JPH06179781A - 環状オレフィン系樹脂組成物 - Google Patents
環状オレフィン系樹脂組成物Info
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- JPH06179781A JPH06179781A JP33317792A JP33317792A JPH06179781A JP H06179781 A JPH06179781 A JP H06179781A JP 33317792 A JP33317792 A JP 33317792A JP 33317792 A JP33317792 A JP 33317792A JP H06179781 A JPH06179781 A JP H06179781A
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- Japan
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- cyclic olefin
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- graft
- ethylene
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、機械的特性に優れるとともに、耐
熱性、耐候性、耐傷付き性、耐ガソリン性などの諸物性
に優れた成形体を形成しうる環状オレフィン系樹脂組成
物を提供することを目的としている。 【構成】 本発明に係る環状オレフィン系樹脂組成物
は、 [A][A-1]エチレンと一般式[I]または[II]で
表される環状オレフィンとのランダム共重合体、[A-
2]式[I]または[II]で表される環状オレフィンの
開環(共)重合体、[A-3][A-2]の水素化物 および
[A-4]上記[A-1]、[A-2]または[A-3]のグラフト
変性物からなる群から選ばれる少なくとも1種の環状オ
レフィン系樹脂;100重量部と、 [B] 鉱物油系軟化剤;0.1〜900部と、 [C] 特定のグラフト変性ゴム状弾性体;0.5〜9
00重量部と、必要に応じて [D] 結晶性樹脂;1〜900重量部とからなる。
熱性、耐候性、耐傷付き性、耐ガソリン性などの諸物性
に優れた成形体を形成しうる環状オレフィン系樹脂組成
物を提供することを目的としている。 【構成】 本発明に係る環状オレフィン系樹脂組成物
は、 [A][A-1]エチレンと一般式[I]または[II]で
表される環状オレフィンとのランダム共重合体、[A-
2]式[I]または[II]で表される環状オレフィンの
開環(共)重合体、[A-3][A-2]の水素化物 および
[A-4]上記[A-1]、[A-2]または[A-3]のグラフト
変性物からなる群から選ばれる少なくとも1種の環状オ
レフィン系樹脂;100重量部と、 [B] 鉱物油系軟化剤;0.1〜900部と、 [C] 特定のグラフト変性ゴム状弾性体;0.5〜9
00重量部と、必要に応じて [D] 結晶性樹脂;1〜900重量部とからなる。
Description
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、環状オレフィン系樹脂組
成物に関し、さらに詳しくは、機械的特性、耐熱性、耐
候性などに優れるとともに耐傷付き性、耐ガソリン性な
どにも優れた環状オレフィン系樹脂組成物に関する。
成物に関し、さらに詳しくは、機械的特性、耐熱性、耐
候性などに優れるとともに耐傷付き性、耐ガソリン性な
どにも優れた環状オレフィン系樹脂組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来塩化ビニル樹脂(PVC)
は、押出成形法、射出成形法など種々の成形方法により
成形されて、フィルム、レザー、電線被覆、床材、管、
板、自動車用ダッシュボードおよびサイドモールなどの
広範な用途に利用されている。
は、押出成形法、射出成形法など種々の成形方法により
成形されて、フィルム、レザー、電線被覆、床材、管、
板、自動車用ダッシュボードおよびサイドモールなどの
広範な用途に利用されている。
【0003】このような塩化ビニル樹脂からなる成形体
は、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、耐溶剤性、耐傷付
き性、機械的特性、絶縁性などの諸特性に優れている
が、一方耐熱性、耐熱老化性、耐寒性、耐候性に劣ると
いう問題点があった。また近年環境保護問題への意識の
高まりから、合成樹脂のリサイクル利用が望まれている
が、塩化ビニル樹脂はリサイクル利用が困難であり、リ
サイクル利用しうる成形材料への代替が望まれている。
は、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、耐溶剤性、耐傷付
き性、機械的特性、絶縁性などの諸特性に優れている
が、一方耐熱性、耐熱老化性、耐寒性、耐候性に劣ると
いう問題点があった。また近年環境保護問題への意識の
高まりから、合成樹脂のリサイクル利用が望まれている
が、塩化ビニル樹脂はリサイクル利用が困難であり、リ
サイクル利用しうる成形材料への代替が望まれている。
【0004】ところで本出願人は、上記のような塩化ビ
ニル樹脂に代わる成形材料について研究し、先に特開平
2−57310号公報(特願昭63−208636号)
において、ポリエチレンまたはポリプロピレンとエチレ
ン・α−オレフィン系共重合体ゴムとからなる熱可塑性
樹脂組成物およびこれをパウダースラッシュ成形法によ
って成形したシボ模様付成形体を提案した。ここで開示
された熱可塑性樹脂組成物は上記塩化ビニル樹脂成形体
に比べてパウダースラッシュ成形性にも優れており、ま
たこの成形体は機械的特性、耐熱性、耐熱老化性、耐寒
性、耐候性などに優れているが、用途によってはさらに
優れた耐ガソリン性、耐傷付き性などが望まれている。
ニル樹脂に代わる成形材料について研究し、先に特開平
2−57310号公報(特願昭63−208636号)
において、ポリエチレンまたはポリプロピレンとエチレ
ン・α−オレフィン系共重合体ゴムとからなる熱可塑性
樹脂組成物およびこれをパウダースラッシュ成形法によ
って成形したシボ模様付成形体を提案した。ここで開示
された熱可塑性樹脂組成物は上記塩化ビニル樹脂成形体
に比べてパウダースラッシュ成形性にも優れており、ま
たこの成形体は機械的特性、耐熱性、耐熱老化性、耐寒
性、耐候性などに優れているが、用途によってはさらに
優れた耐ガソリン性、耐傷付き性などが望まれている。
【0005】本発明者は、上記のような従来技術に鑑み
て諸物性に優れるとともにリサイクル利用が可能な成形
材料についてさらに研究した結果、環状オレフィン系樹
脂と鉱物油系軟化剤と特定の変性ゴム状弾性体とを含む
特定の組成物は、機械的特性、耐熱性、耐寒性、耐候性
などに優れ、さらに耐傷付き性、耐ガソリン性などにも
優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
て諸物性に優れるとともにリサイクル利用が可能な成形
材料についてさらに研究した結果、環状オレフィン系樹
脂と鉱物油系軟化剤と特定の変性ゴム状弾性体とを含む
特定の組成物は、機械的特性、耐熱性、耐寒性、耐候性
などに優れ、さらに耐傷付き性、耐ガソリン性などにも
優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【発明の目的】本発明は、機械的特性に優れるととも
に、耐熱性、耐候性、耐傷付き性、耐ガソリン性などの
諸物性に優れた成形体を形成しうる環状オレフィン系樹
脂組成物を提供することを目的としている。
に、耐熱性、耐候性、耐傷付き性、耐ガソリン性などの
諸物性に優れた成形体を形成しうる環状オレフィン系樹
脂組成物を提供することを目的としている。
【0007】
【発明の概要】本発明に係る第1の環状オレフィン系樹
脂組成物は、 [A] 下記[A-1]、[A-2]、[A-3]および[A-4]
からなる群から選ばれる少なくとも1種の環状オレフィ
ン系樹脂;100重量部と、 [B] 鉱物油系軟化剤;0.1〜900部と、 [C] 23℃における弾性率(FM)が0.1〜10
000kg/cm2であり、ガラス転移点(Tg)が30℃
以下であり、かつ結晶化度が30%以下であるグラフト
変性ゴム状弾性体;0.5〜900部とからなることを
特徴としている: [A-1]エチレンと下記一般式[I]または[II]で表
される環状オレフィンとを共重合させて得られるエチレ
ン・環状オレフィンランダム共重合体、
脂組成物は、 [A] 下記[A-1]、[A-2]、[A-3]および[A-4]
からなる群から選ばれる少なくとも1種の環状オレフィ
ン系樹脂;100重量部と、 [B] 鉱物油系軟化剤;0.1〜900部と、 [C] 23℃における弾性率(FM)が0.1〜10
000kg/cm2であり、ガラス転移点(Tg)が30℃
以下であり、かつ結晶化度が30%以下であるグラフト
変性ゴム状弾性体;0.5〜900部とからなることを
特徴としている: [A-1]エチレンと下記一般式[I]または[II]で表
される環状オレフィンとを共重合させて得られるエチレ
ン・環状オレフィンランダム共重合体、
【0008】
【化5】
【0009】…[I] (ただし上記式[I]において、nは0または1であ
り、mは0または正の整数であり、qは0または1であ
り、R1 〜R18ならびにRa およびRb は、それぞれ独
立に、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基であ
り、R15〜R18は、互いに結合して単環または多環を形
成していてもよく、かつ該単環または多環が二重結合を
有していてもよく、またR15とR16とで、またはR17と
R18とでアルキリデン基を形成していてもよい。)、
り、mは0または正の整数であり、qは0または1であ
り、R1 〜R18ならびにRa およびRb は、それぞれ独
立に、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基であ
り、R15〜R18は、互いに結合して単環または多環を形
成していてもよく、かつ該単環または多環が二重結合を
有していてもよく、またR15とR16とで、またはR17と
R18とでアルキリデン基を形成していてもよい。)、
【0010】
【化6】
【0011】…[II] (ただし上記式[II]において、pおよびqは0または
正の整数であり、mおよびnは0、1または2であり、
R1 〜R19はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原
子、炭化水素基またはアルコキシ基であり、R9 または
R10が結合している炭素原子と、R13が結合している炭
素原子またはR11が結合している炭素原子とは直接ある
いは炭素数1〜3のアルキレン基を介して結合していて
もよく、またn=m=0のときR15とR12またはR15と
R19とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形
成していてもよい。)、[A-2]上記式[I]または[I
I]で表される環状オレフィンの開環重合体または共重
合体、[A-3]上記[A-2]開環重合体または共重合体の
水素化物、および[A-4]上記[A-1]、[A-2]または
[A-3]のグラフト変性物。
正の整数であり、mおよびnは0、1または2であり、
R1 〜R19はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原
子、炭化水素基またはアルコキシ基であり、R9 または
R10が結合している炭素原子と、R13が結合している炭
素原子またはR11が結合している炭素原子とは直接ある
いは炭素数1〜3のアルキレン基を介して結合していて
もよく、またn=m=0のときR15とR12またはR15と
R19とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形
成していてもよい。)、[A-2]上記式[I]または[I
I]で表される環状オレフィンの開環重合体または共重
合体、[A-3]上記[A-2]開環重合体または共重合体の
水素化物、および[A-4]上記[A-1]、[A-2]または
[A-3]のグラフト変性物。
【0012】また本発明に係る第2の環状オレフィン系
樹脂組成物は、上記のような[A]環状オレフィン系樹
脂;100重量部と、[B]鉱物油系軟化剤;0.1〜
900部と、[C]ゴム状弾性体;0.5〜900重量
部とに加えて、[D]結晶化度が30%を超え、23℃
における弾性率が2000Kg/cm2 以上である結晶性樹
脂;1〜900重量部とから形成されていてもよい。
樹脂組成物は、上記のような[A]環状オレフィン系樹
脂;100重量部と、[B]鉱物油系軟化剤;0.1〜
