JP2641566B2 - ポリオレフィン―植物繊維系成形用組成物 - Google Patents

ポリオレフィン―植物繊維系成形用組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はポリオレフィン−植物繊維系成形用組成物に
関し、更に詳しくはポリオレフィンと変性ポリオレフィ
ンとの混合組成ポリオレフィンまたは変性ポリオレフィ
ンと植物繊維または粉末を主成分とし、無機物添加剤を
好適に配合、混練して得られる産業資材等の用途に適す
る成形用組成物に関する。
[従来の技術] ポリオレフィンから得られる成形物は優れた物性を有
しているが、剛性の不足が欠点となっており、かかる欠
点の解消が望まれる。
このため木粉、もみがら、木材パルプ等の植物繊維ま
たは粉末をポリオレフィンに配合することが行なわれて
いるが、このようにして得られた成形物の剛性は確かに
向上しているが、引張強度、耐衝撃性などのプラスチッ
ク成形物にとって極めて重要な物性がポリオレフィン単
独の場合よりも著しく低下してしまうという欠点があ
る。この原因はポリオレフィンと植物繊維充填剤との極
性が著しく異なるため、第1には成形物中で両者の界面
での接着性が劣悪であるということ、及び第2にはポリ
オレフィン中での植物繊維充填剤の分散が不均一である
ということに基づいている。このため、植物繊維充填剤
の添加可能量が、低いものとなっている。
ポリオレフィンと植物繊維とからなる成形用組成物の
上述の欠点を解消するために、特公昭58−56534号公報
には、ポリオレフィン−植物繊維系組成物にロジン系物
質や石油樹脂及び可塑剤、更には合成ゴムや無機充填剤
を添加し、これによりポリオレフィン中の植物繊維の分
散性を改良し、成形物の機械的強度等を向上させること
が開示されているが、この特許公報に記載の方法は、ポ
リオレフィン及び植物繊維以外にロジン系物質や石油樹
脂及び可塑剤、更には合成ゴムや無機充填剤等多種の物
質を用いるものであり、成形物製造工程が煩雑になり、
また成形物のコストも上昇するという欠点がある。
またポリオレフィン−植物繊維系組成物の上述の欠点
を改良するために、無水マレイン酸変性ポリオレフィン
をポリオレフィンと完全に置き換えて使用することも提
案されている。この変性ポリオレフィン−植物繊維系組
成物から得られた成形物は、例えば両者の配合比1/1で
優れた剛性、引張強度、耐衝撃性を有するが、組成物中
で半分の量を占めるポリオレフィン成分が無水マレイン
酸変性ポリオレフィンであるため組成物の価格、ひいて
は成形物の価格が著しく高くなるという欠点がある。
また、これら欠点を解消するため、特開昭64−51451
号公報には、少量の無水マレイン酸変性および無水イン
コン酸変性ポリオレフィンを多量の未変性ポリオレフィ
ンに添加することが提案されている。
[発明が解決しようとする課題] しかし、ポリオレフィンと植物繊維系複合材料を製造
するさいの問題点の一つに、植物繊維中に存在する水分
からポリオレフィン−植物繊維混練系組成物中に水分が
混在し、水分による悪影響がある。即ち水分存在下で成
形すると、成形品の表面にシルバーマークが生じさせた
り、水分の拡散に伴う気泡が成形物中に包含される等の
問題がある。また、植物繊維などリグノセルロースが樹
脂酸を含み、また容易に加水分解されるアセチル基を含
有するなどの理由でポリオレフィン−植物繊維混練系組
成物が酸性を呈し、混練機や成形金型を腐食させたり、
くもらせるといった問題もある。従来の提案において
は、これらの問題についてなんら解決されていなかっ
た。
従って、本発明の目的は上記した従来のポリオレフィ
ン−植物繊維系成形用組成物の欠点を解消し、さらに、
剛性、引張強度、耐衝撃性などの物性を向上させ、極め
て優れた成形物の安価な製造を可能にするポリオレフィ
ン−植物繊維系成形用組成物の提供にある。
発明者らは、上記の目的を達成するため種々の検討を
加えた結果、ポリオレフィン成分および植物繊維を所定
の割合で含有する成形用組成物に、適切な手法で無機物
添加剤を添加すると、成形物の剛性、引張強度、耐衝撃
性等を向上させると共に、ポリオレフィン−植物繊維系
組成物中の水分を除去し、しかも組成物の酸性を中和
し、場合により塩基性にもし得ることを見い出し、本発
明を完成させた。
[課題を解決するための手段] 即ち、本発明によれば、ポリオレフィンと変性ポリオ
レフィンとの混合組成ポリオレフィンまたは変性ポリオ
