(2A)〜(2G)を表2に示す割合で溶融
混合した。
粘度は(株)東洋精機社製「キャピログラフPH1B」
を用いて測定した。すなわち、一定温度に加熱したシリ
ンダ中に、熱可塑性樹脂を気泡が入らないように注意し
ながら充填し、その後荷重をかけながらその樹脂の溶融
粘度を測定した。
トをドライブレンドした後、シリンダ−温度230℃に
設定されたスクリュ−径30mmの同軸方向二軸押出機に
供給し、押出後造粒した。造粒した樹脂を用い、射出成
形によって試験片を作成した。試験片の大きさは次のよ
うである。
(ノッチ付き) 荷重たわみ温度試験片 13mm×130 mm×6 mm 塗膜密着性試験片 45mm×90mm×4 mm なお、試験法は次のようである。 (1)アイゾット衝撃値(ノッチ付き): JIS K7110 (2)荷重たわみ温度 : JIS K7207 (3)塗膜密着性 : 試験片にポリオレフィン系
プライマ−を塗装し、その上にアクリル系塗料を塗装し
たのち、縦横各11本の1mm間隔の直交する切れ目をナ
イフで素材に到達するまで入れて、格子状に一辺の長さ
1mmの正方形を100個作った後、その格子へセロハン
粘着テ−プ(ニチバン(株)製)を貼りつけ、瞬時には
がしたとき剥がれずに残った正方形の数で表した。 (4)耐ガソリン性 : 試験片にポリオレフィン系プ
ライマ−を塗装し、その上にアクリル系塗料を塗装し、
レギュラ−ガソリンに30分間浸漬したのち、その表面
状態を調べた。
剥離、 × :塗膜全面剥離 (5)外観: 模擬バンパ−(長さ460 mm×幅120 mm×
高さ56mm、バンパ−裏面に4本のリブを具備、厚さ3 m
m)を成形し、外観(フロ−マ−ク、すなわちバンパー
表面のはじきに基づく不均一膜厚によって起こる模様の
有無)を調べた。
ラフト共重合体とからなる実施例1〜10の熱可塑性樹
脂組成物においては、アイゾット衝撃値、荷重たわみ、
塗膜塗膜密着性、耐ガソリン性及び外観のいずれについ
ても良好な性能を示す。従って、優れた機械的物性、成
形加工性等の熱可塑性樹脂の特長を保持しつつ、樹脂成
形品は優れた塗膜密着性、耐衝撃性を有する。しかも、
外観上フローマークを生じないことから、塗装性にも優
れている。また、グラフト共重合体の配合量を増加させ
ると、衝撃強度が向上する(実施例1〜3)。 (実施例11〜20)プロピレン系重合体(1)「日石
ポリプロJ630G」(商品名、日本石油化学(株)
製)と、参考例1〜3で得た多相構造グラフト共重合体
(2A)〜(2C)、参考例1で得たグラフト化前駆体
と熱可塑性エラストマ−(3)「EPO2P」(商品
名、日本合成ゴム(株)製)をブレンドした例を表3に
示した。
ラフト共重合体と、さらに熱可塑性エラストマーを配合
した実施例11〜20の熱可塑性樹脂組成物において
は、アイゾット衝撃値、荷重たわみ、塗膜密着性、耐ガ
ソリン性及び外観のいずれの特性についても良好な性能
を示す。また、熱可塑性エラストマーの配合量を増加さ
せると、衝撃強度が向上する(実施例15〜20)。 (実施例21〜30)樹脂組成物に、さらに無機添加剤
(4)としてタルクを添加した例を表4に示した。な
お、表4中のタルクは、「LMS−200」(富士タル
ク工業社製の商品名)であり、数字は樹脂分100重量
部に対する重量部を表す。
ラフト共重合体と熱可塑性エラストマーと、さらに無機
添加剤としてタルクを添加した実施例21〜30の熱可
塑性樹脂組成物においては、特に衝撃強度及び荷重たわ
みが向上する。 (比較例1〜10)上記実施例の多相構造グラフト共重
合体(2A)〜(2H)を用いない例、プロピレン系重
合体(1)/多層構造グラフト共重合体(2)の溶融粘
度比が0.05未満の例を表5に示した。なお、表5に
おいて、ポリプロピレンは、「日石ポリプロJ630
G」に「パーブチルP」(商品名:日本油脂(株)社
製)を0.05重量%混ぜ、200℃で混練することに
よって低分子量化し、溶融粘度を低下させた物である。
また、その他表5中の略号は前述の表1の場合と同様で
ある。
ラフト共重合体ではない通常の共重合体を配合した場合
(比較例1〜8)、塗膜密着性等の性能が低下する。ま
た、ポリプロピレンにグラフト共重合体を配合した熱可
塑性樹脂組成物であっても、ポリプロピレンとグラフト
共重合体の溶融粘度比が0.05未満である場合(比較
例9,10)、塗膜密着性が低下するとともに、衝撃強
度も低下する。 (実施例31〜36)実施例12において、ポリプロピ
レンをポリアミド樹脂「UBE ナイロン1022B]
(宇部興産(株)製の商品名)、芳香族ポリエステル樹
脂「ジュラネックス2002」(ポリプラスチックス
(株)製の商品名)、ポリオキシメチレン樹脂「ジュラ
コンM90」(ポリプラスチックス(株)製の商品
名)、ポリフェニレンサルファイド樹脂「フォートロン
KPS」(呉羽化学工業(株)製の商品名)、ポリエチ
レン「スミカセンG401](住友化学工業(株)製の
