JPH054228A - 再生樹脂組成物及びその再生方法 - Google Patents

再生樹脂組成物及びその再生方法

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JPH054228A
JPH054228A JP3154326A JP15432691A JPH054228A JP H054228 A JPH054228 A JP H054228A JP 3154326 A JP3154326 A JP 3154326A JP 15432691 A JP15432691 A JP 15432691A JP H054228 A JPH054228 A JP H054228A
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JP
Japan
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polymer
carbonate
monomer
resin composition
weight
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Application number
JP3154326A
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English (en)
Inventor
Motoyuki Sugiura
基之 杉浦
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NOF Corp
Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH054228A publication Critical patent/JPH054228A/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

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  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 廃プラスチックスに改質剤を加え、耐衝撃
性、曲げ弾性、外観等の成形材料として優れた物性を備
え、自動車部品や電気・電子部品として利用できる再生
樹脂組成物を提供すること、及びその再生方法を提供す
ることにある。 【構成】 1種以上の成分からなる廃プラスチックス
と、互いに性質の異なる2種の重合体成分からなり、一
方の重合体成分が他方の重合体成分中に所定の粒子径に
て分散し、少なくとも一方の重合体が官能基を有し、か
つ両重合体が化学的に結合している多層構造体、即ちグ
ラフト共重合体やブロック共重合体とを所定温度で溶融
混練することからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、廃プラスチックを再生
した樹脂組成物、及び廃プラスチックの再生方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】プラスチックは物性や成型加工性に優れ
た素材であり、また比重も軽く、腐食しにくいという特
徴を有しているため、金属を始めとする他の材料に置き
代わりながら電気・電子部品、自動車部品、工業部品な
どの様々な分野で多く使用されている。またプラスチッ
クは複合化、ポリマーアロイ化により強度、耐熱性の向
上をはじめ、開発、改良を重ねることにより一段と発展
してきた。
【0003】一方、プラスチックの生産量の増大や、ポ
リマーアロイによる高性能化が進なか、廃プラスチック
がゴミとして排出される量も増え、この廃プラスチック
が大きな社会問題となっており、環境面、資源面から廃
プラスチックの再生化が求められている。そこで従来か
ら廃プラスチックの再生利用は行われているものの、こ
れまでは再生のしやすさの観点から、基本的には単一組
成あるいはそれに近い状態の廃プラスチックが中心であ
った。ところがプラスチックの廃棄量は年々増えてきた
ため、再生利用する対象もすべての廃プラスチックに広
げる必要があり、分離が困難な廃プラスチックも多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、複数の成分か
らなる廃プラスチックをポリマーアロイ化することによ
り再生利用することが検討されている。しかし、一般に
性質の異なる複数のポリマーを単純に混ぜただけではマ
クロに相分離してしまい、成形材料として使用しうる耐
衝撃性、曲げ弾性、外観等の良好な物性を有する再生樹
脂組成物は得られない。特に廃プラスチックは劣化によ
り物性が低下しているため、ポリマーアロイによって再
生利用することは難しいという問題点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者はこれらの問題
を解決するため鋭意研究した結果、1種以上の廃プラス
チツクスに特定の改質剤を溶融混合することにより、再
生された樹脂組成物の物性が著しく向上することを見出
し本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明の第1の発明は、1種以上
の廃プラスチックと、互いに性質の異なる少なくとも2
種の重合体成分よりなる改良剤とからなる再生樹脂組成
物である。
【0007】第2の発明は、1種以上の廃プラスチック
