JP2515622B2 - 弾性表面波センサの製法 - Google Patents

弾性表面波センサの製法

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、例えば油圧機器に組み込んで使用される
圧力センサなどに適用され、圧力や温度などの物理量の
変化にともない物体の表面付近に集中する歪エネルギの
伝播に起因して発生される機械的振動の弾性波、つまり
弾性表面波(以下、SAWと称す)の発振周波数の変化を
読み取ることにより、上記物理量を計測するように構成
されたSAWセンサの製法に関し、特に歪の受感部となる
基板の表面上にSAW共振子を形成してなる共振子形のSAW
センサの製法に関する。
[従来の技術] 従来、この種のSAWセンサとして、Siやガラスからな
る電気絶縁性の基板の表面上に導電性金属よりなる電極
およびこの電極上に厚膜のZnO圧電層を形成したもの
と、LiNbO3,LiTaO3,quartzなどの圧電体自体の表面上
に導電性金属よりなる電極を直接に形成したものとがあ
る。
ところが、いずれの場合でも、上記SAWセンサを構成
する材料は延性に乏しく、強度の面で十分といえないば
かりでなく、耐薬品性、耐腐食性に関しても十分でな
い。とくに、油圧機器に組み込んで圧力センサとして使
用する場合、1.0ton/cm2にもおよぶ繰返し応力が働き、
その結果、基板が疲労して破損したり、塑性変形した
り、また、前者の構成においては、基板とSAW共振子と
の貼付け面が剥離するなどによりセンサ機能が劣化しや
すい。
そこで、たとえば、前者の構成において、SAWセンサ
の基板材料として、延性に富んだステンレスなどの高強
度で耐薬品性に優れた導電性金属を使用し、この導電性
金属板の表面上に直接に厚膜のZnO圧電層を含むSAW共振
子を形成するSAWセンサが考えられる。
ところで、ステンレスなどの導電性金属を基板材料と
して使用する共振子形のSAWセンサは、第8図で示すよ
うに、歪受感部となる導電性金属基板1の表面に電子ビ
ーム蒸着法により酸化シリコン(SiO2)絶縁膜2を形成
し、このSiO2絶縁膜2上にアルミニウム(Al)などのSA
W電極膜をたとえば抵抗加熱蒸着法により形成するとと
もに、その電極膜をフオトエツチングによりパターンニ
ングしてSAW電極4を形成し、このSAW電極4上にZnO圧
電層5をRFマグネトロンスパツタ法により厚膜に成膜し
てSAW共振子3を形成するように製造される。
[発明が解決しようとする課題] 上述のように、導電性金属を基板材料として使用する
SAWセンサにおいては、その製造過程のうち、SAW共振子
3を構成するところの上記ZnO圧電層5をスパツタ法に
より成膜する際に、金属基板1の表面がチヤージアツプ
して、SAW電極4と金属基板1との間に異常放電が起こ
り、この異常放電によりSiO2絶縁膜2が絶縁破壊を生じ
て、SAWセンサに多くの不良品を発生しやすいという事
実を見い出した。
この発明は上記事実にもとづいて鋭意研究の結果、基
板材料として強度および耐薬品性に優れた導電性金属を
使用しても、SiO2絶縁膜の成膜時における絶縁破壊を有
効に防止して量産性の向上を図ることができるSAWセン
サの製法を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、この発明によるSAWセン
サの製法は、導電性金属基板の表面を鏡面処理する工程
と、上記導電性金属基板の表面に電気絶縁膜を形成する
工程と、この絶縁膜上に導電性金属よりなる電極および
この電極と一体でかつ上記導電性金属基板に接触して電
気的に導通されるアース電極を形成する工程と、上記導
電性金属基板をアースした状態で上記電極上に厚膜の圧
電層を形成する工程と、上記導電性金属基板に電気的に
導通されているアース電極を除去する工程とからなるも
のである。
[作用] この発明によれば、基板材料として導電性金属を使用
することにより強度、耐薬品性、耐腐食性および耐久性
に優れたSAWセンサを得ることが可能となるが、このよ
うなSAWセンサの製造過程のうち、SAW共振子を構成する
ところの厚膜の圧電層を、たとえばスパツタ法により成
膜する際、SAW電極と一体のアース電極を導電性金属基
板に接触させて両者を電気的に導通させ、圧電層の成膜
後にそのアース電極を除去することにより、基板側をア
ースするだけの簡単な手段を講じるのみで、圧電層の成
膜時の異常放電にともなう絶縁膜の絶縁破壊を有効に防
止することができる。また、電極と基板との導通をとる
ために、両者間にわたり、ワイヤを張設する必要もない
ので、絶縁破壊のない良品のSAWセンサを量産すること
が可能である。
[実施例] 以下、この発明の一実施例を図面にもとづいて説明す
る。
第1図ないし第7図はこの発明によるSAWセンサの製
法を工程中に列記する断面図である。なお、この実施例
においては、基板用の導電性金属材料としてステンレス
(以下、SUSと称す)を、SAW電極用の導電性金属材料と
してアルミ(以下、Alと称す)を、また厚膜圧電層用の
材料として酸化亜鉛(以下、ZnOと称す)をそれぞれ使
用した場合について説明する。
第1工程は第1図で示すように、SUS基板1の表面1a
を鏡面状に研磨する工程であつて、具体的には、基板表
面1aをペーパー研磨したのち、1μm径のダイヤモンド
パウダで約30秒間バフ研磨することにより、SAWの伝播
がスムーズにおこなえる滑らかな表面に仕上げる。ここ
で、バフ研磨の時間が長すぎると、基板表面1aにピツト
が生じるため、約30秒間位が適切である。
第2工程は第2図で示すように、上記SUS基板1の研
磨表面1aにSiO2絶縁膜2を電子ビーム蒸着法により形成
