JP3339020B2 - 環状オレフィン系共重合体組成物および積層体 - Google Patents
環状オレフィン系共重合体組成物および積層体Info
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Description
性、および光沢を有する環状オレフィン系重合体組成物
およびこの組成物からなる層を有する積層体に関する。
さらに詳しくは本発明は、接着剤などを用いない場合で
あっても、例えば発泡ポリウレタンなどと優れた接着性
を有し、耐フロン性、光沢にも優れた環状オレフィン系
重合体組成物およびこの組成物からなる層と発泡ウレタ
ンからなる層を有する積層体に関する。
熱性、寸法安定性、耐薬品性、電気特性、機械強度、成
形性、表面特性等の特性に優れており、これらの特性を
利用して電化製品などの表層材等としての用途が検討さ
れている。
合体は、上記のように優れた特性を有しているにも拘ら
ず、本質的にはオレフィン系樹脂であるために、他の材
料、特に他の樹脂あるいは金属などとの接着性に関して
は良好であるとはいい難く、接着性について改善する必
要があった。さらに、表層材は、樹脂発泡体表面に貼着
されて使用されることが多く、このような樹脂発泡体の
製造の際には発泡剤としてフロンを使用するものも多
い。
は、例えばフロン123、フロン141bのような特定
のフロンに対する耐久性は充分とはいえず、これらのフ
ロンに対する耐久性を改善する必要があった。また、ウ
レタン系接着剤または発泡ウレタンとの接着性が充分で
なく、この特性に関しても完全の必要があった。
系共重合体組成物を使用するに際しての課題を解決しよ
うとするものであって、環状オレフィン系重合体組成物
が本質的に有する優れた特性を損なうことなく、優れた
接着性、耐フロン性、光沢を有する成形体を形成するこ
とができる樹脂組成物およびこの樹脂組成物から形成さ
れた層を有する積層体を提供することとを目的としてい
る。
は、 [A](a)エチレンと次式[I]または[II]で表さ
れる環状オレフィンとのランダム共重合体(a-1)、次式
[I]または[II]で表される環状オレフィンの開環重
合体または開環共重合体(a-2)および該開環重合体また
は開環共重合体の水添物(a-3)よりなる群から選ばれる
少なくとも一種類の環状オレフィン系樹脂:100重量
部と、(b)結晶化度が30%を超え、かつ23℃にお
ける引張モジュラスが2000kg/cm2を超えるポリオ
レフィン樹脂(b-1)、および/または、23℃における
引張モジュラスが0.1〜2000kg/cm2の範囲内にあ
るエラストマー(b-2):0.5〜70重量部とを、上記
(a)成分および(b)成分の合計100重量部に対し
て0.01〜10重量部の量の、(c)エチレン性不飽
和基含有カルボン酸、その無水物およびエチレン性不飽
和基含有カルボン酸ヒドロキシアルキルエステルよりな
る群から選ばれる少なくとも一種類の変性剤で変性した
変性環状オレフィン系樹脂と、 [B]ポリエステル樹脂とからなり、上記[A]成分/
[B]成分の重量比が99/1〜1/99であることを
特徴としている。
mは0または正の整数であり、qは0または1であり、
R1〜R18およびRa、Rbは、それぞれ独立に、水素原
子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる群から選ば
れる原子もしくは基を表し、R15〜R18は、互いに結合
して単環または多環を形成していてもよく、かつ該単環
または多環が二重結合を有していてもよく、また、R15
とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデン基を形
成していてもよい。
の整数であり、mおよびnは0、1または2であり、R
1〜R19は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原
子、炭化水素基またはアルコキシ基であり、R9または
R10が結合している炭素原子と、R13が結合している炭
素原子またはR11が結合している炭素原子とは直接ある
いは炭素原子数1〜3のアルキレン基を介して結合して
いてもよく、また、n=m=0のときR15とR12または
R15とR19とは互いに結合して単環または多環の芳香族
環を形成していてもよい。
状オレフィン系樹脂とエラストマーとを変性剤で変性し
た変性環状オレフィン系樹脂[A]と、ポリエステル
[B]とを特定の割合で含有しているので、他の樹脂、
金属などと優れた接着性を示すとともに、良好な耐フロ
ン性を示す。したがって、ポリウレタンとこの環状オレ
フィン系重合体組成物とを積層することによっても、環
状オレフィン系樹脂の有する優れた特性が損なわれるこ
とがなく、耐フロン性が良好で、表面性がよく、接着強
度の高い積層体が得られる。
系共重合体組成物について具体的に説明する。
環状オレフィン系樹脂は、(a-1) エチレンと次式[I]
または[II]で表される環状オレフィンとがランダムに
共重合することにより形成される環状オレフィン系ラン
ダム共重合体、(a-2) 次式[I]または[II]で表され
る環状オレフィンの開環重合体もしくは開環共重合体
(環状オレフィン開環重合体)、および、(a-3) 上記環
状オレフィン開環重合体の水添物(水素化開環重合体)
であり、これらは単独で使用することもできるし、異な
る重合体あるいは共重合体を組み合わせて使用すること
もできる。
で表される。
あり、mは0または正の整数であり、qは0または1で
ある。なおqが1の場合には、Ra およびRb は、それ
ぞれ独立に、下記の原子または炭化水素基を表わし、q
が0の場合には、それぞれの結合手が結合して5員環を
形成する。
ならびにRa およびRb は、それぞれ独立に、水素原
子、ハロゲン原子または炭化水素基である。ここで、ハ
ロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子または
ヨウ素原子である。
子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜15のシク
ロアルキル基または芳香族炭化水素基を挙げることがで
きる。
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミ
ル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基
およびオクタデシル基などを挙げることができる。これ
らアルキル基はハロゲン原子で置換されていてもよい。
ル基などを挙げることができ、芳香族炭化水素基として
は、フェニル基、ナフチル基などを挙げることができ
る。
とが、R17とR18とが、R15とR17とが、R16とR18と
が、R15とR18とが、あるいはR16とR17とがそれぞれ