と、官能基を含有する重合体とからなる再生樹脂組成物
である。第3の発明は、1種以上の廃プラスチックと、
互いに性質の異なる少なくとも2種の重合体成分からな
り、一方の重合体成分が他方の重合体成分中に粒子径
0.001〜10μmにて分散し、少なくとも一方の重
合体が官能基を含有し、かつ両重合体が化学的に結合し
ている多相構造体とからなる再生樹脂組成物である。
【0008】第4の発明は、前記第3の発明の再生樹脂
組成物を溶融混練することを特徴とする廃プラスチック
の再生方法である。本発明で用いる廃プラスチックは産
業系廃棄物と一般廃棄物とがある。産業系廃棄物とは樹
脂メーカーや成形メーカーからでる廃棄物すべてあり、
例えば、エチレンープロピレン系共重合体(EPR、E
PDM)、スチレンーブタジエンースチレン共重合体
(SBS)やその水素添加物(SEBS)などのゴム、
ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、及び
これらを主体とする共重合体などのオレフィン系共重合
体、ポリスチレン(PS)、ポリメタクリル酸メチル
(PMMA)、アクリロニトリルースチレン共重合体
(AS)、アクリロニトルーブタジエンースチレン共重
合体(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)などのビニ
ル系重合体、ポリアミド(PA)、ポリエステル(PB
T、PET)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボ
ネート(PC)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、
ポリフェニレンスルファイド(PPS)などのエンジニ
アリングプラスチックなどを挙げることができる。これ
らの廃棄物はポリアーアロイ化、ラミネート化されてい
るものや、ゴミとして複数混合された状態のものも含ま
れる。
【0009】また一般廃棄物とは一般家庭から出される
廃棄物すべてであり、具体的には産業系廃棄物と同様の
ものを挙げることができる。さらに産業系廃棄物と、一
般廃棄物とが混合していても構わない。
【0010】本発明で用いる改質剤とは、互いに性質の
異なる、例えば性質の相反する2種の重合体、官能基を
含有する共重合体、互いに性質の異なる、例えば性質の
相反する2種の重合体成分からなり、一方の重合体成分
が他方の重合体成分中に粒子径0.001〜10μmに
て分散し、少なくとも一方の重合体が廃プラスチックと
反応性または相溶性を示し、かつ両重合体が化学的に結
合している多相構造体、及び多官能性化合物等を挙げる
ことができる。また、これらの改質剤は組合わせて用い
ることもできる。
【0011】本発明で使用する改質剤としての官能基を
含有する重合体とは、オレフィン単量体とビニル単量体
からなる群から選ばれた1種以上の単量体と官能基を有
する単量体とからなる共重合体、官能基を含有する重合
体中に、官能基を有する単量体0.01重量%以上、好
ましくは0.05重量%以上、より好ましくは0.1重
量%以上を含む共重合体である。また、官能基を有する
単量体は、オレフィン単量体とビニル単量体とからなる
群から選ばれた1種以上の単量体との共重合により導入
してもよく、またオレフィン単量体とビニル単量体とか
らなる群から選ばれた1種以上の単量体からなる重合体
に付加反応により導入してもよい。さらにこれらの官能
基を含有する重合体の混合物、並びに官能基を含有しな
いオレフィン系重合体またはビニル系重合体との混合物
も使用できる。
【0012】ここでいうオレフィン単量体とは、炭素数
2〜20個を有する不飽和炭化水素化合物であり、具体
的には、例えばエチレン、プロピレン、ブテンー1、ペ
ンテンー1、ヘキセンー1、ヘプテンー1、4ーメチル
ブテンー1、4ーメチルペンテンー1、デセンー1、オ
クテンー1等が挙げられる。好ましくはエチレン、プロ
ピレンまたはブテンー1である。
【0013】またビニル単量体とは具体的には、ビニル
芳香族単量体、例えばスチレン:核置換スチレン、例え
ばメチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレ
ン、イソプロピルスチレン、クロルスチレン:αー置換
スチレン例えばαーメチルスチレン、αーエチルスチレ
ン:(メタ)アクリル酸エステル単量体、例えば(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の
(メタ)アクリル酸と炭素数1〜8のアルキルエステ
ル:(メタ)アクリロニトリル:ビニルエステル単量
体、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の単量体
を挙げることができる。
【0014】また、ハロゲン化ビニルないしビニリデン
(特に、塩化ビニル、塩化ビニリデン)、ビニルナフタ
レン、ビニルカルバゾール、フェニルないしシクロヘキ
シルなどのマレイミド、その他のビニル型単量体も使用
することができる。
【0015】さらに、官能基を有する単量体とはエポキ
シ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、オ
キサゾリン基、過酸化物基からなる群から選ばれた少な
くとも1種の官能基を含有する単量体である。
【0016】エポキシ基を含有する単量体とは、不飽和
グリシジル基含有単量体であり、具体的にはアクリル酸