900部と、[C]ゴム状弾性体;0.5〜900重量
部とに加えて、[D]結晶化度が30%を超え、23℃
における弾性率が2000Kg/cm2 以上である結晶性樹
脂;1〜900重量部とから形成されていてもよい。
【0013】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る環状オレフィ
ン系樹脂組成物について具体的に説明する。本発明に係
る環状オレフィン系樹脂組成物は、[A]環状オレフィ
ン系樹脂と、[B]鉱物油系軟化剤と、[C]グラフト
変性ゴム状弾性体とからなる。
ン系樹脂組成物について具体的に説明する。本発明に係
る環状オレフィン系樹脂組成物は、[A]環状オレフィ
ン系樹脂と、[B]鉱物油系軟化剤と、[C]グラフト
変性ゴム状弾性体とからなる。
【0014】またこの環状オレフィン系樹脂組成物は、
[A]環状オレフィン系樹脂、[B]鉱物油系軟化剤お
よび[C]グラフト変性ゴム状弾性体に加えて、[D]
結晶性樹脂を含んでいてもよい。
[A]環状オレフィン系樹脂、[B]鉱物油系軟化剤お
よび[C]グラフト変性ゴム状弾性体に加えて、[D]
結晶性樹脂を含んでいてもよい。
【0015】まず本発明に係る環状オレフィン系樹脂組
成物を形成する際に用いられる各成分について説明す
る。環状オレフィン系樹脂[A] 本発明で、環状オレフィン系樹脂組成物を形成する際に
用いられる環状オレフィン系樹脂[A]としては、[A-
1]エチレンと下記式[I]または[II]で表される環
状オレフィンとのランダム共重合体、[A-2]式[I]
または[II]で表される環状オレフィンの開環重合体ま
たは共重合体、[A-3]上記[A-2]開環重合体または共
重合体の水素化物、または[A-4]上記[A-1]、[A-
2]または[A-3]のグラフト変性物を挙げることができ
る。
成物を形成する際に用いられる各成分について説明す
る。環状オレフィン系樹脂[A] 本発明で、環状オレフィン系樹脂組成物を形成する際に
用いられる環状オレフィン系樹脂[A]としては、[A-
1]エチレンと下記式[I]または[II]で表される環
状オレフィンとのランダム共重合体、[A-2]式[I]
または[II]で表される環状オレフィンの開環重合体ま
たは共重合体、[A-3]上記[A-2]開環重合体または共
重合体の水素化物、または[A-4]上記[A-1]、[A-
2]または[A-3]のグラフト変性物を挙げることができ
る。
【0016】本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂
[A]は、135℃のデカリン中で測定した極限粘度
[η]が、通常0.05〜10dl/g、好ましくは0.
3〜2.0dl/g、さらに好ましくは0.4〜1.2dl
/gである。
[A]は、135℃のデカリン中で測定した極限粘度
[η]が、通常0.05〜10dl/g、好ましくは0.
3〜2.0dl/g、さらに好ましくは0.4〜1.2dl
/gである。
【0017】またこの環状オレフィン系樹脂[A]は、
サーマル・メカニカルアナライザーで測定した軟化温度
(TMA)が、通常0℃以上、好ましくは10〜200
℃、さらに好ましくは10〜180℃であり、ガラス転
移点(Tg)が、通常−10〜190℃、好ましくは0
〜170℃である。
サーマル・メカニカルアナライザーで測定した軟化温度
(TMA)が、通常0℃以上、好ましくは10〜200
℃、さらに好ましくは10〜180℃であり、ガラス転
移点(Tg)が、通常−10〜190℃、好ましくは0
〜170℃である。
【0018】さらに環状オレフィン系樹脂[A]は、X
線回折法によって測定した結晶化度が、通常0〜20
%、好ましくは0〜2%である。ここでまず、上記のよ
うな環状オレフィン樹脂を形成する際に用いられる一般
式[I]または[II]で表される環状オレフィンについ
て説明する。
線回折法によって測定した結晶化度が、通常0〜20
%、好ましくは0〜2%である。ここでまず、上記のよ
うな環状オレフィン樹脂を形成する際に用いられる一般
式[I]または[II]で表される環状オレフィンについ
て説明する。
【0019】
【化7】
【0020】…[I] 式[I]中、nは0または1であり、mは0または正の
整数であり、qは0または1である。なおqが1の場合
には、Ra およびRb は、それぞれ独立に、下記の原子
または炭化水素基を表し、qが0の場合には、それぞれ
の結合手が結合して5員環を形成する。
整数であり、qは0または1である。なおqが1の場合
には、Ra およびRb は、それぞれ独立に、下記の原子
または炭化水素基を表し、qが0の場合には、それぞれ
の結合手が結合して5員環を形成する。
【0021】R1 〜R18ならびにRa 、Rb は、それぞ
れ独立に、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基で
ある。ここで、ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子またはヨウ素原子である。
れ独立に、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基で
ある。ここで、ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子またはヨウ素原子である。
【0022】また炭化水素基としては、通常、炭素原子
数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜15のシクロ
アルキル基または芳香族炭化水素基が挙げられる。より
具体的には、アルキル基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル
基、オクチル基、デシル基、ドデシル基およびオクタデ
シル基などが挙げられる。これらアルキル基はハロゲン
原子で置換されていてもよい。
数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜15のシクロ
アルキル基または芳香族炭化水素基が挙げられる。より
具体的には、アルキル基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル
基、オクチル基、デシル基、ドデシル基およびオクタデ
シル基などが挙げられる。これらアルキル基はハロゲン
原子で置換されていてもよい。
【0023】シクロアルキル基としては、シクロヘキシ
ル基が挙げられ、芳香族炭化水素基としては、フェニル
基、ナフチル基などが挙げられる。さらに上記式[I]
において、R15とR16とが、R17とR18とが、R15とR
17とが、R16とR18とが、R15とR18とが、あるいはR
16とR17とがそれぞれ結合して(互いに共同して)、単
環または多環を形成していてもよく、しかもこのように
して形成された単環または多環が二重結合を有していて
もよい。ここで形成される単環または多環としては、具
体的に以下のようなものが挙げられる。
ル基が挙げられ、芳香族炭化水素基としては、フェニル
基、ナフチル基などが挙げられる。さらに上記式[I]
において、R15とR16とが、R17とR18とが、R15とR
17とが、R16とR18とが、R15とR18とが、あるいはR
16とR17とがそれぞれ結合して(互いに共同して)、単
環または多環を形成していてもよく、しかもこのように
して形成された単環または多環が二重結合を有していて
もよい。ここで形成される単環または多環としては、具
体的に以下のようなものが挙げられる。
【0024】
【化8】
【0025】なお上記例示において、1または2の番号
を賦した炭素原子は、式[I]においてそれぞれR
15(R16)またはR17(R18)が結合している炭素原子
を表す。またR15とR16とで、またはR17とR18とでア
ルキリデン基を形成していてもよい。このようなアルキ
リデン基は、通常は炭素原子数2〜20のアルキリデン
基であり、このようなアルキリデン基の具体的な例とし
ては、エチリデン基、プロピリデン基およびイソプロピ
リデン基が挙げられる。
を賦した炭素原子は、式[I]においてそれぞれR
15(R16)またはR17(R18)が結合している炭素原子
を表す。またR15とR16とで、またはR17とR18とでア
ルキリデン基を形成していてもよい。このようなアルキ
リデン基は、通常は炭素原子数2〜20のアルキリデン
基であり、このようなアルキリデン基の具体的な例とし
ては、エチリデン基、プロピリデン基およびイソプロピ
リデン基が挙げられる。
【0026】
【化9】
【0027】…[II] 式[II]中、pおよびqは0または正の整数であり、m
およびnは0、1または2である。
およびnは0、1または2である。
【0028】またR1 〜R19はそれぞれ独立に、水素原
子、ハロゲン原子、炭化水素基またはアルコキシ基であ
る。
子、ハロゲン原子、炭化水素基またはアルコキシ基であ
る。
【0029】ここでハロゲン原子は、上記式[I]中の
ハロゲン原子と同じである。また炭化水素基としては、
通常、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3
〜15のシクロアルキル基または芳香族炭化水素基が挙
げられる。より具体的には、アルキル基としては、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミル
基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基お
よびオクタデシル基などが挙げられる。これらアルキル
基はハロゲン原子で置換されていてもよい。
ハロゲン原子と同じである。また炭化水素基としては、
通常、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3
〜15のシクロアルキル基または芳香族炭化水素基が挙
げられる。より具体的には、アルキル基としては、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミル
基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基お
よびオクタデシル基などが挙げられる。これらアルキル
基はハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0030】シクロアルキル基としては、シクロヘキシ
ル基が挙げられ、芳香族炭化水素基としては、アリール
基、アラルキル基などが挙げられ、具体的には、フェニ
ル基、トリル基、ナフチル基、ベンジル基、フェニルエ
チル基などが挙げられる。
ル基が挙げられ、芳香族炭化水素基としては、アリール
基、アラルキル基などが挙げられ、具体的には、フェニ
ル基、トリル基、ナフチル基、ベンジル基、フェニルエ
チル基などが挙げられる。
【0031】アルコキシ基としては、メトキシ基、エト
キシ基、プロポキシ基などが挙げられる。
キシ基、プロポキシ基などが挙げられる。
【0032】ここで、R9 およびR10が結合している炭
素原子と、R13が結合している炭素原子またはR11が結
合している炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1〜
3のアルキレン基を介して結合していてもよい。すなわ
ち、上記二個の炭素原子がアルキレン基を介して結合し
ている場合には、R9 とR13とが、または、R10とR 11
とが互いに共同して、メチレン基(-CH2-) 、エチレン基
(-CH2CH2-)またはプロピレン基(-CH2CH2CH2-) の内のい
ずれかのアルキレン基を形成している。
素原子と、R13が結合している炭素原子またはR11が結
合している炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1〜
3のアルキレン基を介して結合していてもよい。すなわ
ち、上記二個の炭素原子がアルキレン基を介して結合し
ている場合には、R9 とR13とが、または、R10とR 11
とが互いに共同して、メチレン基(-CH2-) 、エチレン基
(-CH2CH2-)またはプロピレン基(-CH2CH2CH2-) の内のい
ずれかのアルキレン基を形成している。
【0033】さらに、n=m=0のとき、R15とR12ま
たはR15とR19とは互いに結合して単環または多環の芳
香族環を形成していてもよい。具体的には、n=m=0
のとき、R15とR12とにより形成される以下のような芳
香族環が挙げられる。
たはR15とR19とは互いに結合して単環または多環の芳
香族環を形成していてもよい。具体的には、n=m=0
のとき、R15とR12とにより形成される以下のような芳
香族環が挙げられる。
【0034】
【化10】
【0035】ここで、qは式[II]におけるqと同じで
ある。上記のような式[I]または[II]で表される環
状オレフィンとしては、具体的には、ビシクロ[2.2.
