JPH0768551A - ポリオレフィン樹脂製成形物スクラップの再生利用方法 - Google Patents

ポリオレフィン樹脂製成形物スクラップの再生利用方法

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JPH0768551A
JPH0768551A JP24747193A JP24747193A JPH0768551A JP H0768551 A JPH0768551 A JP H0768551A JP 24747193 A JP24747193 A JP 24747193A JP 24747193 A JP24747193 A JP 24747193A JP H0768551 A JPH0768551 A JP H0768551A
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scrap
weight
resin
fiber
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Haruo Fukuda
治男 福田
Katsura Hirayama
桂 平山
Kensuke Oono
賢祐 大野
Toshiyuki Osawa
俊行 大沢
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Mitsubishi Chemical Corp
Nippon Steel Corp
Toyota Auto Body Co Ltd
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Mitsubishi Chemical Corp
Nippon Steel Corp
Toyota Auto Body Co Ltd
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  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面上に塗料が塗布された樹脂スクラップを
容易に再生利用を図ることができるポリオレフィン樹脂
製成形物スクラップの再生利用方法を提供する。 【構成】 ポリオレフィン樹脂を主成分とし表面に塗料
を塗布してなる成形物のスクラップと変性ポリオレフィ
ン樹脂とを混練しペレット化又は粉粒体化したペレット
又は粉粒物を、ポリオレフィン樹脂及び不連続の強化繊
維とともに分散法を用いて不織布状の繊維強化可塑性樹
脂成形素材とするポリオレフィン樹脂製成形物スクラッ
プの再生利用方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車部品、弱電部
品、その他の工業部品や家庭用品等において使用されて
いるポリオレフィン樹脂からなるスクラップを繊維強化
熱可塑性樹脂成形素材(スタンパブルシート)として再
生利用する方法に関し、特に、スクラップの表面に塗料
が塗布された塗装成形物スクラップを有効に再生利用す
る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車部品、弱電部品、その
他の工業部品や家庭用品等の分野において多くの各種合
成樹脂が用いられている。特に、自動車部品において
は、デザインの自由度、軽量化等を目的としてバンパー
等の外装材やインストルメントパネル等の内装材に数多
くの合成樹脂製品が使用されてきており、自動車材料の
中において約10重量%程度にまで達している。このよ
うな状況下において、地球環境保護運動、エコロジー運
動等の気運が高まっており、これに伴い近年において従
来では実質的に使い捨てられてきた前記合成樹脂製品を
再生利用しようとするニーズが急激に高まってきてい
る。
【0003】かかるニーズの下、各産業分野において合
成樹脂のリサイクルに関する研究が進められており、特
に、合成樹脂の内でも使用量が多く、比較的リサイクル
が容易な熱可塑性樹脂については多くの研究が行なわれ
ている。例えば、合成樹脂の使用量が多い自動車分野に
おいては、バンパーのリサイクルを中心に各種研究が進
められている。
【0004】ここで、塗料にて塗装したバンパー等の塗
装樹脂製品については、殆どの場合において、塗料が一
般的にウレタン系、又は、ポリエステル/メラミン系等
の熱硬化性樹脂を主成分としていることが多く、かかる
熱硬化性樹脂を含有することに起因してバンパー等をリ
サイクルした場合に得られる樹脂成形素材は、各種物性
等の品質面での劣化が大きいものである。従って、塗装
樹脂製品については、一部が低品位の用途にリサイクル
されてはいるものの、殆どの場合において焼却、埋め立
て等の方法により廃棄されているのが現状である。
【0005】そこで、このような現状を打破すべく、塗
装樹脂製品のリサイクル技術に関する研究として、樹脂
製品の表面に塗布された塗料を化学的方法により除去し
たり、また、機械的方法により除去したり、更に、塗料
を化学的方法と機械的方法とを併用して除去した後に、
樹脂製品をリサイクルする研究が行なわれている。
【0006】また、更に合成樹脂製品のリサイクル技術
に関する研究として、合成樹脂製品を機械的に粉砕した
後、かかる樹脂材料をガラス繊維、ポリエステル繊維等
の強化繊維、及び、バージン樹脂と混合してシート状に