結合して(互いに共同して)、単環構造または多環構造
を形成していてもよく、しかもこのようにして形成され
た単環構造または多環構造が二重結合を有していてもよ
い。
としては、具体的に以下のような構造を挙げることがで
きる。
号を付した炭素原子は、式[I]において、それぞれR
15(R16)またはR17(R18)が結合している炭素原子
を表わす。
で、またはR17とR18とでアルキリデン基を形成してい
てもよい。このようなアルキリデン基は、通常は炭素原
子数2〜20のアルキリデン基であり、このようなアル
キリデン基の具体的な例としては、エチリデン基、プロ
ピリデン基およびイソプロピリデン基を挙げることがで
きる。
びqは0または正の整数であり、mおよびnは0、1ま
たは2である。
素原子、ハロゲン原子、炭化水素基またはアルコキシ基
である。ここで、ハロゲン原子は、上記式[I]におけ
るハロゲン原子と同じである。
子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜15のシク
ロアルキル基または芳香族炭化水素基を挙げることがで
きる。
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミ
ル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基
およびオクタデシル基などを挙げることができる。これ
らアルキル基はハロゲン原子で置換されていてもよい。
ル基などを挙げルことができ、芳香族炭化水素基として
は、アリール基、アラルキル基などを挙げることがで
き、具体的には、フェニル基、トリル基、ナフチル基、
ベンジル基、フェニルエチル基などを挙げることができ
る。
キシ基、プロポキシ基などを挙げることができる。ここ
で、R9 またはR10が結合している炭素原子と、R13が
結合している炭素原子またはR11が結合している炭素原
子とは、直接あるいは炭素原子数1〜3のアルキレン基
を介して結合していてもよい。すなわち、上記2個の炭
素原子がアルキレン基を介して結合している場合には、
R9 とR13とが、またはR10とR11とが互いに共同し
て、メチレン基(-CH2-) 、エチレン基(-CH2CH
2-)またはプロピレン基(-CH2CH2CH2-) の内の
いずれかのアルキレン基を形成している。
たはR15とR19とは互いに結合して単環または多環の芳
香族環を形成していてもよい。具体的には、n=m=0
のときR15とR12とにより形成される以下のような芳香
族環を挙げることができる。
ある。上記のような式[I]または[II]で表わされる
環状オレフィンとしては、具体的には、ビシクロ-2- ヘ
プテン誘導体(ビシクロヘプト-2- エン誘導体)、トリ
シクロ-3- デセン誘導体、トリシクロ-3- ウンデセン誘
導体、テトラシクロ-3- ドデセン誘導体、ペンタシクロ
-4- ペンタデセン誘導体、ペンタシクロペンタデカジエ
ン誘導体、ペンタシクロ-3- ペンタデセン誘導体、ペン
タシクロ-3- ヘキサデセン誘導体、ペンタシクロ-4- ヘ
キサデセン誘導体、ヘキサシクロ-4- ヘプタデセン誘導
体、ヘプタシクロ-5- エイコセン誘導体、ヘプタシクロ
-4- エイコセン誘導体、ヘプタシクロ-5- ヘンエイコセ
ン誘導体、オクタシクロ-5- ドコセン誘導体、ノナシク
ロ-5- ペンタコセン誘導体、ノナシクロ-6- ヘキサコセ
ン誘導体、シクロペンタジエン-アセナフチレン付加
物、1,4-メタノ-1,4,4a,9a-テトラヒドロフルオレン誘
導体、1,4-メタノ-1,4,4a,5,10,10a-ヘキサヒドロアン
トラセン誘導体などを挙げることができる。
I]で表わされる環状オレフィンの具体的な例を示す。
は、たとえば、エチレンと上記環状オレフィンとを、炭
化水素媒体または該環状オレフィン中で、炭化水素可溶
性バナジウム化合物とハロゲン含有有機アルミニウム化
合物とから形成される触媒(イ)またはシクロペンタジ
エニル骨格を有する配位子を含むIV族またはランタニド
の遷移金属化合物と有機アルミニウムオキシ化合物と必
要に応じて有機アルミニウム化合物とからなる触媒
(ロ)の存在下で重合させることにより製造することが
できる。
クロヘキサン媒体中において、環状オレフィンとしてテ
トラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン(以下T
CD−3と略記ことがある)を用い、触媒としてVO
(OCH2CH3)Cl2/Al(CH2CH3)1.5Cl
1.5を用いて、反応温度10℃、反応時間(重合反応滞
留時間)30分でエチレンとTCD−3とを重合させる
ことによりエチレン・TCD−3ランダム共重合体を製
造することができる。
との共重合体である環状オレフィン系ランダム共重合体
(a-1)は、エチレンから誘導される構成単位および前記
環状オレフィンから誘導される構成単位を必須の構成単
位とするものであり、これらが必須の構成単位である
が、得られる共重合体の特性が損なわれない範囲で、エ
チレンおよび前記環状オレフィンと共重合可能な他のモ
ノマーから誘導される構成単位を有していてもよい。
ンまたは上記環状オレフィン以外のオレフィンを挙げる
ことができ、具体的には、プロピレン、1-ブテン、1-ペ
ンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-
ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテ
ン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、
4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エ
チル-1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセ
ン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセ
ン、1-エイコセンなどの炭素原子数3〜20のα-オレ
フィン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセ
ン、3,4-ジメチルシクロペンテン、3-メチルシクロヘキ
セン、2-(2- メチルブチル)-1-シクロヘキセン、シクロ
オクテン、3a,5,6,7a-テトラヒドロ-4,7-メタノ-1H-イ
ンデンなどのシクロオレフィン、2-ノルボルネン、5-メ
チル-2-ノルボルネン、5-エチル-2-ノルボルネン、5-イ
ソプロピル-2-ノルボルネン、5-n-ブチル-2-ノルボルネ
ン、5-イソブチル-2-ノルボルネン、5,6-ジメチル-2-ノ
ルボルネン、5-クロロ-2-ノルボルネン、5-フルオロ-2-
ノルボルネンなどのノルボルネン類、1,4-ヘキサジエ
