JP4541466B2 - プラスチックリサイクル用改質剤及びプラスチックマテリアルリサイクル方法 - Google Patents

プラスチックリサイクル用改質剤及びプラスチックマテリアルリサイクル方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄されたプラスチックをリサイクルするためのプラスチックリサイクル用改質剤、及び前記改質剤を用いたプラスチックマテリアルリサイクル方法に関する。より詳しくは、本発明は、廃棄されたプラスチックをリサイクルするに際して、プラスチックの物性を低下させないプラスチックリサイクル用改質剤、及び前記改質剤を用いたプラスチックマテリアルリサイクル方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
家庭用電気製品、車両等のプラスチックリサイクルにおいて、回収した廃棄プラスチックへの異物の混入をいかに防止するかが問題になっていた。異物とは、廃棄プラスチックスのポリマーコンパウンド以外の物質であって、分別回収時などの再処理・加工工程において混入した他品種の樹脂や金属屑などである。
【0003】
廃棄回収プラスチックからこれらの異物を完全に取り除くことは困難であり、その分別除去などの費用面からも問題がある。同時に、廃棄回収プラスチックに異物が混入することにより、再生されたプラスチックのポリマー物性が大きく低下するという問題がある。そのために、プラスチック再生時にオイルなどの可塑剤を多量に配合して物性低下防止をはかっているが、元の物性を回復することは困難である。
【0004】
このような事情から、プラスチック再生時に異物混入が生じても、ポリマー物性低下が生じない技術の開発が要望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、廃棄されたプラスチックをリサイクルするに際して、プラスチックの物性を低下させないプラスチックリサイクル用改質剤、及び前記改質剤を用いたプラスチックマテリアルリサイクル方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討し、粘度の低いオレフィン系ポリマーにカップリング剤をグラフトさせた改質剤を新たに開発した。粘度の低いことにより樹脂マトリックス中での流動性が高いため、グラフトしたカップリング剤が無機物である混入異物と選択的に反応する。これにより、樹脂マトリックス中において混入無機物を選択的に包括することができるため、混入無機物によるポリマー物性低下が生じないことを発見した。この技術により、多少無機物の混入があってもマテリアルリサイクルが可能である。また、本改質剤は同時に、他種ポリマー等の有機物に対して相互作用を持つ相溶基を有するため、樹脂マトリックスと他種ポリマーとの相溶化剤としての効果もある。よって、廃棄回収に伴う分別のコストも削減でき、廃棄プラスチックリサイクルの循環システムにおけるコストメリットが生じる。
【0007】
本発明は、メルトインデックスが1〜30の範囲内である低粘度ポリマーに
トキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、及びβ−メトキシエトキシ基からなる群から選ばれるアルコキシ基、及び/又はアシルオキシ基と
ミノ基、メルカプト基、アセタール基、及びオキサゾリン基からなる群から選ばれる基とが導入された低粘度ポリマーを主成分としてなる、プラスチックリサイクル用改質剤である。
【0008】
例えば、本発明のプラスチックリサイクル用改質剤は、無機物質に対して相互作用を有する相互作用基と、前記低粘度ポリマー以外の他種ポリマーに対して相互作用を有する相互作用基とを有する低粘度ポリマー主成分としてなる。
【0009】
前記低粘度ポリマーは、メルトインデックスが1以上の低粘度を有するものである。メルトインデックス1〜30の範囲の低粘度ポリマーを用いて、これに無機物質に対する相互作用基と、有機物質に対する相互作用基を導入する。
【0010】
前記低粘度ポリマーとしては、特に限定されないが、例えば、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、EVA-PVC-グラフト共重合体、アクリル樹脂、ブタジエン樹脂、酢酸ビニルーエチレン共重合体樹脂、エチレン−α―オレフィン共重合体、プロピレン−α―オレフィン共重合体、水添スチレン−イソプレン−ブロック共重合体、石油樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。特にはオレフィン系樹脂が望ましい。さらにはEVA 、EEA が最も望ましい。
【0011】
低粘度ポリマーが有する無機物質に対する相互作用基は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、及びβ−メトキシエトキシ基からなる群から選ばれる低級アルコキシ基、及び/又はアセトキシ基等のアシルオキシ基である。低粘度ポリマーの同一炭素原子に、ジエトキシ、トリメトキシ、トリエトキシ等のアルコキシ基を有することも好ましい。
