JP3255721B2 - 環状オレフィン系共重合体組成物およびその製造方法 - Google Patents

環状オレフィン系共重合体組成物およびその製造方法

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JP3255721B2 JP25321092A JP25321092A JP3255721B2 JP 3255721 B2 JP3255721 B2 JP 3255721B2 JP 25321092 A JP25321092 A JP 25321092A JP 25321092 A JP25321092 A JP 25321092A JP 3255721 B2 JP3255721 B2 JP 3255721B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は優れた耐フロン性、接着性
を有する環状オレフィン系重合体組成物およびその製造
方法に関する。さらに詳しくは本発明は、耐フロン性に
優れると共に、接着剤などを用いない場合であっても例
えば発泡ポリウレタンなどと優れた接着性を有する変性
環状オレフィン系重合体組成物およびその製造方法に関
する。
【0002】
【発明の技術的背景】環状オレフィンランダム共重合
体、環状オレフィン開環(共)重合体および開環(共)
重合体の水素添加物である環状オレフィン系樹脂は、耐
熱性、寸法安定性、耐薬品性、電気特性、機械強度、成
形性などの特性に優れた樹脂である。例えば、特開昭60
-168,708号、同61-115,912号、同61-115,916号、同62-1
20,816号等の公報には、上記環状オレフィンランダム共
重合体について詳細に記載されている。この環状オレフ
ィン系樹脂の有する優れた特性を利用して、環状オレフ
ィン系樹脂を電化製品、装飾品および自動車等の内装部
材等として使用しようとする試みがなされている。しか
し、この環状オレフィン系樹脂を内装部材等として使用
する場合には、耐衝撃性などの機械的特性についてはさ
らに改善の余地がある。
【0003】こうした環状オレフィン系樹脂の特性を改
善すべく、環状オレフィン系樹脂に弾性共重合体を配合
するとの試みがなされているが、この場合に環状オレフ
ィン系樹脂と弾性共重合体との相溶性が良好ではなく、
単に両者を配合してもその改善効果は充分には発現しな
いことがある。例えば、環状オレフィンランダム共重合
体の耐衝撃性を改善する方法として、ポリプロピレンを
含む結晶性ポリオレフィンと環状オレフィンランダム共
重合体との組成物が提案されている(特開平1-318,054
号公報参照)。この組成物は、剛性、耐熱性の優れてい
るが、用途によっては、必ずしも充分な耐衝撃性を有し
ていない場合がある。また、この組成物では、ポリプロ
ピレンと環状オレフィンランダム共重合体の相溶性が充
分でないために、成形品に層状剥離を生ずるといった問
題がある。
【0004】ところで、上記のように環状オレフィン系
樹脂自体は本質的に優れた特性を有しているが、例えば
フロンR−123、フロンR−141bのような特定の
フロンに対する耐久性は充分とはいない。例えば、上記
のような内装部材等を製造する際には、発泡樹脂等で裏
打ちすることが多く、この裏打ちする発泡樹脂は、フロ
ン等を用いて発泡させることが多い。従って、例えば、
上記のような用途に使用する場合には、環状オレフィン
系樹脂のフロンに対する耐久性を改善する必要があっ
た。さらに、例えば、上記のようにして裏打ちする場合
には、他の樹脂との接着性が問題になる。従来、発泡ウ
レタン等の樹脂発泡体を用いた裏打ちの際には、樹脂が
発泡する際に発現する接着力と、裏打ちされる成形体の
有する被接着力とを利用して、特に接着剤を用いないで
成形体と樹脂発泡体とを接着する方法が採られる場合が
多い。従って、環状オレフィン系樹脂を内装部材として
使用する場合には、特に他の樹脂、さらには金属などと
の接着性についても改善する必要があった。
【0005】こうした状況下に、本出願人は、環状オレ
フィン系樹脂とゴム弾性と架橋剤とを予め接触させて組
成物を得た後、この組成物にプロピレン系重合体を配合
した組成物の発明について既に出願している(特願平3-
171,406号明細書参照)。
【0006】環状オレフィン系樹脂は、上述のように優
れた特性を有していることから、この環状オレフィン系
樹脂の特性を改善する際には、この環状オレフィン系樹
脂が本質的に有している優れた特性が損なわれず、この
本質的な特性に新たな特性を付加するように改質する必
要がある。
【0007】しかしながら、この点において従来の特性
改善は必ずしも満足すべきものではなかった。
【0008】
【発明の目的】本発明は、環状オレフィン系共重合体の
特性を改善するに際して、環状オレフィン系共重合体が
本質的に有している優れた特性を損なうことなく、環状
オレフィン系共重合体に、優れた耐フロン性、接着性お
よび機械的強度を賦与した組成物を提供することを目的
としている。さらに、本発明は、上記のような特性を有
する環状オレフィン系共重合体組成物を製造する方法を
提供することを目的としている。
【0009】
【発明の概要】本発明の環状オレフィン系共重合体組成
物は、 [A] (a)エチレンと次式[I]または[II]で表わされる環状
オレフィンとのランダム共重合体(a-1)、次式[I]また
は[II]で表わされる環状オレフィンの開環重合体また
は開環共重合体(a-2)、および、該開環重合体または開
環共重合体の水添物(a-3)よりなる群から選ばれる少な
くとも一種類の環状オレフィン系樹脂と、 該環状オレ
フィン系樹脂100重量部に対して、 (b)結晶化度が30%以下で、かつ23℃における引張
モジュラスが0.1〜2000Kg/cm2の範囲内にあるエ
ラストマー;0.5〜50重量部と、上記(a)成分および
(b)成分の合計100重量部に対して、 (c)エチレン性不飽和基含有カルボン酸、その無水物お
よびエチレン性不飽和基含有カルボン酸ヒドロキシアル
キルエステルよりなる群から選ばれる少なくとも一種類
の変性剤;0.1〜10重量部とを 上記(a)成分および(b)成分の合計100重量部に対し
て、少なくとも、ラジカル重合性の官能基を分子内に2
個以上有する化合物を0.005〜10重量部の割合で
配合して、架橋する ことにより形成される変性樹脂組成
物と、 [B] 結晶化度が30%を超え、かつ23℃における引張モジ
ュラスが2000Kg/cm2を超えるポリオレフィン樹脂と
を、1/99〜99/1の重量比で含有することを特徴
としている。
【0010】
【化5】
【0011】…[I] 上記式[I]において、nは0または1であり、mは0
または正の整数であり、rは0または1であり、R1
18ならびにRaおよびRbは、それぞれ独立に、水素原
子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる群から選ば
れる原子もしくは基を表し、R15〜R18は、互いに結合
して単環または多環の基を形成していてもよく、かつ該
単環または多環の基が二重結合を有していてもよく、ま
た、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデ
ン基を形成していてもよい。
【0012】
【化6】
【0013】・・・[II] 上記式[II]において、pおよびqは0または1以上の
整数であり、mおよびnは0、1または2であり、R1
〜R19は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、
脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素
基およびアルコキシ基よりなる群から選ばれる原子もし
くは基を表し、R9が結合している炭素原子とR13が結
合している炭素原子またはR10が結合している炭素原子
とR11が結合している炭素原子とは直接あるいは炭素数
1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよく、ま
た、n=m=0のときR15とR12またはR15とR19とは
互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成してい
てもよい。
【0014】また、本発明の環状オレフィン系共重合体
組成物の製造方法は、 [A] (a)エチレンと上記式[I]または[II]で表わされる環
状オレフィンとのランダム共重合体(a-1)、上記式[I]
または[II]で表わされる環状オレフィンの開環重合体
または開環共重合体(a-2)、および、該開環重合体また
は開環共重合体の水添物(a-3)よりなる群から選ばれる
少なくとも一種類の環状オレフィン系樹脂と、該環状オ
レフィン系樹脂100重量部に対して、 (b)結晶化度が30%以下で、かつ23℃における引張
モジュラスが0.1〜2000Kg/cm2の範囲内にあるエ
ラストマー;0.5〜50重量部とからなる組成物に、 (c)エチレン性不飽和基含有カルボン酸、その無水物お
よびエチレン性不飽和基含有カルボン酸ヒドロキシアル
キルエステルよりなる群から選ばれる少なくとも一種類
の変性剤を、上記(a)成分および(b)成分の合計100重
量部に対して、0.1〜10重量部の量で配合し 上記
(a)成分および(b)成分の合計100重量部に対して、少
なくとも、ラジカル重合性の官能基を分子内に2個以上
有する化合物を0.005〜10重量部の割合で配合し
て、架橋することにより変性樹脂組成物を調製した後、
該変性樹脂組成物と、 [B] 結晶化度が30%を超え、かつ23℃における引張モジ