し、更に、かかるシート材を加熱してプレス成形するこ
とにより再生利用する方法に関する研究が行なわれてい
る。かかる再生利用方法は、例えば、特願平3−825
31号の明細書等に記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、樹脂製
品の表面に塗布された塗料を化学的方法等により除去し
た後に樹脂製品をリサイクルする前者の方法では、塗料
の除去に高いコストがかかってしまい、この結果、再生
コストが高騰して実用化の点において困難なものであ
る。
【0008】また、合成樹脂製品を機械的に粉砕した後
に得られる樹脂材料をガラス繊維等の強化繊維とバージ
ン樹脂とを混合してシート状にし、このシート材を加熱
してプレス成形する後者の方法では、塗料が付着された
樹脂スクラップを使用する場合には、バージン樹脂と強
化繊維とから製造した繊維強化熱可塑性樹脂成形素材に
比して、衝撃強度等の機械的物性が著しく低下してしま
い、これより適用可能な部品について自ずと限界が存す
る等の問題がある。
【0009】尚、このような機械的物性の低下を改善す
る方法として強化繊維の混合比率を増加させることが考
えられるが、強化繊維の混合比率を増加させると比重が
上昇して製品重量が大きくなり、また、製品の成形性が
悪化して製品のデザインや対象が限定されてしまうとい
う問題が発生する。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
前記した表面に塗料が塗布された樹脂製品のリサイクル
技術に関して詳細に検討した結果、塗装樹脂製品を塗料
が塗布された状態でリサイクルする方法が最も望ましい
との考えに至り、特に、現在多用されているポリオレフ
ィン系樹脂の塗装成形物をリサイクルする具体的な再生
利用方法について鋭意検討を行なった。
【0011】このような検討を行なう際、前記した従来
の後者の方法を基礎として、かかる方法により得られた
樹脂成形素材が、バージン樹脂と強化繊維とから製造し
た樹脂材料に比べて機械的物性が低下してしまうことに
着目し、このような機械的物性の低下を改善する方法に
つき行なった種々の実験、研究等を通じて検討を重ね
た。
【0012】その結果、ポリオレフィン系樹脂塗装成形
物スクラップを添加することにより繊維強化熱可塑性樹
脂成形素材に物性の低下が発生する原因として、ポリオ
レフィン系樹脂塗装成形物スクラップとこれに対してマ
トリックス状に配置されるバージン樹脂との濡れ性(相
溶性)が低下すること、及び、ポリオレフィン系樹脂塗
装成形物スクラップと強化繊維との濡れ性(相溶性)が
低下することが考えられることに想到し、種々の実験を
行なった結果、ポリオレフィン系樹脂塗装形成物スクラ
ップと強化繊維との濡れ性(相溶性)を改善することが
最も効果的であるとの結論に至った。 かかる考えの
下、先ず、変性ポリオレフィン樹脂をバージンのポリオ
レフィン樹脂と混練しペレット化又は粉粒化したペレッ
ト又は粉粒物を、ポリオレフィン系樹脂塗装成形物スク
ラップのペレット又は粉粒物、及び、強化繊維とを混合
分散して繊維強化熱可塑性樹脂成形素材を製造したとこ
ろ、かかる繊維強化熱可塑性樹脂成形素材は、曲げ強度
等の改善は図り得るものの、衝撃強度が半減する等著し
く品質が悪化した繊維強化熱可塑性樹脂成形素材しか得
られないことが判明した。
【0013】また、変性ポリオレフィン樹脂を単独でポ
リオレフィン系樹脂塗装成形物スクラップのペレット又
は粉粒物、及び、バージンのポリオレフィン樹脂、強化
繊維と混合分散して繊維強化熱可塑性樹脂成形素材を製
造したところ、かかる繊維強化熱可塑性樹脂成形素材も
前記と同様に、曲げ強度等の改善は図り得るものの、衝
撃強度が著しく悪化した繊維強化熱可塑性樹脂成形素材
しか得られないことが判明した。 更に、変性ポリオレ
フィン樹脂をバージンのポリオレフィン樹脂及びポリオ
レフィン系樹脂塗装成形物スクラップと混練しペレット
化又は粉粒体化したものを、強化繊維と混合分散して繊
維強化熱可塑性樹脂成形素材を製造したところ、かかる
繊維強化熱可塑性樹脂成形素材は前記と同様、衝撃強度
が低いことに加えて、使用する樹脂全量を混練する必要
がある等経済的に不利な面があることが判明した。
【0014】そこで、種々実験を重ねた結果、ポリオレ
フィン系樹脂塗装成形物スクラップと強化繊維との濡れ
性(相溶性)を改善する方法として、変性ポリオレフィ
ン樹脂を使用し、且つ、変性ポリオレフィン樹脂をポリ
オレフィン系樹脂塗装成形物スクラップと混練しペレッ
ト化又は粉粒化した後、繊維強化熱可塑性樹脂成形素材
の原料として使用すると、物性における低下の少ない繊
維強化熱可塑性樹脂成形素材が得られることが判明し
た。
【0015】即ち、本発明に係るポリオレフィン樹脂製
成形物スクラップの再生利用方法は、ポリオレフィン樹
脂を主成分とし表面に塗料を塗布してなる成形物のスク
ラップと変性ポリオレフィン樹脂とを混練しペレット化
又は粉粒体化したペレット又は粉粒物を、ポリオレフィ
ン樹脂及び不連続の強化繊維とともに分散法を用いて不
織布状の繊維強化熱可塑性樹脂成形素材とすることに特
徴を有する。
【0016】かかる本発明において、ポリオレフィン樹
脂としては、エチレンの単独重合体、プロピレンの単独
重合体、エチレンとプロピレンの共重合体、及び、エチ