レフィン40〜70重量部及び植物繊維または粉末60〜30重
量部とからなる主成分と、該主成分の2.5〜60重量%
で、酸化マグネシウム、酸化カルシウム及び酸化亜鉛の
1種または2種以上である無機物添加剤とからなる組成
物であって、該混合組成ポリオレフィンまたは変性ポリ
オレフィン、及び、該植物繊維または粉末を予め混練し
た後、該無機物添加剤を添加、混練してなることを特徴
とするポリオレフィン−植物繊維系成形用組成物が提供
される。
以下、本発明のポリオレフィン−植物繊維系成形用組
成物について更に詳細に説明する。
本発明の組成物は、40〜70重量部のポリオレフィンと
変性ポリオレフィンとの混合組成ポリオレフィンまたは
変性ポリオレフィンのポリオレフィン成分と60〜30重量
部の植物繊維とを主成分とするものである。ポリオレフ
ィン成分と植物繊維との配合比の範囲は、ポリオレフィ
ンおよび植物繊維のそれぞれが持つ特性を生かし、それ
を成形物に具現させるためである。また本発明において
は、ポリオレフィンよりも安価な植物繊維を多く添加す
ることができるため、成形物のコストダウンをはかるこ
とができる。
本発明の組成物におけるポリオレフィンとは、エチレ
ン、プロピレンなどのオレフィンの重合によって得ら
れ、無水マレイン酸などで変性処理のなされていないポ
リオレフィン、例えばアイソタクチック構造を主成分と
したポリプロピレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリ
エチレン、エチレン−プロピレン共重合体を意味する。
なお、オレフィンをしかるべき量の非オレフィン系コモ
ノマーと共重合することにより得られた共重合体もポリ
オレフィンとして使用しうる。これらポリオレフィンの
うち、ポリプロピレンを用いるのが特に好ましい。
また、本発明の組成物は、その100重量部中に30〜60
重量部の植物繊維を含むものであり、このような多量の
植物繊維を含んでいても組成物を均一なものとするもの
であり、各種成形法に適用することができ、成形時にお
ける組成物粘度は特に限定されない。従って、ポリオレ
フィンのメルトインデックスは、特に限定されるもので
ないが、射出成形に適用するときには、射出成形時のフ
ロー特性を向上させるために、ポリオレフィンのメルト
インデックス(MI)が20〜150、特に30〜130のものを用
いるのが好ましい。射出成形にMIが20未満、例えば9の
ポリオレフィンを用いた場合には、均一な組成物を得る
ことは困難であり、射出成形のフロー特性も悪い。これ
らのポリオレフィンは数多く市販されており、そのいず
れも使用することができる。
また本発明の変性ポリオレフィンは、主鎖の分子中の
水素の一部を不飽和カルボン酸及びその誘導体で置換し
たものであり、誘導体にはカルボキシル基の金属塩も含
むものである。また、公知のビニルトリエトキシシラ
ン、メタアクリロイルオキシトリメトキシシラン等のビ
ニルシラン化合物で置換したものである。これらの変性
ポリオレフィンのうち、例えば(無水)マレイン酸、
(無水)イタコン酸、グリシジルメタクリレート、など
の変性剤で置換して得られるものが好ましい。なお、上
記の(無水)マレイン酸とは無水マレイン酸とマレイン
酸の両者を、(無水)イタコン酸とは無水イタコン酸と
イタコン酸の両者を意味する。
変性ポリオレフィンを製造するための変性剤の好まし
い使用量は、ポリオレフィン100重量部に対し、(無
水)マレイン酸の場合は、0.1〜3重量部、(無水)イ
タコン酸の場合は、0.1〜4重量部、グリシジルメタク
リレートの場合は、0.3〜5重量部、ビニルシラン化合
物の場合は、0.1〜5重量部である。また、変性剤と共
に、tert−ブチルパーオキシベンゾエート等の開始剤が
通常用いられる。その好ましい添加量は、ポリオレフィ
ン100重量部に対し0.1〜0.5重量部である。
本発明のポリオレフィンとの混合組成または変性ポリ
オレフィン単独組成において、これらの変性ポリオレフ
ィンの変性部分が、ポリオレフィン鎖と植物繊維との界
面に局在して相溶化剤として働き、これらの界面接着性
を改善すると共に、溶融分散状態を改良する機能を持つ
と推定される。すなわち、その変性剤による官能基が植
物繊維中の水酸基とエステル化反応によるグラフト結合
[(無水)マレイン酸又は(無水)イタコン酸変性の場
合]、又は付加反応(エーテル化反応)によるグラフト
結合(グリシジルタメクリレート変性の場合)を形成す
る。この場合、エステル化反応等の化学結合によるグラ