ュラスが2000Kg/cm2を超えるポリオレフィン樹脂と
を1/99〜99/1の重量比で混合することを特徴と
している。
【0015】本発明の環状オレフィン系共重合体組成物
は、従来の環状オレフィン系樹脂組成物と比較して優れ
た耐フロン性および接着性を示す。
【0016】
【発明の具体的な説明】次に本発明にの環状オレフィン
系共重合体組成物について具体的に説明する。本発明で
使用される(a)成分である環状オレフィン系樹脂は、(a-
1) エチレンと式[I]または[II]で表わされる環状
オレフィンとのランダム共重合体[以下、「環状オレフ
ィンランダム共重合体」と略記することもある]、(a-
2) 式[I]または[II]で表わされる環状オレフィン
の開環重合体または開環共重合体[以下、「開環(共)重
合体」と略記することもある]および(a-3) 上記(a-2)
の開環重合体または開環共重合体の水素添加物[以下、
「水添物」と略記することもある]であり、これらは単
独で使用することもできるし、また組み合わせて使用す
ることもできる。
【0017】ここで環状オレフィンは、次式[I]また
は[II]で表される。
【0018】
【化7】
【0019】…[I] 上記式[I]において、nは0または1であり、mは0
または正の整数であり、rは0または1である。なお、
rが1の場合には、RaおよびRbは、それぞれ独立に、
下記の原子または炭化水素基を表し、rが0の場合に
は、それぞれの結合手が結合して5員環を形成する。
【0020】また、R1〜R18ならびにRaおよびR
bは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または
炭化水素基である。ここで、ハロゲン原子としては、例
えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原
子を挙げることができる。また、炭化水素基としては、
それぞれ独立に、通常は、炭素数1〜20のアルキル
基、炭素数3〜15のシクロアルキル基を挙げることが
できる。より具体的にはアルキル基の例としては、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミル
基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基お
よびオクタデシル基を挙げることができる。またシクロ
アルキル基の例としては、シクロヘキシル基を挙げるこ
とができる。
【0021】さらに、上記式[I]において、R15とR
16とが、R17とR18とが、さらにR1 5とR17とが、R16
とR18とが、R15とR18とが、あるいは、R16とR17
がそれぞれ結合して(互いに共同して)、単環または多
環の構造を形成していてもよく、しかも、このようにし
て形成された単環または多環の構造が二重結合を有して
いてもよい。
【0022】ここで単環または多環の構造の例を以下に
示す。
【0023】
【化8】
【0024】なお、上記の例示した構造において、1お
よび2の番号を賦した炭素原子は、式[I]において、
15(R16)およびR17(R18)で表される基が結合し
ている脂環構造の炭素原子を表す。
【0025】また、R15とR16とで、またはR17とR18
とでアルキリデン基を形成していてもよい。このような
アルキリデン基は、通常は炭素数2〜20のアルキリデ
ン基を挙げることができ、具体的な例としては、エチリ
デン基、プロピリデン基およびイソプロピリデン基を挙
げることができる。
【0026】次に式[II]で表される環状オレフィンに
ついて説明する。
【0027】
【化9】
【0028】・・・[II] 上記式[II]において、pは0または正の整数であり、
好ましくは0〜3である。また上記式[II]において、
mおよびnは0、1または2である。さらに、qは0ま
たは正の整数であり、好ましくは0または1である。
【0029】そして、R1〜R19は、それぞれ独立に、
水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基である。ここ
で、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子およびヨウ素原子を挙げることができ
る。また、炭化水素基の例としては、炭素数1〜10の
アルキル基、炭素数5〜15のシクロアルキル基、炭素
数6〜12の芳香族基を挙げることができる。
【0030】アルキル基の具体的な例としては、メチル
基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、n-アミ
ル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、
n-デシル基および2-エチルヘキシル基等を挙げることが
できる。
【0031】シクロアルキル基の具体的な例としては、
シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基およびエチ
ルシクロヘキシル基等を挙げることができる。また、芳
香族基の具体的な例としては、アリール基およびアラル
キル基を挙げることができ、具体的にはフェニル基、ト
リル基、ナフチル基、ベンジル基、フェニルエチル基お
よびビフェニル基等を挙げることができる。これらの基
は低級アルキル基を有していてもよい。
【0032】また、アルコキシ基の例としては、メトキ
シ基、エトキシ基およびプロポキシ基を挙げることがで
きる。これらの基はハロゲン原子で置換されていてもよ
い。さらに、上記式[II]において、R9およびR10
結合している炭素原子とR1 3が結合している炭素原子ま
たはR11が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭
素数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよ
い。すなわち、上記2個の炭素原子がアルキレン基を介
して結合している場合には、R9およびR13が、また
は、R10およびR11が互いに共同して、メチレン基(-CH
2-)、エチレン基(-CH2CH2-)またはプロピレン基(-CH2CH
2CH2-)のうちのいずれかのアルキル基を形成しているこ
とが好ましい。
【0033】さらに、n=m=0のとき、R15とR12
たはR15とR19とは互いに結合して単環または多環の芳
香族環を形成していてもよい。この場合の好ましい例と
しては、n=m=0のときR15とR12がさらに芳香族環
を形成している以下に記載する基を挙げることができ
る。
【0034】
【化10】
【0035】上記式において、qは式[II]におけるの
と同じ意味である。前記式[I]または[II]で表わさ
れる環状オレフィンは、シクロペンタジエン類と相応す
るオレフィン類あるいは相当する環状オレフィン類と
を、ディールス・アルダー反応を利用して縮合させるこ
とにより製造することができる。
【0036】本発明において使用される上記式[I]ま
たは[II]で表わされる環状オレフィンとしては、具体
的には、以下に記載する化合物およびこれらの誘導体を
挙げることができる。
【0037】ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン誘導体、
トリシクロ[4.3.0.12,5]-3-デセン誘導体、トリシク
ロ[4.3.0.12,5]-3-ウンデセン誘導体、テトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン誘導体、ペンタシク
ロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]-4-ヘキサデセン誘導体、
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]-4-ヘキサデセ
ン誘導体、ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]-3
-ペンタデセン誘導体、ペンタシクロペンタデカジエン
誘導体、ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]-3-
ペンタデセン誘導体、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.1
10,13.02,7.09,14]-4-ヘプタデセン誘導体、ヘプタシ
クロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.011,16]-4-エ
イコセン誘導体、ヘプタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.1
12,17.02,7.011,16]-5-エイコセン誘導体、ヘプタシク
ロ[8.8.0.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]-5-ヘン
エイコセン誘導体、ヘプタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.1
11,18.03,8.012,17]-5-ヘンエイコセン誘導体、オクタ
シクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.
012,17]-5-ドコセン誘導体、ノナシクロ[10.9.1.
14,7.113,20.115,18.03,8.02,10.012,21.014,19]-5-ペ
ンタコセン誘導体、ノナシクロ[10.10.1.15,8.114,21.