商品名)に変更した例を表6に示した。なお、表6にお
いて、NBは試験片が破断しなかったことを示す。
極性α−オレフィン系樹脂を用い、これらにグラフト共
重合体及び熱可塑性エラストマーを配合した熱可塑性樹
脂組成物(実施例31〜36)は、アイゾット衝撃値、
荷重たわみ、塗膜密着性、耐ガソリン性及び外観につい
て、それぞれ良好な性能を示す。 (比較例11〜15)実施例31〜36において多相構
造グラフト共重合体を添加しない例を表7に示した。
極性α−オレフィン系樹脂を用い、これらに熱可塑性エ
ラストマーを配合したが、グラフト共重合体を配合しな
かった熱可塑性樹脂組成物(比較例11〜15)は、塗
膜密着性等の性能が低下する。 (比較例16〜20)非極性α−オレフィン単量体のみ
からなる(共)重合体を用いて合成した多相構造グラフ
ト共重合体(2I〜2M)を、ポリプロピレン及び熱可
塑性エラストマーに添加した例を表8に示した。
はグラフト共重合体として非極性α−オレフィン単量体
のみからなるグラフト共重合体を使用したことから、塗
膜密着性等の性能が低下した。
ば、良好な機械的物性、成形加工性等の熱可塑性樹脂の
特長を確保しつつ、優れた塗膜密着性、耐衝撃性、耐候
性を有し、しかも良好な塗装性を発揮することができる
という優れた効果を奏する。
加えて特に耐衝撃性等の機械的物性の向上を図ることが
できるという優れた効果を奏する。第3の発明によれ
ば、樹脂成形品が第1の発明又は第2の発明の熱可塑性
樹脂組成物から容易に所定形状に成形でき、得られた樹
脂成形品は熱可塑性樹脂組成物のもつ特性を十分に発揮
でき、特に自動車用バンパー等の外装品として好適に利
用されるという効果を奏する。
Claims (3)
- 【請求項1】 (1)非極性α−オレフィン系樹脂及び
結晶性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種以上
の熱可塑性樹脂と、(2)非極性α−オレフィン系単量
体と極性ビニル系単量体とから形成される共重合体(A
セグメント)及び少なくとも1種のビニル系単量体から
形成されるビニル系重合体又は共重合体(Bセグメン
ト)とよりなり、一方のセグメントが他方のセグメント
中に微細な粒子として分散相を形成している多相構造グ
ラフト共重合体とから構成され、前記成分(1)と成分
(2)との溶融粘度比が0.05以上の熱可塑性樹脂組
成物。 - 【請求項2】 請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物
に、熱可塑性エラストマ−を配合してなる熱可塑性樹脂
組成物。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の熱可塑性
樹脂組成物を所定形状に成形してなる樹脂成形品。
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JP34483992A JP3339086B2 (ja) | 1992-12-24 | 1992-12-24 | 熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成形品 |
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---|---|---|---|---|
JP2002038034A (ja) * | 2000-05-16 | 2002-02-06 | Nof Corp | 熱可塑性樹脂組成物及びその樹脂成形品 |
JP2002060581A (ja) * | 2000-08-21 | 2002-02-26 | Nof Corp | 熱可塑性樹脂組成物、その製造方法および用途 |
JP2007109898A (ja) * | 2005-10-14 | 2007-04-26 | Daido Electronics Co Ltd | ボンド磁石とその製造方法 |
WO2007102437A1 (ja) * | 2006-03-03 | 2007-09-13 | Asahi Glass Company, Limited | 車両用隙間閉塞部材およびこれを用いた隙間閉塞部材付き車両窓用板状体 |
CN110615964A (zh) * | 2019-10-16 | 2019-12-27 | 广西拓源新材料有限公司 | 一种能改善金刚线切割大系统的专用塑料板及其制备方法 |
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1992
- 1992-12-24 JP JP34483992A patent/JP3339086B2/ja not_active Expired - Fee Related
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