JP2004075984A - ポリプロピレン樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】本発明のポリプロピレン(PP)樹脂組成物は、結晶性PP樹脂(A0)の他に、特定の結晶性PP樹脂(A1)に特定のグラフトモノマーをグラフトした変性PP樹脂(A2)を0.1wt%以上含有する結晶性PP樹脂(A)と、ビニル結合含有ニトリル系化合物・芳香族ビニル化合物共重合体(B3)の他に、エポキシ変性アクリロニトリル・スチレン系共重合体(B2)を0.1wt%以上含有するビニル結合含有ニトリル系化合物・芳香族ビニル化合物共重合体樹脂(B)とを特定割合で含有してなり、該樹脂(A2)の固有粘度を[η]MPP(dl/g)、グラフトモノマーのグラフト量をMG(モル/樹脂(A2)100g)とした場合に、下記の2つの関係式を満足する。
(i)式:0.5 ≦[η]MPP ≦ 3.0  (ii)式:(MG)×([η]MPP)≧ 0.0050
【効果】本発明によれば、軽量で高強度かつ耐表面剥離性に優れ、しかも、低コストの成形品を調製できるポリプロピレン樹脂組成物を提供できる。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、グラフト変性ポリプロピレン樹脂およびエポキシ変性アクリロニトリル・スチレン系共重合体を含有するポリプロピレン樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、強度特性に優れる成形品の調製が可能なポリプロピレン樹脂組成物である。
【0002】
【発明の技術的背景】
ポリプロピレン系樹脂を無機フィラーで強化した、いわゆるコンパウンド材料は、成形性、強度に優れるため、自動車部品、家電部品等の工業材部品分野に広く使用されている。
【0003】
しかしながら、無機フィラーは高比重であり、無機フィラー強化ポリプロピレンでは、ポリプロピレン系樹脂よりも比重が大きくなり、成形品の軽量化に限界がある。
【0004】
そこで、ポリプロピレン系樹脂の高強度化かつ軽量化を図る方法として、ポリプロピレン系樹脂に高強度ポリマーをブレンドする方法が検討されている。特にアクリロニトリル・スチレン共重合体は、強度、塗装性、接着性に優れていることから、アクリロニトリル・スチレン共重合体とポリオレフィン系樹脂とのブレンド物は良好な各種特性を発揮することが期待されている。
【0005】
しかしながら、ポリプロピレン系樹脂とアクリロニトリル・スチレン共重合体とは相溶性が良好でないので、そのブレンド物から得られる成形品は、物性の低下、耐表面剥離性の低下が著しいという問題がある。
【0006】
そこで、上記相溶性を改善することを目的として、無水マレイン酸変性ポリプロピレン等とエポキシ変性アクリロニトリル・スチレン系共重合体を相溶化剤として添加してなる組成物が種々提案されている(特開平5−9343号公報、特開平6−279545号公報等)。
【0007】
特開平5−9343号公報に記載の熱可塑性樹脂組成物で用いられている無水マレイン酸変性ポリプロピレンは、比較的低メルトフローレートの結晶性ポリプロピレンを溶融状態で、有機過酸化物の存在下に、無水マレイン酸とグラフト重合させて製造されたものである。一般に、溶融状態のポリプロピレンに、有機過酸化物および無水マレイン酸等のエチレン性不飽和結合含有モノマーを作用させると、該モノマーのグラフトと同時に分子切断による分子量低下が起こる。特開平5−9343号公報に記載のグラフト変性ポリプロピレンでは、ポリプロピレンの分子量が小さいため、所望する無水マレイン酸グラフト量での変性ポリプロピレンの分子量は非常に小さく、樹脂組成物の成形品の強度が低くなる場合が多い。
【0008】
一方、特開平6−279545号公報には、炭化水素系の溶媒中で結晶性ポリプロピレン樹脂を加熱溶解させた後、無水マレイン酸等のエチレン性不飽和結合含有モノマーおよび有機過酸化物を作用させてグラフト変性ポリプロピレンを調製する方法が開示されている。この方法で得られるグラフト変性ポリプロピレンは、無水マレイン酸のグラフト反応が効率的に起こるため、所望するグラフト量での分子量が比較的高く、かつ未グラフト物が少ないので、樹脂組成物の成形品の強度は十分に発現するが、製造プロセスが煩雑で非常にコスト高になるため、工業的に有利な素材とは言えない。
【0009】
そこで、高グラフト量であるとともに高分子量かつ低コストで製造することができるグラフト変性ポリプロピレン樹脂、およびエポキシ変性アクリロニトリル・スチレン共重合体を配合することにより、軽量で高強度かつ耐表面剥離性に優れ、しかも、低コストの成形品を調製することができるポリプロピレン樹脂組成物の出現が望まれている。
【0010】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、高グラフト量であるとともに高分子量かつ低コストで製造することができるグラフト変性ポリプロピレン樹脂、およびエポキシ変性アクリロニトリル・スチレン共重合体を配合することにより、軽量で高強度かつ耐表面剥離性に優れ、しかも、低コストの成形品を調製することができるポリプロピレン樹脂組成物を提供することを目的としている。
【0011】
【発明の概要】
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物は、