116,19.02,11.04,9.013,22.015,20]-5-ヘキサコセン誘
導体。
【0038】1,4-メタノ-1,4,4a,9a-テトラヒドロフル
オレン誘導体、1,4-メタノ-1,4,4a,5,10,10a-ヘキサヒ
ドロアントラセン誘導体、シクロペンタジエン-アセナ
フチレン付加物。
【0039】そして、上記のような式[I]および[I
I]で表される環状オレフィンの具体的な化合物の例と
しては、以下に記載する化合物を挙げることができる。
【0040】
【化11】
【0041】
【化12】
【0042】
【化13】
【0043】
【化14】
【0044】
【化15】
【0045】
【化16】
【0046】
【化17】
【0047】
【化18】
【0048】
【化19】
【0049】
【化20】
【0050】
【化21】
【0051】
【化22】
【0052】
【化23】
【0053】
【化24】
【0054】
【化25】
【0055】
【化26】
【0056】
【化27】
【0057】
【化28】
【0058】
【化29】
【0059】
【化30】
【0060】
【化31】
【0061】
【化32】
【0062】本発明で使用される環状オレフィンランダ
ム共重合体(a-1)は、上記のような環状オレフィンとエ
チレンとの共重合体であり、この共重合体はエチレンか
ら誘導される繰り返し単位を、通常は52〜90モル
%、好ましくは55〜80モル%の範囲内の量で含有
し、環状オレフィンから誘導される繰り返し単位を、通
常は10〜48モル%、好ましくは20〜45モル%の
範囲内の量で含んでいる。上記エチレンから誘導される
繰り返し単位と環状オレフィンから誘導される繰り返し
単位とはランダムに、かつ実質状線状に配列されてい
る。
【0063】この環状オレフィンランダム共重合体(a-
1)は、エチレンおよび前記環状オレフィンを必須成分と
するものであるが、これらの必須の二成分の他に本発明
の目的を損なわない範囲で、必要に応じて他の共重合可
能な不飽和単量体成分を含有していてもよい。任意に共
重合されていてもよい不飽和単量体として、具体的に
は、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-
ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テト
ラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコ
セン等の炭素原子数が3〜20のα-オレフィン等を例
示することができる。環状オレフィンランダム共重合体
(a-1)は、上記他の不飽和単量体から誘導される繰り返
し単位を、エチレンから誘導される繰り返し単位に対し
て、等モル未満の量で含有していてもよい。
【0064】さらに、本発明においては、上記のような
環状オレフィンランダム共重合体を製造するに際して、
得られる重合体等の物性を損なわない範囲で、前記式
[I]または[II]で表される環状オレフィン以外の環
状オレフィンを重合させることもできる。このような環
状オレフィンとしては、例えば、シクロブテン、シクロ
ペンテン、シクロヘキセン、3,4-ジメチルシクロヘキセ
ン、3-メチルシクロヘキセン、2-(2-メチルブチル)-1-
シクロヘキセン、2,3,3a,7a-テトラヒドロ-4,7-メタノ-
1H-インデン、3a,5,6,7a-テトラヒドロ-4,7-メタノ-1H-
インデン等を挙げることができる。このような他の環状
オレフィンは単独で、あるいは組み合わせて使用するこ
とができ、通常、0〜50モル%の量で用いられる。
【0065】環状オレフィンランダム共重合体中におけ
るエチレン組成および環状オレフィン組成は、この共重
合体について13C-NMRを測定することにより測定す
ることができる。また、この環状オレフィンランダム共
重合体が実質状線状であり、ゲル状架橋構造を有してい
ないことは、この共重合体が135℃のデカリンに完全
に溶解することによって確認することができる。
【0066】このような環状オレフィンランダム共重合
体(a-1)について135℃のデカリン中で測定した極限
粘度[η]は、通常は0.05〜10dl/g、好ましくは
0.03〜2dl/g、さらに好ましくは0.4〜1.2dl/g
の範囲内にある。
【0067】また、環状オレフィンランダム共重合体(a
-1)についてサーマル・メカニカル・アナライザーで測
定した軟化温度(TMA)は、通常は70℃以上、好ま
しくは70〜200℃、特に好ましくは100〜180
℃の範囲内にある。
【0068】本発明において、軟化温度(TMA)は、
デュポン社製Thermomechanical Analyser を用いて厚さ
1mmのシートの熱変形挙動により測定した値である。具
体的には、シート上に石英製針をのせてこの石英製針に
荷重49gをかけ、5℃/分の昇温速度で昇温し、石英
製針がシートに0.635mm侵入した温度をTMAとし
た。
【0069】また、環状オレフィンランダム共重合体の
ガラス転移温度(Tg)は、通常は50〜190℃、好
ましくは80〜170℃の範囲内にある。また、この環
状オレフィンランダム共重合体(a-1)についてX線回析
法によって測定した結晶化度は、通常は0〜20%、好
ましくは0〜2%の範囲にある。
【0070】上記のエチレンと式[I]または[II]で
表わされる環状オレフィンとの反応は、通常は、炭化水
素溶媒中で行われる。ここで使用される炭化水素溶媒と
しては脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素および芳香族炭
化水素のいずれの溶媒をも使用することができる。さら
に環状オレフィンランダム共重合体の調製の際に使用で
きる重合性不飽和単量体のうちで反応条件において液体
である化合物を反応溶媒として用いることもできる。こ
れらの溶媒は単独で、あるいは組合わせて使用すること
ができる。
【0071】上記のエチレンと式[I]または[II]で
表わされる環状オレフィンとの反応の際に用いられる触
媒は、通常は、反応溶媒に対して可溶性のバナジウム化
合物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒であ
る。
【0072】この共重合に際して触媒として用いられる
バナジウム化合物としては、式 VO(OR)ab、若
しくは式 V(OR)cdで表わされる化合物を挙げる
ことができる。
【0073】ただし、上記の式において、Rは炭化水素
基であり、0≦a≦3、0≦b≦3、2≦a+b≦3、
0≦c≦4、0≦d≦4、3≦c+d≦4の関係を有す
る。さらにここで使用されるバナジウム化合物は、上記
式で表わされるバナジウム化合物の電子供与体付加物で
あってもよい。ここで付加物を形成する電子供与体の例
としては、炭素原子数1〜18のアルコール類、炭素原
子数6〜20のフェノール類(このフェノール類は、低
級アルキル基を有してもよい)、炭素原子数3〜15の
ケトン類、炭素原子数2〜15のアルデヒド類、炭素原
子数2〜30の有機酸エステル類、炭素原子数2〜15
の酸ハライド類、炭素原子数2〜20のエーテル類、ア
ミン類、アルコキシシラン類を挙げることができる。こ
れらの電子供与体は、単独であるいは組合わせて使用す
ることができる。
【0074】この共重合に際して使用される有機アルミ
ニウム化合物は、分子内に少なくとも1個のAl-炭素
結合を有する化合物である。この有機アルミニウム化合
物の例としては、(i)式 R1 mAl(OR2npq
で表わされる有機アルミニウム化合物(ここでR1およ
びR2は、それぞれ独立に、炭素原子数が通常は1〜1
5個、好ましくは1〜4個の炭化水素基を表し、Xはハ
ロゲン、mは0≦m≦3、nは0≦n<3、pは0≦n
<3、qは0≦q<3の数であって、しかもm+n+p
+q=3である)、(ii)式 M1AlR1 4 で表わされ
る第I族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物(ここ
でM1はLi、NaまたはKであり、R1は前記と同じ意味
である)を挙げることができる。
【0075】上記の反応において、バナジウム化合物の
使用量は、バナジウム原子として、通常は0.01〜5
グラム原子/リットル、好ましくは0.05〜3グラム
原子/リットルの範囲内にある。また、有機アルミニウ
ム化合物の使用量は、重合反応系内のバナジウム原子に
対するアルミニウム原子の比(Al/V)として表す
と、通常は2以上、好ましくは2〜50、特に好ましく
は3〜20の範囲内にある。
【0076】環状オレフィンランダム共重合体(a-1)中
で、環状オレフィン[I]または[II]は、それぞれ次
式[I-a]または[II-a]で表わされる繰り返し単位を
形成していると考えられる。
【0077】
【化33】
【0078】・・・[I-a] 上記式[I-a]において、n、m、r、R1 〜R18
a、Rbは、前記式[I]におけるのと同じ意味であ
る。
【0079】
【化34】
【0080】・・・[II-a] 上記式[II-a]において、p、q、m、n、R1〜R19
は、前記式[II]におけるのと同じ意味である。
【0081】環状オレフィンの開環重合体または開環共
重合体(a-2)は、前記式[I]または[II]で表される環
状オレフィンの開環重合体または開環共重合体である。
このような環状オレフィン開環重合体または環状オレフ
ィン開環共重合体(a-2)について135℃のデカリン中
で測定した極限粘度[η]は、通常は0.05〜10dl/
g、好ましくは0.03〜2dl/g、さらに好ましくは0.