グリシジル:メタクリル酸グリシジル:イタコン酸モノ
グリシジルエステル:ブテントリカルボン酸モノグリシ
ジルエステル:ブテントリカルボン酸ジグリシジルエス
テル:ブテントリカルボン酸トリグリシジルエステル:
およびαークロロアリル、マレイン酸、クロトン酸、フ
マール酸等のグリシジルエステル類またはビニルグリシ
ジルエーテル:アリルグリシジルエーテル:グリシジル
オキシエチルビニルエーテル:スチレンーpーグリシジ
ルエーテル等のグリシジルエーテル類、pーグリシジル
スチレン等が挙げられるが、特に好ましいものとしてメ
タクリル酸グリシジル:アクリルグリシジルエーテルを
挙げることができる。
【0017】カルボキシル基を含有する単量体としての
不飽和カルボン酸あるいはそのアルキルエステルおよび
ビニルエステル単量体の具体例としては、(メタ)アク
リル酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、無水
イタコン酸などの不飽和カルボン酸類:(メタ)アクリ
ル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アク
リル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)
アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリ
ル、(メタ)アクリル酸ステアリル、マレイン酸モノメ
チルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイ
ン酸ジエチルエステル、フマル酸ジエチルエステルなど
の不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体:プロピオ
ン酸ビニル、酢酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリ
ン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニルなどのビニルエス
テル単量体を挙げることができる。好ましくは(メタ)
アクリル酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、酢酸ビニルである。これらの単
量体は混合しても使用できる。
【0018】さらに、本発明においては、前記の不飽和
カルボン酸単量体、例えばアクリル酸、マレイン酸、無
水マレイン酸などを含有した重合体に、1〜3価の原子
価を有する金属化合物を反応させて得られたイオン架橋
重合体も包含する。
【0019】上記金属化合物としては、硝酸塩、酢酸
塩、酸化物、水酸化物、メトキシド、エトキシド、炭酸
塩および重炭酸塩などが好適である。また金属塩は、N
+ 、K+ 、Ca++、Mg++、Zn++、Ba++、F
++、Fe+++ 、Co++、Ni++、およびAl+++ が好
ましい。これらのうち特にNa + 、Mg++、Zn++が好
ましい。これらの各種金属化合物は必要に応じて組合わ
せて使用できる。
【0020】ヒドロキシル基を有する単量体としては、
不飽和結合を有するアルコール、一価または二価の不飽
和カルボン酸と非置換二価アルコールとのエステル、該
不飽和カルボン酸の非置換酸価アルコールとのエステ
ル、非置換四価アルコールとのエステル、非置換五価以
上のアルコールとのエステルが挙げられる。
【0021】これらの好ましい具体例としては、3ーヒ
ドロキシー1ープロペン、4ーヒドロキシー1ーブテ
ン、シスー4ーヒドロキシー2ーブテン、トランスー4
ーヒドロキシー2ーブテン、3ーヒドロキシー2ーメチ
ルー1ーペンテン、シスー5ーヒドロキシー2ーペンテ
ン、トランスー5ーヒドロキシー2ーペンテン、シスー
1、4ージヒドロキシー2ブテン、トランスー1、4ー
ジヒドロキシー2ーブテン、(メタ)アクリル酸2ーヒ
ドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2ーヒドロキシプ
ロピル、(メタ)アクリル酸3ーヒドロキシプロピル、
クロトン酸2ーヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸
2,3,4,5,6ーペンタヒドロキシヘキシル、(メ
タ)アクリル酸2,3,4,5ーテトラヒドロキシペン
チル等が挙げられる。
【0022】アミノ基を有する単量体としては、アクリ
ル酸アミノエチル、アクリル酸プロピルアミノエチル、
メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸アミ
ノプロピル、メタクリル酸フェニルアミノエチルおよび
メタクリル酸シクロヘキシルアミノエチルなどアクリル
酸またはメタクリル酸のアルキルエステル系誘導体類、
NービニルジエチルアミンおよびNーアセチルビニルア
ミン等のビニルアミン系誘導体類、アクリルアミン、メ
タクリルアミンおよびNーメチルアリルアミン等のアリ
ルアミン系誘導体類、アクリルアミドおよびNーメチル
アクリルアミド等のアクリルアミド系誘導体類およびp
ーアミノスチレンなどのアミノスチレン類などが用いら
れる。
【0023】さらにオキサゾリン基を有する単量体とし
てはビニルオキサゾリンなどがあり、過酸化物基を有す
る単量体の代表例としては後に述べるラジカル重合性有
機過酸化物、ポリマー過酸化物などを挙げることができ
る。
【0024】これらの官能基を有する単量体は複数の単