結晶性ポリプロピレン樹脂(A0)の他に、結晶性ポリプロピレン樹脂(A1)が(G1)エチレン性不飽和結合含有カルボン酸、その無水物もしくはその誘導体、あるいは(G2)エチレン性不飽和結合含有カルボン酸、その無水物もしくはその誘導体と芳香族ビニル化合物との共重合体、あるいは(G3)水酸基含有ビニル化合物でグラフト変性された変性ポリプロピレン樹脂(A2)を少なくとも0.1重量%含有する結晶性ポリプロピレン樹脂(A)5〜95重量部、
および
ビニル結合含有ニトリル系化合物・芳香族ビニル化合物共重合体(B3)の他に、エポキシ変性アクリロニトリル・スチレン系共重合体(B2)を少なくとも0.1重量%含有するビニル結合含有ニトリル系化合物・芳香族ビニル化合物共重合体樹脂(B)5〜95重量部
[成分(A)と成分(B)との合計量は100重量部である。]
を含有してなり、
該変性ポリプロピレン樹脂(A2)の135℃デカリン中で測定される固有粘度[η]を[η]MPP(dl/g)、エチレン性不飽和結合含有カルボン酸、その無水物あるいは水酸基含有ビニル化合物のグラフト量をMG(モル/変性ポリプロピレン樹脂(A2)100g)とした場合に、下記関係式(i)および(ii)を満足することを特徴としている。
【0012】
0.5 ≦[η]MPP ≦ 3.0       ・・・(i)
(MG)×([η]MPP)≧ 0.0050  ・・・(ii)
前記結晶性ポリプロピレン樹脂(A1)の135℃デカリン中で測定される固有粘度[η]が、4dl/g以上であることが好ましい。
【0013】
前記(G1)エチレン性不飽和結合含有カルボン酸、その無水物もしくはその誘導体の中では、エチレン性不飽和結合含有カルボン酸の無水物が好ましい。
【0014】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物について具体的に説明する。
【0015】
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物は、結晶性ポリプロピレン樹脂(A)と、ビニル結合含有ニトリル系化合物・芳香族ビニル化合物共重合体樹脂(B)とを含有している。
【0016】
結晶性ポリプロピレン樹脂(A)
本発明で用いられる結晶性ポリプロピレン樹脂(A)は、結晶性ポリプロピレン樹脂(A1)をグラフト変性させて得た変性ポリプロピレン樹脂(A2)と、非変性の結晶性ポリプロピレン樹脂(A0)とを含有している。
【0017】
[結晶性ポリプロピレン樹脂(A0)]
結晶性ポリプロピレン樹脂(A0)としては、たとえばプロピレン単独重合体、プロピレンとエチレン、1−ブテン、4−メチル−1− ペンテン等のα− オレフィンの少なくとも1種とのブロックまたはランダム共重合体、あるいはプロピレンとこれらのα− オレフィンの少なくとも1種と下式(I)
【0018】
【化1】
Figure 2004075984
【0019】
[式(I)中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基であり、nは1〜20の整数である。]
で表わされる非共役ジエンとの共重合体、さらには該共重合体の水添物などが挙げられる。
【0020】
、R、RおよびRの炭素原子数1〜6のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基などが挙げられる。
【0021】
結晶性ポリプロピレン樹脂(A0)が上記のような共重合体である場合、その共重合体におけるプロピレンから誘導される構成単位含有量は、通常50モル%以上、100モル%未満であり、好ましくは80モル%以上、100モル%未満、さらに好ましくは90モル%以上、100モル%未満である。
【0022】
結晶性ポリプロピレン樹脂(A0)では、融点(Tm)が150〜170℃、好ましくは155〜167℃の結晶性ポリプロピレン樹脂が望ましい。
【0023】
結晶性ポリプロピレン樹脂(A0)のメルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,230℃、荷重2.16kg)は、通常0.3〜200g/10分、好ましくは0.4〜150g/10分、さらに好ましくは0.5〜100g/10分である。
【0024】
[結晶性ポリプロピレン樹脂(A1)]
本発明で用いられる結晶性ポリプロピレン樹脂(A1)は、135℃デカリン中で測定される固有粘度[η]が2dl/g以上、通常3〜12dl/g、好ましくは4〜12dl/g、さらに好ましくは6〜12dl/gである。
【0025】
このような結晶性ポリプロピレン樹脂(A1)としては、たとえばプロピレン単独重合体、プロピレンとエチレン、1−ブテン、4−メチル−1− ペンテン等のα− オレフィンの少なくとも1種とのブロックまたはランダム共重合体、あるいはプロピレンとこれらのα− オレフィンの少なくとも1種と下式(I)
【0026】
【化2】
Figure 2004075984
【0027】
[式(I)中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基であり、nは1〜20の整数である。]
で表わされる非共役ジエンとの共重合体、さらには該共重合体の水添物などが挙げられる。
【0028】
、R、RおよびRの炭素原子数1〜6のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基などが挙げられる。
【0029】
結晶性ポリプロピレン樹脂(A1)が上記のような共重合体である場合、その共重合体におけるプロピレンから誘導される構成単位含有量は、通常50モル%以上、100モル%未満であり、好ましくは80モル%以上、100モル%未満、さらに好ましくは90モル%以上、100モル%未満である。