4〜1.2dl/gの範囲内にある。
【0082】また、環状オレフィン開環重合体または環
状オレフィン開環共重合体(a-2)についてサーマル・メ
カニカル・アナライザーで測定した軟化温度(TMA)
は、通常は70℃以上、好ましくは70〜200℃、特
に好ましくは100〜180℃の範囲内にある。
【0083】また、環状オレフィン開環重合体または環
状オレフィン開環共重合体(a-2)のガラス転移温度(T
g)は、通常は50〜190℃、好ましくは80〜17
0℃の範囲内にある。
【0084】また、この環状オレフィン開環重合体また
は環状オレフィン開環共重合体(a-2)についてX線回析
法によって測定した結晶化度は、通常は0〜20%、好
ましくは0〜2%の範囲にある。135℃のデカリン中で
測定した極限粘度[η]は、通常は0.05〜10dl/
g、好ましくは0.08〜5dl/gの範囲内にある。
【0085】この環状オレフィン開環重合体または環状
オレフィン開環共重合体(a-2)は、前記式[I]または
[II]で表される環状オレフィンを、ルテニウム、ロジ
ウム、パラジウム、オスミウム、インジウムおよび白金
のような金属のハロゲン化物、これらの金属の硝酸塩ま
たはこれらの金属のアセチルアセトン化合物と、還元剤
とからなる触媒;チタン、パラジウム、ジルコニウムお
よびモリブデンのような金属のハロゲン化物またはこれ
らの金属のアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウ
ムとからなる触媒の存在下に(共)重合させることによ
り製造することができる。
【0086】環状オレフィン開環重合体または環状オレ
フィン開環共重合体(a-2)において、環状オレフィン
[I]または[II]は、それぞれ次式[I-b]または[II
-b]で表わされる繰り返し単位を形成していると考えら
れる。
【0087】
【化35】
【0088】・・・[I-b] 上記式[I-b]において、n、m、r、R1 〜R18
a、Rbは、前記式[I]におけるのと同じ意味であ
る。
【0089】
【化36】
【0090】・・・[II-b] 上記式[II-b]において、p、q、m、n、R1〜R19
は、前記式[II]におけるのと同じ意味である。
【0091】上記環状オレフィン開環重合体または環状
オレフィン開環共重合体(a-2)の水素添加物(a-3)は、上
記のようにして得られた環状オレフィン開環重合体ある
いは開環共重合体(a-2)を水素添加触媒の存在下に水素
で還元することにより製造することができる。
【0092】このような水素添加物(a-3)について13
5℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]は、通常は
0.05〜10dl/g、好ましくは0.03〜2dl/g、さら
に好ましくは0.4〜1.2dl/gの範囲内にある。
【0093】また、この水素添加物(a-3)についてサー
マル・メカニカル・アナライザーで測定した軟化温度
(TMA)は、通常は70℃以上、好ましくは70〜2
00℃、特に好ましくは100〜180℃の範囲内にあ
る。
【0094】また、この水素添加物(a-3)のガラス転移
温度(Tg)は、通常は50〜190℃、好ましくは8
0〜170℃の範囲内にある。また、この水素添加物(a
-3)についてX線回析法によって測定した結晶化度は、
通常は0〜20%、好ましくは0〜2%の範囲にある。
【0095】上記環状オレフィン開環重合体または開環
共重合体の水素添加物(a-3)中で環状オレフィン[I]ま
たは[II]は、それぞれ次式[I-c]または[II-c]で
表わされる繰り返し単位を形成していると考えられる。
【0096】
【化37】
【0097】・・・[I-c] 上記式[I-c]において、n、m、r、R1 〜R18
a、Rbは、前記式[I]におけるのと同じ意味であ
る。
【0098】
【化38】
【0099】・・・[II-c] 上記式[II-c]において、p、q、m、n、R1〜R19
は、前記式[II]におけるのと同じ意味である。
【0100】本発明で用いる環状オレフィン系重合体
は、上記の外、特開昭60-168708号、同61-120816号、同
61-115912号、同61-115916号、同61-271308号、同61-27
2216号、同62-252406号および同62-252407号等の公報に
おいて本出願人が提案した方法に従い適宜条件を選択す
ることにより、製造することができる。
【0101】本発明で使用される(b)成分であるエラス
トマーは、23℃における引張モジュラスが0.1〜2
000Kg/cm2の範囲内にあるエラストマーである。さら
に、このエラストマー(b)は、ガラス転移温度(Tg)が
通常は0℃以下であり、好ましくは0℃〜−150℃、
さらに好ましくは−80〜−20℃の範囲内にある。ま
た、このエラストマーについて135℃のデカリン中で
測定した極限粘度[η]は、通常は0.2〜10dl/g、
好ましくは1〜5dl/gである。またその密度は、通常
は0.82〜0.96g/cm3、好ましくは0.84〜0.9
2g/cm3である。このエラストマーのX線回折法によっ
て測定した結晶化度は、通常、30%以下、好ましくは
25%以下であり、この共重合体は、低結晶性若しくは
非晶性であることが好ましい。
【0102】本発明で使用されるエラストマー(b)がα-
オレフィン共重合体である場合には、このようなα-オ
レフィン共重合体としては、具体的には、(イ)エチレ
ン・α-オレフィン共重合体ゴム、(ロ)プロピレン・α-
オレフィン共重合体ゴムが例示できる。上記のエチレン
・α-オレフィン共重合体ゴム(イ)およびプロピレン・
α-オレフィン共重合体ゴム(ロ)は単独で使用するこ
ともできるし、さらに両者を組み合わせて使用すること
もできる。
【0103】上記のエチレン・α-オレフィン共重合体ゴ
ム(イ)を構成するα-オレフィンとしては、通常、炭
素数3〜20のα-オレフィン、例えばプロピレン、1-
ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテ
ン、1-オクテン、1-デセンおよびこれらの混合物を挙げ
ることができる。このうち特にプロピレンおよび/また
は1-ブテンが好ましい。
【0104】また、プロピレン・α-オレフィン共重合体
ゴム(ロ)を構成するα-オレフィンとしては、通常、
炭素数4〜20のα-オレフィン、たとえば1-ブテン、1
-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オク
テン、1-デセンおよびこれらの混合物を挙げることがで
きる。このうち特に1-ブテンが好ましい。
【0105】このエラストマーは、その特性を損なわな
い範囲内で、ジエン化合物から誘導される繰り返し単位
等のようなα-オレフィンから誘導される繰り返し単位
以外の繰り返し単位を有していてもよい。
【0106】例えば、このエラストマー(b)に含まれる
ことが許容される繰り返し単位としては、1,4-ヘキサジ
エン、1,6-オクタジエン、2-メチル-1,5-ヘキサジエ
ン、6-メチル-1,5-ヘプタジエンおよび7-メチル-1,6-オ
クタジエンのような鎖状非共役ジエンから誘導される繰
り返し単位;シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエ
ン、メチルテトラヒドロインデン、5-ビニルノルボルネ
ン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-メチレン-2-ノル
ボルネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネンおよび6
-クロロメチル-5-イソプロペニル-2-ノルボルネンのよ
うな環状非共役ジエンから誘導される繰り返し単位;2,
3-ジイソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-エチリデン-
3-イソプロピリデン-5-ノルボルネンおよび2-プロペニ
ル-2,2-ノルボルナジエン等のジエン化合物から誘導さ
れる繰り返し単位を挙げることができる。α-オレフィ
ン共重合体中における上記のようなジエン成分から誘導
される繰り返し単位の含有量は、通常は10モル%以
下、好ましくは5モル%以下である。
【0107】上記エチレン・α-オレフィン共重合体
(イ)においては、エチレンから誘導される繰り返し単
位とα-オレフィンから誘導される繰り返し単位とのモ
ル比(エチレン/α-オレフィン)は、α-オレフィンの
種類によっても異なるが、一般に10/90〜99/
1、好ましくは50/50〜95/5である。上記モル
比は、α-オレフィンがプロピレンである場合には、5
0/50〜90/10であることが好ましく、α-オレ
フィンが炭素数4以上のα-オレフィンである場合には
80/20〜95/5であることが好ましい。
【0108】また、プロピレン・α-オレフィン共重合体
(ロ)においては、プロピレンから誘導される繰り返し
単位とα-オレフィンから誘導される繰り返し単位との
モル比(プロピレン/α-オレフィン)は、α-オレフィ
ンの種類によっても異なるが、一般には50/50〜9
5/5の範囲内にある。さらに、上記モル比は、α-オ
レフィンが1-ブテンである場合には、50/50〜90
/10であることが好ましく、α-オレフィンの炭素数
が5以上である場合には、80/20〜95/5である
ことが好ましい。
【0109】これらのエラストマー(b)の中では、エチ
レン-プロピレンランダム共重合体が好ましい。上記エ
ラストマー(b)は、環状オレフィン系樹脂(a)100重量
部に対して0.5〜50重量部の量で使用される。そし
て、このエラストマー(b)を1〜30重量部の量で使用
することが好ましく、さらに5〜20重量部の量で使用
することが特に好ましい。
【0110】本発明では、上記のような環状オレフィン
系樹脂(a)およびエラストマー(b)と、特定の変性剤(c)
とを接触させて変性樹脂組成物[A]を形成する。ここ
で用いられる変性剤(c)は、エチレン性不飽和基含有カ
ルボン酸、その無水物およびエチレン性不飽和基含有カ
ルボン酸ヒドロキシアルキルエステルよりなる群から選
ばれる少なくとも一種類の変性剤である。
【0111】エチレン性不飽和基含有カルボン酸または
これらの酸無水物の具体的な例としては、(メタ)アク
リル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル
酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、ノルボル
ネンジカルボン酸およびビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン
-5,6-ジカルボン酸等の不飽和カルボン酸、ならびに、
これらの酸無水物を挙げることができる。
【0112】エチレン性不飽和基含有カルボン酸ヒドロ
キシアルキルエステルの具体的な例としては、2-ヒドロ
キシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリ
レート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロ
キシプロピルメタクリレート、3-ヒドロキシプロピルア
クリレート、3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、3-
クロロ-2-ヒドロキシアクリレート、3-クロロ-2-ヒドロ
キシメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロ
ピルアクリレートおよび2-ヒドロキシ-3-フェノキシプ
ロピルメタクリレートを挙げることができる。
【0113】これらの中でも、アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、2-ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレートが好ましい。さらにこれらの中