フト結合と単なる水素結合とでは、前者の方が後者より
も結合が強固となり、しかもポリオレフィン成分と植物
繊維間の結合性も強固となる。従って本発明の組成物で
用いられる変性ポリオレフィンとしては、(無水)マレ
イン酸または(無水)イタコン酸変性ポリオレフィンが
特に好ましい。
上記の通り、変性ポリオレフィンは植物繊維と反応
し、ポリオレフィン鎖と植物繊維とを均一に分散するた
め、ポリオレフィンと変性ポリオレフィンとの混合組成
における変性ポリオレフィンの添加量が少量であって
も、得られた成型物の物性は著しく向上する。本発明の
混合組成ポリオレフィンにおいては、通常、ポリオレフ
ィン/変性ポリオレフィン比は97/3〜60/40(重量比)
である。この比率が97/3を超えると、変性ポリオレフィ
ンの量が少なすぎ、変性ポリオレフィンの効果を十分に
発揮することができない。また比率を60/40未満として
も、変性ポリオレフィンの量の増加に見合う効果の上昇
は得ることができず、コスト的にも不利になり易い。従
って、混合組成ポリオレフィンを用いる場合は、上記範
囲のポリオレフィン/変性ポリオレフィン比のものが、
成形品物性のバランスが優れ、経済価値も含め工業上有
用といえる。
本発明における組成物のポリオレフィン成分は、上記
のように変性ポリオレフィンとポリオレフィンとの混合
組成ポリオレフィンまたは変性ポリオレフィン単独のも
のであるが、他のポリマー例えばポリアミド等を、目的
とする成形品の性状、用途等に応じ添加することもでき
る。
本発明の組成物において用いられる植物繊維として
は、木材パルプ、木粉、もみがら、リンター、リンター
パルプ、微細粉された新聞紙、雑誌、ダンボール等の故
紙等を使用することができる。しかし、夾雑物が含まれ
ず、安定供給できる点でリファイナーグランドパルプ
(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の木材パル
プを用いるのが特に好ましい。
これら植物繊維は、特に表面処理は必要ないが、要す
ればシランカップリング剤、チタンカップリング剤及び
脂肪酸アミド等の界面活性剤等を使用し、表面処理して
用いてもよい。
本発明における無機物添加剤は、酸化マグネシウム、
酸化カルシウム及び酸化亜鉛の1種または2種以上が用
いられる。これら無機物添加剤は、酸変性ポリオレフィ
ンを使用したときに一部アイオノマーを生成し、無機物
添加剤自体がポリオレフィン−植物繊維混練系組成物中
の水分と反応して水酸化物となり除水効果を発揮するも
のであり、またアルカリ性である等の物性を有するもの
が好ましい。例えば、酸化マグネシウム(MgO)は水が
存在すると成形条件下で反応して水酸化マグネシウム
[Mg(OH)]を生ずる。従って、結果的に本発明組成
物の主成分中の植物繊維からの水分が除去され、それと
共に組成物部は塩基性になる。またMg(OH)は同時に
難燃剤としても作用し、成形体に使用したときにも有効
となる。
また、変性ポリオレフィンが無水マレイン酸変性ポリ
オレフィンや無水イタコン酸変性ポリオレフィンの場
合、それら変性ポリオレフィンの酸無水物基はMgOと反
応し、その結果カルボキシレートイオン(−COO-)を生
じる。そのカルボキシレートイオンとMg2+とは強く相互
作用することとなり、Mg2+による架橋が生じ、アイオノ
マー系が生成される。そのため、本発明の組成物を用い
た複合材料成形物の強度は向上することにもなる。酸変
性以外の変性ポリオレフィンを使用するときは、アイオ
ノマー化は特に考慮する必要はない。
これら無機物添加剤は、単独でもよいし、2種以上組
み合わせて用いてもよい。
無機物添加剤は前述した様に、組成物中の水を混練お
よび成形時に除去する目的、混練時に組成物の酸性を中
和ないし塩基性に変えることができ、従来のポリオレフ
ィン−植物繊維系組成物において問題とされていた混練
機や成形金型の腐食やくもりを防止することができる。
さらに複合材料成形物の強度を増大させるという効果も
得ることができる。
本発明の成形用組成物の製造に際しては、変性ポリオ
レフィンとポリオレフィンとの混合組成ポリオレフィン
または変性ポリオレフィン及び植物繊維からなる主成分
と無機物添加物とを、バンバリーミキサー、ロールミキ
サー、ニーダー、押出機、高速回転ミキサー等の通常の
装置を用いて混合、混練すればよい。この場合、好まし
くは、混合組成ポリオレフィンまたは変性ポリオレフィ
ン及び植物繊維の主成分を予め混練した後に、無機物添