1]-2-ヘプテン誘導体(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-
エン誘導体)、トリシクロ[4.3.0.12,5]-3- デセン誘
導体、トリシクロ[4.4.0.12,5]-3- ウンデセン誘導
体、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3- ドデセン誘
導体、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]-4- ペ
ンタデセン誘導体、ペンタシクロペンタデカジエン誘導
体、ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]-3- ペン
タデセン誘導体、ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.0
9,14]-4- ヘキサデセン誘導体、ペンタシクロ[8.4.0.
12,5.19,12.08,13]-3- ヘキサデセン誘導体、ヘキサシ
クロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]-4- ヘプタデセ
ン誘導体、ヘプタシクロ-5- エイコセン誘導体、ヘプタ
シクロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.011,16]-4-
エイコセン誘導体、ヘプタシクロ-5- ヘンエイコセン誘
導体、ヘプタシクロ[8.8.0.14,7.111,18.113,16.03,8.
012,17]-5- ヘンエイコセン誘導体、オクタシクロ[8.
8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]-5- ドコ
セン誘導体、ノナシクロ[10.9.1.14,7.113,20.115,18.
03,8.02,10.012,21.014,19]-5- ペンタコセン誘導体、
ノナシクロ[10.10.1.15,8.114,21.116,19.02,11.04,9.
013,22.015,20]-6-ヘキサコセン誘導体、シクロペンタ
ジエン-アセナフチレン付加物、1,4-メタノ-1,4,4a,9a-
テトラヒドロフルオレン誘導体、1,4-メタノ-1,4,4a,5,
10,10a-ヘキサヒドロアントラセン誘導体などが挙げら
れる。
ある。上記のような式[I]または[II]で表される環
状オレフィンとしては、具体的には、ビシクロ[2.2.
1]-2-ヘプテン誘導体(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-
エン誘導体)、トリシクロ[4.3.0.12,5]-3- デセン誘
導体、トリシクロ[4.4.0.12,5]-3- ウンデセン誘導
体、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3- ドデセン誘
導体、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]-4- ペ
ンタデセン誘導体、ペンタシクロペンタデカジエン誘導
体、ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]-3- ペン
タデセン誘導体、ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.0
9,14]-4- ヘキサデセン誘導体、ペンタシクロ[8.4.0.
12,5.19,12.08,13]-3- ヘキサデセン誘導体、ヘキサシ
クロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]-4- ヘプタデセ
ン誘導体、ヘプタシクロ-5- エイコセン誘導体、ヘプタ
シクロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.011,16]-4-
エイコセン誘導体、ヘプタシクロ-5- ヘンエイコセン誘
導体、ヘプタシクロ[8.8.0.14,7.111,18.113,16.03,8.
012,17]-5- ヘンエイコセン誘導体、オクタシクロ[8.
8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]-5- ドコ
セン誘導体、ノナシクロ[10.9.1.14,7.113,20.115,18.
03,8.02,10.012,21.014,19]-5- ペンタコセン誘導体、
ノナシクロ[10.10.1.15,8.114,21.116,19.02,11.04,9.
013,22.015,20]-6-ヘキサコセン誘導体、シクロペンタ
ジエン-アセナフチレン付加物、1,4-メタノ-1,4,4a,9a-
テトラヒドロフルオレン誘導体、1,4-メタノ-1,4,4a,5,
10,10a-ヘキサヒドロアントラセン誘導体などが挙げら
れる。
【0036】以下に上記のような式[I]または[II]
で表される環状オレフィンのより具体的な例を示す。
で表される環状オレフィンのより具体的な例を示す。
【0037】
【化11】
【0038】
【化12】
【0039】
【化13】
【0040】
【化14】
【0041】
【化15】
【0042】
【化16】
【0043】
【化17】
【0044】
【化18】
【0045】
【化19】
【0046】
【化20】
【0047】
【化21】
【0048】
【化22】
【0049】
【化23】
【0050】
【化24】
【0051】
【化25】
【0052】
【化26】
【0053】
【化27】
【0054】
【化28】
【0055】
【化29】
【0056】
【化30】
【0057】上記のような一般式[I]または[II]で
表される環状オレフィンは、シクロペンタジエンと対応
する構造を有するオレフィン類とを、ディールス・アル
ダー反応させることによって製造することができる。
表される環状オレフィンは、シクロペンタジエンと対応
する構造を有するオレフィン類とを、ディールス・アル
ダー反応させることによって製造することができる。
【0058】これらの環状オレフィンは、単独であるい
は2種以上組み合わせて用いることができる。
は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0059】本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂
は、上記のような式[I]または[II]で表される環状
オレフィンを用いて、たとえば特開昭60−16870
8号公報、特開昭61−120816号公報、特開昭6
1−115912号公報、特開昭61−115916号
公報、特開昭61−271308号公報、特開昭61−
272216号公報、特開昭62−252406号公
報、特開昭62−252407号公報などにおいて本出
願人が提案した方法に従い、適宜条件を選択することに
より製造することができる。
は、上記のような式[I]または[II]で表される環状
オレフィンを用いて、たとえば特開昭60−16870
8号公報、特開昭61−120816号公報、特開昭6
1−115912号公報、特開昭61−115916号
公報、特開昭61−271308号公報、特開昭61−
272216号公報、特開昭62−252406号公
報、特開昭62−252407号公報などにおいて本出
願人が提案した方法に従い、適宜条件を選択することに
より製造することができる。
【0060】[A-1]エチレン・環状オレフィンランダ
ム共重合体 本発明で環状オレフィン系樹脂組成物を形成する際に、
[A]環状オレフィン系樹脂として用いられる[A-1]
エチレン・環状オレフィンランダム共重合体は、通常、
エチレンから誘導される構成単位を52〜90モル%、
好ましくは55〜80モル%の量で、環状オレフィンか
ら誘導される構成単位を10〜48モル%、好ましくは
20〜45モル%の量で含有している。なお、エチレン
組成および環状オレフィン組成は、13C−NMRによっ
て測定される。
ム共重合体 本発明で環状オレフィン系樹脂組成物を形成する際に、
[A]環状オレフィン系樹脂として用いられる[A-1]
エチレン・環状オレフィンランダム共重合体は、通常、
エチレンから誘導される構成単位を52〜90モル%、
好ましくは55〜80モル%の量で、環状オレフィンか
ら誘導される構成単位を10〜48モル%、好ましくは
20〜45モル%の量で含有している。なお、エチレン
組成および環状オレフィン組成は、13C−NMRによっ
て測定される。
【0061】この[A-1]エチレン・環状オレフィンラ
ンダム共重合体では、上記のようなエチレンから誘導さ
れる構成単位と環状オレフィンから誘導される構成単位
とが、ランダムに配列して結合し、実質的に線状構造を
有している。この共重合体が実質的に線状であって、実
質的にゲル状架橋構造を有していないことは、該共重合
体が有機溶媒に溶解し、不溶分を含まないことにより確
認することができる。たとえば後述するようにして極限
粘度[η]を測定する際に、該共重合体が135℃、デ
カリンに完全に溶解することにより確認することができ
る。
ンダム共重合体では、上記のようなエチレンから誘導さ
れる構成単位と環状オレフィンから誘導される構成単位
とが、ランダムに配列して結合し、実質的に線状構造を
有している。この共重合体が実質的に線状であって、実
質的にゲル状架橋構造を有していないことは、該共重合
体が有機溶媒に溶解し、不溶分を含まないことにより確
認することができる。たとえば後述するようにして極限
粘度[η]を測定する際に、該共重合体が135℃、デ
カリンに完全に溶解することにより確認することができ
る。
【0062】本発明で用いられる[A-1]エチレン・環
状オレフィンランダム共重合体において、上記式[I]
または[II]で表される環状オレフィンから誘導される
構成単位の少なくとも一部は、下記構造式[III]また
は[IV]で示される。
状オレフィンランダム共重合体において、上記式[I]
または[II]で表される環状オレフィンから誘導される
構成単位の少なくとも一部は、下記構造式[III]また
は[IV]で示される。
【0063】
【化31】
【0064】…[III] ただし上記式[III]において、n、m、q、R1 〜R
18ならびにRa 、Rbは式[I]と同じ意味である。
18ならびにRa 、Rbは式[I]と同じ意味である。
【0065】
【化32】
【0066】…[IV] ただし上記式[IV]において、n、m、p、q、R1 〜
R19は式[II]と同じ意味である。
R19は式[II]と同じ意味である。
【0067】また本発明で用いられる[A-1]エチレン
・環状オレフィンランダム共重合体は、本発明の目的を
損なわない範囲で必要に応じて他の共重合可能なモノマ
ーから誘導される構成単位を含有していてもよい。
・環状オレフィンランダム共重合体は、本発明の目的を
損なわない範囲で必要に応じて他の共重合可能なモノマ
ーから誘導される構成単位を含有していてもよい。
【0068】このような他のモノマーとしては、上記の
ようなエチレンまたは環状オレフィン以外のオレフィン
を挙げることができ、具体的に、プロピレン、1-ブテ
ン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、3-
メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1
-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘ
キセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセ
ン、3-エチル-1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-
ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタ
デセン、1-エイコセンなどの炭素数3〜20のα−オレ
フィン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセ
ン、3,4-ジメチルシクロペンテン、3-メチルシクロヘキ
セン、2-(2- メチルブチル)-1-シクロヘキセン、シクロ
オクテン、3a,5,6,7a-テトラヒドロ-4,7-メタノ-1H-イ
ンデンなどのシクロオレフィン、2-ノルボルネン、5-メ
チル-2-ノルボルネン、5-エチル-2-ノルボルネン、5-イ
