JPH06166795A - ブロー用途熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

ブロー用途熱可塑性樹脂組成物

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JPH06166795A
JPH06166795A JP32210992A JP32210992A JPH06166795A JP H06166795 A JPH06166795 A JP H06166795A JP 32210992 A JP32210992 A JP 32210992A JP 32210992 A JP32210992 A JP 32210992A JP H06166795 A JPH06166795 A JP H06166795A
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JP
Japan
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monomer
weight
vinyl
based monomer
molecular weight
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JP32210992A
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English (en)
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Hiroshi Mori
弘 森
Yoshihiro Nakai
義博 中井
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大型ブロー成形性に優れ、かつ成形品の外
観、特に表面光沢に優れた熱可塑性樹脂組成物を得る。 【構成】 特定の組成、特定の分子量及び分子量分布を
有し、かつその分子構造中に二つのビニル基を有する化
合物を導入することにより得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大型ブロー成形性に優
れ、かつ成形品の外観、特に表面光沢に優れた熱可塑性
樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ブロー成形法、すなわち中空成形法はポ
リエチレンとともに発展し、現在でもブロー成形用とし
てはポリエチレン樹脂は大半を占め、食品等のプラスチ
ック容器として用いられている。近年では、ポリプロピ
レンやポリ塩化ビニル樹脂等の汎用樹脂に限らず、ポリ
エステルやポリフェニレンオキサイド等のエンジニアリ
ングプラスチックのブロー成形も行われてきている。
【0003】しかし、現在ブロー成形法によって得られ
ている製品は、ポリオレフィン系が主力で樹脂価格的に
は安価であるが、良好な表面外観、特に表面光沢に優れ
る製品を得にくい。またこのような製品を得るためには
表面に塗装が施される場合が多いが、一般にポリオレフ
ィン系樹脂はそのままでは塗装ののりが悪く、表面前処
理が必要となり、結局はコスト的な有利さは無くなる。
また、ポリエステルやポリフェニレンオキサイド等のエ
ンジニアプラスチックは樹脂コストも高く、成形外観に
も特に優位な点はない。良好な成形外観、特に表面光沢
に優れ、かつ塗装性にも優れる低コストな樹脂としてA
BS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂
があるが、この樹脂は溶融状態における強度が低く、ブ
ロー成形法には適さないと考えられていた。
【0004】特開平3−243646号公報に開示され
た方法においては、ABS樹脂のアセトン可溶分を特定
の分子量と分子量分布をもたせることにより、良好なブ
ロー成形性と耐ドローダウン性を得ているが、良好なブ
ロー成形品を得ようとすると外観、特に光沢度が不足
し、また良好な光沢度を得ようとすると、溶融強度が不
足気味となり安定したブロー成形品が得られないという
問題がある。また、シアン化ビニル含有量が高いため
に、成形時の熱着色という問題が発生し好ましくない。
【0005】特開平3−263451号公報及び特開平
4−25431号公報に開示された方法では、低分子量
成分に有機シラン化合物を導入することにより良好な溶
融強度を得ているが、成形品の外観、特に光沢度は不足
するものであった。成形品の外観、特にその表面光沢に
優れる熱可塑性樹脂としてのABS樹脂は、ポリフェニ
レンオキサイド系樹脂等に比べて溶融時の強度が低く、
ブロー成形時にパリソンが自重を支えられずに延びてし
まい、良好な成形品が得られない。例え得られたとして
も成形品の肉厚が均一でない等のいわゆる樹脂のドロー
ダウンという問題があった。