でもエチレン性不飽和基含有カルボン酸ヒドロキシアル
キルエステルが好ましく、このなかでも2-ヒドロキシア
ルキル(メタ)アクリレート、さらに2-ヒドロキシエチ
ルアクリレートを使用することが好ましい。このような
変性剤で変性された変性樹脂組成物[A]を用いること
により、本発明の環状オレフィン系共重合体組成物の耐
フロン性が特に良好になる。
【0114】上記のような変性剤(c)は、上記環状オレ
フィン系樹脂(a)とエラストマー(b)との合計重量100
重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは0.1
〜5重量部の量で使用される。
【0115】これらの(a)、(b)および(c)成分を接触さ
せる際には、ラジカル開始剤を使用することが好まし
い。ここでラジカル開始剤としては、通常は、有機過酸
化物あるいはアゾ化合物などが用いられる。
【0116】有機過酸化物の具体的な例としては、1,1-
ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,5,5-トリメチルシクロヘ
キサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサ
ン、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)オクタン、n-ブチル
-4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)パラレートおよび2,2-
ビス(t-ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケター
ル類;ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキ
サイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、α,α'-ビス
(t-ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼン、2,5-
ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキサンおよ
び2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキシ
ン-3等のジアルキルパーオキサイド類;アセチルパーオ
キサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイル
パーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイ
ルパーオキサイド、3,5,5-トリメチルヘキサノイルパー
オキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4-ジクロロ
ベンゾイルパーオキサイドおよびm-トリオイルパーオキ
サイド等のジアシルパーオキサイド類;t-ブチルパーオ
キシアセテート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、
t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチ
ルパーオキシラウリレート、t-ブチルパーオキシベンゾ
エート、ジ-t-ブチルパーオキシイソフタレート、2,5-
ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t-
ブチルパーオキシマレイックアシッド、t-ブチルパーオ
キシイソプロピルカーボネートおよびクミルパーオキシ
オクテート等のパーオキシエステル類;ならびに、t-ブ
チルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキ
サイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイ
ド、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジハイドロパーオキサイ
ドおよび1,1,3,3-テトラメチルブチルハイドロパーオキ
サイド等のハイドロパーオキサイド類を挙げることがで
きる。
【0117】これらなかでも、1,1-ビス(t-ブチルパー
オキシ)-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、ジ-t-ブチ
ルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5-ジメ
チル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキサンおよび2,5
-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3が
好ましい。
【0118】また、ラジカル開始剤として使用されるア
ゾ化合物の具体的な例としては、アゾイソブチロニトリ
ル等を挙げることができる。このようなラジカル開始剤
は、単独あるいは組合せで使用することができる。変性
剤(c)を用いて環状オレフィン系樹脂(a)およびエラスト
マー(b)を変性する際には、上記ラジカル開始剤は、環
状オレフィン系樹脂(a)とエラストマー(b)との合計重量
100重量部に対して、通常は0.005〜10重量
部、好ましくは0.05〜5重量部の範囲内の量で使用
される。
【0119】さらに、この変性に際しては、環状オレフ
ィン系樹脂(a)とエラストマー(b)との間に架橋構造を形
成することができる。架橋構造を形成することにより、
耐衝撃性等の力学的特性が向上する。
【0120】架橋構造は、上記ラジカル開始剤を用いる
ことにより形成することができる。ここで架橋構造を形
成するために使用するラジカル開始剤の例としては、前
掲の変性剤を反応させる際に例示した化合物を挙げるこ
とができる。
【0121】上記の反応において、ラジカル開始剤は、
環状オレフィン系樹脂(a)およびエラストマー(b)の合計
重量100重量部に対して、0.005〜10重量部の
量で使用することが好ましく、さらに、0.05〜5重
量部の量で使用することが特に好ましい。
【0122】さらに本発明においては、架橋構造を形成
される際に架橋助剤を併用することが好ましい。ここで
使用することができる架橋助剤は、ラジカル重合性の官
能基を分子内に2個以上有する化合物である。ここで使
用される架橋助剤の例としては、ジビニルベンゼンおよ
び(メタ)アクリル酸ビニルなどを挙げることができ
る。このような架橋助剤を併用する場合、この架橋助剤
は、環状オレフィン系樹脂 (a)およびエラストマー(b)
の合計重量100重量部に対して、通常は0.005〜
10重量部の量で使用することが好ましく、さらに0.
05〜5重量部の量で使用することが特に好ましい。
【0123】本発明の[A]成分の製造方法としては、
例えば、(a)成分である環状オレフィン系樹脂と(b)成分
であるエラストマーとの混合物を溶融混練し、さらにこ
の混練物に変性剤(c)、ラジカル開始剤および架橋助剤
を配合して混練する方法、(a)成分である環状オレフィ
ン系樹脂と(b)成分であるエラストマーとの混合物を溶
融混練し、さらにこの混練物に変性剤(c)およびラジカ
ル開始剤を配合して混練し、さらにこの混練物にラジカ
ル開始剤、架橋助剤を配合して混練する方法、 (a)成
分である環状オレフィン系樹脂、(b)成分であるエラス
トマー、変性剤(c)およびラジカル開始剤を一括で溶融
混練し、さらにこの混練物にラジカル開始剤、架橋助剤
を配合して混練する方法、(a)成分である環状オレフィ
ン系樹脂、(b)成分であるエラストマーとの混合物を溶
融混練し、さらにこの混練物にラジカル開始剤および架
橋助剤を溶融混練し、さらにこの混練物に変性剤(c)お
よびラジカル開始剤を配合して溶融混練する方法、
ならびに、(a)成分である環状オレフィン系樹脂、(b)
成分であるエラストマー、変性剤(c)、ラジカル開始剤
および架橋助剤を一括で溶融混練する方法がある。本発
明では上記いずれの方法をも採用することができるが、
(a)成分である環状オレフィン系樹脂と(b)成分であるエ
ラストマーとの混合物を溶融混練し、さらにこの混練物
に変性剤(c)、ラジカル開始剤および架橋助剤を配合し
て混練する方法が最も好ましい。
【0124】上記のようにして製造される環状オレフィ
ン系樹脂(a)およびエラストマー(b)の変性物を含有する
変性樹脂組成物[A]における変性剤のグラフト量は、
通常は0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜8重量
%、特に好ましくは0.3〜4重量%である。
【0125】なお、上記変性樹脂組成物[A]は、グラ
フト量が上記の範囲内になるように変性剤(c)の配合量
を調製して、環状オレフィン系樹脂(a)およびエラスト
マー(b)に配合して調製して製造することもできるし、
また、例えば変性剤の配合量を多くしてグラフト量の高
い変性樹脂組成物を調製し、次いでグラフト量が上記範
囲内になるように未変性の環状オレフィン系樹脂(a)お
よび/またはエラストマー(b)で希釈することにより調
製することもできる。
【0126】本発明の環状オレフィン系共重合体組成物
は、上記のようにして形成される変性樹脂組成物[A]
と、特定のポリオレフィン樹脂[B]とからなる。本発
明で使用されるポリオレフィン樹脂[B]は、X線回折
法によって測定した結晶化度が30%を超えるポリオレ
フィンであることが必要であり、この結晶化度が40%
以上であることが好ましく、さらに50%以上であるこ
とが特に好ましい。さらにこのポリオレフィン樹脂
[B]は、上記のような結晶化度を有すると共に、23
℃における引張モジュラスが2000Kg/cm2を超えるポ
リオレフィンであることが必要であり、特にこの引張モ
ジュラスが、2000Kg/cm2を超え30000Kg/cm2
下であることが好ましく、さらに3000〜20000
Kg/cm2の範囲内にあることが特に好ましい。
【0127】このような結晶性のポリオレフィン樹脂
[B]としては、ポリエチレンまたはポリプロピレンが
好ましく使用される。ここで使用されるポリエチレンと
しては、エチレンから誘導される繰り返し単位を50モ
ル%以上、好ましくは90モル%以上含有するポリエチ
レンが好ましく、またポリプロピレンとしては、プロピ
レンから誘導される繰り返し単位を通常は70モル%以
上、好ましくは80モル%以上含有するポリプロピレン
が使用される。このポリエチレンは、エチレンの単独重
合体であっても、また少量の他のα-オレフィンとの共
重合体であってもよい。エチレンと共重合する他のα-
オレフィンの例としては、プロピレン、ブテン-1、ペン
テン-1、4-メチルペンテン-1、3-メチルブテン-1および
ヘキセン-1のような炭素数3〜20のα-オレフィンを
挙げることができる。本発明で使用することができる結
晶性ポリエチレンの具体的な例としては、高密度ポリエ
チレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン
(LLDPE)および超低密度線状ポリエチレン(VL
DPE)を挙げることができる。このような結晶性ポリ
エチレンは通常は0.82〜0.96g/cm3程度の密度を
有しており、さらに135℃のデカリン中で測定した極
限粘度[η]は、通常は1〜5dl/gの範囲内にある。
【0128】また、この結晶性のポリオレフィン樹脂
[B]として、ポリプロピレンを使用する場合、プロピ
レンの単独重合体およびプロピレンと他のα-オレフィ
ンとの共重合体を使用することができる。プロピレンと
共重合する他のα-オレフィンの例としては、エチレ
ン、ブテン-1、ペンテン-1、4-メチルペンテン-1、3-メ
チルブテン-1およびヘキセン-1のような炭素数2〜20
のα-オレフィン(プロピレンを除く)を挙げることが
できる。このような結晶性ポリプロピレンは通常は0.