ン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘキサ
ジエン、1,7-オクタジエン、ジシクロペンタジエン、5-
エチリデン-2-ノルボルネン、5-ビニル-2-ノルボルネン
などの非共役ジエン類を挙げることができる。
2種以上組み合わせて用いることができる。環状オレフ
ィン系ランダム共重合体において、上記のような他のモ
ノマーから誘導される構成単位は、通常は20モル%以
下、好ましくは10モル%以下の量で含有されている。
合体において、前記式[I]または[II]で表される環
状オレフィンは下記式[III]または[IV]で表される
構造の繰り返し単位を形成していると考えられる。
〜Rb、m、nおよびpは、前記式[I]における定義と
同様である。
n、pおよびqは、前記式[II]における定義と同様で
ある。上記のような環状オレフィン系ランダム共重合体
では、エチレンから誘導される繰り返し単位は、通常は
40〜90モル%、好ましくは50〜85モル%の範囲
で存在しており、また環状オレフィンから誘導される繰
り返し単位は、通常は10〜60モル%、好ましくは1
5〜50モル%の範囲で存在しており、エチレン(a)か
ら誘導される繰り返し単位および環状オレフィンから誘
導される繰り返し単位は、ランダムに実質上線状に配列
している。このように環状オレフィン系ランダム共重合
体(a-1)が架橋構造を有しておらず実質上線状構造を有
していることは、この共重合体が135℃のデカリンに
完全に溶解することにより確認することができる。ま
た、エチレン組成および環状オレフィン組成は13C−N
MRによって測定することができる。
式[I]または[II]で表される環状オレフィンの開環
重合体または開環共重合体である。この環状オレフィン
開環重合体または環状オレフィン開環共重合体は、前記
式[I]または[II]で表される環状オレフィンを、ル
テニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、インジ
ウムおよび白金のような金属のハロゲン化物、これらの
金属の硝酸塩またはこれらの金属のアセチルアセトン化
合物と、還元剤とからなる触媒;チタン、パラジウム、
ジルコニウムおよびモリブデンのような金属のハロゲン
化物またはこれらの金属のアセチルアセトン化合物と、
有機アルミニウムとからなる触媒の存在下に(共)重合
させることにより製造することができる。
て、環状オレフィン[I]または[II]は、それぞれ次
式[V]または[VI]で表わされる繰り返し単位を形成
していると考えられる。
〜R18、Ra、Rbは、前記式[I]におけるのと同じ意
味である。
R1〜R19は、前記式[II]におけるのと同じ意味であ
る。上記環状オレフィン開環(共)重合体の水素添加物
は、上記のようにして得られた環状オレフィン開環
(共)重合体を水素添加触媒の存在下に水素で還元する
ことにより製造することができる。
環状オレフィン[I]または[II]は、それぞれ次式[V
II]または[VIII]で表わされる繰り返し単位を形成し
ていると考えられる。
〜R18、Ra、Rbは、前記式[I]におけるのと同じ意
味である。
n、R1〜R19は、前記式[II]におけるのと同じ意味
である。上記のようにして製造される環状オレフィン系
樹脂は、必要により脱灰工程、濾過工程、析出工程など
を経て精製される。例えば脱灰工程は、反応液をアルカ
リ水溶液と接触させることにより樹脂中に残存する触媒
残渣を除去する工程である。また、析出工程は、反応液
を、樹脂に対する貧溶媒中に投入して反応溶媒中に溶解
している樹脂を析出させる工程である。
脂は、上記の外、特開昭60-168708号、同61-120816号、
同61-115912号、同61-115916号、同61-271308号、同61-
272216号、同62-252406号および同62-252407号等の公報
において本出願人が提案した方法に従い適宜条件を選択
することにより、製造することができる。
[A]の沃素価は通常5以下、その多くは1以下であ
る。また、上記環状オレフィンランダム共重合体(a-
1)、環状オレフィン開環重合体(a-2)および開環重合体
の水素添加物(a-3)について135℃のデカリン中で測
定した極限粘度[η]は、通常は0.01〜20dl/g
であり、特に0.05〜10dl/g、さらには0.08
〜8dl/gであること好ましい。
は、一般に非晶性または低結晶性であり、好ましくは非
晶性である。従って、この環状オレフィン系樹脂自体は
良好な透明性を有している。また、この環状オレフィン
系樹脂についてX線による結晶化度を測定すると、通常
は5%以下、その多くは0%であり、示差走査型熱量計
(DSC)で融点を測定しても融点が観察されないもの
が多い。
質としてガラス転移温度(Tg)および軟化温度(TM
A)が高いことを挙げることができる。ガラス転移温度
(Tg)が通常230℃以下、好ましくは50〜230
℃、多くの場合100〜200℃の範囲内に測定され
る。そして、本発明においては、この軟化温度が通常は
70〜180℃、多くの場合90〜180℃の範囲内に
ある環状オレフィン系樹脂を使用する。
度は、通常は350〜420℃、多くの場合370〜4
00℃の範囲内にある。この環状オレフィン系樹脂の機
械的性質として、この樹脂自体の引張り弾性率は、通常
は1×104 〜5×104Kg /cm2の範囲内にあり、引
張り強度も通常300〜1500Kg/cm2の範囲内にあ
る。
6〜1.10g/cm3、その多くが0.88〜1.08
g/cm3の範囲にある。本発明において使用される
(b)成分は、(b-1) 結晶化度が30%を超え、かつ2
3℃における引張モジュラスが2000kg/cm2を超え
るポリオレフィン樹脂、および/または、(b-2) 23℃
における引張モジュラスが0.1〜2000kg/cm2の範
囲内にあるエラストマーである。
結晶化度を有する結晶性のポリオレフィンである。すな
わち、本発明においてポリオレフィン樹脂(b-1)として
は、X線回折法によって測定した結晶化度が30%を超
え、好ましくは結晶化度が40%以上、さらに好ましく
は50%以上のポリオレフィンが使用される。同時に、
この結晶性のポリオレフィン(b-1)としては、23℃に
おける引張モジュラスが2000kg/cm2を超えるポリ
オレフィンが使用され、特にこの引張モジュラスが、好
ましくは2000kg/cm2を超え30000kg/cm2以
下、さらに好ましくは3000〜20000kg/cm2の
範囲内にあるポリオレフィンが使用される。
としては、ポリエチレンまたはポリプロピレンが好まし
く使用される。ここで使用されるポリエチレンとして
は、エチレンから誘導される繰り返し単位を50モル%
以上、好ましくは90モル%以上含有するポリエチレン
が使用される。またポリプロピレンとしては、プロピレ
ンから誘導される繰り返し単位を70モル%以上、好ま