【0012】
これらの無機物質に対する相互作用基は、低粘度ポリマーに、カップリング剤を反応させて導入することができる。例えば、シランカップリング剤やチタネート系カップリング剤が考えられる。例えば、γ―クロロプロピルトリメトキシシラン、γ―クロロプロピルメチルジクロロシラン、γ―クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ―クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル・トリス(β―メトキシエトキシ)シラン、γ―メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ―メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、β―(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ―メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ―アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル―γ―アミノプロピルトリメトキシシラン、N―β―(アミノエチル)―γ―アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ―(ポリエチレンアミノ)プロピルトリメトキシシラン、N―β―(アミノエチル)―γ―アミノプロピルトリメトキシシラン、γ―ウレイドプロピルトリエトキシシラン、メチルアミノエトキシプロピルジアルコキシシラン、N’−ビニルベンジル−N―トリメトキシリプロピルエチレンジアミン塩などのシランカップリング剤、イソプピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチルーアミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスフェート)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチルー1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)エチレンチタネート等のチタン系カップリング剤、その他メタクリレート・塩化クロム複合体などのクロム系カップリング剤、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートなどのアルミニウムカップリング剤などがあげられる。特に、メトキシ基やエトキシ基などのアルコキシ基を有するシランカップリング剤が望ましい。
【0013】
低粘度ポリマーが有する有機物質に対する相互作用基は、アミノ基、メルカプト基、アセタール基、及びオキサゾリン基からなる群から選ばれる基である。アセタール基、オキサゾリン基がより好ましい。例えば、オキサゾリン化合物を反応させると良い。
【0014】
本発明のプラスチックリサイクル用改質剤は、前記低粘度ポリマーに、前記無機物質に対する相互作用基を有する化合物と、前記有機物質に対する相互作用基を有する化合物とを、適切な条件で反応させて得ることができる。この導入反応は、例えば、特別な反応釜を必要とせず、2軸混練り機等の押出機中でリアクティブプロセスを用いて簡便に行うことができる。
【0015】
本発明において、リサイクルすべきプラスチックは、通常のプラスチックコンパウンドであり、ゴム・プラスチックなどの高分子化合物を含む概念である。
代表例のみ挙げると、例えば、ABS樹脂、ACS樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、ASA樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、塩素化ポリエーテル、塩素化ポリエチレン、アリル樹脂、エポキシ樹脂、エチレン−α―オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、EVA樹脂、FRP、アイオノマー、メタクリル−スチレン共重合体、ニトリル樹脂、ポリエステル、オレフィンビニルアルコール共重合体、石油樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアクリレート、ポリアリルスルフォン、ポリベンゾイミダゾール、ポリブタジエン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルスルフォン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリケトン、メタクリル樹脂、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルフォン、ポリスチレン、SAN樹脂、ブタジエン−スチレン樹脂、ポリウレタン、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリ酢酸ビニル、キシレン樹脂、熱可塑性エラストマー、EPDM、CR、BR、ニトリルゴム、天然ゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ブチルゴムが挙げられる。
