JPH0619063A - ハロゲン化銀写真感光材料用固形処理剤 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料用固形処理剤

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JPH0619063A
JPH0619063A JP6420093A JP6420093A JPH0619063A JP H0619063 A JPH0619063 A JP H0619063A JP 6420093 A JP6420093 A JP 6420093A JP 6420093 A JP6420093 A JP 6420093A JP H0619063 A JPH0619063 A JP H0619063A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、溶解性、耐摩損性に優れ、
粉塵飛散性がなく、保存安定性が改良されさらに液保存
性が向上した、定着能を有する固形化された写真用処理
剤を提供することにある。さらに、本発明の別の目的は
プラスチックボトルを含めた包装材料総量の低減により
社会環境適性を向上しようとするものである。 【構成】 少なくとも一種のチオ硫酸塩及び/又はチオ
シアン酸塩を、1錠当たり90wt%以上含有するハロゲン
化銀写真感光材料用固体処理剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀写真感光
材料用固形処理剤(写真処理剤)に関し、詳しくは充分
な強度をもち、かつ溶解性に優れた、定着能を有する、
固形化された写真処理剤に関するものである。
【0002】
【発明の背景】ハロゲン化銀感光材料は、通常、黒白現
像液、定着液、発色現像液、漂白液、漂白定着剤、安定
液等の処理液を使って現像処理が行われ、イメージワイ
ズな画像が得られる。ここで、使用される各処理液は、
使い易さのために一つ又は複数の濃厚液のパートの形で
プラスチックボトルに入れられ、処理剤キットとしてユ
ーザーに供給されている。ユーザーはこれら処理剤キッ
トを水に溶解して、使用液(スタート液ないし補充液)
を作成し使用している。
【0003】近年、写真処理業界においては、ミニラボ
と呼ばれる小型自動現像機を用いた小規模現像所が急増
しており、このようなミニラボ化の進行に伴い処理剤用
プラスチックボトルの使用量も年々急激に増加してきて
いる。
【0004】このプラスチックは、軽くて強い性質の故
に、写真処理剤用ボトル以外にも広く使用されてきてい
る。プラスチックの全世界の生産量は年々増加の一途を
辿り、1988年には年間1億トンを超す量にまで増加して
きている。その一方で、廃棄されるプラスチックも膨大
な量であり、日本を例にとっても、生産量の約40%が年
々廃棄されている。このような廃プラスチックは、海洋
に投棄されると、海洋生物の生息環境の悪化を引き起こ
しているし、又、ヨーロッパ地域では、排ガス処理設備
の不備な焼却炉で燃焼処理するため、酸性雨等の問題も
引き起こしており、大きな問題となってきている。
【0005】このため、早急な対策の実施が迫られてお
り、欧米地域ではプラスチックのリサイクルや使用禁
止、又は分解性プラスチックの使用の義務化など法規制
の動きが活発となってきているのが実状である。
【0006】このような状況の中で、一部とは言え写真
用途の処理剤にプラスチックボトルを多量に使用するこ
とは極めて好ましくない状況である。
【0007】そこで、写真処理剤の濃厚液を粉剤化する
ことが考えられるが、その際には溶解時に微粉が舞い上
がり作業者が吸い込んだりする可能性が高く、健康への
影響が懸念される問題が生じたり、或は舞い上がった処
理剤成分が別の写真処理液に混入してしまい、これによ
って汚染されトラブルが発生するという問題が生じる。
このため、写真処理剤を造粒化し、粒状混合物とする技
術が、例えば特開平2-109042号、同2-109043号、米国特
許2,843,484号等で提案されたが、依然として飛散薬剤
粉塵による労働安全衛生上の問題、他種処理液への不純
物としての混入、或は溶解時に容器底への沈降・凝結す
るケーキング現象、自らの湿潤被膜で粉末を被膜し、溶
解不良を生じる等による調合作業性への支障等の問題を
再来させ、粉末化、顆粒化に適した薬剤の範囲は極めて
制約されているのが実状である。
【0008】このような背景の中で、特開平3-39735
号、同3-39739において、顆粒化された写真漂白剤及び
写真定着剤が示されている。これらは従来の粉末にくら
べ粉塵が少なく、自由に注加でき水中への溶解性も改良
させてはいるがまだ十分ではなく、特に輸送時に摩砕し
て微粉末ができ、さらに秤量、溶解作業中に飛散した
り、処理剤の保存により不溶解物が生成する等さらに改
良が望まれる問題がある。
【0009】これらの問題に対して、特開昭51-61837
号、カナダ特許第831,928号等において処理剤を錠剤に
する方法が提案されている。しかしながらこれらの方法
によっても実用上の強度が充分でなかったり、溶解に時
間がかかるという欠点を有していた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、溶解性、耐摩損性に優れ、粉塵飛散性がなく、保存
安定性が改良され、さらに液保存性が向上した、定着能
を有する固形化された写真用処理剤を提供することにあ
る。
【0011】さらに、本発明の別の目的はプラスチック
ボトルを含めた包装材料総量の低減化により社会環境適
性を向上しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は少なくと
も一種のチオ硫酸塩及び/又はチオシアン酸塩を一錠当
たり90wt%以上含有することを特徴とするハロゲン化銀
写真感光材料用固形処理剤により達成された。
【0013】以下本発明を詳しく説明する。
【0014】本発明のハロゲン化銀写真感光材料用固形
処理剤は、錠剤、顆粒状のものが用いられ、好ましくは
錠剤のものである。錠剤型処理剤の製造方法は、例えば
特開昭51-61837号、同54-155038号、同52-88025号、英
国特許1,213,808号等に記載される一般的な方法で製造