レンやプロピレン等のα−オレフィンを主成分とした他
の共重合性モノマーとの共重合体等が挙げられる。これ
らのポリオレフィン樹脂には、通常用いられる各種の添
加剤、充填材、着色剤、耐衝撃性改良材、発泡剤、架橋
剤等を配合したり、他の熱可塑性樹脂を混合することも
できる。
【0017】また、ポリオレフィン樹脂を主成分とする
塗装成形物のスクラップとしては、前記ポリオレフィン
樹脂の射出成形、押出成形、中空成形、真空・圧空成
形、スタンプ成形等の通常のプラスチック成形法による
成形品表面の少なくとも一部分にウレタン系又はポリエ
ステル/メラミン系等の塗料による塗装を施した自動車
部品、弱電部品、その他の工業部品、及び、家庭用品の
中で、塗装工程以降の製造工程で発生した不良品やライ
フサイクルを終了して或はライフサイクルの途上で廃
棄、回収されたスクラップが対象となり、本発明におい
ては、これらの塗装成形物のスクラップが過半量であれ
ば無塗装成形物との混合物であってもよい。
【0018】更に、ポリオレフィン樹脂を主成分とする
前記塗装成形物のスクラップと混練する変性ポリオレフ
ィン樹脂としては、前記ポリオレフィン樹脂の全部又は
一部を、不飽和カルボン酸、不飽和エポキシ化合物又は
不飽和シラン化合物、或は、それらの誘導体でグラフト
変性したポリオレフィン樹脂等を用いることができる
が、それらの変性ポリオレフィン樹脂の中でも、品質改
良効果及び経済的な入手容易性から不飽和カルボン酸又
はその誘導体でグラフト変性したものが最も好ましい。
【0019】ここで、不飽和カルボン酸としては、アク
リル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸等が挙げられ、また、不飽和カルボン酸の誘導体と
しては、酸無水物、エステル、アミド、イミド、金属塩
等があり、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、
アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリルアミ
ド、マレイン酸ジアミド、マレイミド、N−ブチルマレ
イミド、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸カリウム
等を挙げることができる。これらのグラフトモノマーの
中では、グラフト反応の容易性により無水マレイン酸が
好んで用いられる。
【0020】また、不飽和エポキシ化合物又はその誘導
体としては、オレフィン性二重結合からなる不飽和基及
びエポキシ基を分子内に有し、具体的には、グリシジル
メタクリレート、グリシジルアクリレート、ビニルグリ
シジルエーテル等の脂肪族グリシジルエステル若しくは
脂肪族グリシジルエーテル、2−シクロヘキセンホスホ
グリシジルエーテル、シクロヘキセン−4、5−ジカル
ボン酸グリシジルエステル等の脂環族グリシジルエステ
ル若しくは脂環族グリシジルエーテル等が挙げられる。
これらのグラフトモノマーの中では、グラフト反応の容
易性からグリシジルメタクリレートが好んで用いられ
る。
【0021】更に、不飽和シラン化合物又はその誘導体
としては、一般式RSiR'nY3-n(ここで、Rはエチ
レン性不飽和ハイドロカーボン基又はハイドロカーボン
オキシ基、R' は脂肪族飽和ハイドロカーボン基、Yは
加水分解可能な有機基を表わし、nは0、1又は2を表
わす)で表わされるシラン化合物であり、具体的には、
例えば、Rがビニル基、アリル基、イソプロピル基、ブ
テニル基、シクロヘキセニル基であり、また、R' がメ
チル基、エチル基、プロピル基、デシル基、フェニル基
であり、更に、Yがメトキシ基、エトキシ基、アセトキ
シ基、アルキルないしアリールアミノ基である。これら
のグラフトモノマーの中では、 CH2CHSi(OA)
3 (ここで、Aは炭素数1乃至8のハイドロカーボン
基)で表わされる化合物、具体的には、ビニルトリメト
キシシラン、ビニルトリエトキシシランやビニルトリア
セトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルト
リメトキシシランが好んで用いられる。
【0022】ポリオレフィン樹脂の変性方法としては、
ポリオレフィン樹脂とグラフトモノマーを溶媒の存在下
又は不存在下で、ラジカル重合開始剤を添加して又は添
加しないで加熱する方法等、通常のグラフト変性の方法
が使用できるが、本発明はポリオレフィン樹脂の変性方
法によっては限定されるものではない。
【0023】また、本発明に用いられる変性ポリオレフ
ィン樹脂において、グラフトモノマー単位の含有量は
0.01乃至10重量%の範囲にあることが望ましく、
より好ましくは0.1乃至5重量%である。含有量が
0.01重量%未満では、変性ポリオレフィン樹脂の添
加効果、例えば、曲げ特性の改良効果が全く見られず、
また、含有量が10重量%を越えると、却って曲げ特性
の改良効果が減少する。かかる含有量の調整は、グラフ
トモノマーの量を変える等、グラフト反応の時点で行な
ってもよいし、また、予め若干高い含有量の変性ポリオ
レフィン樹脂を製造しておき、これを未変性のポリオレ
フィン樹脂で希釈するようにしてもよい。
【0024】また、本発明において、不連続の強化繊維
としては、パルプ、木質系等の天然繊維、ガラス繊維、