する工程であつて、具体的には、基板温度400℃、成膜
速度5Å/secの条件で成膜して形成する。ここで、絶縁
膜2としては、抵抗率が高く、かつピンホールなどの欠
陥のないことが要求される。成膜速度が早すぎると、ピ
ンホールの発生率が増加することになるので、5Å/sec
程度の成膜速度が適正である。
第3工程は第3図で示すように、上記SiO2絶縁膜2上
にSAW電極用のAl膜4Aを抵抗加熱蒸着法により形成する
工程であつて、具体的には、基板温度200℃、成膜速度2
0Å/sec.の条件で成膜し形成する。ここで、SAW電極と
しては、抵抗率が十分に小さいことが要求され、基板温
度が高すぎると、Al膜4Aの表面に酸化膜が生じて、抵抗
率が増大することになるので、200℃位の基板温度が適
正である。
そして、この第3工程時において、Al膜4Aをその一端
部分4BがSiO2絶縁膜2の端面およびSUS基板1の表面1a
に延出する状態に成膜しておくことにより、Al膜4AとSU
S基板1とを電気的に導通させるアース電極4Bが形成さ
れている。
第4工程は第4図で示すように、上記Al膜4Aをフオト
エツチング法によりパターンニングする工程であつて、
これにより、くし歯状などの所定形状のデイジタル電極
4を形成する。ここでは、SAW励振に必要な加工精度が
要求され、その意味で湿式エツチングが好適である。
第5工程は第5図で示すように、上記電極4およびSi
O2絶縁膜2上にZnO圧電層5をRFマグネトロンスパツタ
法により厚膜に形成する工程であつて、具体的には、ア
ルゴン(Ar)と酸素(O2)とが1:1の雰囲気下で、ガス
圧4×10-3Torr、基板温度400℃、RFパワー300Wの条件
でスパツタリングして成膜して形成する。ここでは、基
板1に対しC軸配向し、かつ十分に抵抗率が高いことが
要求されることから、上記の条件で成膜するのが最適で
ある。
この第5工程時には、SUS基板1をアース8しておく
ことにより、Al電極4とSUS基板1との間での異常放電
の発生をなくして、SiO2絶縁膜2の絶縁破壊を防止する
ことができる。
第6工程は第6図で示すように、上記第3工程時に形
成しておいたAl電極4とSUS基板1とのアース電極4Bを
除去する工程であつて、具体的には、同図の点線で示し
た個所をレーザーカツテイングもしくはエツチングして
アース電極4Bを除去する。
第7工程は第7図で示すように、上記第6工程での除
去により露出した面の腐食防止のために、その露出面を
例えば酸化アルミ(Al2O3)などのコーテイング材7に
よりコートする。
以上の第1工程ないし第7工程により、第8図で示す
ように、歪受感部であるSUS基板1上に、SiO2絶縁膜2,
電極4およびZnO圧電層5からなるSAW共振子3を形成し
てなるSAWセンサを製造する。
以上の工程を経て製造されたSAWセンサは、強度性、
耐薬品性、耐腐食性および耐久性に優れているだけでな
く、SiO2絶縁膜2の抵抗率も十分に高く保つて、圧力や
温度などを高精度に計測することができる。
なお、基板材料としては、上記実施例で示したよう
に、延性に富んだSUSが最も適しているが、それ以外
に、導電性および耐熱性を有する金属であれば適宜の材
料が選定されることはいうまでもない。
[発明の効果] 以上のように、この発明によれば、基板材料として導
電性金属を用いることにより、SAWセンサ全体としての
強度および耐薬品性、耐腐食性の向上が図れ、繰返し応
力の働く条件下での使用に対しても、その耐久性および
発振性能に優れたSAWセンサを得ることができる。
その上、このようなSAWセンサの製造工程のうち、圧
膜の圧電層をたとえばスパツタ法により成膜するときに
生じるSiO2絶縁膜の絶縁破壊防止対策として、SAW電極
を構成する導電性金属の一部を基板に接触させて両者を
導通させるアース電極を採用することにより、両者間に
ワイヤを張設したり、電極および基板を個々にアースす
るといつた面倒な手間を要することなく、絶縁破壊を有
効に防止することができる。これにより、良品の良品の
SAWセンサを量産することが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第7図はこの発明によるSAWセンサの製法
の実施例を工程順に示す断面図、第8図は製造されたSA
Wセンサの全体断面図である。 1……導電性金属基板(SUS基板)、2……電気絶縁膜
(SiO2絶縁膜)、3……SAW共振子、4……導電性金属
電極(Al電極)、4B……アース電極、5……圧電層(Zn
O圧電層)。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性金属基板の表面を鏡面処理する工程
    と、上記導電性金属基板の表面に電気絶縁膜を形成する
    工程と、この絶縁膜上に導電性金属よりなる電極および
    この電極と一体でかつ上記導電性金属基板に接触して電
    気的に導通されるアース電極を形成する工程と、上記導
    電性金属基板をアースした状態で上記電極上に厚膜の圧
    電層を形成する工程と、上記導電性金属基板に電気的に
    導通されているアース電極を除去する工程とからなる弾
    性表面波センサの製法。
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JP3205976B2 (ja) * 1992-09-14 2001-09-04 住友電気工業株式会社 表面弾性波素子
JP3163606B2 (ja) * 1993-01-29 2001-05-08 住友電気工業株式会社 表面弾性波素子
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