JPH06164294A - 表面弾性波素子 - Google Patents

表面弾性波素子

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JPH06164294A
JPH06164294A JP5222475A JP22247593A JPH06164294A JP H06164294 A JPH06164294 A JP H06164294A JP 5222475 A JP5222475 A JP 5222475A JP 22247593 A JP22247593 A JP 22247593A JP H06164294 A JPH06164294 A JP H06164294A
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昭広 八郷
Kenjiro Higaki
賢次郎 桧垣
Shinichi Shikada
真一 鹿田
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    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/02Details
    • H03H9/02535Details of surface acoustic wave devices
    • H03H9/02543Characteristics of substrate, e.g. cutting angles
    • H03H9/02582Characteristics of substrate, e.g. cutting angles of diamond substrates

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高周波特性が良く且つ、耐環境性に優れた表
面弾性波素子を提供する。 【構成】 本発明の表面弾性波素子は、実質的に、ダイ
ヤモンドおよびダイヤモンド状炭素膜の少なくともいず
れかを組成要素とする硬質層と、この硬質層上に形成さ
れる圧電体層と、この圧電体層上に形成される二酸化珪
素(SiO2 )層と、この圧電体層と組合わされて電気
−機械変換を行うための電極とを備える構造を有してい
る。このような構造を有する本発明の表面弾性波素子
は、二酸化珪素層が形成されていない従来の表面弾性波
素子と比較して、電気機械結合係数が大きくなると共
に、表面弾性波の伝搬速度が速くなるので、高周波数領
域で動作する表面弾性波素子が実現される。特に、電気
機械結合係数が大きくなる。又、二酸化珪素(Si
2 )層は、電気的に絶縁体であり、水分や酸に反応し
難いので、圧電体層及び電極を外部環境から保護する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、数百MHzからGHz
の高周波領域で動作する表面弾性波素子に関するもので
あり、特に、ダイヤモンドまたはダイヤモンド状炭素膜
と圧電体とを組み合わせた表面弾性波素子に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】表面弾性波素子は、弾性体表面を伝搬す
る表面波を利用した電気−機械変換素子であり、たとえ
ば、図14に示すような基本構造を有する。同図中、表
面弾性波素子40において、表面弾性波の励振には圧電
体44による圧電現象が利用される。圧電体44に設け
られた一方のくし形電極43に電気信号を印加すると、
圧電体44に歪みが生じ、これが表面弾性波となって圧
電体44を伝搬し、もう1つのくし型電極43´で電気
信号が取出される。この素子の周波特性は、図に示すよ
うに、くし形電極における電極間隔をλ0 、表面弾性波
の伝搬速度をvとすれば、f0 =v/λ0 で定められる
周波数f0 を中心とした帯域通過特性を有する。
【0003】表面弾性波素子は、部品点数が少なく、小
型にすることができ、しかも表面弾性波の伝搬経路上に
おいて信号の出入れが容易である。この素子は、フィル
タ、遅延線、発振器、共振器、コンボルバーおよび相関
器等に応用することができる。特に、表面弾性波素子
は、テレビの中間周波数フィルタとして実用化され、さ
らにVTRならびに、自動車電話および携帯電話等各種
の通信機器用のフィルタにも応用が検討されてきてい
る。
【0004】従来の典型的な表面弾性波素子として、L
iNbO3 およびLiTaO3 等の圧電体結晶上に、く
し形電極を形成した構造からなる素子がある。また、Z
nO等の圧電体薄膜をガラス等の基板上にスパッタ等の
技術を用いて形成したものも用いられている。
【0005】しかしながら、上述した従来の素子構造を
用いて、高周波域(GHz帯)で動作する素子を製造す
ることは困難である。圧電体単結晶上にくし形電極を形
成しただけの素子では、表面弾性波の伝搬速度vが小さ
いため、1GHz以上の高い中心周波数を得ることは困
難である。
【0006】上述した式からも示唆されるように、表面
弾性波素子がより高い周波数を中心とする帯域通過特性
を有するためには、電極間隔λ0 を小さくするか、表面
弾性波の伝搬速度vを大きくする必要がある。
【0007】くし形電極の電極間隔λ0 を小さくして中
心周波数を高くすることは、フォトリソグラフィー等の
微細加工技術により制限を受ける。
【0008】そのため、表面弾性波の伝搬速度vを増加
させる技術がこれまで検討されてきた。
【0009】特開昭54−38874号公報は、表面弾
性波の伝搬速度が圧電体中の伝搬速度よりも大きなサフ
ァイア層を基板と圧電体膜との間に設けた素子を開示し
ている。また、特開昭64−62911号公報および特
開平3−19842号公報では、表面弾性波の伝搬速度
を大きくするため、ダイヤモンド層上に圧電体膜を積層
させた素子を開示している。図21(a)〜(d)は、
これらの公報に開示された素子の例を示している。
【0010】図21(a)に示す素子では、ダイヤモン
ド層52上に圧電体層54が形成され、これらの層の間
にくし形電極53が設けられている。図21(b)に示
す素子では、図21(a)に示す素子の圧電体層54に
短絡用電極56が設けられたものである。図21(c)
に示す素子では、ダイヤモンド層52上に圧電体層54
が形成され、圧電体層54上にくし形電極53が設けら
れている。図21(d)に示す素子では、図21(c)
に示す素子において圧電体層54とダイヤモンド層52
との間に短絡電極56が設けられたものである。
【0011】特開平3−198412号公報では、図2
1(a)〜(d)に示す素子について、より高い表面弾
性波の伝搬速度およびより高い電気機械結合係数を得る
ため、ダイヤモンド層の厚み、ZnOからなる圧電体層
の厚みおよび励振モードが検討されている。
【0012】さらに、特開平1−103310号公報で
は、伝搬速度を大きくするため、ダイヤモンド状炭素膜