量体を組合わせて用いてもよい。官能基を含有する重合
体の好ましい具体例としては、エチレンーメタクリル酸
グリシジル共重合体、エチレンーアクリル酸グリシジル
共重合体、エチレンーアクリル酸エチルーメタクリル酸
グリシジル酸グリシジル共重合体、エチレンーアクリル
酸エチルーアクリル酸グリシジル共重合体、エチレンー
酢酸ビニルーメタクリル酸グリシジル共重合体、エチレ
ンー酢酸ビニルーアクリル酸グリシジル共重合体、エチ
レンー一酸化炭素ーメタクリル酸グリシジル共重合体、
スチレンーメタクリル酸グリシジル共重合体、メタクリ
ル酸メチルーメタクリル酸グリシジル共重合体、アクリ
ロニトリルースチレンーメタクリル酸グリシジル共重合
体、エチレンープロピレンーメタクリル酸グリシジル共
重合体、エチレンー無水マレイン酸共重合体、エチレン
ーアクリル酸エチルー無水マレイン酸共重合体、エチレ
ンープロピレンー無水マレイン酸共重合体、スチレンー
エチレンーブタジエンースチレンーマレイン酸共重合
体、スチレンー無水マレイン酸共重合体、アクリロニト
リルースチレンー無水マレイン酸共重合体、エチレンー
アクリル酸共重合体、エチレンーメタクリル酸共重合
体、エチレンーアクリル酸エチルーアクリル酸共重合
体、エチレンープロピレンーアクリル酸共重合体、エチ
レンー酢酸ビニル共重合体およびそのケン化物、エチレ
ンービニルアルコール共重合体、エチレンーメタクリル
酸ヒドロキシエチル共重合体、スチレンーメタクリル酸
ヒドロキシエチル共重合体、エチレンーアクリル酸アミ
ノエチル共重合体、スチレンーアクリル酸アミノエチル
共重合体、エチレンービニルオキサゾリン共重合体、ス
チレンービニルオキサゾリン共重合体などを挙げること
ができる。
【0025】これらの官能基を有する単量体は重合によ
り導入してもよく、また付加反応により導入してもよ
い。また2種以上の官能基を含有する共重合体、官能基
を含有する共重合体の2種以上を混合したものも含まれ
る。さらにその際に、必要に応じてエラストマー、オレ
フィン系重合体、ビニル系重合体などの官能基を含有し
ない重合体を混合しても構わない。
【0026】本発明にて使用される多相構造体とは前記
オレフィン単量体、ビニル単量体および官能基を有する
単量体からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の単
量体からなる重合体のうち、性質の相反する2種の重合
体成分にて構成され、一方の重合体成分が他方の重合体
成分中に分散し、少なくとも一方の重合体が官能基を含
有し、かつ両重合体が化学的に結合している多相構造体
であって、グラフト共重合体や、ブロック共重合体がこ
の中に含まれる。
【0027】分散している重合体の粒子径は0.001
〜10μm、好ましくは0.01〜5μmである。分散
樹脂粒子径が0.001μm未満の場合あるいは10μ
mを越える場合、廃プラスチックにブレンドしたときの
分散性が悪く、例えば外観の悪化、耐衝撃性の低下が起
こり、改良効果が不足するため好ましくない。
【0028】本発明の多相構造体中の重合体の数平均重
合度は5〜10,000、好ましくは10〜5,000
の範囲である。数平均重合度が5未満であると、本発明
の樹脂組成物の物性が低下し好ましくない。また数平均
重合度が10,000を越えると、溶融粘度が高く、成
形性が低下したり表面光沢が低下するので好ましくな
い。
【0029】本発明の多相構造体の2つの重合体の重量
比は、5/95〜95/5で、好ましくは10/90〜
90/10さらに好ましくは20/80〜80/20で
ある。
【0030】本発明の多相構造体を製造する際のグラフ
ト化法またはブロック化法は、一般に知られている連鎖
移動法、電離性放射線照射法、マクロモノマー法等いず
れの方法でもよいが、最も好ましいのは、下記に示す方
法によるものである。なぜなら、グラフト効率あるいは
ブロック効率が高く、熱による二次的凝集が起こらない
ため、性能の発現がより効果的であり、また製造方法が
簡便であるためである。
【0031】以下、本発明の多相構造体としてのグラフ
ト共重合体の製造方法について具体的に詳述する。すな
わち、オレフィン系重合体100重量部を水に懸濁せし
め、別に少なくとも1種のビニル単量体5〜400重量
部に、官能基を含有する単量体を該ビニル単量体100
重量部に対し、0.1〜100重量部と、下記一般式化
1または化2で表されるラジカル重合性有機過酸化物の
1種または2種以上の混合物を該ビニル単量体100重
量部に対して0.1〜20重量部と、10時間の半減期
を得るための分解温度が40〜90℃である重合開始剤
をビニル単量体と官能基を含有する単量体とラジカル重
合性有機過酸化物との合計100重量部に対して0.0
1〜5重量部とを溶解せしめた溶液を加える。
【0032】そして、重合開始剤の分解が実質的に起こ
らない条件で加熱し、ビニル単量体、官能基を含有する
単量体、ラジカル重合性有機過酸化物および重合開始剤
をオレフィン系重合体に含浸せしめ、その含浸率が初め
の50重量%以上に達したとき、この水性汚濁液の温度
を上昇せしめ、ビニル単量体、官能基を含有する単量体
およびラジカル重合性有機過酸化物とをオレフィン系重
合体中で共重合せしめて、グラフト化前駆体を得る。
【0033】このグラフト化前駆体は、必ずしも廃プラ
スチックに混合する前に溶解混練してなくてもよい。す
なわち、このグラフト化前駆体を直接廃プラスチックと
共に溶解混合してもよい。