加剤を混練するのがよい。
即ち、前記のようにMgO等の無機物添加剤が変性ポリ
オレフィンと反応するということは、複合材料中で相溶
化剤として機能する変性ポリオレフィン量を減らし、つ
いには消滅させて、ポリオレフィン−植物繊維系複合材
料の強度を低減させるおそれもある。そのため、変性ポ
リオレフィンとMgO等の無機物添加剤を当初から混練系
に存在させることを避け、混合組成ポリオレフィンまた
は変性ポリオレフィン及び植物繊維からなる主成分を予
め混練し、次いで、MgO等の無機物添加剤を加えるのが
好ましい。但し、前記の通り酸変性以外の変性ポリオレ
フィンを使用するときは、アイオノマー化は特に考慮す
る必要はない。
本発明においては、これらの成分の混合に際して、他
の無機物例えば、タルク、雲母、金属粉や、有機または
無機繊維等の充填剤や、カーボンブラック等の着色剤等
のプラスチック用各種添加剤を本発明の目的を損なわな
い範囲で添加してもよい。
本発明の成形用組成物は、変性ポリオレフィンとポリ
オレフィンとの混合組成ポリオレフィンまたは変性ポリ
オレフィンのポリオレフィン成分及び植物繊維からなる
主成分系にMgO等の無機物添加剤が添加されており、該
無機物添加剤の添加量および添加順序などを適切にすれ
ば、無機物添加剤の添加量が少量であるにも拘らず、得
られた成形物は、従来の無機物添加剤を欠く対応の組成
物よりも優れた引張強度、引張伸度、剛性、耐衝撃性を
有するものとなる。また、水分の存在や混練組成物が酸
性であるという組成物の特性およびそれが混練・成形時
に与える悪影響を除去することができる。
[実施例] 以下、実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発
明はこれらの実施例に限定されるものではない。
比較例1〜7 ポリプロピレン(PP;宇部興産(株)製ポリプロJ130
G)35重量部、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(MP
P;宇部興産(株)ポリプロJ130Gより得た0.84%変性
物)15重量部およびラジアータパイン・リファイナーグ
ランドパルプ(RGP)50重量部の組成の混合物100重量部
に対し、それぞれ0.1重量部のアンチオックスS、イル
ガノックス1010、およびBHT酸化防止剤、および5〜50
重量部の酸化マグネシウム(MgO)を秤り取り、それら
すべての混合物をニーダー(ラボプラストミルLPM18〜1
25;東洋精機製作所(株)製)中に、170℃、プレード回
転数10rpmの条件下で10分間を要して投入し、引続いて1
80℃、50rpmの条件で10分間混練した。混練物を190℃で
数分予熱後190℃、18kgf/cm2の条件下で30秒の直圧成形
を行い、厚さ0.4mmのフィルム状試片を得た。それぞれ
得られたフィルムについて引張試験を行い、引張強度
(σ)、ヤング率(E)および引張破壊ひずみ
(ε)を得た。結果を第1表にまとめて示した。
なお、第1表にはそれぞれの混練物5gを50mlの蒸留水
に分散させ48時間放置した後の上澄液のpH測定値を最右
欄に示している。用いた蒸留水のpHは8.02であった。Mg
O添加に伴うpH値変化により、混練組成物は本来酸性で
あるが、5%のMgO添加により、十分中和し得ることが
分かる。
比較例8〜9 ポリプロピレン(PP)(宇部興産(株)製ポリプロJ1
30G)と酸化防止剤(添加量は比較例2と同じ)のみを
比較例2と同条件で成形して得られた試料、およびPPと
PPに対し10%量のMgOおよび酸化防止剤(添加量は比較
例2と同じ)を共に混練成形して得られた試料について
引張試験を行い、その結果を第2表に比較例8〜9とし
てそれぞれ示した。いずれの場合もMPPは存在しない
が、MgOを含有する系の引張強度はMPPを含有しないPPの
みのフィルムのそれよりも小さくなる。このことはMPP
が存在しない場合アイオノマー系を生成しないことを示
すことが明らかである。
比較例10 RGPのみを欠く複合系すなわち、PP、MPPおよびMgOの7
0:30:10(重量部)の混練成形物(酸化防止剤を含有)
を得た。その引張強度特性を第2表に示した。MPPが加
わることにより比較例9に比べ、引張強度が著しく増加
することから、MPPとMgOの存在がアイオノマー系を生成
することを示しているといえる。
比較例11〜13 PPとMPPの合計を50重量部とし、両者の比率を第3表