の上に圧電体を体積させた表面弾性波素子が開示されて
いる。この公報に開示された素子は、図21(a)〜
(d)に示す素子において、ダイヤモンド層52の代わ
りにダイヤモンド状炭素膜を用いている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、移動
体通信等の分野においてフィルタとして用いられる表面
弾性波素子は、周波数の割当てに応じて1.5〜3GH
zのより高い周波数で使用できることが望まれている。
このようなフィルタを実現化するためには、高い効率で
電気機械的変換を行なうことができ、かつより速い表面
弾性波の伝搬速度vを有する素子構造が要求される。
【0014】また、表面弾性波素子は、特に携帯電話な
どの高周波フィルタとして検討されている。周知のとお
り、携帯電話は、様々な環境で用いられるため、この電
話に組込まれた素子は、湿気および不純物等の影響を受
けるおそれがある。したがって、携帯電話に用いられる
表面弾性波素子は、使用環境中で常に安定した特性を保
持することが要求される。
【0015】本発明は、この様な、技術的課題に鑑みに
より高周波領域において使用することができ、かつ外部
環境に対して安定した性能(耐環境性)を保持すること
ができる表面弾性波素子を提供することを目的する。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に従う表面弾性波
素子は、ダイヤモンドを組成とする硬質層と、この層の
上に形成される圧電体層と、この圧電体層の上に形成さ
れる二酸化珪素層と、硬質層と圧電体層との間、又は圧
電体層と二酸化珪素層との間に埋設される電極群とを具
備することとした。
【0017】本発明において、圧電体層が、ダイヤモン
ドおよびダイヤモンド状炭素膜の少なくともいずれかを
組成要素とする硬質層と二酸化珪素(SiO2 )層との
間に挾まれる結果、圧電体層および電極からなる素子中
枢部が保護され、かつ高い電気機械的結合がもたらされ
る。
【0018】本発明において、二酸化珪素(SiO2
層は、たとえば、スパッタリング法、イオンプレーティ
ング法、CVD法、電子ビーム蒸着法、低温CVD法に
より成長させることができる。二酸化珪素(SiO2
は、非晶質のものがよい。
【0019】本発明において、ダイヤモンド状炭素膜
は、i−カーボンと呼ばれる。ダイヤモンド状炭素膜
は、ダイヤモンドの気相合成に関する研究の過程で見出
されたものであり、多くの研究者によりその材質が詳し
く調べられ、明らかにされてきた。ダイヤモンド状炭素
膜を1つの物質として定義することについての定説はな
いが、この膜は、ダイヤモンド、クラファイト、アモル
ファスカーボンなどとは顕著に異なるものであって、次
に示すような性質を有している。
【0020】(1) 炭素と水素からなる組成物で、水
素のほうが少ない。
【0021】(2) 結晶状態はアモルファスである。
【0022】(3) 少なくとも一般の金属に比べては
るかに硬い。
【0023】(4) 電気的には絶縁体である。
【0024】(5) 光を透過する。
【0025】また、ダイヤモンドは〜10.000(H
v)の硬度を有する一方、ダイヤモンド状炭素膜は、た
とえば、1.000〜5.000(Hv)の硬度を有す
る。
【0026】ダイヤモンド状炭素膜は、ダイヤモンドの
合成と同様にプラズマCVD、イオンビーム蒸着法およ
びスパッタリング等の気相プロセスに従って製造され
る。
【0027】本発明において、ダイヤモンドおよびダイ
ヤモンド状炭素膜の少なくともいずれかからなる層が少
量の不純物を含んでいてもよい。弾性表面波の伝搬速度
および電気機械的変換の効率を高める点からいえば、ダ
イヤモンドからなる硬質層を用いることが好ましい。す
なわち、硬質層は、実質的ダイヤモンドを必須要素とす
るものであることを要する。
【0028】一方、ダイヤモンドは500°C以上の合
成温度が必要であるのに対し、ダイヤモンド状炭素膜は
室温でも気相合成され、このため、ダイヤモンド状炭素
膜は、膜がその上に形成されるべき基材の選択の幅を大
きく広げる。また、ダイヤモンド状炭素膜について、大
面積の膜を容易に得ることができ、ダイヤモンドに比べ
てより平滑な表面を有する。
【0029】本発明において、実質的に、ダイヤモンド
およびダイヤモンド状炭素膜の少なくともいずれかを組
成要素とする硬質層は、天然あるいは超高圧合成による
単結晶ダイヤモンドでもよく、基板上に形成されたダイ
ヤモンド薄膜からなる硬質層であってもよい。また、ダ
イヤモンド状炭素膜からなる硬質層であってもよい。
【0030】ダイヤモンドおよびダイヤモンド状炭素膜
の少なくともいずれかから本質的になる硬質層の厚み
は、表面弾性波の伝搬速度を大きくするために、以下の
実施例に示すように、2πHd/λ>3の厚み、さらに
望ましくは2πHd/λ>4の厚みであることが好まし
い。ダイヤモンド薄膜を形成するための基板は、特に限
定されないが、たとえば、Si、Mo、W、GaAs、
およびLiNbO3 等の半導体材料および無機材料から
構成してもよい。
【0031】また一方、ダイヤモンド状炭素膜を形成す
るための基板は、ダイヤモンドよりも広い範囲の基板を
適用することができる。このような基板としては、たと
えば、合成樹脂等の有機化合物からなる基板をも含む。
【0032】基板上に形成されるダイヤモンド薄膜は、
単結晶ダイヤモンドであってもよいし、多結晶ダイヤモ
ンドであってもよい。気相合成によるダイヤモンド薄膜
は、通常多結晶構造を有する。
【0033】ダイヤモンド薄膜を基板上に形成させる方
法として、たとえば、熱CVD法、プラズマCVD法、
マイクロ波CVD法、光CVD法およびレーザCVD法
等のCVD法、スパッタリング、ならびにイオンビーム
蒸着等を挙げることができる。また、ダイヤモンド状炭
素膜も、ダイヤモンド薄膜を形成したものと同様の方法
を用いて基板上に形成させてもよい。
【0034】原料ガスを分解励起してダイヤモンド薄膜
を気相成長させる方法についてより具体的に列挙する
と、たとえば、(1) 熱電子放射材を1500K以上
の温度に加熱して原料ガスを活性化する方法、(2)
直流波、交流波またはマイクロ波電界による放電を利用
する方法、(3) イオン衝撃を利用する方法、(4)
レーザなどの光を照射する方法、(5) 原料ガスを
燃焼させる方法等がある。
【0035】ダイヤモンド薄膜およびダイヤモンド状炭
素膜を気相合成するために使用する原料物質には、炭素
含有化合物が一般的に用いられる。この炭素含有化合物
は、好ましくは水素ガスと組合せて用いられる。また、
必要に応じて、酸素含有化合物および/または不活性ガ
ス中に添加される。
【0036】炭素含有化合物しては、たとえば、メタ
ン、エタン、プロパンおよびブタン等のパラフィン系炭
化水素、エチレン、プロピレンおよびブチレン等のオレ
フィン系炭化水素、アセチレンおよびアリレン等のアセ