【0030】
結晶性ポリプロピレン樹脂(A1)では、融点(Tm)が150〜170℃、好ましくは155〜167℃の結晶性ポリプロピレン樹脂が望ましい。
【0031】
[変性ポリプロピレン樹脂(A2)]
本発明で用いられる変性ポリプロピレン樹脂(A2)は、上記した結晶性ポリプロピレン樹脂(A1)が、下記の(G1)〜(G3)のいずれかのグラフトモノマーでグラフト変性された変性ポリプロピレン樹脂である。
(G1):エチレン性不飽和結合含有カルボン酸、その無水物もしくはその誘導体。
(G2):エチレン性不飽和結合含有カルボン酸、その無水物もしくはその誘導体と芳香族ビニル化合物との共重合体。
(G3):水酸基含有ビニル化合物。
【0032】
グラフトモノマー(G1)のエチレン製不飽和結合含有カルボン酸、その無水物もしくはその誘導体としては、具体的には、
アクリル酸、メタクリル酸等のモノカルボン酸;
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のジカルボン酸;
無水マレイン酸、無水フマル酸、無水イタコン酸、エンド‐ビシクロ[2,2,1]−5−ヘプテン−2,3− ジカルボン酸無水物(無水ハイミック酸)等のジカルボン酸無水物などが挙げられる。中でもエチレン製不飽和結合含有カルボン酸の無水物が好ましい。
【0033】
グラフトモノマー(G2)の共重合体を構成するエチレン製不飽和結合含有カルボン酸、その無水物もしくはその誘導体の具体例は、上記したグラフトモノマー(G1)の具体例と同じである。
【0034】
グラフトモノマー(G2)の共重合体を構成する芳香族ビニル化合物としては、具体的には、スチレン、α− メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、α− メチルビニルトルエン、ジメチルスチレン、クロルスチレン、クロルスチレン、ブロムスチレン、ジブロムスチレン、ビニルナフタレンなどが挙げられる。中でもスチレン、α− メチルスチレンが好ましい。これらは、1種単独で、あるいは二種以上組み合わせて用いることができる。この芳香族ビニル化合物は、共重合体に剛性を付与するのに寄与する。
【0035】
結晶性ポリプロピレン樹脂(A1)をグラフト変性する際に用いられるエチレン性不飽和結合含有カルボン酸、その無水物もしくはその誘導体と芳香族ビニル化合物との共重合体(G2)は、従来公知の方法により製造することができる。
【0036】
グラフトモノマー(G3)の水酸基含有ビニル化合物としては、具体的には、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、p−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、o−ヒドロキシメチルスチレン、m−ヒドロキシメチルスチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、o−ヒドロキシメチル−α−メチルスチレン、m−ヒドロキシメチル−α−メチルスチレン、p−ヒドロキシメチル−α−メチルスチレン、o−(2−ヒドロキシエチル)スチレン、m−(2−ヒドロキシエチル)スチレン、p−(2−ヒドロキシエチル)スチレン、o−(2−ヒドロキシエチル)−α−メチルスチレン、m−(2−ヒドロキシエチル)−α−メチルスチレン、p−(2−ヒドロキシエチル)−α−メチルスチレン、o−(3−ヒドロキシプロピル)スチレン、m−(3−ヒドロキシプロピル)スチレン、p−(3−ヒドロキシプロピル)スチレン、o−(3−ヒドロキシプロピル)−α−メチルスチレン、m−(3−ヒドロキシプロピル)−α−メチルスチレン、p−(3−ヒドロキシプロピル)−α−メチルスチレン、p−(4−ヒドロキシブチル)スチレン、p−(4−ヒドロキシブチル)− α−メチルスチレン、p−ジヒドロキシメチルスチレン、p−ジヒドロキシメチル−α− メチルスチレン、p−(1,2−ジヒドロキシエチル)スチレン、p−(1,2−ジヒドロキシエチル)−α−メチルスチレン、p−(2,3−ジヒドロキシプロピル)スチレン、p−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−α−メチルスチレン、p−(3,4−ジヒドロキシブチル)スチレン、p−(3,4−ジヒドロキシブチル)−α−メチルスチレン、4−ヒドロキシメチル−3− メチルスチレン、4−ヒドロキシメチル−3− メチル−α−メチルスチレン、4−(2−ヒドロキシエチル)−3− メチルスチレン、4−(2−ヒドロキシエチル)−3− メチル−α−メチルスチレン、4−(3−ヒドロキシプロピル)−3− メチルスチレン、4−(3−ヒドロキシプロピル)−3− メチル−α−メチルスチレンなどが挙げられる。