しくは80モル%以上含有するポリプロピレンが好まし
く使用される。このポリエチレンは、エチレンの単独重
合体であっても、また少量の他のα-オレフィンとの共
重合体であってもよい。エチレンと共重合する他のα-
オレフィンの例としては、プロピレン、ブテン-1、ペン
テン-1、4-メチルペンテン-1、3-メチルブテン-1および
ヘキセン-1のような炭素原子数3〜20のα-オレフィ
ンを挙げることができる。本発明で使用することができ
る結晶性ポリエチレンの好ましい例としては、高密度ポ
リエチレン、低密度ポリエチレンおよび線状低密度ポリ
エチレン(LLDPE)を挙げることができる。このよ
うな結晶性ポリエチレンは通常は0.82〜0.96g/
cm3程度の密度を有しており、さらに135℃のデカリ
ン中で測定した極限粘度[η]は、通常は1〜5dl/g
の範囲内にある。
として、ポリプロピレンを使用する場合、プロピレンの
単独重合体およびプロピレンと他のα-オレフィンとの
共重合体を使用することができる。プロピレンと共重合
する他のα-オレフィンの例としては、エチレン、ブテ
ン-1、ペンテン-1、4-メチルペンテン-1,3-メチルブテ
ン-1およびヘキセン-1のような炭素原子数2〜20のα
-オレフィン(プロピレンを除く)を挙げることができ
る。このような結晶性ポリプロピレンは通常は0.88
〜0.92g/cm3程度の密度を有しており、さらに13
5℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]は、通常は
1〜10dl/gの範囲内にある。
は、結晶性を損なわない範囲内で鎖状非共役ジエンから
誘導される繰り返し単位および/または環状非共役ジエ
ンから誘導される繰り返し単位を有していてもよい。本
発明の結晶性ポリオレフィン(b-1)におけるこのような
非共役ジエンから誘導される繰り返し単位の含有率は、
通常は20モル%以下、好ましくは10モル%以下であ
る。
(b-2)は、ガラス転移温度(Tg)が通常は0℃以下で
あり、好ましくは0℃〜−150℃、さらに好ましくは
−80〜−20℃の範囲内にある。さらに、このエラス
トマーの135℃、デカリン中で測定した極限粘度
[η]は、通常は0.2〜10dl/g、好ましくは1〜
5dl/gである。またその密度は、通常は0.82〜0.
96g/cm3、好ましくは0.84〜0.92g/cm3であ
る。さらに、このエラストマーのX線回折法によって測
定した結晶化度は、通常、30%以下、好ましくは25
%以下であり、この共重合体は、低結晶性もしくは非晶
性であることが好ましい。
α-オレフィン共重合体である場合には、このようなα-
オレフィン共重合体としては、具体的には、(イ)エチ
レン・α-オレフィン共重合体ゴム、(ロ)プロピレン
・α-オレフィン共重合体ゴムが例示できる。上記のエ
チレン目α-オレフィン共重合体ゴム(イ)およびプロ
ピレン・α-オレフィン共重合体ゴム(ロ)は単独で使
用することもできるし、さらに両者を組み合わせて使用
することもできる。
ゴム(イ)を構成するα-オレフィンとしては、通常、
炭素原子数3〜20のα-オレフィン、たとえばプロピ
レン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1
-ペンテン、1-オクテン、1-デセンおよびこれらの混合
物を挙げることができる。このうち特にプロピレンおよ
び/または1-ブテンが好ましい。
体ゴム(ロ)を構成するα-オレフィンとしては、通
常、炭素原子数4〜20のα-オレフィン、たとえば1-
ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテ
ン、1-オクテン、1-デセンおよびこれらの混合物を挙げ
ることができる。このうち特に1-ブテンが好ましい。
-2)は、その特性を損なわない範囲内で、ジエン化合物
から誘導される繰り返し単位等のようなα-オレフィン
から誘導される繰り返し単位以外の繰り返し単位を有し
ていてもよい。
に含まれることが許容される繰り返し単位としては、1,
4-ヘキサジエン、1,6-オクタジエン、2-メチル-1,5-ヘ
キサジエン、6-メチル-1,5-ヘプタジエンおよび7-メチ
ル-1,6-オクダジエンのような鎖状非共役ジエン;シク
ロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラ
ヒドロインデン、5-ヒニルノルボルネン、5-エチリデン
-2-ノルボルネン、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-イソ
プロピリデン-2-ノルボルネンおよび6-クロロメチル-5-
イソプロペニル-2-ノルボルネンのような環状非共役ジ
エン;2,3-ジイソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-エ
チリデン-3-イソプロピリデン-5-ノルボルネンおよび2-
プロペニル-2,2-ノルボルナジエン等のジエン化合物か
ら誘導される繰り返し単位を挙げることができる。α-
オレフィン共重合体中における上記のようなジエン成分
から誘導される繰り返し単位の含有量は、通常は10モ
ル%以下、好ましくは5モル%以下である。
チレン・α-オレフィン共重合体(イ)においては、エ
チレンから誘導される繰り返し単位とα-オレフィンか
ら誘導される繰り返し単位とのモル比(エチレン/α-
オレフィン)は、α-オレフィンの種類によっても異な
るが、一般に10/90〜99/1、好ましくは50/
50〜95/5である。上記モル比は、α-オレフィン
がプロピレンである場合には、50/50〜90/10
であることが好ましく、α-オレフィンが炭素原子数4
以上のα-オレフィンである場合には80/20〜95
/5であることが好ましい。
れるプロピレン・α-オレフィン共重合体(ロ)におい
ては、プロピレンから誘導される繰り返し単位とα-オ
レフィンから誘導される繰り返し単位とのモル比(プロ
ピレン/α-オレフィン)は、α-オレフィンの種類によ
っても異なるが、一般には50/50〜95/5の範囲
内にある。さらに、上記モル比は、α-オレフィンが1-
ブテンである場合には、50/50〜90/10である
ことが好ましく、α-オレフィンの炭素原子数が5以上
である場合には、80/20〜95/5であることが好
ましい。
て、芳香族成分から誘導される繰り返し単位を有するエ
ラストマーを使用することもできる。この芳香族成分か
ら誘導される繰り返し単位を有するエラストマーのとし
ては、スチレン系ブロック共重合体を挙げることができ
る。ここで、スチレン系ブロック共重合体は、一般にス
チレンブロックとゴム中間ブロックとを有し、スチレン
ブロックが物理架橋(ドメイン)を形成して橋かけ点と
なり、中間のゴムブロックは製品にゴム弾性を付与して