ソプロピル-2-ノルボルネン、5-n-ブチル-2-ノルボルネ
ン、5-イソブチル-2-ノルボルネン、5,6-ジメチル-2-ノ
ルボルネン、5-クロロ-2-ノルボルネン、5-フルオロ-2-
ノルボルネンなどのノルボルネン類、1,4-ヘキサジエ
ン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘキサ
ジエン、1,7-オクタジエン、ジシクロペンタジエン、5-
エチリデン-2-ノルボルネン、5-ビニル-2-ノルボルネン
などの非共役ジエン類を挙げることができる。
ようなエチレンまたは環状オレフィン以外のオレフィン
を挙げることができ、具体的に、プロピレン、1-ブテ
ン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、3-
メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1
-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘ
キセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセ
ン、3-エチル-1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-
ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタ
デセン、1-エイコセンなどの炭素数3〜20のα−オレ
フィン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセ
ン、3,4-ジメチルシクロペンテン、3-メチルシクロヘキ
セン、2-(2- メチルブチル)-1-シクロヘキセン、シクロ
オクテン、3a,5,6,7a-テトラヒドロ-4,7-メタノ-1H-イ
ンデンなどのシクロオレフィン、2-ノルボルネン、5-メ
チル-2-ノルボルネン、5-エチル-2-ノルボルネン、5-イ
ソプロピル-2-ノルボルネン、5-n-ブチル-2-ノルボルネ
ン、5-イソブチル-2-ノルボルネン、5,6-ジメチル-2-ノ
ルボルネン、5-クロロ-2-ノルボルネン、5-フルオロ-2-
ノルボルネンなどのノルボルネン類、1,4-ヘキサジエ
ン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘキサ
ジエン、1,7-オクタジエン、ジシクロペンタジエン、5-
エチリデン-2-ノルボルネン、5-ビニル-2-ノルボルネン
などの非共役ジエン類を挙げることができる。
【0069】これらの他のモノマーは、単独であるいは
2種以上組み合わせて用いることができる。 [A-1]エチレン・環状オレフィンランダム共重合体に
おいて、上記のような他のモノマーから誘導される構成
単位は、通常、20モル%以下、好ましくは10モル%
以下の量で含有されていてもよい。
2種以上組み合わせて用いることができる。 [A-1]エチレン・環状オレフィンランダム共重合体に
おいて、上記のような他のモノマーから誘導される構成
単位は、通常、20モル%以下、好ましくは10モル%
以下の量で含有されていてもよい。
【0070】本発明で用いられる[A-1]エチレン・環
状オレフィンランダム共重合体は、エチレンと式[I]
または[II]で表される環状オレフィンとを用いて、前
記公報に開示された製造方法により製造することができ
る。これらのうちでも、この共重合を炭化水素溶媒中で
行ない、触媒として該炭化水素溶媒に可溶性のバナジウ
ム化合物および有機アルミニウム化合物から形成される
触媒を用いて[A-1]エチレン・環状オレフィンランダ
ム共重合体を製造することが好ましい。
状オレフィンランダム共重合体は、エチレンと式[I]
または[II]で表される環状オレフィンとを用いて、前
記公報に開示された製造方法により製造することができ
る。これらのうちでも、この共重合を炭化水素溶媒中で
行ない、触媒として該炭化水素溶媒に可溶性のバナジウ
ム化合物および有機アルミニウム化合物から形成される
触媒を用いて[A-1]エチレン・環状オレフィンランダ
ム共重合体を製造することが好ましい。
【0071】[A-2]環状オレフィンの開環重合体また
は共重合体 本発明で用いられる環状オレフィンの開環重合体または
開環共重合体は、上記式[I]または[II]で表される
環状オレフィンから誘導される構成単位からなり、該構
成単位の少なくとも一部は、下記式[V]または[VI]
で表される。
は共重合体 本発明で用いられる環状オレフィンの開環重合体または
開環共重合体は、上記式[I]または[II]で表される
環状オレフィンから誘導される構成単位からなり、該構
成単位の少なくとも一部は、下記式[V]または[VI]
で表される。
【0072】
【化33】
【0073】…[V] ただし上記式[V]において、n、m、q、R1 〜R18
ならびにRa 、Rb は式[I]と同じ意味である。
ならびにRa 、Rb は式[I]と同じ意味である。
【0074】
【化34】
【0075】…[VI] ただし上記式[VI]において、n、m、p、q、R1 〜
R19は式[II]と同じ意味である。
R19は式[II]と同じ意味である。
【0076】このような開環重合体または開環共重合体
は、前記公報に開示された製造方法により製造すること
ができ、これらのうちでも、上記式[I]で表される環
状オレフィンを開環重合触媒の存在下に、重合または共
重合させることにより製造することができる。
は、前記公報に開示された製造方法により製造すること
ができ、これらのうちでも、上記式[I]で表される環
状オレフィンを開環重合触媒の存在下に、重合または共
重合させることにより製造することができる。
【0077】このような開環重合触媒としては、ルテニ
ウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、インジウム
または白金などから選ばれる金属のハロゲン化物、硝酸
塩またはアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる
触媒、あるいは、チタン、パラジウム、ジルコニウムま
たはモリブテンなどから選ばれる金属のハロゲン化物ま
たはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合
物とからなる触媒を用いることができる。
ウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、インジウム
または白金などから選ばれる金属のハロゲン化物、硝酸
塩またはアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる
触媒、あるいは、チタン、パラジウム、ジルコニウムま
たはモリブテンなどから選ばれる金属のハロゲン化物ま
たはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合
物とからなる触媒を用いることができる。
【0078】[A-3]開環重合体または共重合体の水素
化物 本発明で用いられる[A-3]開環重合体または共重合体
の水素化物は、上記のようにして得られる開環重合体ま
たは共重合体[A-2]を、従来公知の水素添加触媒の存
在下に水素化して得られる。
化物 本発明で用いられる[A-3]開環重合体または共重合体
の水素化物は、上記のようにして得られる開環重合体ま
たは共重合体[A-2]を、従来公知の水素添加触媒の存
在下に水素化して得られる。
【0079】この[A-3]開環重合体または共重合体の
水素化物において、式[I]または[II]で表される環
状オレフィンから誘導される構成単位のうち、少なくと
も一部は下記式[VII]または[VIII]で表される。
水素化物において、式[I]または[II]で表される環
状オレフィンから誘導される構成単位のうち、少なくと
も一部は下記式[VII]または[VIII]で表される。
【0080】
【化35】
【0081】…[VII] ただし上記式[VII]において、n、m、q、R1 〜R
18ならびにRa 、Rbは式[I]と同じ意味である。
18ならびにRa 、Rbは式[I]と同じ意味である。
【0082】
【化36】
【0083】…[VIII] ただし上記式[VI]において、n、m、p、q、R1 〜
R19は式[II]と同じ意味である。
R19は式[II]と同じ意味である。
【0084】[A-4]グラフト変性物 本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂のグラフト変
性物は、上記のような[A-1]エチレン・環状オレフィ
ンランダム共重合体、[A-2]環状オレフィンの開環重
合体または共重合体、または、[A-3]開環重合体また
は共重合体の水素化物の一部を、変性剤でグラフト変性
して得られる。
性物は、上記のような[A-1]エチレン・環状オレフィ
ンランダム共重合体、[A-2]環状オレフィンの開環重
合体または共重合体、または、[A-3]開環重合体また
は共重合体の水素化物の一部を、変性剤でグラフト変性
して得られる。
【0085】変性剤としては、後述するような無水マレ
イン酸などの不飽和カルボン酸、これらの酸無水物また
は不飽和カルボン酸のアルキルエステル等の誘導体など
が挙げられる。
イン酸などの不飽和カルボン酸、これらの酸無水物また
は不飽和カルボン酸のアルキルエステル等の誘導体など
が挙げられる。
【0086】本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂
のグラフト変性物において、変性剤から誘導される構成
単位を通常10モル%以下の量で含有している。このよ
うな不飽和カルボン酸またはその誘導体などの変性剤
を、上記環状オレフィン系樹脂にグラフト共重合して変
性物を製造するには、従来公知の種々の方法を採用する
ことができる。たとえば環状オレフィン系樹脂を溶融さ
せ変性剤を添加してグラフト共重合させる方法あるいは
溶媒に溶解させ変性剤を添加してグラフト共重合させる
方法がある。いずれの場合にも、前記変性剤を効率よく
グラフト共重合させるためには、後述するようなラジカ
ル開始剤の存在下に反応を実施することが好ましい。グ
ラフト反応は、通常60〜350℃の温度で行われる。
のグラフト変性物において、変性剤から誘導される構成
単位を通常10モル%以下の量で含有している。このよ
うな不飽和カルボン酸またはその誘導体などの変性剤
を、上記環状オレフィン系樹脂にグラフト共重合して変
性物を製造するには、従来公知の種々の方法を採用する
ことができる。たとえば環状オレフィン系樹脂を溶融さ
せ変性剤を添加してグラフト共重合させる方法あるいは
溶媒に溶解させ変性剤を添加してグラフト共重合させる
方法がある。いずれの場合にも、前記変性剤を効率よく
グラフト共重合させるためには、後述するようなラジカ
ル開始剤の存在下に反応を実施することが好ましい。グ
ラフト反応は、通常60〜350℃の温度で行われる。
【0087】上記のように環状オレフィン系樹脂のグラ
フト変性物を製造するに際しては、所望の変性率になる
ような量で変性剤を添加して、環状オレフィン系樹脂に
変性剤をグラフト共重合させてもよく、また予め高変性
率の変性物を調製し次いでこの変性物と未変性の環状オ
レフィン系樹脂とを混合することにより所望の変性率の
変性物を製造することもできる。
フト変性物を製造するに際しては、所望の変性率になる
ような量で変性剤を添加して、環状オレフィン系樹脂に
変性剤をグラフト共重合させてもよく、また予め高変性
率の変性物を調製し次いでこの変性物と未変性の環状オ
レフィン系樹脂とを混合することにより所望の変性率の
変性物を製造することもできる。
【0088】本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂
[A]は、上記のような[A-1]、[A-2]、[A-3]お
よび[A-4]からなる群から選ばれ、これらを2種以上
組み合わせたものであってもよい。
[A]は、上記のような[A-1]、[A-2]、[A-3]お
よび[A-4]からなる群から選ばれ、これらを2種以上
組み合わせたものであってもよい。
【0089】[B]鉱物油系軟化剤 本発明で用いられる鉱物油系軟化剤[B]は、環状オレ
フィン系樹脂[A]と相溶性を有する高沸点の石油留分
であって、具体的には、パラフィン系炭化水素、ナフテ
ン系炭化水素、芳香族系炭化水素などが挙げられる。ナ