チレン系炭化水素、ブタジエン等のジオレフィン系炭化
水素、シクロプロパン、チクロブタン、チクロペンタン
およびシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、シクロブタ
ジエン、ベンゼン、トルエン、キシレンおよびナフタレ
ン等の芳香族炭化水素、アセトン、ジエチルケトンおよ
びベンゾフェノン等のケトン類、メタノールおよびエタ
ノール等のアルコール類、トリメチルアミンおよびトリ
エチルアミン等のアミン類、炭酸ガスならびに一酸化炭
素などを挙げることができる。これらは、1種を単独で
用いることもできるし、2種類以上を併用することもで
きる。また、炭素含有化合物は、グラファイト、石炭、
コークス等の炭素原子のみからなる物質であってもよ
い。
【0037】原料ガスに添加される酸素含有化合物とし
ては、酸素、水、一酸化炭素、二酸化炭素、または過酸
化水素が容易に入手できるゆえ好ましい。
【0038】原料ガスに添加できる不活性ガスとして
は、たとえば、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプト
ン、キセノン、またはラドンを用いてもよい。
【0039】また、実質的にダイヤモンドおよびダイヤ
モンド状炭素膜の少なくともいずれかを組成要素とする
硬質層は、単結晶ダイヤモンドから本質的になる基板で
構成されてもよい。単結晶ダイヤモンドの基板は、表面
弾性波の伝搬速度および電気機械結合係数を高めるため
好ましく用いられる。このような基板として、天然ダイ
ヤモンドまたは超高圧合成法により製造された合成ダイ
ヤモンドを用いてもよい。
【0040】本発明において、圧電体層は、ZnO、A
lN、PB(Zr,Ti)O3 、(Pb,La)(Z
r,Ti)O3 、LiTaO3 、LInbO3 、SiO
2 、Ta2 5 、Nb2 5 、BeO、Li2
4 7 、KNbO3 、ZnS、ZnSeまたはCdS等
の圧電材料から本質的になることができる。
【0041】圧電体層は、単結晶および多結晶のいずれ
であってもよいが、素子をより高周波域で使用できるよ
うにするためには、弾性表面波の散乱が少ない単結晶で
あるほうがより好ましい。ZnO、AlN、およびPb
(ZrTi)O3 等から本質的になる圧電体層は、CV
D法またはスパッタ等によって形成してもよい。
【0042】本発明において、前述した電気機械的変
換、すなわち電気信号と表面弾性波との間での変換を行
なうための電極は、典型的には、くし形電極またはイン
ターデジタル・トランデューサ(IDT)と呼ばれる電
極が用いられる。
【0043】くし形電極は、現在のところフォトリソグ
ラフィー法を用いて1.2μm程度の電極間隔を有する
ものまでを製造することができる。電極を形成する材料
としては、抵抗率の小さな金属が好ましく、Au、Ag
およびAl等の低温で蒸着可能な金属、ならびにTi、
WおよびMo等の高融点金属を用いることができる。電
極形成の容易さからは、AlおよびTiを用いることが
好ましく、ダイヤモンドとの密着性からはWおよびMo
を用いることが好ましい。くし形電極は、単一の金属材
料から形成されてもよく、またTiの上にAlを堆積す
るように2種類以上の金属材料を組合せて形成されても
よい。
【0044】ここで、くし形電極の作製順序を簡単に説
明する。まず、上述した材料からなる金属層を所定の場
所に形成する。次に、レジスト膜を金属層上に形成した
後、ガラス等の透明平板上にくし形電極のパターンを形
成させたマスクをレジスト膜の情報に設け、水銀ランプ
などを用いてレジスト膜を感光する。その後、現像によ
りレジストパターンが得られる。レジストパターンの形
成には、上述した方法の他に、電子ビームによりレジス
ト膜を直接感光する方法を用いてもよい。
【0045】レジストパターン形成後、エッチングによ
り金属層が所定の形状に加工される。Al等の低融点金
属からなる層をエッチングするには、たとえば、水酸化
ナトリウム溶液などのアリカリ性溶液または硝酸などの
酸性溶液が用いられる。一方、高融点金属をエッチング
する場合にはフッ素酸と硝酸の混合溶液が用いられる。
また、BCl3 等のガスを用いる反応性イオンエッチン
グを金属層の加工のために用いてもよい。
【0046】一方、本発明において、電極は、また導電
性を有するダイヤモンドから形成することもできる。導
電性を有するダイヤモンドは、P、Al、PまたはSな
どの不純物を導入しながらダイヤモンドを気相成長させ
る方法、絶縁体のダイヤモンドにこれらの不純物をイオ
ン注入によりドーピングする方法、絶縁性のダイヤモン
ドに電子線を照射して格子欠陥を導入する方法、または
絶縁性のダイヤモンドを水素化する方法等により形成し
てもよい。
【0047】本発明において、くし形電極は、ダイヤモ
ンドおよびダイヤモンド状炭素膜の少なくともいずれか
から本質的になる層と圧電体層の間、または圧電体層と
二酸化珪素(SiO2 )層との間に形成することができ
る。加えて、くし形電極は、短絡用電極とともに形成し
てもよい。
【0048】くし形電極がダイヤモンドおよびダイヤモ
ンド状炭素膜の少なくともいずれから本質的になる層と
圧電体層との間に設けられる場合、短絡用電極は、圧電
体層と二酸化珪素(SiO2 )層との間および/または
二酸化珪素(SiO2 )層上に設けるようにしてもよ
い。
【0049】また、くし形電極が圧電体層と二酸素珪素
(SiO2 )層との間に設けられる場合、短絡用電極は
ダイヤモンドおよびダイヤモンド状炭素膜の少なくとも
いずれかから本質的になる層と圧電子体層との間および
/または二酸素珪素(SiO2 )層の上に設けることが
できる。
【0050】くし形電極は、例えば図22(a)、図2
2(b)に示すような形状を有するものが用いられる。
【0051】圧電体層を基板上に形成した表面弾性波素
子において、基板材料の音速が圧電体材料の音速よりも
大きいときには、伝搬速度の異なる複数の表面弾性波が
励起される。この場合、励振モードとして、伝搬速度の
小さいほうから0次モード、1次モード、2次モード、
3次モード、…というように規定される。
【0052】本発明に係る表面弾性波素子は、たとえば
1次モードを利用する素子として適用できる。本発明に
従えば、1次モードにおいて伝搬速度が約8000m/
s以上であり、電気機械結合係数が3%以上である表面
弾性波素子を提供することができる。ここで、電気機械
結合係数は、電気的エネルギが機械的エネルギに変換さ
れる際の変換効率を示す指標とする。
【0053】これまでに、本発明に係る表面弾性波素子
と類似のものとして、LiTaO3からなる層上に二酸
化珪素(SiO2 )層を堆積させた構造を有する表面弾
性波素子において、SiO2 層の厚さが2πHs/λ=
1.3付近で、電気機械結合係数を5.2%と大きくで
きることが見出されている。(Jpn.J.Appl.Phys.Suppl.