でき、更に顆粒処理剤は、例えば特開平2-109042号、同
2-109043号、同3-39735号及び同3-39739号等に記載され
る一般的な方法で製造できる。更に又、粉末処理剤は、
例えば特開昭54-133332号、英国特許725,892号、同729,
862号及びドイツ特許3,733,861号等に記載されるような
一般的方法で製造できる。
【0015】本発明において錠剤の製造法としては、
各薬剤の粉末を混合して打錠する方法、各粉末を混合
し、造粒して顆粒としたものを打錠する方法、各粉末
を夫々造粒し顆粒としたものを打錠時に混合する方法が
挙げられるがの方法が、錠剤の溶解性、耐摩砕性及び
保存安定性の面から最も好ましい。
【0016】尚、顆粒の粒径は150〜3000μmが好まし
く、特に好ましくは500〜2000μmである。
【0017】本発明の錠剤型処理剤一錠中のチオ硫酸塩
又はチオシアン酸塩又はそれらの混合物の含有率は、錠
剤の強度が向上するので90%以上が好ましく、特に好ま
しくは90〜95wt%である。
【0018】本発明の固形写真処理剤の嵩密度は、その
溶解性の観点と、本発明の目的の効果の点から、0.5〜
6g/cm2のものが好ましく、特に1.0〜5.0g/cm2のものが
好適に用いられる。
【0019】本発明に用いられる漂白剤としては、鉄
(III)、コバルト(III)、銅(II)など多価金属化合
物、とりわけ、これらの多価金属カチオンと有機酸の錯
塩、例えばエチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、
N-ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸のようなアミノポ
リカルボン酸、マロン酸、酒石酸、りんご酸、ジグリコ
ール酸、ジチオグリコール酸などの金属錯塩等が挙げら
れる。
【0020】本発明に係る漂白定着液に好ましく用いら
れる漂白剤は下記一般式[A][B],[C]又は
[D]で示される化合物の第2鉄錯塩であることにより
本発明の目的が有効に達成できる。
【0021】特に[C]は容易に生分解される性状を有
するもので環境保存上も有効な化合物である。
【0022】
【化1】
【0023】式中、A1〜A4はそれぞれ、同一でも異な
ってもよく、−CH2OH,−COOM又は−PO3M1M2を表す。
M,M1,M2はそれぞれ、水素原子、アルカリ金属又は
アンモニウム基を表す。Xは炭素数3〜6の置換されて
いてもよいアルキレン基を表す。
【0024】
【化2】
【0025】式中、A1〜A4は前記一般式[A]で定義
したものと同義であり、nは1〜8の整数を表す。又B
1及びB2は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素
数2〜5の置換されていてもよいアルキレン基を表す。
【0026】次に一般式[A]で示される化合物につい
て詳述する。
【0027】A1〜A4はそれぞれ同一でも異っていても
よく、−CH2OH、−COOM又は−PO3M1M2を表し、M、
1、M2はそれぞれ水素原子、アルカリ金属(例えばナ
トリウム、カリウム)又はアンモニウム基を表す。Xは
炭素数3〜6の置換されていてもよいアルキレン基(例
えばプロピレン、ブチレン、ペンタメチレン等)を表
す。
【0028】置換基としてはヒドロキシル基、炭素数1
〜3のアルキル基が挙げられる。
【0029】以下に、前記一般式[A]で示される化合
物の好ましい具体例を示す。
【0030】 (A−1)1,3-プロパンジアミン四酢酸 (A−2)2-ヒドロキシ-1,3-プロパンジアミン四酢酸 (A−3)2,3-プロパンジアミン四酢酸 (A−4)1,4-ブタンジアミン四酢酸 (A−5)2-メチル-1,3-プロパンジアミン四酢酸 (A−6)N-(2-ヒドロキシエチル)-1,3-プロパンジア
ミン三酢酸 (A−7)1,3-プロパンジアミンテトラキスメチレンホ
スホン酸 (A−8)2-ヒドロキシ-1,3-プロパンジアミンテトラ
キスメチレンホスホン酸 (A−9)2,2-ジメチル-1,3-プロパンジアミン四酢酸 (A−10)2,4-ブタンジアミン四酢酸 (A−11)2,4-ペンタンジアミン四酢酸 (A−12)2-メチル-2,4-ペンタンジアミン四酢酸 これら(A−1)〜(A−12)の化合物の第2鉄錯塩と
しては、これらの第2鉄錯塩のナトリウム塩、カリウム
塩又はアンモニウム塩を任意に用いることができる。
【0031】前記化合物例の中で、本発明において特に
好ましく用いられるものは、(A−1)、(A−3)、
(A−4)、(A−5)、(A−9)であり、とりわけ
特に好ましいのは(A−1)である。
【0032】次に一般式[B]で示される化合物につい
て詳述する。
【0033】A1〜A4は前記と同義であり、nは1〜8
の整数を表す。B1及びB2は同一でも異っていてもよ
く、それぞれ炭素数2〜5の置換されていてもよいアル
キレン基(例えばエチレン、プロピレン、ブチレン、ペ
ンタメチレン等)を表す。置換基としてはヒドロキシル
基、炭素数1〜3の低級アルキル基(メチル基、エチル
基、プロピル基)等が挙げられる。
【0034】以下に、前記一般式[B]で示される化合
物の好ましい具体例を示す。
【0035】
【化3】
【0036】これら(B−1)〜(B−7)の化合物の
第2鉄錯塩は、これらの化合物の第2鉄錯塩のナトリウ
ム塩、カリウム塩又はアンモニウム塩を任意に用いるこ
とができる。
【0037】本発明の有機酸第2鉄錯塩の中でも一般式
[A]又は[B]で示される有機酸の第2鉄錯塩が本発
明の効果を奏する上で最も好ましく用いられ、特に(A
−1)、(A−3)、(A−4)、(A−5)、(A−
9)、(B−1)、(B−2)、(B−7)であり、と
りわけ特に好ましいのは(A−1)又は(B−1)であ
る。
【0038】次に一般式[C]で表される化合物を示
す。
【0039】
【化4】
【0040】式中、R1は水素原子又はヒドロキシル基
を示し、nは1又は2であり、xは2又は3であり、y
は0又は1であり、そしてxとyの和は常に3である。
【0041】一般式[C]によって表される好ましい化
合物は[C−1]、及び[C−2]である。
【0042】
【化5】
【0043】次に一般式[D]で表される化合物を示
す。
【0044】
【化6】