カーボン繊維、金属繊維等の無機繊維、また、プラスチ
ック繊維、アラミッド繊維等の合成繊維、及び、これら
の混合物を挙げることができる。特に、ガラス繊維が好
んで用いられる。これらの強化繊維の形態としては、本
発明における繊維強化熱可塑性樹脂成形素材の製法が後
述する湿式又は乾式分散法を採ることから、長さ3乃至
50mm、アスペクト比30以上のものが好ましい。
【0025】本発明においては、前記各成分、即ち、ポ
リオレフィン樹脂を主成分とする塗装成形物のスクラッ
プ、変性ポリオレフィン樹脂、ポリオレフィン樹脂、及
び、強化繊維を混合するに当り、予め前二者を混練しペ
レット化又は粉粒化しておくことが必要であり、ペレッ
ト化したものであれば、直径0.5mm乃至5mm、長
さ0.5mm乃至5mmであること、また、粉粒化した
ものでれあば、JISZ8801に規定する4000μ
m標準篩を用いて、機械振動により篩分けした際に篩下
粉粒体に相当する大きさ以下のサイズであることが好ま
しい。
【0026】ポリオレフィン樹脂を主成分とする塗装成
形物のスクラップへの変性ポリオレフィン樹脂の混練割
合は、両者の合計量の0.5重量%乃至50重量%とさ
れる。混練割合がこれより少ない場合には、変性ポリオ
レフィン樹脂の添加効果、例えば曲げ特性の改良効果が
全く見られず、又、混練割合がこれより多い場合には、
再生利用技術としての意味が希薄になることに加えて、
曲げ特性の改良効果が減少するものである。
【0027】また、本発明において、繊維強化熱可塑性
樹脂成形素材を製造する方法としては、ポリオレフィン
樹脂の粉粒体、スクラップと変性ポリオレフィン樹脂の
混練物のペレット又は粉粒体、及び、不連続の強化繊維
を水中にて攪拌、分散させた後、抄造法によりウェブを
抄造し、乾燥して不織布状物とするか、或は、更にその
不織布状物を加熱、加圧、冷却してシート状とする、い
わゆる湿式分散法、又は、前記した各粉粒体等と強化繊
維を空気中で機械的に混合、攪拌、分散させて不織布状
物とするか、或は、更にその不織布状物を加熱、加圧、
冷却してシート状とする、いわゆる乾式分散法が用いら
れる。これらの各分散法の内、各成分の分散が高度且つ
均一で、成形した繊維強化熱可塑性樹脂成形品の強度、
剛性、寸法特性等の諸物性のバランスが優れている点、
スクラップの種類を広範囲にできる点等から、湿式分散
法が好ましい。
【0028】本発明において、ポリオレフィン樹脂及び
スクラップと変性ポリオレフィン樹脂の混練物と、強化
繊維との配合割合は、前者の樹脂が40重量%乃至85
重量%、好ましくは50重量%乃至80重量%であり、
また、後者の強化繊維が60重量%乃至15重量%、好
ましくは50重量%乃至20重量%である。ここに、後
者の強化繊維が15重量%未満であると、スクラップを
含有する繊維強化熱可塑性樹脂の強度、剛性、耐衝撃性
が低く、一方、60重量%を越えると、これらの各諸物
性が低下するとともに、成形素材としての成形性が劣る
こととなる。
【0029】また、ポリオレフィン樹脂と、スクラップ
と変性ポリオレフィン樹脂の混練物との配合割合は、前
者の樹脂が20重量%乃至95重量%、好ましくは40
重量%乃至90重量%であり、また、後者の混練物が8
0重量%乃至5重量%、好ましくは60重量%乃至10
重量%である。ここに、後者の混練物が5重量%未満で
は再生利用技術としての意味が薄く、一方、80重量%
を越えると成形品としての品質における不安定を招来す
る。
【0030】
【作用】前記した本発明に係るポリオレフィン樹脂製成
形物スクラップの再生利用方法により製造された繊維強
化熱可塑性樹脂成形素材は、ポリオレフィン系樹脂塗装
成形物スクラップと強化繊維との濡れ性(相溶性)が格
段に改善され、これによりバージンのポリオレフィン樹
脂のみに同量の強化繊維を同一の方法にて混合分散し製
造した繊維強化熱可塑性樹脂成形素材と比べて、衝撃強
度の低下もなく、また、曲げ強度等も向上する極めて優
れた品質を有する繊維強化熱可塑性樹脂成形素材を製造
することが可能となるものである。
【0031】
【実施例】以下、本発明を具体化したいくつかの実施
例、比較例を挙げて、相互に比較しつつ説明する。 [実施例1]ポリプロピレンホモポリマー(MFR17
0g/10分)の直径2mm、長さ1mmの円柱状ペレ
ット40重量%と、プロピレン−エチレンブロックコポ
リマー(エチレン含量12重量%、MFR13g/10
分)を射出成形した後その外表面にウレタン系又はポリ
エステル/メラミン系の焼付塗料により約35μmの厚
みで塗装した成形物(バンパーフェーシア)を機械粉砕
してなる材料を、変性ポリオレフィン樹脂の粉粒体と混
練し、直径2mm、長さ1mmのペレットにした変性ス
クラップ材料(変性ポリオレフィン樹脂の含有量は4重
量%)30重量%、及び、ガラスチョップドストランド
(日本電気硝子(株)製、直径10μm、長さ13mm
形状のファイバー)30重量%を、予め界面活性剤を加
えて攪拌し十分に泡立てした水中に投入し、前記ポリプ
ロピレンホモポリマー、変性スクラップ材料、及び、ガ
ラスチョップドストランドの均一分散物を製造した。変
性ポリオレフィン樹脂の粉粒体の添加量は、ポリプロピ
レンホモポリマー、変性スクラップ材料、及び、ガラス
チョップドストランドを含めた全体投入量に対して1.
