JPH06183727A - CaX型ゼオライト成形体およびその製造方法 - Google Patents

CaX型ゼオライト成形体およびその製造方法

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JPH06183727A
JPH06183727A JP34240092A JP34240092A JPH06183727A JP H06183727 A JPH06183727 A JP H06183727A JP 34240092 A JP34240092 A JP 34240092A JP 34240092 A JP34240092 A JP 34240092A JP H06183727 A JPH06183727 A JP H06183727A
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JP
Japan
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type zeolite
cax
zeolite
nax
ion exchange
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JP34240092A
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Hiroshi Sakuma
博 佐久間
Wataru Inaoka
亘 稲岡
Atsushi Harada
敦 原田
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Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
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  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】Caイオン交換率が50%以上90%未満であ
り、かつ、結晶含有率が90%以上であるバインダーレ
スCaX型ゼオライト成形体。結晶含有率90%以上の
バインダーレスNaX型ゼオライト成形体を、その中の
NaX型ゼオライト100グラムに対し0.2〜10.
0モルのCaイオンでイオン交換処理することによって
製造することができる。 【効果】本発明のCaX型ゼオライト成形体は、従来の
技術で製造したものよりも著しく吸着特性に優れ、かつ
成形体の割れや崩壊が防止されるなど機械的特性に優れ
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、CaX型ゼオライト成
形体およびその製造方法に関するものである。CaX型
ゼオライトは優れた窒素吸着性能を有し、酸素と窒素と
の混合ガスから酸素と窒素を分離する酸素分離精製用の
ゼオライト吸着剤として広く使用されている。
【0002】
【従来の技術】従来のCaX型ゼオライトは、Caイオ
ン交換率が90%以上である細孔径が約10オングスト
ロームの分子ふるいであり、Caイオン交換率が高いほ
ど吸着容量が高く、吸着特性が優れているとされてい
る。一方、特開平2−4445号公報にはバインダーと
してSiO2を用いることによってCaイオン交換率4
0%以上で優れた酸素分離精製用吸着剤となるとしてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】CaX型ゼオライトは
製造時に細孔内の水を除去するために300℃以上に熱
処理する必要があるが、このように90%以上Caイオ
ン交換されたCaX型ゼオライトは高い温度および高い
水分雰囲気による吸着特性の劣化が激しく、かつこの吸
着特性の劣化は従来のCaX型ゼオライトでは事実上抑
えることができない。
【0004】また、従来のCaX型ゼオライト成形体は
バインダーとゼオライトを混練成形したものであり、ゼ
オライト100重量部に対し、バインダーを10重量部
以上含む。そのため、CaX型ゼオライト成形体はCa
X型ゼオライト結晶自体の吸着性能と比べ吸着容量が劣
る。また、成形体中に含まれるバインダーはゼオライト
細孔をふさぎ、性能の低下を引き起こすことすらある。
【0005】本発明は、このような問題を解決した、す
なわち、従来のCaX型ゼオライト成形体よりも耐熱性
が高く、かつ、吸着性能の優れたCaX型ゼオライト成
形体およびその製造法の提供を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、Caイオン
交換率が50%以上90%未満であり、かつ、結晶含有
率が90%以上であるバインダーレスCaX型ゼオライ
ト成形体、および結晶含有率90%以上のバインダー
レスNaX型ゼオライト成形体を、その中のNaX型ゼ
オライト100グラムに対し0.2〜10.0モルのC
aイオンでイオン交換処理することによるバインダーレ
スCaX型ゼオライト成形体の製造方法、を要旨とする
ものである。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】本発明のCaX型ゼオライト成形体のCa
イオン交換率は50%以上90%未満の範囲である。C
aイオン交換率が50%未満であるとガス吸着容量が低
すぎ;90%以上でもガス吸着容量が低く;50%以上
90%未満であれば、高いガス吸着容量を有する。とく
に、Caイオン交換率は60%以上85%未満の範囲で