いる共重合体である。本発明で用いられるスチレン系ブ
ロック共重合体は、中間のソフトセグメントがブタジエ
ン、イソプレン、あるいはこれらの完全または不完全水
素化物である共重合体であり、具体的にはスチレン-ス
チレンブテン-スチレンブロック共重合体(SEBS)
等である。これらのうちでは、スチレン-スチレンブテ
ン-スチレンブロック共重合体が好ましい。このスチレ
ン系ブロック共重合体は、シェル化学(株)より商品名
「クレイトンG」、旭化成(株)より「タフテック」とし
て製造販売されている。
(b)成分とは、上記(a)成分100重量部に対し
て、(b)成分が0.5〜70重量部の量で含有されて
おり、さらにこの(b)成分が5〜50重量部であるこ
とが好ましい。
(b)成分とを、特定の変性剤で変性した変性環状オレ
フィン系共重合体組成物[A]が配合されている。ここ
で変性に用いられる変性剤(c)は、エチレン性不飽和
基含有カルボン酸、その無水物およびエチレン性不飽和
基含有カルボン酸ヒドロキシアルキルエステルよりなる
群から選ばれる少なくとも一種類の変性剤である。
これらの酸無水物としては、例えば、(メタ)アクリル
酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イ
タコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、ノルボルネンジ
カルボン酸およびビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン-5,6-
ジカルボン酸等の不飽和カルボン酸またはこれらの酸無
水物を挙げることができる。
酸ヒドロキシアルキルエステルの具体的な例としては、
2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチル
メタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、
2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、3-ヒドロキシプ
ロピルアクリレート、3-ヒドロキシプロピルメタクリレ
ート、3-クロロ-2-ヒドロキシアクリレート、3-クロロ-
2-ヒドロキシメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノ
キシプロピルアクリレートおよび2-ヒドロキシ-3-フェ
ノキシプロピルメタクリレートを挙げることができる。
リル酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、2-ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート等である。これらの変性剤
は、単独で使用することもできるし、さらに組み合わせ
て使用することもできる。
成分の合計重量100重量部に対して、0.01〜10
重量部、好ましくは0.1〜5重量部の量で使用され
る。環状オレフィン系重合体組成物を変性剤(c)によ
り変性するに際して用いられるラジカル開始剤として、
有機過酸化物あるいはアゾ化合物を用いることができ
る。
例としては、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,5,5-ト
リメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキ
シ)シクロヘキサン、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)オ
クタン、n-ブチル-4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)パラ
レートおよび2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)ブタン等の
パーオキシケタール類;ジ-t-ブチルパーオキサイド、
ジクミルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイ
ド、α,α'-ビス(t-ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)
ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキ
シ)ヘキサンおよび2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパ
ーオキシ)ヘキシン-3等のジアルキルパーオキサイド
類;アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサ
イド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオ
キサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5-トリメチ
ルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサ
イド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイドおよびm-
トリオイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド
類;t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキ
シイソブチレート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキ
サノエート、t-ブチルパーオキシラウリレート、t-ブチ
ルパーオキシベンゾエート、ジ-t-ブチルパーオキシイ
ソフタレート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパー
オキシ)ヘキサン、t-ブチルパーオキシマレイックアシ
ッド、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートお
よびクミルパーオキシオクテート等のパーオキシエステ
ル類;ならびに、t-ブチルハイドロパーオキサイド、ク
メンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼン
ハイドロパーオキサイド、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-
ジハイドロパーオキサイドおよび1,1,3,3-テトラメチル
ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサ
イド類を挙げることができる。
ブチルパーオキシ)-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、
ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイ
ド、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキ
サンおよび2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキ
シ)ヘキシン-3である。
ゾ化合物の具体的な例としては、アゾイソブチロニトリ
ル等を挙げることができる。このようなラジカル開始剤
は、単独あるいは組み合わせて使用することができる。
して用いることもでき、架橋することにより耐衝撃性等
の力学特性が向上する。変性環状オレフィン系樹脂を架
橋するに際しては、通常、ラジカル開始剤を使用する。
カル開始剤の例としては、上記のラジカル開始剤を挙げ
ることができる。そして、さらにラジカル開始剤で処理
する際に架橋助剤として、ラジカル重合性の官能基を分
子内に2個以上有する化合物を配合することにより、得
られる変性環状オレフィン系樹脂の耐衝撃性等の特性は
より向上する。
に2個以上有する化合物の例としては、ジビニルベンゼ
ン、(メタ)アクリル酸ビニルなどを挙げることができ
る。ラジカル開始剤は、(a)成分と(b)成分との合
計量100重量部に対して、通常は、0.005〜10
重量部、好ましくは0.05〜5重量部の量で用いられ
る。
分との合計量100重量部に対して、通常は、0.00
5〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の範囲
内の量で用いられる。
ィン系樹脂[A]の製造には、公知の方法を利用して製
造することができる。例えば、(a)成分と(b)成分
と、さらに変性剤である(c)成分とを、ラジカル開始
剤の存在下に溶融混練する方法、(a)成分と(b)成
分とを予め有機溶媒に溶解もしくは分散させた溶液(あ
るいは分散液)を調製し、ここに変性剤である(c)成
分とラジカル開始剤とを添加し加熱する方法などを挙げ
ることができる。
[A]の製造方法には、(a)成分と(b)成分との混
合物を溶融混練し、さらにこの混練物に変性剤である
(c)成分、ラジカル開始剤および架橋助剤を配合して
混練する方法、(a)成分と(b)成分との混合物を溶
融混練し、さらにこの混練物に変性剤である(c)成分
およびラジカル開始剤を配合して混練し、さらにこの混
練物にラジカル開始剤、架橋助剤を配合して混練する方
法、(a)成分、(b)成分、変性剤である(c)成分
およびラジカル開始剤を一括で溶融混練し、さらにこの
混練物にラジカル開始剤、架橋助剤を配合して混練する
方法、(a)成分、(b)成分との混合物を溶融混練
し、さらにこの混練物にラジカル開始剤および架橋助剤
を溶融混練し、さらにこの混練物に変性剤である(c)
成分およびラジカル開始剤を配合して溶融混練する方
法、(a)成分、(b)成分、変性剤である(c)成
分、ラジカル開始剤および架橋助剤を一括で溶融混練す
る方法がある。
グラフト量が上記の範囲内になるように変性剤(c)
と、(a)成分および(b)成分との配合量を調製して
製造することもできるし、また、例えば変性剤の配合量
を多くしてグラフト量の高い変性物を調製し、次いでグ
ラフト量が上記範囲内になるように未変性物で希釈する
ことにより調製することもできる。
[B]は、下記式[IX]で表される構造の繰り返し単位
を有するポリエステル樹脂である。
れぞれ独立に、脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、
または芳香族炭化水素基を表し、pは正の整数である。
このようなポリエステル樹脂[B]としては、例えば、
イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン
酸、4,4'-ジフェノキシエタンジカルボン酸、アジピン
酸、セバチン酸およびシクロヘキサンジカルボン酸など
のジカルボン酸またはこれらの誘導体と、エチレングリ
コール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリ
コール、ヘキサメチレングリコール、ビスフェノール
A、ヒドロキノンおよびレゾルシンなどのジオールまた
はこれらの誘導体との縮合により生成するポリエステル
を挙げることができる。
しては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート等が好ましく、さらにポリブチレンテレフ
タレートが特に好ましい。
は2種以上を組み合わせて使用することができる。本発
明の環状オレフィン系樹脂組成物は、上記[A]成分と
[B]成分とを含有しており、この組成物中における
[A]成分/[B]成分の重量比は99/1〜1/99
の範囲内にある。さらに、[A]成分/[B]成分の重
量比が99/1〜30/70であることが好ましい。
は、さらに、上記の成分の他に無機充填剤、有機充填
剤、熱安定剤、耐候性安定剤、帯電防止剤、造核剤、ス
リップ防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、
顔料、染料、天然油、合成油およびワックス等の添加剤
が配合されていてもよい。
は、例えば、[A]成分と[B]成分を溶融混練する方
法など、公知の方法を利用して製造することができる。
上記のようにして製造される環状オレフィン系重合体組
成物は、他の樹脂、金属などと良好な接着性を有する。
脂、金属、セラミックス、紙、布、不織布などの種々の
材料を使用することができる。特に本発明の環状オレフ
ィン系重合体組成物は、樹脂あるいは金属との接着性が
良好である。
場合、金属としては、鉄、アルミニウム、ステンレスな
どを挙げることができる。また、たとえば、被接着体と
して樹脂を使用する場合、樹脂としては、アクリル樹
脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィン、ポ
リ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフ
ェニレンオキサイド樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロ
ニトリル・スチレン系樹脂およびABS樹脂を挙げるこ
とができる。
は、耐フロン性に優れており、フロン123、フロン1
41bにも侵されにくく、フロン接触しても成形品の表
面の光沢が低下しにくいという特性を有する。
の発泡ウレタン層上に積層された前記環状オレフィン系
共重合体組成物からなる層とを有している。発泡ウレタ
ンは、他の樹脂発泡体よりも環状オレフィン系共重合体
組成物の接着力が優れている。
体組成物をシート状に成形し、このシート上で発泡させ
ることにより製造することができる。こうして形成され