2重量%である。かかる均一分散物を100メッシュ粗
度の箱型フィルターに移し、真空ポンプにより減圧下で
泡を除去し、水分含有量を約30重量%のマット状不織
布を抄造した。
【0032】次いで、これに少量のバインダーを噴霧し
て120℃のオーブン内で2時間乾燥した後、70トン
(t)の縦型油圧プレスにより内寸31cm×34c
m、厚さ3mmのスペーサーを用いて210℃、0.5
kgf/cm2 で7分間加熱・加圧した後、圧力を10
kgf/cm2 に上昇し2分間プレス成形した。その
後、冷却盤に通水し10分間冷却してシートを得た。
【0033】このシートから試験片を切り出し、JIS
K7203−1973による23℃の曲げ強度、曲げ
弾性率、及び、JISK7110−1984による23
℃のアイゾット衝撃値(ノッチ付き)の測定を行なっ
た。かかる測定結果を図1の表に示す。
【0034】[実施例2]実施例2では、前記実施例1
に使用されたプロピレンホモポリマー、変性スクラップ
材料、及び、ガラスチョップドストランドと基本的に同
一の材料を使用するとともに、各材料の成分比を変えて
実施例1と同一の方法によりシートを作成し、曲げ強
度、曲げ弾性率、及び、アイゾット衝撃値(ノッチ付
き)の測定を行なった。その測定結果が図1の表に示さ
れている。
【0035】このとき、実施例2において使用された各
材料の成分比は、プロピレンホモポリマーが30重量
%、変性スクラップ材料(変性ポリオレフィン樹脂の含
有量は3重量%)が40重量%、ガラスチョップドスト
ランドが30重量%である。
【0036】[実施例3]実施例3も前記実施例2と同
様に、前記実施例1に使用されたプロピレンホモポリマ
ー、変性スクラップ材料、及び、ガラスチョップドスト
ランドと基本的に同一の材料を使用するとともに、各材
料の成分比を変えて実施例1と同一の方法によりシート
を作成し、曲げ強度、曲げ弾性率、及び、アイゾット衝
撃値(ノッチ付き)の測定を行なった。その測定結果が
図1の表に示されている。このとき、実施例3において
使用された各材料の成分比は、プロピレンホモポリマー
が20重量%、変性スクラップ材料(変性ポリオレフィ
ン樹脂の含有量は2.4重量%)が50重量%、ガラス
チョップドストランドが30重量%である。
【0037】続いて、前記実施例1、2、3との比較を
行なうため、以下のように8つの比較例を製造した。
【0038】[比較例1]実施例1で用いたポリプロピ
レンホモポリマーの直径2mm、長さ1mmの円柱状ペ
レットを、実施例1で用いた変性ポリオレフィン樹脂の
粉粒体と混練し、直径2mm、長さ1mmのペレットに
した変性ポリプロピレン41.2重量%と、実施例1に
おけると同じプロピレン−エチレンブロックコポリマー
を射出成形した後その外表面にウレタン系又はポリエス
テル/メラミン系の焼付塗料により約35μmの厚みで
塗装した成形物を機械粉砕・溶融し直径2mm、長さ1
mmのペレットにしたスクラップ材料28.8重量%、
及び、ガラスチョップドストランド(日本電気硝子
(株)製、直径10μm、長さ13mm形状のファイバ
ー)30重量%を、予め界面活性剤を加えて攪拌し十分
に泡立てした水中に投入し、前記変性ポリプロピレン、
スクラップ材料、及び、ガラスチョップドストランドの
均一分散物を製造した。変性ポリオレフィン樹脂の粉粒
体の添加量は、変性ポリプロピレン、スクラップ材料、
及び、ガラスチョップドストランドを含めた全体投入量
に対して1.2重量%である。
【0039】この後、前記実施例1と同一の方法により
シートを作成し、曲げ強度、曲げ弾性率、及び、アイゾ
ット衝撃値(ノッチ付き)の測定を行なった。かかる測
定結果が図1の表に示されている。
【0040】[比較例2]実施例1で用いたポリプロピ
レンホモポリマーの直径2mm、長さ1mmの円柱状ペ
レットを、実施例1で用いた変性ポリオレフィン樹脂の
粉粒体と混練し、直径2mm、長さ1mmのペレットに
した変性ポリプロピレン31.2重量%と、実施例1に
おけると同じプロピレン−エチレンブロックコポリマー
を射出成形した後その外表面にウレタン系又はポリエス
テル/メラミン系の焼付塗料により約35μmの厚みで
塗装した成形物を機械粉砕・溶融し直径2mm、長さ1
mmのペレットにしたスクラップ材料38.8重量%、
及び、ガラスチョップドストランド(日本電気硝子
(株)製、直径10μm、長さ13mm形状のファイバ
ー)30重量%を、予め界面活性剤を加えて攪拌し十分
に泡立てした水中に投入し、前記変性ポリプロピレン、
スクラップ材料、及び、ガラスチョップドストランドの
均一分散物を製造した。変性ポリオレフィン樹脂の粉粒