【0045】式中、A1〜A4は前記一般式[A]で定義
したものと同義であり、Xは炭素数2〜6の、置換され
ていてもよいアルキレン基又は−(B1O)n−B2−を表
す。又、B1及びB2は同一であっても異なっていてもよ
く、それぞれ炭素数1〜5の置換されていてもよいアル
キレン基を表す。
【0046】Xで表されるアルキレン基としては、エチ
レン、トリメチレン、テトラメチレン等が挙げられる。
又、B1又はB2で表されるアルキレン基としては、メチ
レン、エチレン、トリメチレン等が挙げられる。X,B
1又はB2が表すアルキレン基の置換基としては、ヒドロ
キシル基、炭素数1〜3のアルキル基(例えばメチル、
エチル等)等が挙げられる。nは1〜8の整数を表し、
好ましくは1〜4である。以下に一般式[D]で示され
る化合物の好ましい具体例を挙げるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0047】
【化7】
【0048】
【化8】
【0049】尚、漂白剤として上記一般式[A]で示さ
れる化合物の鉄錯塩以外に下記化合物の第2鉄錯塩等を
用いることができる。
【0050】 (A′−1)エチレンジアミン四酢酸 (A′−2)トランス-1,2-シクロヘキサンジアミン四
酢酸 (A′−3)ジヒドロキシエチルグリシン酸 (A′−4)エチレンジアミンテトラキスメチレンホス
ホン酸 (A′−5)ニトリロトリスメチレンホスホン酸 (A′−6)ジエチレントリアミンペンタキスメチレン
ホスホン酸 (A′−7)ジエチレントリアミン五酢酸 (A′−8)エチレンジアミンジオルトヒドロキシフェ
ニル酢酸 (A′−9)ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸 (A′−10)エチレンジアミンジプロピオン酸 (A′−11)エチレンジアミン二酢酸 (A′−12)ヒドロキシエチルイミノ二酢酸 (A′−13)ニトリロ三プロピオン酸 (A′−14)トリエチレンテトラミン六酢酸 (A′−15)エチレンジアミン四プロピオン酸 前記有機酸第2鉄錯塩の添加量は、漂白定着液1リット
ル当たり0.1〜2.0モルの範囲で含有することが好まし
く、より好ましくは0.15〜1.5モル/リットルである。
【0051】漂白定着剤及び定着剤には、特開昭64-295
258号に記載のイミダゾール及び誘導体又は同号記載の
一般式[I]〜[IX]で示される化合物及びこれらの例
示化合物の少なくとも一種を含有することにより迅速性
に効果を発揮する。
【0052】上記の促進剤の他、特開昭62-123459号の
第51〜115頁に記載の例示化合物及び特開昭63-17445号
の第22〜25頁に記載の例示化合物、特開昭53-95630号、
同53-28426号記載の化合物等も同様に用いることができ
る。
【0053】漂白定着剤には、上記以外に臭化アンモニ
ウム、臭化カリウム、臭化ナトリウムの如きハロゲン化
物、各種の蛍光増白剤、消泡剤あるいは界面活性剤を含
有せしめることができる。本発明に係る定着剤又は漂白
定着剤に用いられる定着主剤としては、チオシアン酸
塩、チオ硫酸塩が好ましく用いられる。チオシアン酸塩
の含有量は少なくとも0.1モル/リットル以上が好まし
く、カラーネガフィルムを処理する場合、より好ましく
は0.5モル/リットル以上であり、特に好ましくは1.0モ
ル/リットル以上である。又、チオ硫酸塩の含有量は少
なくとも0.2モル/リットル以上が好ましく、カラーネ
ガフィルムを処理する場合、より好ましくは0.5モル/
リットル以上である。
【0054】又、本発明においては、チオシアン酸塩と
チオ硫酸塩を併用することにより更に効果的に本発明の
目的を達成できる。
【0055】本発明に係る定着剤又は漂白定着剤には、
これら定着主剤の他に各種の塩から成るpH緩衝剤を単独
あるいは二種以上含むことができる。更にアルカリハラ
イド又はアンモニウムハライド、例えば臭化カリウム、
臭化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化アンモニウム等
の再ハロゲン化剤を多量に含有させることが望ましい。
又、アルキルアミン類、ポリエチレンオキサイド類等の
通常定着剤又は漂白定着剤に添加することが知られてい
る化合物を適宜添加することができる。
【0056】定着剤又は漂白定着剤には、特願昭64-295
258号第56頁に記載の一般式[FA]で示される化合物
及びこの例示化合物を添加するのが好ましく、本発明の
効果をより発揮するばかりか、少量の感光材料を長期間
に亘って処理する際に定着能を有する処理液中に発生す
るスラッジも極めて少ないという別な効果が得られる。
【0057】同号記載の一般式[FA]で示される化合
物は、米国特許3,335,161号及び同3,260,718号に記載さ
れている如き一般的な方法で合成できる。これら一般式
[FA]で示される化合物は、それぞれ単独で用いても
よく、又、2種以上組み合わせて用いてもよい。又、こ
れら化合物の添加量は、処理液1リットル当たり0.1〜2
00gの範囲で好結果が得られる。
【0058】本発明において、安定液には第2鉄イオン
に対するキレート安定度定数が8以上であるキレート剤
を含有することが好ましい。ここにキレート安定度定数
とは、L.G.Sillen・A.E.Martell 著“Stability Constan
ts of Metal-ion Complexes”,The Chemical Society,L
ondon (1964)、S.Chaberek・A.E.Martell 著“Organic S
equestering Agents”,Wiley(1959)等により一般に知
られた定数を意味する。
【0059】第2鉄イオンに対するキレート安定度定数
が8以上であるキレート剤としては、特願平2-234776
号、同1-324507号等に記載のものが挙げられる。これら
キレート剤の使用量は、安定液1リットル当たり0.01〜
50gが好ましく、より好ましくは0.05〜20gの範囲で良好
な結果が得られる。
【0060】又、安定液に添加する好ましい化合物とし
て、アンモニウム化合物が挙げられる。これらは各種の
無機化合物のアンモニウム塩によって供給される。アン
モニウム化合物の添加量は、安定液1リットル当たり0.