フテン系炭化水素が特に好ましく用いられる。ナフテン
系炭化水素としては、具体的には、スピンドル油、流動
パラフィンあるいは商品名シェルフレックスなどが例示
され、流動パラフィンが特に好ましい。
フィン系樹脂[A]と相溶性を有する高沸点の石油留分
であって、具体的には、パラフィン系炭化水素、ナフテ
ン系炭化水素、芳香族系炭化水素などが挙げられる。ナ
フテン系炭化水素が特に好ましく用いられる。ナフテン
系炭化水素としては、具体的には、スピンドル油、流動
パラフィンあるいは商品名シェルフレックスなどが例示
され、流動パラフィンが特に好ましい。
【0090】本発明では、鉱物油系軟化剤[B]として
これらの炭化水素を単独で用いてもよいし、粘度や種類
の違うものを混合して用いてもよい。本発明に係る環状
オレフィン系樹脂組成物は、この鉱物油系軟化剤[B]
を含有していることにより、環状オレフィン系樹脂
[A]に比べてガラス転移点(Tg)が低下し、柔軟性
および流動性が向上される。
これらの炭化水素を単独で用いてもよいし、粘度や種類
の違うものを混合して用いてもよい。本発明に係る環状
オレフィン系樹脂組成物は、この鉱物油系軟化剤[B]
を含有していることにより、環状オレフィン系樹脂
[A]に比べてガラス転移点(Tg)が低下し、柔軟性
および流動性が向上される。
【0091】[C]グラフト変性ゴム状弾性体 本発明で用いられるグラフト変性ゴム状弾性体[C]
は、23℃における弾性率(FM)が0.1〜1000
0kg/cm2 、好ましくは10〜5000kg/cm2、さら
に好ましくは10〜2000kg/cm2 である。なおこの
弾性率(FM)は、ASTM TYPE−IVに準拠して
作成された試験片を、厚さを2mm、チャック間を64m
m、引っ張り速度を50mm/分として測定された値であ
る。
は、23℃における弾性率(FM)が0.1〜1000
0kg/cm2 、好ましくは10〜5000kg/cm2、さら
に好ましくは10〜2000kg/cm2 である。なおこの
弾性率(FM)は、ASTM TYPE−IVに準拠して
作成された試験片を、厚さを2mm、チャック間を64m
m、引っ張り速度を50mm/分として測定された値であ
る。
【0092】またグラフト変性ゴム状弾性体[C]は、
ガラス転移点(Tg)が、30℃以下、好ましくは0℃
以下、さらに好ましくは−20℃以下である。さらにこ
のグラフト変性ゴム状弾性体[C]は、X線回折法によ
って測定される結晶化度が、30%以下、好ましくは2
0%以下である。グラフト変性ゴム状弾性体[C]は、
このような結晶化度であると、通常低結晶性または非晶
性である。
ガラス転移点(Tg)が、30℃以下、好ましくは0℃
以下、さらに好ましくは−20℃以下である。さらにこ
のグラフト変性ゴム状弾性体[C]は、X線回折法によ
って測定される結晶化度が、30%以下、好ましくは2
0%以下である。グラフト変性ゴム状弾性体[C]は、
このような結晶化度であると、通常低結晶性または非晶
性である。
【0093】このようなグラフト変性ゴム状弾性体
[C]は、135℃、デカリン中で測定した極限粘度
[η]が、通常0.01〜20dl/g、好ましくは0.
1〜10dl/gであることが望ましい。
[C]は、135℃、デカリン中で測定した極限粘度
[η]が、通常0.01〜20dl/g、好ましくは0.
1〜10dl/gであることが望ましい。
【0094】本発明で用いられるグラフト変性ゴム状弾
性体[C]としては、具体的に、エチレン・α- オレフ
ィン共重合体ゴム、プロピレン・α- オレフィン共重合
体ゴムなどのα−オレフィン共重合体ゴムのグラフト変
性物が挙げられる。
性体[C]としては、具体的に、エチレン・α- オレフ
ィン共重合体ゴム、プロピレン・α- オレフィン共重合
体ゴムなどのα−オレフィン共重合体ゴムのグラフト変
性物が挙げられる。
【0095】このエチレン・α- オレフィン共重合体ゴ
ムを構成するα- オレフィンとしては、炭素数3〜20
のα- オレフィンを挙げることができる。具体的に、プ
ロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチ
ル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペン
テン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,
4-ジメチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-
エチル-1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、1-オクテ
ン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサ
デセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなど、およびこ
れらの混合物が挙げられる。これらのうち、炭素数3〜
10のα- オレフィンが好ましく、プロピレン、1-ブテ
ン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1
-オクテン、1-デセンなどが好ましい。
ムを構成するα- オレフィンとしては、炭素数3〜20
のα- オレフィンを挙げることができる。具体的に、プ
ロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチ
ル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペン
テン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,
4-ジメチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-
エチル-1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、1-オクテ
ン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサ
デセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなど、およびこ
れらの混合物が挙げられる。これらのうち、炭素数3〜
10のα- オレフィンが好ましく、プロピレン、1-ブテ
ン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1
-オクテン、1-デセンなどが好ましい。
【0096】上記のようなエチレン・α- オレフィン共
重合体ゴムにおいては、エチレンとα- オレフィンとの
モル比(エチレン/α- オレフィン)は、α- オレフィ
ンの種類によっても異なるが、通常1/99〜99/
1、好ましくは30/70〜95/5である。
重合体ゴムにおいては、エチレンとα- オレフィンとの
モル比(エチレン/α- オレフィン)は、α- オレフィ
ンの種類によっても異なるが、通常1/99〜99/
1、好ましくは30/70〜95/5である。
【0097】またプロピレン・α- オレフィン共重合体
ゴムを構成するα- オレフィンとしては、炭素数4〜2
0のα- オレフィンを挙げることができ、具体的には、
上記例示のうちプロピレンを除くα−オレフィンを挙げ
ることができる。
ゴムを構成するα- オレフィンとしては、炭素数4〜2
0のα- オレフィンを挙げることができ、具体的には、
上記例示のうちプロピレンを除くα−オレフィンを挙げ
ることができる。
【0098】これらのうち、炭素数4〜10のα- オレ
フィンが好ましく、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセ
ン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセンなど
が好ましい。
フィンが好ましく、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセ
ン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセンなど
が好ましい。
【0099】このようなプロピレン・α- オレフィン共
重合体ゴムにおいては、プロピレンとα- オレフィンと
のモル比(プロピレン/α- オレフィン)は、α- オレ
フィンの種類によっても異なるが、30/70〜95/
5であることが好ましい。
重合体ゴムにおいては、プロピレンとα- オレフィンと
のモル比(プロピレン/α- オレフィン)は、α- オレ
フィンの種類によっても異なるが、30/70〜95/
5であることが好ましい。
【0100】上記のようなα−オレフィン共重合体ゴム
は、該α−オレフィン共重合体ゴムの特性を損なわない
範囲内で、上記α−オレフィンと共重合可能なジエン化
合物などから誘導される構成単位を含有していてもよ
い。
は、該α−オレフィン共重合体ゴムの特性を損なわない
範囲内で、上記α−オレフィンと共重合可能なジエン化
合物などから誘導される構成単位を含有していてもよ
い。
【0101】このようなジエン化合物としては、具体的
に、1,4-ヘキサジエン、1,6-オクタジエン、2-メチル-
1,5-ヘキサジエン、6-メチル-1,5-ヘプタジエン、7-メ
チル-1,6-オクタジエンなどの鎖状非共役ジエン、シク
ロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラ
ヒドロインデン、5-ビニルノルボルネン、5-エチリデン
-2-ノルボルネン、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-イソ
プロピリデン-2-ノルボルネン、6-クロロメチル-5-イソ
プロペニル-2-ノルボルネンなどの環状非共役ジエン、
2,3-ジイソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-エチリデ
ン-3-イソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-プロペニル
-2,2-ノルボルナジエンなどのジエン化合物が挙げるこ
とができる。
に、1,4-ヘキサジエン、1,6-オクタジエン、2-メチル-
1,5-ヘキサジエン、6-メチル-1,5-ヘプタジエン、7-メ
チル-1,6-オクタジエンなどの鎖状非共役ジエン、シク
ロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラ
ヒドロインデン、5-ビニルノルボルネン、5-エチリデン
-2-ノルボルネン、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-イソ
プロピリデン-2-ノルボルネン、6-クロロメチル-5-イソ
プロペニル-2-ノルボルネンなどの環状非共役ジエン、
2,3-ジイソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-エチリデ
ン-3-イソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-プロペニル
-2,2-ノルボルナジエンなどのジエン化合物が挙げるこ
とができる。
【0102】このようなジエン化合物は、単独であるい
は組み合わせて使用できる。本発明で用いられるα−オ
レフィン共重合体ゴムは、このようなジエンから誘導さ
れる構成単位を、通常1〜20モル%、好ましくは2〜
15モル%の量で含有していてもよい。
は組み合わせて使用できる。本発明で用いられるα−オ
レフィン共重合体ゴムは、このようなジエンから誘導さ
れる構成単位を、通常1〜20モル%、好ましくは2〜
15モル%の量で含有していてもよい。
【0103】本発明では、グラフト変性されるα- オレ
フィン共重合体ゴムとして、これらの中でも、エチレン
含有量30〜95モル%、結晶化度10%以下のエチレ
ン・プロピレン共重合体ゴムまたはエチレン・α- オレ
フィン共重合体ゴムを使用することが特に好ましい。
フィン共重合体ゴムとして、これらの中でも、エチレン
含有量30〜95モル%、結晶化度10%以下のエチレ
ン・プロピレン共重合体ゴムまたはエチレン・α- オレ
フィン共重合体ゴムを使用することが特に好ましい。
【0104】これらはグラフト変性に際して、単独で用
いてもあるいは2種以上組み合わせて用いてもよい。本
発明で用いられるグラフト変性ゴム状弾性体[C]は、