【0034】また、グラフト化前駆体を100〜300
℃の溶融下、混練することにより、本発明の多相構造体
を得ることもできる。このときグラフト化前駆体に、別
にオレフィン系重合体またはビニル系重合体を混合し、
溶融下に混練しても多相構造体を得ることができる。さ
らに上記重合過程において官能基を含有する単量体を用
いずにグラフト化前駆体を合成し、グラフト化前駆体と
官能基を含有する単量体を混合し、溶融混練しても本発
明の多相構造体を得ることができる。最も好ましいのは
グラフト化前駆体を溶融混練して得られた多相構造体で
ある。
【0035】前記一般式化1で表されるラジカル重合性
有機過酸化物とは、
【0036】
【化1】
【0037】(式中、R1 は水素原子または炭素数1〜
2のアルキル基、R2 は水素原子またはメチル基、R3
およびR4はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R5
は炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、アルキル
置換フェニル基または炭素数3〜12のシクロアルキル
基を示す。mは1または2である。)で表される化合物
である。
【0038】また、前記一般式化2で表されるラジカル
重合性有機過酸化物とは、
【0039】
【化2】
【0040】(式中、R6 は水素原子または炭素数1〜
4のアルキル基、R7 は水素原子またはメチル基、R8
およびR9はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R10
は炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、アルキル
置換フェニル基または炭素数3〜12のシクロアルキル
基を示す。
【0041】nは0.1または2である。)で表される
化合物である。一般式化1で表されるラジカル重合性有
機過酸化物として、具体的には、tーブチルペルオキシ
アクリロイロキシエチルカーボネート:tーアミルペル
オキシアクリロイロキシエチルカーボネート:tーヘキ
シルペルオキシアクリロイロキシエチルカーボネート:
1、1、3、3ーテトラメチルブチルペルオキシアクリ
ロイロキシエチルカーボネート:クミルペルオキシアク
リロイロキシエチルカーボネート:pーイソプロピルク
ミルペルオキシアクリロイロキシエチルカーボネート:
tーブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカーボ
ネート:tーアミルペルオキシメタクリロイロキシエチ
ルカーボネート:tーヘキシルペルオキシメタクリロイ
ロキシエチルカーボネート:1、1、3、3ーテトラメ
チルブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカーボ
ネート:クミルペルオキシメタクリロイロキシエチルカ
ーボネート:pーイソプロピルクミルペルオキシメタク
リロイロキシエチルカーボネート:tーブチルペルオキ
シメタクリロイロキシエチルカーボネート:tーアミル
ペルオキシアクリロイロキシエトキシエチルカーボネー
ト:tーヘキシルペルオキシアクリロイロキシエトキシ
エチルカーボネート:1、1、3、3ーテトラメチルブ
チルペルオキシアクリロイロキシエトキシエチルカーボ
ネート:クミルペルオキシアクリロイロキシエトキシエ
チルカーボネート:pーイソプロピルクミルペルオキシ
アクリロイロキシエトキシエチルカーボネート:tーブ
チルペルオキシメタクリロイロキシエトキシエチルカー
ボネート:tーアミルペルオキシメタクリロイロキシエ
トキシエチルカーボネート:tーヘキシルペルオキシメ
タクリロイロキシエトキシエチルカーボネート:1、
1、3、3ーテトラメチルブチルペルオキシメタクリロ
イロキシエトキシエチルカーボネート:クミルペルオキ
シメタクリロイロキシエトキシエチルカーボネート:p
ーイソプロピルクミルペルオキシメタクリロイロキシエ
トキシエチルカーボネート:tーブチルペルオキシアク
リロイロキシイソプロピルカーボネート:tーアミルペ
ルオキシアクリロイロキシイソプロピルカーボネート:
tーヘキシルペルオキシアクリロイロキイシソプロピル
カーボネート:1、1、3、3ーテトラメチルブチルペ
ルオキシアクリロイロキイシソプロピルカーボネート:
クミルペルオキシアクリロイロキシイソプロピルカーボ
ネート:pーイソプロピルクミルペルオキシアクリロイ
ロキシイソプロピルカーボネート:tーブチルペルオキ
シメタクリロイロキシイソプロピルカーボネート:tー
アミルペルオキシメタクリロイロキシイソプロピルカー
ボネート:tーヘキシルペルオキシメタクリロイロキシ
イソプロピルカーボネート:1、1、3、3ーテトラメ
チルブチルペルオキシメタクリロイロキシイソプロピル
カーボネート:クミルペルオキシメタクリロイロキシイ
ソプロピルカーボネート:pーイソプロピルクミルペル
オキシメタクリロイロキシイソプロピルカーボネート等
を例示することができる。
【0042】さらに、一般式化2で表される化合物とし
ては、tーブチルペルオキシアリルカーボネート:tー
アミルペルオキシアリルカーボネート:tーヘキシルペ
ルオキシアリルカーボネート:1、1、3、3ーテトラ
メチルブチルペルオキシアリルカーボネート:pーメン
タンペルオキシアリルカーボネート:クミルペルオキシ
アリルカーボネート:tーブチルペルオキシメタリルカ
ーボネート:tーアミルペルオキシメタリルカーボネー