体の添加量は、変性ポリプロピレン、スクラップ材料、
及び、ガラスチョップドストランドを含めた全体投入量
に対して1.2重量%である。
【0041】この後、前記実施例1と同一の方法により
シートを作成し、曲げ強度、曲げ弾性率、及び、アイゾ
ット衝撃値(ノッチ付き)の測定を行なった。かかる測
定結果が図1の表に示されている。
【0042】[比較例3]実施例1で用いたポリプロピ
レンホモポリマーの直径2mm、長さ1mmの円柱状ペ
レットを、実施例1で用いた変性ポリオレフィン樹脂の
粉粒体と混練し、直径2mm、長さ1mmのペレットに
した変性ポリプロピレン21.2重量%と、実施例1に
おけると同じプロピレン−エチレンブロックコポリマー
を射出成形した後その外表面にウレタン系又はポリエス
テル/メラミン系の焼付塗料により約35μmの厚みで
塗装した成形物を機械粉砕・溶融し直径2mm、長さ1
mmのペレットにしたスクラップ材料48.8重量%、
及び、ガラスチョップドストランド(日本電気硝子
(株)製、直径10μm、長さ13mm形状のファイバ
ー)30重量%を、予め界面活性剤を加えて攪拌し十分
に泡立てした水中に投入し、前記変性ポリプロピレン、
スクラップ材料、及び、ガラスチョップドストランドの
均一分散物を製造した。変性ポリオレフィン樹脂の粉粒
体の添加量は、変性ポリプロピレン、スクラップ材料、
及び、ガラスチョップドストランドを含めた全体投入量
に対して1.2重量%である。
【0043】この後、前記実施例1と同一の方法により
シートを作成し、曲げ強度、曲げ弾性率、及び、アイゾ
ット衝撃値(ノッチ付き)の測定を行なった。かかる測
定結果が図1の表に示されている。
【0044】[比較例4]実施例1で用いたポリプロピ
レンホモポリマーの直径2mm、長さ1mmの円柱状ペ
レット41.2重量%と、実施例1におけると同じプロ
ピレン−エチレンブロックコポリマーを射出成形した後
その外表面にウレタン系又はポリエステル/メラミン系
の焼付塗料により約35μmの厚みで塗装した成形物を
機械粉砕・溶融し直径2mm、長さ1mmのペレットに
したスクラップ材料28.8重量%、及び、ガラスチョ
ップドストランド(日本電気硝子(株)製、直径10μ
m、長さ13mm形状のファイバー)30重量%を、予
め界面活性剤を加えて攪拌し十分に泡立てした水中に投
入し、前記ポリプロピレンホモポリマー、スクラップ材
料、及び、ガラスチョップドストランドの均一分散物を
製造した。
【0045】この後、前記実施例1と同一の方法により
シートを作成し、曲げ強度、曲げ弾性率、及び、アイゾ
ット衝撃値(ノッチ付き)の測定を行なった。かかる測
定結果が図1の表に示されている。
【0046】[比較例5]実施例1で用いたポリプロピ
レンホモポリマーの直径2mm、長さ1mmの円柱状ペ
レット31.2重量%と、実施例1におけると同じプロ
ピレン−エチレンブロックコポリマーを射出成形した後
その外表面にウレタン系又はポリエステル/メラミン系
の焼付塗料により約35μmの厚みで塗装した成形物を
機械粉砕・溶融し直径2mm、長さ1mmのペレットに
したスクラップ材料38.8重量%、及び、ガラスチョ
ップドストランド(日本電気硝子(株)製、直径10μ
m、長さ13mm形状のファイバー)30重量%を、予
め界面活性剤を加えて攪拌し十分に泡立てした水中に投
入し、前記ポリプロピレンホモポリマー、スクラップ材
料、及び、ガラスチョップドストランドの均一分散物を
製造した。
【0047】この後、前記実施例1と同一の方法により
シートを作成し、曲げ強度、曲げ弾性率、及び、アイゾ
ット衝撃値(ノッチ付き)の測定を行なった。かかる測
定結果が図1の表に示されている。
【0048】[比較例6]実施例1で用いたポリプロピ
レンホモポリマーの直径2mm、長さ1mmの円柱状ペ
レット21.2重量%と、実施例1におけると同じプロ
ピレン−エチレンブロックコポリマーを射出成形した後
その外表面にウレタン系又はポリエステル/メラミン系
の焼付塗料により約35μmの厚みで塗装した成形物を
機械粉砕・溶融し直径2mm、長さ1mmのペレットに
したスクラップ材料48.8重量%、及び、ガラスチョ
ップドストランド(日本電気硝子(株)製、直径10μ
m、長さ13mm形状のファイバー)30重量%を、予
め界面活性剤を加えて攪拌し十分に泡立てした水中に投
入し、前記ポリプロピレンホモポリマー、スクラップ材
料、及び、ガラスチョップドストランドの均一分散物を
製造した。
【0049】この後、前記実施例1と同一の方法により
シートを作成し、曲げ強度、曲げ弾性率、及び、アイゾ