中でも、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、p−ヒドロキシメチルスチレン、p−ヒドロキシメチル−α−メチルスチレン、p−(2−ヒドロキシエチル)スチレン、p−(2−ヒドロキシエチル)−α−メチルスチレン、p−(3−ヒドロキシプロピル)スチレン、p−(3−ヒドロキシプロピル)−α−メチルスチレン、p−(4−ヒドロキシブチル)スチレン、p−(4−ヒドロキシブチル)− α−メチルスチレン、p−ジヒドロキシメチルスチレン、p−ジヒドロキシメチル−α− メチルスチレン、p−(1,2−ジヒドロキシエチル)スチレン、p−(1,2−ジヒドロキシエチル)−α−メチルスチレン、p−(2,3−ジヒドロキシプロピル)スチレン、p−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−α−メチルスチレン、p−(3,4−ジヒドロキシブチル)スチレン、p−(3,4−ジヒドロキシブチル)−α−メチルスチレン、4−ヒドロキシメチル−3− メチルスチレン、4−ヒドロキシメチル−3− メチル−α−メチルスチレン、4−(2−ヒドロキシエチル)−3− メチルスチレン、4−(2−ヒドロキシエチル)−3− メチル−α−メチルスチレン、4−(3−ヒドロキシプロピル)−3− メチルスチレン、4−(3−ヒドロキシプロピル)−3− メチル−α−メチルスチレンが好ましい。これらは、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0037】
本発明で用いられる変性ポリプロピレン樹脂(A2)は、上記結晶性ポリプロピレン樹脂(A1)に、上記の(G1)〜(G3)のいずれかのグラフトモノマーをグラフトさせる反応は、溶液法または溶融混練法のいずれでも行なうことができるが、溶融混練法で行なうのが好ましい。
【0038】
溶融混練法の場合、上記グラフトモノマー、結晶性ポリプロピレン樹脂(A1)および必要に応じて触媒を、一軸または二軸押出機、バンバリーミキサーまたはバッチ混練機等に投入し、180〜250℃の温度に加熱して溶融しながら0.1〜20分間混練する。
【0039】
また、溶液法の場合、キシレン等の有機溶剤に上記のグラフトモノマー、結晶性ポリプロピレン樹脂(A1)を溶解し、80〜140℃の温度で0.1〜100時間攪拌しながら行なう。
【0040】
いずれの場合にも、触媒として通常のラジカル重合用触媒を用いることができる。このようなラジカル重合用触媒としては、たとえば過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化ジ−t− ブチル、過酸化アセチル、t−ブチルペルオキシ安息香酸、過酸化ジクミル、ペルオキシ安息香酸、ペルオキシ酢酸、t−ブチルペルオキシピバレート、2,5−ジメチル−2,5− ジ−t− ブチルペルオキシヘキシン、t−ブチルペルオキシベンゾエート等の過酸化物類、あるいはアゾビスイソブチロニトリル等のジアゾ化合物類などが好ましい。
【0041】
触媒の添加量は、上記グラフトモノマー100重量部に対して、0.1〜10重量部程度である。
【0042】
上記グラフトモノマーの結晶性ポリプロピレン樹脂(A1)への添加量は、結晶性ポリプロピレン樹脂(A1)100重量%に対して、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%、さらに好ましくは0.5〜6重量%であることが望ましい。
【0043】
上記のようにして得られた変性ポリプロピレン樹脂(A2)の135℃デカリン中で測定される固有粘度[η]は、通常0.5〜3dl/g、好ましくは0.65〜2dl/gの範囲内にあるのが望ましい。
【0044】
本発明で用いられる変性ポリプロピレン樹脂(A2)は、その135℃デカリン中で測定される固有粘度[η]を[η]MPP(dl/g)、エチレン性不飽和結合含有カルボン酸、その無水物あるいは水酸基含有ビニル化合物のグラフト量をMG(モル/変性ポリプロピレン樹脂(A2)100g)とした場合に、下記関係式(i)および(ii)を満足している。
【0045】
0.5 ≦[η]MPP ≦ 3.0       ・・・(i)
(MG)×([η]MPP)≧ 0.0050  ・・・(ii)
上記関係式(i)および(ii)を満足する変性ポリプロピレン樹脂(A2)を、エポキシ変性アクリロニトリル・スチレン系共重合体(B2)とともに配合すると、軽量で高強度かつ耐表面剥離性に優れた成形品を調製することができるポリプロピレン樹脂組成物を得ることができる。
【0046】
本発明で用いられる結晶性ポリプロピレン樹脂(A)は、変性ポリプロピレン樹脂(A2)と非変性の結晶性ポリプロピレン樹脂(A0)との合計100重量%に対して、少なくとも1重量%、通常1〜60重量%、好ましくは3〜50重量%、さらに好ましくは5〜40重量%の変性ポリプロピレン樹脂(A2)と、99重量%以下、通常40〜99重量%、好ましくは50〜97重量%、さらに好ましくは60〜95重量%の非変性の結晶性ポリプロピレン樹脂(A1)とを含有している。
【0047】
ビニル結合含有ニトリル系化合物・芳香族ビニル化合物共重合体樹脂(B)
本発明で用いられるビニル結合含有ニトリル系化合物・芳香族ビニル化合物共重合体樹脂(B)は、エポキシ変性アクリロニトリル・スチレン系共重合体(B2)と、非変性のビニル結合含有ニトリル系化合物・芳香族ビニル化合物共重合体(B3)とを含有している。
【0048】
[エポキシ変性アクリロニトリル・スチレン系共重合体(B2)]
本発明で用いられるエポキシ変性アクリロニトリル・スチレン系共重合体(B2)とは、アクリロニトリル・スチレン・不飽和エポキシ化合物共重合体である。
【0049】
このエポキシ変性アクリロニトリル・スチレン系共重合体(B2)を調製する際に用いられるアクリロニトリル・スチレン系共重合体(B1)は、アクリロニトリルとスチレンとのランダム共重合体である。
【0050】
アクリロニトリル・スチレン系共重合体(B1)におけるアクリロニトリルの含有量は、アクリロニトリル・スチレン系共重合体(B1)100重量%に対して、通常2〜50重量%、好ましくは20〜30重量%である。