た積層体は、特に接着剤を使用しなくとも、環状オレフ
ィン系共重合体組成物からなるシートと発泡ウレタンと
の間で非常に高い接着力を示す。しかもこの積層体をフ
ロン雰囲気で使用しても環状オレフィン系ランダム共重
合体から形成されたシートが優れた耐フロン性を示すの
で、積層体自体の強度および表面の光沢などが低下しな
い。
系共重合体組成物層および発泡ウレタン層の厚さは、こ
の積層体の用途等を考慮して、適宜設定することができ
る。また、この積層体は、上記のように二層であっても
よいし、さらに多層構造で合ってもよい。
は、接着剤などを用いない場合であっても、樹脂あるい
は金属と良好な接着性を有している。
成物は、フロン123、141bにも侵されにくく、こ
れらと長期間接触しても、成形体の表面光沢が損なわれ
ることがない。
が、本発明は、これら実施例によって限定的に解釈され
るべきではない。 (1)試験片の作製 東芝機械(株)製射出成形機IS−55EPNおよび所
定の角板用金型を用い、以下の形成条件で成形した。
温度50℃、射出圧力一次/二次=1000/800kg
/cm2、射出速度 中速 耐フロン性試験用の角板は、成形温度250℃で、プレ
ス成形した。 (2)溶融流れ指数(MFR260℃) ASTM D1238に準じ温度260℃、荷重2.1
6kgで測定した。 (3)極限粘度[η] デカリン中、135℃で測定した。 (4)軟化温度(TMA) デュポン社製 Thermo Mechanical Analyzer を用いて厚
さ1mmのシートの熱変形挙動により測定した。すなわ
ち、シート上に石英製針をのせ、荷重49gをかけ、5
℃/分の速度で昇温してゆき、針が0.635mm侵入し
た温度をTMAとした。 (5)グロスの測定 射出形成した角板(120×130×2tmm)の中央部
のグロスを、(株)堀場製作所製グロスチェッカIG−3
20により測定した。 (6)耐フロン性試験 図1に示すように、プレス成形した150×150×2
tmmの角板2を145×50×2tmmに切削し、一定の曲
率半径を持った応力治具1にセットし、フロンガス(フ
ロン123またはフロン141b)雰囲気中に放置(2
4時間)した後試料を取り出し、クラックの有無を調べ
た。試験は曲率半径R:65mm、200mmの二つの応力
治具について行った。試験評価は、R:65mmの治具で
もクラックが発生しなかったものを○、R:65mmでは
クラックが発生したが、200mmでは発生しなかったも
のを△、R:200mmでもクラックが発生したものを×
とした。なおテストピースの厚みh(2tmm)と曲率半径
Rから、応力治具の表面歪εは式(1)によりそれぞれ
1.5%(R:65mm)、0.5%(R:200mm)であ
る。
設置したテーパー付き深さ50mm(120mm×130m
m)の溶液中に、発泡ウレタンの2液(レジンプレミッ
クス(R)、イソシアネート(I):三井東圧化学(株)
製)を混合攪拌(混合比(R)/(I)=1.156、
混合速度;1000rpm、攪拌時間;3〜4sec)した後
速やかに加え、密封して10分放置し、ウレタンの発泡
を完了した。 ウレタン層の厚さ25mm、接着面積25
mm×12.5mm=3.125cm2となるように上記で作成
した試験片を切り出して、引張剪断強度を測定(試験速
度:50mm/min、試験温度:23℃)するとともに、
目視により母材破壊・界面剥離のいずれかを確かめた。
6.8kgを用意した。この共重合体は、エチレンと1,4,
5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタ
レン(DMON)とのランダム共重合体(エチレン含有
率:73モル%)であり、極限粘度[η]が0.6dl/
g、MFR260℃が25g/分および軟化温度115
℃である。
-1-ペンテンをコモノマーとする線状低密度ポリエチレ
ンのペレット2.5kgを用意した。この共重合体のMF
R230℃は3.5g/10分、密度は0.91である。
が80モル%のエチレン・プロピレンランダム共重合体
ペレット0.7kgを用意した。この共重合体の極限粘度
[η]は、2.55dl/g、ガラス転移温度は−54
℃、MFR230℃は0.4g/10分である。
酸(和光純薬(株)製)100g、パーヘキシン25B
(日本油脂(株)製)10gを充分混合した後、二軸押
出機(TEM−35)により、シリンダ温度250℃で
溶融ブレンドし、ペレタイザーを用いてペレット化し
た。
シン25B(日本油脂(株)製)6gおよびジビニルベ
ンゼン18gの割合で添加し、充分混合した。この混合
物を上記と同様の条件で再度溶融ブレンドし、ペレタイ
ザーを用いてペレット化した。こうして得られた変性物
であるペレットを3.6kg用意した。
樹脂[A]とする。別に、ポリエステル樹脂として、ポ
リブチレンテレフタレート(東レPBT樹脂:銘柄名1
401−X06)を0.4kg用意した。
二軸押出機により、シリンダ温度250℃で溶融ブレン
ドし、ペレタイザーを用いてペレット化して本発明の組
成物を調製した。
系樹脂[A]のペレットを2.8kg用意した。
の際に用いたポリブチレンテレフレートのペレットを
1.2kg用意した。上記2種類のペレットを充分混合し
た後、二軸押出機により、シリンダ温度250℃で溶融
ブレンドし、ペレタイザーを用いてペレット化して本発
明の組成物を調製した。
系樹脂[A]のペレットを2.0kg用意した。
の際に用いたポリブチレンテレフタレートのペレットを
2.0kg用意した。上記2種類のペレットを充分混合し
た後、二軸押出機により、シリンダ温度250℃で溶融
ブレンドし、ペレタイザーを用いてペレット化して本発
明の組成物を調製した。
ダム共重合体、ポリオレフィン樹脂およびエラストマー
をそれぞれ6.8kg、2.5kg、0.7kg準備した。
二軸押出機により、シリンダ温度250℃で溶融ブレン
ドし、ペレタイザーを用いてペレット化した。得られた
ペレット6kgに対して、パーヘキシン25B(日本油脂
(株)製)6gおよびジビニルベンゼン18gの割合で
添加し、充分混合した。この混合物を上記と同様の条件
で再度溶融ブレンドし、ペレタイザーを用いてペレット
化して組成物を調製した。
ダム共重合体とエラストマーをそれぞれ8.9kgおよび
1.1Kg用意した。
酸(和光純薬(株)製)100g、パーヘキシン25B
(日本油脂(株)製)10gを充分混合した後、二軸押
出機(TEM−35)により、シリンダ温度250℃で
溶融ブレンドし、ペレタイザーを用いてペレット化し
た。このペレットを3.6kg用意した。
レンテレフタレート(東レPBT樹脂:銘柄名1401
−X06)を0.4kg用意した。上記2種類のペレット
を充分混合した後、二軸押出機により、シリンダ温度2
50℃で溶融ブレンドし、ペレタイザーを用いてペレッ
ト化して本発明の組成物を調製した。
ダム共重合体とエラストマーをそれぞれ8.75kg、1.