【0016】
本発明のプラスチックリサイクル用改質剤が特に適しているのは、ポリプロピレン、ABS樹脂、PS樹脂等である。
【0017】
リサイクルすべきプラスチックには、廃棄プラスチックスのポリマーコンパウンド以外の物質であって、分別回収時などの再処理・加工工程において混入した異物が通常含まれている。
本発明のプラスチックリサイクル用改質剤は、プラスチック中に混入した異物を選択的に包括することで、プラスチックの物性低下を防ぐことができる。
【0018】
前記混入異物としては、例えば、石などのゴミ類、成型時に混入される金属片、メッキ屑、銅線などの無機物がある。これら無機物は、本発明の改質剤中の無機物に対する相互作用基と作用して(すなわち、場合によっては相互作用基と反応して)捕捉される。また、埃、髪の毛、繊維などのゴミ類、分別処理時に混入するプリント基盤などの他種ポリマー片などの有機の混入物がある。これら有機物は、本発明の改質剤中の有機物(低粘度ポリマー以外の他種ポリマー)に対する相互作用基と作用して捕捉される。また、有機物と無機物が共存する電線屑、塗装片などの異物に対しても、本発明の改質剤中の有機と無機の両相互作用基によって捕捉される。上記の混入異物とは、物質として特に特定されるものではなく、一般的に配合されるポリマーコンパウンド以外の物質を指す場合が多い。
【0019】
例えば、廃棄されたプラスチックコンパンドには充填物が配合されている場合が多い。それら充填剤が廃棄プラスチックコンパウンド中に配合されていても、本発明の改質剤の使用に際して影響はない。
【0020】
通常プラスチックコンパンドに配合されている充填剤として、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、カーボングラック、珪酸アルミニウム、カオリン、クレー、ベントナイト、タルク、シリカ、ウォラストナイト、ゼオライト、珪藻土、けい砂、軽石粉、ストレート粉、アルミナ、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、リトポン、硫酸カルシウム、酸化マグネシウム、二硫化モリブデン、雲母粉、グラファイト、ガラス繊維、ガラス球、モンモリナイト、鉄粉などが挙げられる。これら無機充填剤は、単独もしくは2つ以上で配合されているであろう。
【0021】
また、各種の添加剤も廃棄されたプラスチックコンパンドに配合されている場合が多い。それら添加剤が廃棄プラスチックコンパウンド中に配合されていても、本発明の改質剤の使用に際して影響はない。
【0022】
通常プラスチックコンパンドに配合されている添加剤として、例えば、橋掛け剤、橋掛け促進剤、橋掛け促進助剤、活性剤、橋掛け抑制剤、老化防止剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、粘着付与剤、可塑剤、軟化剤、補強剤、強化剤、発砲剤、発泡助剤、安定剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、変性剤、着色剤、カップリング剤、防腐剤、防カビ剤、改質剤、接着剤、付香剤、重合触媒、重合開始剤、重合禁止剤、重合抑制剤、重合調整剤、重合開始剤、結晶核剤、相溶化剤、分散剤、消泡剤などが挙げられる。これらは、単独もしくは2つ以上で配合されているであろう。
【0023】
本発明の改質剤に、上に示した無機充填剤や添加剤物質のうちから、1種類又は2種類以上混入し、これをマスターバッチとして使用することも可能である。
【0024】
また、本発明は、リサイクルすべきプラスチックを加熱溶融して、前記プラスチックリサイクル用改質剤を配合して、再生プラスチックを得る、プラスチックマテリアルリサイクル方法にも関する。
【0025】
リサイクルすべきプラスチック100重量部に対して、プラスチックリサイクル用改質剤0.1〜100重量部を配合すると良い。
本発明の改質剤を廃棄プラスチックに配合するには、通常の混練方法で可能である。例えば、ロール、ニーダー、バンバリーミキサー、インターミックス、1軸押出機、2軸押出機などの混練機で混練すると良い。
【0026】
本発明の改質剤は、上記の無機充填剤が配合されたコンパウンドの耐衝撃性改良にも効果がある。