【0051】
また、ポリオレフィン系ゴム、たとえばポリブタジエンゴムを40重量%以下程度グラフト重合したアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体樹脂(ABS樹脂)、エチレン・プロピレン共重合体ゴム(EPゴム)を40重量%以下程度グラフト重合したアクリロニトリル・EPゴム・スチレン共重合体樹脂(AES樹脂)等も、アクリロニトリル・スチレン系共重合体(B1)に包含される。
【0052】
このようなアクリロニトリル・スチレン系共重合体(B1)は、通常、メルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,230℃、荷重2.16kg)が1〜60g/10分、好ましくは3〜20g/10分である。
【0053】
エポキシ変性アクリロニトリル・スチレン系共重合体(B2)は、上記したように、アクリロニトリル・スチレン・不飽和エポキシ化合物共重合体であり、そのアクリロニトリル・スチレン部分については、上記のアクリロニトリル・スチレン系共重合体(B1)と同様のものを使用することができる。
【0054】
また、不飽和エポキシ化合物としては、たとえば下記式(II)
【0055】
【化3】
Figure 2004075984
【0056】
(式(II)中、Ra は、エチレン系不飽和結合を有する炭素原子数2〜18の炭化水素基である)
で表わされる不飽和グリシジルエステル類、下記式(III)
【0057】
【化4】
Figure 2004075984
【0058】
[式(III)中、Rb は、エチレン系不飽和結合を有する炭素原子数2〜18の炭化水素基であり、Xは−CH−O−または−φ−O−(式中のφはフェニレン基を表わす。)である。]で表わされる不飽和グリシジルエーテル類などが挙げられる。
【0059】
このような不飽和グリシジルエステル類、不飽和グリシジルエーテル類としては、たとえばグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート(GMA)、イタコン酸グリシジルエステル類、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、スチレン−p− グリシジルエーテルなどが挙げられる。特にGMAが好ましい。
【0060】
また、これらの不飽和エポキシ化合物の他に、さらに、メチルメタクリレート等の不飽和カルボン酸エステルモノマーを、エポキシ変性アクリロニトリル・スチレン系共重合体(B2)全体100重量%に対して、99.9重量%までの量で含むことができる。
【0061】
上記のエポキシ変性アクリロニトリル・スチレン系共重合体(B2)におけるアクリロニトリル含量は、エポキシ変性アクリロニトリル・スチレン系共重合体(B2)100重量%に対して、通常2〜50重量%、好ましくは20〜30重量%であり、不飽和エポキシ化合物含量は、通常0.1〜70重量%、好ましくは5〜10重量%である。このようなエポキシ変性アクリロニトリル・スチレン系共重合体(B2)は、GPC法により測定される重量平均分子量(Mw)が10,000〜1,000,000、好ましくは50,000〜500,000であることが望ましい。
【0062】
上記のようなエポキシ変性アクリロニトリル・スチレン系共重合体(B2)は、アクリロニトリル・スチレン系共重合体(B1)と不飽和エポキシ化合物とを、バルク重合、エマルジョン重合、懸濁重合、溶液重合等により重合して製造することができる。
【0063】
[非変性のビニル結合含有ニトリル系化合物・芳香族ビニル化合物共重合体(B3)]
本発明で用いられる非変性のビニル結合含有ニトリル系化合物・芳香族ビニル化合物共重合体(B3)を構成するビニル結合含有ニトリル系化合物としては、−CH−CH(CN)−、または−CH−C(CH)(CN)−
で示される構成単位を有するシアン化ビニル化合物が挙げられる。具体的には、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリロニトリルとメタクリロニトリルとの混合物などが挙げられる。これらの化合物は、共重合体(B3)への弾性および耐溶剤性の付与に寄与する。
【0064】
上記共重合体(B3)を構成する芳香族ビニル化合物としては、具体的には、スチレン、α− メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、α− メチルビニルトルエン、ジメチルスチレン、クロルスチレン、クロルスチレン、ブロムスチレン、ジブロムスチレン、ビニルナフタレンなどが挙げられる。中でも、スチレン、α− メチルスチレンが好ましい。これらは、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。この芳香族ビニル化合物は、共重合体(B3)への剛性の付与に寄与する。
【0065】