001〜2.0モルの範囲が好ましく、より好ましくは0.002
〜1.0モルである。
【0061】定着液又は漂白定着液には亜硫酸塩及び亜
硫酸放出化合物を用いてもよい。これらの具体的例示化
合物としては、亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、亜
硫酸アンモニウム、亜硫酸水素アンモニウム、亜硫酸水
素カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸カリ
ウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸アンモニ
ウム等が挙げられる。さらに特開平1-295258号、明細書
16頁右上欄記載の一般式[B−1]又は[B−2]で示
される化合物も包含される。これらの亜硫酸塩及び亜硫
酸放出化合物は、定着液又は漂白定着液1リットル当た
り亜硫酸イオンとして少なくとも0.05モル含有している
ことが好ましく、0.08モル/リットル〜0.65モル/リッ
トルの範囲がより好ましく、0.10モル/リットルの範囲
が特に好ましい。とりわけ特に0.12モル/リットル〜0.
40モル/リットルの範囲が好ましい。
【0062】又、漂白定着及び安定液の液保存性より下
記一般式[I]で表される保恒剤を添加することが好ま
しい。
【0063】
【化9】
【0064】式中、R1,R2,R3,R4及びR5は置換
基を表すがヒドロキシル基及びヒドロキシル基を有する
基であることはない。かつ、R1,R2,R3,R4及びR
5のうち少なくとも一つはスルホ基を有する基を表す。
【0065】具体的化合物例は特開平3-157644号の5〜
7頁に1〜37として記載されているがこれらのうち、
1,2及び3の化合物が好ましく用いられる。
【0066】一般式[I]で表される保恒剤を用いた
際、[I]は重亜硫酸塩付加物となり、重亜硫酸イオン
濃度が低下し、酸化反応を受けにくくなって液の保存安
定性を向上させていると考えられる。
【0067】更に又、安定液には前記キレート剤と併用
して金属塩を含有することが好ましい。かかる金属塩と
しては、Ba,Ca,Ce,Co,In,La,Mn,Ni,Bi,Pb,S
n,Zn,Ti,Zr,Mg,Al 又はSr の金属塩があり、ハロ
ゲン化物、水酸化物、硫酸塩、炭酸塩、燐酸塩、酢酸塩
等の無機塩又は水溶性キレート剤として供給できる。使
用量としては、安定液1リットル当たり1×10-4〜1×
10-1モルの範囲が好ましく、より好ましくは4×10-4
2×10-2モルである。
【0068】又、安定液には、有機酸塩(クエン酸、酢
酸、コハク酸、蓚酸、安息香酸等)、pH調整剤(燐酸
塩、硼酸塩、塩酸、硫酸塩等)等を添加することができ
る。
【0069】なお、本発明においては公知の防黴剤を本
発明の効果を損なわない範囲で単用又は併用することが
できる。
【0070】本発明における発色現像液に用いられる発
色現像主薬としては、水溶性基を有するp-フェニレンジ
アミン系化合物が本発明の目的の効果を良好に奏し、か
つ、カブリの発生が少ないため好ましく用いられる。
【0071】水溶性基を有するp-フェニレンジアミン系
化合物は、N,N-ジエチル-p-フェニレンジアミン等の水
溶性基を有しないパラフェニレンジアミン系化合物に比
べ、感光材料の汚染がなく、かつ皮膚についても皮膚が
カブレにくいという長所を有するばかりでなく、特に本
発明の発色現像剤に組み合わせることにより、本発明の
目的をより効果的に達成することができる。
【0072】前記水溶性基は、p-フェニレンジアミン系
化合物のアミノ基又はベンゼン核上に少なくとも一つ有
するものが挙げられ、具体的な水溶性基としては、−(C
H2)nCH2OH、−(CH2)mNHSO2(CH2)nCH3、−(CH2)mO(CH2)n
CH3、−(CH2CH2O)nCmH2m+1(m及びnは各々、0以上の
整数を表す。)、−COOH基、−SO3H 基等が好ましいもの
として挙げられる。
【0073】本発明に好ましく用いられる発色現像主薬
の具体的例示化合物としては、特願平2-203169号26〜31
頁に記載されている(C−1)〜(C−16)が挙げられ
る。
【0074】さらに、特に好ましく用いられる発色現像
主薬としては次に示す化合物Dev-1〜Dev-3が挙げら
れる。
【0075】
【化10】
【0076】上記発色現像主薬は通常、塩酸塩、硫酸
塩、p‐トルエンスルホン酸塩等の塩の形で用いられ
る。
【0077】又、前記発色現像主薬は単独であるいは二
種以上併用して、又、所望により白黒現像主薬、例えば
フェニドン、4-ヒドロキシメチル-4-メチル-1-フェニル
-3-ピラゾリドンやメトール等と併用して用いてもよ
い。
【0078】又、本発明においては、本発明に係る発色
現像液中に下記一般式[II]及び[III]で示される化
合物を含有する際に、本発明の効果をより発揮するばか
りでなく、未露光部に生じるカブリも少ないという効果
も生じるため、好ましい態様の一つである。
【0079】
【化11】
【0080】式中、R11及びR12は各々、アルキル基、
アリール基、R13CO−基又は水素原子を表す。但しR11
及びR12の両方が同時に水素原子であることはない。
又、R11とR12で環を形成してもよい。
【0081】一般式[II]において、R11及びR12で表
されるアルキル基は、同一でも異なってもよく、それぞ
れ炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。更にこれらア
ルキル基はカルボキシル基、燐酸基、スルホ基又はヒド
ロキシル基を有してもよい。
【0082】R13はアルコキシ基、アルキル基又はアリ
ール基を表す。R11,R12及びR13のアルキル基及び
アリール基は置換基を有するものも含み、又、R11
12で形成してもよい環としては、ピペリジン、ピリジ
ン、トリアジンやモルホリンの如き複素環が挙げられ
る。
【0083】
【化12】
【0084】式中、R21,R22,R23は各々、水素原