本発明は、プラスチックマテリアルリサイクルにおいて最大の問題点であるポリマー中の混入異物を選択的に包括するという基本技術に特徴を有する。従って、本発明は、あらゆるプラスチック製品のマテリアルリサイクルに有効である。例えば、バンパー、フロントパネル、マットなどの自動車用部品、車両部品、家庭用電化部品、建築用部品、船舶部品、航空部品、電線ケーブル材料、家具用材料、半導体封止材料、プリント基盤材料、楽器、化粧品容器、時計部品、玩具、スポーツ用品、靴などの日用品、水道管、ガス管、フィルムなどのプラスチック材料のマテリアルリサイクルに利用できる。また、通常のプラスチック改質剤としても使用することが可能である。
【0027】
本発明の主たる特徴を下記に示す。
1)本発明のプラスチックリサイクル用改質剤は、低粘度ポリマーに、無機物質に対して相互作用を有する相互作用基(例えば、無機物に対するカップリング効果を持つ反応基)を有する化合物と、有機物質(例えば、前記低粘度ポリマー以外の他種ポリマー)に対して相互作用(例えば、相溶作用)を有する相互作用基を有する化合物とをグラフトさせたものである。
2)本発明プラスチックリサイクル用改質剤は、プラスチック中に混入した無機物異物を選択的に包括することで、プラスチックの物性低下を防ぐことができる。
3)本発明プラスチックリサイクル用改質剤は、廃棄プラスチックリサイクルの循環システムにおいて、廃棄回収に伴う分別除去のコストも削減できることからコストメリットが大きい。
4)本発明プラスチックリサイクル用改質剤は、特別な反応釜を必要とせず、2軸混練り機等の押出機中でリアクティブプロセスを用いて簡便に作製できる。
【0028】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
(リサイクル改質剤の作製)
リサイクル改質剤を2軸押出機を用いてリアクティブプロセスで作製した。
表1に示す配合で、低粘度ポリマーA−710(EEA樹脂)に、無機への相互作用基を有するシランカップリング剤A−174と、低粘度ポリマー以外の他種ポリマーへの相溶性基を有するオキサゾリン化合物 LOXAMID VEP 851R とを、通常の2軸押出機を用いて、下記に示す条件で押出すことにより、無機相互作用を有するシランカップリング剤と他種ポリマーへの相溶作用を有するオキサゾリン化合物の両者がEEA樹脂にグラフトされた。
<押出条件>
温度設定:フィード 160℃、混練部 180〜200℃、ヘッド 160℃
回転数:120rpm
上記の条件で押出されたものをペレタイザーでペレット化し、リサイクル改質剤を得た。
【0029】
【表1】
Figure 0004541466
【0030】
(リサイクル改質剤の評価)
リサイクル改質剤としての性能を確かめるために、PP樹脂(BC03:ポリケム社製)、PS樹脂(NS28:出光石油社製)、ABS樹脂(HF−5:三菱レイヨン社製)にそれぞれ異物として銅粉(60メッシュ)、炭酸カルシウム(120メッシュ)を混合したコンパウンドにリサイクル改質剤を配合して、再生プラスチックのポリマー物性を測定した。
【0031】
【表2】
Figure 0004541466
【0032】
表2にリサイクル改質剤の配合(重量)及び試験物性を示す。比較例1〜6及び実施例1〜3において、下記に示す条件で2軸押出機を用いて押出された。押出されたプラスチックコンパウンドは、射出成型機によって次の試験方法の試験片に成型して、それぞれの試験規格で試験を行った。
<押出条件>
温度設定:フィード 180℃、混練部 180〜200℃、ヘッド 180℃
回転数:120rpm
<試験方法>
引張り強さ:JIS K 7113
伸び:JIS K 7113
引張弾性率:JIS K 7113
アイゾット衝撃強度:JIS K 6758
【0033】
実験結果を表2に示す。
1.PP樹脂について:
PP樹脂100%の比較例1に対し、異物として銅粉(60メッシュ)5重量部及び炭酸カルシウム(120メッシュ)5重量部を混合した比較例2では、伸び、アイゾット衝撃値が著しく低下した。これに対して、比較例2の配合に更に本発明のリサイクル改質剤3重量部を配合した実施例1では、なにも配合していない比較例1と比較して物性が同等に回復した。
【0034】
2.PS樹脂について:
PS樹脂100%の比較例3に対し、異物として銅粉(60メッシュ)5重量部及び炭酸カルシウム(120メッシュ)5重量部を混合した比較例4では、アイゾット衝撃値が著しく低下した。これに対して、比較例4の配合に更に本発明のリサイクル改質剤3重量部を配合したに実施例2では、なにも配合していない比較例3と比較して、引張弾性率は低下したものの、その他の物性はほぼ同等に回復した。特に伸びに対しては著しい効果を示した。
【0035】
3.ABS樹脂について:
ABS樹脂100%の比較例5に対し、異物として銅粉(60メッシュ)5重量部及び炭酸カルシウム(120メッシュ)5重量部を混合した比較例6では、伸びやアイゾット衝撃値が著しく低下した。これに対して、比較例6の配合に更に本発明のリサイクル改質剤3重量部を配合した実施例3では、なにも配合していない比較例5と比較して、物性はほぼ同等に回復した。
【0036】