上記のようなα−オレフィン共重合体ゴムの一部あるい
は全部が変性剤によりグラフト変性されていてよい。
いてもあるいは2種以上組み合わせて用いてもよい。本
発明で用いられるグラフト変性ゴム状弾性体[C]は、
上記のようなα−オレフィン共重合体ゴムの一部あるい
は全部が変性剤によりグラフト変性されていてよい。
【0105】変性剤としては、具体的に、不飽和カルボ
ン酸またはその誘導体が挙げられ、アクリル酸、マレイ
ン酸、フマール酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン
酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジ
ック酸TM(エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エ
ン-2,3-ジカルボン酸)などの不飽和カルボン酸、およ
びこれらの誘導体たとえば酸ハライド、アミド、イミ
ド、無水物、エステルなどが挙げられ、より具体的に、
塩化マレニル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シト
ラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチ
ル、グリシジルマレエートなどが挙げられる。
ン酸またはその誘導体が挙げられ、アクリル酸、マレイ
ン酸、フマール酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン
酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジ
ック酸TM(エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エ
ン-2,3-ジカルボン酸)などの不飽和カルボン酸、およ
びこれらの誘導体たとえば酸ハライド、アミド、イミ
ド、無水物、エステルなどが挙げられ、より具体的に、
塩化マレニル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シト
ラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチ
ル、グリシジルマレエートなどが挙げられる。
【0106】これらのうちでは、不飽和ジカルボン酸ま
たはその酸無水物が好ましく、特にマレイン酸、ナジッ
ク酸TMが好ましい。これらは単独であるいは2種以上組
み合わせて用いられる。
たはその酸無水物が好ましく、特にマレイン酸、ナジッ
ク酸TMが好ましい。これらは単独であるいは2種以上組
み合わせて用いられる。
【0107】本発明で用いられるグラフト変性ゴム状弾
性体[C]は、上記のような不飽和カルボン酸またはそ
の誘導体のグラフト量が0.01〜10重量%、好まし
くは0.1〜5重量%である。
性体[C]は、上記のような不飽和カルボン酸またはそ
の誘導体のグラフト量が0.01〜10重量%、好まし
くは0.1〜5重量%である。
【0108】このような不飽和カルボン酸またはその誘
導体などの変性剤を、前記α−オレフィン共重合体ゴム
にグラフト共重合して変性物を製造するには、従来公知
の種々の方法を採用することができる。たとえばα−オ
レフィン共重合体ゴムを溶融させ変性剤を添加してグラ
フト共重合させる方法あるいは溶媒に溶解させ変性剤を
添加してグラフト共重合させる方法がある。いずれの場
合にも、前記変性剤を効率よくグラフト共重合させるた
めには、ラジカル開始剤の存在下に反応を実施すること
が好ましい。グラフト反応は、通常60〜350℃の温
度で行われる。
導体などの変性剤を、前記α−オレフィン共重合体ゴム
にグラフト共重合して変性物を製造するには、従来公知
の種々の方法を採用することができる。たとえばα−オ
レフィン共重合体ゴムを溶融させ変性剤を添加してグラ
フト共重合させる方法あるいは溶媒に溶解させ変性剤を
添加してグラフト共重合させる方法がある。いずれの場
合にも、前記変性剤を効率よくグラフト共重合させるた
めには、ラジカル開始剤の存在下に反応を実施すること
が好ましい。グラフト反応は、通常60〜350℃の温
度で行われる。
【0109】ラジカル開始剤は、変性されるα−ランダ
ム共重合体100重量部に対して、通常0.001〜1
重量部の量で用いられる。ラジカル開始剤としては、有
機ペルオキシド、有機ペルエステル、アゾ化合物が挙げ
られ、より具体的には、ベンゾイルペルオキシド、ジク
ロルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、
ジ-tert-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル‐2,5-ジ
(ペルオキシドベンゾエート)ヘキシン-3、1,4-ビス
(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラ
ウロイルペルオキシド、2,5-ジメチル‐2,5-ジ(tert-
ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、2,5-ジメチル‐2,5-ジ
(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、tert-ブチルペル
アセテート、tert-ブチルペルベンゾエート、tert-ブチ
ルペルフェニルアセテート、tert-ブチルペルイソブチ
レート、tert-ブチルペル-sec-オクトエート、tert-ブ
チルペルビパレート、クミルペルビパレート、tert-ブ
チルペルジエチルアセテート、アゾビスイソブチロニト
リル、ジメチルアゾイソブチレートなどが挙げられる。
ム共重合体100重量部に対して、通常0.001〜1
重量部の量で用いられる。ラジカル開始剤としては、有
機ペルオキシド、有機ペルエステル、アゾ化合物が挙げ
られ、より具体的には、ベンゾイルペルオキシド、ジク
ロルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、
ジ-tert-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル‐2,5-ジ
(ペルオキシドベンゾエート)ヘキシン-3、1,4-ビス
(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラ
ウロイルペルオキシド、2,5-ジメチル‐2,5-ジ(tert-
ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、2,5-ジメチル‐2,5-ジ
(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、tert-ブチルペル
アセテート、tert-ブチルペルベンゾエート、tert-ブチ
ルペルフェニルアセテート、tert-ブチルペルイソブチ
レート、tert-ブチルペル-sec-オクトエート、tert-ブ
チルペルビパレート、クミルペルビパレート、tert-ブ
チルペルジエチルアセテート、アゾビスイソブチロニト
リル、ジメチルアゾイソブチレートなどが挙げられる。
【0110】これらのうち、ジクミルペルオキシド、ジ
-tert-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル‐2,5-ジ(te
rt-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、2,5-ジメチル‐2,5
-ジ(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,4-ビス(te
rt-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなどのジ
アルキルペルオキシドが好ましく用いられる。
-tert-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル‐2,5-ジ(te
rt-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、2,5-ジメチル‐2,5
-ジ(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,4-ビス(te
rt-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなどのジ
アルキルペルオキシドが好ましく用いられる。
【0111】本発明では、グラフト変性ゴム状弾性体と
ともに、必要に応じて、上記のような未変性のα−オレ
フィンランダム共重合体、さらにSBS、SIS、SE
BS、SEPSなどのスチレン系ブロック共重合体、ポ
リイソプレン、ポリブタジエン、フッ素ゴム、シリコン
ゴム、SBR、ニトリルゴムなどが用いられてもよい。
ともに、必要に応じて、上記のような未変性のα−オレ
フィンランダム共重合体、さらにSBS、SIS、SE
BS、SEPSなどのスチレン系ブロック共重合体、ポ
リイソプレン、ポリブタジエン、フッ素ゴム、シリコン
ゴム、SBR、ニトリルゴムなどが用いられてもよい。
【0112】[D]結晶性樹脂 本発明で用いられる[D]結晶性樹脂は、X線回折法に
よって測定した結晶化度が、30%を超えており、好ま
しくは40%以上、さらに好ましくは50%以上であ
る。またこの[D]結晶性樹脂は、23℃で測定される
弾性率が、2000kg/cm2 以上、好ましくは2000
〜30000kg/cm2 、さらに好ましくは3000〜2
0000kg/cm2 である。なおこの弾性率は、上記と同
様に試験片形状をASTM TYPE−IVに準拠して測
定された値である。
よって測定した結晶化度が、30%を超えており、好ま
しくは40%以上、さらに好ましくは50%以上であ
る。またこの[D]結晶性樹脂は、23℃で測定される
弾性率が、2000kg/cm2 以上、好ましくは2000
〜30000kg/cm2 、さらに好ましくは3000〜2
0000kg/cm2 である。なおこの弾性率は、上記と同
様に試験片形状をASTM TYPE−IVに準拠して測
定された値である。
【0113】本発明で用いられる結晶性樹脂[D]とし
ては、具体的に、炭素数2〜20のα−オレフィンを一
成分として含むポリオレフィン、ポリアミド、ポリエス
テルなどが挙げられる。より具体的には、ポリエチレ
ン、エチレン・1-ブテン共重合体、エチレン・4-メチル
-1-ペンテン共重合体、エチレン・1-ヘキセン共重合
体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・(メ
タ)アクリル酸共重合体またはその金属塩、エチレン・
グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、ポリプロピ
レン、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・非
共役ジエン共重合体、プロピレン・エチレン・非共役ジ
エン共重合体、プロピレン・1-ブテン共重合体、ポリ1-
ブテン、1-ブテン・4-メチル-1-ペンテン共重合体、ポ
リ4-メチル-1-ペンテン、ポリ3-メチル-1-ブテンなどの
結晶性ポリオレフィン、ナイロン-6、ナイロン-66、ナ
イロン-610、ナイロン-11、ナイロン-612、ナイロン-1
2、ナイロンMXD6、ナイロン-46、メトキシメチル化
ポリアミド、ポリヘキサメチレンジアミンテレフタルア
ミド、ポリヘキサメチレンジアミンイソフタルアミドな
どのポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリプ
ロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリシクロヘ
キシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン-2,6
-ナフタレート、ポリカプロラクトンなどのポリエステ
ルが挙げられる。
ては、具体的に、炭素数2〜20のα−オレフィンを一
成分として含むポリオレフィン、ポリアミド、ポリエス
テルなどが挙げられる。より具体的には、ポリエチレ
ン、エチレン・1-ブテン共重合体、エチレン・4-メチル
-1-ペンテン共重合体、エチレン・1-ヘキセン共重合
体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・(メ