ト:tーヘキシルペルオキシメタリルカーボネート:
1、1、3、3ーテトラメチルブチルペルオキシメタリ
ルカーボネート:pーメンタンペルオキシメタリルカー
ボネート:クミルペルオキシメタリルカーボネート:t
ーブチルペルオキシアリロキシエチルカーボネート:t
ーアミルペルオキシアリロキシエチルカーボネート:t
ーヘキシルペルオキシアリロキシエチルカーボネート:
tーブチルペルオキシメタリロキシエチルカーボネー
ト:tーアミルペルキシメタリロキシエチルカーボネー
ト:tーヘキシルペルオキシメタリロキシエチルカーボ
ネート:tーブチルペルオキシアリロキシイソプロピル
カーボネート:tーアミルペルオキシアリロキシイソプ
ロピルカーボネート:tーヘキシルペルオキシアリロキ
シイソプロピルカーボネート:tーブチルペルオキシメ
タリロキシイソプロピルカーボネート:tーアミルペル
オキシメタリロキシイソプロピルカーボネート:tーヘ
キシルペルオキシメタリロキシイソプロピルカーボネー
ト等を例示することができる。
【0043】中でも好ましくは、tーブチルペルオキシ
アクリロイロキシエチルカーボネート:tーブチルペル
オキシメタクリロイロキシエチルカーボネート:tーブ
チルペルオキシアリルカーボネート:tーブチルペルオ
キシメタリルカーボネートである。
【0044】またグラフト共重合体のもう一つの製造方
法は以下のとおりである。まずラジカル重合性有機過酸
化物の過酸化物結合が開裂しない条件で、通常のラジカ
ル重合開始剤によりビニル単量体の重合を行なうことに
より過酸化物結合を含有するビニル系重合体が得られ、
次にこの過酸化物結合が開裂する条件で、前記の官能基
を含有する単量体と他の1種以上のビニル単量体の共重
合を行なうことにより効率よくグラフト共重合体が得ら
れる。なお、官能基を含有する単量体はどちらの重合体
部分に導入してもかまわない。
【0045】また、ここでいうラジカル重合性有機過酸
化物としては前記一般式化1と化2にて表される化合
物、およびその他にも具体的には、tーブチルペルオキ
シエチルフマレート、tーアミルペルオキシエチルフマ
レート、tーヘキシルペルオキシエチルフマレート、t
ーブチルペルオキシイソプロピルフマレート、tーアミ
ルペルオキシイソプロピルフマレート、tーヘキシルペ
ルオキシイソプロピルフマレート、tーブチルペルオキ
シシクロヘキシルフマレート、tーアミルペルオキシシ
クロヘキシルフマレート、tーヘキシルペルオキシシク
ロヘキシルフマレート、tーブチルペルオキシクロトネ
ート、tーアミルペルオキシクロトネート、tーヘキシ
ルペルオキシクロトネート等を例示することができる。
【0046】中でも好ましいのは、tーブチルペルオキ
シアリルカーボネート、tーブチルペルオキシイソプロ
ピルフマレートなどがある。また本発明の多相構造体で
あるブロック共重合体の代表的な製造例を説明する。す
なわち、まずポリメリックペルオキシドを重合開始剤と
してビニル単量体の重合を行うと、連鎖中に過酸化物基
が導入された過酸化物結合含有ビニル系重合体が得ら
れ、これに官能基を有する単量体と他の1種以上のビニ
ル単量体を加えて重合すると過酸化物結合がその含有す
る過酸化物結合において開裂し、効率よくブロック共重
合体が得られる。なお、官能基を有する単量体はどちら
の重合体部分に導入してもかまわない。また、ここでい
うポリメリックペルオキシドとは1分子中に2個以上の
過酸化物結合を持つ化合物であり、下記一般式化3〜化
8にて表される。
【0047】
【化3】
【0048】
【化4】
【0049】
【化5】
【0050】
【化6】
【0051】
【化7】
【0052】
【化8】
【0053】本発明の樹脂組成物は、樹脂中の改質剤が
0.1〜90重量%、好ましくは0.5〜70重量%、
最も好ましくは0.5〜50重量%から成るものであ
る。改質剤が0.1重量%未満であると、改質効果が小
さく、また改質剤が90重量%を越えると過剰な反応が
起こり好ましくない。
【0054】本発明においては必要に応じて、前記の官
能基を有する単量体、エポキシシラン、ビスフェノール
A型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合
物、レゾルシン型エポキシ化合物、ノボラック型エポキ
シ化合物、脂環化合物型ジエポキシ化合物、グリシジル
エーテル類、エポキシ化ポリブタジエン、トリグリシジ
ルイソシアヌレート、ジイソシアヌレート系化合物、カ
ルボン酸二無水物、脂肪族ジアミン類を始めとするエポ
キシ基、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基、
オキサゾリン基、不飽和基からなる群より選ばれる2種
以上の官能基を含有する多官能性化合物や有機過酸化物
などを添加することができる。
【0055】本発明においては廃プラスチックと改質剤
とを未使用の樹脂と混合して使用しても構わない。そし
てその添加量は目的に応じ、任意に決められる。本発明
においてはさらに前記樹脂組成物100重量部に対し、
400重量部未満の無機充填剤を添加してもよい。
【0056】上記無機充填剤としては、粉粒状、平板
状、鱗片状、針状、球状または中空状および繊維状等が
挙げられ、具体的には硫酸カルシウム、珪藻土、タル
ク、アルミナ、珪砂、ガラス砂、酸化鉄、金属粉、グラ
ファイト、炭化珪素、窒素珪素、シリカ、窒化ホウ素、
窒化アルミニウム、カーボンブラック等の粉粒状充填
剤:雲母、ガラス板、セリサイト、パイロフィライト、