No.29-1 PP.157-158.1990.SATOH K.,FUJIWARA Y.,HASHI
MOTO K.,)本発明に係る表面弾性波素子では、上述した
表面弾性波素子に比べても、表面弾性波の伝搬速度を2
倍以上大きくすることができ、かつ電気機械結合係数を
大きく保持できるところに特徴を有する。
【0054】また、本発明においては、このような表面
弾性波素子を実現するために、ダイヤモンドおよびダイ
ヤモンド状炭素膜の少なくともいずれかから本質的にな
る層、圧電体層、二酸化珪素(SiO2 )層の各膜厚の
有効範囲が明らかに見出されている。
【0055】
【発明の作用効果】以下の実施例に示されるように、本
発明者らは、圧電体層およびくし形電極が、ダイヤモン
ドおよびダイヤモンド状炭素膜の少なくともいずれから
本質的になる層と二酸化珪素(SiO2 )層との間に挾
まれたサンドイッチ構造を有する表面弾性波素子におい
て、圧電体層および二酸化珪素(SiO2 )層を適当な
厚みに設定することで、二酸化珪素(SiO2 )層を形
成しない場合に比べて電気機械結合係数および表面弾性
波の伝搬速度、特に電気機械結合係数を大きくできるこ
とを見出した。すなわち、本発明に従えば、二酸化珪素
(SiO2 )層をまったく有していない従来の表面弾性
波素子よりも高い効率で電気機械的変換を行なうことが
でき、しかも高い中心周波数を有する表面弾性波素子を
提供することができる。
【0056】さらに、本発明に従う表面弾性波素子にお
いては、圧電体層およびくし形電極の上方に二酸化珪素
(SiO2 )層が形成されている。二酸化珪素(SiO
2 )は電気的に絶縁体であり、また水分や酸にほとんど
反応することがない。したがって、二酸化珪素(SiO
2 )層は、外部環境から圧電体層およびくし形電極から
なる素子中枢部を保護するパッシベーション膜としての
役割を果たし、外部環境からの湿気および不純物等の影
響を極めて小さくすることができる。
【0057】また、本発明に従う表面弾性波素子におい
て、二酸化珪素(SiO2 )層を構成する材料の温度に
対する表面弾性波の伝搬速度の変化係数と、ダイヤモン
ドおよびダイヤモンド状炭素膜の少なくともいずれかか
ら本質的になる層および圧電体層を構成する材料の温度
に対する表面弾性波の伝搬速度の変化係数とが異符号と
なっている。すなわち、温度が上昇するにつれて、二酸
化珪素(SiO2 )層では表面弾性波の伝搬速度が増大
するのに対し、ダイヤモンドおよびダイヤモンド状炭素
膜の少なくともいずれかから本質的になる層および圧電
体層では表面弾性波の伝搬速度が減少する傾向が見られ
る。
【0058】本発明に従う表面弾性波素子では、ダイヤ
モンドおよびダイヤモンド状炭素膜の少なくともいずれ
かから本質的になる層および圧電体層の上に異符合の変
化係数を有する材料からなる二酸化珪素(SiO2 )層
を積層することで相殺効果が生じ、温度変化に対する素
子の特性変動、特に表面弾性波の伝搬速度の変動を極め
て小さく抑えることができる。
【0059】このように、本発明においては、より高周
波領域において高い電気機械変換効率をもって使用する
ことができかつ安定した特性を有する表面弾性波素子が
提供される。
【0060】
【実施例】実施例1 10×10×1mmのSi基板を準備し、これをプラズ
マCVD装置内に設置した。反応室内を排気するととも
に、反応室温にH2 :CH4 =200:1の混合ガスを
導入した。反応室温の圧力が約40Torr、基板温度
が850°C、マイクロ波パワーが400Wの条件下
で、プラズマCVDを行ない、Si基板上に厚さ25μ
mのダイヤモンド薄膜を成長させた。
【0061】次いで、大気中に450°Cで10分間放
置してダイヤモンド薄膜の抵抗値を高めた。次に、ダイ
ヤモンド薄膜の表面を研磨した後、厚さ500オングス
トロームのAl層を抵抗加熱法により蒸着した。次い
で、フォトリソグラフィー法を用いて、Al層から電極
間隔2μmのくし形電極を形成した。くし形電極の形状
は図22(a)に示したものと同様とした。
【0062】次に、スパッタ出力150W、基板温度3
80°C条件下で、ZnO多結晶体をAr:O2 =1:
1の混合ガスでスパッタするマグネトロンスパッタリン
グにより、厚み0.93μmのZnO膜を堆積させた。
【0063】次いで、スパッタリング法により、基板温
度:150°C、高周波パワー:200W、ガス:A
r:O2 =1:1の混合ガス、圧力:0.01Tor
r、ターゲット:SiO2 の条件下で非晶質SiO2
を形成した。
【0064】図1は、かかる構成で形成された実施例に
基づく表面弾性波素子を示す断面図である。
【0065】図1に示すように、Si基板1上にダイヤ
モンド薄膜2が形成されている。そのダイヤモンド薄膜
2上にはくし形電極3が形成され、さらにその上にZn
O薄膜4が形成されている。ZnO薄膜4の上にSiO
2 膜5が形成されている。
【0066】なお、上記の表面弾性波素子と比較するた
め、図2に示すようなSiO2 膜の形成されていない表
面弾性波素子を作製した。
【0067】図2に示すように、Si基板11の上に
は、ダイヤモンド薄膜12が形成されている。ダイヤモ
ンド薄膜12の上には、くし形電極13が形成され、さ
らにその上にZnO薄膜14が形成されている。この比
較例の表面弾性波素子は、SiO2 膜を形成しないこと
以外、すべて上記実施例1に基づく表面弾性波素子と同
様に作製した。
【0068】このようにして得た実施例1および比較例
の表面弾性波素子の表面に5%希塩酸を滴下し、5分後
に表面を洗浄した後、フィルタ特性の評価を行なった。
その結果、図1に示す実施例1に基づく表面弾性波素子
ではフィルタ特性に何ら変化は見られなかった。図2に
示す比較例の表面弾性波素子ではZnO薄膜14がエッ
チングされ、フィルタ特性を示さなくなっていた。この
ように、ZnO薄膜4上に形成されたSiO2 膜5は、
外部環境から表面弾性波素子を保護することが認められ
た。
【0069】実施例2 図3に示す構造を有する素子を作製した。図3に示すよ
うに、Si基板21上には、ダイヤモンド薄膜22が形
成されている。ダイヤモンド薄膜22上に短絡用電極2
6aが形成され、さらにその上にZnO薄膜24が形成
されている。ZnO薄膜24上にはくし形電極23が形
成され、その上にSiO2 膜25が形成されている。
【0070】図3に示す構造を有する素子の作製にあた
り、ダイヤモンド薄膜22は、実施例1の合成条件と同
様の条件下でプラズマCVD法により形成された。ダイ
ヤモンド薄膜22の厚みは約25μmとした。また、Z
nO薄膜24およびくし形電極23も実施例1と同様の
条件で形成された。一方、短絡用電極26は、ダイヤモ
ンド薄膜22の研磨された表面上に、厚さ500オング
ストロームのAl層を抵抗加熱法により蒸着した後、フ
ォトリソグラフィー法を用いて形成した。図3に示す構
造を有する素子において、短絡用電極26aは、素子の