【0006】本発明はブロー成形時のドローダウンが少
なく、安定した大型成形品が得られ、かつ成形品の外
観、特に表面光沢に優れた材料を提供することを課題と
する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記問
題を解決するために鋭意検討した結果、特定の組成、特
定の分子量及び分子量分布を有し、かつその分子構造中
に二つのビニル基を有する化合物を導入することによっ
て、上記課題が解決できることを見い出し本発明に到達
した。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)ゴム状
重合体の存在下に、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビ
ニル系単量体、メタアクリル酸エステル系単量体からな
る群より選ばれた少なくとも一種の単量体をグラフト重
合してなるグラフト重合体、(B)芳香族ビニル系単量
体、メタアクリル酸エステル系単量体、マレイミド系単
量体からなる群より選ばれた少なくとも一種の単量体と
シアン化ビニル系単量体を重合してなるビニル系共重合
体、(C)芳香族ビニル系単量体、メタアクリル酸エス
テル系単量体、マレイミド系単量体からなる群より選ば
れた少なくとも一種の単量体とシアン化ビニル系単量体
との単量体混合物100重量部に対し、分子中に二つの
ビニル基を有する化合物を加えて重合してなる変性ビニ
ル系共重合体の(A)〜(C)を配合してなり、下記
(1)〜(5)であることを特徴とするブロー用途熱可
塑性樹脂組成物にある。 (1)該組成物のアセトン可溶分のシアン化ビニル含有
率が25〜40重量% (2)該組成物のアセトン可溶分0.2グラムをジメチ
ルホルムアミド100mlに溶解させた溶液の25℃に
おける還元粘度が0.70〜1.80 (3)該組成物のアセトン可溶分のポリスチレン換算の
重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/M
nが1.8〜3.8 (4)該組成物中にゴム質重合体が5〜30重量% (5)該樹脂中に、分子中に二つのビニル基を有する化
合物の含有率が0.005〜0.10重量% 本発明の特徴は、二つのビニル基を有する化合物を導入
することによって分子構造中に弱い架橋構造を持たせ、
かつ高分子量成分により、樹脂の溶融強度をあげてブロ
ー成形時のドローダウンを防ぎ、かつ分子量分布を広げ
て低分子量成分を持たせて成形品の外観、特に表面光沢
に優れる樹脂組成物を得ることにある。本発明の樹脂組
成物は、ゴム状重合体の存在下にビニル系単量体をグラ
フト重合したグラフト重合体(A)と、ビニル系単量体
を重合してなるビニル系共重合体(B)、ビニル系単量
体に二つのビニル基を有する化合物を重合してなる変性
ビニル系共重合体(C)より構成される。
【0009】以下、本発明について具体的に説明する。
ブロー成形とは、樹脂をシリンダーで溶融状態としてダ
イから押出してパリソンと呼ばれる成形品の前駆体を形
成し、これの内部にガスを送り込むことにより金型に押
しつけてそのまま冷却し成形品を得る方法である。ここ
で重要となるのはパリソンすなわち溶融状態の樹脂の強
度であり、この溶融強度が小さすぎるとパリソンが延び
てドローダウンという状態となり、均一な厚みを有する
成形品が得られない。また、逆に溶融強度が高すぎると
ドローダウンはしにくくなるが、強度が高すぎるために
金型転写性が悪化したり、表面光沢が低下するというこ
とがある。すなわちブロー成形に適した溶融強度の範囲
が存在するのである。しかし、分子量分布の狭い樹脂組
成物で良好な成形性を有する成形品を得ることは可能で
あるが、その場合にはある狭い範囲でのパリソン重量を
もつ成形品にしか対応出来ず、これよりパリソン重量の
大きい大型成形品や、さらに小型の成形品に対しては良
好な製品が得られないという問題があった。様々な重量
のパリソンに対してドローダウン性や表面光沢を良好と
するには、分子中に二つのビニル基を有する化合物を導
入して分子間に弱く架橋をもたせて3次元構造とし、か
つ該樹脂組成物のアセトン可溶分の分子量分布を広げる
ことにより解決出来ることを見い出した。すなわち、分
子量分布を広範とすることで様々なパリソン重量に対応
し、また低下した溶融強度を架橋構造で補強することを
特徴とする。
【0010】分子中に二つのビニル基を有する化合物の
添加量は、該樹脂の溶融強度と表面光沢を改良する目的
から、樹脂のアセトン可溶分の分子量と分子量分布と大
きく関係する。上記目的を達成するためには、アセトン
可溶分のジメチルホルムアミド溶液におけるηsp/c
が0.70〜1.80であり、かつゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算