88〜0.92g/cm3程度の密度を有しており、さらに1
35℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]は、通常
は1〜10dl/gの範囲内にある。
【0129】また、この結晶性のポリオレフィン樹脂
[B]として、エチレン性不飽和基含有カルボン酸、そ
の無水物及びエチレン性不飽和基含有カルボン酸ヒドロ
キシアルキルエステルよりなる群から選ばれる少なくと
も一種類の変性剤で変性した結晶性ポリオレフィン樹脂
を使用することもできる。
【0130】なお、上記結晶性のポリオレフィン樹脂
[B]は、結晶性を損なわない範囲内で鎖状非共役ジエ
ンから誘導される繰り返し単位および/または環状非共
役ジエンから誘導される繰り返し単位を有していてもよ
い。本発明の結晶性ポリオレフィン樹脂[B]における
このような非共役ジエンから誘導される繰り返し単位の
含有率は、通常は20モル%以下、好ましくは10モル
%以下である。
【0131】特に本発明では、ポリオレフィン樹脂
[B]が、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレ
ン、ポリプロピレンおよびそれらのマレイン化物のうち
のいずれかであることが好ましい。
【0132】本発明の環状オレフィン系共重合体組成物
は、変性樹脂組成物[A]と上記ポリオレフィン樹脂
[B]とを1/99〜99/1の重量比で含有してい
る。このような量で両者を配合することにより、耐フロ
ン性に優れると共に、接着性が良好になる。ここで
[B]成分の割合が大きくなると耐フロン性、流動性が
増大するが接着性が低下する。そして、両者を10/9
0〜99/1の重量比で含有することが好ましく、さら
に30/70〜99/1の重量比で含有することが特に
好ましい。
【0133】本発明の環状オレフィン系共重合体組成物
は、上記のような変性樹脂組成物[A]とポリオレフィ
ン樹脂[B]とを上記配合比率で混合することにより製
造することができる。
【0134】この混合には種々の方法を採用することが
でき、例えば、少なくとも変性樹脂組成物[A]または
ポリオレフィン樹脂[B]のいずれか一方、好ましくは
両者が溶融する温度に加熱して両者を混練する方法、な
らびに、変性樹脂組成物[A]およびポリオレフィン樹
脂[B]の少なくとも一部が溶解する有機溶媒に、両者
を投入して、溶液状態もしくは分散液状態で混合した
後、有機溶媒を除去する方法を挙げることができる。
【0135】変性樹脂組成物[A]およびポリオレフィ
ン樹脂[B]を配合する際には、上記の成分の他に、無
機充填剤、有機充填剤、熱安定剤、耐候性安定剤、帯電
防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、防曇
剤、滑剤、顔料、染料、天然油、合成油およびワックス
等の添加剤が配合されていてもよい。
【0136】本発明の環状オレフィン系重合体組成物
は、耐フロン性に優れていると共に、他の樹脂、金属な
どと良好な接着性を有する。即ち、本発明の環状オレフ
ィン系重合体組成物は、樹脂発泡体、特に発泡ウレタン
を製造する際に使用されることがあるフッ素系炭化水素
に対して優れた耐性を示す。例えば、発泡ウレタンを断
熱剤とする断熱構造物を製造する際に、まず本発明の環
状オレフィン系重合体組成物を用いて所望の形状の成形
体(表面層または中間層を形成する)を製造し、この成
形体を一定の型枠内に装填し、次いでこの金型内に発泡
ウレタン前駆体を充填して発泡させることにより、発泡
ウレタンで裏打ちされた断熱性構造物を製造することが
できる。そして、この発泡の際に使用されるフッ素系炭
化水素と本発明の環状オレフィン系重合体組成物とが直
接接触した場合であっても、本発明の組成物から形成さ
れる層は、フッ素系炭化水素によって侵されにくいので
ある。さらに、本発明の環状オレフィン系共重合体組成
物は、上記の発泡ウレタン等と非常に良好な接着性を示
し、発泡ウレタンを製造する際に、他の成分からなる接
着剤を使用しなくとも、本発明の環状オレフィン系重合
体組成物から製造された成形体と発泡ウレタンとを接着
させることができる。
【0137】さらに、本発明の環状オレフィン系重合体
組成物は、上記発泡ウレタンに限らず、他の樹脂、金
属、セラミックス、紙、布、不織布などのの種々の材料
と良好な接着性を示す。特に本発明の変性環状オレフィ
ン系重合体組成物は、樹脂あるいは金属との接着性が良
好である。例えば、被接着体として金属を使用する場
合、鉄、アルミニウム、ステンレスなどと特に優れた接
着性を示す。
【0138】また、被接着体として樹脂を使用する場
合、本発明の環状オレフィン系重合体組成物は、アクリ
ル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィ
ン、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、
ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリスチレン樹脂、ア
クリロニトリル・スチレン系樹脂およびABS樹脂との
接着性が良好である。
【0139】
【発明の効果】本発明の環状オレフィン系重合体組成物
は、環状オレフィン系樹脂(a)およびエラストマー(b)に
特定の変性剤(c)を配合して変性した変性樹脂組成物
[A]と、特定の結晶性ポリオレフィン樹脂[B]とか
らなるので、フッ素系炭化水素と接触しても、ワレ、ク
レージング等が発生しにくい。しかもこの組成物は、接
着性に優れており、樹脂を始めとして金属等に対して
も、良好な接着性を示す。
【0140】本発明の環状オレフィン系共重合体組成物
では、上記のように耐フロン性、接着性等の特性に優れ
ているにも拘らず、環状オレフィン系共重合体が本質的
に有している機械的強度、透明性などの特性が損なわれ
ることがない。
【0141】上記のような優れた特性を有する本発明の
組成物は予め変性樹脂組成物[A]を調製し、これと特
定の結晶性ポリオレフィン樹脂[B]とを混合すること
により容易に製造することができる。
【0142】
【実施例】つぎに、本発明を実施例を示して説明する
が、本発明は、これら実施例によって限定的に解釈され
るべきではない。
【0143】物性の測定方法 (1)試験片の作製 東芝機械(株)製射出成形機IS−55EPN及び所定の
試験片用もしくは角板用金型を用い、以下の成形条件で
成形した。
【0144】成形条件:シリンダ−温度250℃、金型
温度50℃、射出圧力一次/二次=1000/800Kg
/cm2、射出速度 中速。 耐フロン性試験用の角板は、成形温度250℃で、プレ
ス成形して作製した。 (2)溶融流れ指数(260℃におけるMFR) ASTM D1238に準じ温度260℃、荷重2.1
6Kgで測定した。 (3)極限粘度[η] デカリン溶液、135℃で測定した。 (4)軟化温度(TMA) デュポン社製 Thermo Mechanical Analyzer を用いて厚
さ1mmのシートの熱変形挙動により測定した。すなわ
ち、シ−ト上に石英製針をのせ、荷重49gをかけ、5
℃/分の速度で昇温してゆき、石英製針がシートに0.
635mm侵入した温度をTMAとした。 (5)曲げ試験 ASTM D790に準じて行った。
【0145】試験片形状:5×1/2×1/8tイン
チ、スパン間距離:51mm 試験速度:20mm/分、試験温度:23℃ (6)アイゾット衝撃試験 ASTM D256に準じて行った。
【0146】試験片形状:5/2×1/2×1/8t
ンチ(ノッチ付) 試験温度:23℃ (7)グロスの測定 堀場製作所(株)製グロスチェッカIG-320により測定し
た。 (8)耐フロン性試験 プレス成形した150×150×2t mmの角板を145
×50×2t mmに切削し、一定の曲率半径を持った応力
治具にセットし、フロンガス(フロン123)雰囲気中
に放置(24時間)した後試料を取り出し、クラックの
有無を調べた。試験は曲率半径R:65mmの応力治具
について行った。試験の評価は、クラックが発生しなか
ったものを○、クラックが発生したものを×とした。
【0147】(9)ウレタン接着性試験 試験片Aをテーパー付き深さ50mm(120mm×130mm)の容器
中の底部に配置した。別に、発泡ウレタンの原料第1液
および第2液(レジンプレミックス(R)、イソシアネー
ト(I):三井東圧化学(株)製)を混合攪拌(混合比(R)/
(I)=1.156、混合;1000rpm、攪拌時間;3〜4sec)した
後、この混合液を上記容器中に速やかに加え、密封して
10分間放置し、ウレタンの発泡を完了させた。
【0148】ウレタン層の厚さ25mm、接着面積25mm×
12.5mm=3.125cm2となるように、上記のようにして作成
した試験片を切り出して、引張剪断強度を測定(試験速
度:50mm/min、試験温度:23℃)するとともに、目
視により母材破壊・界面剥離のいずれかを確かめた。 (10)グラフト量の測定 IR吸光分析(赤外線吸光分析)により測定した。
【0149】
【実施例1】環状オレフィンランダム共重合体として、
エチレンと1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オク
タヒドロナフタレン(DMON)とのランダム共重合体(エ
チレン含有率:73モル%)を用いた。この共重合体に
ついて測定した極限粘度[η]は0.6dl/g、260℃で
測定したMFR℃は25g/分および軟化温度は115
℃である。
【0150】上記環状オレフィンランダム共重合体5.