あることが好ましい。
【0009】本発明のゼオライト成形体は、バインダー
レス化されたゼオライト結晶含有率90%以上のCaX
型ゼオライト成形体である。添加するバインダー量を少
なくすることで成形体中のゼオライト含有率を90%以
上にすることはもちろん可能であるが、一般的には、バ
インダー量を低下させると成形性が悪くなり、成形体強
度が低下するなど工業的な観点からは好ましくない。一
方、添加したバインダーをゼオライト結晶化する、いわ
ゆるバインダレス化は成形体強度を低下させることなく
結晶含有率を増加させることができるため好ましい方法
である。
【0010】本発明のCaX型ゼオライト成形体のガス
吸着容量は、たとえば、温度−10℃、圧力700to
rrにおいて窒素ガスを用いた場合、30〜40Ncc
/gである。
【0011】次に、該CaX型ゼオライト成形体の製造
方法を説明する。
【0012】結晶含有率90%以上のバインダーレスN
aX型ゼオライト成形体をCaイオン交換処理すること
により該CaX型ゼオライト成形体を製造する。
【0013】バインダーレスNaX型ゼオライト成形体
は、特開平4−198011号公報に提案された方法に
よって製造することができる。すなわち、合成NaX型
ゼオライト粉末に対しバインダーとしてカオリン系粘土
20〜30重量%と該カオリン系粘土をNaX型ゼオラ
イトに転化させるための固体反応性シリカ10〜15重
量%加えて混練し、成形し、得られた成形体を焼成した
後、濃度1.0〜3.0mol/lの水酸化ナトリウム
水溶液中でバインダーをNaX型ゼオライトに転化させ
る。成形体の形状としては柱状、球状等の種類があるが
特に制限はない。また、SiとAlの組成比がNaX型
ゼオライトのSiとAlの組成比1.2に近いバインダ
ーであればカオリン系粘土を用いなくともよく、バイン
ダー中のSiとAlの組成比が1.2からずれている場
合、バインダレス化による不純物の生成を防ぐために不
足のSi成分あるいはAl成分をあらかじめバインダー
中に加えて混練し、成形するのが好ましい。混練された
Si成分あるいはAl成分はバインダレス化処理の段階
でバインダー成分と反応してNaX型ゼオライトに転化
し効率的にバインダレス化が促進され、バインダーのS
iとAlの組成の片寄りに起因する不純物の生成が防が
れ結晶含有率を更に高めることができる。Si成分ある
いはAl成分の添加は組成の不足分を補う程度に止める
のが好ましく、過剰の添加は逆に不純物を生成し、バイ
ンダレス化を妨げることになる。例えば、Si成分とし
ては水酸化珪素や固体反応性シリカ等を、Al成分とし
ては水酸化アルミニウムや酸化アルミニウム等をあげる
ことができる。
【0014】このような処理によってバインダーはほぼ
100%ゼオライトに転化し、ほぼ100%ゼオライト
純分のバインダレスNaX型ゼオライトがえられる。
【0015】本発明のCaX型ゼオライト成形体は、以
上のようにしてえられたバインダーレスNaX型ゼオラ
イト成形体をCaCl2,Ca(OH)2,Ca(N
32などCaイオンを含む溶液と接触させることによ
ってえられる。このCaイオン交換時の溶液のpHは7
以上が好ましい。pH7未満すなわち酸性雰囲気ではゼ
オライト結晶が不安定となり結晶構造に欠陥が生じたり
結晶構造自体が崩壊したりして吸着容量が著しく低下す
るからである。
【0016】ここで、イオン交換されるNaX型ゼオラ
イト成形体中のNaX型ゼオライト純分100グラムに
対し、0.2〜10.0モルのCaイオンを含む溶液中
で3時間以上イオン交換すれば、該CaX型ゼオライト
成形体が得られる。ただし、このバインダレス法で製造
されたNaX型ゼオライト成形体はほぼ100%のゼオ
ライト純分であるからNaX型ゼオライト100グラム
に対し0.2〜10.0モルのCaイオンを含む溶液を
しようすればよい。この時間が短すぎたり、使用するC
aイオンを含む溶液の濃度が高すぎると、組成が不均一
になりがちである。
【0017】イオン交換されCaX型ゼオライトとなっ
た成形体は水洗して付着しているCaイオンを含む水溶
液を取除く。このようにして、得られたCaX型ゼオラ
イトを活性化するには乾燥後、たとえば400℃で焼成
すればよい。この際、乾燥および焼成雰囲気の水蒸気分
圧は、なるべく低くするほうが好ましい。
【0018】本発明のCaX型ゼオライト成形体はバイ
ンダーを結晶化することによってゼオライトとバインダ
ーの間の結合よりも強固なゼオライトとゼオライト間の
結晶性結合により構成されるようになる。そのため、本
発明の成形体はゼオライトとバインダーを混ぜて作った
CaX型ゼオライト成形体には見られない優れた機械的
特性を有する。
【0019】
【作用】CaX型ゼオライトは、Caイオン交換率が高
いほどCaイオン吸着サイトが増えるので吸着量の増加
が期待される。一方、CaX型ゼオライトはイオン交換
時に構造水を形成し、乾燥しても除去するのが困難であ
る。この構造水はCaイオンに配位するため、Caイオ
ン交換率が高いほど増加する。通常は、この水を除去す
るため、300℃以上800℃以下でCaX型ゼオライ
トを焼成して活性化を行なっている。この段階で、ゼオ
ライト骨格のアルミノシリケイトと構造水の反応が進行
し、吸着量を著しく低下させると推測される。Caイオ
ン交換率がCaイオン交換率が90%以上ではこの反応
による吸着量の低下が著しい。Caイオン交換率90%
未満では通常の乾燥方法と焼成方法によりこの構造水の
反応をほぼ完全に抑えることができる。