子、アルキル基、アリール基又は複素環基を表し、R24
はヒドロキシル基、ヒドロキシアミノ基、アルキル基、
アリール基、複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、カルバモイル基又はアミノ基を表す。複素環基とし
ては、5〜6員環であり、C,H,O,N,S及びハロ
ゲン原子から構成され、飽和でも不飽和でもよい。R25
は−CO−,−SO2−又は−C(=NH)−から選ばれる2価の
基を表し、nは0又は1である。特にn=0の時、R24
はアルキル基、アリール基、複素環基から選ばれる基を
表し、R23とR24は共同して複素環を形成してもよい。
【0085】R21,R22,R23,R24で表されるアルキ
ル基、アリール基、複素環基は置換基を有するものも含
む。
【0086】前記一般式[II]で示されるヒドロキシル
アミン系化合物の具体例は、米国特許3,287,125号、 同
3,293,034号及び同3,287,124号等に記載されているが、
特に好ましい具体的例示化合物としては、特願平2-2031
69号36〜38頁記載の(A−1)〜(A−39)及び特開平
3-33845号3〜6頁記載の(1)〜(53)及び特開平3-6
3646号5〜7頁記載の(1)〜(52)が挙げられる。
【0087】次に一般式[III]で示される化合物の具
体例は、特願平2-203169号40〜43頁記載の(B−1)〜
(B−33)及び特開平3-33846号4〜6頁記載の(1)〜
(56)が挙げられる。
【0088】これら一般式[II]又は一般式[III]で
示される化合物は、通常遊離のアミン、塩酸塩、硫酸
塩、p-トルエンスルホン酸塩、蓚酸塩、燐酸塩、酢酸塩
等の形で用いられている。
【0089】又、下記一般式[IV]で示されるヒドロキ
シルアミン系化合物も発色現像液の保恒剤として好まし
く用いられている。
【0090】
【化13】
【0091】式中、Lはアルキレン基(置換基を有して
もよい)を表し、Aはカルボキシル基、スルホ基、ホス
ホノ基、ホスフィノ酸残基、ヒドロキシル基、それぞれ
アルキル置換してもよいアミノ基、アンモニオ基、カル
バモイル基又はスルファモイル基を表し、R26は水素原
子又はアルキル基(置換基を含む)を表す。
【0092】一般式[IV]で表される化合物の具体例と
しては、特開平3-184044号の4頁左下欄〜6頁右下欄記
載の(1)〜(54)が挙げられるが、中でも(1)及び
(7)で示される下記化合物が好ましい。
【0093】 (1)HON(CH2CH2COOH)2 (7)HON(CH2CH2SO3H)2 一般式[IV]で示される化合物は、市販されているヒド
ロキシルアミン類をアルキル化反応することにより得ら
れる。例えば西独特許1,159,634号やインオルガニカ・
キミカ・アクタ(Inorganica Chimica Acta),93(198
4)101〜108頁等に記載の合成法に準じて合成すること
ができる。
【0094】本発明に係る発色現像液には、保恒剤とし
て亜硫酸塩を微量用いることができる。該亜硫酸塩とし
ては、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、重亜硫酸ナ
トリウム、重亜硫酸カリウム等が挙げられる。
【0095】本発明に係る発色現像液には、緩衝剤を用
いることが必要で、緩衝剤としては、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、燐
酸三ナトリウム、燐酸三カリウム、燐酸二ナトリウム、
燐酸二カリウム、硼酸ナトリウム、硼酸カリウム、四硼
酸ナトリウム(硼酸)、四硼酸カリウム、o-ヒドロキシ
安息香酸ナトリウム(サリチル酸ナトリウム)、o-ヒド
ロキシ安息香酸カリウム、 5-スルホ-2-ヒドロキシ安息
香酸ナトリウム(5-スルホサリチル酸ナトリウム)、5-
スルホ-2-ヒドロキシ安息香酸カリウム(5-スルホサリ
チル酸カリウム)等を挙げることができる。
【0096】現像促進剤としては、特公昭37-16088号、
同37-5987号、 同38-7826号、 同44-12380号、 同45-9019
号及び米国特許3,813,247号等に代表されるチオエーテ
ル系化合物、 特開昭52-49829号及び同50-15554号に代表
されるp-フェニレンジアミン系化合物、特公昭44-30074
号、 特開昭50-137726号、同56-156826号及び同52-43429
号等に代表される4級アンモニウム塩類、米国特許2,61
0,122号及び同4,119,462号記載のp−アミノ
フェノール類、米国特許2,494,903号、 同3,128,182号、
同4,230,796号、 同3,253,919号、 特公昭41-11431号、 米
国特許2,482,546号、 同2,596,926号及び同3,582,346号
等に記載のアミン系化合物、 特公昭37-16088号、 同42-2
5201号、 米国特許3,128,183号、 特公昭41-11431号、 同4
2-23883号及び米国特許3,532,501号等に代表されるポリ
アルキレンオキサイド、 その他1-フェニル-3-ピラゾリ
ドン類、ヒドラジン類、メソイオン型化合物、イオン型
化合物、イミダゾール類等を必要に応じて添加すること
ができる。カブリ防止等の目的で塩素イオン及び臭素イ
オンが発色現像液中に用いられてもよい。本発明におい
ては、好ましくは1リットルに溶解する発色現像剤当た
り塩素イオンとして1.0×10-2〜1.5×10-1モル/リット
ル、より好ましくは3.5×10-2〜1.0×10-1モル/リット
ル含有する。塩素イオン濃度が1.5×10-1モル/リット
ルより多いと、現像を遅らせ迅速に高い最大濃度を得る
には好ましくない。又、3.5×10-2モル/リットル未満
では、ステインが生じ、連続処理に伴う写真性変動(特
に最小濃度)が大きくなり好ましくない。
【0097】本発明に係る発色現像液中には臭素イオン
を好ましくは3.0×10-5〜1.0×10-3モル/リットル含有
するようにする。より好ましくは5.0×10-5〜5×10-4