上記以外の芳香族ビニル化合物としては、たとえば、p−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、o−ヒドロキシメチルスチレン、m−ヒドロキシメチルスチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、o−ヒドロキシメチル−α−メチルスチレン、m−ヒドロキシメチル−α−メチルスチレン、p−ヒドロキシメチル−α−メチルスチレン、o−(2−ヒドロキシエチル)スチレン、m−(2−ヒドロキシエチル)スチレン、p−(2−ヒドロキシエチル)スチレン、o−(2−ヒドロキシエチル)−α−メチルスチレン、m−(2−ヒドロキシエチル)−α−メチルスチレン、p−(2−ヒドロキシエチル)−α−メチルスチレン、o−(3−ヒドロキシプロピル)スチレン、m−(3−ヒドロキシプロピル)スチレン、p−(3−ヒドロキシプロピル)スチレン、o−(3−ヒドロキシプロピル)−α−メチルスチレン、m−(3−ヒドロキシプロピル)−α−メチルスチレン、p−(3−ヒドロキシプロピル)−α−メチルスチレン、p−(4−ヒドロキシブチル)スチレン、p−(4−ヒドロキシブチル)− α−メチルスチレン、p−ジヒドロキシメチルスチレン、p−ジヒドロキシメチル−α− メチルスチレン、p−(1,2−ジヒドロキシエチル)スチレン、p−(1,2−ジヒドロキシエチル)−α−メチルスチレン、p−(2,3−ジヒドロキシプロピル)スチレン、p−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−α−メチルスチレン、p−(3,4−ジヒドロキシブチル)スチレン、p−(3,4−ジヒドロキシブチル)−α−メチルスチレン、4−ヒドロキシメチル−3− メチルスチレン、4−ヒドロキシメチル−3− メチル−α−メチルスチレン、4−(2−ヒドロキシエチル)−3− メチルスチレン、4−(2−ヒドロキシエチル)−3− メチル−α−メチルスチレン、4−(3−ヒドロキシプロピル)−3− メチルスチレン、4−(3−ヒドロキシプロピル)−3− メチル−α−メチルスチレン等の水酸基を含有する芳香族ビニル化合物などが挙げられる。
【0066】
本発明で用いられる非変性のビニル結合含有ニトリル系化合物・芳香族ビニル化合物共重合体(B3)は、従来公知の方法により製造することができる。
【0067】
また、この共重合体(B3)は、たとえば日本エイアンドエル社より、アクリロニトリル・スチレン共重合体がライタック330PCの商品名で市販されている。
【0068】
また、ポリオレフィン系ゴム、たとえばポリブタジエンゴムを40重量%以下程度グラフト重合したアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体樹脂(ABS樹脂)、エチレン・プロピレン共重合体ゴム(EPゴム)を40重量%以下程度グラフト重合したアクリロニトリル・EPゴム・スチレン共重合体樹脂(AES樹脂)等も、共重合体(B3)として用いることができる。
【0069】
本発明で用いられるビニル結合含有ニトリル系化合物・芳香族ビニル化合物共重合体樹脂(B)は、エポキシ変性アクリロニトリル・スチレン系共重合体(B2)および非変性のビニル結合含有ニトリル系化合物・芳香族ビニル化合物共重合体(B3)の合計100重量%に対して、少なくとも1重量%、通常1〜50重量%、好ましくは3〜40重量%、さらに好ましくは5〜30重量%のエポキシ変性アクリロニトリル・スチレン系共重合体(B2)と、99重量%以下、通常50〜99重量%、好ましくは60〜97重量%、さらに好ましくは70〜95重量%の非変性のビニル結合含有ニトリル系化合物・芳香族ビニル化合物共重合体(B3)とを含有している。
【0070】
ポリプロピレン樹脂組成物
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物においては、上記結晶性ポリプロピレン樹脂(A)とビニル結合含有ニトリル系化合物・芳香族ビニル化合物共重合体(B)との合計100重量部に対して、結晶性ポリプロピレン樹脂(A)は、5〜95重量部、好ましくは30〜90重量部、さらに好ましくは50〜80重量部の量で用いられ、ビニル結合含有ニトリル系化合物・芳香族ビニル化合物共重合体共重合体(B)は、5〜95重量部、好ましくは10〜70重量部、さらに好ましくは20〜50重量部の量で用いられる。
【0071】
変性ポリプロピレン樹脂(A2)を少なくとも1重量%含有する結晶性ポリプロピレン樹脂(A)、およびエポキシ変性アクリロニトリル・スチレン系共重合体(B2)を少なくとも1重量%含有するビニル結合含有ニトリル系化合物・芳香族ビニル化合物共重合体共重合体(B)を上記のような量で用いると、軽量で高強度かつ耐表面剥離性に優れ、しかも、低コストの成形品を調製することができるポリプロピレン樹脂組成物を得ることができる。
【0072】
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物は、上記した成分(A)と成分(B)とを溶融混練することによって製造することができる。
【0073】
溶融混練温度は、通常230〜300℃、好ましくは250〜280℃である。溶融混練に使用する装置としては、従来公知の溶融混練装置、たとえば一軸または二軸押出機、バンバリーミキサー、混練ロール、ブラベンダー、ニーダー、ヘンシェルミキサー、バッチ混練機などを挙げることができる。
【0074】
また、本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物には、上記の成分(A)および成分(B)の他に、必要に応じて、たとえば顔料、染料、充填剤、強化剤、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、離型剤、発泡剤、核剤などの添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
【0075】
【発明の効果】
本発明で用いられる変性ポリプロピレン樹脂(A)は、高グラフト量であるとともに高分子量かつ低コストで製造することができる。