【0020】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の
CaX型ゼオライト成形体は、従来の技術で製造したも
のよりも著しく吸着特性に優れ、且つ成形体の割れや崩
壊が防止されるなど機械的特性に優れたものである。従
って、たとえば酸素PSA等の吸着分離の効率向上に役
立つ。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0022】実施例、比較例における各測定方法は以下
の通りである。
【0023】<窒素吸着容量測定方法>窒素吸着容量の
測定は容量法で行った。ゼオライト成形体を0.01m
mHg以下の圧力下で350℃で120分間活性化し、
冷却後、窒素ガスを導入し、吸着温度−10℃、吸着圧
700mmHgに保ち、吸着が十分平衡に達した後に吸
着容量を測定した。
【0024】<成形体強度測定方法>成形体強度の測定
は木屋式硬度計を用いて行った。100個の成形体の測
定値の平均値を成形体強度とした。
【0025】以下の具体例における「部」は、重量によ
る。
【0026】実施例1 NaX型合成ゼオライト粉末100部にカオリナイト型
粘土25部、SiO2(日本シリカ株式会社製ニップシ
ール)12部および押出し潤滑剤としてCMC(カルボ
キシメチルセルロース、以下同じ)粉末3部とを混合
し、造粒器(Mix−Muller、以下同じ)中で水
分の調製を行いながら混練捏和した。次に、この捏和物
を直径3mmのダイスプレートを備えた押し出し成形器
に供給しペレット状に押し出し成形した。120℃で乾
燥した後、長さ5〜10mmに調製しマッフル炉を用い
て650℃で4時間焼成した。冷却後、この焼成ペレッ
ト200gを水和し脱ガスし、1.6mol/lの水酸
化ナトリウム水溶液に入れ、40℃で1時間エージング
を行い、更に80℃に6時間保って結晶化を行った。こ
のものを洗浄し、余分な水酸化ナトリウム水溶液を洗い
流し、乾燥させ、そして350℃で1時間、焼成活性化
を行った。
【0027】X線回折測定では、NaX型ゼオライト以
外の相は全く観測されず、25℃における水分吸着容量
は成形体乾燥重量に対し34.5wt%であった。10
0%純分のNaX型ゼオライト粉末の水分吸着容量が乾
燥重量に対し35.2wt%であること、および100
%純分のNaX型ゼオライト粉末のX線回折強度と成形
体回折強度の比較から結晶含有率98%であることがわ
かった。よって、ほぼ完全なバインダレスNaX型ゼオ
ライトである。
【0028】この成形体100gを水和し脱ガスした
後、Caイオン3.0モル含む塩化カルシウム水溶液1
000ml、60℃で3時間、回分式イオン交換を行っ
た。その後、よく洗浄し、付着水を取り除いた成形体を
120℃で乾燥し、400℃で1時間焼成活性化した。
このようにしてえられたゼオライト成形体のイオン交換
率は原子吸光により調べたところ81.3%であり、残
りのイオンはナトリウムイオンであった。このものの窒
素吸着容量、耐圧強度を上述の方法で評価したところ、
37.6Ncc/g、5.4kgfであった。
【0029】実施例2〜4 比較例1〜3 実施例1と同じ操作によって、表1に示す各々のCaイ
オン交換率のCa−NaX型ゼオライトをそれぞれ調製
した。それらの物性を実施例1と同じ方法で評価した結
果を表1に示す。
【0030】比較例4 NaX型合成ゼオライト粉末100gをCaイオン3.
0モル含む塩化カルシウム水溶液1000ml、60℃
で3時間イオン交換を行った。洗浄し、付着水を取り除
いたゼオライトのイオン交換率を原子吸光により調べた
ところ81.5%であり、残りはナトリウムイオンであ
った。このものの窒素吸着容量を上述の方法で評価した
ところ、38.1Ncc/gであった。
【0031】このCa−NaX型合成ゼオライト粉末1
00部にカオリナイト型粘土25部および押出し潤滑剤
としてCMC粉末3部とを混合し、造粒器中で水分の調
製を行いながら混練捏和した。次に、この握和物を直径
3mmのダイスプレートを備えた押し出し成形器に供給
しペレット状に押し出し成形した。120℃で乾燥した
後、長さ5〜10mmに調製しマッフル炉を用いて65
0℃で4時間焼成した。このものの窒素吸着容量、耐圧
強度を上述の方法で評価したところ、29.1Ncc/
g、3.1Kgfであった。
【0032】比較例5〜7 比較例4と同じ操作によって、表1に示すバインダー
量,Caイオン交換率のCa−NaX型ゼオライト成形
体をそれぞれ調製した。それらの物性を前述と同じ方法
で評価した結果を表1に示す。
【0033】
【表1】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Caイオン交換率が50%以上90%未満
    であり、かつ、結晶含有率が90%以上であるバインダ
    ーレスCaX型ゼオライト成形体。
  2. 【請求項2】結晶含有率90%以上のバインダーレスN
    aX型ゼオライト成形体を、その中のNaX型ゼオライ
    ト100グラムに対し0.2〜10.0モルのCaイオ
    ンでイオン交換処理することを特徴とするバインダーレ
    スCaX型ゼオライト成形体の製造方法。
JP34240092A 1992-12-22 1992-12-22 CaX型ゼオライト成形体およびその製造方法 Pending JPH06183727A (ja)

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