重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/M
n(以下これを分散度と呼ぶ)が1.8〜3.8であ
り、かつ該樹脂組成物中に二つのビニル基を有する化合
物を0.005〜0.10重量部導入する必要がある。
0.005重量部未満である場合には、樹脂の溶融強度
が不足しブロー成形時にドローダウンし易くなり好まし
くなく、0.10重量部を超えるとドローダウン性は良
好であるが樹脂の成形外観、特に光沢度が悪化するため
好ましくない。
【0011】該樹脂中のシアン化ビニルの含有量はブロ
ー成形性には殆ど影響を及ぼさないが,樹脂の機械的強
度、特に衝撃強度と成形品の耐薬品性に大きく影響す
る。一般に広く使用されている射出成形用途の溶融強度
の低いABS樹脂やAES樹脂、AAS樹脂では、樹脂
中のシアン化ビニル含有量が樹脂の機械的強度に及ぼす
影響は小さいものであるが、ブロー用途に提供されるよ
うな溶融強度の高い樹脂においてはシアン化ビニルの含
有量は耐衝撃性に大きく影響することが解った。該樹脂
組成物のアセトン可溶分におけるシアン化ビニルの含有
量が25重量%以上であると耐衝撃性が良好となる。成
形品の耐薬品性は、ブロー成形品が塗装を施されること
が多いため重要である。耐薬品性は樹脂中のシアン化ビ
ニルの含有量を上げることにより良好となる。シアン化
ビニル含有量を高くすれば高くするほど耐塗装性は良好
になるが、塗装に使用されるシンナーの樹脂表面への吸
込みによる割れは、該樹脂の分子量の高さと弱い架橋構
造と相まって、シアン化ビニルの含有量が25重量%以
上であれば見られないことが解った。しかし、シアン化
ビニルの含有量が40重量%を超えると成形時の熱着色
がひどくなるために好ましくない。よって上記のことを
考慮して、アセトン可溶分のシアン化ビニルの含有量は
25〜40重量%であることが好ましい。
【0012】本発明におけるグラフト重合体(A)に使
用することのできるゴム状重合体には、ポリブタジエン
ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、ア
クリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)とい
ったジエン系ゴム、アクリル酸ブチル−メタクリル酸メ
チル共重合体に代表されるアクリルゴム、エチレン−プ
ロピレン共重合ゴム(EPR)やエチレン−プロピレン
−ジエン共重合体(EPDM)等に代表される飽和ゴ
ム、その他塩素化ポリエチレンやシリコーンゴムの様な
ゴムが目的に応じて使用される。グラフトされるシアン
化ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル、エタクリロニトリル等が使用されるが、
アクリロニトリルがコスト的にも好ましい。芳香族ビニ
ル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、
4−メチルスチレン、塩素化スチレン等が目的に応じて
使用できる。使用されるメタアクリル酸エステル系単量
体としては、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エ
チル、メタアクリル酸フェニル等の他にアクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルのようなアク
リル酸エステルも使用できる。
【0013】グラフト重合体(A)の製造方法としては
特に限定されず、通常の乳化重合、溶液重合、懸濁重合
等が使用できる。ビニル系共重合体(B)に用いられる
シアン化ビニル系単量体、芳香族ビニル系単量体、メタ
アクリル酸エステル系単量体は上記グラフト重合体
(A)に使用されているものと同様のものが使用でき
る。マレイミド系単量体としてはマレイミド、N−メチ
ルマレイミド、N−フェニルマレイミドの他、無水マレ
イン酸等も使用できる。
【0014】各々の単量体の組成比は、該樹脂組成物の
アセトン可溶分のシアン化ビニル含有率が25〜40重
量%であることを鑑みて、それに近い組成が選ばれる。
しかし、ビニル系共重合体(B)中のシアン化ビニル含
有量が25〜40重量%である必要は必ずしも無いが、
グラフト重合体(A)や変性ビニル系共重合体(C)と
のシアン化ビニル含有量が大きく異なるとこれら重合体
同士で相溶性が乏しくなるため、シアン化ビニル含有量
としては同様の組成のものが選ばれる必要があり、すな
わちビニル系共重合体(B)中のシアン化ビニルの含有
率としては25〜40重量%が好ましい。また、ブロー
成形品に塗装を施すことを考慮すると、シアン化ビニル
の含有率は25重量%以上であることが好ましい。
【0015】ビニル系共重合体(B)の分子量と分子量
分布については、ブロー成形性を考慮して設定する必要
がある。すなわち、該樹脂組成物のアセトン可溶分0.