励起効率を向上させるため、くし形電極23が形成され
る領域に対応するように形成した。また、SiO2 膜2
5は、実施例1の合成条件と同様の条件下で低温CVD
法により形成させ、素子の特性を調べるため種々の厚み
とした。
【0071】以下、図3に示した表面弾性波素子の構造
をA構造とする。また、SiO2 膜25の厚みを変えた
場合の特性変化を後に示す。
【0072】実施例3 図4に示す構造を有する素子を作製した。図4に示すよ
うに、Si基板21上には、ダイヤモンド薄膜22が形
成され、その上にくし形電極23が形成されている。ダ
イヤモンド薄膜22およびくし形電極23を覆うように
ZnO薄膜24が形成されている。その上に短絡用電極
26aが形成され、この短絡用電極26aを覆うように
SiO2 膜25が形成されている。
【0073】図4に示す構造を有する素子も、実施例1
〜2と同様の条件を用いて作製された。
【0074】以下、図4に示した表面弾性波素子の構造
をB構造とする。また、SiO2 膜25の厚みを変えた
場合の特性変化を後に示す。
【0075】実施例4 図5に示す構造を有する素子を作製した。図5に示すよ
うに、Si基板21上には、ダイヤモンド薄膜22が形
成されている。ダイヤモンド薄膜22上に短絡用電極2
6aが形成され、さらにその上にZnO薄膜24が形成
されている。ZnO薄膜24上にはくし形電極23が形
成され、その上にSiO2 膜25が形成されている。S
iO2 膜25上には、くし形電極23の形成される領域
を覆うように短絡用電極26bがさらに形成されてい
る。
【0076】図5に示す構造を有する素子も、実施例1
〜3と同様の条件を用いて作製された。
【0077】以下、図5に示した表面弾性波素子の構造
をC構造とする。また、SiO2 膜25の厚みを変えた
場合の特性変化を後に示す。
【0078】実施例5 図6に示す構造を有する素子を作製した。図6に示すよ
うに、Si基板21上には、ダイヤモンド薄膜22が形
成されている。ダイヤモンド薄膜22上にくし形電極2
3が形成され、さらにその上にZnO薄膜24が形成さ
れている。ZnO薄膜24上には、くし形電極23の形
成される領域を覆うように短絡用電極26aが形成さ
れ、その上にSiO2 膜25が形成されている。SiO
2 膜25上には、短絡用電極26bがさらに形成されて
いる。
【0079】図6に示す構造を有する素子も、実施例1
〜4と同様の条件を用いて作製された。
【0080】以下、図6に示した表面弾性波素子の構造
をD構造とする。また、SiO2 膜25の厚みを変えた
場合の特性変化を後に示す。
【0081】以下にA〜D構造を有する表面弾性波素子
において、ZnO薄膜24を一定の厚みとし、最上層に
設けられるSiO2 膜25の厚みを変化させたときの電
気機械結合係数K2 を測定し、その変化をグラフとして
示した。SiO2 膜の厚みと電気機械結合係数K2 を測
定し、その変化をグラフとして示した。SiO2 膜の厚
みと電気機械結合係数K2 との関係を示すにあたり、次
のようにパラメータを規定した。
【0082】表面弾性波の波長をλとする。ZnO薄膜
の膜厚は、無次元のパラメータとするため、膜厚Hzを
波長λで割って2πを乗じた(2πHz/λ)によって
表現する。さらに、SiO2 膜の膜厚も、無次元のパラ
メータとするため、膜厚Hsを波長λで割って2πを乗
じた(2πHs/λ)によって表現する。なお、ダイヤ
モンド薄膜の膜厚も、無次元のパラメータとするため、
膜厚Hdを波長λで割って2πを乗じた(2πHd/
λ)によって表現することとする。
【0083】ここで、(2πHz/λ)および(2πH
s/λ)を用いたのは、膜厚Hz、Hsの絶対的な値と
いうより波長に対する各膜厚Hz、Hsの比率が表面弾
性波の伝搬速度v、電気機械結合係数K2 に影響を及ぼ
すことが分かっているからである。
【0084】図7は、A構造の素子において、2πHz
/λ=0.7のときの(2πHs/λ)と電気機械結合
係数K2 との関係を示すグラフである。
【0085】図7に示すように、A構造の素子におい
て、2πHz/λ=0.7、2πHs/λ=0.8のと
き、1次モードの電気機械結合係数K2 を約4%にまで
大きくすることができる。図7の結果より、ZnO薄膜
24の上にSiO2 膜25を形成することで、電気機械
結合係数K2 を増加させることができることが判明し
た。
【0086】電気機械結合係数K2 と(2πHs/λ)
との関係において、(2πHz/λ)が0.65〜0.
75の範囲にある場合、上述したのと同様の傾向が認め
られた。
【0087】図8は、B構造の素子において、2πHz
/λ=0.7のときの(2πHs/λ)と電気機械結合
係数K2 との関係を示すグラフである。
【0088】図8に示すように、B構造の素子におい
て、2πHz/λ=0.7、2πHs/λ=0.8のと
き、1次モードの電気機械結合係数K2 がほぼ6%に達
する。このように、SiO2 膜を形成しない場合(2π
Hs/λ=0)に比べて電気機械結合係数K2 を2%も
大きくすることができる。
【0089】電気機械結合係数K2 と(2πHs/λ)
の関係において、(2πHz/λ)が0.65〜0.7
5の範囲にある場合、上述したのと同様の傾向が認めら
れた。
【0090】図9は、C構造の素子において、2πHz
/λ=0.7のときの(2πHs/λ)と電気機械結合
係数K2 との関係を示すグラフである。
【0091】図9に示すように、C構造の素子におい
て、2πHz/λ=0.7、2πHs/λ=0.8のと
き、1次モードの電気機械結合係数K2 が3%になる。
このように、SiO2 膜を形成しない場合(2πHs/
λ=0)に比べて電気機械結合係数K2 をほぼ3%も大
きくすることができる。
【0092】電気機械結合係数K2 と(2πHs/λ)
の関係において、(2πHz/λ)が0.65〜0.7
5の範囲にある場合、上述したのと同様の傾向が認めら
れた。 図10は、D構造の素子において、2πHz/
λ=0.7のときの(2πHs/λ)と電気機械結合係
数K2 との関係を示すグラフである。
【0093】図10に示すように、D構造の素子におい
ては、2πHz/λ=0.7、2πHs/λ=0.8の
とき、1次モードの電気機械結合係数K2 がほぼ6%に
まで大きくすることができる。このように、SiO2
を形成しない場合(2πHs/λ=0)に比べて電気機
械結合係数K2 を2%も大きくすることができる。
【0094】電気機械結合係数K2 と(2πHs/λ)
の関係において、(2πHz/λ)が0.65〜0.7
5の範囲にある場合、上述したのと同様の傾向が認めら
れた。
【0095】なお、以上に示したA構造〜D構造を有す
る素子においては、Si基板上に設けられるダイヤモン
ド薄膜22の厚みを約25μmとした。これは、ダイヤ
モンド薄膜22の膜厚Hdを増加させるほど表面弾性波
の伝搬速度vが大きくなるが、(2πHd/λ)≧4.