ット衝撃値(ノッチ付き)の測定を行なった。かかる測
定結果が図1の表に示されている。
【0050】[比較例7]実施例1で用いたポリプロピ
レンホモポリマーの直径2mm、長さ1mmの円柱状ペ
レット30重量%と、実施例1で用いた変性ポリオレフ
ィン樹脂の粉粒体1.2重量%と、実施例1におけると
同じプロピレン−エチレンブロックコポリマーを射出成
形した後その外表面にウレタン系又はポリエステル/メ
ラミン系の焼付塗料により約35μmの厚みで塗装した
成形物を機械粉砕・溶融し直径2mm、長さ1mmのペ
レットにしたスクラップ材料38.8重量%、及び、ガ
ラスチョップドストランド(日本電気硝子(株)製、直
径10μm、長さ13mm形状のファイバー)30重量
%を、予め界面活性剤を加えて攪拌し十分に泡立てした
水中に投入し、前記ポリプロピレンホモポリマー、変性
ポリオレフィン樹脂、スクラップ材料、及び、ガラスチ
ョップドストランドの均一分散物を製造した。
【0051】この後、前記実施例1と同一の方法により
シートを作成し、曲げ強度、曲げ弾性率、及び、アイゾ
ット衝撃値(ノッチ付き)の測定を行なった。かかる測
定結果が図1の表に示されている。
【0052】[比較例8]実施例1で用いたポリプロピ
レンホモポリマーの直径2mm、長さ1mmの円柱状ペ
レット30重量部と、実施例1で用いた変性ポリオレフ
ィン樹脂の粉粒体1.2重量部と、実施例1におけると
同じプロピレン−エチレンブロックコポリマーを射出成
形した後その外表面にウレタン系又はポリエステル/メ
ラミン系の焼付塗料により約35μmの厚みで塗装した
成形物を機械粉砕・溶融し直径2mm、長さ1mmのペ
レットにしたスクラップ材料38.8重量部とを混練し
直径2mm、長さ1mmのペレットにした混練物70重
量%、及び、ガラスチョップドストランド(日本電気硝
子(株)製、直径10μm、長さ13mm形状のファイ
バー)30重量%を、予め界面活性剤を加えて攪拌し十
分に泡立てした水中に投入し、前記混練物及びガラスチ
ョップドストランドの均一分散物を製造した。
【0053】この後、前記実施例1と同一の方法により
シートを作成し、曲げ強度、曲げ弾性率、及び、アイゾ
ット衝撃値(ノッチ付き)の測定を行なった。かかる測
定結果が図1の表に示されている。
【0054】また、前記各実施例1乃至3、比較例1乃
至8との間で、各物性値(曲げ強度、曲げ弾性率、アイ
ゾット衝撃値)を比較する際の基準として、以下の方法
により参考例を作成した。
【0055】[参考例]実施例1で用いたポリプロピレ
ンホモポリマーの直径2mm、長さ1mmの円柱状ペレ
ット70重量%と、ガラスチョップドストランド(日本
電気硝子(株)製、直径10μm、長さ13mm形状の
ファイバー)30重量%を、予め界面活性剤を加えて攪
拌し十分に泡立てした水中に投入し、ポリプロピレンホ
モポリマー及びガラスチョップドストランドの均一分散
物を製造した。
【0056】この後、前記実施例1と同一の方法により
シートを作成し、曲げ強度、曲げ弾性率、及び、アイゾ
ット衝撃値(ノッチ付き)の測定を行なった。かかる測
定結果が図1の表に示されている。
【0057】[各実施例と各比較例相互の比較検討]先
ず、各実施例と各比較例相互の比較を行なう際に、曲げ
強度、曲げ弾性率、及び、アイゾット衝撃値の基準値と
なる参考例について見てみると、曲げ強度は10.0k
gf/mm2 、曲げ弾性率は410kgf/mm2 、更
に、アイゾット衝撃値は69kgf・cm/cmであ
る。この参考例は、バージンのポリプロピレン樹脂とガ
ラス繊維とのみからなるものであり、以下の比較検討に
おいてこれらの各値を基準として各物性値を比較すれ
ば、成形素材としての適否を判断することが可能とな
る。
【0058】次ぎに、各実施例1乃至3について考察す
るに、各実施例1乃至3のいずれにおいても、曲げ強
度、曲げ弾性率、アイゾット衝撃値は、参考例とほぼ同
等の値が得られており、成形材料として十分適したもの
であることが分かる。尚、実施例3において、曲げ強度
は9.2kgf/mm2 、アイゾット衝撃値は65kg
f・cm/cmであり、参考例に比較して若干低い値が
測定されており、これはポリプロピレンホモポリマーの
量が少なく、また、変性スクラップの量が多いことに起
因するものと考えられるが、この程度の値であれば成形
素材として使用するについては何ら問題はないものであ
る。
【0059】続いて、各比較例1乃至8について考察す
るに、比較例1、比較例3、比較例7、及び、比較例8
については、曲げ強度、曲げ弾性率のいずれにおいても
参考例におけると同等の値が得られている。しかし、ア