【0076】
本発明によれば、軽量で高強度かつ耐表面剥離性に優れ、しかも、低コストの成形品を調製することができるポリプロピレン樹脂組成物を提供することができる。
【0077】
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物は、上記のような効果を有するので、サイドプロテクションモール、ウィンドモール、バンパー、フェンダー等の自動車外装材部品などの用途に好適である。
【0078】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0079】
【合成例1】
〔グリシジルメタクリレート変性アクリロニトリル・スチレン共重合体(B2−1)の合成〕
十分に窒素ガス置換した内容量が500ミリリットルの丸底フラスコ内に、スチレンを65g、アクリロニトリルを30g、グリシジルメタクリレートを5g投入し、2,2’− アゾビス(イソブチロニトリル)が完全に溶解したのを確認した後、60℃に昇温し5時間重合した。
【0080】
重合終了後、室温まで降温した後、クロロホルム200ミリリットルをフラスコ内へ入れ、ポリマーを完全に溶解した後、メタノール2リットル中へ注ぎ、ポリマーを沈殿させ、次いで、濾過、乾燥してポリマー43.7gを回収した。
【0081】
得られたポリマーは、赤外線分光分析およびH−NMRより、ポリマーの構成はスチレン成分から誘導された構成単位が59.9モル%、アクリロニトリル成分から誘導された構成単位が37.3モル%、グリシジルメタクリレート成分から誘導された構成単位が2.8モル%であり、GPC測定よりポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が74,500、重量平均分子量(Mw)が184,000のグリシジルメタクリレート変性アクリロニトリル・スチレン共重合体(B2−1)(アクリロニトリル・スチレン・グリシジルメタクリレート共重合体)であった。
【0082】
【合成例2】
〔無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン樹脂の合成(A2−1)〕
無水マレイン酸0.1kgと、t−ブチルペルオキシベンゾエート0.1kgと、融点が164℃、135℃デカリン中で測定した固有粘度[η]が10dl/gの結晶性プロピレン単独重合体パウダー(A1−1)10kgとをドライブレンドした後、二軸混練機により210℃で溶融混練し、無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン樹脂(A2―1)を得た。
【0083】
得られた変性ポリプロピレン樹脂(A2−1)の物性を第1表に示す。
【0084】
【合成例3】
〔2−ヒドロキシエチルメタクリレートグラフト変性ポリプロピレン樹脂(A2−2)の合成〕
2−ヒドロキシエチルメタクリレート0.3kgおよびt−ブチルペルオキシベンゾエート0.1kgを、ヘンシェルミキサーで攪拌されている結晶性プロピレン単独重合体パウダー(A1−1)[融点=164℃、135℃デカリン中で測定した固有粘度[η]=10dl/g]10kgに滴下した後、二軸混練機により210℃で溶融混練し、2−ヒドロキシエチルメタクリレートグラフト変性ポリプロピレン樹脂(A2―2)を得た。
【0085】
得られた変性ポリプロピレン樹脂(A2−2)の物性を第1表に示す。
【0086】
【合成例4】
〔無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン樹脂の合成(A2−3)〕
合成例2において、結晶性プロピレン単独重合体パウダー(A1−1)の代わりに、結晶性プロピレン単独重合体パウダー(A1−2)[融点=164℃、135℃デカリン中で測定した固有粘度[η]=3.5dl/g]を用いた以外は、合成例2と同様にして、無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン樹脂(A2―3)を得た。
【0087】
得られた変性ポリプロピレン樹脂(A2−3)の物性を第1表に示す。
【0088】
【合成例5】
〔2−ヒドロキシエチルメタクリレートグラフト変性ポリプロピレン樹脂(A2−4)の合成〕
合成例3において、結晶性プロピレン単独重合体パウダー(A1−1)の代わりに、結晶性プロピレン単独重合体パウダー(A1−2)[融点=164℃、135℃デカリン中で測定した固有粘度[η]=3.5dl/g]を用いた以外は、合成例3と同様にして、2−ヒドロキシエチルメタクリレートグラフト変性ポリプロピレン樹脂(A2−4)を得た。
【0089】
得られた変性ポリプロピレン樹脂(A2−4)の物性を第1表に示す。
【0090】
【表1】
Figure 2004075984
【0091】
【実施例1】
結晶性プロピレン単独重合体(A1−3)[MFR(ASTM D 1238,2.16kg荷重)=13g/10分、融点=164℃]50重量部と、
合成例2で得られた無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン樹脂(A2−1)30重量部と、
アクリロニトリル・スチレン共重合体(B3−1)[日本エイアンドエル社製、商品名 ライタック330PC]15重量部と、
合成例1で得られたグリシジルメタクリレート変性アクリロニトリルスチレン共重合体(B2−1)5重量部と
をタンブラー型混合機にて混合した後、二軸押出機にて溶融混練してポリプロピレン樹脂組成物のペレットを調製し、射出成形機[品番 IS100、東芝機械(株)製]にてASTM試験片を成形した。