0となるとき、表面弾性波の伝搬速度vはさほど増加し
なくなる。したがって、ダイヤモンド薄膜22の膜厚H
dは、2πHd/λ〜4.0となる程度とすることで十
分であるからである。
【0096】以上に示した、A構造〜D構造を有する素
子において、2πHd/λ=0.7の場合の表面弾性波
の伝搬速度と(2πHs/λ)の関係は図11に示す通
りである。なおグラフの縦軸および横軸は、それぞれ2
πHz/λ、2πHs/λを示し、グラフ内の数字はv
を示している。
【0097】図11に示されるように、1次モードおよ
び2次モードがともに高い伝搬速度を有していることが
分かる。1次モードにおいては、SiO2 膜25の厚み
が増すにつれて伝搬速度が若干減少していく傾向が認め
られるが、2πHs/λ=0.8において約8000m
/sと十分な伝搬速度が得られていることが分かる。
【0098】また、図7〜10に示す通り、前述のA、
B、CおよびD構造を有するいずれの素子においても、
(2πHs/λ)が大きくなるにつれて、0次モードの
電気機械結合係数K2 がより小さく抑えられている。し
たがって、このような素子では不要波の励振が抑えら
れ、優れたスプリアス特性が得られる。
【0099】以上の実施例1〜4において示した表面弾
性波素子では、SiO2 膜25の膜厚を(2πHs/
λ)が0.2〜0.8の範囲となるように設定すること
で、1次モードの励起構造を有する素子として適用する
ことができる。
【0100】これらの実施例によれば、従来の表面弾性
波素子よりも高い効率で電気機械変換を行うことがで
き、しかも極高周波域において使用することができる表
面弾性波素子を提供することができる。
【0101】これらの実施例に基づく表面弾性波素子
は、特に、自動車電話および携帯電話の通信機器に用い
られる高周波フィルタとして使用することができる。
【0102】これらの実施例に基づく表面弾性波素子に
おいては、図22(a)に示すような標準的なくし形電
極を用いたが、これは図22(b)をはじめとする他の
形状のくし形電極を用いても同様の結果を得ることがで
きる。
【0103】実施例6 図1に示した表面弾性波素子と同一の構造であって、Z
nO薄膜およびSiO2 薄膜の厚みのみを相違させた表
面弾性波素子を作製した。くし形電極の構造は図22
(b)のタイプとし、この電極幅、電極間隔dはともに
2μmとした。ダイヤモンド層の2πHd/λ=4と
し、この素子も、実施例1〜5と同様の条件を用いて作
製された。このようにして作製された表面弾性波素子の
特性の評価結果を図12に示す。これは、2πHz/λ
および2πHs/λと1次モードの電気機械結合係数K
2 との関係を示すグラフである。なお、グラフの縦軸お
よび横軸は、それぞれ2πHz/λ、2πHs/λを示
し、グラフ内の数字はK2 を示している。
【0104】同図に示すように、この構造の表面弾性波
素子において、SiO2 膜の厚み(2πHs/λ)に関
わらず、ZnO薄膜の厚み(2πHz/λ)が増加する
に伴って電気機械結合係数K2 の値は増加する。特に、
2πHs/λが〜0.8であって2πHz/λが1.4
〜の場合の表面弾性波素子においては、K2 =3.5%
が得られる。
【0105】また、かかる表面弾性波素子の伝搬速度と
温度に対する安定性とを考慮した場合は、同図中の4点
の丸印で囲まれた領域に対応したZnO薄膜およびSi
2膜の厚みを有する表面弾性波素子が実用上望まし
く、この表面弾性波素子の伝搬速度は、約8000〜1
0000m/s、温度係数は0±10ppm/℃を有し
ている。このように、SiO2 膜を備えた実施例6の表
面弾性波素子は、実際上好ましい特性を有するZnO薄
膜またはSiO2 膜の厚さを選択することが可能であ
る。
【0106】実施例7 図3に示した表面弾性波素子と同一の構造であって、Z
nO薄膜およびSiO2 薄膜の厚みのみを相違させた表
面弾性波素子を作製した。くし形電極の構造は図22
(b)のタイプとし、これの電極幅、電極間隔dはとも
に2μmとした。ダイヤモンド層の2πHd/λ=4と
し、この素子も、実施例1〜6と同様の条件を用いて作
製された。この表面弾性波素子の特性の評価結果を図1
3に示す。これは、2πHz/λおよび2πHs/λと
1次モードの電気機械結合係数K2との関係を示すグラ
フである。なお、グラフの縦軸および横軸は、それぞれ
2πHz/λ、2πHs/λを示し、グラフ内の数字は
2 を示している。
【0107】同図に示すように、この構造の表面弾性波
素子において、SiO2 膜の厚み(2πHs/λ)に関
わらず、ZnO薄膜の厚み(2πHz/λ)が増加する
に伴って電気機械結合係数K2 の値は増加する。特に、
2πHs/λが0.7〜0.8であって2πHz/λが
0.7〜0.8の場合の表面弾性波素子においては、K
2 〜4%が得られる。
【0108】また、かかる表面弾性波素子の伝搬速度と
温度に対する安定性とを考慮した場合は、同図中の4点
の丸印で囲まれた領域に対応したZnO薄膜およびSi
2薄膜の厚みを有する表面弾性波素子が実用上望まし
く、これらの表面弾性波素子の伝搬速度は、約8000
〜10000m/s、温度係数は0±10ppm/℃を
有している。このように、SiO2 膜を備えた実施例7
の表面弾性波素子は、実際上好ましい特性を有するZn
O薄膜またはSiO2 膜の厚さを選択することが可能で
ある。
【0109】実施例8 図4に示した表面弾性波素子と同一の構造であって、Z
nO薄膜およびSiO2 薄膜の厚みのみを相違させた表
面弾性波素子を作製した。くし形電極の構造は図22
(b)のタイプとし、これの電極幅、電極間隔dはとも
に2μmとした。ダイヤモンド層の2πHd/λ=4と
し、この素子も、実施例1〜7と同様の条件を用いて作
製された。この表面弾性波素子の特性の評価結果を図1
4に示す。これは、2πHz/λおよび2πHs/λと
1次モードの電気機械結合係数K2との関係を示すグラ
フである。なお、グラフの縦軸および横軸は、それぞれ
2πHz/λ、2πHs/λを示し、グラフ内の数字は
2 を示している。
【0110】同図に示すように、この構造の表面弾性波