2グラムをジメチルホルムアミド100mlに溶解させ
た溶液の25℃におけるηsp/cが0.70〜1.8
0であればよいが、グラフト共重合体(A)中のアセト
ン可溶分及び変性ビニル系重合体(C)の分子量とビニ
ル系共重合体(B)の分子量に大きな差があると樹脂の
成形外観、特にフィッシュアイ等の様なものが発生し易
くなり好ましくない。よって、ビニル系共重合体(B)
のηsp/cは上記範囲に近いものが選ばれ、特に0.
60〜1.90が好ましい。0.60未満である場合に
は樹脂のドローダウン性が悪化し、また1.90を超え
ると樹脂の成形外観、特に光沢度が悪化する。ビニル系
共重合体(B)の分子量分布は、該樹脂組成物のアセト
ン可溶分のポリスチレン換算の重量平均分子量Mwと数
平均分子量Mnとの比Mw/Mnが1.8〜3.8であ
ることからこれに近い組成が選ばれ、グラフト共重合体
(A)及び変性ビニル系共重合体(B)の分子量や分子
量分布、配合量を考慮して設定する必要がある。
【0016】ビニル系共重合体(B)の製造方法にも特
に制限はなく、通常の乳化重合、懸濁重合、乳化懸濁重
合、溶液重合、塊状重合等が使用できる。変性ビニル系
重合体(C)に使用されるシアン化ビニル系単量体、芳
香族ビニル系単量体、メタアクリル酸エステル系単量
体、マレイミド系単量体は上記と同様のものが使用され
る。分子中に二つのビニル基を有する化合物としては、
一般に架橋剤として用いられているものが使用される。
例えば、ジビニルベンゼン、ジメタクリル酸エチレング
リコール、メタクリル酸アリル、ジメタクリル酸1,3
−ブチレングリコール、無水メタクリル酸、トリメタク
リル酸トリメチロールプロパン、ジアリールフタレート
等が使用できる。該樹脂組成物の表面光沢とブロー成形
性を鑑みて、ジビニルベンゼン又はメタクリル酸アリル
が好ましく使用される。分子中に二つのビニル基を有す
る化合物の変性ビニル系共重合体(C)中における含有
量としては、該樹脂中に0.005〜0.10重量部と
なるように添加する必要がある。
【0017】本発明の樹脂組成物の製造方法には特に制
限はなく、例えばグラフト重合体(A)とビニル系共重
合体(B)、変性ビニル系共重合体(C)を混合し、こ
れをベント式押出機やロールで混練してペレットやシー
トペレットにした後にブロー成形機により成形品を得る
ことができる。また、この際に、材料としての性能をさ
らに向上させるために、帯電防止剤、酸化防止剤、熱安
定剤、滑剤、可塑剤、難燃剤、紫外線吸収剤、着色剤を
添加することも可能である。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定さ
れるものではない。
【0019】(A)グラフト重合体の調製 (1)グラフト重合体(A−1) ポリブタジエンラテックス(ゴム固形分50%、平均粒子径0.28μm) 50重量部(固形分) 蒸留水 120重量部 アクリロニトリル 3重量部 スチレン 5重量部 ロジン酸カリウム 0.8重量部 t−ドデシルメルカプタン 0.1重量部 デキストリン 0.3重量部 硫酸第一鉄・七水塩 0.01重量部 ピロリン酸ナトリウム 0.2重量部 水酸化ナトリウム 0.05重量部 を重合槽に仕込み、攪拌しながら65℃に昇温した。こ
れに、 アクリロニトリル 15重量部 スチレン 27重量部 t−ドデシルメルカプタン 0.4重量部 クメンハイドロパーオキサイド 0.3重量部 からなる混合物を6時間かけて連続滴下した。この間、
重合槽の内温は65℃になるよう調整した。冷却後、希
硫酸にてラテックスを凝固し、水洗後乾燥して白色粉末
状のグラフト重合体(A−1)を得た。収率95%。
【0020】 (2)グラフト重合体(A−2) アクリル酸n−ブチル 50重量部 蒸留水 150重量部 ロジン酸カリウム 0.6重量部 トリアリルシアヌレート 0.4重量部 を反応槽に仕込み、窒素気流下70℃に昇温する。続いて、 ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.3重量部 硫酸第一鉄・七水塩 0.01重量部 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.03重量部 クメンハイドロパーオキサイド 0.2重量部 を添加して重合を開始した。150分後、 メタクリル酸メチル 25重量部 スチレン 25重量部 クメンハイドロパーオキサイド 0.3重量部 の混合物を45分かけて滴下しグラフト重合した。滴下