タ)アクリル酸共重合体またはその金属塩、エチレン・
グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、ポリプロピ
レン、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・非
共役ジエン共重合体、プロピレン・エチレン・非共役ジ
エン共重合体、プロピレン・1-ブテン共重合体、ポリ1-
ブテン、1-ブテン・4-メチル-1-ペンテン共重合体、ポ
リ4-メチル-1-ペンテン、ポリ3-メチル-1-ブテンなどの
結晶性ポリオレフィン、ナイロン-6、ナイロン-66、ナ
イロン-610、ナイロン-11、ナイロン-612、ナイロン-1
2、ナイロンMXD6、ナイロン-46、メトキシメチル化
ポリアミド、ポリヘキサメチレンジアミンテレフタルア
ミド、ポリヘキサメチレンジアミンイソフタルアミドな
どのポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリプ
ロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリシクロヘ
キシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン-2,6
-ナフタレート、ポリカプロラクトンなどのポリエステ
ルが挙げられる。
【0114】これらのうち、結晶性ポリオレフィンが好
ましい。またこれらは、不飽和カルボン酸(無水物)お
よびそのエステルなどエチレン性不飽和二重結合を有す
る化合物でグラフト変性されていてもよい。
ましい。またこれらは、不飽和カルボン酸(無水物)お
よびそのエステルなどエチレン性不飽和二重結合を有す
る化合物でグラフト変性されていてもよい。
【0115】上記のような結晶性樹脂[D]は、単独で
あるいは組合わせて用いられる。環状オレフィン系樹脂組成物 本発明に係る環状オレフィン系樹脂組成物は、上述した
ように[A]環状オレフィン系樹脂と[B]鉱物油系軟
化剤と[C]グラフト変性ゴム状弾性体とからなってお
り、必要に応じて[D]結晶性樹脂を含んでいてもよ
い。
あるいは組合わせて用いられる。環状オレフィン系樹脂組成物 本発明に係る環状オレフィン系樹脂組成物は、上述した
ように[A]環状オレフィン系樹脂と[B]鉱物油系軟
化剤と[C]グラフト変性ゴム状弾性体とからなってお
り、必要に応じて[D]結晶性樹脂を含んでいてもよ
い。
【0116】このような本発明に係る環状オレフィン系
樹脂組成物は、[A]環状オレフィン系樹脂を100重
量部の量で、[B]鉱物油系軟化剤を0.1〜900重
量部、好ましくは1〜500重量部、特に好ましくは1
〜200重量部の量で、[C]グラフト変性ゴム状弾性
体を、0.5〜900重量部、好ましくは1〜500重
量部、さらに好ましくは10〜100重量部の量で含有
している。
樹脂組成物は、[A]環状オレフィン系樹脂を100重
量部の量で、[B]鉱物油系軟化剤を0.1〜900重
量部、好ましくは1〜500重量部、特に好ましくは1
〜200重量部の量で、[C]グラフト変性ゴム状弾性
体を、0.5〜900重量部、好ましくは1〜500重
量部、さらに好ましくは10〜100重量部の量で含有
している。
【0117】また本発明に係る環状オレフィン系樹脂組
成物は、[D]結晶性樹脂を含有する場合には、[A]
環状オレフィン系樹脂100重量部に対して1〜900
重量部、好ましくは5〜500重量部、さらに好ましく
は10〜100重量部の量で含有している。
成物は、[D]結晶性樹脂を含有する場合には、[A]
環状オレフィン系樹脂100重量部に対して1〜900
重量部、好ましくは5〜500重量部、さらに好ましく
は10〜100重量部の量で含有している。
【0118】このような[D]結晶性樹脂を含有する環
状オレフィン系樹脂組成物は、特に耐熱性に優れてい
る。本発明に係る環状オレフィン系樹脂組成物は、機械
的特性、耐熱性、耐寒性、耐候性および柔軟性に優れる
とともに柔軟性の温度依存性が小さい成形体を形成しう
る。さらに本発明に係る環状オレフィン系樹脂組成物
は、耐傷付き性、耐ガソリン性などにも優れている。
状オレフィン系樹脂組成物は、特に耐熱性に優れてい
る。本発明に係る環状オレフィン系樹脂組成物は、機械
的特性、耐熱性、耐寒性、耐候性および柔軟性に優れる
とともに柔軟性の温度依存性が小さい成形体を形成しう
る。さらに本発明に係る環状オレフィン系樹脂組成物
は、耐傷付き性、耐ガソリン性などにも優れている。
【0119】本発明に係る環状オレフィン系樹脂組成物
は、本発明の目的を損なわない範囲で、所望により他の
成分たとえば架橋剤、架橋助剤、安定剤、難燃剤、顔
料、フィラーなどを含有していてもよい。
は、本発明の目的を損なわない範囲で、所望により他の
成分たとえば架橋剤、架橋助剤、安定剤、難燃剤、顔
料、フィラーなどを含有していてもよい。
【0120】このような環状オレフィン系樹脂組成物
は、従来公知の方法を適用して調製することができる。
具体的には、環状オレフィン系樹脂[A]と鉱物油系軟
化剤[B]とグラフト変性ゴム状弾性体[C]と必要に
応じて結晶性樹脂[D]とさらに上記他の成分を押出
機、ニーダー、ロール、攪拌翼付反応器などで機械的に
ブレンドする方法、これら各成分を適当な良溶媒、例え
ばヘキサン、ヘプタン、デカン、シクロヘキサン、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、塩化メチレン、クロロホル
ム、四塩化炭素等の溶媒に溶解し、またはそれぞれ別々
に溶解した後混合し、溶媒を除去する方法、環状オレフ
ィン系樹脂[A]と鉱物油系軟化剤[B]とを混合し、
加熱含浸させた後、グラフト変性ゴム状弾性体[C]と
必要に応じて結晶性樹脂[D]とを加えて混練する方
法、環状オレフィン系樹脂[A]を水などの貧溶媒に分
散させ、鉱物油系軟化剤[B]を加えた後、攪拌下加熱
含浸させた後、グラフト変性ゴム状弾性体[C]と必要
に応じて結晶性樹脂[D]とを加えて混練する方法、環
状オレフィン系樹脂[A]とグラフト変性ゴム状弾性体
[C]と必要に応じて結晶性樹脂[D]とを混練してペ
レットを形成した後、このペレットを溶融して鉱物油系
軟化剤[B]を添加する方法、さらにはこれらの方法を
組み合わせた方法などを挙げることができる。
は、従来公知の方法を適用して調製することができる。
具体的には、環状オレフィン系樹脂[A]と鉱物油系軟
化剤[B]とグラフト変性ゴム状弾性体[C]と必要に
応じて結晶性樹脂[D]とさらに上記他の成分を押出
機、ニーダー、ロール、攪拌翼付反応器などで機械的に
ブレンドする方法、これら各成分を適当な良溶媒、例え
ばヘキサン、ヘプタン、デカン、シクロヘキサン、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、塩化メチレン、クロロホル
ム、四塩化炭素等の溶媒に溶解し、またはそれぞれ別々
に溶解した後混合し、溶媒を除去する方法、環状オレフ
ィン系樹脂[A]と鉱物油系軟化剤[B]とを混合し、
加熱含浸させた後、グラフト変性ゴム状弾性体[C]と
必要に応じて結晶性樹脂[D]とを加えて混練する方
法、環状オレフィン系樹脂[A]を水などの貧溶媒に分
散させ、鉱物油系軟化剤[B]を加えた後、攪拌下加熱
含浸させた後、グラフト変性ゴム状弾性体[C]と必要
に応じて結晶性樹脂[D]とを加えて混練する方法、環
状オレフィン系樹脂[A]とグラフト変性ゴム状弾性体
[C]と必要に応じて結晶性樹脂[D]とを混練してペ
レットを形成した後、このペレットを溶融して鉱物油系
軟化剤[B]を添加する方法、さらにはこれらの方法を
組み合わせた方法などを挙げることができる。
【0121】調製に際して、これら[A]、[B]、
[C]、[D]成分は、同時にまたは別々に添加されて
よく、添加順序も問われない。本発明に係る環状オレフ
ィン系樹脂組成物は、一般的なポリマーの成形方法によ
り使用目的に応じて適宜成形される。これらのうちで
も、特に射出成形、押出成形用途に好適に用いられる。
[C]、[D]成分は、同時にまたは別々に添加されて
よく、添加順序も問われない。本発明に係る環状オレフ
ィン系樹脂組成物は、一般的なポリマーの成形方法によ
り使用目的に応じて適宜成形される。これらのうちで
も、特に射出成形、押出成形用途に好適に用いられる。
【0122】
【発明の効果】本発明に係る環状オレフィン系樹脂組成
物は、機械的特性、耐熱性、耐寒性、耐候性に優れ、耐
傷付き性および耐ガソリン性にも優れる。
物は、機械的特性、耐熱性、耐寒性、耐候性に優れ、耐
傷付き性および耐ガソリン性にも優れる。
【0123】このような環状オレフィン系樹脂組成物の
射出成形体および押出成形体は、自動車内装用表皮材、
自動車用サイドモール、ウィンドモール、ハンドル用被
覆材、シフトレバーなどのグリップ部材、シート、レザ
ーなどとして好適に用いられる。
射出成形体および押出成形体は、自動車内装用表皮材、
自動車用サイドモール、ウィンドモール、ハンドル用被
覆材、シフトレバーなどのグリップ部材、シート、レザ
ーなどとして好適に用いられる。
【0124】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は、これら実施例に限定されるものではない。 [評価方法] (1) メルトフローレート(MFR);ASTM D12
38に従い、230℃、2.16kgの条件で測定した。
但し、ブレンド物についてはこの条件下ではほとんど流
動しなかったので、230℃、10kgの条件で測定し
た。 (2) 引張試験;ASTM D1822−68に従い、A
STM D638に記載の4号ダンベル試験片を用いて
23℃にて測定した。試験片は、射出成形機(東芝製、
ISO−55EPN)により、射出圧力50kg/cm2、
シリンダー温度250℃および水冷した金型を用いて作
製した。 (3) 曲げ試験;ASTM D790に準拠して、試験し
た。前述の射出成形条件で作製された厚さ1/8インチ
の試験片を用いて23℃にて行った。 (4) アイゾット衝撃強度(IZ);ASTM D256
に準拠して、試験した。前述の射出成形条件で作製され
た厚さ1/8インチのノッチ付きの試験片を用いて23
℃にて行った。 (5) 熱変形温度(HDT);ASTM D648に準拠
して、試験した。 (6) 表面硬度(鉛筆硬度);JIS K−6301に記
載されているJIS Aタイプの方法で測定した。 (7) 耐薬品性;プレス試験片を用いてガソリンを滴下し
て24時間放置後、表面を拭き取り表面状態の変化を以
下の3段階により評価した。
発明は、これら実施例に限定されるものではない。 [評価方法] (1) メルトフローレート(MFR);ASTM D12
38に従い、230℃、2.16kgの条件で測定した。
但し、ブレンド物についてはこの条件下ではほとんど流
動しなかったので、230℃、10kgの条件で測定し
た。 (2) 引張試験;ASTM D1822−68に従い、A
STM D638に記載の4号ダンベル試験片を用いて
23℃にて測定した。試験片は、射出成形機(東芝製、
ISO−55EPN)により、射出圧力50kg/cm2、
シリンダー温度250℃および水冷した金型を用いて作
製した。 (3) 曲げ試験;ASTM D790に準拠して、試験し
た。前述の射出成形条件で作製された厚さ1/8インチ
の試験片を用いて23℃にて行った。 (4) アイゾット衝撃強度(IZ);ASTM D256
に準拠して、試験した。前述の射出成形条件で作製され
た厚さ1/8インチのノッチ付きの試験片を用いて23
℃にて行った。 (5) 熱変形温度(HDT);ASTM D648に準拠
して、試験した。 (6) 表面硬度(鉛筆硬度);JIS K−6301に記
載されているJIS Aタイプの方法で測定した。 (7) 耐薬品性;プレス試験片を用いてガソリンを滴下し
て24時間放置後、表面を拭き取り表面状態の変化を以
下の3段階により評価した。
【0125】○ … 変退色なし △ … かなり変色する × … 膨潤および溶解 (8) 耐傷付き性;プレス試験本に爪を押し立てた後、表
面を観察し以下の3段階により評価した。
面を観察し以下の3段階により評価した。
【0126】○ … PVC並み △ … ややPVCより劣る × … 傷つき易い
【0127】
【実施例1、2、3および4】以下に示す各成分を用い
て表1に示すような環状オレフィン系樹脂組成物を調製
した。
て表1に示すような環状オレフィン系樹脂組成物を調製
した。
【0128】[A]環状オレフィン系樹脂;エチレンと