素子において、SiO2 膜の厚み(2πHs/λ)に関
わらず、ZnO薄膜の厚み(2πHz/λ)が増加する
に伴って電気機械結合係数K2 の値は増加する。特に、
2πHs/λが0.4〜であって2πHz/λが0.6
5〜の場合の表面弾性波素子においては、K2 は少なく
とも約5%に到達し、2πHz/λが1.2〜の場合、
2 は約6%以上に達している。また、2πHs/λ=
0.8、2πHz/λ=0.8の表面弾性波素子は、伝
搬速度vは6700(m/s)、温度係数は5ppm/
℃とする実用上有効な特性を保持しつつ電気機械結合係
数K2 は6%と非常に大きな値を有している。
【0111】また、かかる表面弾性波素子の伝搬速度と
温度に対する安定性とを考慮した場合は、同図中の4点
の丸印で囲まれた領域に対応したZnO薄膜およびSi
2膜の厚みを有する表面弾性波素子が実用上望まし
く、これらの表面弾性波素子の伝搬速度は、約8000
〜10000m/s、温度係数は0±10ppm/℃を
有している。このように、SiO2 膜を備えた実施例8
の表面弾性波素子は、実際上好ましい特性を有するZn
O薄膜またはSiO2 膜の厚さを選択することが可能で
ある。
【0112】実施例9 図5に示した表面弾性波素子と同一の構造であって、Z
nO薄膜およびSiO2 薄膜の厚みのみを相違させた表
面弾性波素子を作製した。くし形電極の構造は図22
(b)のタイプとし、これの電極幅、電極間隔dはとも
に2μmとした。この素子も実施例1〜8と同様の条件
を用いて作製された。この表面弾性波素子の特性の評価
結果を図15に示す。これは、2πHz/λおよび2π
Hs/λと1次モードの電気機械結合係数K2 との関係
を示すグラフである。なお、グラフの縦軸および横軸
は、それぞれ2πHz/λ、2πHs/λを示し、グラ
フ内の数字はK2 を示している。
【0113】同図に示すように、この構造の表面弾性波
素子において、ZnO薄膜の厚み(2πHz/λ)に関
わらず、SiO2 膜の厚み(2πHs/λ)が増加する
に伴って電気機械結合係数K2 の値は増加する。特に、
2πHs/λが0.7〜であって2πHz/λが0.6
5〜0.75の場合の表面弾性波素子においては、K2
は約3%に到達している。
【0114】また、かかる表面弾性波素子の伝搬速度と
温度に対する安定性とを考慮した場合は、同図中の4点
の丸印で囲まれた領域に対応したZnO薄膜およびSi
2膜の厚みを有する表面弾性波素子が実用上望まし
く、これらの表面弾性波素子の伝搬速度は、約8000
〜10000m/s、温度係数は0±10ppm/℃を
有している。このように、SiO2 膜を備えた実施例9
の表面弾性波素子は、実際上好ましい特性を有するZn
O薄膜またはSiO2 膜の厚さを選択することが可能で
ある。
【0115】実施例10 図16に示す構造を有する素子を作製した。図16に示
すように、Si基板21上には、ダイヤモンド薄膜22
が形成されている。ダイヤモンド薄膜22上くし形電極
23が形成され、さらにその上にZnO薄膜24が形成
されている。ZnO薄膜24上にはSiO2 膜25が形
成されている。SiO2 膜25上には、くし形電極23
の形成される領域を覆うように短絡用電極26bが形成
されている。くし形電極23の構造は図22(b)のタ
イプとし、これの電極幅、電極間隔dはともに2μmと
した。ダイヤモンド層の2πHd/λ=4であり、図1
6に示す構造を有する素子も、実施例1〜9と同様の条
件を用いて作製された。
【0116】この素子の特性の評価結果を図17に示
す。これは、このような構造であって、ZnO薄膜およ
びSiO2 膜の厚みのみが同図に示す値を有する表面弾
性波素子の2πHz/λおよび2πHs/λと1次モー
ドの電気機械結合係数K2 との関係を示すグラフであ
る。なおグラフの縦軸および横軸は、それぞれ2πHz
/λ、2πHs/λを示し、グラフ内の数字はK2 を示
している。
【0117】同図に示すように、この構造の表面弾性波
素子において、SiO2 膜の厚み(2πHs/λ)に関
わらず、ZnO薄膜の厚み(2πHz/λ)が増加する
に伴って電気機械結合係数K2 の値は増加する。
【0118】また、かかる表面弾性波素子の伝搬速度と
温度に対する安定性とを考慮した場合は、同図中の4点
の丸印で囲まれた領域に対応したZnO薄膜およびSi
2膜の厚みを有する表面弾性波素子が実用上望まし
く、これらの表面弾性波素子の伝搬速度は、約8000
〜10000m/s、温度係数は0±10ppm/℃を
有している。このように、SiO2 膜を備えた実施例1
0の表面弾性波素子は、実際上好ましい特性を有するZ
nO薄膜またはSiO2 膜の厚さを選択することが可能
である。
【0119】このように、実施例6〜10の表面弾性波
素子は、2πHz/λ=0.3〜1.0においてSiO
2 膜を付加したので、ほぼ7000m/s以上の伝搬速
度を保持しつつ、高い電気機械結合係数K2 および高い
温度安定性を有している。
【0120】なお、以上の実施例6〜10の表面弾性波
素子においては、Si基板上に設けられるダイヤモンド
薄膜22の厚みを約25μmとした。これは、ダイヤモ
ンド薄膜22の膜厚Hdを増加させるほど表面弾性波の
伝搬速度vが大きくなるが、(2πHd/λ)≧4.0
となるとき、表面弾性波の伝搬速度vはさほど増加しな
くなる。したがって、ダイヤモンド薄膜22の膜厚Hd
は、2πHd/λ〜4.0となる程度とすることで十分
であるからである。
【0121】以上、上記に示した実施例6〜10の表面
弾性波素子において、2πHd/λ=0.7の場合の1
次モードの表面弾性波の伝搬速度v(m/s)と(2π
Hs/λ)および2πHz/λの関係は図18に示す通
りである。なおグラフの縦軸および横軸は、それぞれ2
πHz/λ、2πHs/λを示し、グラフ内の数字はv
を示している。
【0122】同図から明らかなように、2πHs/λま
たは2πHz/λの増加に伴って伝搬速度vは減少する
が、2πHs/λが0.8であっても2πHz/λを〜
0.4に設定すれば、伝搬速度v=8000(m/s)
以上が得られる。