ル/リットルである。特に好ましくは1×10-3〜3×10
-4モル/リットルである。臭素イオン濃度が1×10-3
ル/リットルより多い場合、現像を遅らせ最大濃度及び
感度が低下し、3.0×10-5モル/リットル未満である場
合、ステインを生じ、又、連続処理に伴う写真特性変動
(特に最小濃度)を生じる点で好ましくない。
【0098】発色現像液に直接添加される場合、塩素イ
オン供給物質として、塩化ナトリウム、塩化カリウム、
塩化アンモニウム、塩化ニッケル、塩化マグネシウム、
塩化マンガン、塩化カルシウム、塩化カドミウムが挙げ
られるが、そのうち好ましいものは塩化ナトリウム、塩
化カリウムである。
【0099】又、発色現像液中に添加される蛍光増白剤
の対塩の形態で供給されてもよい。
【0100】臭素イオンの供給物質として、臭化ナトリ
ウム、臭化カリウム、臭化アンモニウム、臭化リチウ
ム、臭化カルシウム、臭化マグネシウム、臭化マンガ
ン、臭化ニッケル、臭化カドミウム、臭化セリウム、臭
化タリウムが挙げられるが、そのうち好ましいものは臭
化カリウム、臭化ナトリウムである。
【0101】本発明に係る発色現像液には、必要に応じ
て塩素イオン、臭素イオンに加えて任意のカブリ防止剤
を添加できる。カブリ防止剤としては、沃化カリウムの
如きアルカリ金属ハロゲン化物及び有機カブリ防止剤が
使用できる。有機カブリ防止剤としては、例えばベンゾ
トリアゾール、6-ニトロベンゾイミダゾール、 5-ニトロ
イソインダゾール、5-メチルベンゾトリアゾール、 5-ニ
トロベンゾトリアゾール、 5-クロロベンゾトリアゾー
ル、2-チアゾリルベンゾインダゾール、 2-チアゾリルメ
チルベンゾイミダゾール、 インダゾール、ヒドロキシア
ザインドリジン、アデニンのような含窒素複素環化合物
を代表例として挙げることができる。
【0102】本発明に係る発色現像液には、トリアジニ
ルスチルベン系蛍光増白剤を含有させることが本発明の
目的の効果の点から好ましい。係る蛍光増白剤としては
下記一般式[E]で示される化合物が好ましい。
【0103】
【化14】
【0104】上式において、X1,X2,Y1及びY2は各
々、ヒドロキシル基、塩素又は臭素等のハロゲン原子、
アルキル基、アリール基、
【0105】
【化15】
【0106】又はOR31を表す。ここでR27及びR28は各
々、水素原子、アルキル基(置換体を含む)又はアリー
ル基(置換体を含む)を、R29及びR30はアルキレン基
(置換体を含む)を、R31は水素原子、アルキル基(置
換体を含む)又はアリール基(置換体を含む)を表し、
Mはカチオンを表す。
【0107】なお一般式[E]で示される化合物の具体
例としては、特願平2-240400号65〜67頁に記載のE−1
〜E−45が挙げられる。
【0108】上記の化合物は公知の方法で合成すること
ができる。例示化合物の中で特に好ましく用いられるの
は、E−4,E−24,E−34,E−35,E−36,E−3
7,E−41である。これらの化合物の添加量は発色現像
液1リットル当たり0.2〜10gの範囲であることが好ま
しく、更に好ましくは0.4〜5gである。
【0109】更に、本発明に用いられる発色現像液に
は、必要に応じてメチルセロソルブ、メタノール、アセ
トン、ジメチルホルムアミド、β-シクロデキストリ
ン、その他の特公昭47-33378号、 同44-9509号に記載の
化合物を、現像主薬の溶解度を上げるための有機溶剤と
して使用することができる。
【0110】更に、現像主薬と共に補助現像剤を使用す
ることもできる。これらの補助現像剤としては、例えば
N-メチル-p-アミノフェノールヘキサルフェート(メト
ール)、フェニドン、N,N-ジエチル-p-アミノフェノー
ル塩酸塩、 N,N,N′,N′-テトラメチル-p-フェニレンジ
アミン塩酸塩等が知られており、その添加量としては通
常0.01〜1.0g/リットルが好ましい。
【0111】更に又、その他ステイン防止剤、スラッジ
防止剤、重層効果促進剤等、各種添加剤を用いることが
できる。
【0112】又、発色現像液には、特願平2-240400号69
頁下から第9行〜75頁に記載の一般式[K]で示される
キレート剤及びその例示化合物K−1〜K−22が添加さ
れることが、本発明の目的を効果的に達成する観点から
好ましい。
【0113】これらキレート剤の中でも、K−2,K−
9,K−12,K−13,K−17,K−19が好ましく用いら
れ、特にK−2及びK−9を発色現像液に添加する際に
本発明の効果をより発揮する。
【0114】これらキレート剤の添加量は、発色現像液
1リットル当たり0.1〜20gの範囲が好ましく、より好ま
しくは0.2〜8gである。
【0115】更に又、発色現像液にはアニオン、カチオ
ン、両性、ノニオンの各界面活性剤を含有させることが
できる。又、必要に応じてアルキルスルホン酸、アリー
ルスルホン酸、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸等
の各種界面活性剤を添加してもよい。
【0116】次に本発明の処理剤が適用される感光材料
について説明する。
【0117】感光材料が撮影用感光材料の場合、ハロゲ
ン化銀粒子としては、平均沃化銀含有率が3モル%以上
の沃臭化銀又は沃塩化銀が用いられるが、特に4〜15モ
ル%までの沃化銀を含む沃臭化銀が好ましい。中でも、
本発明に好ましい平均沃化銀含有率は5〜12モル%、最
も好ましくは8〜11モル%である。
【0118】本発明の写真処理剤で処理される感光材料
に用いられるハロゲン化銀乳剤は、リサーチ・ディスク
ロージャーNo.308119(以下、RD308119と略す)に記載
されているものを用いることができる。以下に記載箇所
を示す。
【0119】 〔項目〕 〔RD308119の頁〕 ヨード組成 993 I−A項 製造方法 993 I−A項及び994 E項 晶癖 正常晶 993 I−A項 双晶 〃 エピタキシャル 〃 ハロゲン組成 一様 993 I−B項 一様でない 〃 ハロゲンコンバージョン 994 I−C項 〃 置換 〃 金属含有 994 I−D項 単分散 995 I−F項 溶媒添加 〃 潜像形成位置 表面 995 I−G項 内部 〃 適用感材 ネガ 995 I−H項 ポジ(内部カブリ粒子含) 〃 乳剤を混合して用いる 995 I−J項 脱塩 995 II−A項 ハロゲン化銀乳剤は、物理熟成、化学熟成及び分光増感