以上の結果より、本改質剤の配合によって、樹脂マトリックス中において異物を選択的に包括することができるため、異物による物性低下が生じないことが分った。この技術により、多少の異物の混入があってもマテリアルリサイクルが可能である。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、廃棄されたプラスチックをリサイクルするためのプラスチックリサイクル用改質剤、及び前記改質剤を用いたプラスチックマテリアルリサイクル方法が提供される。

Claims (7)

  1. メルトインデックスが1〜30の範囲内である低粘度ポリマーに
    トキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、及びβ−メトキシエトキシ基からなる群から選ばれるアルコキシ基、及び/又はアシルオキシ基と
    ミノ基、メルカプト基、アセタール基、及びオキサゾリン基からなる群から選ばれる基とが導入されたポリマーを主成分としてなる、プラスチックリサイクル用改質剤。
  2. 前記低粘度ポリマーが、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、EVA-PVC-グラフト共重合体、アクリル樹脂、ブタジエン樹脂、酢酸ビニル−エチレン共重合体樹脂、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、水添スチレン−イソプレン−ブロック共重合体、石油樹脂、ポリエチレン及びポリプロピレンからなる群から少なくとも1種選ばれる、請求項1に記載のプラスチックリサイクル用改質剤。
  3. 前記低粘度ポリマーに
    トキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、及びβ−メトキシエトキシ基からなる群から選ばれるアルコキシ基、及び/又はアシルオキシ基を有する化合物と
    ミノ基、メルカプト基、アセタール基、及びオキサゾリン基からなる群から選ばれる基を有する化合物とを、
    リアクティブプロセスにより反応させて得られた、請求項1又は2に記載のプラスチックリサイクル用改質剤。
  4. リサイクルすべきプラスチックは、ABS樹脂、ACS樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、ASA樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、塩素化ポリエーテル、塩素化ポリエチレン、アリル樹脂、エポキシ樹脂、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、EVA樹脂、FRP、アイオノマー、メタクリル−スチレン共重合体、ニトリル樹脂、ポリエステル、オレフィンビニルアルコール共重合体、石油樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアクリレート、ポリアリルスルフォン、ポリベンゾイミダゾール、ポリブタジエン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルスルフォン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリケトン、メタクリル樹脂、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルフォン、ポリスチレン、SAN樹脂、ブタジエン−スチレン樹脂、ポリウレタン、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリ酢酸ビニル、キシレン樹脂、熱可塑性エラストマー、EPDM、CR、BR、ニトリルゴム、天然ゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム又はブチルゴムである、請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載のプラスチックリサイクル用改質剤。
  5. リサイクルすべきプラスチックには、廃棄プラスチックスのポリマーコンパウンド以外の物質であって、分別回収時などの再処理・加工工程において混入した異物が含まれている、請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載のプラスチックリサイクル用改質剤。
  6. リサイクルすべきプラスチックを加熱溶融して、請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載のプラスチックリサイクル用改質剤を配合して、再生プラスチックを得る、プラスチックマテリアルリサイクル方法。
  7. リサイクルすべきプラスチック100重量部に対して、プラスチックリサイクル用改質剤0.1〜100重量部を配合する、請求項6に記載のプラスチックマテリアルリサイクル方法。
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