【0123】また、上記実施例6〜10の表面弾性波素
子において、ZnO薄膜およびSiO2 薄膜の厚みを変
化させた場合の、2πHz/λおよび2πHs/λと1
次モードの温度係数σ(ppm/℃)との関係を調べ
た。この結果を図19に示す。
【0124】なおグラフの縦軸および横軸は、それぞれ
2πHz/λ、2πHs/λを示し、グラフ内の数字は
σを示している。同図から明らかなように、2πHz/
λの値に関わらず2πHs/λの増加に伴って温度係数
σは増加し、2πHs/λが0.5〜0.8である場合
には、2πHz/λの値を0.6以下の適当な値に設定
することによってσ=0とすることができる。以上の結
果から電気機械結合係数K2 、伝搬速度vおよび温度係
数σを考慮した場合に実際上有効な2πHs/λおよび
2πHz/λの範囲は、2πHs/λが0.4〜0.8
であって2πHz/λが0.2〜0.6であることが判
る。
【0125】以上の実施例6〜10において示した表面
弾性波素子では、SiO2 膜25の膜厚を2πHs/λ
が0.2〜0.8の範囲となるように設定することで、
1次モードの励起構造を有する素子として適用すること
ができる。
【0126】これらの実施例によれば、従来の表面弾性
波素子よりも高い効率で電気機械変換を行うことがで
き、しかも極高周波域において使用することができる表
面弾性波素子を提供することができる。しかも、これら
の実施例に係る表面弾性素子は、SiO2 膜とZnO薄
膜の膜厚を適当に設定することにより、外部の温度変化
に対しても安定であるので、特に、環境変化の激しい自
動車電話および携帯電話の通信機器に用いられる高周波
フィルタとして使用することができる。
【0127】なお、第6〜10実施例に基づく表面弾性
波素子においては、図22(b)に示すような標準的な
くし形電極を用いたが、これは図22(a)をはじめと
する他の形状のくし形電極を用いても同様の結果を得る
ことができる。
【0128】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に従う表面弾性波素子の
構造を示す断面図である。
【図2】比較例として作製された従来の表面弾性波素子
の構造を示す断面図である。
【図3】本発明の第2の実施例に従う表面弾性波素子の
構造を示す断面図である。
【図4】本発明の第3の実施例に従う表面弾性波素子の
構造を示す断面図である。
【図5】本発明の第4の実施例に従う表面弾性波素子の
構造を示す断面図である。
【図6】本発明の第5の実施例に従う表面弾性波素子の
構造を示す断面図である。
【図7】第2の実施例に従う表面弾性波素子において、
SiO2 膜の膜厚と電気機械結合係数との関係を示す図
である。
【図8】第3の実施例に従う表面弾性波素子において、
SiO2 膜の膜厚と電気機械結合係数との関係を示す図
である。
【図9】第4の実施例に従う表面弾性波素子において、
SiO2 膜の膜厚と電気機械結合係数との関係を示す図
である。
【図10】第5の実施例に従う表面弾性波素子におい
て、SiO2 膜の膜厚と電気機械結合係数との関係を示
す図である。
【図11】第2、第3、第4および第5の実施例に従う
表面弾性素子において、SiO2膜の膜厚と表面弾性波
の伝搬速度との関係を示す図である。
【図12】第6の実施例に従う表面弾性波素子におい
て、SiO2 膜およびZnO薄膜の膜厚と電気機械結合
係数との関係を示す図である。
【図13】第7の実施例に従う表面弾性波素子におい
て、SiO2 膜およびZnO薄膜の膜厚と電気機械結合
係数との関係を示す図である。
【図14】第8の実施例に従う表面弾性波素子におい
て、SiO2 膜およびZnO薄膜の膜厚と電気機械結合
係数との関係を示す図である。
【図15】第9の実施例に従う表面弾性波素子におい
て、SiO2 膜およびZnO薄膜の膜厚と電気機械結合
係数との関係を示す図である。
【図16】本発明の第10の実施例に従う表面弾性波素
子の構造を示す断面図である。
【図17】第10の実施例に従う表面弾性波素子におい
て、SiO2 膜およびZnO薄膜の膜厚と電気機械結合
係数との関係を示す図である。
【図18】第6〜10の実施例に従う表面弾性素子にお
いて、SiO2 膜およびZnO薄膜の膜厚と表面弾性波
の伝搬速度との関係を示す図である。
【図19】第6〜10の実施例に従う表面弾性素子にお
いて、SiO2 膜およびZnO薄膜の膜厚と温度係数と
の関係を示す図である。
【図20】表面弾性波素子の基本的な構造を模式的に示
す斜視図である。
【図21】従来の表面弾性波素子の構造を示す断面図で
ある。
【図22】くし形電極の形状を示す平面図である。
【符号の説明】
1,11,21…Si基板、2,12,22…ダイヤモ
ンド薄膜、3,13,23…くし形電極、4,14,2
4…ZnO薄膜、5,25,…SiO2 膜、26a,2
6b…短絡用電極。なお、各図中、同一符号は同一また
は相当部分を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鹿田 真一 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイヤモンドを組成とする硬質層と、 前記層の上に形成される圧電体層と、 前記圧電体層の上に形成される二酸化珪素層と、 前記硬質層と前記圧電体層との間、又は前記圧電体層と
    前記二酸化珪素層との間に埋設される電極群と、 を具備することを特徴とする表面弾性波素子。
  2. 【請求項2】 前記硬質層は、実質的にダイヤモンドか
    ら成ることを特徴とする請求項1に記載の表面弾性波素
    子。
  3. 【請求項3】 前記硬質層は、実質的にダイヤモンド状
    炭素膜から成ることを特徴とする請求項1に記載の表面
    弾性波素子。
  4. 【請求項4】 前記硬質層は、実質的にダイヤモンドお
    よびダイヤモンド状炭素膜から成ることを特徴とする請
    求項1に記載の表面弾性波素子。
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