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセンとのラン
ダム共重合体のマレイン酸変性物。マレイン酸の変性量
は0.96重量%である。
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセンとのラン
ダム共重合体のマレイン酸変性物。マレイン酸の変性量
は0.96重量%である。
【0129】(なお未変性のランダム共重合体は、13C
−NMRで測定したエチレン含量が79.8モル%であ
り、230℃、2160gの条件で測定したMFRが3
9.0g/10分であり、135℃デカリン中で測定した
極限粘度[η]が0.59dl/gであり、ガラス転移温
度(Tg)が74℃である。) [B]鉱物油系軟化剤;日本サン石油社製、サンセンオ
イル480(40℃における粘度144.2cSt) [C]グラフト変性ゴム状弾性体;無水マレイン酸変性
EPR(エチレンプロピレンランダム共重合体) マレイン酸のグラフト変性量は1.01重量%である。
−NMRで測定したエチレン含量が79.8モル%であ
り、230℃、2160gの条件で測定したMFRが3
9.0g/10分であり、135℃デカリン中で測定した
極限粘度[η]が0.59dl/gであり、ガラス転移温
度(Tg)が74℃である。) [B]鉱物油系軟化剤;日本サン石油社製、サンセンオ
イル480(40℃における粘度144.2cSt) [C]グラフト変性ゴム状弾性体;無水マレイン酸変性
EPR(エチレンプロピレンランダム共重合体) マレイン酸のグラフト変性量は1.01重量%である。
【0130】(弾性率(FM)が、120kg/cm2であ
り、ガラス転移温度(Tg)が−52℃であり、結晶化
度が4%であり、MFRが0.6g/10分である。)
り、ガラス転移温度(Tg)が−52℃であり、結晶化
度が4%であり、MFRが0.6g/10分である。)
【0131】[D]結晶性樹脂;ナイロン6(東レ
(株)製、アミランTM CM-1007) (弾性率が26000kg/cm2、結晶化度31%) 上記各成分(ペレット)を表1に示す量で混合し、二軸
混練押出機(L/D=32)により、樹脂温度240℃
にて溶融混練した。但し、鉱物油系軟化剤であるサンセ
ンオイル480は、シリンダーのほぼ中間位置からポン
プにより溶融物中に注入して均一に相溶させた。
(株)製、アミランTM CM-1007) (弾性率が26000kg/cm2、結晶化度31%) 上記各成分(ペレット)を表1に示す量で混合し、二軸
混練押出機(L/D=32)により、樹脂温度240℃
にて溶融混練した。但し、鉱物油系軟化剤であるサンセ
ンオイル480は、シリンダーのほぼ中間位置からポン
プにより溶融物中に注入して均一に相溶させた。
【0132】得られた各組成物を射出成形して、得られ
た成形体について、上記の試験を行った。結果を表1に
示す。
た成形体について、上記の試験を行った。結果を表1に
示す。
【0133】
【表1】
【0134】表1中、NBは破壊せずを意味する。
【0135】
【参考例1、2、3および4】実施例1および2におい
て、無水マレイン酸変性EPRに代えて未変性EPRを
用いた以外は実施例と同様にして表1に示す組成物を得
た。
て、無水マレイン酸変性EPRに代えて未変性EPRを
用いた以外は実施例と同様にして表1に示す組成物を得
た。
【0136】実施例と同様にして測定した各物性を表1
に示す。
に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 91/00 LSJ 7415−4J (72)発明者 広 瀬 敏 行 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内 (72)発明者 豊 田 昭 徳 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】[A] 下記[A-1]、[A-2]、[A-3]
および[A-4]からなる群から選ばれる少なくとも1種
の環状オレフィン系樹脂;100重量部と、 [B] 鉱物油系軟化剤;0.1〜900部と、 [C] 23℃における弾性率(FM)が0.1〜10
000kg/cm2であり、ガラス転移点(Tg)が30℃
以下であり、かつ結晶化度が30%以下であるグラフト
変性ゴム状弾性体;0.5〜900部とからなることを
特徴とする環状オレフィン系樹脂組成物: [A-1]エチレンと下記一般式[I]または[II]で表
される環状オレフィンとを共重合させて得られるエチレ
ン・環状オレフィンランダム共重合体、 【化1】 …[I] (ただし上記式[I]において、nは0または1であ
り、mは0または正の整数であり、qは0または1であ
り、R1 〜R18ならびにRa およびRb は、それぞれ独
立に、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基であ
り、R15〜R18は、互いに結合して単環または多環を形
成していてもよく、かつ該単環または多環が二重結合を
有していてもよく、またR15とR16とで、またはR17と
R18とでアルキリデン基を形成していてもよい。)、 【化2】 …[II] (ただし上記式[II]において、pおよびqは0または
正の整数であり、mおよびnは0、1または2であり、
R1 〜R19はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原
子、炭化水素基またはアルコキシ基であり、R9 または
R10が結合している炭素原子と、R13が結合している炭
素原子またはR11が結合している炭素原子とは直接ある
いは炭素数1〜3のアルキレン基を介して結合していて
もよく、またn=m=0のときR15とR12またはR15と
R19とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形
成していてもよい。)、[A-2]上記式[I]または[I
I]で表される環状オレフィンの開環重合体または共重
合体、[A-3]上記[A-2]開環重合体または共重合体の
水素化物、および[A-4]上記[A-1]、[A-2]または
[A-3]のグラフト変性物。 - 【請求項2】[A] 下記[A-1]、[A-2]、[A-3]
および[A-4]からなる群から選ばれる少なくとも1種
の環状オレフィン系樹脂;100重量部と、 [B] 鉱物油系軟化剤;0.1〜900部と、 [C] 23℃における弾性率(FM)が0.1〜10
000kg/cm2であり、ガラス転移点(Tg)が30℃
以下であり、かつ結晶化度が30%以下であるグラフト
変性ゴム状弾性体;0.5〜900部と [D] 結晶化度が30%を超え、23℃における弾性
率が2000Kg/cm2 以上である結晶性樹脂;1〜90
0重量部とからなることを特徴とする環状オレフィン系
樹脂組成物: [A-1]エチレンと下記一般式[I]または[II]で表
される環状オレフィンとを共重合させて得られるエチレ
ン・環状オレフィンランダム共重合体、 【化3】 …[I] (ただし上記式[I]において、nは0または1であ
り、mは0または正の整数であり、qは0または1であ
り、R1 〜R18ならびにRa およびRb は、それぞれ独
立に、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基であ
り、R15〜R18は、互いに結合して単環または多環を形
成していてもよく、かつ該単環または多環が二重結合を
有していてもよく、またR15とR16とで、またはR17と
R18とでアルキリデン基を形成していてもよい。)、 【化4】 …[II] (ただし上記式[II]において、pおよびqは0または
正の整数であり、mおよびnは0、1または2であり、
R1 〜R19はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原
子、炭化水素基またはアルコキシ基であり、R9 または
R10が結合している炭素原子と、R13が結合している炭
素原子またはR11が結合している炭素原子とは直接ある
いは炭素数1〜3のアルキレン基を介して結合していて
もよく、またn=m=0のときR15とR12またはR15と
R19とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形
成していてもよい。)、[A-2]上記式[I]または[I
I]で表される環状オレフィンの開環重合体または共重
合体、[A-3]上記[A-2]開環重合体または共重合体の
水素化物、および[A-4]上記[A-1]、[A-2]または
[A-3]のグラフト変性物。 - 【請求項3】[C]グラフト変性ゴム状弾性体が、無水
マレイン酸変性エチレン・α−オレフィンランダム共重
合体であることを特徴とする請求項1または2に記載の
環状オレフィン系樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33317792A JPH06179781A (ja) | 1992-12-14 | 1992-12-14 | 環状オレフィン系樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33317792A JPH06179781A (ja) | 1992-12-14 | 1992-12-14 | 環状オレフィン系樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06179781A true JPH06179781A (ja) | 1994-06-28 |
Family
ID=18263166
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33317792A Pending JPH06179781A (ja) | 1992-12-14 | 1992-12-14 | 環状オレフィン系樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06179781A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5592239A (en) * | 1993-07-14 | 1997-01-07 | Sony Corporation | Projector device |
WO1999052980A1 (fr) * | 1998-04-09 | 1999-10-21 | Nippon Zeon Co., Ltd. | Composition de resine alicyclique |
EP0965614A1 (de) * | 1998-06-16 | 1999-12-22 | Ticona GmbH | Schlagzähe Cycloolefin-Copolymer-Legierung |
-
1992
- 1992-12-14 JP JP33317792A patent/JPH06179781A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5592239A (en) * | 1993-07-14 | 1997-01-07 | Sony Corporation | Projector device |
WO1999052980A1 (fr) * | 1998-04-09 | 1999-10-21 | Nippon Zeon Co., Ltd. | Composition de resine alicyclique |
JP2001098130A (ja) * | 1998-04-09 | 2001-04-10 | Nippon Zeon Co Ltd | 軟質重合体配合樹脂組成物 |
US6730736B1 (en) | 1998-04-09 | 2004-05-04 | Nippon Zeon Co., Ltd. | Alicyclyc structure-containing resin composition |
EP0965614A1 (de) * | 1998-06-16 | 1999-12-22 | Ticona GmbH | Schlagzähe Cycloolefin-Copolymer-Legierung |
US6225407B1 (en) | 1998-06-16 | 2001-05-01 | Ticona Gmbh | Polymer blend |
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