4Kgとエラストマー(低結晶性α-オレフィン系共重合
体)0.6Kgとを充分混合した後、二軸押出機により、
シリンダ温度250℃で溶融ブレンドし、得られたペレ
ット4Kgに対して、2-ヒドロキシエチルアクリレート4
0g、パーヘキシン25B(日本油脂(株)製)4g及び
ジビニルベンゼン4gの割合で添加し、充分混合した。
この混合物を上記と同様の条件で再度溶融ブレンドし、
ペレタイザーを用いてペレット化して変性樹脂組成物を
調製した。このペレットの2-ヒドロキシエチルアクリレ
ートによる変性率は0.8重量%であった。このペレッ
トを3.8Kg用意した。
【0151】別に、結晶性ポリオレフィン樹脂として、
マレイン酸変性したホモポリプロピレンを使用した。こ
のマレイン酸変性ポリプロピレンは、以下のようにして
製造した。
【0152】230℃におけるMFRが0.5g/分の
ホモポリプロピレン2Kgに対して、無水マレイン酸(和
光純薬(株)製)23g、パーヘキシン25B 1gの割
合で添加し、充分混合した。この混合物を二軸押出機に
より、シリンダ温度200℃で溶融ブレンドし、ペレタ
イザーを用いてペレット化した。このようにして製造し
たマレイン化ポリプロピレンの230℃におけるMFR
は14g/分、マレイン酸のグラフト量は、0.14重
量%である。このペレットを0.2Kgを用意した。 上
記2種類のペレットを充分混合した後、二軸押出機によ
り、シリンダ温度250℃で溶融ブレンドし、ペレタイ
ザーを用いてペレット化して環状オレフィン系共重合体
組成物を製造した。この組成物から形成された試験片を
用いて曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度、透明度、耐フ
ロン性および接着強度について試験をしてその特性を評
価した。結果を表1に示す。
【0153】
【実施例2】環状オレフィンランダム共重合体ペレット
7.1Kgを用意した。この共重合体は、エチレンと1,4,
5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタ
レン(DMON)とのランダム共重合体(エチレン含有率:
73モル%)であり、この共重合体について測定した極
限粘度[η]は0.6dl/g、260℃で測定したMFR℃
は25g/分および軟化温度は115℃である。
【0154】別に、エラストマー(低結晶性α-オレフ
ィン系共重合体)としてエチレン含有率が80モル%の
エチレン・プロピレンランダム共重合体ペレット0.9K
gを用意した。この共重合体について測定した極限粘度
[η]は、2.55dl/g、ガラス転移温度は−54℃、2
30℃で測定したMFRは0.4g/分である。
【0155】上記2種類のペレットを充分混合した後、
二軸押出機(TEM−35)により、シリンダ温度25
0℃で溶融ブレンドし、ペレタイザーを用いてペレット
化した。
【0156】得られたペレット6Kgに対して、2-ヒドロ
キシエチルアクリレート60g、パーヘキシン25B
(日本油脂(株)製)6g及びジビニルベンゼン6gの割
合で添加し、充分混合した。
【0157】この混合物を上記と同様の条件で再度溶融
ブレンドし、ペレタイザーを用いてペレット化して変性
樹脂組成物を調製した。このペレットの2-ヒドロキシエ
チルアクリレートによる変性率は0.8重量%であっ
た。このペレットを3.6Kg用意した。
【0158】別に、結晶性ポリオレフィン樹脂として、
マレイン酸変性したホモポリプロピレンを使用した。こ
のマレイン酸変性ポリプロピレンは、以下のようにして
製造した。
【0159】230℃におけるMFRが0.5g/分の
ホモポリプロピレン2Kgに対して、無水マレイン酸(和
光純薬(株)製)23g、パーヘキシン25B 1gの割
合で添加し、充分混合した。この混合物を二軸押出機に
より、シリンダ温度200℃で溶融ブレンドし、ペレタ
イザーを用いてペレット化した。このようにして製造し
たマレイン化ポリプロピレンの230℃におけるMFR
は14g/分、マレイン酸のグラフト量は、0.14重
量%である。このペレットを0.4Kgを用意した。 上
記2種類のペレットを充分混合した後、二軸押出機によ
り、シリンダ温度250℃で溶融ブレンドし、ペレタイ
ザーを用いてペレット化して環状オレフィン系共重合体
組成物を製造した。この組成物から形成された試験片を
用いて曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度、透明度、耐フ
ロン性および接着強度について試験をしてその特性を評
価した。結果を表1に示す。
【0160】
【実施例3】実施例1で用いた環状オレフィンランダム
共重合体7.0Kgとエラストマー(低結晶性α-オレフィ
ン系共重合体)1.0Kgを充分混合した後、二軸押出機
により、シリンダ温度250℃で溶融ブレンドし、得ら
れたペレット6Kgに対して、2-ヒドロキシエチルアクリ
レート60g、パーヘキシン25B(日本油脂(株)製)
6g及びジビニルベンゼン6gの割合で添加し、充分混
合した。この混合物を上記と同様の条件で再度溶融ブレ
ンドし、ペレタイザーを用いてペレット化して変性樹脂
組成物を調製した。このペレットの2-ヒドロキシエチル
アクリレートによる変性率は0.8重量%であった。こ
のペレットを3.2Kg用意した。
【0161】別に、結晶性ポリオレフィン樹脂として、
実施例1で用いたマレイン化ポリプロピレンのペレット
を0.8Kg用意した。上記2種類のペレットを充分混合
した後、二軸押出機により、シリンダ温度250℃で溶
融ブレンドし、ペレタイザーを用いてペレット化して環
状オレフィン系共重合体組成物を製造した。この組成物
から形成された試験片を用いて曲げ弾性率、アイゾット
衝撃強度、透明度、耐フロン性および接着強度について
試験をしてその特性を評価した。結果を表1に示す。
【0162】
【実施例4】実施例1で用いた環状オレフィンランダム
共重合体6.86Kgとエラストマー(低結晶性α-オレフ
ィン系共重合体)1.14Kgを充分混合した後、二軸押
出機により、シリンダ温度250℃で溶融ブレンドし、
得られたペレット6Kgに対して、2-ヒドロキシエチルア
クリレート60g、パーヘキシン25B(日本油脂(株)
製)6g及びジビニルベンゼン6gの割合で添加し、充
分混合した。この混合物を上記と同様の条件で再度溶融
ブレンドし、ペレタイザーを用いてペレット化化して変
性樹脂組成物を調製した。このペレットの2-ヒドロキシ
エチルアクリレートによる変性率は0.8重量%であっ
た。このペレットを2.8Kg用意した。
【0163】別に、結晶性ポリオレフィン樹脂として、
実施例1の際に用いたマレイン化ポリプロピレンのペレ
ットを1.2Kg用意した。上記2種類のペレットを充分
混合した後、二軸押出機により、シリンダ温度250℃
で溶融ブレンドし、ペレタイザーを用いてペレット化し
て環状オレフィン系共重合体組成物を製造した。この組
成物から形成された試験片を用いて曲げ弾性率、アイゾ
ット衝撃強度、透明度、耐フロン性および接着強度につ
いて試験をしてその特性を評価した。結果を表1に示
す。
【0164】
【実施例5】実施例2において、結晶性ポリオレフィン
樹脂としてマレイン化ポリプロピレンの代わりに、ホモ
ポリプロピレン(230℃におけるMFR230℃は
7.0g/分)を用いたこと以外はすべて実施例2と同
様にして環状オレフィン系共重合体組成物を製造した。
この組成物から形成された試験片を用いて曲げ弾性率、
アイゾット衝撃強度、透明度、耐フロン性および接着強
度について試験をしてその特性を評価した。結果を表1
に示す。
【0165】
【実施例6】実施例1で用いた環状オレフィンランダム
共重合体4.5Kgとエラストマー(低結晶性α-オレフィ
ン系共重合体)1.5Kgを充分混合した後、二軸押出機
により、シリンダ温度250℃で溶融ブレンドし、得ら
れたペレット4Kgに対して、2-ヒドロキシエチルアクリ
レート40g、パーヘキシン25B(日本油脂(株)製)
4g及びジビニルベンゼン4gの割合で添加し、充分混
合した。この混合物を上記と同様の条件で再度溶融ブレ
ンドし、ペレタイザーを用いてペレット化して変性樹脂
組成物を調製した。このペレットの2-ヒドロキシエチル
アクリレートによる変性率は0.8重量%であった。こ
のペレットを1.6Kg用意した。
【0166】別に、結晶性ポリオレフィン樹脂として、
ホモポリプロピレン(MFR230℃は3.0g/分)
のペレットを2.4Kg用意した。上記2種類のペレット
を充分混合した後、二軸押出機により、シリンダ温度2
50℃で溶融ブレンドし、ペレタイザーを用いてペレッ
ト化して環状オレフィン系共重合体組成物を製造した。
この組成物から形成された試験片を用いて曲げ弾性率、
アイゾット衝撃強度、透明度、耐フロン性および接着強
度について試験をしてその特性を評価した。結果を表1
に示す。
【0167】
【比較例1】実施例1で用いた環状オレフィンランダム
共重合体5.4Kgとエラストマー(低結晶性α−オレフ
ィン系共重合体)0.6Kgとを充分混合した後、二軸押
出機により、シリンダ温度250℃で溶融ブレンドし、
得られたペレット4Kgに対して、2-ヒドロキシエチルア
クリレート40g、パーヘキシン25B(日本油脂(株)
製)4g及びジビニルベンゼン4gの割合で添加し、充
分混合した。この混合物を上記と同様の条件で再度溶融
ブレンドし、ペレタイザーを用いてペレット化して組成
物を製造した。この組成物から形成された試験片を用い
て曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度、透明度、耐フロン
性および接着強度について試験をしてその特性を評価し
た。結果を表1に示す。
【0168】
【比較例2】比較例1において、2-ヒドロキシエチルア
クリレートを添加しなかったこと以外はすべて比較例1
と同様にして組成物を製造した。この組成物から形成さ
れた試験片を用いて曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度、
透明度、耐フロン性および接着強度について試験をして
その特性を評価した。結果を表1に示す。
【0169】
【比較例3】実施例4で用いたホモポリプロピレンのペ
レット3.6Kgと低結晶性α−オレフィン系共重合体0.