【0092】
得られた樹脂組成物の成形品の機械物性を第2表に示す。
【0093】
なお、第2表に記載のポリプロピレン樹脂組成物のMFR、成形体の比重、曲げ強度および耐表面剥離性の試験は、下記の方法に従って行なった。
(1)MFR
MFRは、ASTM D 1238(230℃、荷重2.16kg)に従って測定した。
(2)比重
比重は、ASTM D792に従って測定した。
(3)曲げ強度
曲げ強度は、ASTM D790に従って、下記の条件で測定した。
【0094】
<測定条件>
曲げ速度:2.8mm/分
曲げスパン:100mm
試験片の厚み:1/4インチ
(4)耐表面剥離性
射出成形品(ASTM 1号ダンベル)ゲート付近にセロテープ(R)(商品名 CT405A−24、ニチバン(株)製)を接着剥離を行なった後、成形品表面の状態を観察した。
【0095】
【実施例2】
結晶性プロピレン単独重合体(A1−3)50重量部と、
合成例3で得られた2−ヒドロキシエチルメタクリレートグラフト変性ポリプロピレン樹脂(A2−2)30重量部と、
アクリロニトリル・スチレン共重合体[日本エイアンドエル社製、商品名 ライタック330PC](B3−1)15重量部と
合成例1で得られたグリシジルメタクリレート変性アクリロニトリルスチレン共重合体(B2−1)5重量部と
をタンブラー型混合機にて混合した後、二軸押出機にて溶融混練してポリプロピレン樹脂組成物のペレットを調製し、射出成形機IS100にてASTM試験片を成形した。
【0096】
得られた樹脂組成物の成形品の機械物性を第2表に示す。
【0097】
【比較例1】
実施例1において、無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン樹脂(A2―1)の代わりに、合成例4で得られた無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン樹脂(A2―3)を用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン樹脂組成物のペレットを調製し、射出成形機IS100にてASTM試験片を成形した。
【0098】
得られた樹脂組成物の成形品の機械物性を第2表に示す。
【0099】
【実施例3】
実施例2において、2−ヒドロキシエチルメタクリレートグラフト変性ポリプロピレン樹脂(A2−2)の代わりに、合成例5で得られた2−ヒドロキシエチルメタクリレートグラフト変性ポリプロピレン樹脂(A2−4)を用いた以外は、実施例2と同様にして、ポリプロピレン樹脂組成物のペレットを調製し、射出成形機IS100にてASTM試験片を成形した。
【0100】
得られた樹脂組成物の成形品の機械物性を第2表に示す。
【0101】
【比較例2】
結晶性ポリプロピレン単独重合体(A1−2)80重量部と、タルク[商品名ホワイトフィラー5000PJ、松村産業(株)製]20重量部とをタンブラー型混合機にて混合した後、二軸押出機にて溶融混練してペレット状のポリプロピレン樹脂組成物を調製し、射出成形機[品番 IS100、東芝機械(株)製]にてASTM試験片を成形した。
【0102】
得られた成形品の機械物性を第2表に示す。
【0103】
【表2】
Figure 2004075984

Claims (3)

  1. 結晶性ポリプロピレン樹脂(A0)の他に、結晶性ポリプロピレン樹脂(A1)が(G1)エチレン性不飽和結合含有カルボン酸、その無水物もしくはその誘導体、あるいは(G2)エチレン性不飽和結合含有カルボン酸、その無水物もしくはその誘導体と芳香族ビニル化合物との共重合体、あるいは(G3)水酸基含有ビニル化合物でグラフト変性された変性ポリプロピレン樹脂(A2)を少なくとも0.1重量%含有する結晶性ポリプロピレン樹脂(A)5〜95重量部、
    および
    ビニル結合含有ニトリル系化合物・芳香族ビニル化合物共重合体(B3)の他に、エポキシ変性アクリロニトリル・スチレン系共重合体(B2)を少なくとも0.1重量%含有するビニル結合含有ニトリル系化合物・芳香族ビニル化合物共重合体樹脂(B)5〜95重量部
    [成分(A)と成分(B)との合計量は100重量部である。]
    を含有してなり、
    該変性ポリプロピレン樹脂(A2)の135℃デカリン中で測定される固有粘度[η]を[η]MPP(dl/g)、エチレン性不飽和結合含有カルボン酸、その無水物あるいは水酸基含有ビニル化合物のグラフト量をMG(モル/変性ポリプロピレン樹脂(A2)100g)とした場合に、下記関係式(i)および(ii)を満足することを特徴とするポリプロピレン樹脂組成物。
    0.5 ≦[η]MPP ≦ 3.0       ・・・(i)
    (MG)×([η]MPP)≧ 0.0050  ・・・(ii)
  2. 前記結晶性ポリプロピレン樹脂(A1)の135℃デカリン中で測定される固有粘度[η]が、4dl/g以上であること特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
  3. 前記(G1)エチレン性不飽和結合含有カルボン酸、その無水物もしくはその誘導体がエチレン性不飽和結合含有カルボン酸の無水物であることを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
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