終了後、1時間そのまま攪拌し冷却してグラフトラテッ
クスを得た。このラテックスを希硫酸にて凝固し、水洗
後乾燥して白色粉末状のグラフト重合体(A−2)を得
た。収率93%。
【0021】(B)ビニル系共重合体の調製 (3)ビニル系共重合体(B−1) アクリロニトリル 5重量部 スチレン 8重量部 エチルベンゼン 20重量部 を重合槽に仕込み、70℃に昇温し、 アクリロニトリル 27重量部 スチレン 60重量部 アゾビスイソブチロニトリル 0.10重量部 エチルベンゼン 50重量部 からなる混合物を6時間かけて連続添加して重合した。
この際に、槽内温は70℃一定となるよう調整した。滴
下終了後、そのまま70℃で1時間保ち、冷却後重合体
溶液をヘキサン中に投入し、白色粉末状のビニル系重合
体(B−1)を得た。
【0022】(4)ビニル系共重合体(B−2)〜(B
−4) (B−1)と同様にして、単量体の組成、単量体の滴下
時間及び温度を変えて表1に示されるビニル系重合体
(B−2)〜(B−7)を調整した。
【0023】
【表1】
【0024】 (5)ビニル系共重合体(B−7) アクリロニトリル 27重量部 スチレン 43重量部 N−フェニルマレイミド 30重量部 アゾビスイソブチロニトリル 0.2重量部 t−ドデシルメルカプタン 0.1重量部 を連続重合反応器に仕込み100℃で重合を行い、得ら
れたドープを押出機に送ってペレット形態のビニル系重
合体(B−7)を得た。アクリロニトリルの含有量は2
6.4重量%、ηsp/c=0.92、Mw/Mn=
2.9であった。
【0025】(C)変性ビニル系共重合体の調整 (6)変性ビニル系共重合体(C−1) アクリロニトリル 5重量部 スチレン 8重量部 エチルベンゼン 20重量部 を重合槽に仕込み、70℃に昇温し、 アクリロニトリル 27重量部 スチレン 60重量部 ジビニルベンゼン 0.20重量部 アゾビスイソブチロニトリル 0.10重量部 エチルベンゼン 50重量部 からなる混合物を6時間かけて連続添加して重合した。
この際に、槽内温は70℃一定となるよう調整した。滴
下終了後、そのまま70℃で1時間保ち、冷却後重合体
溶液をヘキサン中に投入し、白色粉末状のビニル系重合
体(C−1)を得た。
【0026】(7)変性ビニル系共重合体(C−2) ジビニルベンゼンをアリルメタクリレートに変更した以
外は(C−1)と同様にして、白色粉末状のビニル系重
合体(C−2)を得た。
【0027】(実施例1〜7)表2の組成で重合体
(A)〜(C)を混合し、これを二軸押出機でペレット
とした。またブロー成形機(プラコー(株)社製DA−
50S)を用いて箱形状の成形品を成形した。
【0028】1)アセトン可溶分のηsp/c;得られ
たペレットをアセトンで抽出し、その可溶分0.2グラ
ムをジメチルホルムアミド100mlに溶解し、25℃
においてそのηsp/cを測定した。 2)アセトン可溶分のシアン化ビニル含有量;熱分解ガ
スクロマトグラフ法を測定した。 3)アセトン可溶分のMw/Mn;ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィーによりポリスチレン換算重量平均
分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnを測定
した。 4)ブロー成形性;得られたペレットについてのブロー
成形時ドローダウン性の評価として、キャピログラフ
(東洋精機(株)社製)で220℃における溶融強度、
溶融粘度を測定した。実際のブロー成形において安定し
て良好な成形品が得られた場合を○、良好な成形品が安
定して得られなかった場合を×と評価した。