25kg準備した。
酸(和光純薬(株)製)100g、パーヘキシン25B
(日本油脂(株)製)10gを充分混合した後、二軸押
出機(TEM−35)により、シリンダ温度250℃で
溶融ブレンドし、ペレタイザーを用いてペレット化し
た。このペレットを3.2kg用意した。
レンテレフタレート(東レPBT樹脂:銘柄名1401
−X06)を0.8kg用意した。上記2種類のペレット
を充分混合した後、二軸押出機により、シリンダ温度2
50℃で溶融ブレンドし、ペレタイザーを用いてペレッ
ト化して本発明の組成物を調製した。
ダム共重合体とエラストマーをそれぞれ8.5kg、1.5
kg準備した。
酸(和光純薬(株)製)100g、パーヘキシン25B
(日本油脂(株)製)10gを充分混合した後、二軸押
出機(TEM−35)により、シリンダ温度250℃で
溶融ブレンドし、ペレタイザーを用いてペレット化し
た。このペレットを2.8kg用意した。
レンテレフタレート(東レPBT樹脂:銘柄名1401
−X06)を1.2kg用意した。上記2種類のペレット
を充分混合した後、二軸押出機により、シリンダ温度2
50℃で溶融ブレンドし、ペレタイザーを用いてペレッ
ト化して本発明の組成物を調製した。
ダム共重合体、エラストマーをそれぞれ9.0kg、1.0
kg用意した。
二軸押出機により、シリンダ温度250℃で溶融ブレン
ドし、ペレタイザーを用いてペレット化した。得られた
ペレット6kgに対して、パーヘキシン25B(日本油脂
(株)製)6gおよびジビニルベンゼン6gの割合で添
加し、充分混合した。この混合物を上記と同様の条件で
再度溶融ブレンドし、ペレタイザーを用いてペレット化
して組成物を調製した。
の模式図である。
Claims (6)
- 【請求項1】[A] (a)エチレンと次式[I]または[II]で表される環
状オレフィンとのランダム共重合体(a-1)、次式[I]
または[II]で表される環状オレフィンの開環重合体ま
たは開環共重合体(a-2)および該開環重合体または開環
共重合体の水添物(a-3)よりなる群から選ばれる少なく
とも一種類の環状オレフィン系樹脂:100重量部と、
(b)結晶化度が30%を超え、かつ23℃における引
張モジュラスが2000kg/cm2を超えるポリオレフィ
ン樹脂(b-1)、および/または、23℃における引張モ
ジュラスが0.1〜2000kg/cm2の範囲内にあるエラ
ストマー(b-2):0.5〜70重量部とを、 上記(a)成分および(b)成分の合計100重量部に
対して0.01〜10重量部の量の、(c)エチレン性
不飽和基含有カルボン酸、その無水物およびエチレン性
不飽和基含有カルボン酸ヒドロキシアルキルエステルよ
りなる群から選ばれる少なくとも一種類の変性剤で変性
した変性環状オレフィン系樹脂と、 [B]ポリエステル樹脂とからなり、 上記[A]成分/[B]成分の重量比が99/1〜1/
99であることを特徴とする環状オレフィン系共重合体
組成物; 【化1】 [上記式[I]中、nは0または1であり、mは0また
は正の整数であり、qは0または1であり、R1〜R18
およびRa、Rbは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲ
ン原子および炭化水素基よりなる群から選ばれる原子も
しくは基を表し、 R15〜R18は、互いに結合して単環
または多環を形成していてもよく、かつ該単環または多
環が二重結合を有していてもよく、 また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリ
デン基を形成していてもよい]; 【化2】 [上記式[II]中、pおよびqは0または正の整数であ
り、mおよびnは0、1または2であり、 R1〜R19は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原
子、炭化水素基またはアルコキシ基であり、 R9またはR10が結合している炭素原子と、R13が結合
している炭素原子またはR11が結合している炭素原子と
は直接あるいは炭素原子数1〜3のアルキレン基を介し
て結合していてもよく、 また、n=m=0のときR15とR12またはR15とR19と
は互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成して
いてもよい]。 - 【請求項2】 前記環状オレフィン系樹脂(a)の軟化
温度が70℃以上であり、かつ130℃デカリン中で測
定した極限粘度[η]が0.05〜10dl/gの範囲内
にあることを特徴とする請求項第1項記載の環状オレフ
ィン系共重合体組成物。 - 【請求項3】 前記ポリオレフィン樹脂(b-1)が、高密
度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリ
エチレンおよびポリプロピレンよりなる群から選ばれる
少なくとも一種類のポリオレフィンであることを特徴と
する請求項第1項記載の環状オレフィン系共重合体組成
物。 - 【請求項4】 前記エラストマー(b-2)が、エチレン-プ
ロピレンランダム共重合体であることを特徴とする請求
項第1項記載の環状オレフィン系共重合体組成物。 - 【請求項5】 前記ポリエステル樹脂[B]が、ポリブ
チレンテレフタレート樹脂であることを特徴とする請求
項第1項記載の環状オレフィン系共重合体組成物。 - 【請求項6】 発泡ウレタン層と、該発泡ウレタン層上
に積層された前記請求項第1項から第5項に記載のいず
れかの環状オレフィン系共重合体組成物からなる層とを
有することを特徴とする積層体。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1420193A JP3339020B2 (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | 環状オレフィン系共重合体組成物および積層体 |
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