を行ったものを使用する。このような工程で使用される
添加剤は、リサーチ・ディスクロージャーNo.17643、N
o.18716及びNo.308119(それぞれ、以下RD17643、RD187
16及びRD308119と略す)に記載されている。以下に記載
箇所を示す。
【0120】 〔項目〕 〔RD308119の頁〕 〔RD17643〕 〔RD18716〕 化学増感剤 996 III−A項 23 648 分光増感剤 996 IV-A-A,B,C,D,E,H,I,J項 23〜24 648〜9 強色増感剤 996 IV-A-E,J項 23〜24 648〜9 カブリ防止剤 998 VI 24〜25 649 安定剤 998 VI 24〜25 649 写真用添加剤も上記リサーチ・ディスクロージャーに記
載されている。以下に関連ある記載箇所を示す。
【0121】 〔項目〕 〔RD308119の頁〕 〔RD17643〕 〔RD18716〕 色濁り防止剤 1002 VII-I項 25 650 色素画像安定剤 1001 VII-J項 25 増白剤 998 V 24 紫外線吸収剤 1003 VIII C, XIII C項 25〜26 光吸収剤 1003 VIII 25〜26 光散乱剤 1003 VIII フィルタ染料 1003 VIII 25〜26 バインダー 1003 IX 26 651 スタチック防止剤 1006 XIII 27 650 硬膜剤 1004 X 26 651 可塑剤 1006 XII 27 650 潤滑剤 1006 XII 27 650 活性剤・塗布助剤 1005 XI 26〜27 650 マット剤 1007 X VI 現像剤(感光材料中に含有)1011 XX−B項 本発明の写真処理剤で処理される感光材料には種々のカ
プラーを使用することができ、その具体例は上記リサー
チ・ディスクロージャーに記載されている。以下に関連
ある記載箇所を示す。
【0122】 〔項目〕 〔RD308119の頁〕 〔RD17643〕 イエローカプラー 1001 VII-D項 VII C〜G項 マゼンタカプラー 1001 VII-D項 VII C〜G項 シアンカプラー 1001 VII-D項 VII C〜G項 DIRカプラー 1001 VII-F項 VII F項 BARカプラー 1002 VII-F項 その他の有用残基放出カプラー 1001 VII-F項 アルカリ可溶カプラー 1001 VII-E項 添加剤は、RD308119 XIVに記載されている分散法などに
より添加することができる。
【0123】本発明においては、前述RD17643第28頁、R
D18716第647〜648頁及びRD308119のXIXに記載されてい
る支持体を使用することができる。
【0124】感光材料には、前述RD308119 VII-K項に記
載されているフィルター層や中間層等の補助層を設ける
ことができる。又、感光材料は、前述RD308119 VII-K項
に記載されている順層、逆層、ユニット構成等の様々な
層構成を採ることができる。
【0125】次に本発明の写真処理剤が適用されるのに
好ましいカラー感光材料について説明する。
【0126】感光材料中のハロゲン化銀粒子としては、
塩化銀を少なくとも80モル%以上含有する塩化銀主体の
ハロゲン化銀粒子が用いられ、好ましくは90モル%以
上、特に好ましくは95モル%以上、最も好ましくは99モ
ル%以上含有するものが用いられる。
【0127】上記塩化銀主体のハロゲン化銀乳剤は、塩
化銀の他にハロゲン化銀組成として臭化銀及び/又は沃
化銀を含むことができ、この場合、臭化銀は20モル%以
下が好ましく、より好ましくは10モル%以下、更に好ま
しくは3モル%以下であり、又、沃化銀が存在するとき
は1モル%以下が好ましく、より好ましくは0.5モル%
以下、最も好ましくはゼロである。このような塩化銀50
モル%以上からなる塩化銀主体のハロゲン化銀粒子は、
少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層に適用されればよ
いが、好ましくは全ての感光性ハロゲン化銀乳剤層に適
用されることである。
【0128】前記ハロゲン化銀粒子の結晶は、正常晶で
も双晶でもその他でもよく、[100]面と[111]面の比
率は任意のものが使用できる。更に、これらのハロゲン
化銀粒子の結晶構造は、内部から外部まで均一なもので
あっても、内部と外部が異質の層(相)状構造(コア・
シェル型)をしたものであってもよい。又、これらのハ
ロゲン化銀は、潜像を主として表面に形成する型のもの
でも、粒子内部に形成する型のものでもよい。更に平板
状ハロゲン化銀粒子(特開昭58-113934号、特願昭59-17
0070参照)を用いることもできる。又、特開昭64-26837
号、 同64-26838号、 同64-77047号等に記載のハロゲン化
銀を使用できる。
【0129】前記ハロゲン化銀粒子は、酸性法、中性法
又はアンモニア法等のいずれの調製法により得られたも
のでもよい。又、例えば種粒子を酸性法で作り、更に、
成長速度の速いアンモニア法により成長させ、所定の大
きさまで成長させる方法でもよい。ハロゲン化銀粒子を
成長させる場合に、反応釜内のpH,pAg等をコントロー
ルし、例えば特開昭54‐48521号に記載されているよう
なハロゲン化銀粒子の成長速度に見合った量の銀イオン
とハライドイオンを逐次同時に注入混合することが好ま
しい。
【0130】本発明の写真処理剤によって処理される感
光材料がカラー用の場合、ハロゲン化銀乳剤層はカラー
カプラーを含有する。
【0131】赤感光性層は、例えばシアン部分カラー画
像を生成する非拡散性シアンカプラー、一般にフェノー
ル又はα-ナフトール系カプラーを含有することができ
る。
【0132】緑感光性層は、例えばマゼンタ部分カラー