【0029】5)成形品の光沢度;成形品の光沢度は、
光沢計(村上色彩技術研究所製GM−26D)を用いて
成形板表面垂直方向から60度の方向からの光線の反射
率(%)として測定した。また、測定は常に同じ位置で測
定することとした。 6)成形品の熱着色;成形品の外観をみて熱焼けによる
着色がひどいものを×、やや着色するものを△、良好で
特に問題とならないものを○とした。 7)塗装性;塗装性評価は成形品に塗料(プラネットA
H)を塗布し、乾燥後の塗料の吸い込みおよび全面のは
じきを目視にて判定し、塗料の吸い込みかつはじきの無
いものを○とし、吸い込み又ははじきが見られたものを
×とした。
【0030】
【表2】
【0031】(比較例1〜6)表3の組成で、(実施
例)と同様にして重合体(A)〜(C)を混合して各特
性を評価した。
【0032】
【表3】
【0033】
【発明の効果】以上の結果から、特定の組成、特定の分
子量及び分子量分布を有し、かつその分子構造中に二つ
のビニル基を有する化合物を導入することにより、ブロ
ー成形性、成形品の外観、さらに塗装性にも優れる熱可
塑性樹脂組成物を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 51/00 LKS 7142−4J

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ゴム状重合体の存在下に、芳香族ビ
    ニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、メタアクリル
    酸エステル系単量体からなる群より選ばれた少なくとも
    一種の単量体をグラフト重合してなるグラフト重合体、
    (B)芳香族ビニル系単量体、メタアクリル酸エステル
    系単量体、マレイミド系単量体からなる群より選ばれた
    少なくとも一種の単量体とシアン化ビニル系単量体を重
    合してなるビニル系共重合体、(C)芳香族ビニル系単
    量体、メタアクリル酸エステル系単量体、マレイミド系
    単量体からなる群より選ばれた少なくとも一種の単量体
    とシアン化ビニル系単量体との単量体混合物100重量
    部に対し、分子中に二つのビニル基を有する化合物を加
    えて重合してなる変性ビニル系共重合体の(A)〜
    (C)を配合してなり、下記(1)〜(5)であること
    を特徴とするブロー用途熱可塑性樹脂組成物。 (1)該組成物のアセトン可溶分のシアン化ビニル含有
    率が25〜40重量% (2)該組成物のアセトン可溶分0.2グラムをジメチ
    ルホルムアミド100mlに溶解させた溶液の25℃に
    おける還元粘度が0.70〜1.80 (3)該組成物のアセトン可溶分のポリスチレン換算の
    重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/M
    nが1.8〜3.8 (4)該組成物中にゴム質重合体が5〜30重量% (5)該樹脂中に、分子中に二つのビニル基を有する化
    合物の含有率が0.005〜0.10重量%
JP32210992A 1992-12-01 1992-12-01 ブロー用途熱可塑性樹脂組成物 Pending JPH06166795A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002201329A (ja) * 2000-12-21 2002-07-19 Cheil Industries Inc 耐薬品性と真空成形性が優れる熱可塑性樹脂組成物
JP2008521997A (ja) * 2004-12-01 2008-06-26 チェイル インダストリーズ インコーポレイテッド 中空成形性と耐衝撃性及び寸法安定性が優れた熱可塑性abs樹脂組成物
JP2016188293A (ja) * 2015-03-30 2016-11-04 東レ株式会社 熱可塑性樹脂組成物
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