アルミフレーク等の金属箔、黒鉛等の平板状もしくは麟
片状充填剤:シラスバルーン、金属バルーン、ガラスバ
ルーン、軽石などの中空状充填剤:ガラス繊維、炭素繊
維、グラファイト繊維、ウィスカー、金属繊維、シリコ
ンカーバイト繊維、アスベスト、ウオストナイト等の鉱
物繊維等の例を挙げることができる。
【0057】充填剤の配合量が400重量部を越えると
成形品の衝撃強度が低下するので好ましくない。また該
無機充填剤の表面は、ステアリン酸、オレイン酸、パル
ミチン酸またはそれらの金属塩、パラフィンワックス、
ポリエチレンワックスまたはそれらの変性物、有機シラ
ン、有機ボラン、有機チタネート等を使用して表面処理
を施すことが好ましい。
【0058】本発明の樹脂組成物は、廃プラスチックお
よび改質剤を温度150〜350℃の範囲で溶融下、混
合することによって製造される。溶融混合する方法とし
ては、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、混練押出
機、二軸押出機、ミキシングロール等の通例用いられる
混練機により行うことができる。
【0059】本発明では、発明の要旨を逸脱しない範囲
において、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムな
どの無機難燃剤、ハロゲン系、リン系などの有機難燃
剤、木粉などの有機の充填剤、酸化防止剤、紫外線防止
剤、滑剤、カップリング剤、分散剤、発泡剤、架橋剤、
着色剤等の添加剤を添加しても差し支えない。
【0060】
【実施例】次に、実施例をあげて本発明をさらに具体的
に説明する。 参考例1 (多相構造体(2A)の製造)容積51のステンレス製
オートクレーブに、純水2500gを入れ、さらに懸濁
剤としてポリビニルアルコール2.5gを溶解させた。
この中にエポキシ基含有オレフィン共重合体としてエチ
レンーメタクリル酸グリシジル共重合体(メタクリル酸
グリシジル含有量15重量%)「レクスパールRAー3
150」(商品名、日本石油化学(株)製)700gを
入れ、攪拌・分散した。別にラジカル重合開始剤として
のベンゾイルペルオキシド「ナイパーB」(商品名、日
本油脂(株)製)1.5g、ラジカル重合性有機過酸化
物としてtーブチルペルオキシメタクリロイロキシエチ
ルカーボネート6gをビニル単量体としてのスチレン3
00gに溶解させ、この溶液を前記オートクレーブ中に
投入・攪拌した。
【0061】次いで、オートクレーブを60〜65℃に
昇温し、2時間攪拌することによりラジカル重合開始剤
及びラジカル重合性有機過酸化物を含むビニル単量体を
エポキシ基含有エチレン共重合体中に含浸させた。次い
で、含浸させたビニル単量体、ラジカル重合性有機過酸
化物及びラジカル重合開始剤の合計量が初めの50重量
%以上になっていることを確認した後、温度を80〜8
5℃に上げ、その温度で7時間維持して重合を完結さ
せ、水洗及び乾燥してグラフト化前駆体を得た。このグ
ラフト化前駆体中のスチレン重合体を酢酸エチルで抽出
し、GPCにより数平均重合度を測定したところ、90
0であった。
【0062】次いで、このグラフト化前駆体をラボプラ
ストミル一軸押出機((株)東洋精機製作所製)で20
0℃にて押し出し、グラフト化反応させることにより多
相構造体(2A)を得た。
【0063】この多相構造体(2A)を走査型電子顕微
鏡「JEOL JSM T300」(日本電子(株)
製)により観察したところ、粒子径0.3〜0.4μm
の真球状樹脂が均一に分散した多相構造体であった。
【0064】なおこのとき、スチレン重合体のグラフト
効率は77.1重量%であった。 参考例2 (多相構造体(2B)の製造)温度計、撹拌機およびコ
ンデンサーを備えたステンレス製反応機に1%ポリビニ
ルアルコール水溶液10重量部、10%第3リン酸カル
シウム水溶液10重量部、水280重量部を入れた。次
に、スチレン単量体45重量部、メタクリル酸単量体5
重量部、tーブチルペルオキシイソプロピルフマレート
(70%純度)1.4重量部、および3,5,5ートリ
メチルヘキサノイルペルオキシド(75%純度)0.5
重量部の混合溶液を仕込み、反応器内の空気を窒素ガス
で置換した後、撹拌しながら70℃に維持し、6時間重
合させた。その後スチレン単量体35重量部とアクリロ
ニトリル単量体15重量部を加え、温度を75℃に昇温
し、4時間重合して完了させ、冷却し重合物を濾過、水
洗乾燥させ、目的とする多相構造体(2B)を得た。
【0065】この多相構造体を走査型電子顕微鏡「JE
OL JSM T300」により観察したところ、粒子
径0.5〜2μmの真球状樹脂が分散した多相構造体で
あった。
【0066】参考例3 (多相構造体(2C)の製造)温度計、撹拌機およびコ
ンデンサーを備えたステンレス製反応器に1%ポリビニ
ルアルコール水溶液10重量部、10%第三リン酸カル
シウム水溶液10重量部、水280重量部を入れた。次
に、スチレン単量体35重量部、アクリロニトリル単量
体15重量部およびポリメリックペルオキシド(60%
純度)4.2重量部の混合溶液を仕込み、反応器内の空
気を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら75℃に維持
し、3時間重合させた。その後スチレン単量体45重量
部とメタクリル酸単量体5重量部を加え、温度を80℃
に昇温し4時間重合して完了させ、冷却し重合物を濾
過、水洗乾燥させ、目的とする多相構造体(2C)を得