の比較例11〜13記載のように変化させ、50重量部(同重
量)のRGPと混合し、その合計重量に対し10重量%のMgO
および酸化防止剤(前記と同様に添加)を加え、全体を
よく混合した上で比較例2と同様に混練・成形してフィ
ルム状試片をそれぞれ得た。それらの試片について得ら
れた引張強度特性を第3表に示した。これらの値及び第
1表の比較例3の結果から、同一量のMgOが存在する場
合、MPP量が増加するほど引張強度の大きなフィルムが
得られることが分かる。
実施例1 比較例11との対応で混練機への各要素試料の投入時期
に差をつけて混練した後、成形して得られたフィルム状
試片の強度について検討した。
すなわち、まず47.5重量部のPPと2.5重量部のMPPを、
180℃、プレート回転数10rpmという混練条件下で1分間
を要して投入し、次いでRGP50重量部を同じ条件下で8
分間を要して投入、次い180℃、50rpmで6分間混練した
後、再び180℃、10rpmという条件に戻し、PP及びMPPとR
GPの合計量の10重量%相当量のMgOを2分間を要して投
入した。引続き、180℃、50rpmという条件下で3分間混
練したのち、比較例2と同様に成形し、フィルム状試片
を得た。それについて得られた引張強度特性を第3表に
示した。
比較例11と比較して、実施例1の場合は著しく引張強
度が増大していることが分かる。このことは、MPPが十
分RGPと反応したのちに、MgOを加えることが複合材料強
度を高めることを示している。すなわち、MPPとMgOの反
応により、前者の相溶化剤としての機能(RGPにグラフ
トする機能)が損なわれることを裏付ける結果となって
おり、それを避けるように、MgOを主成分混練後に添加
するという手段が、複合材の強度を高めることがわか
る。
[発明の効果] 本発明のポリオレフィン−植物繊維成形用組成物は、
その成形物の引張強度、引張伸度及び曲げ強度が低いと
いう従来のポリオレフィン−植物繊維系成形用組成物の
欠点が著しく改良される上、優れた曲げ弾性率(剛
性)、曲げ強度、引張強度、引張伸度、耐衝撃性を有す
る成形物を得ることができる。
さらに、従来のポリオレフィン−植物繊維系組成物に
おいて問題とされていた混練機や成形金型の腐食やくも
りを防止すると共に、成形品表面のシルバーマークの発
生も抑制することができる上に、製造コストも従来より
低廉とすることができ、工業上有用なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−33446(JP,A) 特開 昭61−225234(JP,A) 特開 昭58−167637(JP,A) 特開 昭56−167743(JP,A) 特開 昭50−87439(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィンと変性ポリオレフィンとの
    混合組成ポリオレフィンまたは変性ポリオレフィン40〜
    70重量部及び植物繊維または粉末60〜30重量部とからな
    る主成分と、該主成分の2.5〜60重量%で、酸化マグネ
    シウム、酸化カルシウム及び酸化亜鉛の1種または2種
    以上である無機物添加剤とからなる組成物であって、該
    混合組成ポリオレフィンまたは変性ポリオレフィン、及
    び、該植物繊維または粉末を予め混練した後、該無機物
    添加剤を添加、混練してなることを特徴とするポリオレ
    フィン−植物繊維系成形用組成物。
  2. 【請求項2】変性ポリオレフィンが(無水)マレイン酸
    変性ポリプロピレン、(無水)イタコン酸変性ポリプロ
    ピレンまたはグリシジルメタクリレート変性ポリプロピ
    レンである請求項(1)記載の組成物。
  3. 【請求項3】該混合組成ポリオレフィンのポリオレフィ
    ンが、ポリプロピレンであり、変性ポリオレフィンが、
    (無水)マレイン酸変性ポリプロピレン、(無水)イタ
    コン酸変性ポリプロピレンまたはグリシジルメタクリレ
    ート変性ポリプロピレンである請求項(1)または
    (2)記載の組成物。
  4. 【請求項4】該混合組成ポリオレフィンにおいて、ポリ
    オレフィン/変性ポリオレフィン比が97/3〜60/40(重
    量比)であることを特徴とする請求項(1)、(2)ま
    たは(3)記載の組成物。
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