画像を生成する少なくとも一つの非拡散性マゼンタカプ
ラー、通常5-ピラゾロン系及びピラゾロトリアゾール系
カプラーを含むことができる。青感光性層は、例えば黄
部分カラー画像を生成する少なくとも一つの非拡散性イ
エローカプラー、一般に開鎖ケトメチレン基を有するカ
プラーを含むことができる。これらカプラーは、例えば
6、4又は2当量カプラーであることができる。
【0133】本発明の写真処理剤が適用されるカラー感
光材料においては、とりわけ2当量カプラーが好まし
い。
【0134】適当なカプラーは例えば次の刊行物に開示
されている:アグファの研究報告書(Mitteilunglnausd
en Forschungslaboratorien der Agfa),レーフェルク
ーゼン/ミュンヘン(Leverkusen/Munchen)Vol.III,
111頁(1961)中ダブリュー・ペルツ(W.Pelz)による
「カラーカプラー」(Farbkuppler);ケイ・ベンカタ
ラマン(K.Venkataraman),「ザ・ケミストリー・オブ
・シンセティック・ダイズ」(The Chemistry of Synth
etic Dyes)Vol.4,341〜387頁,アカデミック・プレ
ス(Academic Press)、「ザ・セオリ・オブ・ザ・フォ
トグラフィック・プロセス」(The Theory of the Phot
ographic Process)4版,353〜362頁;及びRD17643のV
II。
【0135】本発明の写真処理剤が適用されるカラー感
光材料においては、とりわけ特開昭63-106655号26頁に
記載されるが如き一般式[M−1]で示されるマゼンタ
カプラー(具体的例示マゼンタカプラーとしては、同号
29〜34頁記載のNo.1〜No.77が挙げられる)、同じく34
頁に記載されている一般式[C−I]又は[C−II]で
示されるシアンカプラー(具体的例示シアンカプラーと
しては、同号37〜42頁に記載の(C′−1)〜(C′−
82)、(C″−1)〜(C″−36)が挙げられる)、同
じく20頁に記載されている高速イエローカプラー(具体
的イエローカプラーとしては、同号21〜26頁に記載の
(Y′−1)〜(Y′39)が挙げられる)を用いること
が本発明の効果の点から好ましい。
【0136】
【実施例】以下、本発明の実施例を挙げて本発明を更に
詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定される
ものではない。
【0137】実施例1 以下の操作により、定着処理用錠剤を作成した。
【0138】操作(1) チオ硫酸塩(ナトリウム又はカリウム)(表1に記
載)、亜硫酸ナトリウム10g、エチレンジアミン四酢酸
ナトリウム1.0gを空気ジェット微粉砕機中で平均粒径15
μmになるまで摩砕する。この微粉末を市販の流動層噴
霧造粒機中で室温にて約10分間、15mlの水を噴霧するこ
とにより造粒した後、造粒物を空気温度65℃で6分間乾
燥する。次に粒状物を70℃にて15分間乾燥した。
【0139】操作(2) 上記操作(1)で造粒した造粒物を菊水製作所社製タフ
プレスコレクト1527Huを改造した打錠機により、圧縮
圧力800kg/cm2で上記混合物10.0gを充填し、成形した。
【0140】この操作を繰り返して前記混合物より各々
10ケの定着用錠剤試料No.1〜6を作成した。
【0141】実験 上記操作によって得られた錠剤試料1ケをビーカーにい
れた水(25℃、50ml)中に投入し、マグネチックスター
ラで撹拌しながら、溶解させた。この時、投入直後から
液が透明になるまでの時間を溶解時間とした。次に同試
料を1.5mの高さから落下させ、落下直後の試料の状態を
観察した。
【0142】これらの結果を表1に示す。
【0143】
【表1】
【0144】落下試験評価基準は以下の通りとする。こ
の基準は実施例7〜9にも適用される。
【0145】 × 3つ以上の部分に崩壊 △ 2つの部分に崩壊 ○ 一部の欠落が見られる ◎ 欠落なし 上記表1により、チオ硫酸塩の含有率が90%以上である
本発明の錠剤は溶解性を損なうことなく充分な強度を有
していることがわかる。
【0146】実施例2 実施例1の操作(1)において使用したチオ硫酸塩の代
わりにチオシアン酸塩(表2記載)を使用した他は実施
例1と同様の操作実験を行った。結果を表2に示す。
【0147】
【表2】
【0148】上記表2より、本発明の錠剤は溶解性を損
なうことなく充分な強度を有していることがわかる。
【0149】実施例3 実施例1の操作(1)において使用したチオ硫酸塩の代
わりにチオ硫酸塩及びチオシアン酸塩の混合物(表3に
記載)を使用した他は実施例1と同様の操作実験を行っ
た。結果を表3に示す。
【0150】
【表3】
【0151】上記表3により、チオ硫酸塩とチオシアン
酸塩の混合物の含有率が90%未満であると錠剤の強度が
不足するが、これに対し、本発明の錠剤は溶解性を損な
うことなく充分な強度を有していることがわかる。
【0152】実施例4 実施例1の操作(2)において、打錠機の圧縮圧力を1,
500kg/cm2に変更した他は実施例1と同様の操作、実験
を行った。
【0153】その結果、実施例1と同様の結果を得た。
【0154】尚、上記各実施例で得られた定着処理用錠
剤は、粉末状〜顆粒状処理剤と同一の写真性能を示し
た。
【0155】
【発明の効果】本発明により溶解性、耐摩損性に優れ、
保存安定性が改良されさらに液保存性が向上した、定着
能を有する固形化された写真用処理剤が得られた。
【0156】さらに、プラスチックボトルを含めた包装
材料総量を低減化し、社会環境適性を向上することがで
きる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一種のチオ硫酸塩及び/又は
    チオシアン酸塩を一錠当たり90wt%以上含有することを
    特徴とするハロゲン化銀写真感光材料用固形処理剤。
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