た。
【0067】この多相構造体を走査型電子顕微鏡「JE
OL JSM T300」により観察したところ、粒子
径0.5〜2μmの真球状樹脂が分散した多相構造体で
あった。
【0068】さらに、官能基を含有する重合体として、
エチレンーメタクリル酸グリシジル共重合体(2D)
(メタクリル酸グリシジル含有量15重量%)「レクス
パールRA3150」(商品名、日本石油化学(株)
製)を用いた。
【0069】実施例1〜10 使用済PETボトルを洗浄・粉砕したのち、参考例で得
た改質剤(2A)〜(2D)をドライブレンドし、26
0℃に設定した二軸押出機「PCMー30」(商品名、
池貝鉄工(株))にて溶融混合して再生樹脂組成物のペ
レットを得た。また改質剤をブレンドする際に多官能性
化合物を添加した例も示す。次いで、このペレットを射
出成形して試験片を作成した。
【0070】試験片の大きさは次のようであった。 アイゾット衝撃試験片 13mm×65mm×6mm
(ノッチ付き) 荷重たわみ温度試験片 13mm×130mm×6mm 引張試験片 2号形試験片 曲げ試験片 10mm×130mm×4mm なお試験法は次のようである。
【0071】 1)アイゾット衝撃試験: JIS K7110 2)荷重たわみ温度試験: JIS K7207 3)引張試験 : JIS K7113 4)曲げ試験 : JIS K6758 5)外観(フローマークの有無): 成形品表面のフロ
ーマークの有無を目視で判定した。
【0072】以上の試験結果を表1に示す。なお、表1
において、%は重量%を、部は重量部を表す。また、EP
-815はビスフェノールA型エポキシ化合物(シェル化学
(株)製の商品名、エピコート815 )を表し、廃プラス
チックと改質剤の合計量に対する重量部を表す。DCP
はジクミルペルオキシド(日本油脂(株)製の商品名、
パークミルD)を表し、廃プラスチックと改質剤の合計
量に対する重量部を表す。
【0073】
【表1】
【0074】実施例11〜15 実施例1〜10で得られた樹脂組成物を、ポリブチレン
テレフタレート(PBT)「ジュラネックス 200
2」(商品名、ポリプラスチックス(株)製)にブレン
ドした例を表2に示す。なお、表2において、PBTは
廃プラスチックと改質剤の合計量に対する重量部を表
す。
【0075】
【表2】
【0076】比較例1〜6 実施例1において多相構造体の代わりにエチレンープロ
ピレン共重合体ゴム(ERR)「EPー02P」(商品
名、日本合成ゴム(株)製)を添加した例を表3に示
す。なお、このEPRは、互いに性質の異なる2種の重
合体に該当しない。
【0077】
【表3】
【0078】これらの結果より、廃プラスチックに多層
構造体や官能基を含有する重合体をブレンドした系であ
る本発明の再生樹脂組成物は比較例のものと比べ、相溶
性が改善されているために、成形材料としての耐衝撃
性、曲げ弾性、外観等の物性が向上した組成物であるこ
とが解る。そして、このような再生樹脂組成物が所定条
件下における溶融混練によって容易に得られる。
【0079】
【発明の効果】本発明の第1の発明の再生樹脂組成物
は、廃プラスチックと互いに性質の異なる2種の重合体
成分との相溶性が改善され、劣化した廃プラスチックの
物性が向上するという効果を奏する。
【0080】第2の発明の再生樹脂組成物は、廃プラス
チックと官能基を含有する重合体との相溶性が改善さ
れ、劣化した廃プラスチックの耐衝撃性をはじめとする
成形材料としての物性が向上するという効果を奏する。
従って、この再生樹脂組成物は、自動車部品、電気・電
子部品などの成形材料として有用である。
【0081】第3の発明の再生樹脂組成物は、廃プラス
チックと官能基を含有する重合体との相溶性が改善さ
れ、劣化した廃プラスチックの耐衝撃性、曲げ強度、外
観等の成形材料としての物性が向上するという効果を奏
する。従って、この再生樹脂組成物は、自動車部品、電
気・電子部品などの成形材料として好適なものである。
【0082】第4の発明の廃プラスチックの再生方法に
よれば、前記第3の発明の再生樹脂組成物を溶融混練す
ることにより、優れた物性を有する再生された樹脂組成
物が容易に得られるという効果を奏する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1種以上の廃プラスチックと、互いに性
    質の異なる少なくとも2種の重合体成分よりなる改良剤
    とからなる再生樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 1種以上の廃プラスチックと、官能基を
    含有する重合体とからなる再生樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 1種以上の廃プラスチックと、互いに性
    質の異なる少なくとも2種の重合体成分からなり、一方
    の重合体成分が他方の重合体成分中に粒子径0.001
    〜10μmにて分散し、少なくとも一方の重合体が官能
    基を含有し、かつ両重合体が化学的に結合している多相
    構造体とからなる再生樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記請求項3に記載の再生樹脂組成物を
    溶融混練することを特徴とする廃プラスチックの再生方
    法。
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