イゾット衝撃値については、各比較例1、3、7、8の
いずれにおいても、かなり低い値しか得られておらず、
成形素材として使用する場合には問題が存することが分
かる。
【0060】また、比較例2、比較例4、比較例5、比
較例6に関しては、アイゾット衝撃値については問題な
いものも存するが(比較例4、5、6)、曲げ強度、曲
げ弾性率の双方については参考例における値よりも全体
に低い値しか得られていない。従って、これらの各比較
例2、4、5、6により得られたものを成形素材として
使用することについては問題が存するものである。
【0061】以上詳細に説明した通り前記各実施例1乃
至3により得られた成形材料は、バージンのポリプロピ
レン樹脂とガラス繊維とのみからなる参考例と何ら遜色
のない物性を備えた成形素材であることは明確であり、
これにより各実施例1乃至3の方法によれば熱硬化性樹
脂からなる塗料が塗布されたポリオレフィン樹脂製成形
物スクラップを効率的に改質して再生利用を行なうこと
ができる。尚、本発明は前記各実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改
良、変形が可能であることは勿論である。
【0062】
【発明の効果】以上説明した通り本発明は、表面上に塗
料が塗布された樹脂スクラップを容易に再生利用を図る
ことができるポリオレフィン樹脂製成形物スクラップの
再生利用方法を提供することができ、また、かかる方法
により製造された成形素材はバージン樹脂材料で製造さ
れたものと遜色のない品質を付与することができる。ま
た、本発明によれば、現在社会問題にまでなっている樹
脂スクラップの有効な再生利用方法として、地球環境問
題に大きく貢献することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1乃至3、比較例1乃至8、及び、参考
例について測定した曲げ強度、曲げ弾性率、アイゾット
衝撃値を示す表である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23:00 (72)発明者 平山 桂 愛知県刈谷市一里山町金山100番地 トヨ タ車体株式会社内 (72)発明者 大野 賢祐 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社四日市総合研究所内 (72)発明者 大沢 俊行 愛知県東海市東海町5丁目3番地 新日本 製鉄株式会社名古屋製鉄所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン樹脂を主成分とし表面に
    塗料を塗布してなる成形物のスクラップと変性ポリオレ
    フィン樹脂とを混練しペレット化又は粉粒体化したペレ
    ット又は粉粒物を、ポリオレフィン樹脂及び不連続の強
    化繊維とともに分散法を用いて不織布状の繊維強化熱可
    塑性樹脂成形素材とすることを特徴とするポリオレフィ
    ン樹脂製成形物スクラップの再生利用方法。
  2. 【請求項2】 前記変性ポリオレフィン樹脂は、ポリオ
    レフィン樹脂の全部又は一部を不飽和カルボン酸、不飽
    和エポキシ化合物又は不飽和シラン化合物あるいはそれ
    らの誘導体でグラフト変性したポリオレフィン樹脂であ
    ることを特徴とする請求項1記載のポリオレフィン樹脂
    製成形物スクラップの再生利用方法。
  3. 【請求項3】 前記スクラップの表面に塗布された塗料
    は、ウレタン系又はポリエステル/メラミン系塗料であ
    ることを特徴とする請求項1記載のポリオレフィン樹脂
    製成形物スクラップの再生利用方法。
  4. 【請求項4】 前記ペレットは直径0.5mm乃至5m
    m、長さ0.5mm乃至5mmのサイズを有することを
    特徴とする請求項1記載のポリオレフィン樹脂製成形物
    スクラップの再生利用方法。
  5. 【請求項5】 前記粉粒物は約4000μm以下のサイ
    ズを有することを特徴とする請求項1記載のポリオレフ
    ィン樹脂製成形物スクラップの再生利用方法。
JP24747193A 1993-09-07 1993-09-07 ポリオレフィン樹脂製成形物スクラップの再生利用方法 Pending JPH0768551A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

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Effective date: 19990223