4Kgとを充分混合した後、二軸押出機により、シリンダ
温度230℃で溶融ブレンドし、ペレタイザーを用いて
ペレット化して組成物を製造した。この組成物から形成
された試験片を用いて曲げ弾性率、アイゾット衝撃強
度、透明度、耐フロン性および接着強度について試験を
してその特性を評価した。結果を表1に示す。
【0170】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木 村 敏 男 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内 (72)発明者 中 川 貴 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内 (72)発明者 吉 田 竹 巳 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/00 - 23/36 C08L 45/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[A] (a)エチレンと次式[I]または[II]で表わされる環状
    オレフィンとのランダム共重合体(a-1)、次式[I]また
    は[II]で表わされる環状オレフィンの開環重合体また
    は開環共重合体(a-2)、および、該開環重合体または開
    環共重合体の水添物(a-3)よりなる群から選ばれる少な
    くとも一種類の環状オレフィン系樹脂と、 該環状オレ
    フィン系樹脂100重量部に対して、 (b)結晶化度が30%以下で、かつ23℃における引張
    モジュラスが0.1〜2000Kg/cm2の範囲内にあるエ
    ラストマー;0.5〜50重量部と、 上記(a)成分および(b)成分の合計100重量部に対し
    て、 (c)エチレン性不飽和基含有カルボン酸、その無水物お
    よびエチレン性不飽和基含有カルボン酸ヒドロキシアル
    キルエステルよりなる群から選ばれる少なくとも一種類
    の変性剤;0.1〜10重量部とを 上記(a)成分および(b)成分の合計100重量部に対し
    て、少なくとも、ラジカル重合性の官能基を分子内に2
    個以上有する化合物を0.005〜10重量部の割合で
    配合して、架橋する ことにより形成される変性樹脂組成
    物と、 [B] 結晶化度が30%を超え、かつ23℃における引張モジ
    ュラスが2000Kg/cm2を超えるポリオレフィン樹脂と
    を、1/99〜99/1の重量比で含有することを特徴
    とする環状オレフィン系共重合体組成物; 【化1】 …[I] [式[I]中、nは0または1であり、mは0または正
    の整数であり、rは0または1であり、 R1〜R18ならびにRaおよびRbは、それぞれ独立に、
    水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる群か
    ら選ばれる原子もしくは基を表し、 R15〜R18は、互いに結合して単環または多環の基を形
    成していてもよく、かつ該単環または多環の基が二重結
    合を有していてもよく、 また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリ
    デン基を形成していてもよい]; 【化2】 ・・・[II] [式[II]中、pおよびqは0または1以上の整数であ
    り、mおよびnは0、1または2であり、R1〜R
    19は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪
    族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基お
    よびアルコキシ基よりなる群から選ばれる原子もしくは
    基を表し、R9が結合している炭素原子とR13が結合し
    ている炭素原子またはR10が結合している炭素原子とR
    11が結合している炭素原子とは直接あるいは炭素数1〜
    3のアルキレン基を介して結合していてもよく、また、
    n=m=0のときR15とR12またはR15とR19とは互い
    に結合して単環または多環の芳香族環を形成していても
    よい]。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィン樹脂[B]が、高密度ポ
    リエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチ
    レン、ポリプロピレンおよびそれらのマレイン化物より
    なる群から選ばれる少なくとも一種類のポリオレフィン
    であることを特徴とする請求項第1項記載の環状オレフ
    ィン系共重合体組成物。
  3. 【請求項3】 環状オレフィン系樹脂(a)の軟化温度が
    70℃以上であり、かつ130℃デカリン中で測定した
    極限粘度[η]が0.05〜10dl/gの範囲内にあるこ
    とを特徴とする請求項第1項記載の環状オレフィン系共
    重合体組成物。
  4. 【請求項4】 エラストマー(b)が、エチレン-プロピレ
    ンランダム共重合体である請求項第1項記載の環状オレ
    フィン系共重合体組成物。
  5. 【請求項5】 変性剤(c)が、エチレン性不飽和基含有
    カルボン酸ヒドロキシアルキルエステルである請求項第
    1項記載の環状オレフィン系共重合体組成物。
  6. 【請求項6】[A] (a)エチレンと次式[I]または[II]で表わされる環状
    オレフィンとのランダム共重合体(a-1)、次式[I]また
    は[II]で表わされる環状オレフィンの開環重合体また
    は開環共重合体(a-2)、および、該開環重合体または開
    環共重合体の水添物(a-3)よりなる群から選ばれる少な
    くとも一種類の環状オレフィン系樹脂と、 該環状オレ
    フィン系樹脂100重量部に対して、 (b)結晶化度が30%以下で、かつ23℃における引張
    モジュラスが0.1〜2000Kg/cm2の範囲内にあるエ
    ラストマー;0.5〜50重量部とからなる組成物に、 (c)エチレン性不飽和基含有カルボン酸、その無水物お
    よびエチレン性不飽和基含有カルボン酸ヒドロキシアル
    キルエステルよりなる群から選ばれる少なくとも一種類
    の変性剤を、上記(a)成分および(b)成分の合計100重
    量部に対して、0.1〜10重量部の量で配合し 上記(a)成分および(b)成分の合計100重量部に対し
    て、少なくとも、ラジカル重合性の官能基を分子内に2
    個以上有する化合物を0.005〜10重量部の割合で
    配合して、架橋する ことにより変性樹脂組成物を調製し
    た後、 該変性樹脂組成物と、 [B] 結晶化度が30%を超え、かつ23℃における引張モジ
    ュラスが2000Kg/cm2を超えるポリオレフィン樹脂と
    を1/99〜99/1の重量比で混合することを特徴と
    する環状オレフィン系共重合体組成物の製造方法; 【化3】 …[I] [式[I]中、nは0または1であり、mは0または正
    の整数であり、rは0または1であり、 R1〜R18ならびにRaおよびRbは、それぞれ独立に、
    水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる群か
    ら選ばれる原子もしくは基を表し、 R15〜R18は、互いに結合して単環または多環の基を形
    成していてもよく、かつ該単環または多環の基が二重結
    合を有していてもよく、 また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリ
    デン基を形成していてもよい]; 【化4】 ・・・[II] [式[II]中、pおよびqは0または1以上の整数であ
    り、mおよびnは0、1または2であり、R1〜R
    19は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪
    族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基お
    よびアルコキシ基よりなる群から選ばれる原子もしくは
    基を表し、R9が結合している炭素原子とR13が結合し
    ている炭素原子またはR10が結合している炭素原子とR
    11が結合している炭素原子とは直接あるいは炭素数1〜
    3のアルキレン基を介して結合していてもよく、また、
    n=m=0のときR15とR12またはR15とR19とは互い
    に結合して単環または多環の芳香族環を形成していても
    よい]。
  7. 【請求項7】 ポリオレフィン樹脂[B]が、高密度ポ
    リエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチ
    レン、ポリプロピレンおよびそれらのマレイン化物より
    なる群から選ばれる少なくとも一種類のポリオレフィン
    であることを特徴とする請求項第6項記載の環状オレフ
    ィン系共重合体組成物の製造方法。
  8. 【請求項8】 環状オレフィン系樹脂(a)の軟化温度が
    70℃以上であり、かつ135℃デカリン中で測定した
    極限粘度[η]が0.05〜10dl/gの範囲内にあるこ
    とを特徴とする請求項第6項記載の環状オレフィン系共
    重合体組成物の製造方法。
  9. 【請求項9】 エラストマー(b)が、エチレン-プロピレ
    ンランダム共重合体である請求項第6項記載の環状オレ
    フィン系共重合体組成物の製造方法。
  10. 【請求項10】 変性剤(c)が、エチレン性不飽和基含
    有カルボン酸ヒドロキシアルキルエステルである請求項
    第6項記載の環状オレフィン系共重合体組成物の製造方
    法。
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